JP2017082433A - 免震構造物の設計方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】免震構造物に所定の地震力が入力された場合における下部構造物に対する上部構造物の相対水平変位xmを計算することを、免震装置の減衰力を増加させることによって計算結果が所定距離Lと定数tの差である判定値未満になるまで行うことによって、免震装置の減衰力を決定する。また、所定の地震力を超過する第二地震力が免震構造物に入力された場合における下部構造物に対する上部構造物の相対水平変位xg2を計算して、相対水平変位xg2が前記判定値を超えれば、緩衝材の設置を決定する。
【選択図】図7
Description
従って、巨大地震を想定して免震構造物を設計する上で、緩衝材の有無と免震装置の減衰力とは極めて重要な事項である。ところが、従来、免震装置の減衰力と緩衝材の有無を考慮して、巨大地震を想定して免震構造物を設計することは行われていない。
そこで、本発明の目的は、大地震のみならず巨大地震を想定して、免震装置の減衰力及び緩衝材の有無を決定する新たな設計方法を提案することである。
図2に示すように、第1仕様の免震構造物1では、擁壁4と柱脚部8との間が単なる空間とされており、擁壁4と柱脚部8との間には障害物等が設けられていない。
図3及び図4に示すように、第2及び第3仕様では、周辺部に配置された柱脚部8の近傍において、緩衝材10が擁壁4に設けられている。
第2仕様と第3仕様の相違について説明する。図3に示すように、第2仕様の免震構造物1では、その擁壁4の内側の一部分が緩衝材10となっており、緩衝材10から柱脚部8までの水平距離が柱脚部8から擁壁4までの水平距離Lに等しい。つまり、緩衝材10が擁壁4の内面4aにおいて露出するようにして擁壁4に埋設され、その緩衝材10の表面10aと擁壁4の内面4aが面一となっている。一方、図4に示すように、第3仕様の免震構造物1では、緩衝材10が擁壁4の内面4aに張り付けられるようにして設置され、緩衝材10の表面10aと擁壁4の内面4aとの間に段差が形成されており、緩衝材10から柱脚部8までの距離が柱脚部8から擁壁4までの水平距離Lよりも小さい。
図5に示すように、第4仕様の免震構造物1では、周辺部に配置された柱脚部8の側面に緩衝材10が取り付けられており、緩衝材10から擁壁4までの距離が柱脚部8から擁壁4までの水平距離Lよりも小さい。
まず、免震装置6の減衰力Aを表す変数aに所定の初期値a0を当てはめる(ステップS1)。変数aは、免震装置6の減衰力Aの仮設定値として用いられるものである。ここで、既設である場合、初期値a0は、設置されている免震装置6の減衰力の実測値又は設計値(ここでいう設計値とは、建物7の建設時における設計値をいう。)である。新設である場合、基礎2、擁壁4、免震基礎5、免震装置6、建物7及び柱脚部8の基本設計において設定された免震装置6の減衰力の基本設計値を初期値a0として設定する。
そして、計算した相対水平変位xmが水平距離L未満(ステップS3:YES)になるまで(図8に示す一点鎖線32参照)、ステップS2の再計算、ステップS3の比較及びステップS4の変数aの増加を繰り返して行う。これにより、告示スペクトルに相当する地震力の大地震を考慮して、免震装置6の減衰力Aの数値を設計することができる。
このように設計・構築された免震構造物1では、建築基準法施行令第88条第3項に定める地震力の大地震が発生しても、建物7の柱脚部8が擁壁4に衝突しないことが想定されるので、免震装置6の免震効果を十分に発揮することができる。
そして、計算した相対水平変位xmが判定値未満(ステップS13:YES)になるまで、ステップS14の変数aの増加、ステップS13の再計算及びステップS11の比較を繰り返して行う。これにより、告示スペクトルに相当する極めて稀に生じる地震力の大地震を考慮して、更に緩衝材10の水平長さTの仮値(定数t)も考慮して、免震装置6の減衰力Aの値を設計することができる。
また、建築基準法施行令第88条第3項に定める地震力に基づいて緩衝材10の水平長さTの値を決定したので(ステップS11〜S13及びステップS20参照)、その地震力以下の地震が発生しても、柱脚部8又は擁壁4が緩衝材10に衝突しないことが想定されるので、免震装置6の免震効果を十分に発揮することができる。
ここで、図11に示すように、下部構造物である複数階の下階構造物102が地盤上に設けられ、この下階構造物102の上端に複数の免震基礎105が凸状に設けられ、免震装置106が免震基礎105上にそれぞれ設置されている。上部構造物である複数階の上階構造物107の下端には複数のピット部108が凸状に設けられ、これらピット部108が免震装置106上に搭載された状態で免震装置106に連結され、これら免震装置106によって上階構造物107が水平方向に移動可能に支持されている。また、下階構造物102の上端に枠状の擁壁(離間物)104が立設され、上階構造物107の下端にストッパ111が凸状に設けられることによってストッパ111が上階構造物107の一部となっており、ストッパ111が擁壁104の内側に配置されている。ストッパ111と擁壁104との間には隙間109が設けられており、ストッパ111から擁壁104までの水平距離(隙間109の幅)をL [mm]とする。
Claims (9)
- 下部構造物と、その下部構造物の上に設置された上部構造物と、前記上部構造物と前記下部構造物との間に設けられ、前記上部構造物を水平方向に移動可能に支持する免震装置と、前記上部構造物の所定部位から水平方向に所定距離を置いて配置された離間物と、を備える免震構造物を設計する方法において、
前記免震装置の減衰力の値を仮設定する減衰力仮設定工程と、その仮設定した減衰力の条件の下、前記免震構造物に所定の地震力が入力された場合における前記下部構造物に対する前記上部構造物の相対水平変位を計算して第一計算結果を得る第一計算工程とを、前記免震装置の減衰力の仮設定値を増加させることによって前記第一計算結果が前記所定距離未満になるまで行う第一減衰工程と、
