JP2017082698A - 可変動弁機構 - Google Patents

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友 横山
寿行 矢野
Hisayuki Yano
寿行 矢野
亨 佐久間
Toru Sakuma
亨 佐久間
篤央 玉野
Atsuhisa Tamano
篤央 玉野
悠太 西村
Yuta Nishimura
悠太 西村
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Abstract

【課題】カムピース4外周のガイド溝45にシフトピン52を係合させてスライドさせる可変動弁機構において、スライド後のカムピース4の位置決めを安定化させるとともに、シフトピン52の先端部の摩耗を抑制する。
【解決手段】ガイド溝45は、カム軸方向(軸線X方向)一側および他側の直溝部45a,45bと、これらを連繋する一方および他方の湾曲溝部45c,45dとを備え、直溝部45a,45bにはそれぞれシフトピン52を押し出す浅溝区間Aが設けられている。各直溝部45a,45bの周方向一端部から分岐して、周方向一側に延びる分岐溝部(補助ガイド溝45e,45f)を設け、浅溝区間Aにシフトピン52が係合しているときに、分岐溝部45e,45fにロケータピン(一例としてシフトピン51)を係合させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えばエンジンの動弁系などに用いられる可変動弁機構に関し、特に、カムシャフトに外挿したカムピースを軸方向(カム軸方向)にスライドさせて、複数のカムのうちのいずれかを選択するようにしたカム切替方式のものに係る。
従来よりエンジンの吸気バルブや排気バルブのリフト特性を変更可能な可変動弁機構として、例えば特許文献1に記載されているように、複数のカムが設けられたカムピースをカムシャフトに外挿し、カム軸方向にスライドさせることにより、いずれかのカムを選択するようにしたカム切替方式のものが知られている。このものでは、カムピースの外周にガイド溝を設けて、外方からシフトピンを係合させることにより、カムシャフトと一体に回転するカムピースをカム軸方向にスライドさせるようにしている。
一例として図10の上段にカムピースCの外周を展開して示すように、ガイド溝Gは、カムピースCの外周においてカム軸方向の一側寄りおよび他側寄りの部位を、それぞれ周方向に延びる一側および他側の直溝部g1,g2と、それらを連繋する湾曲溝部g3,g4と、を有している。そして、例えば一側の直溝部g1にシフトピンP係合させると、このシフトピンPが相対的には湾曲溝部g3に沿って他側に(図では斜め上に)移動するようになり、このことによって実際には、そのガイド溝GとシフトピンPとの係合が維持されるように、カムピースCがカム軸方向の一側(図では下側)にスライドする。
独国特許公開公報DE102011086162
ところで、前記従来例のガイド溝Gには、カムピースCのスライド後にシフトピンPとの係合を解除するために、直溝部g1,g2の一部分に浅溝の区間A(図にはハッチングを入れて示す)が設けられている。図の下段に示すように浅溝区間Aは、湾曲溝部g3,g4に連続する直溝部g1,g2の前側(カムシャフトの回転する向きの前側であり、図の左側)の部分において、後側(図の右側)に向かって徐々に底が浅くなるように形成されて、シフトピンPを押し出すようになっている。
しかしながら、そうして浅溝区間Aにおいてガイド溝G(直溝部g1,g2)とシフトピンPとの係合が解除されるとき、カムピースCにはスライドの勢いが残っているので、図には仮想線で示すようにシフトピンPが切り替え後の位置を越えようとし、位置決めが不安定になるおそれがある。また、係合が解除される直前にはガイド溝G(直溝部g1,g2)の側面とシフトピンPの先端部との接触面積が小さくなるので、その面圧が高くなって摩耗を助長するおそれもある。
このような実状を考慮して本発明の目的は、前記のようなカム切替方式の可変動弁機構において、スライド後のカムピースの位置決めを安定化するとともに、シフトピンの先端部の摩耗を抑制することにある。
