JP2006309973A - 燃料電池用電極触媒及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで高い触媒活性を有する燃料電池用電極触媒及びそれを含む電極を有する燃料電池を提供する。
【解決手段】窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させることにより、低コストで高い触媒活性を有する燃料電池用電極触媒及び低コストで高効率の燃料電池を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池の電極に用いる燃料電池用電極触媒及びそれを含む電極を有する燃料電池に関する。
環境問題や資源問題への対策の一つとして、酸素や空気等の酸化性ガスと、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等とを原料として電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する燃料電池が注目されている。燃料電池は、電解質膜の一方の面に燃料極(アノード触媒層)と、もう一方の面に空気極(カソード触媒層)とを電解質膜を挟んで対向するように設け、電解質膜を挟持した各触媒層の外側に拡散層をさらに設け、これらを原料供給用の通路を設けたセパレータで挟んで電池が構成され、各触媒層に水素、酸素等の原料を供給して発電する。
燃料電池の発電時には、燃料極に供給する原料を水素ガス、空気極に供給する原料を空気とした場合、燃料極において、水素ガスから水素イオンと電子とが発生する。電子は外部端子から外部回路を通じて空気極に到達する。空気極において、供給される空気中の酸素と、電解質膜を通過した水素イオンと、外部回路を通じて空気極に到達した電子により、水が生成する。このように燃料極及び空気極において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。この燃料電池は、発電に使用される原料のガスや液体燃料が豊富に存在すること、また、その発電原理より排出される物質が水であること等より、クリーンなエネルギー源として様々な検討がされている。
このような燃料電池の空気極及び燃料極には、従来、白金(Pt)等を担持した、あるいは白金(Pt)等をルテニウム(Ru)等の他の金属と共に担持したカーボンをナフィオン(登録商標)等の固体高分子電解質の樹脂に分散させて成膜されたものが使用されている。しかし、燃料電池の性能向上が求められており、電極の触媒についても酸素還元活性等の特性の向上が求められている。
例えば、特許文献1には、電極担体表面に、遷移金属又はその合金と、モノキノリルフェニレンジアミン錯体、ポルフィリン、アザ錯体等の平面状立体配位構造を有する有機金属錯体とを担持した燃料極用電極触媒が記載されている。
また、特許文献2には、非担持遷移金属と、それと異なる他の遷移金属とを有する、金属ポルフィリン等の窒素含有有機金属錯体及びカルコゲンを含むキレート触媒材料が記載されている。
さらに特許文献3には、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜を挟んだ触媒層を有する一対の電極とを具備した燃料電池において、触媒層は触媒担持カーボンと、高分子電解質と、ピロール、チオフェン、アニリン、ジハロゲン化ベンゼン、ジハロゲン化チオフェン、ジハロゲン化ピリジンから選ばれる少なくとも1種のモノマを電解重合した導電性高分子とを有する高分子電解質型燃料電池が記載されている。
特開2002-329500号公報 特表2004−532734号公報 特開2002−25564号公報
しかしながら、従来触媒に使用されている白金やルテニウムは、非常に高価であり、燃料電池のコストを押し上げる原因ともなる。
また、特許文献1及び特許文献2に記載の窒素原子含有有機金属錯体も合成経路が長く、コストが高くなるという問題があった。
また、特許文献3に記載の、触媒担持カーボンと、高分子電解質と、ピロール、アニリン、ジハロゲン化ピリジン等のモノマとを電解重合した導電性高分子とを有する高分子電解質型燃料電池は、触媒活性が低いため、電池性能が不十分であった。
また、従来、触媒に使用する金属錯体の構造に含まれる窒素原子の数と、活性の関係は明らかにされていなかった。
本発明は、低コストで高い触媒活性を有する燃料電池用電極触媒及びそれを含む電極を有する燃料電池である。
本発明は、窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させた燃料電池用電極触媒である。
また、前記燃料電池用電極触媒において、前記芳香族単環化合物は、窒素原子を分子内に3個以上有することが好ましい。
また、前記燃料電池用電極触媒において、前記芳香族単環化合物は、ピラゾール、トリアゾール、メラミンから選択される少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明は、前記燃料電池用電極触媒を含む電極を有する燃料電池である。
本発明において、窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させることにより、低コストで高い触媒活性を有する燃料電池用電極触媒を提供することができる。
