JP2017078950A - ウェアラブル端末装置及びウェアラブル端末装置の制御方法 - Google Patents

ウェアラブル端末装置及びウェアラブル端末装置の制御方法 Download PDF

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敦彦 松野
善宏 多々良
Yoshihiro Tatara
善宏 多々良
庸介 若宮
Yasusuke Wakamiya
庸介 若宮
智弘 小川
Tomohiro Ogawa
智弘 小川
直子 前川
Naoko Maekawa
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Abstract

【課題】直感的な操作を容易に実現可能なウェアラブル端末装置及びウェアラブル端末装置の制御方法等を提供する。
【解決手段】ウェアラブル端末装置は、画像を表示する表示部120と、表示部120が設けられる筐体と、筐体に設けられ、回転可能なベゼル150と、ベゼル150の回転状態を検出する検出部130と、検出部130での検出結果に基づいて特定されたコマンドを実行する処理部110を含み、表示部120は、回転状態を識別可能に表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェアラブル端末装置及びウェアラブル端末装置の制御方法等に関する。
近年の情報機器の小型化により、手のひらサイズ(パームトップ型)の端末が出現している。さらには腕時計型等のウェアラブル端末装置も広く知られている。これらの端末では、表示画面に触れることによって操作を行なう、いわゆるタッチパネルを備えたものがある。
ウェアラブル端末装置の表示画面(タッチパネル)は小さく、指やタッチペンでの操作は容易ではない。例えば、タッチしている部分が指等により隠れてしまったり、意図する箇所をタッチできなかったりといった問題が生じうる。
これに対して、例えば特許文献1では、表示画像上にポインタを表示し、端末自体をスライドさせることで当該ポインタを移動させる手法が開示されている。
特開2002−41235号公報 特開平11−211862号公報
GUI(ポインタ)をハード(端末)に追従させるような操作方法では、GUIの追従性の感度がユーザーによって異なるため、意図する方向に意図する速度で操作できない場合がある。ここでのGUIの追従性とは、ポインタ等の動く方向や動く速度を表す。
また、そもそも小さい表示画面の中にあるポインタの位置を視認することは難しい。このように、特許文献1等の従来の操作手法は直感的で容易なものとは言えなかった。
本発明の幾つかの態様によれば、直感的な操作を容易に実現可能なウェアラブル端末装置及びウェアラブル端末装置の制御方法等を提供できる。
本発明の一態様は、画像を表示する表示部と、前記表示部が設けられる筐体と、前記筐体に設けられ、回転可能なベゼルと、前記ベゼルの回転状態を検出する検出部と、前記検出部での検出結果に基づいて特定されたコマンドを実行する処理部と、を含み、前記表示部は、前記画像において、前記回転状態を識別可能に表示するウェアラブル端末装置に関係する。
本発明の一態様では、ベゼルの回転状態の検出結果に基づいてコマンドを実行するとともに、当該ベゼルの回転状態を識別可能に表示する。これにより、ウェアラブル端末装置におけるコマンドの実行にベゼルを利用することができ、且つベゼルの回転状態が表示されるため、ウェアラブル端末装置の直感的でわかりやすい操作を実現すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記回転状態は、回転量及び回転位置の少なくとも一方であってもよい。
これにより、回転量及び回転位置の少なくとも一方を回転状態として検出することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ベゼルは、回転した場合に、第1〜第N(Nは2以上の整数)の回転位置のいずれかの回転位置に係止されるベゼルであり、前記表示部は、前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に前記ベゼルが係止されているかを識別可能に表示してもよい。
これにより、段階的にその位置を変更可能(段階的に回転可能)なベゼルを操作インターフェースとして用いること、及び当該ベゼルの回転位置を識別可能に表示することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ベゼルの回転方向において設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の回転位置を記憶する記憶部を含み、前記表示部は、前記検出部が検出した前記回転状態である前記回転量が、前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に対応するかを識別可能に表示してもよい。