本発明では、前記のようにスライドするカムピースの位置決めを補助するために、このカムピースの外周においてガイド溝から分岐し、その直溝部と平行に延びる分岐溝部と、この分岐溝部に係合して位置決めを補助するロケータピンと、を設けた。
具体的には、円筒状のカムピースをカムシャフトに外挿し、その外周に設けたガイド溝に外方からシフトピンを係合させて、カムシャフトの回転に伴いカム軸方向にスライドさせることにより、当該カムピースに設けられた複数のカムのうちのいずれかを選択可能とした可変動弁機構において、前記カムシャフトの回転する向きの前側を、前記カムピースの外周における周方向の一側とする。
そして、前記ガイド溝は、カムピースの外周におけるカム軸方向一側寄りの部位を、周方向の所定範囲に亘って延びる一側の直溝部と、カム軸方向他側寄りの部位を、前記一側の直溝部とは異なる周方向の範囲に亘って延びる他側の直溝部と、前記一側の直溝部の周方向他端部から前記他側の直溝部の周方向一端部までを連繋する一方の湾曲溝部と、前記他側の直溝部の周方向他端部から前記一側の直溝部の周方向一端部までを連繋する他方の湾曲溝部と、を有しており、前記一側および他側の直溝部にはそれぞれ、係合する前記シフトピンをガイド溝から押し出すよう浅底に形成された浅溝区間が設けられているものとする。
その上で前記カムピースの外周には、前記一側および他側の直溝部の周方向一端部からそれぞれ分岐して、前記他側および一側の直溝部と平行になるように周方向の一側に向かって延びる分岐溝部を設けて、前記一側および他側の直溝部における浅溝区間に前記シフトピンが係合しているときに、前記分岐溝部に外方からロケータピンを係合させるようにしたものである。
前記のように構成された可変動弁機構においては基本的に、カムピースの外周に設けられたガイド溝に外方からシフトピンを係合させることにより、カムシャフトの回転に伴いカムピースをカム軸方向にスライドさせて、複数のカムのうちのいずれかを選択することができる。例えば、シフトピンをガイド溝の一側の直溝部に係合させれば、カムシャフトおよびカムピースの回転に伴いシフトピンは、一方の湾曲溝部に沿って相対的にはカム軸方向の他側に移動するようになり、これにより実際にはカムピースがカム軸方向の一側にスライドすることになる。
そうしてカムピースが一側にスライドし、シフトピンが他側の直溝部に到達することによって、カムの切り替えが行われる。また、他側の直溝部に到達したシフトピンは浅溝区間において押し出され、ガイド溝との係合が解除されることになるが、このときには他側の直溝部と平行な一側の分岐溝部にロケータピンが係合して、カムピースの位置決めが補助される。
つまり、直溝部の浅溝区間においてシフトピンが押し出され、ガイド溝との係合が解除されるときに、スライドの勢いで切り替え後の位置を越えようとするカムピースを、分岐溝部とロケータピンとの係合によって安定して位置決めできる。また、このことによって、係合が解除される直前のガイド溝(直溝部)の側面とシフトピンの先端部との接触面圧の増大を抑えることができ、摩耗の抑制が図られる。
なお、前記のように一側の分岐溝部と係合して、カムピースの位置決めを補助するロケータピンは、その後、カムシャフトおよびカムピースの回転に伴い、一側の分岐溝部から連繋する一側の直溝部に移動して、その浅溝区間において押し出されるようになる。これによりロケータピンと分岐溝部との係合も解除される。
