JP2017082164A - 保存安定性に優れた撥水撥油剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時や使用時の環境にかかわらず、十分な防菌防カビ効果が発揮される撥水撥油剤組成物を提供すること。【解決手段】含フッ素重合体の水系分散体と防菌防カビ剤を含有する撥水撥油剤組成物であって、含フッ素重合体の水系分散体のカチオン強度が水系分散体の固形分100gあたり0〜2.5ミリモルである撥水撥油剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、防菌防カビ剤を添加することにより保存安定性を向上した撥水撥油剤組成物に関する。より詳細には、本発明は、防菌防カビ剤の添加により、真菌や細菌に汚染された水を使用した場合でも長期にわたる防菌防カビ効果が発揮される、保存安定性が向上した含フッ素重合体の水系分散体を含む撥水撥油剤組成物に関する。また、本発明は、組成物の使用時に混入した真菌や細菌を殺菌して、長期にわたる防菌防カビ効果が発揮される撥水撥油剤組成物に関する。
含フッ素重合体の水系分散体は撥水撥油剤として広範に使用されている。撥水撥油処理の対象となる基材も多種多様で、テキスタイル、カーペット、皮革、不織布、紙、石材など、多岐にわたる。水系分散体のイオン性も目的、用途に応じてカチオン性、アニオン性またはノニオン性の分散体が使い分けられている。例えば、テキスタイル用途では、一般にカチオン性やノニオン性の分散体が多く使用され、カーペット用途では、ステインブロック剤との併用性などからアニオン性の分散体が多く使用されている。また、紙用途では一般にアニオン性、ノニオン性またはカチオン性の分散体が処理方法や用途により使い分けられている。このように、含フッ素重合体の水系分散体は既に産業界で大量に使用され、さらに新規な用途へと応用範囲が拡大している。
含フッ素重合体の水系分散体には長期の保存安定性が求められる。温度変化や振動に対する耐性は言うまでもなく、真菌や細菌に対する耐性も求められる。真菌や細菌に対する耐性が不十分であると、保存中にこれらの菌類が増殖して浮遊物が生じ、使用できなくなったり、被処理物に異臭が移る場合もある。これら菌類の汚染源としては、含フッ素重合体の水系分散体の製造時に使用される脱イオン水、ポンプ、反応容器、配管類からの混入や、撥水撥油剤を現場で処理する際に使用されるひしゃくやポンプ、配管類からの混入、開封時の空気中からの混入などがあげられる。撥水撥油剤はさまざまな使用環境で使用されるため、菌類の混入を完全に防ぐことは困難である。そのため、たとえ菌類が混入した場合でも、実用上、問題のない安定性(耐性)が求められている。
アニオン性乳化剤やノニオン性乳化剤を使用して製造されるアニオン性またはノニオン性の撥水撥油剤組成物には、防菌防カビ効果がない。そのため、このような撥水撥油剤組成物には、使用される環境によっては、防菌防カビ剤が使用される場合がある。一方、カチオン性乳化剤を使用して製造されるカチオン性の撥水撥油剤組成物は防菌防カビ効果を有するため防菌防カビ剤は使用されていないが、カチオン性乳化剤の含有量が少ない場合には菌類の増殖が生じる場合があった。
特許第3981818号は、有機ケイ素化合物を含む共加水分解縮合物とピレスロイド系殺虫剤と水とを含む木材用の水系撥水剤組成物を開示している。この水系撥水剤組成物で用いている撥水剤は、有機ケイ素化合物を含む共加水分解縮合物である。
特許第3981818号
本発明者らは、上述した課題に鑑みて鋭意検討した結果、含フッ素重合体の水系分散体に特定の防菌防カビ剤を添加することにより、製造時や使用時の環境にかかわらず、十分な防菌防カビ効果が発揮される撥水撥油剤組成物を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、
[1] 含フッ素重合体の水系分散体と防菌防カビ剤を含有する撥水撥油剤組成物であって、含フッ素重合体の水系分散体のカチオン強度が水系分散体の固形分100gあたり0〜2.5ミリモルである撥水撥油剤組成物;
[2] ノニオン性界面活性剤を含む[1]記載の撥水撥油剤組成物;
[3] アニオン性界面活性剤を含む[2]記載の撥水撥油剤組成物;
[4] カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選択される少なくとも1種を含み、含フッ素重合体の水系分散体のカチオン強度が水系分散体の固形分100gあたり0.1〜2.5ミリモルである[1]または[2]記載の撥水撥油剤組成物;
[5] 1×105〜1×107cfu/mlの真菌を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物;
[6] 1×107〜1×109cfu/mlの細菌を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物;
[7] 防菌防カビ剤が真菌および細菌の両方の増殖を抑制する一種以上の防菌防カビ剤である[1]〜[6]のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物;
[8] 防菌防カビ剤がイソチアゾリン系である[7]記載の撥水撥油剤組成物;
[9] 有効成分濃度1.5〜450ppmの防菌防カビ剤を含有する[1]〜[8]のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物;
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物を物品に適用することを含んでなる、処理された物品の製法
を提供する。
本発明の撥水撥油剤組成物は、高い防菌防カビ効果により保存安定性が向上する。したがって、雑菌を含む汚水を使用するような環境下でも撥水撥油剤組成物を長期間保存した後に使用することができる。また、撥水撥油剤組成物の使用時に雑菌が混入しても、それを殺菌して増殖を防ぐことができる。
本発明の撥水撥油剤組成物は、(1)含フッ素重合体と(2)防菌防カビ剤と(3)水とを含有する。
含フッ素重合体の水系分散体と防菌防カビ剤とを混合して撥水撥油剤組成物を得る。
(1)含フッ素重合体
本発明に使用する含フッ素重合体は、一般に、式:
CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
Yは、-O-または-NH-であり、
Zは、直接結合または二価の有機基であり、
Rfは、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体(a)から誘導された繰り返し単位を有する。
Yは、-O-であることが好ましい。
Zは、例えば、直接結合、炭素数1〜20の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基、[例えば、式−(CH2)x−(式中、xは1〜10である。)で示される基]、あるいは式−SO2N(R1)R2−または式−CON(R1)R2−で示される基(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜10の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基である。)、あるいは式−CH2CH(OR3)CH2−(式中、R3は、水素原子、または、炭素数1〜10のアシル基(例えば、ホルミルまたはアセチルなど)を表す。)で示される基、あるいは、式−Ar−CH2−(式中、Arは、置換基を必要により有するアリーレン基である。)で示される基、あるいは−(CH2m−SO2−(CH2n−基または-(CH2m−S−(CH2n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10である。)である。
本発明の含フッ素重合体において、Zは、直接結合、炭素数1〜20のアルキレン基、−SO2N(R1)R2−であることが好ましい。
