JP2015207515A - 電極およびそれを用いた空気二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた充放電活性を有する空気二次電池を提供することができる電極を提供すること。【解決手段】酸素の還元能を有する金属錯体と、水の酸化能を有する層状金属化合物とを含む電極。前記酸素の還元能を有する金属錯体が、多核金属錯体である前記記載の電極。前記酸素の還元能を有する金属錯体の中心金属として、第一遷移金属原子またはイオンを含む前記記載の電極。前記水の酸化能を有する層状金属化合物が、[M2+1-xM3+x(OH)2]x+[An-x/n・mH2O]x-(式中、Mは遷移金属元素、An-はn価のアニオン、xは0<x<1並びにmおよびnは0より大きい実数を表す。)で表される層状複水酸化物である前記記載の電極。【選択図】図1

Description

本発明は、電極およびそれを用いた空気二次電池に関する。
空気電池は、当該電池外部から正極活物質である酸素が供給されるため、電池内に正極活物質を収容する必要がない。そのため、電池内に大量の負極活物質を充填することができ、非常に高いエネルギー密度を達成することができるため、期待が寄せられている。
空気電池は、酸素の還元能および水の酸化能を有する正極触媒を含む正極触媒層からなる正極と、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、水素等を負極活物質とする負極と、電解液とを有する電池である。例えば、負極が亜鉛を含む場合、アルカリ性条件下での空気電池の放電反応は、以下の式で表される。
正極:O+2HO+4e → 4OH
負極:Zn+2OH → ZnO+HO+2e
全反応:2Zn+O → 2ZnO
また、従来、充電することにより電気を蓄え、繰り返し使用することができる電池(二次電池、充電式電池、蓄電池)が知られており、これは、上述の空気電池のような、空気中の酸素を活物質として使用する電池においても開発が進められている。以下の説明においては、空気中の酸素を活物質として使用し、充電および放電が繰り返し可能な電池を、上述した空気電池と区別するために「空気二次電池」と称する。
空気二次電池として、例えば、非特許文献1には、金属の無機酸化物を含む電極を有する空気二次電池が開示されている。
Nae−Lih Wu et al, ’’Effect of oxygenation on electrocatalysis of La0.6Ca0.4CoO3−x in bifunctional air electrode’’, Electrochimica Acta 2003, 48, 1567−1571
しかしながら、非特許文献1に記載の金属無機酸化物を含む電極を有する空気二次電池は、充放電活性が不十分であるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、優れた充放電活性を有する空気二次電池を提供することができる電極および該電極を有する空気二次電池を提供する。
すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
本発明は第一に、酸素の還元能を有する金属錯体と、水の酸化能を有する層状金属化合物とを含む電極を提供する。
本発明は第二に、前記酸素の還元能を有する金属錯体が、多核金属錯体である前記記載の電極を提供する。
本発明は第三に、前記酸素の還元能を有する金属錯体の中心金属として、第一遷移金属原子またはイオンを含む前記記載の電極を提供する。
本発明は第四に、前記水の酸化能を有する層状金属化合物が、[M2+ 1-x3+ x(OH)2]x+ [An- x/n・mH2O]x-(式中、Mは遷移金属元素、An-はn価のアニオン、xは0<x<1、mおよびnは0より大きい実数)で表される層状複水酸化物である前記記載の電極を提供する。
本発明は第五に、前記Mがマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅または亜鉛である前記記載の電極を提供する。
本発明は第六に、前記n価のアニオンが1価の水酸化物イオンである前期記載の電極を提供する。
本発明は第七に、前記記載の電極を有する空気二次電池を提供する。
本発明によれば、優れた充放電活性を有する空気二次電池を提供することができる。
本実施形態の空気二次電池の一例を示す概略模式図である。
以下、本実施形態について詳細に説明する。
<電極>
本発明の電極は、酸素の還元能を有する金属錯体と、水の酸化能を有する層状金属化合物を含む。ここで、酸素の還元能とは、酸素を水酸化物イオンに還元できることを意味し、水の酸化能とは、水を水酸化物イオンに酸化できることを意味する。
(酸素の還元能を有する金属錯体)
酸素の還元能を有する金属錯体としては、金属ポルフィリン、金属フタロシアニンなどの単核金属錯体や1つの分子内に複数の金属原子または金属イオンを有する多核金属錯体などが例示される。
金属錯体の中心金属としては、第一遷移金属原子またはイオンであることが好ましい。
単核金属錯体について、具体的な構造式を例示する。Mは、金属原子または金属イオンを示す。構造式における水素原子は、他の置換基で、置換されていてもよい。
Figure 2015207515