本発明に係る可変動弁機構によると、カムピースの外周に設けたガイド溝にシフトピンを係合させて、カム軸方向にスライドさせるようにした場合に、そのガイド溝の直溝部の浅溝区間においてシフトピンが押し出されるときに、分岐溝部にロケータピンが係合することにより、カムピースの位置決めが補助される。これにより、スライド後のカムピースの位置決めを安定化できるとともに、係合が解除される直前のガイド溝(直溝部)の側面とシフトピンの先端部との接触面圧の増大を抑えて、摩耗を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る可変動弁機構を装備したエンジンの動弁系の概略構成図である。 吸気側の動弁系の構成を示す斜視図である。 吸気カムシャフトに外挿されたカムピースの横断面図である。 同カムピースおよびその外周のガイド溝を示す部分断面図である。 ロック機構について示すカムピースの縦断面図である。 シフトピンとガイド溝との係合によってカムピースをスライドさせるカム切替機構の基本的な構成および動作を説明する図である。 ガイド溝の詳しい構成を説明する図である。 補助ガイド溝にシフトピンを係合させた場合の図6相当図である。 高リフト位置から中リフト位置に切り替える場合の図8相当図である。 従来例のガイド溝についての図7相当図である。
以下、本発明をエンジンの動弁系に適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態のエンジン1は、一例として直列4気筒のガソリンエンジン1であって、図1には模式的に示すように第1〜第4の4つの気筒3(#1〜#4)がシリンダブロック(図示せず)の長手方向、即ちエンジン1の前後方向(矢印で示す図1の左右方向)に並んでいる。
図1には上方から見て示すように、エンジン1の上部(シリンダヘッド)にはカムハウジング2が配設されて、吸気バルブ10および排気バルブ11の動弁系を収容している。すなわち、図1には破線で示すように、エンジン1の前後方向に一列に並んで設けられた4つの気筒3のそれぞれに、2つの吸気バルブ10および2つの排気バルブ11が設けられており、それらが吸気カムシャフト12および排気カムシャフト13によって駆動されるようになっている。
それら吸気カムシャフト12および排気カムシャフト13の前端部にはそれぞれ、バルブタイミングを連続的に変更可能なVVT(Variable Valve Timing)14が設けられている。また、吸気カムシャフト12には各気筒3毎に、吸気バルブ10を駆動する3つのカム40〜42(図2を参照)を切り替えて、そのリフト特性を変更するカム切替機構(本発明の可変動弁機構)が設けられている。
一例として第3気筒3(#3)について図2に拡大して示すように、各気筒3毎に吸気カムシャフト12の軸線Xの方向(カム軸方向)に並ぶ2つの吸気バルブ10にそれぞれ対応して、プロフィールの異なる3つのカム40〜42が設けられている。図2においては左側(軸線X方向の一側)から右側(他側)に向かって、低リフトカム40,中リフトカム41および高リフトカム42が並んでおり、そのいずれかがロッカアーム15を介して吸気バルブ10を駆動するようになっている。
これら低リフトカム40、中リフトカム41および高リフトカム42のベース円は同径であり、互いに連続する円弧面として形成されている。図2に表れているように低リフトカム40に切り替えられた状態では、そのベース円区間にロッカアーム15のローラ15aが当接し、吸気バルブ10のバルブスプリング10aの反力によって押し付けられている。このようにベース円区間にロッカアーム15のローラ15aが当接している状態では、吸気バルブ10はリフトしていない。
そして、その状態から矢印Rの向きに吸気カムシャフト12が回転することによって、図示はしないが、低リフトカム40のカムロブがローラ15aを押圧し、ロッカアーム15を押し下げるようになる。これによりロッカアーム15は、カムロブのプロフィールに従って吸気バルブ10を駆動するようになり、バルブスプリング10aの反力に抗して吸気バルブ10が、図2に仮想線で示すようにリフトする。
−カム切替機構の基本的な構成および動作−
本実施の形態では、前記のようにロッカアーム15を介して吸気バルブ10をリフトさせるカムを、前記3つのカム40〜42のいずれかに切り替えるようになっている。すなわち、前記図2の他、図3〜5にも示すように3つのカム40〜42は一体として形成され、円筒状のスリーブ43の軸線X方向の端部に嵌合されている。そして、そのスリーブ43が吸気カムシャフト12にスライド可能に外挿されている。