Rfは、パーフルオロアルキル基であることが好ましいが、水素原子を有するフルオロアルキル基であってもよい。Rfの具体例は、−CF3、−C2F5、−C3F7、−C4F9、−C5F11、−C6F13、−C8F17、−C10F21、−C12F25である。
含フッ素重合体は、含フッ素単量体(a)の単独重合体または共重合体であってよい。含フッ素重合体は、含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位に加えて、非フッ素単量体(b)から誘導された繰り返し単位を有していてもよい。これらの含フッ素重合体は1種または2種以上を組合せて使用することができる。
非フッ素単量体(b)は、非フッ素非架橋性単量体(b1)または非フッ素架橋性単量体(b2)であってよい。
非フッ素非架橋性単量体(b1)の具体例は、式:
CH2=CA-T
[式中、Aは、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
Tは、水素原子、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)、炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基、またはエステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜30の有機基である。]
で示される化合物であってよい。
炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基の例は、炭素数1〜30の直鎖または分岐の飽和または不飽和(例えば、エチレン性不飽和)の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の飽和または不飽和(例えば、エチレン性不飽和)の環状脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数7〜30の芳香脂肪族炭化水素基である。
エステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜30の有機基の例は、-C(=O)-O-Qおよび-O-C(=O)-Q(ここで、Qは、炭素数1〜20の直鎖または分岐の飽和または不飽和(例えば、エチレン性不飽和)の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜20の飽和または不飽和(例えば、エチレン性不飽和)の環状脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数7〜20の芳香脂肪族炭化水素基)である。
その他、非フッ素非架橋性単量体は、(メタ)アクリレートエステル単量体(b1−1)およびハロゲン化オレフィン単量体(b1−2)などであってよい。
(メタ)アクリレートエステル単量体(b1−1)の具体例は、
CH2=CA21-C(=O)-O-A22
[式中、A21は、水素原子、一価の有機基、またはフッ素原子以外のハロゲン原子であり、A22は、炭素数1〜30の炭化水素基である。]
で示される化合物であってよい。
A21は、水素原子、メチル基、または塩素原子であることが好ましい。
A22(炭化水素基)は、炭素数1〜30の非環式の脂肪族炭化水素基、および炭素数4〜30の環状炭化水素含有基などであってよい。
非環式の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートエステル単量体の具体例は、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどである。
環状炭化水素含有基を有する(メタ)アクリレートエステル単量体の具体例は、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどである。
ハロゲン化オレフィン単量体(b1−2)は、フッ素原子を有しない。
ハロゲン化オレフィン単量体は、1〜10の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されている炭素数2〜20のオレフィンであってよい。ハロゲン化オレフィン単量体は、炭素数2〜20の塩素化オレフィン、特に1〜5の塩素原子を有する炭素数2〜5のオレフィンであることが好ましい。ハロゲン化オレフィン単量体の好ましい具体例は、ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、ヨウ化ビニリデンである。撥水撥油性(特に撥水撥油性の耐久性)が高くなるので、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンが好ましい。
また、非フッ素架橋性単量体(b2)は、フッ素原子を含まない単量体である。非フッ素架橋性単量体は、少なくとも2つの反応性基および/またはオレフィン性炭素−炭素二重結合(好ましくは、(メタ)アクリレート基)を有し、フッ素を含有しない化合物であってよい。非フッ素架橋性単量体は、少なくとも2つのオレフィン性炭素−炭素二重結合(好ましくは、(メタ)アクリレート基)を有する化合物、あるいは少なくとも1つのオレフィン性炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物であってよい。反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基などである。
非フッ素架橋性単量体は、反応性基を有するモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレートまたはモノ(メタ)アクリルアミドであってよい。あるいは、非フッ素架橋性単量体は、ジ(メタ)アクリレートであってよい。
非フッ素架橋性単量体の1つの例は、ヒドロキシル基を有するビニル単量体である。
非フッ素架橋性単量体としては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、モノクロロ酢酸ビニル、メタクリル酸ビニル、グリシジル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これらに限定されるものでない。
その他、非フッ素架橋性単量体は、イソシアナトアクリレート単量体などであってよい。
イソシアナトアクリレート単量体の具体例は、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体などである。
他の単量体(c)の例には、例えば、エチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、およびビニルアルキルエーテルなどが含まれる。他の単量体はこれらの例に限定されない。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリルアミド」とは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味する。
単量体(a)〜(c)のそれぞれは、単独であってよく、あるいは2種以上の混合物であってもよい。
単量体(a)の量は、重合体に対して10重量%以上、例えば40重量%以上であってよい。単量体(a)の量は、重合体に対して、95重量%以下、例えば80重量%以下、あるいは75重量%以下、あるいは70重量%以下であってよい。
重合体において、単量体(a)100重量部に対して、
繰り返し単位(b1)の量が0〜200重量部、好ましくは1〜40重量部、
繰り返し単位(b2)の量が0〜100重量部、好ましくは1〜30重量部、
繰り返し単位(c)の量が0〜100重量部、好ましくは1〜30重量部
であってよい。
より詳細には、重合体において、単量体(a)100重量部に対して、

繰り返し単位(b1-1)の量が0〜150重量部、好ましくは1〜30重量部、
繰り返し単位(b1-2)の量が0〜50重量部、好ましくは1〜10重量部、
繰り返し単位(b2)の量が0〜100重量部、好ましくは1〜30重量部、
繰り返し単位(c)の量が0〜100重量部、好ましくは1〜30重量部
