JP2017082286A - 銅−cnt三次元ナノ構造体及びその製造方法 - Google Patents

銅−cnt三次元ナノ構造体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 銅からなる薄板状の析出物がランダムに交錯した形態を保持しながら、構造体(めっき膜)の厚さを厚くすることを可能にする銅−CNT三次元ナノ構造体を提供する。【解決手段】 銅からなる薄板状の析出物がランダムに交錯する形態に形成された銅三次元ナノ構造体にCNTが取り込まれ、前記CNTが前記析出物を相互に連結する配置に設けられていることを特徴とする。前記CNTは、前記析出物の間を掛け渡す配置、あるいは薄板状の析出物を貫く配置として設けられていることにより、銅の薄板状の析出物が堅固に保持され、銅三次元ナノ構造体の構造がより確実に保持される。【選択図】 図8

Description

本発明は、銅−CNT三次元ナノ構造体及びその製造方法に関する。
本発明者は、電解めっき法を利用して、めっき金属からなる薄い板状の析出物が基材上にランダムに交錯した形態に形成される構造体(三次元ナノ構造体)を作製する方法を提案した(特許文献1)。電解銅めっき法によって形成した三次元ナノ構造体が、銅−三次元ナノ構造体である。
この構造体は、基材上に薄い板状体が複雑に交錯した形態に形成されたもので、構造体の内部に複雑な空隙が形成されることにより、きわめて比表面積が大きな構造体として形成され、この特徴的な構成からリチウムイオン電池の負極や電気二重層キャパシタ等への応用が考えられている。
特開2015−042776号公報 特開2004−156074号公報
しかしながら、銅三次元ナノ構造体はきわめて薄い(厚さ数十nm)銅の板状体が基材上に交錯した形態に析出して形成されたものであり、銅の板の強度は低いため、機械的な強度が必ずしも十分ではないという問題がある。
たとえば、銅三次元ナノ構造体をリチウムイオン電池の負極に利用する場合には、リチウムの吸排作用にともない、銅三次元ナノ構造体に膨張−収縮といった物理的な外力が作用するから、これらの外力に対する耐久性が求められる。
また、電池の電気容量を大きくするには、リチウムイオンをより多く吸排する必要があり、そのためには銅三次元ナノ構造体自体の容積を大きくしてリチウムイオンをより多く取り込むことができるようにする必要がある。このためには、基材上に形成する銅三次元ナノ構造体自体の厚さを厚くしなければならないが、銅三次元ナノ構造体は、薄い銅の板がランダムな方向へ、先端側が外方に延出しながら成長するから、単に銅の板状体を析出させていくと、板状体が倒れてしまったりして、銅三次元ナノ構造体の三次元構造が崩れてしまうという問題がある。
本発明は、これらの課題を解消すべくなされてものであり、銅三次元ナノ構造体の機械的強度を従来の構造と比較して向上させることができ、銅三次元ナノ構造体の構造を崩すことなく、全体の厚さを厚くすることができ、比表面積の増大を図ることができる銅−CNT三次元ナノ構造体とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る銅−CNT三次元ナノ構造体は、銅からなる薄板状の析出物がランダムに交錯する形態に形成された銅三次元ナノ構造体にCNTが取り込まれ、前記CNTが前記析出物を相互に連結する配置に設けられていることを特徴とする。銅三次元ナノ構造体に取り込まれたCNTが析出物を相互に連結する配置に設けられることにより、CNTの機械的補強作用により、銅三次元ナノ構造体の構造が堅固に保持される。
前記CNTが銅の析出物を連結する形態としては種々の形態があるが、薄板状の析出物の間を掛け渡す配置、あるいは薄板状の析出物を貫く配置とすることにより、銅の薄板状の析出物が堅固に連結され、銅三次元ナノ構造体の構造がより確実に保持される。
前記CNTには、単層カーボンナノチューブあるいは二層カーボンナノチューブあるいは多層カーボンナノチューブを用いることができる。
