JP2017082035A - 硬化性組成物及び塗装物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱及び活性エネルギー線により硬化させて、美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性の良好な塗膜を形成できる硬化性組成物の提供。【解決手段】(A)3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートと、(B)飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物由来の構成単位(b1)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(ただし、飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物を除く。)由来の構成単位(b2)を含む共重合体と、(C)ポリイソシアネートと、(D)光重合開始剤と、を含有し、前記(A)成分及び前記(B)成分の総量に対して、前記(A)成分が20〜30質量%、前記(B)成分が70〜80質量%である硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物及び塗装物品に関する。
従来、高度の美粧性、耐衝撃性等の優れた塗膜性能が要求される車両用などの塗料としては、溶剤型又は水可溶型のアクリル樹脂/メラミン樹脂塗料や、アクリル樹脂/ウレタン樹脂塗料が多く使用されている。しかし、これらの塗料から得られる塗膜の耐擦り傷性は不十分であった。
特許文献1及び2には、多官能(メタ)アクリレート、多価アルコールモノ(メタ)アクリレート重合体、ポリイソシアネート及び光重合開始剤を含有し、紫外線及び熱により硬化させて塗膜を形成できる塗料組成物が記載されている。これらの塗料組成物から形成される塗膜は、美粧性、密着性等は良好であるが、耐アルカリ性が不十分であった。
特許文献3には、水酸基含有アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、光輝性顔料及び硬化剤を含有する熱硬化性の塗料組成物が記載されている。この塗料組成物から形成される塗膜は、耐アルカリ性は良好であるが、塗膜の耐擦り傷性は不十分であった。
特開昭63−113085号公報 特開2003−277684号公報 特開2013−139508号公報
本発明は、熱及び活性エネルギー線により硬化させて、美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性の良好な塗膜を形成できる硬化性組成物、並びに美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性の良好な塗膜を有する塗装物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の成分を特定量配合した、熱及び活性エネルギー線により硬化させて塗膜を形成できる硬化性組成物によって、上記課題解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートと、(B)飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物由来の構成単位(b1)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(ただし、飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物を除く。)由来の構成単位(b2)を含む共重合体と、(C)ポリイソシアネートと、(D)光重合開始剤と、を含有し、前記(A)成分及び前記(B)成分の総量に対して、前記(A)成分が20〜30質量%、前記(B)成分が70〜80質量%である硬化性組成物。
[2]前記(B)成分のガラス転移温度が40〜90℃、重量平均分子量が2000〜7000である前記[1]に記載の硬化性組成物。
[3]前記(B)成分における前記構成単位(b1)の含有量が、全構成単位の合計に対して10〜30質量%である前記[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4]基材の少なくとも一部の表面に、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化物からなる塗膜を有する塗装物品。
本発明によれば、熱及び活性エネルギー線により硬化させて、美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性の良好な塗膜を形成できる硬化性組成物、並びに美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性の良好な塗膜を有する塗装物品を提供できる。
≪硬化性組成物≫
本発明の硬化性組成物(以下、本組成物ともいう。)は、以下の(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する。
本組成物は、必要に応じて、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分以外の他の成分をさらに含有してもよい。
本組成物は、必要に応じて、溶剤をさらに含有してもよい。
<(A)成分>
(A)成分は、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートである。(A)成分は、良好な重合活性を示し、塗膜に耐擦り傷性を付与する成分である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」及び「メタクリル酸」を意味する。
(A)成分としては、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール骨格を有する4官能(メタ)アクリレート;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール骨格を有する5官能(メタ)アクリレート;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール骨格を有する6官能(メタ)アクリレート;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール骨格を有する7官能(メタ)アクリレート;
トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール骨格を有する8官能(メタ)アクリレート;
イソシアヌレート骨格を有するポリイソシアネートとヒドロキシモノ(メタ)アクリレートとを反応させて得られた3官能のウレタントリ(メタ)アクリレート;
イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させて得られたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール骨格を有する4官能以上のウレタンポリ(メタ)アクリレート;
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等のトリメチロールプロパン骨格を有する4官能以上の(メタ)アクリレート;
トリメチロ−ルエタンとコハク酸と(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステルポリ(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
上記の中でも、硬化性、耐擦り傷性、コストの観点から、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
(A)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
<(B)成分>
(B)成分は、以下の構成単位(b1)及び構成単位(b2)を含む共重合体である。(B)成分は、構成単位(b1)及び構成単位(b2)以外の他の構成単位をさらに含んでもよい。
構成単位(b1)は、飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物由来の構成単位である。構成単位(b1)は、(B)成分に疎水性を付与し、塗膜の耐アルカリ性を向上させることができる。
飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物としては、特に限定されないが、(B)成分に疎水性を付与する観点から、飽和脂肪酸残基の炭素数が10以上であるものが好ましい。飽和脂肪酸残基は、飽和脂肪酸のカルボキシ基からOHを除いた基(アシル基)である。
飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物としては、飽和脂肪酸グリシジルエステルの入手しやすさから、ネオデカン酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物が特に好ましい。
(B)成分における構成単位(b1)の含有量は、耐アルカリ性、他成分との相溶性がより良好となることから、全構成単位の合計に対して、10〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。
構成単位(b2)は、水酸基含有(メタ)アクリレート(ただし、飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物を除く。)由来の構成単位である。
水酸基含有(メタ)アクリレート(ただし、飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物を除く。)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アクリレート等が挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
(B)成分における構成単位(b2)の含有量は、耐擦傷性がより良好となることから、全構成単位の合計に対して、10〜60質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。
構成単位(b1)及び構成単位(b2)以外の他の構成単位としては、例えば、飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物及び水酸基含有(メタ)アクリレート以外の他のビニル系単量体に由来する構成単位が挙げられる。
他のビニル系単量体としては、水酸基含有(メタ)アクリレート等と共重合可能なものであればよく、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の二塩基酸及びそのエステル;スチレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレン、エチルスチレン等の置換又は無置換のスチレン;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、及び塩化ビニル等が挙げられる。他のビニル系単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
(B)成分における他の構成単位の含有量は、全構成単位の合計に対して、耐アルカリ性と耐擦傷性の観点から、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。
(B)成分のガラス転移温度は、40〜90℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内であれば、塗膜硬度と樹脂粘度、塗膜外観のバランスがより良好となる。
(B)成分のガラス転移温度は、後述する実施例に示す方法により求められる。
(B)成分の質量平均分子量は、2000〜7000が好ましく、2000〜5000がより好ましい。質量平均分子量が上記範囲内であれば、塗膜の耐擦り傷性とレベリング性がより良好となる。
(B)成分の質量平均分子量は、後述する実施例に示す方法により測定される。
(B)成分の水酸基価は、60〜180mgKOH/gであることが好ましく、100〜180mgKOH/gがより好ましい。水酸基価が上記範囲内であれば、塗膜の耐擦り傷性と耐衝撃性がより良好となる。
(B)成分の水酸基価は、後述する実施例に示す方法により測定される。
(B)成分は、例えば次の(1)、(2)又は(3)の方法で製造することができる。