これにより、第1〜第Nの回転位置に関する情報を記憶できるため、ベゼルが第1〜第Nの回転位置で係止される構造でない場合等であっても、当該ベゼルの回転状態を適切に処理に利用すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1〜第Nの回転位置と、第1〜第Nのコマンドが対応づけられており、前記処理部は、前記ベゼルが第i(iは1≦i≦Nを満たす整数)の回転位置に係止していることが検出された場合に、前記第1〜第Nのコマンドのうちの第iのコマンドを実行してもよい。
これにより、ベゼルが取り得る段階的な回転位置の各回転位置にコマンドが割り当てられるため、所望のコマンドの選択が容易な操作インターフェースを実現すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、第m(mは1≦m≦N−2を満たす整数)の回転位置には第mのコマンドが対応づけられ、第n(nはm<n≦Nを満たす整数)の回転位置には第nのコマンドが対応づけられ、前記第mの回転位置と前記第nの回転位置の間の第k(kはn<k<mを満たす整数)の回転位置には、コマンドの階層構造において、前記第mのコマンドの下層のコマンドである第kのコマンドが対応づけられてもよい。
これにより、コマンドが階層構造を有する場合に、下位コマンドを直接的に選択可能なインターフェースを実現すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記表示部は、前記第1〜第Nの回転位置に対応する位置に第1〜第Nの識別オブジェクトを、前記画像として表示し、前記第1〜第Nの識別オブジェクトを用いて、前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に前記ベゼルが係止されているかを識別可能に表示してもよい。
これにより、ベゼルの係止される回転位置を、識別オブジェクトを用いて表示画像に明示することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記表示部は、前記第1〜第Nの回転位置に対応する位置に第1〜第Nの識別オブジェクトを表示し、前記第1〜第Nの識別オブジェクトを用いて、前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に前記ベゼルが係止されているかを識別可能に表示し、前記表示部は、前記第mのコマンドに対応する第mの識別オブジェクトとして、前記第mのコマンドの下層のコマンドである前記第kのコマンドに対応する第kの識別オブジェクトと異なるオブジェクトを表示してもよい。
これにより、コマンドの階層を理解しやすい識別オブジェクトを表示すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記表示部は前記第1〜第Nの識別オブジェクトを、前記表示部の外周に沿って配置して表示してもよい。
これにより、表示画像の適切な領域に識別オブジェクトを表示することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記ベゼルの前記回転状態の検出結果に基づいて、前記ウェアラブル端末装置の複数のモードのいずれかのモードを選択するモード選択コマンドを実行してもよい。
これにより、モード選択を行う操作インターフェースにベゼルを用いること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記表示部に表示されるオブジェクトの回転コマンド、移動コマンド、サイジングコマンドの少なくとも1つのコマンドを実行してもよい。
これにより、ベゼルの操作に基づいて、表示オブジェクトに対する種々のコマンドを実行することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記検出部の検出結果に基づいて、音量調整コマンドを実行してもよい。
これにより、ベゼルの操作に基づいて、音量調整を行うことが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、所定の操作が行われた場合に、前記検出部の検出結果に基づいて特定された前記コマンドを無効に設定してもよい。