また、本発明に係る銅−CNT三次元ナノ構造体の製造方法は、銅からなる薄板状の析出物がランダムに交錯する形態に形成された銅三次元ナノ構造体にCNTが取り込まれ、前記CNTが前記析出物を相互に連結する配置に設けられた銅−CNT三次元ナノ構造体の製造方法であって、ポリアクリル酸を添加剤とし、CNTを添加して分散させた銅めっき浴を使用し、電解銅めっき法により、基材上に銅−CNT三次元ナノ構造体を形成することを特徴とする。
本発明において、銅めっき浴に添加する添加剤として使用するポリアクリル酸は、めっき法により銅三次元ナノ構造体を形成する際に用いられる添加剤として知られている(特許文献1)。また、このポリアクリル酸は、銅めっき浴中でカーボンナノチューブ(CNT)を分散させた状態に保持する作用を有することも知られている(特許文献2)。
添加剤としてポリアクリル酸を添加しためっき浴にCNTを添加し、めっき浴中でCNTを分散させてから電解銅めっきを施すことにより、基材上に銅を薄板状にランダムに交錯した形態に析出させるとともに、薄板状の析出物を相互に連結する形態にCNTを取り込むことができる。
電解銅めっき法により、基材上に銅三次元ナノ構造体を形成するためには、めっき浴に添加するポリアクリル酸の濃度cが、2×10-5 M<c<2×10-3 Mの範囲内にある必要があり、とくに好適には、1×10-4 M<c<5×10-4 Mの範囲にある必要がある(特許文献1)。
めっき浴にCNTを添加する場合も、ポリアクリル酸の濃度cをこの範囲に設定することにより、基材上に銅三次元ナノ構造体を形成し、薄板状の銅の析出物を連結するようにCNTを取り込むことができる。
本発明に係る銅−CNT三次元ナノ構造体は、銅三次元ナノ構造体の内部にCNTを取り込んで、薄板状の析出物を連結する構造となることにより、めっき膜の厚さを厚くした場合であっても、銅からなる薄板状の析出物がランダムに交錯した形態を確実に保持することができ、比表面積のきわめて大きな三次元ナノ構造体として提供することができる。
また、本発明に係る銅−CNT三次元ナノ構造体の製造方法によれば、銅三次元ナノ構造体にCNTを取り込んだ銅−CNT三次元構造体を容易に作製することができる。
めっきを施したサンプルの外観写真である。 4種のサンプルについて測定したX線回折のグラフである。 4種のサンプルについて測定した表面SEM像(低倍率)である。 4種のサンプルについて測定した表面SEM像(中倍率)である。 4種のサンプルについて測定した表面SEM像(高倍率)である。 めっき膜中のCNTの粒度分布の測定結果を示すグラフである。 CNTを添加していないサンプルと、CNTを添加したサンプルの表面SEM像である。 CNTを添加していないサンプルと、CNTを添加したサンプルの断面SEM像である。 CNTを添加していない場合(a)と、CNTを添加した場合(b)の作用を示す説明図である。 CNTを添加していないサンプルと、CNTを添加したサンプルの断面SEM像とEPMA像である。
銅三次元ナノ構造体は電解銅めっき法を利用して銅版等の基材の表面に形成することができる。本発明に係る銅−CNT三次元ナノ構造体は、基材に電解銅めっきを施して銅三次元ナノ構造体を形成する際に、カーボンナノチューブ(CNT)をめっき膜に取り込む複合めっき方法を利用して、銅三次元ナノ構造体にCNTを取り込む方法によって作製することができる。
以下、CNTの複合めっき方法を利用して銅−CNT三次元ナノ構造体を形成した例について説明する。
(めっき浴組成)
銅−CNT三次元ナノ構造体を形成するめっき浴として、下記のめっき浴を使用した。
CuSO4・5H2O 0.85M
H2SO4 0.55M
添加剤 ポリアクリル酸(分子量:5000) 3×10-4 M
CNT 添加量 0、2、5、10g/L
添加したCNTはVGCF(登録商標:昭和電工製 多層カーボンナノチューブ)である。
