以下で説明する第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置1及び第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置2は、照射ユニット10と、一組のステージ20、50と、搬送機構30と、を具備する。照射ユニット10は、対象物に偏光光を照射する照射領域AR11を有する。一組のステージ20、50は、対象物を搭載する各搭載位置MP1〜MP4が照射領域AR11の両側に配置され、搭載位置MP1〜MP4の高さH11、H12、H21、H22が異なる。搬送機構30は、平面視において照射領域AR11を通して各搭載位置MP1〜MP4を結ぶ搬送路PT1〜PT3を有し、搭載位置MP1〜MP4と、ステージ20、50が照射領域AR11を通過した所定の通過位置FP1〜FP4との間で、一組のステージ20、50を交互に搬送路PT1〜PT3に沿って往復させる。
また、以下で説明する第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置1において、一組のステージ20は、各ステージ20における搬送路PT1、PT2の高さH11、H12が異なる。
また、以下で説明する第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置2において、一組のステージ50は、少なくとも一方のステージ50の高さ方向の位置が可変であって、一方のステージ50の搬送路PT3の高さH23を他方のステージ50Bの搬送路PT3の高さH23とする。
また、以下で説明する第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置1及び第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置2において、ステージ20、50は、対象物の偏光方向に対して対象物の向きを調整する調整機構(実施形態においては「パネルアライナ3」)を有する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置1(以下、単に「偏光光照射装置1」と記載する場合がある)について図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。また、図2は、第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。本実施形態に係る偏光光照射装置1は、例えば、対象物である配向膜に直線偏光光等の偏光光を照射することで、光配向するために用いられる。本実施形態に係る偏光光照射装置1は、例えば液晶パネルの配向膜や、視野角補償フィルムの配向膜等の製造に用いられる。本実施形態においては、液晶パネルPNの配向膜の製造に用いる場合を例に説明する。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態の偏光光照射装置1は、照射ユニット10と、一組のステージ20A、20Bと、搬送機構30とを具備する。なお、ステージ20A、20Bを区別しない場合は、ステージ20とする場合がある。
照射ユニット10は、対象物としての配向膜が形成された液晶パネルPN(以下、単に「パネルPN」と記載する場合がある)に偏光光を照射する照射領域AR11を有する。また、照射ユニット10は、紫外線を含む光を発する管状の光源11と、光源11が発した光の配向を制御する反射板12と、光源11及び反射板12を収納する器具本体13を有する。また、照射ユニット10は、光源11が発した光と、反射板12で配向が制御された光とが入射して偏光光を出射する偏光素子(不図示)を有する。
なお、ここでいう「照射領域AR11」とは、照射ユニット10の最下面の開口、すなわち、照射ユニット10において、最も対象物に近い位置にある開口を指す。例えば、照射ユニット10の最下面が偏光素子であれば、偏光素子の開口が照射領域AR11に該当し、偏光素子よりも対象物側に遮光板(不図示)があれば遮光板の開口が照射領域AR11に該当する。更に、遮光板に保護ガラス(不図示)があれば、保護ガラスの開口が照射領域AR11に該当する。なお、本実施形態においては、説明の簡単化のため、器具本体13の最下面の開口を照射領域AR11とする。図1及び図2の左右方向における照射領域AR11の幅は、幅W10となる。
光源11は、例えば、紫外線透過性のガラス管内に、水銀、アルゴン、キセノンなどの希ガスが封入された高圧水銀ランプや、高圧水銀ランプに鉄やヨウ素等のメタルハライドが更に封入されたメタルハライドランプ等の管型ランプが用いられており、直線状の発光部を有する。光源11は、発光部の長手方向が、照射ユニット10に対する各ステージ20の搬送方向と直交しており、発光部の長さが、パネルPNの一辺の長さよりも長くされている。光源11は、直線状の発光部から、例えば波長が200nmから400nmまでの紫外線を含む光を発することが可能とされている。光源11が発する光は、さまざまな偏光軸成分を有する、いわゆる非偏光の光である。