これにより、所定の操作によりコマンドを無効化できるため、誤操作を抑止すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、画像を表示する表示部と、前記表示部が設けられる筐体と、前記筐体に設けられ、回転可能なベゼルと、を有するウェアラブル端末装置の制御方法であって、前記ベゼルの回転状態を検出し、前記検出部での検出結果に基づいて特定されたコマンドを実行し、前記画像において、前記回転状態を識別可能に表示するウェアラブル端末装置の制御方法に関係する。
本実施形態のウェアラブル端末装置の構成例(ハードウェア構成例)。 ウェアラブル端末装置の外観斜視図。 ウェアラブル端末装置の平面図。 ウェアラブル端末装置のベゼルの構造例を表す断面図。 第1ベゼルの操作例。 第2ベゼルの操作例。 識別オブジェクトの説明図。 時計モード群の各モードにおける表示画像の例。 消費カロリーモード群の各モードにおける表示画像の例。 歩数モード群の各モードにおける表示画像の例。 脈波モード群の各モードにおける表示画像の例。 環境情報モード群の各モードにおける表示画像の例。 モード内での設定コマンド実行時における表示画像の変化例。 モード内での設定コマンド実行時における表示画像の変化例。 設定モードにおける表示画像の例。 モード内での設定コマンド実行時における表示画像の変化例。 モード内での設定コマンド実行時における表示画像の変化例。 コマンド特定情報のデータ構造の例。 モード情報のデータ構造の例。 モード(コマンド)の階層構造の例。 識別オブジェクト情報のデータ構造の例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
1.1 背景
まず本実施形態の手法について説明する。上述したように、近年では情報機器の小型化が進み、ユーザーの身体に装着されるウェアラブル型の情報機器も広く知られるようになった。このようなウェアラブル端末装置は、多様な機能を有することが想定される。例えば腕時計型の端末装置であっても、時刻やタイムウォッチ、アラームと言った一般的な時計機能だけでなく、生体情報や活動量情報、環境情報の取得や表示といった機能を有するものがある。ここでの生体情報とは、例えば脈拍数や血中酸素飽和度等のユーザーの生体活動に関する情報であり、活動量情報とは、例えば歩数や消費カロリー等のユーザーの活動(行動)に関する情報であり、環境情報とは、現在位置や高度、気圧等のユーザーの周囲の環境状態に関する情報である。
多機能なウェアラブル端末装置において、その機能を適切に利用するためには、操作インターフェースを慎重に検討する必要がある。なぜなら、モード(機能)の数が多ければ、どのモードを選択するか(どの機能を利用するか)の選択肢が多いため、当該選択肢の中から所望のモードを迅速に選択できるインターフェースが必要となる。
また、各モードにおける設定(処理)も多様となる。例えば、ストップウォッチであれば、スタート、ストップ、リセット、ラップ取得といった設定が行われるし、脈拍数のログであれば1日のログ表示と、より長期的な1週間や1ヶ月といったログ表示との切り替え設定等が行われる。このように、各モードで多数の設定が可能な状況において、直感的でわかりやすいインターフェースを実現するには、ウェアラブル端末装置100の多様な操作を可能とすることが求められる。例えば、所与の設定を行うための操作と、他の設定を行うための操作が重複する(同じ操作となる)ことがないような設計が必要となる。
これに対して、近年のウェアラブル端末装置では、タッチパネルを操作インターフェースとして採用したものが知られている。タッチパネルでは、タッチした位置を検出可能であるため、直感的な操作が可能である。例えば、多様なモードがある場合にも、各モードに対応するアイコンを一覧表示し、ユーザーに対しては所望のアイコンをタッチする操作を行わせればよい。また、各モード内の設定についても、タッチ位置に応じて異なる設定を行ったり、多様なタッチ操作(シングルタッチ、マルチタッチ、フリック等)を各設定に割り当てる等、種々の手法により実現できる。
しかし、ウェアラブル端末装置ではタッチパネルの大きさが非常に小さいことが想定される。例えば腕時計の文字盤のサイズを考えればわかるように、腕時計型であればタッチパネルのサイズは縦横がそれぞれ数cm程度となる。そのため、タッチしようとした指等で画面が見えなくなったり、意図とは異なる箇所をタッチしてしまうおそれがある。
特に、生体情報や活動量情報を取得するウェアラブル端末装置では、運動中のような比較的激しい活動を行っている状態での使用も想定しなくてはならない。例えば、ランニング中にラップタイムを計る、運動強度の確認のために脈拍数を表示する、移動距離を表示するといった設定をウェアラブル端末装置に実行させることは有用であり、ユーザーはそのための操作を行う必要がある。その場合、体を動かしながら操作を行うため、タッチパネルを用いたのでは誤操作の可能性が高まってしまう。
