JP2017081848A - 水中油型皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性及び透明性の経時安定性に優れ、且つ、低温での析出抑制に優れる水中油型皮膚外用剤の提供。【解決手段】ショ糖脂肪酸エステル(A)と、構成脂肪酸がイソステアリン酸又はオレイン酸であり、HLB値が10〜15である、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のノニオン型界面活性剤(B)と、屈折率が1.440以下であり、1個又は2個のエステル結合を有する25℃で液状の油剤(C)と、を含有する水中油型皮膚外用剤。【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型皮膚外用剤に関する。
油相を構成する分散粒子が水相中に分散した水中油型の乳化組成物が、化粧料等の皮膚外用剤の分野で汎用されている。近年では、乳化組成物を皮膚外用剤として用いる場合における油相の皮膚浸透性等を考慮して、微細な分散粒子を含む乳化組成物が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、親水性ショ糖脂肪酸エステルを含有する水相にポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油相を加えて調製された予備エマルジョンを高圧下で微細化して得たナノ乳化粒子と、水溶性高分子と、を含有する皮膚外用剤が開示されている。
特許文献2には、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値が12以上の親水性界面活性剤、油分、多価アルコール、及び水からなる予備乳化液に高圧乳化処理を行って得られる、平均粒径が10nm〜100nmである分散粒子を含有する乳化液が開示されている。
特許文献3には、I/O(Inorganic/Organic)値が0.15以下の油剤及び油溶性酸化防止剤を含有する油相と、水溶性酸化防止剤を含有する水相と、を含み、分散粒子の平均粒径が120nm以下である水中油型エマルション組成物が開示されている。
特開2006−273821号公報 特開2011−1289号公報 特開2014−201558号公報
皮膚外用剤として用いられる水中油型の乳化組成物には、透明性が要求される場合がある。透明性を高める方法としては、屈折率の小さい油剤を使用することのほかに、分散粒子を微細化することが考えられる。また、透明性の経時安定性を高める方法としては、微細な分散粒子を安定的に分散させる乳化剤を使用することが考えられる。
ここで、上述した特許文献1には、乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとを併用した例が記載されている。特許文献2には、乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステルを使用した例、及びポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した例が記載されている。特許文献3には、乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した例、及びショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとを併用した例が記載されている。
そこで、本発明者らが乳化剤について鋭意検討したところ、乳化剤の中でもショ糖脂肪酸エステルが、透明性及び透明性の経時安定性を高めるのに適していることを見出した。その一方で、乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを使用した場合には、乳化組成物を低温(例えば4℃)で保管した場合に、析出物が発生し易いことが判明した。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、透明性及び透明性の経時安定性に優れ、且つ、低温での析出物の発生が抑制される水中油型皮膚外用剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> ショ糖脂肪酸エステル(A)と、
構成脂肪酸がイソステアリン酸又はオレイン酸であり、HLB値が10〜15である、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のノニオン型界面活性剤(B)と、
屈折率が1.440以下であり、1個又は2個のエステル結合を有する25℃で液状の油剤(C)と、
を含有する水中油型皮膚外用剤。
<2> ショ糖脂肪酸エステル(A)が、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載の水中油型皮膚外用剤。
<3> ショ糖脂肪酸エステル(A)のHLB値が9〜16である、<1>又は<2>に記載の水中油型皮膚外用剤。
<4> ショ糖脂肪酸エステル(A)の含有量が、ノニオン型界面活性剤(B)の含有量に対して1質量倍〜4質量倍である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の水中油型皮膚外用剤。
<5> 油剤(C)が、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸エチルヘキシル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、及びアジピン酸ジイソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の水中油型皮膚外用剤。
<6> 油相中における油剤(C)の含有率が20質量%〜80質量%である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水中油型皮膚外用剤。
