JP2017084453A - 燃料電池診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを診断可能な燃料電池診断装置を提供する。【解決手段】燃料欠乏の判定処理にて、各セル10aのうち、負電圧となるセル10aが存在する場合に、燃料欠乏が生じていると判定する。そして、負電圧となるセル10aを診断対象セルとし、当該診断対象セルのインピーダンスとインピーダンス判定閾値とを比較により燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する。具体的には、診断対象セルのインピーダンスがインピーダンス判定閾値以下となる場合に、診断対象セルで劣化を伴わない化学反応が生じていると判定し、診断対象セルのインピーダンスがインピーダンス判定閾値より大きい場合に、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定する。【選択図】図8

Description

本発明は、燃料電池の状態を診断する燃料電池診断装置に関する。
従来、燃料ガスのガス濃度減少等の燃料欠乏が生じているか否かを診断する燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、燃料電池を構成する複数のセルの積層体に他のセルよりも水素濃度の減少に伴う電圧降下の大きい水素濃度感応セルを組み込み、当該水素濃度感応セルの電圧に基づいて、燃料欠乏が生じているか否かを診断する構成が開示されている。
特開平10−106602号公報
ところで、例えば、氷点下等の低温環境下では、燃料電池内部のガス流路が残留水の凍結により閉塞することがある。この状態で、燃料電池を始動させると、ガス流路の閉塞により一部のセルで燃料ガスが欠乏した状態となり、アノード側の電位が上昇してカソード側の電位を上回ることで各セルの一部に負電圧が生じ易くなる。そして、負電圧となるセルでは、他のセルと同じだけの電流を流そうとするために、水電解反応や、カーボン酸化反応が生ずる。
ここで、カーボン酸化反応は、触媒を構成するカーボンの酸化等が生じる化学反応であり、燃料電池の劣化の要因となる。そして、このような劣化を伴う化学反応は、不可逆変化であり、燃料電池の寿命を縮める要因となることから好ましくない。このため、単に燃料欠乏を診断するだけでなく、当該燃料欠乏時に劣化を伴わない化学反応が生じているのか、劣化を伴う化学反応が生じているのかを診断可能な装置が望まれている。
しかしながら、特許文献1では、水素濃度感応セルの電圧に基づいて、燃料欠乏が生じているか否かを診断する構成であり、当該燃料欠乏時に劣化を伴わない化学反応が生じているのか、劣化を伴う化学反応が生じているのかを切り分けて診断することができない。
本発明は上記点に鑑みて、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを診断可能な燃料電池診断装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、燃料電池の燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じている場合と、燃料欠乏時に劣化を伴わない化学反応が生じている場合とで異なる特性があるか否かについて調査研究を実施した。この結果、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じている場合は、燃料欠乏時に劣化を伴わない化学反応が生じている場合に比べて、燃料電池に対して低周波数の交流電流を重畳させた際のセルのインピーダンスが著しく大きくなる傾向があることを見出した。
本発明者らは、上述の知見に基づいて課題を解決する発明を案出した。すなわち、請求項1および請求項2に記載の発明は、酸素を含む酸化剤ガスと水素を含む燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力するセルを複数積層して構成される燃料電池の状態を診断する燃料電池診断装置を対象としている。
上記目的を達成するため、請求項1および請求項2に記載の発明は、
複数のセルそれぞれから出力されるセル電圧を検出するセル電圧検出部(54)と、
燃料電池に流れる電流を検出する電流検出部(52b)と、
燃料電池の出力電流に対して、予め定めた基準周波数よりも低い低周波数の交流電流を重畳させる交流重畳部(510)と、
交流重畳部により燃料電池の出力電流に交流電流が重畳された状態で、セル電圧検出部の検出値、電流検出部の検出値に基づいて、セルのインピーダンスを算出するインピーダンス算出部(520)と、
複数のセルのうち、セル電圧検出部の検出値が負電圧となるセルがある場合に、燃料ガスが不足する燃料欠乏が生じていると判定する燃料欠乏判定部(S103、S203)と、
複数のセルのうち、セル電圧検出部の検出値が負電圧となるセルを診断対象セルに設定する対象セル決定部(S106、S206)と、
診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する劣化判定部(S109、S109A、S209、S209A)と、を備える。
そして、請求項1に記載の発明は、劣化判定部が、診断対象セルのインピーダンスが所定のインピーダンス判定閾値以下である場合に診断対象セルで劣化を伴わない化学反応が生じていると判定し、診断対象セルのインピーダンスが所定のインピーダンス判定閾値より大きい場合に診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定する構成となっている。
このように、請求項1に記載の発明では、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを、負電圧となる診断対象セルのインピーダンスとインピーダンス判定閾値とを比較により判定する構成としている。これによれば、燃料欠乏時に劣化を伴わない化学反応が生じている場合と、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じている場合とを切り分けた診断が可能となる。従って、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを診断可能な燃料電池診断装置を実現することができる。
また、請求項2に記載の発明は、診断対象セルよりも燃料欠乏の影響の小さいセルのインピーダンスを基準インピーダンスとしたとき、劣化判定部が、診断対象セルのインピーダンスと基準インピーダンスとの差分が所定の差分判定閾値以下である場合に、診断対象セルで劣化を伴わない化学反応が生じていると判定し、診断対象セルのインピーダンスと基準インピーダンスとの差分が差分判定閾値より大きい場合に、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定する構成となっている。