図3には、軸線Xに直交する横断面で示すように、カムピース4のスリーブ43の内周にはスプラインの内歯が形成され、吸気カムシャフト12の外周に形成されたスプラインの外歯と噛み合っている。つまり、カムピース4(スリーブ43)は吸気カムシャフト12に対しスプライン結合されており、これと一体に回転するとともに軸線Xの方向にはスライドするようになっている。
そのようにスライドさせるためにカムピース4の外周には、以下に述べるようにシフトピン51,52の係合されるガイド溝45が設けられている。すなわち、本実施の形態では前記スリーブ43の軸線X方向の中間部分に、高リフトカム42のカムロブよりも外径の大きな拡径部43aが形成され、その外周に概ね全周に亘って周方向に延びるガイド溝45が設けられている。
一方、図2に表れているように吸気カムシャフト12の上方には各気筒3毎に、シフトピン51,52を進退駆動するアクチュエータ5が配設され、例えばステー53によってカムハウジング2に支持されている。このアクチュエータ5は、電磁ソレノイドによって2つのシフトピン51,52を個別に駆動することができ、進出したシフトピン51,52が前記のガイド溝45と係合する。
そうしてシフトピン51,52がガイド溝45と係合することにより、以下に図6を参照して説明するように、吸気カムシャフト12の回転に伴い、カムピース4の外周面において相対的にはシフトピン51,52(図4ではシフトピン52)が周方向に移動しながら、軸線X方向にも、即ち図4には白抜きの矢印で示すように斜めに移動するようになる。このとき実際には、シフトピン51,52に対してカムピース4が回転しながら軸線X方向にスライドする。
すなわち、前記の図4に表れているようにガイド溝45は、スリーブ43の拡径部43aの外周における軸線X方向の一側寄りおよび他側寄りを、それぞれ周方向に直線的に延びる直溝部45a,45bと、これらの直溝部45a,45b同士を繋ぐS字状の湾曲溝部45c、45dとを有している。そして、前記図2に表れているように低リフトカム40が選択されているとき(カムピース4が低リフト位置にあるとき)には、軸線X方向一側の直溝部45aが、アクチュエータ5の軸線X方向他側のシフトピン52と対向している。
この状態でアクチュエータ5を動作させ、前記他側のシフトピン52を進出させると、図6の上段に示すようにシフトピン52がガイド溝45の一側の直溝部45aと係合する。そして、吸気カムシャフト12の回転に伴いシフトピン52は、前記一側の直溝部45aに沿って図の下側に相対移動し、図6の中段に示すように一方の湾曲溝部45cに至り、この湾曲溝部45cに沿って図の下側に相対移動しながら、軸線X方向の他側(図6の右側)にも、即ち斜めに移動するようになる。
これにより、実際にはシフトピン52がカムピース4を軸線X方向の一側(図6の左側)に押圧してスライドさせ、中リフトカム41が選択される位置(中リフト位置)へと切り替えることになる。このとき、図6の下段に示すようにシフトピン52は、カムピース4の(拡径部43aの)外周面において他側の直溝部45bに到達する。このようにしてカムピース4を中リフト位置に切り替えた後に、図示はしないが、一側のシフトピン51を進出させ、一側の直溝部45aと係合させることにより、前記と同様にしてカムピース4を一側にスライドさせて、高リフト位置に切り替えることができる。
なお、そのようにして低リフト位置、中リフト位置または高リフト位置に切り替えるときのカムピース4のスライド量Sは、図4に示すように、低リフトカム40、中リフトカム41および高リフトカム42のそれぞれの間隔と同じになっている。
また、本実施の形態ではそれらの各位置にカムピース4を保持するためのロック機構6が設けられている。すなわち、前記図5に表れているようにカムピース4のスリーブ43の内周面には、軸線X方向(図5の左右方向)の中央付近に3つの環状溝43b〜43dが並んで形成され、隣り合う環状溝43b〜43dの間に残存するように2つの環状突部43e,43fが形成されている。
