JP2017083441A - 特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法および特異値解析用プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象中の不純物の確認等の場面において、短時間かつ高感度で検出し比較することができ、かつ、微量成分の定量評価の精度を向上させるようにする。【解決手段】液成分の分析における測定対象の解析データ中の特異性を抽出する特異値解析法を実施する際、実数行列Mを、正規直交ベクトルを表すU行列、同じく正規直交ベクトルを表すV行列、および解析データの特異値を対角成分に持つΣ行列、の3つの行列の積の形M=UΣVに分解し、Σ行列の特異値のうち測定対象の成分の寄与が小さい特異値を排除した後のΣ行列、およびU行列、V行列を用いて実数行列Mを再構成する。【選択図】図3

Description

本発明は、特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法および特異値解析用プログラムに関する。
独立した2次元データに対して特異値分解(SVD)解析を行う事でデータを構成する特異性を抽出することは数学的によく用いられている(例えば、非特許文献1,2参照)。この各々の成分を再構成することで2次元データを構築する成分を抜き出す応用は振動分光機などのメーカーの解析ソフトなどで利用されている。
また、特異値分解解析によりデータを構成するうえでは、如何にして不要なノイズを除去し、S/Nのよいデータを得るかが重要である。既存の計算手法により行列の縦成分と横成分で相関性の高いものを順に特異値ベクトルΣとして抜き出す具体的な手法としては、例えば、縦成分にクロマトグラム、横成分にUVスペクトルで作った行列を、多変量解析を用いることで、クロマトグラムピークが重なっていてもUV波長が異なる、もしくはUV波長が重なっていてもクロマトグラムピークが異なる特異値ベクトルとして抽出し、特定の特異値のみで再構成することで分離したクロマトグラムピークを得るというピーク分割などがある。
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しかしながら、測定対象中に含まれる微量成分は主成分に比べ信号強度が弱く、識別性が落ちる為に定量性が低下することから、上述のごとき従来技術は、微量成分の定量分析には適していない。このため、測定対象中の不純物の確認等の場面において、短時間かつ高感度で不純物を検出し定量することが難しい場合があった。また微量成分の定量評価時に電子ノイズが入るために精度が低下する場合があった。
そこで、本発明は、測定対象中の不純物の確認等の場面において、短時間で処理可能かつ見かけ上の感度を向上させることができ、かつ、微量成分の定量評価の精度を向上させることができる、特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法および特異値解析用プログラムを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明に係る電子ノイズ除去法は、液体クロマトグラフィー(LC)などの液成分の分析における測定対象の解析データ中の特異性を抽出する特異値解析法を実施する際、
実数行列Mを、正規直交ベクトルを表すU行列、同じく正規直交ベクトルを表すV行列、および前記解析データの特異値を対角成分に持つΣ行列、の3つの行列の積の形
M=UΣV
に分解し、
前記Σ行列の特異値のうち測定対象の成分の寄与が小さい特異値を排除した後のΣ行列、および前記U行列、V行列を用いて実数行列Mを再構成するというものである。
かかる電子ノイズ除去法では、特異値分解で特異性の無い成分を電子ノイズとして除き、測定対象中の化合物由来のピーク成分で再構成することでS/Nを向上させる。これについて詳細に説明すると以下のとおりとなる。