多核金属錯体について、具体的な構造式を例示する。Mは、金属原子または金属イオンを示す。複数あるMは、同一でも異なっていてもよい。構造式における水素原子は、他の置換基で置換されていてもよい。なお、多核金属錯体の電荷は省略している。
Figure 2015207515
Figure 2015207515
Figure 2015207515
(酸素の還元能を有する金属錯体の製造方法)
次に、本発明で好適に用いられる酸素の還元能を有する金属錯体の合成方法について説明する。
本発明に用いることの出来る酸素の還元能を有する金属錯体は、例えば、配位子化合物を有機化学的に合成した後、得られた化合物を、金属原子または金属イオンを付与する反応剤(以下、「金属付与剤」と言う。)と混合し、反応させることにより得られる。反応させる金属付与剤の量は特に限定されず、目的とする金属錯体に応じて、金属付与剤の量を調節すればよいが、通常、配位子化合物に対して過剰量の金属付与剤を反応させることが好ましい。
前記配位子化合物について、具体的な構造式を例示する。構造式における水素原子は、他の置換基で、置換されていてもよい。
Figure 2015207515
Figure 2015207515

Figure 2015207515
前記金属付与剤としては、酢酸塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、過塩素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフェニルホウ酸塩等があげられ、特に酢酸塩が好ましい。酢酸塩としては、例えば、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、酢酸マンガン(II)、酢酸マンガン(III)、酢酸ニッケル(II)、酢酸銅(II)、酢酸亜鉛(II)があげられ、好ましくは、酢酸コバルトである。
前記金属付与剤は、水和物であってもよく、例えば、酢酸コバルト(II)4水和物、酢酸マンガン(II)4水和物、酢酸マンガン(III)2水和物、酢酸ニッケル(II)4水和物、酢酸銅(II)1水和物、酢酸亜鉛(II)2水和物があげられる。
前記配位子化合物および金属付与剤を混合する工程は、適当な溶媒の存在下で行う。反応で用いられる溶媒(反応溶媒)としては、水;酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;アンモニア水、トリエチルアミン等のアミン類;メタノール、エタノール、n−プロパノ−ル、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、デュレン、デカリン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン等があげられる。なお、これらの反応溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。また、前記溶媒としては、配位子となる芳香族化合物および金属付与剤が溶解し得る溶媒が好ましい。
前記配位子化合物および金属付与剤の混合温度は、好ましくは−10℃以上250℃以下、より好ましくは0℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは0℃以上150℃以下である。
また、前記配位子化合物および金属付与剤の混合時間は、好ましくは1分間以上1週間以下、より好ましくは5分間以上24時間以下、さらに好ましくは1時間以上12時間以下である。なお、前記混合温度および混合時間は、前記配位子化合物および金属付与剤の種類を考慮して調節することが好ましい。
生成した前記金属錯体は、公知の再結晶法、再沈殿法、クロマトグラフィー法から適した方法を選択して適用することで、前記溶媒から取り出すことができ、この時、複数の前記方法を組み合わせてもよい。なお、前記溶媒の種類によっては、生成した前記多核金属錯体が析出することがあり、この場合には、析出した前記金属錯体を濾別等で分離した後洗浄、乾燥等を行えばよい。
前記金属錯体は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
(水の酸化能を有する層状金属化合物)
本発明において、層状金属化合物として、層状複水酸化物、層状金属酸化物が例示され、層状複水酸化物であることが好ましい。ここで、層状複水酸化物とは、金属水酸化物層および陰イオンと層間水から構成される層が交互に積層した構造を有する化合物を表し、層状金属酸化物とは層状構造を有する金属酸化物を表す。
(水の酸化能を有する層状金属酸化物)
水の酸化能を有する層状金属酸化物の組成の一例としては、BCで表される組成があげられる。(式中、BおよびCは金属元素、yおよびzは0より大きい実数を表す。)
前記層状金属酸化物が有する金属元素としては、典型金属および遷移金属を用いることができる。
前記yの実数の範囲として、好ましくは0<y<6、より好ましくは1<y<5、さらに好ましくは1<y<4である。
前記zの実数の範囲として、好ましくは0<z<12、より好ましくは1<z<8、さらに好ましくは2<z<5である。
(水の酸化能を有する層状複水酸化物)