であってよい。
含フッ素重合体(固形分)の量は、撥水撥油剤組成物の全体に対して、約0.01〜60重量%、好ましくは約0.1〜40重量%、特に好ましくは約5〜35重量%の量であってよい。
含フッ素重合体は水系分散体として、本発明の撥水撥油剤組成物に使用する。
(2)防菌防カビ剤
防菌防カビ剤は、菌などの微生物、好ましくは真菌および細菌の両方の増殖を抑制する少なくとも1種の防菌防カビ剤である。防菌防カビ剤は、特に限定されるものでないが、日本防菌防黴学会誌 1998 VOL.26に列挙されている、以下のような一般的に使用される防菌防カビ剤を使用することができる。
Bis(3−aminopropyl)dodecylamine(トリアルキルトリアミン)などのアミン系、
Ethyl alcohol(エチルアルコール、エタノール)、Iso−propyl alcohol(イソプロパノール)、Propyl alcohol(プロピルアルコール、プロパノール)、Tris(hydroxymethyl)nitromethane(トリスニトロ)、1,1,1−Trichloro−2−methyl−2−propanol(クロロブタノール)、2−Bromo−2−nitropropane−1,3−diol(プロノボール、プロノゾール、プロノコット)などのアルコール系、
1,5−Pentanediol(グルタルアルデヒド)、Formaldehyde(ホルムアルデヒド)、α−Bromocinnamic aldehyde(α−ブロムシンアムアルデヒド)などのアルデヒド系、
2−n−Octyl−4−isothiazolin−3−one(スケーンM−8)、5−Chloro−2−methyl−4−isothiazolin−3−one/2−Methyl−4−isothiazolin−3−one(ケーソンCG, NS−500W)、1,2−Benzisothiazolone−3(BIT)、N−n−Butyl−1,2−benzisothiazolone−3(n−プチルBIT)などのイソチアゾリン系、
Allyl isothiocyanate(アリールイソチオシアネート,イソチオシアン酸アリル)などのイソチオシアネート系、
2−(4−Thiazolyl)−benzimidazol(チアベンダゾール,TBZ)、Methyl−2−benzimidazole carbamate(2−ベンツイミダゾリルカルバミン酸メチル,プリベントールBCM)などのイミダゾール系、
Glycerol laurate(ラウリシジン,グリセルモノラウレート,モノグリセリド)などのエステル系、
4,4−Dimethyl−1,3−oxazolidine(バイオパンCS−1135,オキサジンA)などのオキサゾリジン系、
3,4,4'−Trichlorocarbanilide(トリクロカルバン,トリクロロカルバニリド),4,4'−Dichloro−3−(3−Fluoromethyl)−carbanilide(ハロカルバン,クロフルカルバン)などのカーバニリド系、
3−Iodo−2−propynylbutyl carbamate(グライシカル)などのカーバメート系、
Benzoic acid(安息香酸,ベンゼンカルボン酸)、Flexa−2,4−dienoic acid(ソルビン酸,2−プロパニルアクリル酸)、Octanoic acid(カプリル酸)、Propionic acid(プロピオン酸)、Undecylenic acid(10−ウンデシレン酸、10−ウンデセン酸)、Potassium hexa−2,4−dienoic acid(ソルビン酸カリウム,2−プロペニルアクリル酸カリウム)、Potassium propionate(プロピオン酸カリウム)、Calcium propionate(プロピオン酸カルシウム)、Sodium benzoate(安息香酸ナトリウム)、Sodium propionate(プロピオン酸ナトリウム)、Magnesate(2−),bis(2−carboxybenzene carboperoxato)dihydrogene(フタル酸モノマグネシウム)、Zinc undecylenate(ウンデシレン酸亜鉛)などのカルボン酸系、
8−Hydroxyquinoline(8−ヒドロキシキノリン)、Bis(quinolin−8−olate)copper(キノリン銅,オキシン銅,8−キノリノール銅)などのキノリン系、
Bis(dimethylthiocarbamoyl)disulfide(TMTD,チウラム)などのサルファイド系、
2,4,4'−Trichloro−2'−hydroxydiphenyl(トリクロサン,イルガサン DP300)などのジフェニルエーテル系、
N,N−Dimethyl−N'−(fluorodichloromethylthio)−N"−phenylsulfamide(シクロフルアニド,プリベントールA4−S)、N−Dichlorofluoromethylthio−N',N'−dimethyl−N−p−torylsulfamide(トリフルアミド,プリベントールA5)などのスルファミド系、
Protamine(しらこタンパク,しらこ分解物,核タンパク)Hen egg lysozyme(卵白リゾチーム)などのタンパク質系、
2−(4−Thiocyanomethylthio)benzothiazol(ベンチアゾール)などのチアゾール系、
Sodium N−methyldithiocarbamate(N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、カ−バムナトリウム)などのチオカーバメート系、
Hexahydro−1,3,5−tris(hydroxyethyl)−S−triadine(バイオパンGK,トリアジン)、
CAVINON(100,200)(カビノン(100,200))、α−[2−(4−Chlorophenyl)ethyl]−α−(1,1−dimethylethyl)−1H−1,2,4−triazole−1−ethanol(デブコナゾール)などのトリアジン系、
4−Isopropyl−2−hydroxy−cyclohepta−2,4,6−triene−1−one(ヒノキチオール、β−ツヤプリシン)などのトロポロン系、
2,4,5,6−Tetrachloroisophthalonitrile(テトラクロロイソフタロニトリル)、1,2−Dibromo−2,4−dicyanobutane(テクタマール38)などのニトリル系、
1,1'−(Hexamethylene bis[5−(4−chlorophenyl)biguanide]digluconate(グルクロン酸クロルヘキシジン)、Bis(p−chlorophenyldiguanide)hexane dihydrochloride(クロルヘキシジン塩酸塩)などのビグアナイド系、
1−Bromo−3−chloro−5,5'−dimethyl hydantoin(ダントブロム)、1,3−Bis−(hydroxymethyl)−5,5'−dimethyl hydantoin(グライダント、ダントガード)などのヒダントイン系、
Sodium pyridine thiol−1−oxide(ピリチオンナトリウム)、Zinc bis(2−pyridylthio−1−oxide)(ジンクピリチオン,ジンクオマジン、ZPT)、2,3,5,6−Tetrachloro−4−(methylsulphonyl)pyridine(デンシル)、Copper bis(2−pyridylthio−1−oxide)(カッパーピリチオン,カッパーオマージン,CuPT)などのピリジン系、