また、本発明において、窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させた燃料電池用電極触媒を含む電極を使用することにより、低コストで高効率の燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
<燃料電池用電極触媒>
本発明の実施形態に係る燃料電池用電極触媒は、窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させたものである。ここで、「窒素原子を分子内に2個以上含む」に言う窒素原子の数は、上記芳香族単環化合物の環構造中に含まれる窒素原子のみならず、上記芳香族単環化合物が有する置換基中に含まれる窒素原子をも含めた数である。
5員環構造または6員環構造を有する芳香環単環化合物は、例えば、シクロペンタジエン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ペンタゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環等の5員環骨格、ベンゼン環、ピラン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、オキサジン環、チアジン環等の6員環骨格を有する。
この中でも、触媒活性を向上させるために、5員環構造または6員環構造を有する芳香環単環化合物は、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,3,4−トリアゾール環、テトラゾール環、ペンタゾール環等の窒素原子含有5員環骨格、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,3−トリアジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、1,2,3,4−テトラジン環、1,2,3,5−テトラジン環、1,2,4,5−テトラジン環等の窒素原子含有6員環骨格を有することが好ましい。
前記芳香族単環化合物は、前記5員環骨格または6員環骨格にさらにアルキル基、アリル基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シアノ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、エステル基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン基、カルボキシル基、スルホン酸基等の置換基を有していても良い。
これら置換基の中でも、触媒活性を向上させるために、シアノ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基等の窒素原子を有する置換基であることが好ましく、1級アミン、2級アミン、3級アミンを含むアミノ基がより好ましく、アミノ基(−NH)がさらに好ましい。
芳香族単環化合物は、置換基も含めて窒素原子を分子内に2個以上有するが、触媒活性を向上させるためには、窒素原子を分子内に3個以上有することが好ましく、4個以上有することがより好ましく、5個以上有することがさらに好ましく、6個以上有することが特に好ましい。
窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物の具体例としては、ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール、メラミン等が挙げられ、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール、メラミンが好ましく、分子内の窒素原子の数が多く、低コストで入手可能なメラミンがより好ましい。
メラミンは、分子式がCであり、総分子数15個のうち窒素原子が6個、すなわち40%を占める。同様にして、1,2,4−トリアゾール及び1,3,4−トリアゾールは、分子式がCであり、総分子数8個のうち窒素原子が3個、すなわち37.5%を占める。また、ピラゾールは、分子式がCであり、総分子数9個のうち窒素原子が2個、すなわち22%を占める。このことから、触媒活性を向上させるためには、上記芳香族単環化合物は、総分子数のうち窒素原子が占める割合が、20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上であることが好ましい。
前記遷移金属としては、周期律表の3A族〜7A族、8族および1B族に属する元素であれば特に制限はないが、触媒活性が高いことから、8族であることが好ましく、その中でもFe,Co,Ni,Ru,Ptであることがより好ましく、Fe,Coが特に好ましい。
導電性担体としては、カーボンブラック、ガラス状カーボン、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素質材料、ラネーニッケル、ラネー鉄、ラネーコバルト、ラネー銅、ラネー銀等のポーラス金属等が挙げられるが、触媒活性が高いことから炭素質材料が好ましく、カーボンブラックがより好ましい。
導電性担体の比表面積は、高い触媒活性とするために、200m/g〜3000m/g〜の範囲であることが好ましく、500m/g〜1500m/gの範囲であることがより好ましい。
また、触媒活性を向上させるためには、窒素原子を分子内に2個以上含む芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させたときに、導電性担体表面において窒素原子の量が多い方がよく、0.5wt%以上であることが好ましく、0.8wt%以上であることがより好ましい。この導電性担体の単位面積あたりの窒素原子の量は、XPS装置(X線光電子分光分析装置)を使用して求めることができる。