水の酸化能を有する層状複水酸化物の組成の一例としては、[M2+ 1-x3+ x(OH)2]x+ [An- x/n・mH2O]x-で表される組成が挙げられる。(式中、Mは遷移金属元素、M2+は二価の遷移金属イオン、M3+は三価の遷移金属イオン、An-はn価のアニオン、xは0<x<1並びにmおよびnは0より大きい実数を表す。)
前記層状複水酸化物が有する金属元素としては、遷移金属を用いることができる。
前記Mとして、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群より選ばれる1種類以上を用いることができ、より好ましくは、ニッケル、鉄およびコバルトからなる群より選ばれる1種類以上であり、さらに好ましくはニッケルおよび/または鉄である。
前記An-として、水酸化物イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等があげられる。活性向上の観点から、より好ましくは、水酸化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、炭酸イオンであり、さらに好ましくは水酸化物イオンである。
前記xの実数の範囲として、好ましくは0<x<1、より好ましくは0.1<x<0.8、さらに好ましくは0.2<x<0.5である。
前記mの実数の範囲として、好ましくは0<m<20、より好ましくは0<m<15、さらに好ましくは1<m<10である。
層状複水酸化物は、高い水の酸化能を有していることが好ましい。高い水の酸化能の指標として、例えば、カーボン、層状複水酸化物およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる触媒層と、カーボンブラック、トライトンおよびPTFEからなるガス拡散層とをニッケルメッシュ上に乗せ、プレスすることで電極を作成し、8M水酸化カリウム水溶液中、カウンター電極に白金を用い、ポテンショスタットを用いて電極評価を行なった際、銀/塩化銀電極に対して1Vの時の電流密度が150mA/cm以上であるものが好ましい。
(層状金属酸化物の製造方法)
本発明で好適に用いられる層状金属酸化物の合成方法について説明する。層状金属酸化物の合成方法は公知の如何なる方法で製造してもよいが、例えば、以下の方法で製造することが出来る。
層状金属酸化物は、金属酸化物および金属塩からなる群より選ばれる2種類以上を混合し、焼成することで得ることが出来る。
前記金属酸化物および金属塩などの混合方法としては、公知の如何なる方法で混合してもよいが、例えば、メノウの乳鉢で混合してもよい。
前記金属酸化物および金属塩などの混合物の焼成方法としては、公知の如何なる方法で焼成してもよいが、例えば酸素雰囲気下、900℃で加熱することによって焼成してもよい。
(層状複水酸化物の製造方法)
次に、本発明で好適に用いられる層状複水酸化物の合成方法について説明する。層状複水酸化物は、公知の如何なる方法で製造してもよいが、例えば、以下の方法で製造することができる。
層状複水酸化物は、金属塩の水溶液に、水熱合成を行ったものを、ろ別することによって得ることができる。水熱合成とは高温高圧の溶媒の下で化学反応を行うことで、常温常圧の溶媒に溶けにくい物質の合成などに利用される。
前記金属塩としては、例えば、酢酸塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、燐酸塩、過塩素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフェニルホウ酸塩等があげられ、特に酢酸塩、塩化物、硝酸塩、水酸化物が好ましい。酢酸塩としては、例えば、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、酢酸マンガン(II)、酢酸マンガン(III)、酢酸ニッケル(II)があげられる。塩化物としては、例えば、塩化コバルト(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化マンガン(II)、塩化ニッケル(II)、があげられ、硝酸塩としては、例えば、硝酸コバルト(II)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸マンガン(II)、硝酸ニッケル(II)、があげられ、水酸化物としては、例えば、水酸化コバルト(II)、水酸化鉄(II)、水酸化マンガン(II)、水酸化ニッケル(II)、があげられる。好ましくは、酢酸コバルト(II)、酢酸ニッケル(II)、硝酸鉄(III)、である。
前記金属塩は、水和物であってもよく、水和物としては、例えば、酢酸コバルト(II)4水和物、酢酸マンガン(III)2水和物、酢酸ニッケル(II)4水和物、酢酸ニッケル(II)4水和物、硝酸鉄(III)9水和物、があげられる。
前記金属塩の水溶液にメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と言う。)、N,N’−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と言う。)などの有機溶媒を加えてもよい。
また、前記金属塩の水溶液に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどの水溶液を添加してもよい。