そして、カムピース4が前記低リフト位置、中リフト位置または高リフト位置にあるときに、それぞれ前記の環状溝43b〜43dに係合するように、吸気カムシャフト12には、その外周において出没可能にロックボール61が配設されている。このロックボール61は、吸気カムシャフト12の外周面に開口する断面円形状の孔部12aに収容されて、コイルスプリング62によって外方に押圧されている。
すなわち、ロックボール61は、吸気カムシャフト12の孔部12aから径方向外方に対向するスリーブ43の内周面に向かって押し付けられている。これにより、図5の上段に示すようにカムピース4が軸線X方向他側(図4の右側)の低リフト位置にあるときには、ロックボール61が環状溝43bに係合する。また、同図の下段に示すようにカムピース4が中リフト位置にあるときに、ロックボール61は環状溝43cに係合する。
さらに、図6を参照して上述したようにカムピース4が低リフト位置から中リフト位置にスライドするときには、ロックボール61が環状突部43eを乗り越えるようになる。すなわち、カムピース4のスライドに伴いロックボール61は、まず、環状突部43eに押し下げられ、コイルスプリング62のばね力に抗して下方に移動して、環状溝43bから離脱する。そして、環状突部43eを乗り越えた後に、コイルスプリング62のばね力によって、環状溝43cに嵌り込んでゆく。カムピース4が中リフト位置から高リフト位置にスライドする場合も同様である。
なお、詳しい説明は省略するが、カムピース4が前記の高リフト位置にあるときにアクチュエータ5をオンして、一側のシフトピン51をガイド溝45の他側の直溝部45bに係合させることにより、カムピース4を他側にスライドさせて中リフト位置に戻すことができる。同様に、その中リフト位置にあるカムピース4のガイド溝45に、アクチュエータ5の他側のシフトピン52を係合させることによって、カムピース4を低リフト位置に戻すことができる。
−ガイド溝の詳細構成−
次に、上述したガイド溝45の構成について図7を参照してより詳しく説明する。この図7の上段には、カムピース4の拡径部43aの外周面を周方向に展開して、前記ガイド溝45の湾曲形状を示している。この図においては前記の図4、6とは異なり、図の上下方向が軸線X方向であり、図の左右方向がカムピース4の外周における周方向、即ち吸気カムシャフト12の回転する向きである。一方、図7の下段にはガイド溝45の深さの変化を示している。
図4、6を参照して上述したようにガイド溝45は、軸線X方向一側および他側の直溝部45a,45bと、それらを連繋する2つの湾曲溝部45c,45dとを有している。詳しくは、前記一側の直溝部45aの周方向の他端部に一方の湾曲溝部45cが連続し、その周方向の他端部に他側の直溝部45bが連続し、その周方向の他端部に他方の湾曲溝部45dが連続し、さらに、その周方向の他端部に前記一側の直溝部45aが連続している。
そして、前記一方の湾曲溝部45cに沿ってシフトピン51,52が相対移動するときに、カムピース4が軸線X方向の一側にスライドし、他方の湾曲溝部45dに沿ってシフトピン51,52が相対移動するときには、カムピース4が軸線X方向の他側にスライドする。このカムピース4のスライドによるカム40〜42の切り替えは、それらのベース円区間にロッカアーム15のローラ15aが当接しているときに行われる。
このため、前記一方の湾曲溝部45c、他側の直溝部45bおよび他方の湾曲溝部45dは、カム40〜42のベース円区間に対応して、吸気カムシャフト12の回転角で150°くらいの周方向範囲に設けられている。そして、その周方向範囲を除いた範囲に前記一側の直溝部45aが設けられている。言い換えると、2つの直溝部45a,45bは、互いに異なる周方向の範囲に亘って設けられている。
また、前記一方および他方の湾曲溝部45c,45dはいずれも、直溝部45a,45bと連続する部分において曲率が急に変化しないよう、できるだけ緩やかに湾曲する形状とされている。これにより、直溝部45a,45bから湾曲溝部45c,45dへ、または湾曲溝部45c,45dから直溝部45a,45bへ相対移動するシフトピン51,52の擦れによる摩耗を抑えることができる。