<7> 油相の含有率が、水中油型皮膚外用剤の全量に対して0.5質量%〜25質量%である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の水中油型皮膚外用剤。
<8> 油相の含有量が、ショ糖脂肪酸エステル(A)及びノニオン型界面活性剤(B)の合計の含有量に対して1質量倍〜5質量倍である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の水中油型皮膚外用剤。
本発明によれば、透明性及び透明性の経時安定性に優れ、且つ、低温での析出物の発生が抑制される水中油型皮膚外用剤を提供することができる。
以下、本発明を適用した水中油型皮膚外用剤の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において水中油型皮膚外用剤中の各成分の量は、各成分に該当する物質が水中油型皮膚外用剤中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、水中油型皮膚外用剤中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「水相」とは、水中油型皮膚外用剤の連続相を意味し、連続相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分とを含む。
本明細書において「油相」とは、水中油型皮膚外用剤の分散相を意味し、分散相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分とを含む。
<水中油型皮膚外用剤>
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、ショ糖脂肪酸エステル(A)と、構成脂肪酸がイソステアリン酸又はオレイン酸であり、HLB値が10〜15である、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のノニオン型界面活性剤(B)(以下、「特定ノニオン型界面活性剤」ともいう。)と、屈折率が1.440以下であり、1個又は2個のエステル結合を有する25℃で液状の油剤(C)(以下、「特定油剤」ともいう。)と、を含有する。
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、ショ糖脂肪酸エステル及び特定ノニオン型界面活性剤を含有するため、屈折率の低い特定油剤を含む微細な分散粒子を安定的に分散させることが可能となり、透明性及び透明性の経時安定性に優れる。また、本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、低温で析出物を発生させ易いショ糖脂肪酸エステルを特定ノニオン型界面活性剤とともに含有するため、低温での析出物の発生が抑制される。
なお、本発明者らによる検討の結果、特定ノニオン型界面活性剤以外の他のノニオン型界面活性剤をショ糖脂肪酸エステルとともに用いて水中油型皮膚外用剤を調製した場合には、低温で保管したときに析出物が発生することが明らかになっている。ショ糖脂肪酸エステルと特定ノニオン型界面活性剤とを併用した場合に低温での析出物の発生が抑制されることは、驚くべきことである。
以下、本実施形態の水中油型皮膚外用剤が含有し得る成分について、詳細に説明する。
[ショ糖脂肪酸エステル(A)]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、ショ糖脂肪酸エステルを含有する。本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、ショ糖脂肪酸エステルを1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
ショ糖脂肪酸エステルは、1分子中のエステル結合が1個である化合物(すなわち、モノ脂肪酸エステル)であってもよく、1分子中のエステル結合が2個以上である化合物(すなわち、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル等)であってもよく、エステル結合の数が異なる2種以上の化合物の混合物であってもよい。
ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、1分子中に1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸の平均炭素数は、両親媒性を示す観点から、例えば、8〜20であることが好ましく、10〜18であることがより好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、乳化分散性の観点から、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、パルミチン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びステアリン酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、ステアリン酸スクロースを含むことが更に好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、乳化分散性の観点から、例えば、9〜16であることが好ましく、10〜12であることがより好ましい。
HLB値は、通常、界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスを意味する。HLB値は、通常用いる計算式、例えば川上式を使用して計算することができるが、これに限定されない。本明細書においては、計算式として下記の川上式を採用する。下記の式からも分かるように、HLB値の加成性を利用して、任意のHLB値の界面活性剤を得ることができる。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