このように、請求項2に記載の発明では、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを、診断対象セルのインピーダンスおよび基準インピーダンスの差分と判定閾値とを比較して判定する構成としている。これによっても、燃料欠乏時に劣化を伴わない化学反応が生じている場合と、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じている場合とを切り分けた診断が可能となる。従って、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを診断可能な燃料電池診断装置を実現することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の燃料電池診断装置を含む燃料電池システムの全体構成図である。 燃料電池のセルの模式的な断面図である。 燃料電池のセルの内部構造を示す断面図である。 第1実施形態の燃料電池診断装置の模式的な構成図である。 交流成分ΔI付加部で燃料電池の出力電流に重畳させる交流電流を説明するための説明図である。 燃料欠乏時のセル電圧と低周波インピーダンスとの関係を示す特性図である。 燃料欠乏時のセル電圧と低周波インピーダンスとの関係を示す特性図である。 第1実施形態の燃料電池診断装置が実行する燃料欠乏の判定処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の燃料電池診断装置が実行する燃料欠乏の判定処理の変形例を示すフローチャートである。 第2実施形態の燃料電池診断装置が実行する燃料欠乏の判定処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の燃料電池診断装置が実行する燃料欠乏の判定処理の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。
また、各実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。
以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態では、燃料電池診断装置5を図1に示す燃料電池システム1に適用した例について説明する。図1に示す燃料電池システム1は、例えば、電気自動車の一種である燃料電池自動車に適用される。
燃料電池システム1は、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガス(例えば、空気)との電気化学反応を利用して電気エネルギを出力する燃料電池10を備える。本実施形態では、燃料電池10として固体高分子型燃料電池(PEFC:Proton Exchange membrane Fuel Cell)を採用している。燃料電池10は、発電により発生した直流電流をDC−DCコンバータ51aを介して、図示しない車両走行用の電動モータや二次電池といった電気負荷に供給する。
燃料電池10は、基本単位となるセル10aを複数積層配置したスタック構造となっている。複数のセル10aのうち、隣り合うセル10aは、互いに電気的に直列に接続されている。
図2に示すように、セル10aは、電解質膜101の両側を一対の触媒層102a、102bで挟んで構成される膜電極接合体100、膜電極接合体100の両側に配置された一対のガス拡散層103a、103b、これらを狭持するセパレータ110を備える。
電解質膜101は、含水性を有する炭化フッ素経や炭化水素系などの高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜で構成されている。また、一対の触媒層102a、102bは、それぞれ電極を構成している。具体的には、一対の触媒層102a、102bは、アノード電極を構成するアノード側触媒層102a、およびカソード電極を構成するカソード側触媒層102bで構成されている。
図3に示すように、各触媒層102a、102bは、白金粒子等の触媒作用を発揮する物質102c、当該物質102cを担持する担持カーボン102d、担持カーボン102dを被覆するアイオノマー(電解質ポリマー)102eで構成されている。
ガス拡散層103a、103bは、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスを各触媒層102a、102bへ拡散させるものである。ガス拡散層103a、103bは、カーボンペーパーやカーボンクロス等のガス透過性および電子伝導性を有する多孔質部材で構成されている。
セパレータ110は、例えば、導電性を有するカーボン製の基材で構成されている。各セパレータ110には、アノード側触媒層102aに対向する部位に、燃料ガスが流れる水素流路111が形成され、カソード側触媒層102bに対向する部位に、酸化剤ガスが流れる空気流路112が形成されている。
各セル10aは、燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されると、以下の式1、式2に示す水素と酸素との電気化学反応により、電気エネルギを出力する。
(アノード側)H→2H+2e ・・・(式1)
(カソード側)2H+1/2O+2e→HO ・・・(式2)
図1に戻り、燃料電池10は、双方向に電力供給可能なDC−DCコンバータ51aを介して、各種電気負荷に電気的に接続されている。DC−DCコンバータ51aは、電圧センサ52aおよび電流センサ52bと共に、燃料電池10から各種電気負荷、あるいは、各種電気負荷から燃料電池10への電力の流れを制御する電流制御装置51を構成している。なお、本実施形態の電流制御装置51は、燃料電池診断装置5の一構成要素である。
燃料電池10には、燃料電池診断装置5が接続されている。燃料電池診断装置5は、燃料電池10の状態を診断する装置である。本実施形態の燃料電池診断装置5は、燃料電池10を構成する各セル10aにて、燃料ガスが不足する燃料欠乏が生じているか否かを診断するように構成されている。なお、燃料電池診断装置5の詳細については後述する。
燃料電池10には、各セル10aの空気流路112に酸化剤ガスである空気を供給する空気入口部11a、各セル10aの空気流路112から生成水や不純物を空気と共に排出する空気出口部11bが設けられている。そして、空気入口部11aには、空気供給配管20が接続されている。また、空気出口部11bには、空気排出配管21が接続されている。
空気供給配管20には、その最上流部に大気中から吸入した空気を燃料電池10に圧送するための空気ポンプ22が設けられている。空気ポンプ22は、空気を圧送する圧縮機構と圧縮機構を駆動する電動モータからなる電動ポンプである。
そして、空気供給配管20における空気ポンプ22と燃料電池10との間には、燃料電池10に供給される空気の圧力を調整する空気調圧弁23が設けられている。空気調圧弁23は、空気供給配管20のうち空気が流通する空気流路の開度を調整する弁体と、この弁体を駆動する電動アクチュエータとから構成されている。
また、空気排出配管21には、燃料電池10内部に存する生成水や不純物等を空気とともに外部へ排出するための電磁弁24が設けられている。電磁弁24は、空気排出配管21のうち空気が排出される空気排出路の開度を調整する弁体と、この弁体を駆動する電動アクチュエータとから構成されている。
また、燃料電池10には、各セル10aの水素流路111に燃料ガスを供給する水素入口部12a、各セル10aの水素流路111から未反応水素等を排出させる水素出口部12bが設けられている。そして、水素入口部12aには、水素供給配管30が接続されている。また、水素出口部12bには、水素排出配管31が接続されている。
水素供給配管30の最上流部には、高圧水素が充填された高圧水素タンク32が設けられている。そして、水素供給配管30における高圧水素タンク32と燃料電池10との間には、燃料電池10に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁33が設けられている。水素調圧弁33は、水素供給配管30のうち水素供給流路の開度を調整する弁体と、この弁体を駆動する電動アクチュエータとから構成されている。