2−Isopropyl−5−methylphenol(チモール,2−イソプロピル−5−メチルフェノール)、3−Methyl−4−iso−propylphenol(イソプロピルメチルフェノール、ピオゾール)、o−Phenylphenol(OPP、オルトフェニルフェノール)、Phenol(フェノール、石炭酸)、Butyl−p−hydroxybenzoate(ブチルパラベン)、Ethyl−p−hydroxybenzoate(エチルパラベン)、Methyl−p−hydroxybenzoate(メチルパラベン)、Propyl−p−hydroxybenzoate(プロピルパラベン)、m−Methylphenol(メタクレゾール)、o−Methylphenol(オルトクレゾール)、p−Methylphenol(パラクレゾール)、o−Phenylsodiumphenoxide(オルトフェニルフェノールナトリウム)、2−Benzyl−4−chlorophenol(クロロフェン)、p−Chlorophenol(パラクロルフェノール)、4−Chloro−3,5−dimethylphenol(パラクロロメタキシレノール)、2−Methyl−3−chlorophenol(パラクロロメタクレゾール)などのフェノール系、
N−(Fluorodichloromethylthio)−phthalimide(フルオロフォルペット,ブリベントールA3)などのフタルイミド系、
ε−Poly−L−lysine(ポリリジン、ε−ポリリジン)などのペプチド系、
4−(2−Nitrobutyl)morpholine/4,4'−(2−nitrotrimethylene)dimorpholine(バイオパンP−1487)などのモルフォリン系、
Diiodomethyl−p−trylsulfone(ジヨージドメチルパラトリルスルフォン)、Polyvinylpyrolidone iodide(ポリビニルピロリドンヨード、ポビドンヨード、イソジン)、p−Chlorophenyl−3−iodopropagyl formal(パラクロロフェニル−3−ヨウ化プロパギルフォルマール)、3−Bromo−2,3−diiodo−2−propenylethylcarbonate(サンプラス)などのヨウ素系、
Sodium hypochlorite(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ソーダ)、Sodium dichlorinated isocyanurate(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)、Trichlorinated isocyanuric acid(トリクロロイソジアヌル酸)などの塩素系、
Hydrogen peroxide(過酸化水素)、Chlorine dioxide(安定化二酸化塩素、ビオトーク)、Peracetic acid(過酢酸)などの過酸化物系、
Copper naphthenate(ナフテン酸銅)、Silver/Zirconium phosphate(ノバロンAG300)、Silver chloride/Titanium oxide(塩化銀/酸化チタン)、Silver−Zinc/Calcium phosphate(銀・リン酸亜鉛カルシウム、シルバーエース)、Silver−Zinc/Zeolite(銀亜鉛アルミノケイ酸塩、銀亜鉛ゼオライト)、Zinc oxide, Silver/Zirconium phosphate(ノバロンAGZ330)、N−Stearoyl−L−glutamic acid AgCu salt(ホロンキラー)などの金属塩系、
1−L−(1,3,5/2,4)−1,5−Diamino−4−O−(2,5−dideoxy−α−D−glucopyranosyl)−2,3−cyclohexandiol(ST−7)などの抗生物質系、
Ethylene oxide(EO、エチレンオキサイド)、Propylene oxide(PO、プロピレンオキサイド)などの酸化物系、
4,4'−(Tetramethylenedicarbonyldiamino)bis(1−decylpyridinium bromide)(ダイマー135)、Decyldimethylbenzylammonium chloride(ベンザルコニウムクロライド)、Didecyldimethylammonium chloride(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、バーダック2250/80)、Diisobutylphenoxyethoxydimethylbenzylammonium chloride(塩化ベンゾトニウム、ハイアミン1622)、Hexadecyl trimethyl ammonium bromide(臭化セチルアンモニウム、セトリミド、CTAB、セクブロン)、N,N'−Hexamethylenebis(4−carbamoyl−1−decylpyridinium bromide)(ダイマー38)、N−Alkyl−N,N−dimethyl−N−benzylammonium chloride(塩化ベンザルコニウム、ハイアミン3500J)、N−Decyl−N−isononyl−N,N'−dimethylammonium chloride(バーダック170P)、5−(Trimethoxysilyl)propyldimethyloctadecylammonium(DC−5700)、Hexadecyl pyridinium chloride(セチルピリジニウムクロライド)などの第四級アンモニウム塩系、
β−1,4−Poly−D−glucosamine(キトサン)などの糖質、
N'−(3,4−Dichlorophenyl)−N,N−dimethylurea(デュウロン、DCMU、ブリベントールA6)などの尿素系などが挙げられる。特に2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(スケーンM6)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BBIT)などのイソチアゾリン系の防菌防カビ剤が好ましい。
特に、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BBIT)などのイソチアゾリン系の防菌防カビ剤が好ましい。これらの防菌防カビ剤は1種または2種以上を組合せて使用することができる。
防菌防カビ剤の量は、撥水撥油剤組成物の全体に対して、有効成分濃度として約1.5〜450ppm、好ましくは約7.5〜300ppm、特に好ましくは約75〜150ppmであってよい。防菌防カビ剤の量は、含フッ素重合体に対して、約4.5〜1350ppm、好ましくは約22.5〜900ppm、特に好ましくは約225〜450ppmであってよい。
(3)水
本発明の撥水撥油剤組成物に使用する水は、この技術分野で通常使用される水を用いることができる。特に、本発明では防菌防カビ剤を用いることにより、菌などの微生物、特に細菌や真菌が混入している水を用いた場合においても、これらの増殖が抑制され、水系の撥水撥油剤組成物の長期にわたる保存安定性が保たれる。一般的に、希釈用の水に微生物が含まれている場合に、保存前の撥水撥油剤組成物が、微生物を含有する。
水には、本発明の撥水撥油剤組成物の調製時において、菌などの微生物、好ましくは真菌および細菌の一方または両方が存在していても、撥水撥油剤組成物の保存安定性が保たれるため、これらの微生物によって汚染された水や器具を用いて調製する場合に特に有利な効果を発揮することができる。水において、菌、好ましくは真菌および細菌の両方が存在しないことが好ましいが、真菌および細菌の一方または両方が存在してもよい。真菌の量は、例えば1×105〜1×107cfu/ml、特に1×106〜1×107cfu/mlであってよい。細菌の量は例えば1×107〜1×109cfu/ml、特に1×108〜1×109cfu/mlであってよい。
撥水撥油剤組成物は、特に低温で保存しなくても、長期間にわたって微生物の増殖を抑制することができる。
撥水撥油剤組成物は、一般に、他の成分として、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、含フッ素重合体を製造する際に単量体(および重合体)を分散させるために使用してよいし、および/または製造した重合体に加えてもよい。
(4)界面活性剤