反射板12は、光源11に対向する面に、光源11が発した光を反射する反射面を有しており、反射面が楕円の一部をなす形状に形成されている。これにより、反射板12は、光源11が発した光を集光する、いわゆる集光型の反射板として構成されている。偏光素子は、光源11が発し、一様にあらゆる方向に振動したさまざまな偏光軸成分を含む光から基準方向のみに振動した偏光軸の光を取り出すことが可能とされている。なお、基準方向のみに振動した偏光軸の光を、一般に直線偏光という。また、偏光軸とは、光の電場及び磁場の振動方向である。
一組のステージ20A、20Bは、矩形状の板状に形成された載置部21と、載置部21を支持する支持部22とを有する。載置部21には、配向膜が形成されたパネルPNが搭載される。また、載置部21は、支持部22を介して、搬送機構30によって移動可能に支持されている。図1及び図2の左右方向における載置部21の幅は、幅W11となる。また、図1及び図2の左右方向における支持部22の幅は、幅W12(<幅W11)となる。
ここで、図1及び図2に示すように、各ステージ20A、20BにパネルPNを搭載する搭載位置MP1、MP2(図3参照)は、照射領域AR11の両側に配置される。具体的には、ステージ20A、20BにパネルPNを搭載する搭載位置MP1、MP2は、図1及び図2における照射領域AR11の左右方向の両側に配置される。
搬送機構30は、平面視において照射領域AR11を通して各搭載位置MP1、MP2を結ぶ搬送路PT1、PT2を有し、搭載位置MP1、MP2と、ステージ20が照射領域AR11を通過した所定の通過位置FP1、FP2(図3参照)との間で、一組のステージ20A、20Bを交互に搬送路PT1、PT2に沿って往復させる。
ここで、図1に示すように、ステージ20Aの載置部21の搬送機構30からの高さは、高さH11である。すなわち、ステージ20Aの搭載位置MP1の高さは、高さH11となる。また、ステージ20Bの載置部21の搬送機構30からの高さは、高さH12である。すなわち、ステージ20Bの搭載位置MP2の高さは、高さH12となる。なお、ステージ20は、所定の厚みを有するが、ステージ20の厚みは無視できる程度の厚みとして以下説明する。ここに、ステージ20Aの搭載位置MP1の高さH11とステージ20Bの搭載位置MP2の高さH12との間には、高さ方向にH11−H12だけ間隙MG1(=H11−H12)が形成される。
上述したように、ステージ20A、20Bの各搭載位置MP1、MP2の高さH11、H12が異なる。すなわち、各ステージ20A、20Bにおける搬送路PT1、PT2の高さが異なる。具体的には、ステージ20Aにおける搬送路PT1の高さは、ステージ20Aの各搭載位置MP1の高さH11となる。また、ステージ20Bにおける搬送路PT2の高さは、ステージ20Bの各搭載位置MP2の高さH12となる。なお、図2に示すように、平面視においては搬送路PT1、PT2とは重なる。
このように、ステージ20A、20Bにおける搬送路PT1、PT2の高さH11、H12が異なるため、平面視においてステージ20Aとステージ20Bとは、重なることが可能となる。例えば、平面視においてステージ20Aとステージ20Bとは、載置部21の幅W11と支持部22の幅W12とに基づく幅だけ平面視において重なることができる。具体的には、平面視においてステージ20Aとステージ20Bとは、幅W1(=(W11−W12)/2)だけ平面視において重なることができる。
すなわち、図1及び図2に示す例において、搭載位置MP1におけるステージ20A(の載置部21)の右端部と照射ユニット10(の器具本体13)の左端部との間の長さを載置部21の幅W11よりも短い長さL11とすることができる。また、搭載位置MP2におけるステージ20B(の載置部21)の左端部と照射ユニット10(の器具本体13)の右端部との間の長さを載置部21の幅W11よりも短い長さL11とすることができる。
例えば、従来のように一方のステージの搭載位置の高さと他方のステージの搬送路の高さとが同じである場合、ステージと照射ユニットとの間の長さは、少なくともステージの載置部の幅以上が必要となる。
一方、偏光光照射装置1においては、搭載位置MP1におけるステージ20Aの高さH11とステージ20Bの搬送路PT2の高さH12とが異なるため、ステージ20Aと照射ユニット10との間の長さを長さL11(<幅W11)とすることができる。また、偏光光照射装置1においては、搭載位置MP2におけるステージ20Bの高さH12とステージ20Aの搬送路PT1の高さH11とが異なるため、ステージ20Bと照射ユニット10との間の長さを長さL11(<幅W11)とすることができる。これにより、偏光光照射装置1は、図1及び図2の左右方向における偏光光照射装置1の長さを短くできるため、装置の大型化を抑制することができる。また、偏光光照射装置1は、各ステージ20の搬送路PT1、PT2における移動距離を短くすることができるため、タクトタイムの長大化を抑制することができる。