また、水素排出配管31には、微量な未反応水素等を外部へ排出するための電磁弁34が設けられている。電磁弁34は、水素排出配管31のうち水素排出流路の開度を調整する弁体と、この弁体を駆動する電動アクチュエータとから構成されている。なお、本実施形態の空気調圧弁23、水素調圧弁33、各電磁弁24、34、および空気ポンプ22は、燃料電池診断装置5の診断制御部50の出力側に接続されており、診断制御部50からの制御信号により制御される構成となっている。
ここで、本実施形態の燃料電池10には、燃料電池10の温度を調整する冷却系として、不凍液等で構成される冷却水が循環する冷却水循環回路4が接続されている。冷却水循環回路4には、冷却水を循環させる水ポンプ41、燃料電池10通過後の冷却水を外気と熱交換させて放熱する放熱器42が設けられている。放熱器42は、電動ファン43によって送風される外気により冷却水を冷却する。
また、冷却水循環回路4には、放熱器42をバイパスして水ポンプ41の入口と燃料電池10の水出口とを接続するバイパス流路44が設けられている。さらに、バイパス流路44および放熱器42の水出口のうちいずれか一方を水ポンプ41の入口に接続する三方弁45が設けられている。
さらに、冷却水循環回路4には、燃料電池10の冷却水出口部に温度センサ46が設けられている。この温度センサ46は、燃料電池10を通過した後の冷却水の温度を検出する。
ここで、燃料電池10を通過した後の冷却水の温度は、燃料電池10の温度と殆ど同様の温度となる。このため、本実施形態では、温度センサ46の検出値を燃料電池10の温度と見なしている。すなわち、本実施形態では、温度センサ46が燃料電池10の温度を検出する電池温度検出部を構成している。
次に、燃料電池診断装置5について図4を参照して説明する。図4では、燃料電池10の内部構造を示すために、燃料電池10を構成するセル10aの一部を透視図で示している。
図4に示すように、燃料電池診断装置5は、主たる構成要素として、診断制御部50、前述の電流制御装置51、増幅回路53、およびセルモニタ54を備えている。
診断制御部50は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。本実施形態の診断制御部50は、交流成分ΔI付加部510、ΔIn算出部540、Zn算出部520、および診断部530を有している。
交流成分ΔI付加部510は、DC−DCコンバータ51aを介して、燃料電池10の出力電流に対して、予め定めた基準周波数(例えば、200Hz)よりも低い低周波数の交流電流(交流成分ΔI)を重畳させる交流重畳部である。
交流成分ΔI付加部510は、図5に示す波形を有する交流電流を燃料電池10の出力電流に重畳する。交流電流の周波数としては、1〜200Hzの低周波数の範囲内に設定されている。なお、交流成分ΔI付加部510において重畳する交流電流は、燃料電池10の発電状態への影響を考慮して、燃料電池10の出力電流(発電電流)の10%以内とすることが望ましい。
ΔIn算出部540は、電流センサ52bの検出電流Iに基づいて、燃料電池10に流れる総電流Iのうち低周波数の交流成分ΔInを算出する。具体的には、ΔIn算出部540は、高速フーリエ変換等の手法によって交流成分ΔInを算出する。なお、電流センサ52bは、燃料電池10に流れる総電流Iを検出する電流検出部を構成する。総電流Iは、図5に示す燃料電池10の出力電流と、図5に示す低周波数の交流電流とを含む電流である。
Zn算出部520は、交流重畳部により燃料電池10の出力電流に交流電流が重畳された状態で、セルモニタ54の検出値、および電流センサ52bの検出値に基づいて、セルのインピーダンスZnを算出するインピーダンス算出部を構成する。
具体的には、Zn算出部520は、増幅回路53で増幅された出力電圧に基づいて、セル10aから出力されるセル電圧のうち、低周波数の交流電圧である交流成分ΔVをセル10a毎に算出する。本実施形態のZn算出部520は、高速フーリエ変換等の手法により交流成分ΔVを算出する。
そして、本実施形態のZn算出部520は、交流成分ΔVをΔIn算出部540で算出された交流成分ΔInで除算して、交流電流に対するセル10aのインピーダンスZn(=ΔV/ΔIn)をセル10a毎に算出可能となっている。なお、Zn算出部520で算出するインピーダンスZnは、インピーダンスの絶対値である。以降、インピーダンスの絶対値を単にインピーダンスと略称する。
続いて、増幅回路53は、セルモニタ54に接続され、セルモニタ54から出力される電圧を増幅して、Zn算出部520に出力する回路である。セルモニタ54は、セル10aから出力されるセル電圧をセル10a毎に検出するセル電圧検出部である。このため、増幅回路53では、各セル10aから出力されるセル電圧をそれぞれ増幅することになる。
ここで、本実施形態の燃料電池診断装置5は、セルモニタ54以外にも、電流制御装置51の電圧センサ52aを有している。この電圧センサ52aは、燃料電池10全体、すなわち、複数のセル10aの積層体から出力される総電圧を検出する総電圧検出部を構成している。
本実施形態の診断制御部50は、各セル10aのセル電圧に基づいて、燃料欠乏が生じているか否かを診断する。また、本実施形態の診断制御部50は、燃料欠乏が生じていると診断した際に、当該燃料欠乏に伴って劣化を伴う化学反応が生じているか否かについても診断する。
以下、診断制御部50による燃料欠乏の診断に関する原理、および燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かの診断に関する原理について説明する。
まず、燃料欠乏の診断に関する原理について説明すると、燃料電池10の発電時において、燃料電池10への燃料ガスの供給量が発電に必要とされる必要供給量を満たす正常時には、各セル10aにて前述の式1、式2の電気化学反応が生ずる。この際、各セル10aのセル電圧は、正電圧(+1.0V程度)となる。
一方、燃料電池10への燃料ガスの供給量が発電に必要とされる必要供給量よりも少ない燃料欠乏時には、セル10aにおけるアノード側の電位が上昇する。これにより、一部のセル10aのセル電圧が負電圧(アノード側の電位>カソード側の電位)となってしまうことがある。各セル10aのうち、負電圧となるセル10aは、外部に対して何ら仕事をしないことから、燃料電池10の発電効率の低下を招く要因となる。
そこで、本実施形態の診断制御部50は、セルモニタ54の検出値に基づいて、各セル10aのうち、セル電圧が負電圧となるセル10aがある場合に燃料欠乏が生じていると判定する構成となっている。燃料欠乏は、氷点下等の低温環境下において生じやすい。理由は、低温環境下では、水素流路111、アノード側触媒層102a、ガス拡散層103a等に残留する生成水が凍結し、水素流路111等が閉塞しやすいからである。
続いて、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かの診断に関する原理について説明する。各セル10aのうち、燃料欠乏により負電圧となるセル10aに隣接するセル10aが正電圧である場合、正電圧となるセル10aでは、正常に発電が行われているため、負電圧となるセル10aにおいても電流を発生させようとする。
ところが、負電圧となるセル10aでは、燃料ガスが不足しているので、アノード電極側にて式1に示す電気化学反応が生じない。代わりに、負電圧となるセル10aでは、以下の式3、式4に示す水電解反応や、式5、式6に示すアノードカーボン酸化反応が生ずる。
(アノード側)2HO→O+4H+4e ・・・(式3)
(カソード側)O+4H+4e→2HO ・・・(式4)