さらに、図7の下段に示すように湾曲溝部45c,45dは、シフトピン51,52との係合が十分に深くなるように、相対的に深溝に形成されており、一方、湾曲溝部45c,45dに続く直溝部45a,45bの前側、即ち吸気カムシャフト12の回転する向きの前側(周方向の一側であり、図の右側)の部分は、周方向の一側から他側に向かって、即ち吸気カムシャフト12の回転する向きの後側に向かって徐々に底が浅くなる浅溝区間Aとされている。
この浅溝区間Aにおいてアクチュエータ5がオフ状態になっていれば、シフトピン51,52は徐々に押し出されて、ガイド溝45(直溝部45a,45b)との係合が解除される。すなわち、シフトピン51,52がガイド溝45と係合しない位置まで後退することになり、その後、再びアクチュエータ5をオンして、シフトピン51,52を進出させるまでは、当該シフトピン51,52がガイド溝45と干渉する心配はない。
しかしながら、そうして湾曲溝部45c,45dの直後の浅溝区間Aにおいてガイド溝45(直溝部45a,45b)とシフトピン51,52との係合が解除されると、スライドの勢いが残っているカムピース4は、切り替え後の位置を越えてスライドしようとするので、図7の上段に仮想線で示すようにシフトピン51,52による位置決めが不安定になるおそれがあった。また、係合が解除される直前に、直溝部45a,45bの側面とシフトピン51,52の先端部との接触面積が小さくなるので、その面圧が高くなって摩耗を助長するおそれもあった。
これに対し、カムピース4が軸線X方向一側の高リフト位置や他側の低リフト位置にあるときには、当該カムピース4の端部を、例えば吸気カムシャフト12の外周に突設したストッパに突き当てて、位置決めすることが考えられるが、それらの中間の中リフト位置においては、カムピース4の端部をストッパに突き当てることはできない。
また、図5を参照して上述したロック機構6のコイルスプリング62を強化して、カムピース4を中リフト位置に保持する力を強くすることも考えられるが、こうすると、コイルスプリング62の疲労強度の制約が大きくなるとともに、カムピース4のスライドの際にロックボール61が環状突部43e,43fを乗り越えるための力が大きくなってしまい、摩耗の増大が懸念される。
このような実状を考慮して本実施の形態では、前記のようにカムピース4がスライドして中リフト位置に切り替えられたときに、このカムピース4の中リフト位置での位置決めを補助するための補助ガイド溝45e,45fを設けている。以下に述べるように補助ガイド溝45e,45fは、カムピース4の外周において直溝部45a,45bと平行に設けており、カムピース4のスライドのためにいずれか一方のシフトピン51,52をガイド溝45に係合させているときに、もう一方のシフトピン52,51を補助ガイド溝45e,45fに係合させて、ロケータピンとして機能させるのである。
具体的には前記図7の上段に表れているように、カムピース4の拡径部43aの外周には、一側および他側の直溝部45a,45bのそれぞれの周方向一端部(図7の左端部)から分岐して、周方向一側に向かって延びる一側および他側の補助ガイド溝45e,45f(分岐溝部)が設けられている。なお、図7〜9においてはガイド溝45の直溝部45a,45bと補助ガイド溝45e,45fとの境目を便宜上、実線で区切っているが、実際には連続しており、境目はない。
前記一側の補助ガイド溝45eは他側の直溝部45bと、また、他側の補助ガイド溝45fは一側の直溝部45aと、それぞれ平行になっており、それらの間隔は、切り替え時のカムピース4のスライド量S(図4を参照)と同じである。このため、例えば図6を参照して上述したように、ガイド溝45に他側のシフトピン52を係合させて、カムピース4を低リフト位置から中リフト位置にスライドさせるときに、一側のシフトピン51を進出させれば、補助ガイド溝45eに係合させることができる。