本実施形態に係る燃料電池用電極触媒は、例えば、溶媒中で芳香族単環化合物と、遷移金属塩と、導電性担体とを混合、撹拌し、溶媒を除去した後、熱処理を行うことによって得ることができる。また、溶媒中で芳香族単環化合物と遷移金属塩とを混合、撹拌した後、溶媒を除去して、芳香族単環化合物と遷移金属との錯体を単離した後、溶媒中でその錯体と導電性担体の粉末とを混合、撹拌し、溶媒を除去した後、熱処理を行うことによっても得ることができる。
通常は、溶媒に芳香族単環化合物を溶解させて溶液を調整し、その溶液に導電性担体を添加、撹拌後、遷移金属塩を溶媒に溶解させた溶液を添加して、さらに混合、撹拌し、溶媒を除去した後、熱処理を行うことによって得ることができる。
遷移金属塩としては、前記遷移金属の塩であれば特に制限はないが、例えば、遷移金属の塩化物,臭化物,ヨウ化物等のハロゲン化物、炭酸化物、水酸化物、酸化物、酢酸塩、硫酸塩等の形態であり、それらは含水塩であってもよい。
遷移金属塩は、例えば、芳香族単環化合物に対して0.2モル比〜2モル比の割合で添加する。
溶媒としては、芳香族単環化合物及び遷移金属塩を溶解することができればよく特に制限はないが、水や、メタノール、エタノール等のアルコール等の有機溶媒、あるいは水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができ、取り扱いの点から水、及びメタノール、エタノール等のアルコールであることが好ましい。
溶媒中での芳香族単環化合物と遷移金属塩と導電性担体との混合、撹拌を行う温度は、溶媒に芳香族単環化合物及び遷移金属塩が十分に溶解されればよく特に制限はないが、通常、10℃〜50℃の範囲、好ましくは20℃〜40℃の範囲である。
溶媒中での芳香族単環化合物と遷移金属塩と導電性担体との混合、撹拌を行う時間は、溶媒に芳香族単環化合物及び遷移金属塩が十分に溶解し、混合されればよく特に制限はない。
前記錯体を導電性担体に担持させる方法としては、上記の溶解乾燥法の他にも、プラズマ重合法、加熱蒸着法、CVD法等の従来公知の方法が挙げられる。
また、上記加熱処理の温度は、錯体の形成及び錯体の導電性担体表面上への担持が十分に行われればよく特に制限はないが、100℃〜1000℃の温度であることが好ましく、400℃〜700℃の温度であることがより好ましい。
また、熱処理は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
また、熱処理を行う処理時間は、錯体の形成及び錯体の導電性担体表面上への担持が十分に行われればよく特に制限はないが、通常、30分〜8時間程度である。
本実施形態に係る燃料電池用電極触媒は、燃料電池の燃料極及び空気極の触媒として用いることができるが、酸素還元活性が高いため、特に空気極の触媒として用いることが好ましい。
本実施形態に係る燃料電池用電極触媒は、導電性担体の単位表面積当たりの窒素原子の数が多いため、すなわち酸素還元活性点が多いため、ピロール等の窒素原子を分子内に1個しか有さない芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させたものに比べて、触媒活性を向上させることができる。
本実施形態に係る燃料電池用電極触媒は、従来の白金系触媒あるいはポルフィリン錯体、フタロシアニン錯体等の窒素原子含有有機金属錯体に比べて、合成が容易で、大幅にコストを低減することができる。
<燃料電池>
次に、このようにして得られた燃料電池用電極触媒を使用する燃料電池について説明する。本実施形態に係る燃料電池は、燃料極(アノード触媒層)と、電解質層と、空気極(カソード触媒層)とを有する。
図1に、本実施形態に係る燃料電池の構成の一例の断面図を示す。燃料電池1は、電解質膜10、燃料極(アノード触媒層)12、空気極(カソード触媒層)14、拡散層16、セパレータ18により構成される。
図1に示すように、燃料電池1は、電解質膜10の一方の表面に燃料極12が、もう一方の表面に空気極14が電解質膜10を挟んでそれぞれ対向するように形成された膜電極複合体20(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、膜電極複合体20を挟んで両面に設けられた拡散層16と、拡散層16の両外側を挟持する櫛型状のセパレータ18とを備える。櫛型状のセパレータ18の空洞部は、燃料極12及び空気極14にそれぞれ水素ガス、空気等の原料を供給するための原料供給路22,24となっている。
電解質膜10としては、プロトン(H)や酸素イオン(O2−)等のイオン伝導性の高い材料であれば特に制限はなく、例えば、固体高分子電解質膜、安定化ジルコニア膜等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロスルホン酸系等の固体高分子電解質膜が用いられる。具体的には、ジャパンゴアテックス(株)のゴアセレクト(Goreselect、登録商標)、デュポン社(Du Pont社)のナフィオン(Nafion、登録商標)、旭化成(株)のアシプレックス(Aciplex、登録商標)、旭硝子(株)のフレミオン(Flemion、登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系固体高分子電解質膜を使用することができる。電解質膜10の膜厚は例えば、10μm〜200μm、好ましくは30μm〜50μmの範囲である。