(1)飽和脂肪酸グリシジルエステルの存在下で、(メタ)アクリル酸と、水酸基含有(メタ)アクリレートと、必要に応じて他の単量体を含む単量体成分を(共)重合させ、重合反応中に飽和脂肪酸グリシジルエステルを(メタ)アクリル酸に付加させる方法。
(2)飽和脂肪酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られた飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物と、水酸基含有(メタ)アクリレートと、必要に応じて他の単量体を含む単量体成分を(共)重合させる方法。
(3)(メタ)アクリル酸と、水酸基含有(メタ)アクリレートと、必要に応じて他の単量体を含む単量体成分を(共)重合させて得られた共重合体のカルボキシ基に、飽和脂肪酸グリシジルエステルのエポキシ基を反応させる方法。
飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物又はこれ由来の構成単位を得るために使用される(メタ)アクリル酸の量は、脂肪酸グリシジルエステル1モルに対して0.8〜1.2モルが好ましく、0.9〜1.1モルがより好ましく、1モル(等モル)が特に好ましい。
上記の方法の中でも、製造工程数の観点から(1)の方法が好ましく、その重合温度は140℃以上170℃以下が好ましい。
(B)成分を製造するための重合においては、重合開始剤を用いてもよい。
重合開始剤としては、有機過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、特に制限ないが、単量体成分の総量100質量部に対して0.5〜15質量部が好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は、ポリイソシアネートである。(C)成分は、熱により(B)成分と反応させ、(B)成分を架橋させることを目的として用いられる。
(C)成分としては、脂肪族又は脂環式のポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。代表的なものとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートと多価アルコール及び/又は低分子量のポリエステルポリオールとの反応物、ヘキサメチレンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートの重合体であるイソシアヌレート体、ビューレット体等が挙げられる。また、これらの重合体におけるイソシアネート基が水酸基を有する化合物等でマスクされたブロックイソシアネートも好ましく用いられる。また、上記以外のジイソシアネート化合物の重合体等の種々のポリイソシアネート化合物も使用できる。(C)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
<(D)成分>
(D)成分は、光重合開始剤である。(D)成分は、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生するので、(A)成分を反応させ、架橋させることを目的に配合される。
(D)成分の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;
t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアセトフェノン類;
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等のα−アミノアセトフェノン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド誘導体;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;
メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。(D)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの中でも、コストの観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。
<他の成分>
本組成物は、塗膜の耐候性を高める目的で、紫外線吸収剤及び光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、塗膜の耐候性を向上させることができるものであれば特に限定されないが、本組成物中において(A)成分や必要に応じて配合される有機溶剤に対して溶解するものが好ましい。本組成物中での溶解性が高く、耐候性が良好である観点から、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、安息香酸フェニル系から誘導される化合物であって、最大吸収波長が240〜380nmの範囲である紫外線吸収剤が好ましい。
光安定剤の具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−メチル−8−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ビス[N−ブチル−(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、セバシン酸とビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチロキシ)−4−ピペリジニル)エステルの反応物等が挙げられる。
この中でもコストの観点から、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートと、1−メチル−8−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとの混合物が好ましい。この混合物としては、例えば市販品のチヌビン(登録商標)292(BASFジャパン社製)が利用できる。
本組成物は、ハジキ防止、塗膜の平滑性を得る目的で、レベリング剤を含有してもよい。レベリング剤としては、例えばフッ素系、シリコン系、アクリル系のものが挙げられる。この中でも、リコート性を得るために、アクリル系のレベリング剤が好ましい。