すなわち、図8の上段に示すように、ガイド溝45の一側の直溝部45aに他側のシフトピン52を係合させた後に、このシフトピン52が一方の湾曲溝部45cに沿って相対移動するときに、図8の中段に示すように一側のシフトピン51を補助ガイド溝45eに係合させる。こうすると、図8の下段に示すように他側のシフトピン52が他側の直溝部45bに到達したときに、補助ガイド溝45eと係合する一側のシフトピン51がロケータピンとして機能して、カムピース4の位置決めを補助するようになる。
よって、前記他側の直溝部45bの浅溝区間A(ハッチングを入れて示す)において、他側のシフトピン52が押し出されるときにも、補助ガイド溝45eと一側のシフトピン51との係合によって、カムピース4の中リフト位置への位置決めが安定化する。また、そうして浅溝区間Aにおいて押し出される他側のシフトピン52の先端部と他側の直溝部45bの側面との接触面圧の増大が抑えられ、摩耗の増大も抑制される。
そして、図示はしないが、その後さらに吸気カムシャフト12およびカムピース4が回転すると、そのカムピース4の(拡径部43a)の外周を補助ガイド溝45eに沿って、一側のシフトピン51が相対移動して一側の直溝部45aに進入し、その浅溝区間Aにおいて押し出されるようになる。こうして、一側のシフトピン51と補助ガイド溝45eとの係合も解除される。
なお、本実施の形態において補助ガイド溝45e,45fの先端部(周方向一端部)はそれぞれ、湾曲溝部45c,45dと平行になるように湾曲している。これにより、前記のように他側のシフトピン52が一方の湾曲溝部45cに沿って相対移動しているときに、即ち他側の直溝部45bに移動する前に、一側のシフトピン51を補助ガイド溝45eにスムーズに係合させることができる。
さらに、前記と同様にして、カムピース4を高リフト位置から中リフト位置にスライドさせるときには、図9の上段に示すようにガイド溝45の他側の直溝部45bに一側のシフトピン51を係合させるとともに、このシフトピン51が他方の湾曲溝部45dに沿って相対移動しているときに、図9の中段に示すように他側のシフトピン52を進出させて、補助ガイド溝45fに係合させる。
こうすると、カムピース4が中リフト位置にスライドして、図9の下段に示すように一側のシフトピン51が一側の直溝部45aに到達し、その浅溝区間Aにおいて押し出されるときに、他側のシフトピン52が補助ガイド溝45fと係合して、ロケータピンとして機能するようになる。これにより、前記したようにカムピース4の中リフト位置への位置決めが安定化するとともに、浅溝区間Aにおいて押し出される一側のシフトピン51の先端部の摩耗の増大が抑制される。
以上、説明したように本実施の形態に係るカム切替機構(可変動弁機構)は、カムピース4の外周に設けたガイド溝45に一側または他側のシフトピン51,52を係合させて、吸気カムシャフト12の回転に伴い軸線X方向にスライドさせることにより、低リフト位置、中リフト位置および高リフト位置のいずれかに切り替えて、低リフト、中リフトおよび高リフトの3つのカム40〜42のうちのいずれかを選択することができる。
そうしてカムピース4をスライドさせて中リフト位置に切り替えるときには、ガイド溝45の一側または他側の直溝部45a,45の浅溝区間Aにおいて、前記一側または他側のシフトピン51,52が押し出され、ガイド溝45との係合が解除されることになるが、このとき、その直溝部45a,45と平行に延びる補助ガイド溝45e,45fに、もう一方のシフトピン52,51を係合させることにより、カムピース4の位置決めを補助することができる。
これにより、直溝部45a,45bの浅溝区間Aにおいてシフトピン51,52が押し出されるときに、スライドの勢いで中リフト位置を越えようとするカムピース4を安定して位置決めできる。また、このことによって、係合が解除される直前のガイド溝45(直溝部45a,45b)の側面とシフトピン51,52の先端部との接触面圧の増大を抑えて、摩耗の増大も抑制できる。
このように本実施の形態では、アクチュエータ5の2つのシフトピン51,52のうち、カムピース4をスライドさせるためにそのガイド溝45に例えば一側のシフトピン51を係合させているときに、他側のシフトピン52をロケータピンとして利用してカムピース4の位置決めを補助するようにしているので、別途、ロケータピンを設けるのに比べてコストの増大を抑制できる。