ここから、図3を用いて、偏光光照射装置1における液晶パネルPNの配向膜の製造処理の流れについて説明する。図3は、第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置におけるステージの移動の一例を示す図である。具体的には、図3(a)〜(e)は、(a)〜(e)順にステージが移動する場合の一例を示す図である。
まず、図3(a)に示す偏光光照射装置1は、ステージ20A、20Bが各搭載位置MP1、MP2に位置し、ステージ20Aの載置部21にパネルPNが搭載された状態を示す。例えば、装置の管理者やロボット(図示省略)がパネルPNをステージ20Aの載置部21に搭載する。そして、ステージ20Aのセンサ(図示省略)がパネルPNの搭載を検出し、搬送機構30によりステージ20Aが移動を開始する。図3では、ステージ20Aは、右方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して通過位置FP1まで移動する。
図3(b)に示すように、通過位置FP1へ移動後のステージ20Aと搭載位置MP2のステージ20Bとは、平面視(図3の上下方向)において一部が重なることができる。また、ステージ20Aの一部とステージ20Bの一部とが重なった状態においても、ステージ20Aの載置部21とステージ20Bの載置部21との間には、十分な余裕があるため、ステージ20Bの載置部21にパネルPNを搭載する等の作業を行うことが可能である。これにより、偏光光照射装置1は、さらにタクトタイムの長大化を抑制することができる。
その後、図3(c)に示すように、ステージ20Aは搭載位置MP1へ移動を開始する。図3では、ステージ20Aは、左方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して搭載位置MP1まで移動する。また、この間に、ステージ20Bの載置部21にパネルPNが搭載され、ステージ20Bが移動可能な状態になる。そして、ステージ20Bのセンサ(図示省略)がパネルPNの搭載を検出し、搬送機構30によりステージ20Bが移動を開始する。図3では、ステージ20Bは、左方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して通過位置FP2まで移動する。なお、図3においては、説明のためステージ20Aが搭載位置MP1へ戻った後、ステージ20Bが移動を開始する場合を示したが、ステージ20Aが搭載位置MP1まで移動する間に、ステージ20Bが移動を開始してもよい。
図3(d)に示すように、通過位置FP2へ移動後のステージ20Bと搭載位置MP1のステージ20Aとは、平面視(図3の上下方向)において一部が重なることができる。また、ステージ20Aの一部とステージ20Bの一部とが重なった状態においても、ステージ20Aの載置部21のほうがステージ20Bの載置部21よりも上方に位置するため、ステージ20Aの載置部21からパネルPNを取り出したり、載置部21に新たなパネルPNを搭載したりする等の作業を行うことが可能である。これにより、偏光光照射装置1は、さらにタクトタイムの長大化を抑制することができる。
このように、ステージ20Aは、搬送機構30によって照射ユニット10に向かって搬送され、照射領域AR11を通過して通過位置FP1まで搬送される。そして、ステージ20Aは、通過位置FP1から搭載位置MP1に向かって搬送され、照射領域AR11を通過し、搭載位置MP1に戻る。これにより、ステージ20Aの載置部21上のパネルPNの配向膜は、照射領域AR11を往復することで所定量の偏光光が照射され、所望の光配向が行われる。
その後、ステージ20Bは搭載位置MP2へ移動を開始する。図3(e)に示すように、ステージ20Bは、右方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して搭載位置MP2まで移動する。また、この間に、ステージ20Aの載置部21からパネルPNが取り出された後、載置部21に新たなパネルPNが搭載され、ステージ20Aが移動可能な状態になる。その後、ステージ20Bの載置部21からパネルPNを取り出したり、載置部21に新たなパネルPNを搭載したりする。そして、偏光光照射装置1は、図3に示す処理を繰り返す。
このように、ステージ20Bは、搬送機構30によって照射ユニット10に向かって搬送され、照射領域AR11を通過して通過位置FP2まで搬送される。そして、ステージ20Bは、通過位置FP2から搭載位置MP2に向かって搬送され、照射領域AR11を通過し、搭載位置MP2に戻る。これにより、ステージ20Bの載置部21上のパネルPNの配向膜は、照射領域AR11を往復することで所定量の偏光光が照射され、所望の光配向が行われる。