本組成物は、消泡剤、沈降防止剤、潤滑剤、研磨剤、防錆剤、帯電防止剤、増感剤、重合禁止剤、酸化防止剤、防雲剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、乾燥剤、付着促進剤、皮膜改質剤、スリップ剤、擦り傷防止剤、可塑剤、艶消し剤、低収縮剤、防菌剤、防カビ剤、防汚剤、難燃剤、硬化促進剤、劣化防止剤、光重合促進剤、熱開始剤、ポリプロピレン(PP)付着付与剤(塩素化PP)、チキソ剤、染料、顔料、微粒子、反応性微粒子、殺菌剤等の添加剤を含有してもよい。
<溶剤>
溶剤の具体例としては、エタノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系溶剤;等が挙げられる。
<各成分の含有量>
本組成物における(A)成分の含有量は、耐擦り傷性と耐衝撃性の観点から、(A)成分及び(B)成分の総量(100質量%)に対して20〜30質量%であり、耐擦り傷性と耐衝撃性のバランスがさらに良好となることから、25〜30質量%が好ましい。
本組成物における(B)成分の含有量は、耐擦り傷性と耐衝撃性の観点から、(A)成分及び(B)成分の総量に対して70〜80質量%であり、耐擦り傷性と耐衝撃性のバランスがさらに良好となることから、70〜75質量%が好ましい。
本組成物における(C)成分の含有量は、(B)成分の水酸基のモル数に応じて決定される。塗膜の硬化性と耐擦り傷性の観点から、(B)成分の水酸基1当量に対して、(C)成分のイソシアネート基が0.5〜1.5当量となる量が好ましく、0.8〜1.2当量となる量がより好ましい。
本組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。(D)成分の含有量が多いほど、本組成物の硬化性、塗膜の硬度が向上する傾向がある。しかし、(D)成分は高価であるので、少ないほど本組成物の製造コストを下げることができる。
本組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、本組成物における紫外線吸収剤の含有量は、硬化性並びに塗膜の耐磨耗性及び耐候性(耐黄変)の観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
本組成物が光安定剤を含有する場合、本組成物における光安定剤の含有量は、塗膜の耐候性(耐クラック性)の観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。
<作用効果>
本組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分を含有し、(A)成分及び(B)成分の含有量が特定の範囲内であるため、熱及び活性エネルギー線により硬化させることができ、また、本組成物を硬化させて形成される塗膜は、美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性が良好である。
そのため、本組成物を基材に塗布し、硬化させることで、美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性の良好な塗膜を有する塗装物品が得られる。
≪塗装物品≫
本発明の塗装物品(以下、本塗装物品ともいう。)は、基材の少なくとも一部の表面に、本組成物の硬化物からなる塗膜を有する。
塗膜の膜厚は、特に限定するものではないが、10〜60μmが好ましい。
基材としては、特に制限なく、例えば、構造物、木製品、金属製品、プラスチック製品、ゴム製品、加工紙、セラミック製品、ガラス製品等が挙げられる。より具体的には、自動車、自動車用部品(例えば、ボディー、バンパー、スポイラー、ミラー、ホイール、内装材等の部品であって、各種材質のもの)、鋼板等の金属板、二輪車、二輪車用部品、道路用資材(例えば、ガードレール、交通標識、防音壁等)、トンネル用資材(例えば、側壁板等)、船舶、鉄道車両、航空機、家具、楽器、家電製品、建築材料、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具等が挙げられる。中でも自動車、自動車用部品、二輪車、二輪車用部品等の車両用途が好適である。
本塗装物品の製造方法は、特に限定するものではないが、例えば、以下の塗布工程、乾燥工程、加熱工程及び活性エネルギー線照射工程を含む製造方法が挙げられる。
塗布工程では、基材の少なくとも一部の表面に本組成物を塗布する。
本組成物の塗布方法としては、例えば、ハケ塗り、スプレーコート法、ディップコート法、スピンコート法、フローコート法等が挙げられる。特に、塗布作業性、塗膜の平滑性、均一性の点から、スプレーコート法が好ましい。
乾燥工程では、塗布工程で塗布した本組成物から溶剤を揮発させたり、熱硬化成分を一部反応させる。ここで、熱硬化成分の反応とは、(B)成分と(C)成分等を反応させることをいう。
乾燥工程では、通常、赤外線(IR)ヒーターや温風乾燥機を用いて加熱が行われる。加温条件は、例えば、40〜150℃で1〜10分間程度である。
加熱工程では、乾燥工程で反応していなかった熱硬化成分を反応させる。加温条件は、例えば、50〜200℃で1〜10分間程度である。
活性エネルギー線照射工程では、(D)成分からラジカルを発生させ、(A)成分等を重合、硬化させる。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が使用できる。照射条件は、波長340〜380nmにおける照射強度が50〜250mW/cm、積算光量が100〜4000mJ/cmが適当である。
なお、加熱工程と活性エネルギー線照射工程の順序は特に制限されるものではなく、加熱工程を行ってから活性エネルギー線照射工程を行ってもよく、活性エネルギー線照射工程を行ってから加熱工程を行ってもよい。
上記の製造方法において、加熱工程及び活性エネルギー線照射工程のどちらかの一方の工程を省略してもよい。塗膜の耐擦り傷性の点では、加熱工程及び活性エネルギー線照射工程の両方を行うことが好ましい。
<作用効果>
本塗装物品が有する、本組成物の硬化物からなる塗膜は、美粧性、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性が良好である。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。ただし以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。「%」は、特に規定のない場合、「質量%」を意味する。