前記金属塩の水溶液を水熱合成する温度は、好ましくは50℃以上300℃以下、より好ましくは60℃以上270℃以下であり、さらに好ましくは80℃以上250℃以下である。
また、前記金属塩の水溶液を水熱合成する時間は、好ましくは1分間以上1週間以下、より好ましくは5分間以上24時間以下、さらに好ましくは10分以上12時間以下である。
得られた層状複水酸化物の同定には粉末X線回折、元素分析、赤外分光法などを用いて同定することができる。
前記層状複水酸化物は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。二種類以上の層状複水酸化物を混合して用いる場合は、公知の如何なる方法で混合してもよいが、例えばメノウの乳鉢で混合してもよい。
前記金属錯体と、層状複水酸化物とは、公知の如何なる方法で混合してもよいが、例えばメノウの乳鉢で混合してもよい。
(電極)
本発明の電極は、電極触媒および集電体から構成される。
本発明の電極は、電極触媒として、酸素の還元能を有する金属錯体および水の酸化能を有する層状金属化合物を含むが、これら以外に、他の電極触媒を含んでもよい。さらに、電極には、導電材および結着材を含んでいてもよい。前記導電材は、電極の導電性を向上させることができるものであればよく、カーボンが好ましい。
電極において、前記他の電極触媒、導電材および結着材等の各構成成分は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
集電体は電流を電極触媒に供給する役割があるため、その材質は、導電性であればよい。好ましい正極集電体としては、金属板、金属箔、金属メッシュ、金属焼結体、カーボンペーパー、カーボンクロスが例示できる。
前記金属メッシュおよび金属焼結体における金属としては、ニッケル、銅、クロム、鉄、チタン等の金属の単体;二種以上のこれら金属を含む合金が例示でき、ニッケル、銅、ステンレス(鉄−ニッケル−クロム合金)が好ましい。
本発明の電極は、空気二次電池用電極、水の電気分解用電極、過酸化水素の製造触媒、酸化還元反応用触媒、酸素センサー等の用途が挙げられる。
前記電極を空気二次電池用電極として用いる場合、特に正極として用いることが好ましい。
(空気二次電池)
本実施形態の空気二次電池は、本発明の電極を正極として用い、亜鉛単体および亜鉛化合物からなる群より選ばれる一種以上の負極活物質を含む負極と、電解質とを備えている。
図1は、本実施形態に係る空気二次電池の一実施形態を例示する概略断面図である。
ここに示す空気二次電池1は、前記電極触媒を含む正極触媒層11、正極集電体12、前記負極活物質を含む負極活物質層13、負極集電体14、電解液15およびこれらを収容する容器(図示略)を備える。
正極集電体12は正極触媒層11に接触して配置され、これらにより正極が構成されている。また、負極集電体14は負極活物質層13に接触して配置され、これらにより負極が構成されている。また、正極集電体12には正極端子(リード線)120が接続され、負極集電体14には負極端子(リード線)140が接続されている。
正極触媒層11および負極活物質層13は、対向して配置され、これらの間にこれらに接触するように電解質15が配置されている。
なお、本実施形態に係る空気二次電池は、ここに示すものに限定されず、必要に応じて一部構成が変更されていてもよい。
(正極触媒層)
本発明の正極触媒層は、電極触媒として、酸素の還元能を有する金属錯体および水の酸化能を有する層状金属化合物を含むが、これら以外に、他の電極触媒を含んでもよい。さらに、電極には、導電材および結着材を含むものが好ましい。前記導電材は、電極の導電性を向上させることができるものであればよく、カーボンが好ましい。
前記カーボンとしては、「ノーリット」(NORIT社製)、「ケッチェンブラック」(Lion社製)、「バルカン」(Cabot社製)、「ブラックパールズ」(Cabot社製)、「アセチレンブラック」(電気化学工業社製)(いずれも商品名)等のカーボンブラック;C60、C70等のフラーレン;カーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、シングルウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等のカーボン繊維、グラフェン、グラフェンオキシドが例示でき、カーボンブラックが好ましい。
前記カーボンは、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子と組み合わせて用いてもよい。
前記結着材は、電極触媒、導電材等を互いに接着するものであり、例えば、電解液として使用する電解液に溶解しないものがあげられ、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と言う。)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素樹脂が好ましい。
正極触媒層に含まれる前記酸素の還元能を有する金属錯体は、触媒層中に3〜95重量%含まれることが好ましく、5〜50重量%であることがより好ましく、10〜30重量%であることが特に好ましい。
正極触媒層に含まれる前記水の酸化能を有する層状複水酸化物および層状金属化合物の配合量は、前記酸素の還元能を有する金属錯体1質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましく、0.5〜3質量部であることが特に好ましい。