Mwは親水基の分子量であり、Moは疎水基の分子量である。
なお、ショ糖脂肪酸エステルとして市販品を使用し、且つ、カタログ等の文献において、その市販品のHLB値が明確に示されている場合には、HLB値としては、カタログ等の文献に示された値を採用することができる。一方、ショ糖脂肪酸エステルが市販品ではない場合、或いは、市販品であってもHLB値がカタログ等の文献に明確に示されていない場合には、上記の川上式によって求められる値を採用することができる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、市販品を使用することもできる。ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、三菱化学フーズ(株)のリョートー(登録商標)シュガーエステル S−970、S−1170、S−1170F、S−1570、S−1670、P−1570、P−1670、M−1695、O−1570、OWA−1570、L−1695、LWA−1570;第一工業製薬(株)のDKエステル(登録商標)F160、F140、F110、F90、コスメライク(登録商標)S−110、S−160、P−160、M−160、O−150、L−160、L−150A、L−160A等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルの含有率は、水中油型皮膚外用剤の全量に対して、例えば、0.01質量%〜15質量%であることが好ましく、0.05質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜7質量%であることが更に好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの含有率が0.01質量%以上であると、水中油型皮膚外用剤の乳化分散性が向上する傾向にあり、ショ糖脂肪酸エステルの含有率が15質量%以下であると、水中油型皮膚外用剤を低温で保管したときの析出物の発生がより抑制される傾向にある。
また、ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、乳化分散性及び低温での析出抑制効果の観点から、後述する特定ノニオン型界面活性剤の含有量に対して、例えば、1質量倍〜4質量倍であることが好ましく、2質量倍〜3質量倍であることがより好ましい。
[ノニオン型界面活性剤(B)]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、構成脂肪酸がイソステアリン酸又はオレイン酸であり、HLB値が10〜15である、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の特定ノニオン型界面活性剤を含有する。
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、1分子中のエステル結合が1個である化合物(すなわち、モノ脂肪酸エステル)であってもよく、1分子中のエステル結合が2個以上である化合物(すなわち、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル等)であってもよく、エステル結合の数が異なる2種以上の化合物の混合物であってもよい。
特定ノニオン型界面活性剤として具体的には、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ジオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。
特定ノニオン型界面活性剤のHLB値は、10〜15であり、乳化分散性の観点から、12〜15であることが好ましい。
なお、特定ノニオン型界面活性剤として市販品を使用し、且つ、カタログ等の文献において、その市販品のHLB値が明確に示されている場合には、HLB値としては、カタログ等の文献に示された値を採用することができる。一方、特定ノニオン型界面活性剤が市販品ではない場合、或いは、市販品であってもHLB値がカタログ等の文献に明確に示されていない場合には、川上式によって求められる値を採用することができる。
特定ノニオン型界面活性剤としては、乳化分散性及び低温での析出抑制効果の観点から、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、使用感の観点から、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、着色をより抑える観点から、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルを含むことが更に好ましい。
特定ノニオン型界面活性剤におけるオキシエチレン基の平均付加モル数は、HLB値が10〜15の範囲内となる限り、特に制限されない。
特定ノニオン型界面活性剤としては、市販品を使用することもできる。特定ノニオン型界面活性剤の市販品としては、日本エマルジョン(株)のEMALEX(登録商標) GWIS−108、GWIS−110、GWIS−115、GWIS−120、GWIS−125、GWIS−130、GWIS−140、GWIS−110EX、GWIS−120EX、GWIS−130EX、GWIS−140EX、GWIS−220EX、GWIS−230EX、GWIS−260EX、GWIS−330、GWIS−340、GWIS−350、GWIS−360、GWIS−330EX、GWIS−340EX;日光ケミカルズ(株)のNIKKOL(登録商標) TMGO−15、TO−10V、TI−10V;日油(株)のユニオックス(登録商標) GM−8IS、GM−10IS、GM−15IS、GT−20IS、GT−30IS、ノニオン(登録商標) OT−206、OT−521等が挙げられる。