また、電解質膜10には、必要に応じて補強膜として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン、ポリイミド等の、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の延伸多孔質膜を設けてもよい。この場合、溶液キャスト法等の方法により補強膜の表裏面に電解質膜10を形成する。補強膜の表裏面に電解質膜10が形成された3層構造であってもよいが、5層構造、あるいはそれ以上の層構造であってもよく、通常は、7層構造で用いられる。補強膜の膜厚は通常、5μm〜100μmである。
燃料極12は、例えば、白金(Pt)等をルテニウム(Ru)等の他の金属と共に担持したカーボン等の触媒をナフィオン(登録商標)等の固体高分子電解質等の樹脂に分散させて成膜されたものである。また、燃料極12として前記燃料電池用電極触媒を用いてもよい。燃料極12の膜厚は例えば、1μm〜100μm、好ましくは1μm〜20μmの範囲である。
空気極14には、前記燃料電池用電極触媒をナフィオン(登録商標)等の固体高分子電解質等の樹脂に分散させて成膜されたものである。空気極14の膜厚は例えば、1μm〜100μm、好ましくは1μm〜20μmの範囲である。
燃料極12及び空気極14は、上記固体高分子電解質等の樹脂をメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒等に溶解させた溶液に、触媒を分散させたペーストの形態として、電解質膜の片面あるいは両面に、スプレ法、浸漬法、スクリーン印刷法、転写法、超音波分散法、沈降法等の方法により成膜される。また必要に応じて、燃料極12及び空気極14を電解質膜10上に形成した後、加熱、圧着して、燃料極12及び空気極14と電解質膜10との接合面を強固にしてもよい。
拡散層16としては、導電性が高く、燃料及び空気等の原料の拡散性が高い材料であれば特に制限はないが、多孔質導電体材料であることが好ましい。導電性の高い材料としては、例えば、金属板、金属フィルム、導電性高分子、カーボン材料等が挙げられ、カーボンクロス、ガラス状カーボン等のカーボン材料が好ましく、カーボンクロス等の多孔質カーボン材料であることがより好ましい。拡散層16の膜厚は例えば、100μm〜1000μm、好ましくは200μm〜600μmの範囲である。
また、拡散層16は、拡散層16の撥水性の向上のために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂を含む撥水ペーストにより撥水処理がされてもよい。
セパレータ18は、エポキシ樹脂等の樹脂等を主成分として構成され、櫛形形状である。櫛型形状のセパレータ18の空洞部は、燃料極12及び空気極14にそれぞれ水素ガス、空気等の原料を供給するための原料供給路22,24となっている。また、セパレータ18は、櫛型形状に限らず、例えば、円筒状、平板状であってもよい。
このようにして製造された燃料電池1において、燃料極12側の拡散層16と空気極14側の拡散層16とを外部回路に電気的に接続し、燃料極12及び空気極14にそれぞれ原料を供給して運転すれば、電池として機能させることができる。
燃料極12側に供給する原料としては、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等が挙げられる。空気極14側に供給する原料としては、酸素や空気等の酸化性ガス等が挙げられる。
燃料電池1において、例えば、燃料極12に供給する原料を水素ガス、空気極14に供給する原料を空気として運転した場合、燃料極12において、
2H → 4H+4e
で示される反応式(水素酸化反応)を経て、水素ガス(H)から水素イオン(H)と電子(e)とが発生する。電子(e)は拡散層16から外部回路を通り、拡散層16から空気極14に到達する。空気極14において、供給される空気中の酸素(O)と、電解質膜10を通過した水素イオン(H)と、外部回路を通じて空気極14に到達した電子(e)により、
4H+O+4e → 2H
で示される反応式(酸素還元反応)を経て、水が生成する。このように燃料極12及び空気極14において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。そして、一連の反応において排出される成分は水であるので、クリーンな電池が構成されることになる。
また、燃料電池としては、図1のような平板状に限らず、チューブ状等であってもよい。
また、本実施形態において、窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させた燃料電池用電極触媒を含む電極を使用することにより、低コストで高効率の燃料電池を提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池は、1つの燃料電池(単セル)を複数個集合させて、直列に接続することにより、必要とする電流、電圧を得ることができる。また、1つの燃料電池(単セル)を複数個集合させて、並列に接続してもよい。
本実施形態に係る燃料電池は、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、家庭用電源等として用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<燃料電池用電極触媒の製造>