なお、偏光光照射装置1において、照射ユニット10は、光出力を変更可能であってもよい。例えば、照射ユニット10は、ステージ20Aの照射領域AR11通過時とステージ20Bの照射領域AR11通過時とで、光出力を変更してもよい。例えば、照射ユニット10は、ステージ20Bの照射領域AR11通過時の光出力をステージ20Aの照射領域AR11通過時の光出力よりも大きくしてもよい。
また、偏光光照射装置1において、搬送機構30は、ステージ20の移動速度を変更可能であってもよい。例えば、搬送機構30は、ステージ20Aの照射領域AR11通過時とステージ20Bの照射領域AR11通過時とで、移動速度を変更してもよい。例えば、搬送機構30は、ステージ20Aの照射領域AR11通過時の移動速度をステージ20Bの照射領域AR11通過時の移動速度よりも速くしてもよい。
また、偏光光照射装置1の搬送路PT1、PT2に交差する方向において、ステージ20の支持部22の幅は、搬送機構30の幅より小さくてもよい。また、ステージ20の支持部22は、搬送路PT1、PT2に交差する方向における搬送機構30の一方の側部において、搬送機構30に接続されてもよい。すなわち、ステージ20の支持部22は、載置部21の搬送路PT1、PT2に交差する方向における一方の側部に接続することにより、載置部21を支持してもよい。
また、偏光光照射装置1は、ステージ20にパネルPNの位置や向きを調節する調整機構としてパネルアライナ3を具備してもよい。ここで、パネルアライナ3について、図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置のパネルアライナを示す斜視図である。具体的には、図4には、パネルアライナ3の説明に必要な構成のみを示し、パネルアライナ3およびステージ20の載置部21を示す。図4に示すように、載置部21は、可動部21−1と、可動部21−1上の平板21−2等から構成されている。
平板21−2は、可動部21−1上においてXYθの方向に移動可能に設けられている。即ち、可動部21−1にはXYθ可動機構32が設けられており、XYθ可動機構32は平板21−2をXYθ方向に移動させて平板21−2の位置や姿勢を微調節するものとなっている。例えば、XY方向とは水平な面内の直交方向であり、例えばX方向が長さ方向(移動方向)、Y方向が幅方向とされる。θは、XY方向に対して垂直な軸の回りの円周方向であり、例えば、鉛直な軸の回りの円周方向である。より具体的に説明すると、θは、図5で示すように、鉛直な軸(Z軸)に反時計回りに回転させる状態である。なお、XYθ可動機構32については、XY方向のうちのいずれか一方向について搬送機構30の移動と兼用し、Xθ可動機構またはYθ可動機構としてもよい。
一方、載置部21に載置されるパネルPNは、アライメントマークM1を有する。パネルアライナ3は、アライメントマークM1を撮像するセンサ部31と、上記XYθ可動機構32と、センサ部31からの出力に従ってXYθ可動機構32を制御する制御部33とを具備する。アライメントマークM1は、通常、パネルPN上の所定位置に2カ所設けられている。センサ部31は、アライメントマークM1の位置及びアライメントすべき基準位置や基準方向に従って所定の位置でアライメントマークM1の撮像をするよう二つ設けられている。
図4に示す例においては、アライメントマークM1は、矩形のパネルPNの対角方向の角部に設けられる。センサ部31は、載置部21に対してパネルPNの搭載動作を行う位置(以下、搭載位置)の上方に配置されている。二つのセンサ部31の位置は、パネルPN上のアライメントマークM1の離間距離に一致し、二つのセンサ部31を結ぶ線は、搬送機構30における幅方向に一致している。すなわち、載置部21にパネルPNが搭載されると、各アライメントマークM1を各センサ部31が撮像する状態となる。各センサ部31の撮像エリア内には基準位置が設定されており、この基準位置には、アライメントマークM1の中心が位置すべき位置である。
制御部33は、各センサ部31からの出力データ(イメージデータ)を処理し、XYθ可動機構32を制御してアライメントを行う。具体的には、2個のセンサ部31が検出したそれぞれのアライメントマークM1の位置情報と、あらかじめ制御部33に入力されている2個のアライメントマークM1の距離情報とに基づき、制御部33は、センサ部31が撮像するアライメントマークM1の重心が基準位置に位置するようステージ20の載置部21のXYθ方向の移動距離のデータを演算し、XYθ可動機構32を制御して平板21−2をXYθ方向に移動させる。これにより、偏光光照射装置1は、パネルPNのアライメントを行うことができる。また、アライメントマークM1がパネルPNの対角方向の角部に設けられることで、アライメントマークM1が例えば矩形パネルの一方向に沿った二つの角部に設けられるときに比べて、2個のアライメントマークM1同士の距離が大きくなるため、基準位置へのアライメントマークの合わせこみ、つまり、アライメントの精度が向上する。なお、上述したパネルアライナ3は、一例であり、パネルPNのアライメントが可能であれば、どのような構成であってもよい。