導電材の配合量は、前記電極触媒1質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜15質量部であることが特に好ましい。結着材の配合量は、前記電極触媒1質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましく、0.5〜3質量部であることが特に好ましい。
正極触媒層において、前記他の電極触媒、導電材および結着材等の各構成成分は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
(正極集電体)
正極集電体は電流を電極触媒に供給する役割があるため、その材質は、導電性であればよい。好ましい正極集電体としては、金属板、金属箔、金属メッシュ、金属焼結体、カーボンペーパー、カーボンクロスが例示できる。
前記金属メッシュおよび金属焼結体における金属としては、ニッケル、銅、クロム、鉄、チタン等の金属の単体;二種以上のこれら金属を含む合金が例示でき、ニッケル、銅、ステンレス(鉄−ニッケル−クロム合金)が好ましい。
正極触媒層と正極集電体の間に、ガス拡散層をはさんでもよい。
(負極)
本実施形態における負極として、亜鉛単体および亜鉛化合物からなる群より選ばれる一種以上を負極活物質として用いることができる。亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛合金などを例示することができる。
亜鉛合金としては、1ppm〜3000ppmのビスマス、好ましくは100ppm〜1000ppmのビスマスとの合金を用いてもよい。また、1ppm〜3000ppmのインジウム、好ましくは100〜1000ppmのインジウム、あるいは1ppm〜3000ppmのインジウムと1ppm〜3000ppmのビスマス、好ましくは100ppm〜1000ppmのインジウムと100ppm〜1000ppmのビスマスとの亜鉛合金を用いてもよい。これら亜鉛合金を用いることで、亜鉛の水素過電圧を低減することができ、電池内におけるガス発生をより確実に防止できる。
前記負極は、板状、粒状、ゲル状のいずれの形状で用いてもよい。
負極集電体14は、正極集電体12と同様のものでよい。
(電解質)
電解質は、電解質を溶媒に溶解した電解液を用いることができる。溶媒としては、イオンが電離し易いため水が好ましい。
上記電解質としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムが例示される。より好ましくは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウムである。なお、前記電解質は、無水物であっても水和物であってもよい。
前記電解質は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
電解液中の電解質の濃度は、空気二次電池の使用環境により任意に設定することができるが、1〜99質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましい。
亜鉛を含む樹状析出物の発生を抑制することを目的として、電解液に、クエン酸、コハク酸、酒石酸などを、加えてもよい。
また、放電時における電解液への亜鉛イオンの溶解を抑制することを目的として、電解液に、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛などを、加えてもよい。
また、電解液をポリアクリル酸などの吸水性ポリマーへ吸収させた、ゲル状電解質として用いてもよい。
<その他の構成>
容器は、正極触媒層11、正極集電体12、負極活物質層13、負極集電体14および電解液15を収容するものである。容器の材質としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等の樹脂や、前記正極触媒層11等の収容物とは反応しない金属が例示できる。
空気二次電池1においては、別途、酸素拡散膜を設けてもよい。酸素拡散膜は、正極集電体12の外側(正極触媒層11の反対側)に設けることが好ましい。こうすることで、酸素拡散膜を介して正極触媒層11に酸素(空気)が優先的に供給される。
前記酸素拡散膜は、酸素(空気)を好適に透過できる膜であればよく、樹脂製の不織布または多孔質膜が例示でき、前記樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が例示できる。
空気二次電池1においては、正極と負極との接触による短絡を防止するために、これらの間にセパレータを設けてもよい。
セパレータは、電解液15の移動が可能な絶縁材料からなるものであればよく、樹脂製の不織布または多孔質膜が例示でき、前記樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が例示できる。また、電解液15を水溶液として用いる場合には、前記樹脂として、親水性化されたものを用いることが好ましい。
本発明の二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、扁平型、角型などがあげられる。