(実施例1)
フラスコ中、分子内の窒素原子数が2であるピラゾール0.16重量部をエタノール150重量部に混合し、マグネティックスターラで23℃で60分撹拌して溶解させた。そこに、カーボンブラック粉末(ケッチェン(Ketjen)ブラックEC)0.5重量部を添加し、23℃で60分撹拌した。次いで、CoCl・6HO 0.0608重量部(ピラゾールに対して0.5mol比)のエタノール5重量部の溶液をピペットで少しずつ添加し、添加終了後23℃で3時間撹拌した。エバポレータで溶媒を除去し、残留物をオーブン中、窒素雰囲気下、600℃で4時間加熱処理を行い、触媒(1)を得た。
<ペースト及び電極の作成>
図2に示すように、容器30中、触媒(1)0.05重量部、高分子電解質ナフィオン〔Nafion、登録商標、デュポン社(Du Pont社)製〕の0.5重量%エタノール溶液 1重量部、溶媒エタノール 2重量部を混合し、23℃で超音波を照射して60分間分散し、ペースト32を作製した。ガラス状カーボン・ディスク電極36上へピペット34でペースト32を1滴滴下後、自然乾燥させて電極36を作成した。
<触媒活性の評価>
触媒活性の評価には、図3に示す評価装置3を使用した。また、図4として、図3に示す評価装置3の作用電極36の先端部分(点線部分)の拡大図を示す。3電極式の電気化学セル44を用いて、ポテンショスタット42(Seiko EG&G製、Model263)により触媒活性の評価を行った。電解液46は、0.1mol/L過塩素酸を用い、作用電極36は上記で作製した触媒48が形成された電極、基準電極38はAg/AgCl、補助電極40はPt線を用いた。
〔測定1〕
まず、電解液を窒素雰囲気(流量:100mL/min)下で1時間脱気した後、還元電流を測定した。このとき、作用電極の回転数は1600rpm、測定電位範囲は800mV〜−200mV、掃引速度は15mV/secとした。
〔測定2〕
次に、電解液を酸素(流量:100mL/min)で1時間置換した後、還元電流を測定した。このとき、作用電極の回転数は1600rpm、測定電位範囲は800mV〜−200mV、掃引速度は15mV/secとした。活性を表す指標は、
酸素還元電流[A]=(測定2で測定した還元電流)−(測定1で測定した還元電流)
とし、測定結果を図5に示す。
(実施例2)
ピラゾールの代わりに、分子内の窒素原子数が3である1,2,4−トリアゾール0.1重量部を用いた以外は実施例1と同様にして触媒(2)を得て、ペースト及び電極を作成し、評価を行った。測定結果を図5に示す。
(実施例3)
ピラゾールの代わりに、分子内の窒素原子数が6であるメラミン0.214重量部を用いた以外は実施例1と同様にして触媒(3)を得て、ペースト及び電極を作成し、評価を行った。測定結果を図5に示す。
(比較例1)
ピラゾールの代わりに、分子内の窒素原子数が1であるピロール0.1重量部を用いた以外は実施例1と同様にして触媒(4)を得て、ペースト及び電極を作成し、評価を行った。測定結果を図5に示す。
図5からわかるように、触媒中の芳香族単環化合物が有する窒素数が1である比較例1の触媒(4)に対して、窒素数が2である実施例1の触媒(1)は酸化還元電流が高く、触媒活性が向上したことがわかる。さらに、窒素数が3である実施例2の触媒(2)、窒素数が6である実施例3の触媒(3)は酸化還元電流がさらに高く、触媒活性がさらに向上した。
本発明の実施形態に係る燃料電池の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施例における電極の作製方法を示す図である。 本発明の実施例で使用した触媒活性の評価装置の概略図である。 図3に示す評価装置における作用電極の先端部分(点線部分)の拡大図である。 本発明の実施例における、酸素還元電流と、触媒中の芳香族単環化合物が有する窒素原子数との関係を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池、3 評価装置、10 電解質膜、12 燃料極(アノード触媒層)、14 空気極(カソード触媒層)、16 拡散層、18 セパレータ、20 膜電極複合体(MEA)、22,24 原料供給路、30 容器、32 ペースト、34 ピペット、36 電極(作用電極)、38 基準電極、40 補助電極、42 ポテンショスタット、44 電気化学セル、46 電解液、48 触媒。

Claims (4)

  1. 窒素原子を分子内に2個以上含む、5員環構造または6員環構造を有する芳香族単環化合物と、遷移金属との錯体を導電性担体に担持させたことを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用電極触媒であって、
    前記芳香族単環化合物は、窒素原子を分子内に3個以上有することを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  3. 請求項1に記載の燃料電池用電極触媒であって、
    前記芳香族単環化合物は、ピラゾール、トリアゾール、メラミンから選択される少なくとも1つであることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  4. 請求項1〜3に記載の燃料電池用電極触媒を含む電極を有することを特徴とする燃料電池。
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