前述した構成の第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置1は、各ステージ20A、20Bの搭載位置MP1、MP2の高さH11、H12が異なることにより、偏光光照射装置1の長さを短くできるため、装置の大型化を抑制することができる。また、偏光光照射装置1は、各ステージ20の搬送路PT1、PT2における移動距離を短くすることができるため、タクトタイムの長大化を抑制することができる。
前述した構成の第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置1において、一組のステージ20は、各ステージ20における搬送路PT1、PT2の高さH11、H12が異なる。これにより、偏光光照射装置1の長さを短くできるため、装置の大型化を抑制することができる。また、偏光光照射装置1は、各ステージ20の搬送路PT1、PT2における移動距離を短くすることができるため、タクトタイムの長大化を抑制することができる。
また、前述した構成の第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置1において、ステージ20は、対象物の偏光方向に対して対象物の向きを調整する調整機構としてパネルアライナ3を有する。これにより、偏光光照射装置1の対象物であるパネルPNのアライメントを行うことができる。
[第2の実施形態]
まず、本発明の第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置2(以下、単に「偏光光照射装置2」と記載する場合がある)について図面に基づいて説明する。図6は、第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。また、図7は、第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。本実施形態に係る偏光光照射装置2も、第1の実施形態と同様に、例えば、対象物である配向膜に直線偏光光等の偏光光を照射することで、光配向するために用いられる。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6及び図7に示すように、第2の実施形態の偏光光照射装置2は、照射ユニット10と、一組のステージ50A、50Bと、搬送機構30とを具備する。なお、ステージ50A、50Bを区別しない場合は、ステージ50とする場合がある。
一組のステージ50A、50Bは、第1の実施形態と同様に、矩形状の板状に形成された載置部51と、載置部51を支持する支持部52とを有する。載置部51には、配向膜が形成されたパネルPNが搭載される。また、載置部51は、支持部52を介して、搬送機構30によって移動可能に支持されている。図6及び図7の左右方向における載置部51の幅は、幅W21となる。また、図6及び図7の左右方向における支持部52の幅は、幅W22(<幅W21)となる。また、少なくとも一方のステージ50は、高さ方向の位置が可変であって、搬送路PT3の高さを他方のステージ50の搬送路PT3の高さとすることができる。図6及び図7に示す例においては、ステージ50A、50Bは、高さ方向の位置を変更可能である。例えば、ステージ50A、50Bは、支持部52の機能により高さ方向の位置を変更可能である。例えば、ステージ50A、50Bは、搬送機構30からの指示に応じて支持部52の機能により高さを調整することにより、高さ方向の位置を変更可能である。
ここで、図6及び図7に示すように、各ステージ50A、50BにパネルPNを搭載する搭載位置MP3、MP4(図8参照)は、照射領域AR11の両側に配置される。具体的には、ステージ50A、50BにパネルPNを搭載する搭載位置MP3、MP4は、図6及び図7における照射領域AR11の左右方向の両側に配置される。
搬送機構30は、平面視において照射領域AR11を通して各搭載位置MP3、MP4を結ぶ搬送路PT3を有し、搭載位置MP3、MP4と、ステージ50が照射領域AR11を通過した所定の通過位置FP3、FP4(図8参照)との間で、一組のステージ50A、50Bを交互に搬送路PT3に沿って往復させる。具体的には、搬送機構30は、高さH23の搬送路PT3に沿ってステージ50A、50Bを交互に往復させる。すなわち、搬送機構30は、ステージ50を移動させる際は、ステージ50の高さを高さH23に変更させる。その後、搬送機構30は、高さH23の搬送路PT3に沿ってステージ50を往復させる。このように、偏光光照射装置2においては、ステージ50A、50Bは、高さ方向の位置を変更することにより、共通の搬送路PT3に沿って往復する。