本発明の撥水撥油剤組成物において、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤を含むことができる。さらに、界面活性剤として、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選択された1種以上の界面活性剤を含んでもよい。ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤の組み合わせを用いることが好ましい。
(a)ノニオン性界面活性剤
ノニオン性界面活性剤の例としては、エーテル、エステル、エステルエーテル、アルカノールアミド、多価アルコールおよびアミンオキシドが挙げられる。
エーテルの例は、オキシアルキレン基(好ましくは、ポリオキシエチレン基)を有する化合物である。
エステルの例は、アルコールと脂肪酸のエステルである。アルコールの例は、1〜6価(特に2〜5価)の炭素数1〜50(特に炭素数3〜30)のアルコール(例えば、脂肪族アルコール)である。脂肪酸の例は、炭素数2〜50、特に炭素数5〜30の飽和または不飽和の脂肪酸である。
エステルエーテルの例は、アルコールと脂肪酸のエステルに、アルキレンオキシド(特にエチレンオキシド)を付加した化合物である。アルコールの例は、1〜6価(特に2〜5価)の炭素数1〜50(特に炭素数3〜30)のアルコール(例えば、脂肪族アルコール)である。脂肪酸の例は、炭素数2〜50、特に炭素数5〜30の飽和または不飽和の脂肪酸である。
アルカノールアミドの例は、脂肪酸とアルカノールアミンから形成されている。アルカノールアミドは、モノアルカノールアミドまたはジアルカノールアミノであってよい。脂肪酸の例は、炭素数2〜50、特に炭素数5〜30の飽和または不飽和の脂肪酸である。アルカノールアミンは、1〜3のアミノ基および1〜5ヒドロキシル基を有する炭素数2〜50、特に5〜30のアルカノールであってよい。
多価アルコールは、2〜5価の炭素数3〜30のアルコールであってよい。
アミンオキシドは、アミン(二級アミンまたは好ましくは三級アミン)の酸化物(例えば炭素数5〜50)であってよい。
ノニオン性界面活性剤は、オキシアルキレン基(好ましくはポリオキシエチレン基)を有するノニオン性界面活性剤であることが好ましい。オキシアルキレン基におけるアルキレン基の炭素数は、2〜10であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤の分子におけるオキシアルキレン基の数は、一般に、2〜100であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤は、エーテル、エステル、エステルエーテル、アルカノールアミド、多価アルコールおよびアミンオキシドからなる群から選択されており、オキシアルキレン基を有するノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤は、直鎖状および/または分岐状の脂肪族(飽和および/または不飽和)基のアルキレンオキシド付加物、直鎖状および/または分岐状脂肪酸(飽和および/または不飽和)のポリアルキレングリコールエステル、ポリオキシエチレン(POE)/ポリオキシプロピレン(POP)共重合体(ランダム共重合体またはブロック共重合体)、アセチレングリコールのアルキレンオキシド付加物などであってよい。これらの中で、アルキレンオキシド付加部分およびポリアルキレングリコール部分の構造がポリオキシエチレン(POE)またはポリオキシプロピレン(POP)またはPOE/POP共重合体(ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってよい)であるものが好ましい。
また、ノニオン性界面活性剤は、環境上の問題(生分解性、環境ホルモンなど)から芳香族基を含まない構造が好ましい。
ノニオン性界面活性剤は、式:
R1O−(CH2CH2O)p−(R2O)q−R3
[式中、R1は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数2〜22のアルケニル基またはアシル基であり、
R2のそれぞれは、独立的に同一または異なって、炭素数3以上(例えば、3〜10)のアルキレン基であり、
R3は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基または炭素数2〜22のアルケニル基であり、
pは2以上の数であり、
qは0または1以上の数である。]
で示される化合物であってよい。
R1は、炭素数8〜20、特に10〜18であることが好ましい。R1の好ましい具体例としては、ラウリル基、トリデシル基、オレイル基が挙げられる。
R2の例は、プロピレン基、ブチレン基である。
ノニオン性界面活性剤において、pは3以上の数(例えば、5〜200)であってよい。qは、2以上の数(例えば5〜200)であってよい。すなわち、−(R2O)q−がポリオキシアルキレン鎖を形成してもよい。
ノニオン性界面活性剤は、中央に親水性のポリオキシエチレン鎖と疎水性のオキシアルキレン鎖(特に、ポリオキシアルキレン鎖)を含有したポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルであってよい。疎水性のオキシアルキレン鎖としては、オキシプロピレン鎖、オキシブチレン鎖、スチレン鎖などが挙げられるが、中でも、オキシプロピレン鎖が好ましい。
好ましいノニオン性界面活性剤は、式:
R1O-(CH2CH2O)p-H
[式中、R1およびpは上記と同意義である。]
で示される界面活性剤である。
ノニオン性界面活性剤の具体例は、
C10H21O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C12H25O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C16H31O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C16H33O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C18H35O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C18H37O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C12H25O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C12H25
C16H31O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C16H31
C16H33O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C12H25
iso-C13H27O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C10H21COO-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C16H33COO-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C12H25
[式中、pおよびqは上記と同意義である。]
などである。
ノニオン性界面活性剤の具体例には、エチレンオキシドとヘキシルフェノール、イソオクタチルフェノール、ヘキサデカノール、オレイン酸、アルカン(C12-C16)チオール、ソルビタンモノ脂肪酸(C7-C19)またはアルキル(C12-C18)アミンなどとの縮合生成物が包含される。
ノニオン性界面活性剤は1種単独でも2種以上を併用することもできる。