そのため、タッチパネルではなく、機械的な構造を有するインターフェースを利用することが望ましい。機械的な構造であれば、ボタンの押下、回転部材の回転、スティック状の部材のスライド等、どのような形式を用いるにせよ、操作にはある程度の力が必要になるし、有効な操作が行われた際(例えばボタンが充分に押下された際)には、感触の変化という物理的フィードバックがユーザーに対して行われる。これにより、運動中等であっても、ウェアラブル端末装置に対する操作を確実に、正確に行うことが可能である。
従来の腕時計型機器(多機能腕時計)では、例えば押し込み型のモード選択ボタンを設け、当該モード選択ボタンの一回の押下により、モードが1つずつ切り替わっていくインターフェース等が知られている。しかし、このような操作インターフェースでは、モード数が多くなった場合に、所望のモードを選択するためにボタンを何度も押し込まなくてはならないといった状況が生じ、好ましくない。これは腕時計型機器に設けられる物理ボタンの数が少なく、モード選択に関してボタンを1つしか用いることができないこと、広義には多様な操作ができないことに起因する課題である。
特に、近年のウェアラブル端末装置は、直接的或いは間接的にネットワークに接続して情報を取得可能なものが多い。例えば、ウェアラブル端末装置自体がインターネット等のネットワークを介した通信を行う通信部を有してもよい。或いは、ネットワークを介した通信を行う他の機器(例えばPCやスマートフォン)と、有線ケーブルや近距離無線通信を用いて接続し、上記他の機器を介してネットワークから情報を取得してもよい。この場合、ファームウェアアップデート等により、ウェアラブル端末装置の機能(モード)の追加が行われることもあり、モード選択ボタンを用いたインターフェースは、より煩雑なものとなってしまう。
また、従来の腕時計でも、回転ベゼルの回転によりモード選択を行う腕時計が開示されている。このような時計では、複数のモードの中から所望のモードを迅速に、直感的に選択することが可能である。しかし従来手法では、回転ベゼルの状態とモードとの関係が固定である。例えば回転ベゼルの各回転位置に「TIME」や「STOPWATCH」等の文字を物理的に記載(刻印或いは印刷等)しており、「TIME」と記載された回転位置を選択した場合には、必ず時刻表示モードとなる。このような従来手法は、アップデート等による機能の追加、更新を考慮した場合に適切なインターフェースとは言えない。
特許文献1のように、機械的な構造(ハードウェア)と、ポインタ(GUI)とを組み合わせる手法も提案されているが、ハードウェアをどれだけ動かしたら画面上でポインタがどれだけ移動するかに関する感覚は個人差が大きく、調整が煩雑である。また、小さい画面上に表示されるポインタを所望の位置に移動させることは困難であり、利便性の高いインターフェースとは言えない。特に、運動中であればポインタ位置の確認や、狙った位置への移動は困難を極める。
1.2 本実施形態の概要
以上を踏まえ、本出願人は機械的な構造であり、且つ多様なモード(機能)にも対応可能なインターフェースを有するウェアラブル端末装置を提案する。
具体的には、本実施形態に係るウェアラブル端末装置100は図1に示すように、画像(表示画像)を表示する表示部120と、表示部120が設けられる筐体160(図2〜図4を用いて後述)と、筐体160に設けられ、回転可能なベゼル150と、ベゼル150の回転状態を検出する検出部130と、検出部130での検出結果に基づいて特定されたコマンドを実行する処理部110を含む。そして、表示部130は、図7等を用いて後述するように、画像において、ベゼル150の回転状態を識別可能に表示する。
ここでのベゼル150の回転状態とは、当該ベゼル150の回転量及び回転位置の少なくとも一方であってもよい。例えば、図3等を用いて後述するように、ベゼル150(図3の例では第1ベゼル151)がN個の位置のいずれに係止されるベゼルである場合、当該N個の位置の各位置を上記回転位置とすればよい。この場合、ベゼル150の所与の基準位置はN個の回転位置のうちのいずれかに対応する位置で係止されることになるため、ベゼル150はN通りの回転位置となりうる。検出部130では、検出タイミングのベゼル150が、当該N通りの回転位置のうちのいずれの回転位置の状態であるかを検出すればよい。
或いは、ベゼル150はN個の離散的な位置に係止される構造には限定されず、連続的に(スムーズに)回転可能な構成であってもよい。その場合、検出部130では複数の回転位置のいずれの位置であるかの検出ではなく、回転量(例えば回転角度)を検出し、処理部110では当該回転量に基づいてコマンドの実行等を行えばよい。