特定ノニオン型界面活性剤の含有率は、水中油型皮膚外用剤の全量に対して、例えば、0.01質量%〜15質量%であることが好ましく、0.05質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜5質量%であることが更に好ましい。特定ノニオン型界面活性剤の含有率が0.01質量%以上であると、水中油型皮膚外用剤を低温で保管したときの析出物の発生が抑制される傾向にある。
[油剤(C)]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、屈折率が1.440以下であり、1個又は2個のエステル結合を有する25℃で液状の特定油剤を含有する。本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、特定油剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。なお、本明細書において「25℃で液状」とは、常圧下における融点が25℃未満であることを意味する。
特定油剤の屈折率が1.440以下であることにより、水中油型皮膚外用剤の透明性を高めることができる。特定油剤の屈折率は、水中油型皮膚外用剤の透明性を高める観点から、水の屈折率(1.333)に近いことが好ましい。通常、特定油剤の屈折率は1.375以上である。
なお、屈折率の測定方法は特に限定されないが、本明細書における屈折率は、アッベ屈折計を用いて、20℃で測定される値を採用している。アッベ屈折計としては、例えば、光源に発光ダイオード(ナトリウムD線波長近似)を用いた、(株)アタゴのNAR−2Tが挙げられる。
特定油剤の分子量は、特に制限されない。特定油剤の分子量は、例えば、400以下であり、200〜400の範囲であってもよい。
特定油剤としては、例えば、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸エチルヘキシル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、及びアジピン酸ジイソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。特定油剤としては、乳化分散性の観点から、ジカプリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、及びアジピン酸ジイソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、使用感の観点から、ジカプリン酸プロピレングリコール及びミリスチン酸イソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
特定油剤としては、市販品を使用することもできる。特定油剤の市販品としては、日光ケミカルズ(株)のNIKKOL(登録商標) PDD(ジカプリン酸プロピレングリコール、屈折率:1.440)、NIKKOL(登録商標) IPIS(イソステアリン酸イソプロピル、屈折率:1.430)、NIKKOL(登録商標) IPM−EX(ミリスチン酸イソプロピル、屈折率:1.434)、NIKKOL(登録商標) DES−SP(セバシン酸ジエチル、屈折率:1.437)、NIKKOL(登録商標) IPP(パルミチン酸イソプロピル、屈折率:1.437);日本精化(株)のDIA(アジピン酸ジイソプロピル、屈折率:1.425)、IPSE(セバシン酸ジイソプロピル、屈折率:1.433);高級アルコール工業(株)のネオライト100P(ネオペンタン酸イソデシル、屈折率:1.430)、ES108109(イソノナン酸エチルヘキシル、屈折率:1.436)、KAK NDO(ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、屈折率:1.440);日清オイリオグループ(株)のサラコス(登録商標)99(イソノナン酸イソノニル、屈折率:1.436)等が挙げられる。
特定油剤の含有率は、油相の全量に対して、例えば、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜70質量%であることが更に好ましい。特定油剤の含有率が油相の全量に対して10質量%以上であると、水中油型皮膚外用剤の透明性が向上する傾向にあり、特定油剤の含有率が油相の全量に対して90質量%以下であると、透明性の経時安定性が向上する傾向にある。
[他の油剤]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、前述した特定油剤以外に、25℃で液状の他の油剤を含有していてもよい。他の油剤としては、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸;コレステロール、フィトステロール等のステロール;トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコトリエノール等のトコフェロール及びその誘導体;ジメチルポリシロキサン(「ジメチコン」とも称される)、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コーン油、ホホバ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;などが挙げられる。
他の油剤としては、透明性の経時安定性を高める観点から、炭化水素油を含むことが好ましく、スクワランを含むことがより好ましい。
本実施形態の水中油型皮膚外用剤が他の溶剤として炭化水素油を含有する場合、炭化水素油の含有量は、特定油剤の含有量に対して、0.05質量倍〜5質量倍であることが好ましく、0.1質量倍〜3質量倍であることがより好ましい。