ノニオン性界面活性剤は2種以上の組み合わせであることが好ましい。2種以上の組み合わせにおいて、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤は、R1基(および/またはR3基)が分岐のアルキル基(例えば、イソトリデシル基)であるR1O-(CH2CH2O)p-(R2O)q-R3[特に、R1O-(CH2CH2O)p-H]で示される化合物であってよい。R1基が分岐のアルキル基であるノニオン性界面活性剤の量は、ノニオン性界面活性剤の合計100重量部に対して、5〜100重量部、例えば8〜50重量部、特に10〜40重量部であってよい。2種以上の組み合わせにおいて、残りのノニオン性界面活性剤は、R1基(および/またはR3基)が(飽和および/または不飽和の)直鎖のアルキル基(例えば、ラウリル基(n-ラウリル基))であるR1O-(CH2CH2O)p-(R2O)q-R3[特に、R1O-(CH2CH2O)p-H]で示される化合物であってよい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーなどを挙げることができる。
(b)カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤は、アミド基を有しない化合物であることが好ましい。
カチオン性界面活性剤は、アミン塩、4級アンモニウム塩、オキシエチレン付加型アンモニウム塩であってよい。カチオン性界面活性剤の具体例としては、特に限定されないが、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型界面活性剤などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の好ましい例は、
R21-N+(-R22)(-R23)(-R24)X-
[式中、R21、R22、R23およびR24は炭素数1〜30の炭化水素基、
Xはアニオン性基である。]
の化合物である。
R21、R22、R23およびR24の具体例は、アルキル基(例えば、メチル基、ブチル基、ステアリル基、パルミチル基)である。Xの具体例は、ハロゲン(例えば、塩素)、酸(例えば、塩酸、酢酸)である。
カチオン性界面活性剤は、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩(アルキルの炭素数4〜30)であることが特に好ましい。
カチオン性界面活性剤は、アンモニウム塩であることが好ましい。カチオン性界面活性剤は、式:
R1 p-N+R2 qX
[式中、R1はC12以上(例えばC12〜C50)の直鎖状および/または分岐状の脂肪族(飽和および/または不飽和)基、
R2はHまたはC1〜C4のアルキル基、ベンジル基、ポリオキシエチレン基(オキシエチレン基の数例えば1(特に2、特別には3)〜50)
(CH3、C2H5が特に好ましい)、
Xはハロゲン原子(例えば、)、C1〜C4の脂肪酸塩基、
pは1または2、qは2または3で、p+q=4である。]
で示されるアンモニウム塩であってよい。R1の炭素数は、12〜50、例えば12〜30であってよい。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムアセテート、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、(ドデシルメチルベンジル)トリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、メチルドデシルジ(ヒドロポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド、ベンジルドデシルジ(ヒドロポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]オレアミド塩酸塩、ジアルキル(還元牛脂)ジメチルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。
(c)アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ココイルサルコシンナトリウム、ナトリウムN−ココイルメチルタウリン、ポリオキシエチレンヤシアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ジエーテルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカルボン酸塩(商品名ユニダインDS−101、102(ダイキン工業(株)製))などを挙げることができる。
(d)両性界面活性剤
両性界面活性剤の具体例としては、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類、酢酸ベタインなどが挙げられ、具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤のそれぞれが1種または2以上の組み合わせであってよい。
界面活性剤の量は、重合体100重量部に対して、0.05〜10重量部、例えば、0.1〜8重量部であってよい。界面活性剤の合計量は、重合体100重量部に対して、0.1〜20重量部、例えば、0.2〜10重量部であってよい。
本発明の含フッ素重合体の水系分散体は、水系分散体の固形分100gあたり約0〜約2.5ミリモル、好ましくは約0〜約2.3ミリモル、より好ましくは約0〜約2.0ミリモルのカチオン強度を有する。カチオン性界面活性剤を用いる場合のカチオン強度は、水分散体の固形分100gあたり約0.1〜約2.5ミリモル、より好ましくは約0.5〜約2.3ミリモル、より好ましくは約0.6〜約2.0ミリモルである。ここで、「カチオン強度」とは、撥水撥油剤組成物の固形分100g中に存在する防菌防カビ剤以外の物質に含まれるアミノ基(例えば、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基および第四級アミノ基)の合計モル数である。アミノ基は、一般に、含フッ素重合体および界面活性剤に含まれる。
本発明の撥水撥油剤組成物には、上記した含フッ素重合体の水系分散体および防菌防カビ剤に加えて、さらに防虫剤、着色剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、防炎剤、難燃剤、香料、粘度調整剤などの任意成分を、使用環境や適用する被処理物などに応じて含めることができる。
本発明の撥水撥油剤組成物は、従来既知の方法により被処理物(物品)に適用することができる。通常、該撥水撥油剤組成物を水に分散して希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により、被処理物(物品)の表面に付着させ、乾燥させる方法が採られる。また、必要ならば、適当な架橋剤(例えば、ブロックドイソシアネート)と共に適用し、キュアリングを行ってもよい。さらに、本発明の撥水撥油剤組成物には、柔軟剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤などを添加して併用することもできる。
本発明の撥水撥油剤組成物で処理される被処理物としては、繊維製品、石材、フィルター(例えば、静電フィルター)、防塵マスク、燃料電池の部品(例えば、ガス拡散電極およびガス拡散支持体)、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、およびプラスターなどを挙げることができる。繊維製品としては種々の例を挙げることができる。例えば、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。
繊維製品は、繊維、布などの形態のいずれであってもよい。
本発明の処理剤組成物は、内部離型剤あるいは外部離型剤としても使用できる。
本発明の撥水撥油剤組成物は、繊維製品を液体で処理するために知られている方法のいずれかによって繊維状基材(例えば、繊維製品など)に適用することができる。繊維製品が布であるときには、布を溶液に浸してよく、あるいは、布に溶液を付着または噴霧してよい。処理された繊維製品は、撥油性を発現させるために、乾燥され、好ましくは、例えば、100℃〜200℃で加熱される。
あるいは、共重合体はクリーニング法によって繊維製品に適用してよく、例えば、洗濯適用またはドライクリーニング法などにおいて繊維製品に適用してよい。