ここで、図6に示すように、ステージ50Aの載置部51の搬送機構30からの高さは、高さH21である。すなわち、ステージ50Aの搭載位置MP3の高さは、高さH21となる。また、ステージ50Bの載置部51の搬送機構30からの高さは、高さH22である。すなわち、ステージ50Bの搭載位置MP4の高さは、高さH22となる。なお、ステージ50は、所定の厚みを有するが、ステージ50の厚みは無視できる程度の厚みとして以下説明する。ここに、ステージ50Aの搭載位置MP3の高さH21と搬送路PT3の高さH23との間には、高さ方向にH21−H23だけ間隙MG2(=H21−H23)が形成される。また、ステージ50Bの搭載位置MP4の高さH22と搬送路PT3の高さH23との間には、高さ方向にH23−H22だけ間隙MG3(=H23−H22)が形成される。
上述したように、ステージ50A、50Bの各搭載位置MP3、MP4の高さH21、H22及び搬送路PT3の高さH23が異なるため、平面視においてステージ50Aとステージ50Bとは、重なることが可能となる。例えば、平面視においてステージ50Aとステージ50Bとは、載置部51の幅W21と支持部52の幅W22とに基づく幅だけ平面視において重なることができる。具体的には、平面視においてステージ50Aとステージ50Bとは、幅W2(=(W21−W22)/2)だけ平面視において重なることができる。
すなわち、図6及び図7に示す例において、搭載位置MP3におけるステージ50A(の載置部51)の右端部と照射ユニット10(の器具本体13)の左端部との間の長さを載置部51の幅W21よりも短い長さL21とすることができる。また、搭載位置MP4におけるステージ50B(の載置部51)の左端部と照射ユニット10(の器具本体13)の右端部との間の長さを載置部51の幅W21よりも短い長さL21とすることができる。
例えば、従来のように一方のステージの搭載位置の高さと他方のステージの搬送路の高さとが同じである場合、ステージと照射ユニットとの間の長さは、少なくともステージの載置部の幅以上が必要となる。
一方、偏光光照射装置2においては、搭載位置MP3におけるステージ50Aの高さH21とステージ50Bの搬送路PT3の高さH23とが異なるため、ステージ50Aと照射ユニット10との間の長さを長さL21(<幅W21)とすることができる。また、偏光光照射装置2においては、搭載位置MP4におけるステージ50Bの高さH22とステージ50Aの搬送路PT3の高さH23とが異なるため、ステージ50Bと照射ユニット10との間の長さを長さL21(<幅W21)とすることができる。これにより、偏光光照射装置2は、図6及び図7の左右方向における偏光光照射装置2の長さを短くできるため、装置の大型化を抑制することができる。また、偏光光照射装置2は、各ステージ50の搬送路PT3における移動距離を短くすることができるため、タクトタイムの長大化を抑制することができる。
ここから、図8を用いて、偏光光照射装置2における液晶パネルPNの配向膜の製造処理の流れについて説明する。図8は、第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置におけるステージの移動の一例を示す図である。具体的には、図8(a)〜(e)は、(a)〜(e)順にステージが移動する場合の一例を示す図である。
まず、図8(a)に示す偏光光照射装置2は、ステージ50A、50Bが各搭載位置MP3、MP4に位置し、ステージ50Aの載置部51にパネルPNが搭載された状態を示す。例えば、装置の管理者やロボット(図示省略)がパネルPNをステージ50Aの載置部51に搭載する。そして、図8(b)に示すように、ステージ50Aのセンサ(図示省略)がパネルPNの搭載を検出し、ステージ50Aの高さ方向の位置が搬送路PT3の高さH23に変更される。その後、搬送機構30によりステージ50Aが移動を開始する。図8(c)に示すように、ステージ50Aは、右方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して通過位置FP3まで移動する。
図8(c)に示すように、通過位置FP3へ移動後のステージ50Aと搭載位置MP4のステージ50Bとは、平面視(図8の上下方向)において一部が重なることができる。また、ステージ50Aの一部とステージ50Bの一部とが重なった状態においても、ステージ50Aの載置部51とステージ50Bの載置部51との間には、十分な余裕があるため、ステージ50Bの載置部51にパネルPNを搭載する等の作業を行うことが可能である。これにより、偏光光照射装置2は、さらにタクトタイムの長大化を抑制することができる。