(アノード側)C+2HO→CO+4H+4e ・・・(式5)
(カソード側)O+4H+4e→2HO ・・・(式6)
上述の式3に示す水電解反応、および式5に示すカーボン酸化反応は、セル電圧が負電圧となる際に生ずる。式3に示す水電解反応は、セル電圧が0〜−4V程度で生じ、それ以下の電圧域で式5に示すカーボン酸化反応で生ずる傾向がある。
ここで、式5に示すカーボン酸化反応は、アノード電極を構成するアノード側触媒層102aの担持カーボン102dが酸化する化学反応であり、アノード側触媒層102aが劣化する要因となる。すなわち、式5に示すカーボン酸化反応は、セル10aの劣化を伴う化学反応となる。そして、式5に示すカーボン酸化反応は、式3に示す水電解反応と異なり、不可逆反応であり、燃料電池10の寿命を縮める要因となる。なお、式3に示す水電解反応は、可逆反応であり、セル10aの劣化を伴わない化学反応となる。
上述したように、式5に示すカーボン酸化反応は、式3に示す水電解反応が生ずる電圧域以下で生ずる傾向がある。このため、負電圧となるセル10aのセル電圧に基づいて、燃料欠乏時にアノード側にて劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定することが考えられる。
しかしながら、燃料欠乏による水電解反応は、燃料電池10から出力される電流密度が低い低負荷時と燃料電池10から出力される電流密度が高い高負荷時とで生ずる電圧域が異なる。すなわち、図6に示すように、燃料欠乏による水電解反応は、燃料電池10から出力される電流密度が低い低負荷時に、電流密度が高い高負荷時に比べて電圧域が拡大する傾向がある。これは、電流密度の低下に伴い燃料電池10の電気抵抗が大きくなることで反応速度が遅くなってしまうからである。
また、燃料欠乏による水電解反応は、燃料電池10の温度が低い場合と燃料電池10の温度が高い場合とで生ずる電圧域が異なる。すなわち、図7に示すように、燃料欠乏による水電解反応は、燃料電池10の温度が低い場合に、温度が高い場合に比べて電圧域が大きく拡大する傾向がある。これは、燃料電池10の温度の低下に伴い燃料電池10の電気抵抗が大きくなることで反応速度が遅くなってしまうからである。
このように、燃料電池10では、電流密度や温度に応じて燃料欠乏による水電解反応が生ずる電圧域が異なる。このため、負電圧となるセル10aのセル電圧に基づいて、燃料欠乏時にアノード側における化学反応が劣化を伴うか否かを判定することは難しい。
これに対して、図6、図7に示すように、式5に示すカーボン酸化反応が生じている場合、式3に示す水電解反応が生じている場合に比べて、セル10aの低周波インピーダンスが著しく大きくなる傾向がある。これは、アノード側触媒層102aにてカーボン酸化反応が生ずることでセル10aにおける反応抵抗が増大することによると考えられる。
そこで、本実施形態の診断制御部50は、燃料電池10の出力電流に対して低周波数の交流電流を重畳させた際の負電圧となるセル10aのインピーダンスに基づいて、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する構成となっている。
次に、本実施形態の燃料電池診断装置5が実行する燃料欠乏の判定処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8に示す制御ルーチンは、燃料電池10が起動した際に、燃料電池診断装置5により実行される。
図8に示すように、燃料欠乏の判定処理では、まず、各種センサの検出信号を読み込む(S101)。具体的には、温度センサ46、電圧センサ52a、電流センサ52b、セルモニタ54の検出信号を読み込む。
続いて、燃料電池10の温度が氷点下であるか否かを判定する(S102)。具体的には、ステップS102では、温度センサ46の検出温度が、0℃を下回っているか否かを判定する。
ステップS102の判定処理の結果、燃料電池10の温度が氷点下でないと判定された場合、生成水の凍結による水素流路111等の閉塞が生じ難いことから、燃料欠乏の判定処理を抜ける。
一方、ステップS102の判定処理の結果、燃料電池10の温度が氷点下であると判定された場合、セルモニタ54にて検出した各セル10aのセル電圧が、負電圧に設定された基準電圧(例えば、−0.1V)以下であるか否かを判定する(S103)。なお、基準電圧は、各セル10aのうち、セル電圧が負電圧となるセル10aが存在するか否かを判定するための判定閾値である。
ステップS103の判定処理の結果、各セル10aのうち、セル電圧が負電圧となるセル10aが存在しないと判定された場合、燃料欠乏なしと判定し(S104)、燃料欠乏の判定処理を抜ける。
一方、ステップS103の判定処理の結果、各セル10aのうち、セル電圧が負電圧となるセル10aが存在すると判定された場合、燃料欠乏ありと判定する(S105)。そして、各セル10aのうち、負電圧となるセル10aを診断対象セルに決定する(S106)。なお、各セル10aのうち、負電圧となるセル10aが複数存在する場合には、例えば、最も電圧の低いセル10aを診断対象セルに決定する。
続いて、診断制御部50にて診断対象セルのインピーダンスZnを算出する(S107)。具体的には、交流成分ΔI付加部510にて燃料電池10の出力電流に低周波数の交流電流を重畳させた状態で、セルモニタ54にて検出された診断対象セルのセル電圧、電流センサ52bの検出値に基づいて、診断対象セルのインピーダンスZnを算出する。
続いて、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定するための判定閾値であるインピーダンス判定閾値Zthを決定する(S108)。ステップS108の処理では、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じている際のセル10aのインピーダンスをインピーダンス判定閾値Zthに決定する。
ここで、図6、図7に示すように、燃料欠乏時には、電流密度や温度の低下に伴って負電圧となるセル10aのインピーダンスが若干増加する。このため、本実施形態では、ステップS108の処理にて、電流密度および温度の少なくとも一方の低下に伴って、インピーダンス判定閾値Zthを大きくしている。なお、電流密度や温度の低下に伴って変更するインピーダンス判定閾値Zthの大きさは、例えば、予め電流密度や温度の低下量とインピーダンスの増加量との関係を規定した制御マップを参照して決定する。
続いて、ステップS107で算出した診断対象セルのインピーダンスZnが、ステップS108で決定したインピーダンス判定閾値Zth以下であるか否かを判定する(S109)。
ステップS109の判定処理の結果、診断対象セルのインピーダンスZnがインピーダンス判定閾値Zth以下であると判定された場合、診断対象セルでは劣化を伴わない水電解反応が生じている判定し(S110)、ステップS201の処理に戻る。すなわち、本実施形態は、燃料欠乏状態であっても水電解反応が生じていると診断された場合は、燃料欠乏を回避する制御を行わない。この点について説明すると、燃料欠乏を回避する制御は、燃料電池10の燃料消費量が著しく増大したり、燃料電池10の起動時間が著しく長くなったりする要因となることがある。これを避けるために、本実施形態では、燃料欠乏状態であっても水電解反応が生じていると診断された場合に、燃料欠乏を回避する制御を行わないのである。