すなわち、本願に係る電子ノイズ除去法では、例えば縦成分にクロマトグラム、横成分にUVスペクトルの波長を作るところまでは既存の手法と変わらないが、その後、特異性の無い成分を捨てて再構成することで、クロマトグラムとUVが対応しない成分をすべて電子ノイズとしてゼロとし、それから実数行列Mを再構成する。これによれば、クロマトグラムピークの分離(ピーク分離)はできないまでも、S/Nを向上させることができる。なお、その際に定量性をいかに維持するかという課題は、再構成に使うΣ行列の所定数(一例として、Σベクトルの50%程度)を用いて再構成することで対処することが可能である。要するに、クロマトグラムを再構成するときに使う特異値をコントロールすることで、これまでは低濃度で定量性を確保することは難しかったところを、S/Nの向上と低濃度での定量性の向上を行うことが可能となる。
上述のごとき特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法においては、複数の前記Σ行列のうちの一部のみを対象として前記特異値以外の成分を排除し、残りの前記Σ行列については前記特異値以外の成分の排除をせず、前記実数行列Mを再構成することが好ましい。
成分排除せずに使うΣ行列の特異値の数(本明細書では符号Wを付して表す)が少なすぎると(つまり、成分排除の割合が多すぎると)定量性が劣ってしまうが、一部については敢えて成分排除を行わないことで、データ全体としての定量性を確保することが可能である。このような考え方に基づき、数Wを適正な範囲内に設定すれば、定量性を確保しながら、S/Nを向上させることができる。
また、特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法においては、前記実数行列Mの縦成分がクロマトグラムのデータであり、横成分がUVスペクトルの波長であり、液成分の分析に用いられてもよい。あるいは、実数行列Mの縦成分がUVスペクトルの波長、横成分がクロマトグラムのデータであってもよい。
また、本発明に係る特異値解析用プログラムは、解析データ中の特異性を抽出する特異値解析法を実施する際、コンピューターに、
実数行列Mを、正規直交ベクトルを表すU行列、同じく正規直交ベクトルを表すV行列、および前記解析データの特異値を対角成分に持つΣ行列、の3つの行列の積の形
M=UΣV
に分解する手順と、
前記Σ行列の中の前記特異値以外の成分を排除する手順と、
該特異値以外の成分を排除した後のΣ行列、および前記U行列、V行列を用いて実数行列Mを再構成する手順と、
を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、測定対象中の不純物の確認等の場面において、短時間で処理可能かつ見かけ上の感度を向上させることができ、かつ、微量成分の定量評価の精度を向上させることができる。
既存の計算手法の考え方と行列式の一例を参考として示す図である。 本願に係る電子ノイズ除去方法の考え方と行列式の一例を示す図である。 本願に係る電子ノイズ除去方法の考え方を示す、(A)PDA検出器を用いて取得したデータから作成したΣ行列の対角成分をグラフにしたものを示すグラフ、(B)特異性の無い成分を使わずに再構成してノイズ除去することについて、生クロマトグラムとSVD処理後のクロマトグラムを示して説明するグラフ(縦軸は信号強度を表す)である。 再構成に用いる特異値の数Wと、S/Nおよび定量性との関係について示す、(A)基本となる生PDAデータから259nmのクロマトグラムを抽出した場合、(B)全特異値Wの12%を使用して再構成した場合、(C)全特異値Wの30%を使用して再構成した場合、(D)全特異値Wの42%を使用して再構成した場合、(E)全特異値Wの93%を使用した場合のそれぞれのクロマトグラムである。なお、縦軸は信号強度を、横軸は0−60分を5625点に分割した場合の時間を示す。 再構成に使用した特異値成分数Wの割合が12%,30%,42%である場合の基本データに対する差の割合をサンプル濃度別にまとめた表である。 1.8×10-4 g/Lの化合物Aを波長259nmで切り出したクロマトグラム(A)と特異値成分を42%使用して再構成したクロマトグラム(B)を比較した図である。 再構成に用いる特異値の割合とS/Nの関係及び定量性について示す、(A)再構成に用いる特異値の割合とS/Nの関係、(B)再構成に用いる特異値の割合とクロマトグラムで得られるピーク面積と生データのピーク面積の割合、(C)ピーク面積と生データのピーク面積の割合の100%付近を拡大したもの。 1.0×10-4 g/L(0.1mg/L)及び1.0×10-3 g/L(1mg/L)の化合物Bを1 g/Lの化合物Cに添加したときの回収率をノイズ除去した場合としない場合を(A)〜(D)にまとめて比較した表である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて説明する。