[水]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、水を含有する。水は、水中油型皮膚外用剤の水相を構成する組成物において、溶媒又は分散媒となる成分である。水としては、皮膚外用剤に適用し得る水であれば特に制限されない。
水の含有率は、水中油型の形態を得る観点から、水中油型皮膚外用剤の全量に対して、例えば、60質量%〜99質量%であることが好ましく、70質量%〜97質量%であることがより好ましい。
[1価の低級アルコール]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、炭素数2〜4の1価の低級アルコールを含有していてもよい。水中油型皮膚外用剤が1価の低級アルコールを含有することにより、水中油型皮膚外用剤の乳化分散性及び使用感を調整することができる。水中油型皮膚外用剤は、1価の低級アルコールを1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
1価の低級アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられ、エタノールが好ましい。
本実施形態の水中油型皮膚外用剤が1価の低級アルコールを含有する場合、1価の低級アルコールの含有率は、乳化分散性及び使用感の観点から、水中油型皮膚外用剤の全量に対して、例えば、0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜15質量%であることがより好ましい。
[多価アルコール]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、多価アルコールを含有していてもよい。水中油型皮膚外用剤が多価アルコールを含有することにより、水中油型皮膚外用剤の使用感(保湿性)が向上する傾向にある。水中油型皮膚外用剤は、多価アルコールを1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、グルコース、ガラクトース、スクロース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース等が挙げられる。
本実施形態の水中油型皮膚外用剤が多価アルコールを含有する場合、多価アルコールの含有率は、保湿性及び使用感の観点から、水中油型皮膚外用剤の全量に対して、例えば、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%であることがより好ましい。
[他の成分]
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分を含有していてもよい。
例えば、本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、有用な美容効果を示す機能性成分を更に含有していてもよい。機能性成分としては、グリチルレチン酸及びその誘導体(グリチルレチン酸ステアリル等)、アスタキサンチン(ヘマトコッカス藻抽出物、オキアミ抽出物等)、サラシアレチクラタ木エキス、PEG(polyethylene glycol)/PPG(polypropylene glycol)/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン、βカロテン、リコピン、ルテイン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン、サリチル酸メチル、アラントイン、アズレン、シコンエキス、アロエエキス、トラネキサム酸及びその誘導体(トラネキサム酸のアミド体、トラネキサム酸とハイドロキノンとのエステル等)、アルブチン、プラセンタエキス、エラグ酸、コウジ酸、ルシノールなどが挙げられる。
また、本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、種々の薬効成分、防腐剤(パラベン等)、pH調整剤、pH緩衝剤、紫外線吸収剤、香料、着色剤などを更に含有していてもよい。
[油相の割合]
油相の含有率は、水中油型皮膚外用剤の全量に対して、例えば、0.5質量%〜25質量%であることが好ましく、2質量%〜20質量%であることがより好ましく、3質量%〜10質量%であることが更に好ましい。油相の含有率が0.5質量%以上であると、水中油型皮膚外用剤として適した乳化状態になる傾向にあり、油相の含有率が25質量%以下であると、乳化分散性及び使用感が向上する傾向にある。
また、油相の含有量は、ショ糖脂肪酸エステル及び特定ノニオン型界面活性剤の合計の含有量に対して、例えば、1質量倍〜5質量倍であることが好ましく、3質量倍〜5質量倍であることがより好ましい。油相の含有量がショ糖脂肪酸エステル及び特定ノニオン型界面活性剤の合計の含有量に対して1質量倍〜5質量倍であると、乳化分散性及び使用感が向上する傾向にある。
<水中油型皮膚外用剤の好ましい物性等>
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、透明性の観点から、分光光度計及び光路長1cmのセルを用いて25℃で測定した波長650nmの光の吸光度が、例えば、1.5以下であることが好ましく、1.1以下であることがより好ましい。
なお、分光光度計としては、例えば、日本分光(株)のV−630 iRMが挙げられる。
また、本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、透明性及び使用感の観点から、分散粒子の体積平均粒径が、50nm〜110nmであることが好ましく、60nm〜100nmであることがより好ましい。分散粒子の体積平均粒径が50nm以上であると、安定に分散させるために必要な乳化剤の量を減らすことができ、使用感が向上し、且つ、皮膚への負担を抑えることができる傾向にある。また、分散粒子の体積平均粒径が110nm以下であると、充分な透明性が得られる傾向にある。