また、重合体の特性(ガラス転移温度、質量平均分子量、水酸基価)の測定方法、得られた塗膜の評価方法は以下の通りである。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度は、Fox式(T.G.Fox,Bull.Am.Physics Soc.、第1巻、第3号、123ページ(1956))を用いることにより計算した。
複数の異なる単量体単位を含む共重合体のガラス転移温度については以下の計算式を用いて求めることができる。
1/Tg=Σ[w(Mi)/Tg(Mi)]
(式中、w(Mi)は、共重合体を構成する単量体単位Miの質量分率であり、Tg(Mi)は、Miの単独重合体のガラス転移温度である)。
なお、単独重合体のガラス転移温度は、ポリマーハンドブック「PolymerHandBook,J.Brandrup,Interscience,1998」に記載されている値を用いて求めることができる。記載のない場合、示差走査熱量計等の測定値を用いて計算することができる。
ネオデカン酸グリシジルのアクリル酸付加物の単独重合体のTgは−55℃で計算を行った。
(質量平均分子量)
質量平均分子量は以下の方法で測定した。
重合体のテトラヒドロフラン溶液(固形分0.4%)を調製した後、TOSO社製カラム(GE4000HXL及びG2000HXL)が装着されたTOSO社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置に上記の溶液100μLを注入し、流量:1mL/分、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィーを行い、標準ポリスチレン換算の質量平均分子量を求めた。
(水酸基価)
水酸基価は、以下の計算式を用いて求めた。
水酸基価(mgKOH/g)=56100(mgKOH/mol)×Σ[w(b2)/(100×Mb2)]
(式中、w(b2)は、共重合体を構成する単量体(b2)の質量分率であり、Mb2は、単量体(b2)の水酸基当量(g/mol)である)。)
単量体(b2)は、構成単位(b2)に対応する単量体である。
なお、この水酸基価は、共重合体の製造に使用した単量体(b2)量から求めた計算値であり、構成単位(b1)由来の水酸基量は含まない。
(塗膜の外観)
得られた塗膜の60°鏡面光沢度を、変角光沢計(日本電色工業製VG−7000)を用いて測定した。測定した60°鏡面光沢度から、以下の基準で塗膜の外観を判定した。
「○」:95以上。
「×」:95未満。
(耐擦り傷性)
得られた塗膜の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4:1999(塗料一般試験法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法))に従って測定した。測定した鉛筆硬度から、以下の基準で塗膜の耐擦り傷性を判定した。
「○」:F以上。
「×」:HB以下。
(耐衝撃性)
得られた塗装物品を、塗膜面を上側にしてデュポン式衝撃試験器の支持台の上に乗せ、半径6.35mmの半球形の先端を持った撃芯を塗膜面に乗せた。撃芯の上に500gのおもりを20cmの高さから落下させた。その後、塗膜のくぼみ部分(撃芯の先端が当たっていた部分)及びその周辺の状態を目視で観察し、以下の基準で塗膜の耐衝撃性を判定した。
「○」:くぼみ部分及びその周辺に、われ、はがれがない。
「×」:くぼみ部分やその周辺に、われ、はがれが見られる。
(耐アルカリ性)
塗膜の上に内径25mm、高さ15mmのポリエチレン製円筒を置き、ゴムバンド等の圧着器で塗膜に強く密着させた。その開口部に1/10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL滴下し、55℃に保持した乾燥機中に4時間放置する試験を行った。試験後、塗膜を水洗し、水酸化ナトリウム水溶液に接触していた部分の塗膜の状態を目視で観察し、以下の基準で塗膜の耐アルカリ性を判定した。
「○」:塗膜に変化がない。
「×」:塗膜にふくれが見られる。
<製造例1:重合体(PA−1)の合成>
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル32部、ネオデカン酸グリシジルエステル(カージュラE10P、モメンティブ社製)14部を仕込み、窒素ガス通気下で1時間かけて170℃に昇温した。170℃に達した後、スチレン46部、メチルメタクリレート8.5部、アクリル酸5部、ヒドロキシエチルメタクリレート26.5部、初期開始剤としてパーブチル(登録商標)D(重合開始剤、日油社製)5.6部からなる組成の単量体混合物を2時間かけて滴下した。次いで、1時間かけて125℃に降温し、酢酸ブチル5部とパーブチルO(重合開始剤、日油社製、商品名)0.3部の混合物を30分かけて滴下した。125℃で1時間保持後、冷却し、酢酸ブチルを5.7部加えて、重合体(PA−1)を得た。得られた重合体(PA−1)の固形分は70%、ガラス転移温度は46℃、質量平均分子量は4500、水酸基価は115mgKOH/gであった。
<製造例2:重合体(PA−2)の合成>
初期仕込みにネオデカン酸グリシジルエステルを加えず酢酸ブチル32部だけとしたこと、昇温後、スチレン46部、メチルメタクリレート27.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート26.5部、パーブチルD5.6部からなる組成の単量体混合物を2時間かけて滴下したこと、および重合が完了し、冷却した後の酢酸ブチルの添加量を19.4部としたこと以外は製造例1と同様の操作を行い、重合体(PA−2)を得た。得られた重合体(PA−2)の固形分は65%、ガラス転移温度は88℃、質量平均分子量は3000、水酸基価は115mgKOH/gであった。
<製造例3:重合体(PA−3)の合成>