本実施形態の空気二次電池は、例えば、電気自動車用電源や家庭用電源など大型なものなどに有用であり、また、携帯電話または携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源としても有用である。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。また、実施例における分析および評価は以下のものを用いて行った。
(1)粉末X線回折(XRD)の測定
装置:PANalytical(株)製 X'Pert PRO MPD
X線管球:Cu−Kα
X線出力:45 kV-40 mA
(2)H−NMRの測定
装置:varian(株)製 INOVA300
[合成例1]
<ニッケル鉄-層状複水酸化物の合成>
フラスコに、酢酸ニッケル(II)4水和物を5.0g(20mmol)と水20mlを入れ、0.2Mの酢酸ニッケル水溶液を作成した。同様にして別のフラスコに、硝酸鉄(III)9水和物を4.0g(10mmol)と水10mlを入れ、0.2Mの硝酸鉄水溶液を作成した。調整した酢酸ニッケル水溶液(10ml)と硝酸鉄水溶液(2ml)を、水20ml、DMF20mlと共にポリテトラフルオロエチレン製のるつぼに入れ、るつぼをステンレスジャケットで密封した。ステンレスジャケットを160℃に温度調整したオイルバスで1時間加熱攪拌した後、室温まで冷却させ、反応液中に生じた山吹色沈殿を濾取することにより、30mgのニッケル鉄-層状複水酸化物を得た。
[合成例1]の層状複水酸化物についてX線回折(XRD)を行った。
2θ(o): 11.3、 22.7、 34.3、 38.6、 46.3、 61.6
[合成例2]
<金属錯体MC1の合成>
以下の反応式(1)〜(3)に従い、化合物1および化合物2を経由して化合物3を合成した。そして、以下の反応式(4)に従い、化合物3と金属付与剤とを用いて、金属錯体MC1を合成した。
(化合物1の合成)
Figure 2015207515
…(1)
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基であり、dbaはジベンジリデンアセトンである。)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、3.94g(6.00mmol)の2,9−(3’−ブロモ−5’−tert−ブチル−2’−メトキシフェニル)−1,10−フェナントロリン(Tetrahedron.,1999,55,8377.の記載に従って合成した。)、3.17g(15.0mmol)の1−N−Boc−ピロール−2−ボロン酸、0.14g(0.15mmol)のトリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム、0.25g(0.60mmol)の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルおよび、5.53g(26.0mmol)のリン酸カリウムを、200mLのジオキサンと20mLの水との混合溶媒に加えて溶解させ、60℃にて6時間攪拌した。反応終了後、放冷して蒸留水およびクロロホルムを加えて、有機層を抽出した。得られた有機層を濃縮して、黒い残留物を得た。これを、展開溶媒としてクロロホルムを用いたシリカゲルカラムで精製し、化合物1を得た。得られた化合物1の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.34(s,18H),1.37(s,18H),3.30(s,6H),6.21(m,2H),6.27(m,2H),7.37(m,2H),7.41(s,2H),7.82(s,2H),8.00(s,2H),8.19(d,J=8.6Hz,2H),8.27(d,J=8.6Hz,2H).
(化合物2の合成)
Figure 2015207515
…(2)
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基である。)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、0.904g(1.08mmol)の化合物1を10mLの無水ジクロロメタンに溶解させた。得られたジクロロメタン溶液を−78℃に冷却しながら、ここに三臭化ホウ素の1.0Mジクロロメタン溶液8.8mL(8.8mmol)をゆっくり滴下した。滴下後、10分間そのまま攪拌し、室温になるまでさらに攪拌しながら放置した。3時間後、反応液を0℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、クロロホルムを加えて抽出し、有機層を濃縮した。得られた褐色の残留物を、展開溶媒としてクロロホルムを用いたシリカゲルカラムで精製し、化合物2を得た。得られた化合物2の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.40(s,18H),6.25(m,2H),6.44(m,2H),6.74(m,2H),7.84(s,2H),7.89(s,2H),7.92(s,2H),8.35(d,J=8.4Hz,2H),8.46(d,J=8.4Hz,2H),10.61(s,2H),15.88(s,2H).