なお、分散粒子の体積平均粒径の測定方法は特に限定されないが、本明細書においては、動的散乱法を用いて測定した値を採用している。動的散乱法を用いた測定装置としては、例えば、大塚電子(株)の粒径アナライザーFPAR−1000が挙げられる。動的散乱法を用いた測定に際しては、油相が0.2質量%となるように、水中油型皮膚外用剤を希釈してもよい。
<水中油型皮膚外用剤の用途>
本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、化粧料、経皮医薬部外品等の用途に適用することができる。化粧料としては、スキンケア化粧料(化粧水、美容液等)、ボディ用化粧料(ボディ用ローション等)、頭皮用化粧料などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。本実施形態の水中油型皮膚外用剤は、透明性が要求される化粧料に特に好適に適用される。
<水中油型皮膚外用剤の製造方法>
本実施形態の水中油型皮膚外用剤の製造方法は、特に制限されず、公知の方法に従い製造することができる。
本実施形態の水中油型化粧料の製造方法の一例について説明する。
まず、ショ糖脂肪酸エステルと、特定ノニオン型界面活性剤と、必要に応じて他の水相成分とを含有する水相組成物を調製する。
また、特定油剤と、必要に応じて他の油相成分とを含有する油相組成物を調製する。
そして、撹拌下で水相組成物と油相組成物とを混合して乳化分散を行うことにより、水中油型皮膚外用剤を得ることができる。
乳化分散における油相組成物と水相組成物との比率は、油相組成物/水相組成物(質量比)として、1/100〜2/3であることが好ましく、1/50〜1/2であることがより好ましい。
乳化分散は、1ステップの乳化操作を行ってもよいが、2ステップ以上の乳化操作を行うことが、均一で微細な分散粒子を得る点から好ましい。例えば、超音波分散装置を用いた乳化処理の後に、高圧乳化装置を用いて高圧乳化処理を行うことで、分散粒子をより微細化することができる。
超音波分散装置としては、超音波ホモジナイザーUS−600、US−1200T、RUS−1200T、MUS−1200T(以上、(株)日本精機製作所)、超音波プロセッサーUIP2000、UIP4000、UIP8000、UIP16000(以上、ヒールッシャー社)等が挙げられる。これらの超音波分散装置は、25kHz以下、好ましくは15kHz〜20kHzの周波数で使用することができる。
高圧乳化装置としては、アルティマイザーHJP−25005((株)スギノマシン)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社)、ナノマイザー(吉田機械興業(株))、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社)、ホモゲナイザー(三和機械(株))、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株))、超高圧ホモジナイザー(イカ社)等が挙げられる。
高圧乳化処理の圧力は、50MPa以上であることが好ましく、100MPa以上であることが好ましく、180MPa以上であることがより好ましい。圧力の上限値は、市販の装置では、温度上昇及び耐圧性の観点から300MPa程度である。
なお、乳化分散後の均一性を高めるためには、高圧乳化処理を2回以上行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜32、比較例1〜24]
下記の表1〜表4に記載の水相を構成する成分を、70℃の恒温槽にて撹拌しながら15分間混合し、水相組成物を調製した。
また、下記の表1〜表4に記載の油相を構成する成分を、70℃の恒温槽にて撹拌しながら混合して油相組成物を調製し、70℃で保持した。
そして、水相組成物を油相組成物に加えて撹拌混合し、超音波ホモジナイザーUS−600((株)日本精機製作所)を用いて分散することにより、粗分散物を得た。その後、粗分散物に対して、アルティマイザーHJP−25005((株)スギノマシン)を用いて245MPaの圧力で高圧乳化処理を2回行うことにより、実施例1〜32、比較例1〜24の水中油型皮膚外用剤を製造した。
表1〜表4に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。なお、表1〜表4中、成分の欄における数値は、水中油型皮膚外用剤中の含有率(質量%)を示し、空欄は、その成分を含有していないことを示す。表1及び表3に記載の実施例2は、比較の便宜のために重複して記載したものであり、いずれも同じものである。
(油相中の成分)
・スクワラン(NIKKOL(登録商標) 精製オリーブスクワラン、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.452)
・ジカプリン酸プロピレングリコール(NIKKOL(登録商標) PDD、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.440)
・アジピン酸ジイソプロピル(DIA、日本精化(株)、屈折率:1.425)
・イソステアリン酸イソプロピル(NIKKOL(登録商標) IPIS、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.430)
・ネオペンタン酸イソデシル(ネオライト100P、高級アルコール工業(株)、屈折率:1.430)
・セバシン酸ジイソプロピル(IPSE、日本精化(株)、屈折率:1.433)
・ミリスチン酸イソプロピル(NIKKOL(登録商標) IPM−EX、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.434)
・イソノナン酸イソノニル(サラコス(登録商標)99、日清オイリオグループ(株)、屈折率:1.436)