表示部120(ディスプレイ)は、各種の表示を行うためのものであり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにより実現できる。ここで、回転位置を「識別可能に表示」とは、ベゼル150が複数の回転位置で係止可能である場合に、所与の回転位置での表示と、他の回転位置での表示が識別可能(区別可能)であることを表し、具体的には、所与の回転位置で表示される表示画像と、他の回転位置で表示される表示画像とが異なることを表す。
筐体160は、ウェアラブル端末装置100の本体部に相当する部材であり、表示部120やベゼル150等の操作部が設けられる。また、筐体160は処理部110を内蔵してもよく、例えば処理部110が実装される基板(回路基板)を内部に含んでもよい。
ベゼル150は、筐体160(狭義には表示部120)の枠に相当する部材であり、筐体160の周縁部、特に表示部120の外周に相当する位置に設けられる。特に、本実施形態に係るベゼル150は、所与の軸(例えば表示部120に交差する方向の軸であって、狭義には表示部120に直交する方向の軸)を回転軸として回転可能な回転ベゼルである。ベゼル150の回転位置とは、ベゼル150の回転状態(基準に対する回転量)を表すものであり、一例としてはベゼル150の基準位置が筐体160のどの位置にあるかを表すものであってもよい。
なお、以下の本明細書では多様な入力を可能にすることを考慮して、2つのベゼル(第1ベゼル151及び第2ベゼル152)を有するウェアラブル端末装置100について説明する。図7を用いて後述するように、回転位置を識別可能に表示する対象は第1ベゼル151であることを想定しているため、本実施形態に係るベゼル150は狭義には第1ベゼル151に対応する。ただし、第1ベゼル151及び第2ベゼル152の両方を本実施形態に係るベゼル150としてもよく、種々の変形実施が可能である。もちろん、本実施形態に係るウェアラブル端末装置100は、図2〜図4の第2ベゼル152を省略した構成、すなわち単一のベゼルを有する構成であってもよい。
ただし、本実施形態の手法では、ベゼルの替わりに他の回転部材を用いてもよい。すなわち、ウェアラブル端末装置100は、筐体160に設けられる回転部材を有し、検出部130は、回転部材の回転状態を検出するものであってもよい。
処理部110は、ウェアラブル端末装置100におけるコマンド実行等の種々の処理を行う。処理部110は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、或いはASIC(application specific integrated circuit)によるハードウェア回路等、種々の構成により実現されるプロセッサーであってもよい。
検出部130により特定されるコマンドは、例えばウェアラブル端末装置100の複数のコマンドがあらかじめ規定されている状況において、当該複数のコマンドのうちの特定された少数(狭義には1つ)のコマンドであってもよい。ウェアラブル端末装置100のコマンドとは、ウェアラブル端末装置100において実行される特定の処理(或いは当該処理の実行命令)を表すものである。本実施形態に係るウェアラブル端末装置100の場合、コマンドの具体例としてはモード選択コマンド、画像処理コマンド、音量調整コマンド等が考えられる。モード選択コマンドが実行されることで、モード選択(遷移)が行われるように、各コマンドの実行により、当該コマンドに対応する処理がウェアラブル端末装置100において実行されることになる。
また、図1に示したようにウェアラブル端末装置100は記憶部140(メモリー)を含んでもよい。記憶部140は、処理部110等のワーク領域となるもので、その機能はRAM等のメモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。記憶部140に記憶される情報の具体例は、図18〜図21を用いて後述する。コマンドの実行等の処理部110での処理は、記憶部140に記憶された情報の読み出し及び書き込みを伴うものであってもよい。
本実施形態の手法によれば、ベゼル150(回転ベゼル)を有するウェアラブル端末装置100において、当該ベゼル150の回転位置(回転状態)を表示部120で識別可能に表示することが可能になる。上述したように、ベゼルや筐体自体に、ベゼルの回転位置を示すための表示を行う従来手法は既知であるが、本実施形態では当該表示を表示部120における表示画像を用いて行う。多機能なウェアラブル端末装置100では、従来手法のようにベゼルに対して固定的に機能を割り振ることは現実的とは言えないが、本実施形態のように表示画像において表示を行うものとすれば、回転位置の表示を柔軟に(可変に)行うことができるため、ユーザーにとってわかりやすく誤操作の少ない操作インターフェースを実現することが可能になる。