(配位子化合物3の合成)
Figure 2015207515
…(3)
反応容器内において、0.061g(0.10mmol)の化合物2と0.012g(0.11mmol)のベンズアルデヒドを5mLのプロピオン酸に溶解させ、140℃で7時間加熱した。その後、得られた反応液からプロピオン酸を留去して、得られた黒い残渣を、展開溶媒をクロロホルムとメタノールを10:1の体積比で混合した溶媒を用いたシリカゲルカラムで精製して、配位子化合物3を得た。得られた配位子化合物3の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.49(s,18H),6.69(d,J=4.8Hz,2H),7.01(d,J=4.8Hz,2H),7.57(m,5H),7.90(s,4H),8.02(s,2H),8.31(d,J=8.1Hz,2H),8.47(d,J=8.1Hz,2H).
(金属錯体MC1の合成)
Figure 2015207515
…(4)
(式中、Acはアセチル基であり、Meはメチル基である。)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、0.045g(0.065mmol)の化合物3と、0.040g(0.16mmol)の酢酸コバルト4水和物を含んだ3mLのメタノールおよび3mLのクロロホルムの混合溶液とを混合し、80℃に加熱しながら5時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させて、青色固体を得た。これを水で洗浄することにより、金属錯体MC1を得た。なお、前記反応式中の金属錯体MC1において、「(OAc)」は、1当量の酢酸イオンが対イオンとして存在することを示す。得られた金属錯体MC1の同定データを以下に示す。
ESI−MS[M・]:m/z=866.0
<電極評価>
[実施例1]
(ガス拡散層用粉末の作製)
カーボンブラック(アセチレンブラック)、トライトン(キシダ化学)および水を1 : 1 : 30 (重量比)の割合で混合し、これにPTFE(ダイキン、D−210C)をカーボンブラックに対して67重量%になるように添加し、ミルサーで5分間粉砕後、吸引ろ過し、120℃で12時間乾燥させた。乾燥後これをミルサーで微粉化し、280℃、3時間空気中で熱処理を行った。ここで得られた粉末をミルサーで再度微粉化しガス拡散層用粉末を得た。
(触媒層用粉末の作製)
ビーカーに水100mlと1−ブタノール1mlを入れ、その中にカーボン(ケッチェンブラック300EC)0.18g、合成例1で作製したニッケル鉄-層状複水酸化物を0.16g、合成例2で作製した金属錯体MC1を0.08g加えた。2時間攪拌後、PTFE(ダイキン、D−210C)0.16gを少量ずつ加えてさらに1時間攪拌した。それを吸引ろ過し、120℃で乾燥してミルサーで粉砕し、触媒層粉末を得た。
(電極の作製)
ホットプレス用金型にアルミホイルをのせ、その上にニッケルメッシュ(ニコライ社製)をのせ、ガス拡散層電極用粉末を60mg充填し、ガス拡散層用粉末の上に触媒層用粉末を60mg充填した。まず、80kgf/cmの圧力で冷間プレス行った後、350℃に保ったホットプレスを用いて10秒間プレスを行い、電極を得た。電極の反応面積は1.767cmであった。
電極特性評価
ポリテトラフルオロエチレン製のセルに作製した電極を取り付け、8M水酸化カリウム水溶液中でポテンショスタットを用いて測定した。電流密度50mA/cmにおける酸素還元電位、水の酸化電位、及びそれらの電位差(V)を表1に示す。
(測定装置)
東方技研 マルチポテンショスタット MODEL PS−04
(測定条件)
電解質溶液:8mol/L水酸化カリウム水溶液
溶液温度:室温(23℃)
参照電極:銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
カウンター電極:白金電極(ウィンクラー式電極)
掃引速度:±25mV/180秒
[比較例1]
La0.6Ca0.4CoO3−xを、文献(Electrochimica Acta 2003, 48, 1567)記載の方法に従って合成した。触媒として、 La0.6Ca0.4CoO3−xを用いて、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2015207515
本発明の電極は、酸素の還元反応と水の酸化反応との電位差が小さくなり、空気二次電池の正極として、優れた充放電活性を有することがわかる。
以上により、本発明の有用性が確かめられた。
[参考例1]