前記所定の地震力を超過した第二地震力を考慮するか否か判定する第一判定工程と、
前記第一判定工程において前記第二地震力を考慮しないと判定した場合に、前記免震装置の減衰力を、前記第一計算結果が前記所定距離未満になったときにおける仮設定値に決定する第一決定工程と、
前記第一判定工程において前記第二地震力を考慮すると判定した場合に、前記上部構造物の前記所定部位又は前記離間物に緩衝材の設置を設計する設計工程と、
を備えることを特徴とする免震構造物の設計方法。 - 前記設定工程は、
前記免震装置の減衰力が前記第一計算結果が前記所定距離未満になったときにおける仮設定値であるとした条件の下、前記第二地震力が前記免震構造物に入力された場合における前記下部構造物に対する前記上部構造物の相対水平変位を計算して第二計算結果を得る第二計算工程と、
前記第二計算結果が前記所定距離を超えるか否か判定する第二判定工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の免震構造物の設計方法。 - 前記設定工程は、
前記第二判定工程において前記第二計算結果が前記所定距離以下であると判定した場合に、前記免震装置の減衰力を、前記第一計算結果が前記所定距離未満になったときにおける仮設定値に決定し、前記緩衝材を非設置とする第二決定工程と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の免震構造物の設計方法。 - 前記設定工程は、
前記第二判定工程において前記第二計算結果が前記所定距離を超えると判定した場合に、前記免震装置の減衰力を、前記第一計算結果が前記所定距離未満になったときにおける仮設定値に決定し、前記第二計算結果と前記所定距離の差分以上の長さの前記緩衝材を前記離間物の一部として取り付けるように設計する第三決定工程と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の免震構造物の設計方法。 - 前記設定工程は、
前記第二判定工程において前記第二計算結果が前記所定距離を超えると判定し、前記第一計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さの仮値との差以上と判定した場合に、仮設定した前記免震装置の減衰力の条件の下、前記免震構造物に前記所定の地震力が入力された場合における前記下部構造物に対する前記上部構造物の相対水平変位を計算して第三計算結果を得る第三計算工程を、前記免震装置の減衰力の仮設定値を増加させることによって前記第三計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さとの差未満になるまで行う第二減衰工程と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の免震構造物の設計方法。 - 前記設定工程は、
前記免震装置の減衰力を、前記第三計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さの仮値との差未満になったときにおける仮設定値に決定し、前記上部構造物の前記所定部位又は前記離間物に前記所定距離と前記第三計算結果の差分以下の長さの前記緩衝材を取り付けるように設計する決定工程と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の免震構造物の設計方法。 - 前記設定工程は、
前記免震装置の減衰力が前記第三計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さの仮値との差未満になったときにおける仮設定値であるとした条件の下、前記第二地震力が前記免震構造物に入力された場合における前記下部構造物に対する前記上部構造物の相対水平変位を計算して第四計算結果を得る第四計算工程
を有し、
前記決定工程は、
前記第四計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さの仮値との差を超えると判定し、前記所定距離が前記第四計算結果を超えると判定した場合に、前記緩衝材の長さを前記所定距離と前記第四計算結果の差分以上として設計する第四決定工程
を有することを特徴とする請求項6に記載の免震構造物の設計方法。 - 前記設定工程は、
前記免震装置の減衰力が前記第三計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さの仮値との差未満になったときにおける仮設定値であるとした条件の下、前記第二地震力が前記免震構造物に入力された場合における前記下部構造物に対する前記上部構造物の相対水平変位を計算して第四計算結果を得る第四計算工程
を有し、
前記決定工程は、
前記第四計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さの仮値との差を超えると判定し、前記所定距離が前記第四計算結果以下と判定した場合に、前記緩衝材の長さを前記所定距離と前記第三計算結果の差分以下として設計する第五決定工程
を有することを特徴とする請求項6に記載の免震構造物の設計方法。 - 前記設計工程は、
前記免震装置の減衰力が前記第三計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さとの差未満になったときにおける仮設定値であるとした条件の下、前記第二地震力が前記免震構造物に入力された場合における前記下部構造物に対する前記上部構造物の相対水平変位を計算して第四計算結果を得る第四計算工程と、
前記第四計算結果が前記所定距離と前記緩衝材の長さとの差以下と判定した場合に、前記緩衝材を非設置とする第六決定工程と、
を有することを特徴とする請求項6に記載の免震構造物の設計方法。
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