昇温後に滴下する単量体混合物の組成を、スチレン46部、メチルメタクリレート8.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート26.5部、アクリル酸19部、パーブチルD5.6部からなる組成にしたこと以外は製造例2と同様の操作を行い、重合体(PA−3)を得た。得られた重合体(PA−3)の固形分は65%、ガラス転移温度は88℃、質量平均分子量は3900、水酸基価は115mgKOH/gであった。
<実施例1>
表1に示す各成分(表中の数値は質量部)を混合し、約30分間、全体が均一になるまで撹拌して液状の熱及び活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
この硬化性組成物を、リン酸亜鉛処理鋼板/メラミンベース/メラミントップの構成からなる積層体上に、エアースプレーコートで、硬化後の膜厚が30〜40μmになるように塗布し、乾燥機で80℃3分間の乾燥を行って溶剤を揮発させ、乾燥膜を形成した。次いで、この乾燥膜に対し、空気中でメタルハライドランプを用い、波長340〜380nmにおける照射強度が80mW/cm、積算光量が1000mJ/cmの条件で紫外線を照射して硬化させ、その後、乾燥機中で120℃5分間熱硬化させて塗膜(硬化膜)を形成し、塗装物品を得た。評価結果を表1に示す。
<実施例2〜3、比較例1〜4>
表1〜2に示す配合比としたこと以外は実施例1と同様にして、熱及び活性エネルギー線硬化性組成物を調製し、塗装物品を作製した。評価結果を表1〜2に示す。
Figure 2017082035
Figure 2017082035
表1〜2中、(B)成分の配合量は、非固形分も含めた量である。(A):(B)は、(A)成分と(B)成分との固形分換算での質量比を示す。
表1〜2中の略号は、以下の化合物を表す。
「DPHA」:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物(商品名:KAYARAD(登録商標) DPHA、日本化薬社製)。
「THEICTA」:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(商品名:NKエステルA−9300S、新中村化学工業社製)。
「PETA」:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(商品名:NKエステルA−TMMT、新中村化学工業社製)。
「PU−610」:6官能脂肪族ウレタンアクリレート(商品名:MIRAMER(登録商標) PU−610、MIWON社製)。
「N3300」:ヘキサメチレンジイソシアネート型イソシアヌレート(商品名:スミジュール(登録商標)N3300、住化バイエルウレタン社製)。
「HCPK」:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:LUNACURE(登録商標)200、DKSHジャパン社製)。
「Tinuvin292」:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートと1−メチル−8−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとの混合物(商品名:Tinuvin292、BASFジャパン社製)。
「TinuvinPS」:2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(商品名:TinuvinPS、BASFジャパン社製)。
「Modaflow Resin」:アクリル系レベリング剤(商品名:Modaflow Resin、CYTEC社製)。
「PMA」:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(商品名:PMA、KHネオケム社製)。
「BuAc」:酢酸ブチル(商品名:酢酸ブチル、ダイセル社製)。
「Xy」:キシレン(商品名:キシロール、大伸化学社製)。
「T−SOL−100」:芳香族炭化水素系溶剤(商品名:T−SOL−100、東燃ゼネラル石油社製)。
上記結果に示すとおり、実施例1〜3の硬化性組成物から形成された塗膜は、外観(美粧性)、耐擦り傷性、耐衝撃性及び耐アルカリ性が良好であった。
一方、(A)成分及び(B)成分の総量に対して(A)成分が20質量%未満、(B)成分が80質量%超である比較例1の硬化性組成物から形成された塗膜は、耐擦り傷性及び耐アルカリ性に劣っていた。
(A)成分及び(B)成分の総量に対して(A)成分が30質量%超、(B)成分が70質量%未満である比較例2の硬化性組成物から形成された塗膜は、耐衝撃性に劣っていた。
(B)成分が飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物由来の構成単位を有さない比較例3〜4の硬化性組成物から形成された塗膜は、外観及び耐アルカリ性に劣っていた。

Claims (4)

  1. (A)3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートと、
    (B)飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物由来の構成単位(b1)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(ただし、飽和脂肪酸グリシジルエステルの(メタ)アクリル酸付加物を除く。)由来の構成単位(b2)を含む共重合体と、
    (C)ポリイソシアネートと、
    (D)光重合開始剤と、
    を含有し、
    前記(A)成分及び前記(B)成分の総量に対して、前記(A)成分が20〜30質量%、前記(B)成分が70〜80質量%である硬化性組成物。
  2. 前記(B)成分のガラス転移温度が40〜90℃、重量平均分子量が2000〜7000である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(B)成分における前記構成単位(b1)の含有量が、全構成単位の合計に対して10〜30質量%である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 基材の少なくとも一部の表面に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物からなる塗膜を有する塗装物品。
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