上記で得られた金属錯体MC1、ニッケル鉄-層状複水酸化物とカーボン(商品名:ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製)を質量比1:1:4で混合し、メタノール中、室温にて15分間攪拌した後、室温にて200Paの減圧下で12時間乾燥させて電極触媒Cat1を得た。電極触媒1を用いて、酸素還元能および水の酸化能の評価を行った。
評価には、ディスク部がグラッシーカーボン(直径6.0mm)であるディスク電極を用いた。電極触媒Cat1が1mg入ったサンプル瓶へ、0.5質量%のナフィオン(登録商標)溶液(5質量%ナフィオン(登録商標)溶液をエタノールにて10倍希釈した溶液)を1mL加えた後、超音波を照射して15分間分散させた。得られた懸濁液7.2μLを前記電極のディスク部に滴下して乾燥させた後、80℃に加熱した乾燥機にて3時間乾燥させることで、測定用電極を得た。
<酸素還元能の評価>
この測定用電極を用いて、下記測定装置および測定条件において、酸素還元反応の電流値を測定した。電流値の測定は、窒素を飽和させた状態(窒素雰囲気下)、酸素を飽和させた状態(酸素雰囲気下)でそれぞれ行い、酸素雰囲気下での測定で得られた電流値から、窒素雰囲気下での測定で得られた電流値を引いた値を酸素還元反応の電流値とした。この電流値を測定用電極の表面積で除すことにより、電流密度を求めた。結果を表2に示す。
なお、電流密度は、銀/塩化銀電極に対して−0.8Vのときの値である。
(測定装置)
日厚計測社製RRDE−1回転リングディスク電極装置
ALSモデル701Cデュアル電気化学アナライザー
(測定条件)
セル溶液:0.1mol/L水酸化カリウム水溶液(酸素飽和または窒素飽和)
溶液温度:25℃
参照電極:銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
カウンター電極:白金ワイヤー
掃引速度:10mV/秒
電極回転速度:1600rpm
(水の酸化能の評価)
上記で得られた電極触媒について、酸素還元能の評価の場合と同様の測定用電極を作製し、これを用いて、下記測定装置および測定条件において、水の酸化反応の電流値を測定した。電流値の測定は、窒素を飽和させた状態で行い、この電流値を測定用電極の表面積で除すことにより、電流密度を求めた。結果を表2に示す。なお、電流密度は、銀/塩化銀電極に対して1Vのときの値である。
(測定装置)
日厚計測社製RRDE−1回転リングディスク電極装置
ALSモデル701Cデュアル電気化学アナライザー
(測定条件)
セル溶液:1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(窒素飽和)
溶液温度:25℃
参照電極:銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
カウンター電極:白金ワイヤー
掃引速度:10mV/秒
電極回転速度:900rpm
Figure 2015207515
参考例1より、金属錯体(金属錯体MC1)と層状金属化合物(ニッケル鉄−層状複水酸化物)とを両方含む電極触媒は、酸素還元能および水の酸化能を有することが分かる。
本発明の電極は、エネルギー分野で利用可能であり、また本発明は優れた充放電活性を有する空気二次電池を提供することが出来る。
1…空気二次電池、11…正極触媒層、12…正極集電体、120…正極端子、13…負極活物質層、14…負極集電体、140…負極端子、15…電解質

Claims (7)

  1. 酸素の還元能を有する金属錯体と、水の酸化能を有する層状金属化合物とを含む電極。
  2. 前記酸素の還元能を有する金属錯体が、多核金属錯体である請求項1に記載の電極。
  3. 前記酸素の還元能を有する金属錯体の中心金属として、第一遷移金属原子またはイオンを含む請求項1または2に記載の電極。
  4. 前記水の酸化能を有する層状金属化合物が、[M2+ 1-x3+ x(OH)2]x+ [An- x/n・mH2O]x-(式中、Mは遷移金属元素、An-はn価のアニオン、xは0<x<1並びにmおよびnは0より大きい実数を表す。)で表される層状複水酸化物である請求項1〜3のいずれかに記載の電極。
  5. 前記Mがマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅または亜鉛である請求項4に記載の電極。
  6. 前記n価のアニオンが1価の水酸化物イオンである請求項4または5に記載の電極。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電極を有する空気二次電池。
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