また、ベゼル150は、回転した場合に、第1〜第N(Nは2以上の整数)の回転位置のいずれかの回転位置に係止されるベゼルであり、表示部120は、第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置にベゼル150が係止されているかを識別可能に表示してもよい。
このようにすれば、ベゼル150の回転位置を段階的なものとすることが可能になるため、ベゼル150を離散的な複数の段階を取り得る多段階スイッチのように取り扱うことが可能になる。さらに、ベゼル150の回転位置を表示部120の表示から理解することが可能になるため、ユーザーにとってわかりやすいインターフェースを実現できる。
この場合、ユーザーがベゼル150の回転操作を行った場合に、1段階ごとにユーザー(狭義にはベゼル150を把持するユーザーの指)に対して、カチカチと物理的なフィードバックがかけられるため、ユーザーは回転が適切に行われているか否か、また回転は何段階分行われたかの理解が容易となる。なお、段階的な回転を可能にする構造(例えば保持爪、係止爪)については、広く知られたものであるため詳細な説明は省略する。なお、ウェアラブル端末装置100が複数のベゼルを有する場合、他のベゼル(狭義には第2ベゼル152)についても、段階的な回転が可能なものとしてもよく、その場合の係止可能な回転位置の数は上記ベゼル(狭義には第1ベゼル151)と同じでもよいし異なってもよい。また、第2ベゼル152は連続的に回転可能な構成にしてもよく、その場合、第1ベゼル151と第2ベゼル152とで物理的フィードバックを異なるものとすることが可能である。
具体的には、表示部120は、第1〜第Nの回転位置に対応する位置に第1〜第Nの識別オブジェクトを上記画像(表示画像)として表示し、第1〜第Nの識別オブジェクトを用いて、第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置にベゼル150が係止されているかを識別可能に表示してもよい。
ここでの識別オブジェクトは、識別に利用される表示オブジェクトであり、丸、三角、四角、星形等、種々の形状のオブジェクトを利用することが可能である。また、識別オブジェクトは図形に限定されず文字等を利用してもよいが、表示部120のサイズが小さいことを考慮すれば複雑になりすぎないことが望ましい。また、ここではベゼル150が係止されている回転位置を識別可能にするため、当該回転位置に対応する識別オブジェクトと、他の回転位置に対応する識別オブジェクトが識別(区別)可能とならなくてはならない。例えば、第1〜第Nの識別オブジェクトの各識別オブジェクトについて、対応する回転位置にベゼル150が係止されている場合のオブジェクトと、係止されていない場合のオブジェクトの2通りが設定されてもよい。例えば図7や図21を用いて後述するように、係止状態での識別オブジェクトは、非係止状態での識別オブジェクトの白黒(濃淡)を反転した画像を用いてもよい。このようにすれば、識別オブジェクトが反転している位置がベゼル150の係止されている回転位置であると容易に理解できる。
ただし、本実施形態のベゼル150は、第1〜第Nの回転位置のいずれかの回転位置に係止される構造に限定されず、上述したように連続的に回転する構造であってもよい。その場合、ウェアラブル端末装置100は、ベゼル150の回転方向において設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の回転位置を記憶する記憶部140を含み、表示部120は、検出部130が検出した回転状態である回転量が、第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に対応するかを識別可能に表示してもよい。
例えば、ベゼル150の操作により実行するコマンドがN個である(或いは、実行するコマンドはN未満であるが識別オブジェクトはN個表示する)場合のように、ベゼル150を用いて識別すべきウェアラブル端末装置100の状態がN通りである場合を考える。仮に、ベゼル150が第1〜第Nの回転位置のいずれかの回転位置に係止される構造であれば、ベゼル150の回転位置を上記N通りの状態の各状態に対応付ければよいため、ベゼル150が係止される回転位置を直接的に処理に利用できる。しかし、ベゼル150が連続的に回転可能な構造であれば、回転量(回転角度)は任意の値をとりうるため、そのままではNという数との対応がとれない。