一方、ステップS109の判定処理の結果、診断対象セルのインピーダンスZnがインピーダンス判定閾値Zthよりも大きいと判定された場合、診断対象セルではアノード側で劣化を伴うカーボン酸化反応が生じていると判定する(S111)。なお、ステップS111の処理では、燃料電池10を起動してから診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数をカウントする。
続いて、ステップS111にて診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数がN回目(例えば、2〜3回目)以上であるか否かを判定する(S112)。すなわち、ステップS112では、燃料電池10を起動してから繰り返し診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定されているか否かを判定する。
ステップS112の判定処理の結果、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数がN回目以上でないと判定された場合、燃料欠乏を回避する回避制御を実行し(S113)、ステップS201の処理に戻る。
具体的には、回避制御では、水素調圧弁33の開度、および電磁弁34の開度の双方を大きくして、高圧水素タンク32から燃料電池10に供給する燃料ガスの供給量を増加させる。これにより、測定対象セルにおける燃料欠乏を回避することが可能となる。
ここで、本実施形態の如く、低温環境下で燃料欠乏が生じている場合、生成水の凍結により水素流路111が閉塞している可能性が高いと考えられる。このため、回避制御としては、燃料電池10の発電効率を低下させて燃料電池10を暖機することで、生成水の凍結を解消して燃料欠乏を回避するようにしてもよい。
一方、ステップS112の判定処理の結果、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数がN回目以上であると判定された場合、燃料電池10の劣化の進行を抑えるために、燃料電池10の運転を停止する(S114)。
ここで、図8に示すフローチャートの各ステップは、燃料電池診断装置5により実現されるものであり、各ステップで実現される機能それぞれを機能実現部として解釈することができる。
例えば、本実施形態では、ステップS103で実行する判定処理が、各セル10aのうち負電圧となるセルがある場合に燃料欠乏が生じていると判定する燃料欠乏判定部を構成する。
また、本実施形態では、ステップS106で実行する処理が負電圧となるセルを診断対象セルに設定する対象セル決定部を構成し、ステップS108で実行する処理がインピーダンス判定閾値Zthを決定する閾値決定部を構成する。
さらに、本実施形態では、ステップS109で実行する判定処理が診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する劣化判定部を構成し、ステップS112〜S114で実行する処理が燃料欠乏を回避する回避制御を実行する回避制御部を構成する。
以上説明した本実施形態の燃料電池診断装置5は、負電圧となる診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを、診断対象セルのインピーダンスと所定のインピーダンス判定閾値とを比較して判定する構成となっている。
これによれば、燃料欠乏時に劣化を伴わない水電解反応が生じている場合と、燃料欠乏時に劣化を伴うアノードカーボン酸化反応が生じている場合とを切り分けた診断が可能となる。従って、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを診断可能な燃料電池診断装置を実現することができる。
ここで、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流(電流密度)が低下すると、負電圧となるセルの電気抵抗が大きくなる。このため、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流の低下に伴って負電圧となるセル10aのインピーダンスが大きくなる。
そこで、本実施形態では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流の低下に伴って、インピーダンス判定閾値Zthを大きくしている。このように、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流に応じて、診断対象セルのインピーダンスの判定閾値を変化させることで、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かの診断精度の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じていると判定された場合に、燃料欠乏を回避する回避制御を実行する構成としている。これによれば、燃料電池10の劣化を抑えて、燃料電池10の寿命を延ばすことが可能となる。
さらに、本実施形態では、繰り返し燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生ずる場合に燃料電池10の運転(作動)を停止させる構成としている。これによれば、燃料電池10の劣化の進行を確実に抑えることが可能となる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流の低下に伴って、インピーダンス判定閾値Zthを大きくする例について説明したが、診断対象セルのインピーダンスを補正してもよい。
以下、本変形例における燃料欠乏の判定処理について、図9を参照して説明する。図9は、図8に示すフローチャートに対応している。図9に示すステップS108A、S109A以外の処理は、第1実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
図9に示すように、本変形例の燃料欠乏の判定処理では、ステップS107にて診断対象セルのインピーダンスZnを算出した後、当該インピーダンスZnの補正値Zncを決定する(S108A)。
具体的には、ステップS108Aの処理では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流の低下に伴って、診断対象セルのインピーダンスを小さい値に補正する。なお、補正値Zncは、例えば、予め電流密度や温度の低下量とインピーダンスの増加量との関係を規定した制御マップを参照して、インピーダンスの増加量を算出し、当該増加量分を診断対象セルのインピーダンスから減算した値に決定する。
続いて、ステップS108Aの処理で補正した診断対象セルのインピーダンスZncがインピーダンス判定閾値Zth以下であるか否かを判定する(S109A)。なお、本変形例のインピーダンス判定閾値Zthは予め定めた固定値としている。
ステップS109Aの判定処理の結果、診断対象セルのインピーダンスZncがインピーダンス判定閾値Zth以下であると判定された場合、診断対象セルで劣化を伴わない水電解反応が生じている判定する(S110)。
一方、ステップS109Aの判定処理の結果、診断対象セルのインピーダンスZnがインピーダンス判定閾値Zthよりも大きいと判定された場合には、診断対象セルではアノード側で劣化を伴うカーボン酸化反応が生じていると判定する(S111)。