その後、ステージ50Aは搭載位置MP3へ移動を開始する。図8(d)に示すように、ステージ50Aは、左方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して搭載位置MP3まで移動する。また、この間に、ステージ50Bの載置部51にパネルPNが搭載され、ステージ50Bが移動可能な状態になる。そして、ステージ50Bのセンサ(図示省略)がパネルPNの搭載を検出し、ステージ50Bの高さ方向の位置が搬送路PT3の高さH23に変更される。その後、搬送機構30によりステージ50Bが移動を開始する。図8(e)に示すように、ステージ50Bは、左方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して通過位置FP4まで移動する。なお、図8においては、説明のためステージ50Aが搭載位置MP3へ戻った後、ステージ50Bが移動を開始する場合を示したが、ステージ50Aが搭載位置MP3まで移動する間に、ステージ50Bが移動を開始してもよい。
図8(e)に示すように、通過位置FP4へ移動後のステージ50Bと搭載位置MP3のステージ50Aとは、平面視(図8の上下方向)において一部が重なることができる。また、ステージ50Aの一部とステージ50Bの一部とが重なった状態においても、ステージ50Aの載置部51のほうがステージ50Bの載置部51よりも上方に位置するため、ステージ50Aの載置部51からパネルPNを取り出したり、載置部51に新たなパネルPNを搭載したりする等の作業を行うことが可能である。これにより、偏光光照射装置2は、さらにタクトタイムの長大化を抑制することができる。
このように、ステージ50Aは、搬送機構30によって照射ユニット10に向かって搬送され、照射領域AR11を通過して通過位置FP3まで搬送される。そして、ステージ50Aは、通過位置FP3から搭載位置MP3に向かって搬送され、照射領域AR11を通過し、搭載位置MP3に戻る。これにより、ステージ50Aの載置部51上のパネルPNの配向膜は、照射領域AR11を往復することで所定量の偏光光が照射され、所望の光配向が行われる。
その後、ステージ50Bは搭載位置MP4へ移動を開始する。例えば、ステージ50Bは、右方向へ移動を開始し、照射ユニット10の照射領域AR11を通過して搭載位置MP4まで移動する。また、この間に、ステージ50Aの載置部51からパネルPNが取り出された後、載置部51に新たなパネルPNが搭載され、ステージ50Aが移動可能な状態になる。その後、ステージ50Bの載置部51からパネルPNを取り出したり、載置部51に新たなパネルPNを搭載したりする。そして、偏光光照射装置2は、図8に示す処理を繰り返す。
このように、ステージ50Bは、搬送機構30によって照射ユニット10に向かって搬送され、照射領域AR11を通過して通過位置FP4まで搬送される。そして、ステージ50Bは、通過位置FP4から搭載位置MP4に向かって搬送され、照射領域AR11を通過し、搭載位置MP4に戻る。これにより、ステージ50Bの載置部51上のパネルPNの配向膜は、照射領域AR11を往復することで所定量の偏光光が照射され、所望の光配向が行われる。
なお、前述のステージ50Aとステージ50Bとで、両方のステージ50の高さが可変である実勢形態を示したが、少なくとも一方のステージの高さのみが可変であればよい。例えば、ステージ50Aのみが可変で、ステージ50Aの搭載位置MP3での高さがH21、ステージ50Aの搬送時の高さ、ステージ50Bの搭載位置MP4での高さおよび搬送路PT3の高さがH23と同じであってもよい。
前述した構成の第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置2は、各ステージ50A、50Bの搭載位置MP3、MP4の高さH21、H22が異なることにより、偏光光照射装置2の長さを短くできるため、装置の大型化を抑制することができる。また、偏光光照射装置2は、各ステージ50の搬送路PT3における移動距離を短くすることができるため、タクトタイムの長大化を抑制することができる。
前述した構成の第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置2において、一組のステージ50は、少なくとも一方のステージ50の高さ方向の位置が可変であって、搬送路PT3の高さH23を他方のステージ50の搬送路PT3の高さH23とする。これにより、偏光光照射装置2の長さを短くできるため、装置の大型化を抑制することができる。また、偏光光照射装置2は、各ステージ50の搬送路PT3における移動距離を短くすることができるため、タクトタイムの長大化を抑制することができる。
また、前述した構成の第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置2において、ステージ50は、対象物の偏光方向に対して対象物の向きを調整する調整機構としてパネルアライナ3を有する。これにより、偏光光照射装置2の対象物であるパネルPNのアライメントを行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。