処理される繊維製品は、典型的には、布であり、これには、織物、編物および不織布、衣料品形態の布およびカーペットが含まれるが、繊維または糸または中間繊維製品(例えば、スライバーまたは粗糸など)であってもよい。繊維製品材料は、天然繊維(例えば、綿または羊毛など)、化学繊維(例えば、ビスコースレーヨンまたはレオセルなど)、または、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリアミドまたはアクリル繊維など)であってよく、あるいは、繊維の混合物(例えば、天然繊維および合成繊維の混合物など)であってよい。本発明の製造重合体は、セルロース系繊維(例えば、綿またはレーヨンなど)を疎油性および撥油性にすることにおいて特に効果的である。また、本発明の方法は一般に、繊維製品を疎水性および撥水性にする。
あるいは、繊維状基材は皮革であってよい。製造重合体を、皮革を疎水性および疎油性にするために、皮革加工の様々な段階で、例えば、皮革の湿潤加工の期間中に、または、皮革の仕上げの期間中に、水溶液または水性乳化物から皮革に適用してよい。
あるいは、繊維状基材は紙であってもよい。製造重合体を、予め形成した紙に適用してよく、または、製紙の様々な段階で、例えば、紙の乾燥期間中に適用してもよい。
「処理」とは、処理剤を、浸漬、噴霧、塗布などにより被処理物に適用することを意味する。処理により、処理剤の有効成分である共重合体が被処理物の内部に浸透するおよび/または被処理物の表面に付着する。
合成例1 カチオン強度(0.6ミリモル/100g)
500mlオートクレーブにCnF2n+1CH2CH2OCOCH=CH2(n=8,10の化合物の質量比約8:2の混合物)57g、ステアリルアクリレート7.8g、N−メチロールアクリルアミド2g、トリプロピレングリコール25g、脱イオン水148g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル2.41g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5.64g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル2.7gおよびジアルキル(還元牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド0.72gを入れ、撹拌下に40℃で30分間、超音波で乳化分散させた。乳化後、n−ドデシルメルカプタン0.4gを添加し、次に塩化ビニル21gを圧入充填した。
アゾビスアミジドプロパン二塩酸塩0.56gを脱イオン水15gに溶解させた溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、未反応の塩化ビニルを除去した後、固形分濃度が30mass%になるように脱イオン水を加え、含フッ素重合体を含有する水系分散体(D1)を調製した。
合成例2 カチオン強度(1.8ミリモル/100g)
500mlオートクレーブにCnF2n+1CH2CH2OCOCH=CH2(n=8,10の化合物の質量比約8:2の混合物)57g、ステアリルアクリレート7.8g、N−メチロールアクリルアミド2g、トリプロピレングリコール25g、脱イオン水148g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル2.41g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5.64g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル1.26g、ジアルキル(還元牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド2.16gを入れ、撹拌下に40℃で30分間、超音波で乳化分散させた。乳化後、n−ドデシルメルカプタン0.4gを添加し、次に塩化ビニル21gを圧入充填した。
アゾビスアミジドプロパン二塩酸塩0.56gを脱イオン水15gに溶解させた溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、未反応の塩化ビニルを除去した後、固形分濃度が30mass%になるように脱イオン水を加え、含フッ素重合体を含有する水系分散体(D2)を調製した。
合成例3 ノニオンタイプ
500mlオートクレーブにCnF2n+1CH2CH2OCOCH=CH2(n=8,10の化合物の質量比約8:2の混合物)57g、ステアリルアクリレート7.8g、N−メチロールアクリルアミド2g、トリプロピレングリコール25g、脱イオン水148g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル2.41g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル6.36g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル2.7g、を入れ、撹拌下に40℃で30分間、超音波で乳化分散させた。乳化後、n−ドデシルメルカプタン0.4gを添加し、次に塩化ビニル21gを圧入充填した。
アゾビスアミジドプロパン二塩酸塩0.56gを脱イオン水15gに溶解させた溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、未反応の塩化ビニルを除去した後、固形分濃度が30mass%になるように脱イオン水を加え、含フッ素重合体を含有する水系分散体(D3)を調製した。
合成例4 ノニオンタイプ
還流冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた100ml四つ口フラスコにC6F13CH2CH2OCOCH=CH2 16.6g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5g、ポリエチレングリコールジアクリレート CH2=CHC(=O)O-(CH2CH2O)n−C(=O)CH=CH2(nの平均値は7)8.4g、2−メルカプトエタノール0.45g、さらにメチルエチルケトン45gを仕込んで、30分間窒素バブリングした。
窒素気流下で内温を50−65℃に昇温後、t-ブチルパーオキシピバレート0.4gを添加し、60−65℃で6時間反応させた。
得られた溶液を減圧条件下にて約70℃でメチルエチルケトンを留去し、さらに脱イオン水を加えて固形分濃度が約20%の水系分散体(D4)を調製した。
合成例5 アニオンタイプ
撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた500mlの反応器を用意し、溶媒のメチルエチルケトンを100部添加した。続いて撹拌下、C6F13CH2CH2OCOCH=CH2 70g、ヒドロキシエチルアクリレート18g、CH2=CHC(=O)O-(CH2CH2O)n−H(nの平均値は7)7g、メタクリル酸5g、4,4'-アゾビス(4−シアノペンタン酸)0.5gを添加し、70℃の窒素雰囲気下で12時間、混合撹拌して反応させた。得られた共重合体含有溶液(S1)の固形分濃度は50mass%であった。
S1溶液50gに対し23%アンモニア水1.2gと脱イオン水を添加し、乳化分散させた後、エバポレーターを用いて加熱、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、固形分濃度20mass%の水系分散体(D5)を調製した。
合成例6 カチオン強度(3.0ミリモル/100g)
500mlオートクレーブにCnF2n+1CH2CH2OCOCH=CH2(n=8,10の化合物の質量比約8:2の混合物)57g、ステアリルアクリレート7.8g、N−メチロールアクリルアミド2g、トリプロピレングリコール25g、脱イオン水148g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル2.41g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5.64g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル1.26g、ジアルキル(還元牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド3.6gを入れ、撹拌下に40℃で30分間、超音波で乳化分散させた。乳化後、n−ドデシルメルカプタン0.4gを添加し、次に塩化ビニル21gを圧入充填した。