医薬品などの開発において、原薬中の不純物等の微量分析が求められており、液成分の分析における測定対象中の不純物を確認する場合においても、見かけ上の感度を上げることで検出限界・定量限界を上げることは必要と考えられる。以下では、HPLC―PDAの解析データを特異値解析し、再構成することで特異値以外の成分(電子ノイズ)を除去し、S/Nを高める場合を例に挙げてその原理等を説明する(図2等参照)。
<特異値解析法を用いた電子ノイズ除去の方法>
M=UΣV
Mベクトルを構成する2次元要素をUベクトルとVベクトルに分類し、その際に特異値を対角成分に持つΣベクトルとして表現する。
<既存技術との対比>
既存の電子ノイズ除去法においては、ピーク分割の手法を利用している(図1参照)。すなわち、ここでは、PDA(クロマトグラム―波長)行列を行列分解し、その後、Σ行列、U行列、V行列を用いて実数行列Mを再構成する。
一方、本実施形態では、PDA(クロマトグラム―波長)行列を行列分解するところは既存技術と変わらないが、その後、Σ行列の特異値のうち、測定対象の成分の寄与が小さい特異値を排除する(図2参照)。ここでは、対角行列であるΣ行列のm以降nまでの成分を捨てることによってノイズに相当する部分を捨てる。
特異値排除後、当該Σ行列、およびU行列、V行列を用いて実数行列Mを再構成する(図2参照)。これは、Σ行列の成分のうち、特異性の無い成分を使わずに実数行列Mを再構成することに他ならず、これによってノイズを除去することが可能である。
別言すると、特異値別に再構成すれば既存のピーク分割手法を実施することに該当する。ピーク分割のクロマトグラム1つの特異値を用いる為に実際、S/Nは良いのだが、微量成分のLC分析では一つの特異値にLC成分の全てが含まれるわけではなくなる為に、定量性を確保することが難しくなる。これに対し、本実施形態では上述したように特異性の無い成分を除いた全ての特異値を用いて再構成することでノイズを除去する。実際に特異値分解によってできるΣベクトルの対角成分を並べたものを図3(A)に示す。これらの特異値の中からクロマトグラムの成分を持つものを用いて再構成したクロマトグラムを図3(B)に示す。これによれば、定量性を確保しつつS/Nの向上を図ることができる。
<再構成に用いる特異値成分の数>
再構成に用いる特異値成分の数、別言すれば、再構成に利用する(捨てない)Σ行列の数(以下、符号Wを付して表す)について説明する。
再構成に用いる特異値の数を下げすぎると(すなわち、Wを少なくしすぎると)、S/Nは向上するが、ピーク成分を削ったまま再構成することになるために定量性は落ちる。逆に再構成時の特異値の数を上げすぎると(特異値成分数を多くしすぎると)ノイズ成分も含めて再構成することになるためにノイズもあがる。そのため既存のこの手法はピーク分割(特異値を1つだけ用いる)方法が主であったが、これに対し、特異値の一部を除くことによって相当程度を除去することができるとの知見に基づき、本実施形態では、例えば対角行列Σの特異値の小さい方(すなわち、相関の低い方)40%程度を除く等の手法によって相当程度のノイズ除去を図る。これは、特異値成分(Σ行列の数)は便宜上相関の高い順に並べるので、これらのうち、相関の低い方の一部を除去するという新たな知見に基づく。要は、特異値の大きいものから順に並べた時に、再構成時に用いる特異値の数が多ければ多いほどノイズを取り込み、少なければ少ないほど濃度の低い試料のピークの特異性は下がる為に定量性が低下する。本来ならば(理想的には)Σ行列の各特異値中にモノ由来のピークが含まれているか1つずつ確認すべきなのだが、大まかに一部(例えば、40%)を捨てるだけでもS/Nの向上と定量性の確保を両立させることは十分に可能であるとの知見が得られた。