・イソノナン酸エチルヘキシル(ES108109、高級アルコール工業(株)、屈折率:1.436)
・セバシン酸ジエチル(NIKKOL(登録商標) DES−SP、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.437)
・パルミチン酸イソプロピル(NIKKOL(登録商標) IPP、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.437)
・ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール(KAK NDO、高級アルコール工業(株)、屈折率:1.440)
・エチルヘキサン酸セチル(NIKKOL(登録商標) CIO、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.442)
・ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(エステモール(登録商標)N−01、日清オイリオグループ(株)、屈折率:1.445)
・トリエチルヘキサノイン(IOTG、日本精化(株)、屈折率:1.445)
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(ココナード(登録商標) MT、花王(株)、屈折率:1.447)
・パルミチン酸エチルヘキシル(NIKKOL(登録商標) IOP、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.448)
・トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(NS−308、日本精化(株)、屈折率:1.449)
・セバシン酸ジエチルヘキシル(Neosolue(登録商標)−EHS、日本精化(株)、屈折率:1.450)
・テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(NS−408、日本精化(株)、屈折率:1.452)
・ネオペンタン酸オクチルドデシル(Elefac I−205、日光ケミカルズ(株)、屈折率:1.455)
・リンゴ酸ジイソステアリル(コスモール(登録商標)222、日清オイリオグループ(株)、屈折率:1.460)
・ジメチコン(KF−96A−5cs、信越化学工業(株))
・ヘマトコッカス藻抽出物(ASTOTS(登録商標)−S、富士フイルム(株))
・サラシアレチクラタ木エキス(コタラヒムブツリキッドB、一丸ファルコス(株))
・トコフェロール(理研Eオイル800、理研ビタミン(株))
・グリチルレチン酸ステアリル(シーオーグレチノール(登録商標)、丸善製薬(株))
(水相中の成分)
・ステアリン酸スクロース(コスメライク(登録商標)S−110、第一工業製薬(株)、HLB値:11)
・ステアリン酸スクロース(コスメライク(登録商標)S−160、第一工業製薬(株)、HLB値:16)
・ジステアリン酸スクロース(リョートー(登録商標)シュガーエステル S−970、三菱化学フーズ(株)、HLB値:9)
・パルミチン酸スクロース(リョートー(登録商標)シュガーエステル P−1570、三菱化学フーズ(株)、HLB値:16)
・イソステアリン酸PEG−10グリセリル(EMALEX(登録商標) GWIS−110EX、日本エマルジョン(株)、HLB値:10)
・イソステアリン酸PEG−20グリセリル(EMALEX(登録商標) GWIS−120EX、日本エマルジョン(株)、HLB値:13)
・イソステアリン酸PEG−30グリセリル(EMALEX(登録商標) GWIS−130EX、日本エマルジョン(株)、HLB値:15)
・オレイン酸PEG−15グリセリル(NIKKOL(登録商標) TMGO−15、日光ケミカルズ(株)、HLB値:14.5)
・モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(NIKKOL(登録商標) TO−10V、日光ケミカルズ(株)、HLB値:15)
・イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(NIKKOL(登録商標) TI−10V、日光ケミカルズ(株)、HLB値:15)
・イソステアリン酸PEG−60グリセリル(EMALEX(登録商標) GWIS−160EX、日本エマルジョン(株)、HLB値:16)
・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(NIKKOL(登録商標) TS−10V、日光ケミカルズ(株)、HLB値:14.9)
・イソステアリン酸ポリグリセリル−6(プルロール イソステアリック、池田物産(株)、HLB値:10)
・イソステアリン酸ポリグリセリル−10(NIKKOL(登録商標) Decaglyn 1−ISV、日光ケミカルズ(株)、HLB値:12)
・オレイン酸ポリグリセリル−10(NIKKOL(登録商標) Decaglyn 1−OV、日光ケミカルズ(株)、HLB値:12)
・PEG−40水添ヒマシ油(NIKKOL(登録商標) HCO−40、日光ケミカルズ(株)、HLB値:12.5)
・PEG−60水添ヒマシ油(NIKKOL(登録商標) HCO−60、日光ケミカルズ(株)、HLB値:14)
・PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン(WILBRIDE(登録商標) S−753、日油(株))
[評価(1)]
(分散粒子の体積平均粒径の測定)
各水中油型皮膚外用剤にイオン交換水を加えて100倍に希釈し、粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))を用いて、分散粒子の体積平均粒径を測定した。結果を表1〜表4に示す。
(初期透明性の評価)