アゾビスアミジドプロパン二塩酸塩0.56gを脱イオン水15gに溶解させた溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、未反応の塩化ビニルを除去した後、固形分濃度が30mass%になるように脱イオン水を加え、含フッ素重合体を含有する水系分散体(D6)を調製した。
実施例1(カチオン強度(0.6ミリモル/100g)+防菌防カビ剤)
合成例1で調製したD1の分散液にベンズイソチアゾリン-3-オン75ppm、さらに5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンおよび2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンの混合物(重量比3:1)75ppmを添加して、汚染度試験を実施した。
実施例2(カチオン強度(1.8ミリモル/100g)+防菌防カビ剤)
合成例2で調製したD2の分散液にベンズイソチアゾリン-3-オン75ppm、さらに5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンおよび2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンの混合物(重量比3:1)75ppmを添加して、汚染度試験を実施した。
実施例3(ノニオン性+防菌防カビ剤)
合成例3で調製したD3の分散液にベンズイソチアゾリン-3-オン75ppm、さらに5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンおよび2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンの混合物(重量比3:1)75ppmを添加して、汚染度試験を実施した。
実施例4(ノニオン性+防菌防カビ剤)
合成例4で調製したD4の分散液にベンズイソチアゾリン-3-オン75ppm、さらに5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンおよび2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンの混合物(重量比3:1)75ppmを添加して、汚染度試験を実施した。
実施例5(アニオン性+防菌防カビ剤)
合成例5で調製したD5の分散液にベンズイソチアゾリン-3-オン75ppm、さらに5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンおよび2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンの混合物(重量比3:1)75ppmを添加して、汚染度試験を実施した。
比較例1(カチオン強度(0.6ミリモル/100g))
合成例1で調製したD1の分散液をそのまま用いて、汚染度試験を実施した。
比較例2(カチオン強度(1.8ミリモル/100g))
合成例2で調製したD2の分散液をそのまま用いて、汚染度試験を実施した。
比較例3(ノニオン性)
合成例3で調製したD3の分散液をそのまま用いて、汚染度試験を実施した。
比較例4(ノニオン性)
合成例4で調製したD4の分散液をそのまま用いて、汚染度試験を実施した。
比較例5(アニオン性)
合成例5で調製したD5の分散液をそのまま用いて、汚染度試験を実施した。
参考例1(カチオン強度(3.0ミリモル/100g))
合成例6で調製したD6の分散液をそのまま用いて、汚染度試験を実施した。
汚染度試験
汚染度試験は抗菌製品技術協議会の防カビ剤の防カビ効力評価試験法をベースに以下の条件で実施した。
汚染度(防菌防カビ効果)試験方法
1. 真菌(Aspergillus flavus)、細菌(Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌)Escherichia coli (大腸菌)、Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌)など混在)を準備する。
2. 下記濃度の菌原液を調製する。
真菌:105〜106 cfu/ml、細菌:107〜108 cfu/ml
3. 検体5mlに上記の菌原液を50μl加えてよく混合する。
4. 検体を所定の温度(真菌=30℃、細菌=35℃)で静置保存して菌の増殖を促す。
5. 2週間後に菌数を確認して汚染度を判定する。
判定基準
Figure 2017082164

汚染度が0または1の検体を効果ありとした。
試験結果
Figure 2017082164
Figure 2017082164
表2および3に示すように、防菌防カビ剤の添加によって撥水撥油剤組成物における微生物の増殖が抑制されることが判明した(実施例3および4と比較例3および4参照)。防菌防カビ剤の添加に加えて、含フッ素重合体の水系分散体のカチオン強度が上昇した場合には、微生物の増殖がさらに抑制されることが判明した(実施例1および2)。また、防菌防カビ剤を添加せずに、水系分散体のカチオン強度のみで微生物の増殖を抑制するためには、3.0ミリモル/100g程度のカチオン強度が必要であることが判明した。
また、防菌防カビ剤および水系分散体のカチオン強度は撥水撥油剤組成物の撥水撥油性を低減せず、その性能を損なわないことが判明した。
本発明の撥水撥油剤組成物は、製造時または適用時に真菌や細菌によって汚染された水や器具を用いても、それら微生物の増殖が抑制されて高い保存安定性が発揮される。したがって、さまざまな環境下で製造することができ、例えば繊維製品、石材、フィルター、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、およびプラスターなどに使用することができる。

Claims (10)

  1. 含フッ素重合体の水系分散体と防菌防カビ剤を含有する撥水撥油剤組成物であって、含フッ素重合体の水系分散体のカチオン強度が水系分散体の固形分100gあたり0〜2.5ミリモルである撥水撥油剤組成物。
  2. ノニオン性界面活性剤を含む請求項1記載の撥水撥油剤組成物。
  3. アニオン性界面活性剤を含む請求項2記載の撥水撥油剤組成物。
  4. カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選択される少なくとも1種を含み、含フッ素重合体の水系分散体のカチオン強度が水系分散体の固形分100gあたり0.1〜2.5ミリモルである請求項1または2記載の撥水撥油剤組成物。
  5. 1×105〜1×107cfu/mlの真菌を含む請求項1〜4のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  6. 1×107〜1×109cfu/mlの細菌を含む請求項1〜4のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  7. 防菌防カビ剤が真菌および細菌の両方の増殖を抑制する一種以上の防菌防カビ剤である請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  8. 防菌防カビ剤がイソチアゾリン系である請求項7記載の撥水撥油剤組成物。
  9. 有効成分濃度1.5〜450ppmの防菌防カビ剤を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物を物品に適用することを含んでなる、処理された物品の製法。
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