CNTの添加量による銅−CNT三次元ナノ構造体の構造上の相違を観察するため、CNTの添加量の異なる浴を調製して実験した。CNTの添加量が0g/Lとは、CNTを添加しない場合である。
めっき浴はCNTを添加した後、超音波ホモジナイザー(5分)を用い、CNTを分散させて使用した。添加剤に使用したポリアクリル酸はCNTの分散に有用であることが知られている。
なお、銅三次元ナノ構造体を電解めっき法により作製する場合に、添加剤としてポリアクリル酸を使用し、ポリアクリル酸の濃度を所定の範囲に設定する必要があることが知られている(特許文献1)。銅三次元ナノ構造体を形成するためのポリアクリル酸の添加量として好適なモル濃度cは2×10-5 M<c<2×10-3 Mの範囲であり、とくに好適なモル濃度の範囲cは1×10-4 M<c<5×10-4 Mである(特許文献1)。銅−CNT三次元ナノ構造体を作製する本実験例においても、ポリアクリル酸の添加量を銅三次元ナノ構造体を作製する際の好適な濃度に設定して行った。
(めっき条件)
上記めっき浴を使用して電解銅めっきする際のめっき条件を以下に示す。
カソード:純銅板(3×3.3cm2
アノード:含リン銅板
電流密度:1.0 Adm-2
時間:50min
通電量:300C(膜厚約40μm)
温度:25℃
攪拌:空気攪拌
従来、銅三次元ナノ構造体を作製した例では、三次元ナノ構造体の全体の厚さを4μm程度としている。上記めっき条件では、銅三次元の厚さを従来の10倍程度の膜厚(40μm)とした。
(めっき物の外観)
図1は、上記めっき条件によりめっきを施しためっき物(銅板)の外観写真である。銅めっきを施した部分が銅板の銅色とくらべて濃色に変化している。銅−CNT三次元ナノ構造体は銅からなる薄板が交錯した形態に形成され、光の反射を抑制することから、銅三次元ナノ構造体が形成された領域が濃色になる。なお、銅三次元ナノ構造体はきわめて微細な構造であり、CNTを添加していないサンプルもCNTを添加したサンプルも、色彩の濃淡を除けば、外観的にはさほど大きな差はない。
(X線回析測定)
図2は、4種のサンプルについてX線回折測定を行った結果を示す。上段から、それぞれ、CNTの濃度が0g/L、2g/L、5g/L、10g/Lのサンプルについての測定結果を示す。
この測定結果は、いずれのめっき膜においても銅が析出されていることを示し、CNTの複合めっきにより銅三次元ナノ構造体を形成した場合も、銅三次元ナノ構造体の銅の構造が、複合めっきによらずに銅三次元ナノ構造体を作製した場合と変わらないことを示す。
(めっき物の表面SEM像)
図3、4、5は、4種のサンプルについて測定した表面SEM像を示す。それぞれ低倍率、中倍率、高倍率の表面SEM像である。図3、4、5に示したSEM像で、上段に配置したSEM像はめっき膜の中心部分のSEM像であり、下段に配置したSEM像はめっき膜の端部付近のSEM像である。
これらの表面SEM像は、銅−CNT三次元ナノ構造体からなるめっき膜についても、銅の構造についてみると、薄板状に析出した銅板が相互に入り組んだ交錯した形態、すなわち銅三次元ナノ構造体の構造として形成されていることを示す。すなわち、CNTの銅複合めっきによる場合も、CNTを含まない場合のめっき条件による場合と同様の銅三次元ナノ構造体が形成されていることを示す。
また、CNTの銅複合めっきにより銅−CNT三次元ナノ構造体のめっき膜中におけるCNTの配置を見ると、CNTは銅の薄板の間を連結するように取り込まれていることがわかる。図4に示す銅−CNT三次元ナノ構造体の構造を観察すると、CNTが銅の薄板を連結する構造として、銅板を突き抜けて掛け渡す形態にCNTが配置されているもの、銅の薄板間に掛け渡すように配置されているものがある。また、CNTの含有量が増大するとともに、銅の薄板の間を掛け渡すCNTの数が明らかに増えていることがわかる。