各水中油型皮膚外用剤を光路長1cmのセルに入れ、分光光度計(V−630 iRM、日本分光(株))を用いて25℃における波長650nmの光の吸光度(以下、「初期の吸光度」ともいう。)を測定し、以下の評価基準に従って初期透明性を評価した。以下の評価基準における「A」及び「B」が、実用上許容されるレベルである。結果を表1〜表4に示す。
−評価基準−
A:吸光度が1.1以下
B:吸光度が1.1より大きく1.5以下
C:吸光度が1.5より大きい
(透明性の経時安定性の評価)
各水中油型皮膚外用剤を50℃の恒温槽にて1ヵ月間保管した後、初期透明性の評価と同様にして、経時後の吸光度を測定した。そして、吸光度の変化率を下記式に従って求めた。
吸光度の変化率(%)=(経時後の吸光度/初期の吸光度)×100
そして、以下の評価基準に従って透明性の経時安定性を評価した。以下の評価基準における「A」及び「B」が、実用上許容されるレベルである。結果を表1〜表4に示す。
−評価基準−
A:変化率が110%以下
B:変化率が110%より大きく150%以下
C:変化率が150%より大きい
(低温での析出性の評価)
各水中油型皮膚外用剤を30mLのバイアル瓶に入れ、4℃で1ヵ月間保管した。そして、析出物の有無を目視で確認し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1〜表4に示す。
−評価基準−
A:変化なし
C:析出物が発生
表1〜表4から分かるように、ショ糖脂肪酸エステル、特定ノニオン型界面活性剤、及び特定油剤を含有する実施例1〜32の水中油型皮膚外用剤は、いずれも透明性及び透明性の経時安定性に優れており、且つ、4℃で1ヵ月間保管しても析出物が発生しなかった。
これに対して、ショ糖脂肪酸エステルを含有するが特定ノニオン型界面活性剤を含有しない比較例1、2の水中油型皮膚外用剤は、4℃で1ヵ月間保管すると析出物が発生した。また、ショ糖脂肪酸エステルと、特定ノニオン型界面活性剤以外の他のノニオン型界面活性剤とを併用した比較例4〜10、22、24の水中油型皮膚外用剤についても、4℃で1ヵ月間保管すると析出物が発生した。
一方、ショ糖脂肪酸エステルを含有しない比較例3、23の水中油型皮膚外用剤は、4℃で1ヵ月間保管しても析出物が発生しなかったが、透明性に劣っていた。
また、特定油剤を含有しない比較例11〜21の水中油型皮膚外用剤は、透明性に劣っていた。
[評価(2)]
(使用感の評価)
実施例2、14、18、24、30、比較例10、11、23の各水中油型皮膚外用剤にイオン交換水を加えて4倍に希釈した。希釈後の各水中油型皮膚外用剤を、化粧料評価の専門パネラー10名の皮膚に塗布し、べたつくか否か及び肌へのなじみ感が良いか否かについて評価してもらった。そして、以下の評価基準に従って使用感を評価した。以下の評価基準における「A」及び「B」が、実用上許容されるレベルである。結果を表5に示す。
−評価基準(べたつき)−
A:10名中8名以上がべたつかないと判断した
B:10名中3名〜7名がべたつかないと判断した
C:10名中2名以下がべたつかないと判断した
−評価基準(肌へのなじみ感)−
A:10名中8名以上が肌へのなじみが良いと判断した
B:10名中3名〜7名が肌へのなじみが良いと判断した
C:10名中2名以下が肌へのなじみが良いと判断した
表5から分かるように、ショ糖脂肪酸エステル、特定ノニオン型界面活性剤、及び特定油剤を含有する実施例2、14、18、24、30の水中油型皮膚外用剤は、比較例10、11、23の水中油型皮膚外用剤よりも使用感に優れていた。

Claims (8)

  1. ショ糖脂肪酸エステル(A)と、
    構成脂肪酸がイソステアリン酸又はオレイン酸であり、HLB値が10〜15である、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のノニオン型界面活性剤(B)と、
    屈折率が1.440以下であり、1個又は2個のエステル結合を有する25℃で液状の油剤(C)と、
    を含有する水中油型皮膚外用剤。
  2. ショ糖脂肪酸エステル(A)が、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の水中油型皮膚外用剤。
  3. ショ糖脂肪酸エステル(A)のHLB値が9〜16である、請求項1又は請求項2に記載の水中油型皮膚外用剤。
  4. ショ糖脂肪酸エステル(A)の含有量が、ノニオン型界面活性剤(B)の含有量に対して1質量倍〜4質量倍である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水中油型皮膚外用剤。
  5. 油剤(C)が、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸エチルヘキシル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、及びアジピン酸ジイソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水中油型皮膚外用剤。
  6. 油相中における油剤(C)の含有率が20質量%〜80質量%である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水中油型皮膚外用剤。
  7. 油相の含有率が、水中油型皮膚外用剤の全量に対して0.5質量%〜25質量%である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水中油型皮膚外用剤。
  8. 油相の含有量が、ショ糖脂肪酸エステル(A)及びノニオン型界面活性剤(B)の合計の含有量に対して1質量倍〜5質量倍である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水中油型皮膚外用剤。
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