ここで、本実施形態では、ステップS108Aで実行する処理が診断対象セルのインピーダンスを補正する補正部を構成し、ステップS109Aで実行する判定処理が診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する劣化判定部を構成する。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本変形例では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流に応じて、診断対象セルのインピーダンスの値を補正する構成としている。これによれば、第1実施形態と同様に、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かの診断精度の向上を図ることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態では、診断対象セルのインピーダンスと基準対象セルのインピーダンスとの差分に基づいて、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する点が第1実施形態と相違している。
以下、本実施形態の燃料欠乏の判定処理について、図10を参照して説明する。図10は、図8に示すフローチャートに対応している。なお、図10に示す各ステップのうち、第1実施形態で説明した処理と同様となる処理について、その説明を簡略化して説明する。
図10に示すように、燃料欠乏の判定処理では、まず、各種センサの検出信号を読み込む(S201)。そして、燃料電池10の温度が氷点下であるか否かを判定する(S202)。この結果、燃料電池10の温度が氷点下でないと判定された場合、生成水の凍結による水素流路111等の閉塞が生じ難いことから、燃料欠乏の判定処理を抜ける。
一方、ステップS202の判定処理の結果、燃料電池10の温度が氷点下であると判定された場合、セルモニタ54にて検出した各セル10aのセル電圧が、負電圧に設定された基準電圧以下であるか否かを判定する(S203)。
この結果、各セル10aのうち、セル電圧が負電圧となるセル10aが存在しないと判定された場合、燃料欠乏なしと判定し(S204)、燃料欠乏の判定処理を抜ける。一方、各セル10aのうち、セル電圧が負電圧となるセル10aが存在すると判定された場合、燃料欠乏ありと判定する(S205)。
続いて、各セル10aのうち、負電圧となるセル10aを診断対象セルに決定する(S206)。また、ステップS206の処理では、診断対象セルよりも燃料欠乏の影響の小さいセルを基準対象セルに決定する。
具体的には、本実施形態では、各セル10aのうち、正電圧となるセル10aを基準対象セルに決定する。なお、各セル10aのうち、正電圧となるセル10aが複数存在する場合には、例えば、最も電圧の高いセル10aを診断対象セルに決定する。
続いて、診断制御部50にて診断対象セルおよび基準対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnを算出する(S207)。具体的には、交流成分ΔI付加部510にて燃料電池10の出力電流に低周波数の交流電流を重畳させた状態で、セルモニタ54にて検出された各対象セルのセル電圧、電流センサ52bの検出値に基づいて、各対象セルのインピーダンスZnを算出する。そして、基準対象セルのインピーダンスZnから診断対象セルのインピーダンスZnを減算することで、各対象セルのインピーダンスの差分ΔZnを算出する。なお、本実施形態では、基準対象セルのインピーダンスZnが、診断対象セルよりも燃料欠乏の影響の小さいセルのインピーダンスZn、すなわち、基準インピーダンスとなる。
続いて、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定するための判定閾値である差分判定閾値ΔZthを決定する(S208)。ステップS208の処理では、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じている際のインピーダンスと正常時のセルのインピーダンスとの差分を差分判定閾値ΔZthに決定する。
ここで、第1実施形態で説明したように、燃料欠乏時には、電流密度や温度の低下に伴って負電圧となるセル10aのインピーダンスが若干増加する。これにより、燃料欠乏時には、電流密度や温度の低下に伴って診断対象セルのインピーダンスと基準インピーダンスとの差分も若干増加する。
そこで、本実施形態では、ステップS208の処理にて、電流密度および温度の少なくとも一方の低下に伴って、差分判定閾値ΔZthを大きくしている。なお、電流密度や温度の低下に伴って変更する差分判定閾値ΔZthの大きさは、例えば、予め電流密度や温度の低下量とインピーダンスの増加量との関係を規定した制御マップを参照して決定する。
続いて、ステップS207で算出した診断対象セルおよび基準対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnが、ステップS208で決定した差分判定閾値ΔZth以下であるか否かを判定する(S209)。
この結果、診断対象セルおよび基準対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnが差分判定閾値ΔZth以下であると判定された場合、診断対象セルで劣化を伴わない水電解反応が生じている判定し(S210)、ステップS201の処理に戻る。すなわち、本実施形態は、燃料欠乏状態であっても水電解反応が生じていると診断された場合は、燃料欠乏を回避する制御を行わない。
一方、診断対象セルおよび基準対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnが差分判定閾値ΔZthよりも大きいと判定された場合、診断対象セルではアノード側で劣化を伴うカーボン酸化反応が生じていると判定する(S211)。なお、ステップS211の処理では、燃料電池10を起動してから診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数をカウントする。
続いて、ステップS211にて診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数がN回目(例えば、2〜3回目)以上であるか否かを判定する(S212)。この結果、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数がN回目以上でないと判定された場合、燃料欠乏を回避する回避制御を実行し(S213)、ステップS201の処理に戻る。一方、ステップS212の判定処理の結果、診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された回数がN回目以上であると判定された場合、燃料電池10の劣化の進行を抑えるために、燃料電池10の運転を停止する(S214)。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態では、負電圧となる診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを、診断対象セルおよび基準対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnと所定の差分判定閾値ΔZthとを比較して判定する構成となっている。
これによれば、燃料欠乏時に劣化を伴わない化学反応が生じている場合と、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じている場合とを切り分けた診断が可能となる。従って、本実施形態の構成によれば、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かを診断可能な燃料電池診断装置を実現することができる。