具体例を示しつつさらに説明する(図4参照)。ここでは、有機化合物Aを0.24μMに希釈した試料溶液をPDA検出器を用いて測定したPDAデータ(200nm-400nm 165point, 0min-60min 5625point)の259nmのクロマトグラムを基本データとし(縦軸はシグナル強度、横軸は時間(0分〜60分を5625点で分割)を示す)(図4(A)参照)、再構成に用いる特異値成分Wが、全体の12%である場合(図4(B)参照)、30%である場合(図4(C)参照)、42%である場合(図4(D)参照)、そして93%である場合(図4(E)参照)のそれぞれを示している。また、サンプル濃度が0.24μM、0.5μM、1μMそれぞれの場合において再構成に使用したWの割合が全体の12%,30%、42%である場合の誤差(基本データに対する差の割合)を図5に示す。これらの結果から、約42%の特異値を用いて再構成することで±1%の範囲で定量性が確保できることが表されている(図5参照)。
また、図7(A)に再構成に用いる特異値の割合とS/Nの関係を示す。この関係から約90%以下の特異値を使用することでS/Nは向上することがわかる。図7(B)に基本データとの面積値の比較と再構成に用いる特異値の割合の関係を示す。さらに100%近傍を拡大したものを図7(C)に示す。この結果から再構成に用いる特異値数が約20%以上あれば定量性は1%程度の違いで確保できることがわかる。
また、1g/Lの有機化合物C中に1.0×10-4 g/L及び1.0×10-3 g/Lの化合物B濃度になるように添加した時の電子ノイズ除去前と後の回収率を図8に示す。この結果から電子ノイズを除去することで、低濃度評価時の精度が向上することがわかる。
以上、具体例も用いて説明した本実施形態の特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法によれば、HPLC―PDAの解析データ等を特異値解析し、再構成することで特異値以外の成分(電子ノイズ)を除去し、S/Nを高めることができる。これによれば、測定対象中の不純物を確認等するにあたり短時間かつ高感度で検出し比較することができるから、より品質の高い、原薬中の不純物等の微量成分分析を構築することが可能となる。また、数学的な処理を施すことによって装置の見かけ上の性能を向上させることが可能となる。また低濃度で電子ノイズが含まれる為に測定精度が落ちるような場合も、電子ノイズ除去法を用いることで測定精度を向上させることが可能となる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、ここまでは特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法の好適例について具体例を挙げつつ説明したが、このほか、同様の処理手順をコンピューターに実行させるプログラム、さらにはこのようなプログラムを記録した記録媒体等として適用することが可能である。
以下、本発明に係る電子ノイズ除去法の実験およびその結果を実施例として説明する(図6等参照)。
実験の試料には有機化合物Aを用いた。試料Aを60mg秤取したものをメタノール/水3:2(以下溶解液とする)に希釈して100mLとし、この液を1mL取って溶解液で100mLに希釈した。さらにこの液を1.5mL取って溶解液で50mLに希釈したものを試料溶液とした(1.8×10-4 g/L)。装置はHPLC Prominence (SHIMADZU)を使用し、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器はSPD-M30A、カラムはX Bridge C18(Watars)を用いた。
精度の確認には有機化合物B及びCを用いた。試料Bを25mg秤取したものをメタノール/水1:1(以下溶解液2とする)に希釈して50mLとし、この液を2mL取って溶解液2で20mLに希釈した。さらにこの液を2mL取って溶解液2で20mに希釈したものを試料B液1とし、この液を2mL取って溶解液2で20mLに希釈したものを試料B液2とした。試料Cを250mg取って溶解液2で50mLに希釈したものを試料C液とし、試料B液1と試料C液を5mLとって溶解液2で25mLに希釈したものを回収評価液1(1.0×10-3 g/L)として2回調製した。また試料B液2と試料C液を5mLとって溶解液2で25mLに希釈したものを回収評価液2(1.0×10-4 g/L)として2回調製した。試料B液1及び試料B液2を5mL取って溶解液2で25mLに希釈したものを評価溶液1及び2とし、回収評価液1に対して評価溶液1を用いて回収率を評価した。同様に回収評価液2に対して評価溶液2を用いて回収率を評価した。