−他の実施形態−
本発明は、前記実施の形態に記載された構成に限定されるものではない。前記実施の形態はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成は勿論、用途などについても限定しない。例えば、前記実施の形態では、カムピース4のスライドによって吸気バルブ10のリフト特性を低、中および高の3段階に切り替えるようにしているが、これには限定されず、例えば高低2段階に切り替えるものであってもよい。
また、前記実施の形態では、カムピース4のガイド溝45に一側のシフトピン51(または他側のシフトピン52)を係合させているときに、他側のシフトピン52(または一側のシフトピン51)をロケータピンとして利用するようにしているが、これにも限定されず、別途、専用のロケータピンを設けてもよい。
さらに、前記実施の形態では直列4気筒エンジンのDOHCタイプの動弁系において、吸気バルブ10のリフト特性を切り替えるカム切替機構について説明しているが、これにも限定されず、排気バルブ11のリフト特性を切り替えるカム切替機構にも本発明を適用することができる。また、DOHCタイプの動弁系にも限定されず、本発明は、例えばSOHCタイプの動弁系にも適用可能である。
本発明は、カム切替方式の可変動弁機構においてカムピースの位置決めを安定化させ、シフトピンの先端部の摩耗を抑制できるので、例えば自動車に搭載されるエンジンの動弁系に適用して効果が高い。
1 エンジン
4 カムピース
40〜42 複数のカム
45 ガイド溝
45a 一側の直溝部
45b 他側の直溝部
45c 一方の湾曲溝部
45d 他方の湾曲溝部
45e,45f 補助ガイド溝(分岐溝部)
5 アクチュエータ
51,52 シフトピン(シフトピン、ロケータピン)
10 吸気バルブ
12 吸気カムシャフト
A 浅溝区間
X 吸気カムシャフトの軸線(カム軸方向)
R カムピース外周の周方向(カムシャフトの回転する向き)

Claims (1)

  1. 円筒状のカムピースをカムシャフトに外挿し、その外周に設けたガイド溝に外方からシフトピンを係合させて、カムシャフトの回転に伴いカム軸方向にスライドさせることにより、当該カムピースに設けられた複数のカムのうちのいずれかを選択可能とした可変動弁機構であって、
    前記カムシャフトの回転する向きの前側が、前記カムピースの外周における周方向の一側であり、
    前記ガイド溝は、
    前記カムピースの外周におけるカム軸方向一側寄りの部位を、周方向の所定範囲に亘って延びる一側の直溝部と、
    前記カムピースの外周におけるカム軸方向他側寄りの部位を、前記一側の直溝部とは異なる周方向の範囲に亘って延びる他側の直溝部と、
    前記一側の直溝部の周方向他端部から前記他側の直溝部の周方向一端部までを連繋する一方の湾曲溝部と、
    前記他側の直溝部の周方向他端部から前記一側の直溝部の周方向一端部までを連繋する他方の湾曲溝部と、を備え、
    前記一側および他側の直溝部にはそれぞれ、係合する前記シフトピンをガイド溝から押し出すよう浅底に形成された浅溝区間が設けられ、
    前記カムピースの外周には、前記一側および他側の直溝部の周方向一端部からそれぞれ分岐して、前記他側および一側の直溝部と平行になるように周方向の一側に向かって延びる分岐溝部が設けられ、
    前記一側および他側の直溝部における浅溝区間に前記シフトピンが係合しているときに、前記分岐溝部に外方から係合するようにロケータピンが設けられていることを特徴とする可変動弁機構。
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CN110005495A (zh) * 2019-05-09 2019-07-12 杰锋汽车动力系统股份有限公司 内燃机三级可变气门升程结构

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