また、本実施形態では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流の低下に伴って、差分判定閾値ΔZthを大きくしている。このように、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流に応じて、差分判定閾値ΔZthを変化させることで、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かの診断精度の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じていると判定された場合に、燃料欠乏を回避する回避制御を実行するので、燃料電池10の劣化を抑えて、燃料電池10の寿命を延ばすことが可能となる。
さらに、本実施形態では、繰り返し燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生ずる場合に燃料電池10の運転(作動)を停止させる構成としているので、燃料電池10の劣化の進行を確実に抑えることが可能となる。
ここで、本実施形態では、各セル10aのうち、正電圧となるセル10aを基準対象セルとし、当該基準対象セルのインピーダンスを基準インピーダンスとする例について説明したが、これに限定されない。
例えば、燃料電池10全体のインピーダンスを算出し、当該インピーダンスを燃料電池10のセル10aの数で除算した値を、診断対象セルよりも燃料欠乏の影響の小さいセルのインピーダンス、すなわち、基準インピーダンスとしてもよい。なお、燃料電池10全体のインピーダンスは、Zn算出部520において電圧センサ52aの検出電圧に基づき総電圧のうち低周波数の交流電圧である交流成分Vを算出し、当該交流成分Vを交流成分ΔInで除算することで算出可能である。
また、燃料電池10における水素入口部12aに近いセル10aでは、燃料ガスの供給量が不足し難いことから、水素入口部12aから離れたセル10aに比べて、燃料欠乏の影響が小さい傾向がある。このため、各セル10aのうち、水素入口部12aに近いセル10aを基準対象セルに決定し、当該基準対象セルのインピーダンスを基準インピーダンスとしてもよい。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流の低下に伴って、差分判定閾値ΔZthを大きくする例について説明したが、診断対象セルのインピーダンスおよび基準インピーダンスの差分ΔZnを補正してもよい。
以下、本変形例における燃料欠乏の判定処理について、図11を参照して説明する。図11は、図810に示すフローチャートに対応している。図11に示すステップS208A、S209A以外の処理は、第2実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
図11に示すように、本変形例の燃料欠乏の判定処理では、ステップS207にて診断対象セルおよび基準対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnを算出した後、当該差分ΔZnの補正値ΔZncを決定する(S208A)。
ステップS208Aの処理では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流の低下に伴って、診断対象セルおよび基準対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnを小さい値に補正する。なお、補正値ΔZncは、例えば、予め電流密度や温度の低下量とインピーダンスの増加量との関係を規定した制御マップを参照して、インピーダンスの増加量を算出し、当該増加量分を各対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnから減算した値に決定する。
続いて、ステップS208Aの処理で補正した各対象セルのインピーダンスZnの差分Zncが差分判定閾値Zth以下であるか否かを判定する(S209A)。なお、本変形例のインピーダンス判定閾値Zthは予め定めた固定値としている。
ステップS209Aの判定処理の結果、各対象セルのインピーダンスZncの差分ΔZncが差分判定閾値Zth以下であると判定された場合、診断対象セルで劣化を伴わない水電解反応が生じている判定する(S210)。
一方、ステップS209Aの判定処理の結果、各対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZncが差分判定閾値Zthよりも大きいと判定された場合には、診断対象セルではアノード側で劣化を伴うカーボン酸化反応が生じていると判定する(S211)。
ここで、本実施形態では、ステップS208Aで実行する処理が診断対象セルのインピーダンスを補正する補正部を構成し、ステップS209Aで実行する判定処理が診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する劣化判定部を構成する。
その他の構成は、第2実施形態と同様である。本変形例では、燃料電池10の温度や、燃料電池10を流れる電流に応じて、各対象セルのインピーダンスZnの差分ΔZnを補正する構成としている。これによれば、第2実施形態と同様に、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じているか否かの診断精度の向上を図ることが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、燃料電池自動車の燃料電池システム1に対して燃料電池診断装置5を適用する例について説明したが、これに限定されない。例えば、定置型の燃料電池システム1に対して燃料電池診断装置5を適用してもよい。
(2)上述の各実施形態では、氷点下等の低温環境下において、燃料欠乏の診断処理を実行する例について説明したが、これに限定されない。燃料欠乏は、水素流路111、アノード側触媒層102a、ガス拡散層103a等に残留する生成水の凍結に限らず、水素流路111等に残留する生成水によって、水素流路111における圧力損失が増大した場合にも生ずる。このため、低温環境下以外にも燃料欠乏の診断処理を実行してもよい。
(3)上述の第1実施形態の如く、燃料電池10の温度や燃料電池10を流れる電流に応じて、インピーダンス判定閾値や、診断対象セルのインピーダンスを補正することが望ましいが、これに限定されない。例えば、燃料電池10の温度や燃料電池10を流れる電流に応じてインピーダンス判定閾値や、診断対象セルのインピーダンスの補正を行わないようにしてもよい。
(4)上述の第2実施形態の如く、燃料電池10の温度や燃料電池10を流れる電流に応じて、差分判定閾値や、各対象セルのインピーダンスの差分を補正することが望ましいが、これに限定されない。例えば、燃料電池10の温度や燃料電池10を流れる電流に応じて差分判定閾値や、各対象セルのインピーダンスの差分の補正を行わないようにしてもよい。
(5)上述の各実施形態の如く、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じていると判定された場合に、燃料欠乏を回避する回避制御を実行することが望ましいが、これに限定されない。例えば、燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生じていると判定された場合に、燃料電池10の作動を停止してもよい。