試験は移動相にメタノール/水/ピロリジン/酢酸(600:400:2:1)混液A、メタノール/ピロリジン/酢酸(1000:2:1)混液Bを用いグラジェントプログラムを用いて測定を行った。解析に用いたPDAデータは200nm〜400nm(163point)の波長領域と0min〜60min(5625point)の時間領域を取り込み解析に用いた。精度の確認試験は移動相に0.1%蟻酸アンモニア水とアセトニトリルを用いグラジェントプログラムを用いて測定を行った。解析に用いたPDAデータは200nm〜400nm(163point)の波長領域と0min〜30min(2814point)の時間領域を取り込み解析に用いた。解析はIgor Pro ver.6.32を用いた。
<結果>
図6に、259nmで切り出した化合物Aのクロマトグラムを示す。図6(B)のSVD処理済のS/Nは18.2であった。一方、図6(A)のSVD未処理のクロマトグラムのS/Nは5.1であった。
SVD処理の結果、特異値はPDAデータのポイント数に依存することから、163点の特異値が出現した。なお、上述したように、特異値は便宜上大きい順に並ぶ為に再構成時に用いる特異値が多ければ多いほどノイズを取り込み、少なければ少ないほど濃度の低い化合物Aのピークの特異性は下がる為に定量性が低下する。
図7に、再構成に用いた特異値の割合とS/N及び定量性の関係を示す。このように再構成に用いる成分数は20%以上で2%程度の誤差になりS/Nは3倍以上に向上するが、50%程度を使用することでも1%以内の誤差でS/Nは2倍以上向上することがわかった。
図8に、1.0×10-4 g/L及び1.0×10-3 g/Lの化合物Bの回収率を示す。1.0×10-4 g/L濃度の回収率は104.0%であるがノイズ除去を用いることで99.9%になる。理論値は100%である為、精度が4%向上することがわかる。一方1.0×10-3 g/L濃度の回収率は99.8%であり、ノイズ除去を用いても99.7%と変化しない。つまりノイズの影響が大きい低濃度の精度を向上させることがわかった。
このような処理の精度はサンプルから得られる信号の強度に依存するが、再構成に使用する特異値を調整することで、定量性を確保しつつS/Nが大きく向上することを確認した。
本発明は、原薬をはじめとする各種有機化合物の液成分の分析において不純物を正確に検出する場合などに好適に適用できる。

Claims (4)

  1. 液成分の分析における測定対象の解析データ中の特異性を抽出する特異値解析法を実施する際、
    実数行列Mを、正規直交ベクトルを表すU行列、同じく正規直交ベクトルを表すV行列、および前記解析データの特異値を対角成分に持つΣ行列、の3つの行列の積の形
    M=UΣV
    に分解し、
    前記Σ行列の特異値のうち測定対象の成分の寄与が小さい特異値を排除した後のΣ行列、および前記U行列、V行列を用いて実数行列Mを再構成することを特徴とする特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法。
  2. 複数の前記Σ行列のうちの一部のみを対象として前記特異値以外の成分を排除し、残りの前記Σ行列については前記特異値以外の成分の排除をせず、前記実数行列Mを再構成することを特徴とする請求項1に記載の特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法。
  3. 前記実数行列Mの縦成分がクロマトグラムであり、横成分がUVスペクトルの波長であり、液成分の分析に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の特異値解析法を用いた電子ノイズ除去法。
  4. 解析データ中の特異性を抽出する特異値解析法を実施する際、コンピューターに、
    実数行列Mを、正規直交ベクトルを表すU行列、同じく正規直交ベクトルを表すV行列、および前記解析データの特異値を対角成分に持つΣ行列、の3つの行列の積の形
    M=UΣV
    に分解する手順と、
    前記Σ行列の中の前記特異値以外の成分を排除する手順と、
    該特異値以外の成分を排除した後のΣ行列、および前記U行列、V行列を用いて実数行列Mを再構成する手順と、
    を実行させるための、特異値解析用プログラム。
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