銅三次元ナノ構造体を形成する銅の薄板の厚さは数十〜100nmであり、複合めっきに使用したCNT(VGCF:登録商標)は径100nm、長さ数μm〜数十μmである。この銅三次元ナノ構造体を構成する銅の析出物である薄板と、構造体に取り込まれているCNTのサイズは、CNTが銅の薄板の間を掛け渡すように連結したり、銅の薄板を突き抜けるようにして薄板を連結する構造材的な作用をもたらす上で好適なサイズになっている。すなわち、本実験例のCNT銅複合めっきのめっき条件は、CNTにより銅三次元ナノ構造体の機械的強度を向上させる上で有効なめっき条件にうなっているということができる。
図4、5に示すように、銅−CNT三次元ナノ構造体を構成する薄板は互いに交錯した形態に析出し、かつCNTも銅の薄板が複雑に交錯した間に絡まるように取り込まれることにより、銅−CNT三次元ナノ構造体は銅三次元ナノ構造体とくらべて確実に機械的強度が向上する。
(粒度分布測定)
CNTの銅複合めっきにより銅−CNT三次元ナノ構造体を形成した際に構造体に取り込まれるCNTの粒度分布を測定した。使用しためっき浴を下記に示す。
CuSO4・5H2O 0.85M
H2SO4 0.55M
添加剤 ポリアクリル酸(分子量:5000) 3×10-4 M
CNT 添加量 2、5、10g/L
添加したカーボンナノチューブ(CNT)はVGCF(登録商標:昭和電工製 多層カーボンナノチューブ)である。CNTを添加した浴を超音波ホモジナイザーに5分かけてCNTを分散させてめっきした。
めっき条件は、前述した実験例でのめっき条件と同一である。純銅板を基材とし、基材上に約40μmの膜厚で銅−CNT三次元ナノ構造体を形成した。
基材上に形成した銅−CNT三次元ナノ構造体に含まれるCNTの粒度分布は、レーザ回折式粒度分布計を用い、CNTの添加濃度が異なる3種類の浴(2、5、10g/L)を用いて作製したサンプルについて行った。
図6にCNTの粒度分布の測定結果を示す。いずれのサンプルについても、100nmと10μm程度の大きさの粒子が確認された。この測定結果は、VGCF(登録商標:昭和電工製)の直径約100〜150nm、長さ約10μmと一致し、銅−CNT三次元ナノ構造体にCNT:VGCF(登録商標:昭和電工製)が取り込まれていることを示す。
(銅−CNT三次元ナノ構造体と銅三次元ナノ構造体との比較)
銅三次元ナノ構造体の膜厚を40μm程度としたときの、銅−CNT三次元構造体と、銅三次元ナノ構造体の形態を比較する実験を行った。
めっき浴とめっき条件を下記に示す。
CuSO4・5H2O 0.85M
H2SO4 0.55M
添加剤 ポリアクリル酸(分子量:5000) 3×10-4 M
CNT 添加量 0、10g/L
カソード:純銅板(開口面積:10cm2) アノード:含リン銅板
電流密度:1.0 Adm-2 時間:50min 通電量:300C
温度:25℃ 攪拌:空気攪拌
サンプルのめっき膜の評価は、電界放出型操作電子顕微鏡(FE-SEM)と電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって行った。
図7は、CNTを添加していないサンプル(上段)と、CNTを添加した(10g/L)サンプル(下段)の表面SEM像である。
CNTを添加したサンプルでは、CNTが析出した銅の薄板を貫くようにしてめっき膜中に取り込まれていることがわかる。
また、CNTを添加していないサンプルでは、銅の薄板の間隔(空隙)が狭く、銅の薄板が密になっているのに対して、CNTを添加したサンプルでは、銅の薄板の間隔が広く、薄板間の空隙が確保されていることが分かる。
図8は、サンプルの断面SEM像である。CNTを添加していない銅三次元ナノ構造体では、めっき膜の全体の厚さが30μm程度であるのに対し、CNTを添加した銅−CNT三次元ナノ構造体ではめっき膜の全体の厚さが40μmとなっている。この膜厚の差は、CNTを添加していない銅三次元ナノ構造体では、膜厚を厚くしたため析出した銅の薄板が倒れてしまい、薄板間の空隙がつぶれてしまったためである。一方、CNTを添加したものでは、銅の薄板がCNTによって連結されていることにより、CNTが補強材として作用し、銅の薄板間の間隔が保たれている。