(6)上述の各実施形態の如く、繰り返し燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生ずる場合に、燃料電池10の作動を停止することが望ましいが、これに限定されない。例えば、繰り返し燃料欠乏時に劣化を伴う化学反応が生ずる度に、燃料ガスの供給量を増加させるようにしてもよい。
(7)上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
(8)上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
(9)上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
10 燃料電池
10a 燃料電池セル
51 電流制御装置
52b 電流センサ(電流検出部)
54 セルモニタ(セル電圧検出部)
510 交流成分ΔI付加部(交流重畳部)
520 Zn算出部(インピーダンス算出部)
S103 燃料欠乏判定部
S106、S206 対象セル決定部
S109、S109A、S209、S209A 劣化判定部

Claims (8)

  1. 酸素を含む酸化剤ガスと水素を含む燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力するセル(10a)を複数積層して構成される燃料電池(10)の状態を診断する燃料電池診断装置であって、
    複数の前記セルそれぞれから出力されるセル電圧を検出するセル電圧検出部(54)と、
    前記燃料電池に流れる電流を検出する電流検出部(52b)と、
    前記燃料電池の出力電流に対して、予め定めた基準周波数よりも低い低周波数の交流電流を重畳させる交流重畳部(510)と、
    前記交流重畳部により前記燃料電池の出力電流に交流電流が重畳された状態で、前記セル電圧検出部の検出値、前記電流検出部の検出値に基づいて、前記セルのインピーダンスを算出するインピーダンス算出部(520)と、
    前記複数のセルのうち、前記セル電圧検出部の検出値が負電圧となるセルがある場合に、前記燃料ガスが不足する燃料欠乏が生じていると判定する燃料欠乏判定部(S103)と、
    前記複数のセルのうち、前記セル電圧検出部の検出値が負電圧となるセルを診断対象セルに設定する対象セル決定部(S106)と、
    前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する劣化判定部(S109、S109A)と、を備え、
    前記劣化判定部は、
    前記診断対象セルのインピーダンスが所定のインピーダンス判定閾値以下である場合に前記診断対象セルで劣化を伴わない化学反応が生じていると判定し、
    前記診断対象セルのインピーダンスが所定のインピーダンス判定閾値より大きい場合に前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定する燃料電池診断装置。
  2. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力するセル(10a)を複数積層して構成される燃料電池(10)の状態を診断する燃料電池診断装置であって、
    複数の前記セルそれぞれから出力されるセル電圧を検出するセル電圧検出部(54)と、
    前記燃料電池に流れる電流を検出する電流検出部(52b)と、
    前記燃料電池の出力電流に対して、予め定めた基準周波数よりも低い低周波数の交流電流を重畳させる交流重畳部(510)と、
    前記交流重畳部により前記燃料電池の出力電流に交流電流が重畳された状態で、前記セル電圧検出部の検出値、前記電流検出部の検出値に基づいて、前記セルのインピーダンスを算出するインピーダンス算出部(520)と、
    前記複数のセルのうち、前記セル電圧検出部の検出値が負電圧となるセルがある場合に、前記燃料ガスが不足する燃料欠乏が生じていると判定する燃料欠乏判定部(S203)と、
    前記複数のセルのうち、前記セル電圧検出部の検出値が負電圧となるセルを診断対象セルに設定する対象セル決定部(S206)と、
    前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定する劣化判定部(S209、S209A)と、を備え、
    前記診断対象セルよりも前記燃料欠乏の影響の小さい前記セルのインピーダンスを基準インピーダンスとしたとき、
    前記劣化判定部は、
    前記診断対象セルのインピーダンスと前記基準インピーダンスとの差分が所定の差分判定閾値以下である場合に、前記診断対象セルで劣化を伴わない化学反応が生じていると判定し、
    前記診断対象セルのインピーダンスと前記基準インピーダンスとの差分が前記差分判定閾値より大きい場合に、前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定する燃料電池診断装置。
  3. 前記インピーダンス判定閾値を決定する閾値決定部(S108)を備え、
    前記閾値決定部は、前記燃料電池の温度、および前記燃料電池を流れる電流の少なくとも一方の低下に伴って、前記インピーダンス判定閾値を大きくする請求項1に記載の燃料電池診断装置。
  4. 前記診断対象セルのインピーダンスを補正する補正部(S108A)を備え、
    前記補正部は、前記燃料電池の温度、および前記燃料電池を流れる電流の少なくとも一方の低下に伴って、前記診断対象セルのインピーダンスを小さい値に補正するように構成されており、
    前記劣化判定部(S109A)は、前記補正部で補正された前記診断対象セルのインピーダンスを前記インピーダンス判定閾値と比較して、前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定するように構成されている請求項1に記載の燃料電池診断装置。
  5. 前記差分判定閾値を決定する閾値決定部(S208)を備え、
    前記閾値決定部は、前記燃料電池の温度、および前記燃料電池を流れる電流の少なくとも一方の低下に伴って、前記差分判定閾値を大きくする請求項2に記載の燃料電池診断装置。
  6. 前記診断対象セルのインピーダンスと前記基準インピーダンスとの差分を補正する補正部(S208A)を備え、
    前記補正部は、前記燃料電池の温度、および前記燃料電池を流れる電流の少なくとも一方の低下に伴って、前記診断対象セルのインピーダンスと前記基準インピーダンスとの差分を小さい値に補正するように構成されており、
    前記劣化判定部(S209A)は、前記補正部で補正された前記診断対象セルのインピーダンスと前記基準インピーダンスとの差分を前記差分判定閾値と比較して、前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じているか否かを判定するように構成されている請求項2に記載の燃料電池診断装置。
  7. 前記劣化判定部にて前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された場合に、前記燃料欠乏を回避する回避制御を実行する回避制御部(S112〜S114)を備える請求項1ないし6のいずれか1つに記載の燃料電池診断装置。
  8. 前記回避制御部は、前記回避制御を実行した後に、繰り返し前記劣化判定部にて前記診断対象セルで劣化を伴う化学反応が生じていると判定された場合、前記燃料電池の作動を停止させる請求項7に記載の燃料電池診断装置。
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