図9に、CNTを添加した場合の銅三次元ナノ構造体のCNTの作用を説明的に示した。図9(a)がCNTを添加していない場合で、析出した銅の薄板が倒れてしまっている状態、図9(b)は、銅の薄板の間をCNTが連結しCNTがかんぬきのように作用することで銅の薄板が倒れずに保持されていることを示す。
図10は、CNTを添加していないサンプル(上段)と、CNTを添加した(10g/L)サンプル(下段)の断面SEM像とEPMA像である。断面SEM像とEPMA像とを対比することにより、CNTを添加した銅−CNT三次元ナノ構造体では、構造体の全体に炭素が存在していること、すなわちめっき膜の全体にCNTが取り込まれていることが分かる。
CNTの複合めっき法を利用して銅三次元ナノ構造体にCNTを取り込んだ銅−CNT三次元ナノ構造体は、薄板状に析出した銅の析出物の間を連結する構造としてCNTが取り込まれることにより、銅三次元ナノ構造体の機械的強度を効果的に向上させた構造体として得ることができる。
銅−CNT三次元ナノ構造体をリチウムイオン電池の負極材料として使用するといった場合には、SnあるいはSi等の活物質を取り込んで負極材料とするが、SnあるいはSiを活物質とした場合は、リチウムイオンの吸排作用にともない活物質が膨張−収縮といった作用を繰り返す。このような場合でも、銅三次元ナノ構造体が備える空隙による緩衝作用と併せ、銅三次元ナノ構造体の機械的強度を向上させたことにより、活物質を確実に構造体内に保持することができ、電池の充放電特性を向上させるとともに、電池の長寿命化を効果的に図ることが可能となる。
また、電池の電極材料として銅三次元ナノ構造体を利用する場合には、電気容量を増大させるため、活物質を取り込むことができる容積を拡大させる必要がある。
本発明に係る銅−CNT三次元ナノ構造体によれば、銅とくらべてはるかに機械的強度が高いCNTの補強作用により、銅の析出物がランダムに交錯し、内部に空隙を備える銅三次元ナノ構造体の特徴的な構成を保持しながら、銅三次元ナノ構造体の全体の厚さ(めっき膜の厚さ)を厚くすることができ、これによって電池の電気容量を増大させるという要件を満足することができる。
また、銅−CNT三次元ナノ構造体は、銅の薄板状の析出物がランダムに交錯する形態と、銅の薄板を連結するように介在するCNTの構造とが相乗することにより、銅のみからなる銅三次元ナノ構造体と比較してさらに比表面積が大きくなる。この結果、構造体中にSnあるいはSiといった活物質を効率的に取り込むことが可能であり、大きな比表面積を備えることから電気二重層キャパシタ等に利用することも可能である。


Claims (4)

  1. 銅からなる薄板状の析出物がランダムに交錯する形態に形成された銅三次元ナノ構造体にCNTが取り込まれ、
    前記CNTが前記析出物を相互に連結する配置に設けられていることを特徴とする銅−CNTナノ構造体。
  2. 前記CNTは、前記析出物の間を掛け渡す配置、あるいは薄板状の析出物を貫く配置として設けられていることを特徴とする請求項1記載の銅−CNTナノ構造体。
  3. 前記CNTは、単層カーボンナノチューブあるいは二層カーボンナノチューブあるいは多層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1または2記載の銅−CNT三次元ナノ構造体。
  4. 銅からなる薄板状の析出物がランダムに交錯する形態に形成された銅三次元ナノ構造体にCNTが取り込まれ、前記CNTが前記析出物を相互に連結する配置に設けられた銅−CNT三次元ナノ構造体の製造方法であって、
    ポリアクリル酸を添加剤とし、CNTを添加して分散させた銅めっき浴を使用し、
    電解銅めっき法により、基材上に銅−CNT三次元ナノ構造体を形成することを特徴とする銅−CNT三次元ナノ構造体の製造方法。
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