このような場合には、N通りのベゼル150の回転状態を判別したいという要求がある以上、当該N通りの回転状態をシステム的(ソフトウェア的)に定義しておくとよい。具体的には、記憶部140に第1〜第Nの回転位置を記憶しておけばよい。例えば記憶部140は、回転量の範囲を0°〜360°とし、当該範囲をN個の領域に区分し、各領域の角度範囲を規定する情報(角度範囲そのものの情報、領域の境界となる角度の情報等、種々の情報により実現可能)を記憶する。そして、処理部110では、検出部130により検出された回転量と、記憶部140に記憶された情報との比較処理を行い、検出された回転量が、第1〜第Nの回転位置のいずれに対応するかを特定した上で、特定された回転位置に対応する処理を実行すればよい。
このようにすれば、ベゼル150の機械的な構造を問わず、ウェアラブル端末装置100がシステム的に識別すべき状態数に即した処理を実現することが可能になる。なお、記憶部140に第1〜第Nの回転位置を記憶する手法は、連続的に回転するベゼル150を用いる場合だけでなく、離散的に回転する(複数の回転位置に係止される)ベゼル150に適用することもできる。例えば、ベゼル150が係止される回転位置の数Mと、ウェアラブル端末装置100がベゼル150により識別すべき状態数Nとが一致しない場合には、ベゼル150がM個の回転位置のどの回転位置にあるかを特定しても、それだけではN通りの状態のいずれと判定すればよいか不明である。その場合には、機械的に特定されるM個の回転位置から、システム的に判定すべきN個の回転位置への変換を可能とする何らかの情報を記憶部140に記憶しておくとよい。
また、第1〜第Nの回転位置と、第1〜第Nのコマンドが対応づけられており、処理部110は、ベゼル150が第i(iは1≦i≦Nを満たす整数)の回転位置に係止していることが検出された場合に、第1〜第Nのコマンドのうちの第iのコマンドを実行してもよい。
このようにすれば、段階的に回転可能な回転ベゼルを用い、当該回転ベゼルの回転量に応じたコマンドを実行させることが可能になる。特に、ベゼル150(第1ベゼル151)の各回転位置に特定のコマンドを対応付けられるため、対応付けられたコマンドをベゼル150の操作のみにより実行することも可能になる。一例として、ベゼル150がモード選択に利用される場合には、ベゼル150の回転量(回転位置)に応じて選択されるモードが変化することになり、所望のモードに迅速に遷移させることが可能になる。各回転位置とモード(モード選択コマンド)が対応付けられる例については、図7〜図12、図19等を用いて後述する。
また、第m(mは1≦m≦N−2を満たす整数)の回転位置には第mのコマンドが対応づけられ、第n(nはm<n≦Nを満たす整数)の回転位置には第nのコマンドが対応づけられ、第mの回転位置と第nの回転位置の間の第k(kはn<k<mを満たす整数)の回転位置には、コマンドの階層構造において、第mのコマンドの下層のコマンドである第kのコマンドが対応づけられてもよい。
ここでコマンドの階層構造とは、種々の構造が考えられる。例えば一例としてはモード選択コマンドにおけるモードの階層構造に対応するものであってもよい。例えば、時間に関するモードとしては、時刻表示モード、ワールドタイム表示モード、アラームモード、ストップウォッチモード、カウントダウンモード等の具体的なモードが考えられる。よってこのうち使用頻度が高いと考えられるメインモード、例えば時刻表示モードを上位モードとし、時刻表示モードを選択するモード選択コマンドを上位コマンドとする。そして、メインモード以外のサブモードである、ワールドタイム表示モード、アラームモード、ストップウォッチモード、カウントダウンモード等を選択するモード選択コマンドを下位コマンドとすればよい。具体的には、図20を用いて後述する階層構造を用いればよい。
このようにすれば、コマンド(モード)が階層的である場合にも、所望のコマンドを迅速に選択可能なインターフェースを実現できる。従来のシンプルな腕時計のように、コマンド数(モード数)が少なければそもそも階層構造とする必要性が低い。また、コマンドが階層的であった場合、従来手法では直接的に下位コマンドを実行する操作を行うことができず、まず上位コマンド(時刻表示モードのモード選択コマンド)を選択し、その上でさらに下位コマンド(例えばアラームモードのモード選択コマンド)を選択するという複数段での操作が一般的であった。従来手法では可能な操作が少ないため、多段にすることで選択可能なコマンド数を増やす(例えばp通りの操作しかできなくても、それをq回行わせればp通りの入力ができる)必要があったためである。
その点、本実施形態では、ベゼルの回転位置を表示画像で明示するため、ベゼルの回転位置とコマンドとの対応関係を柔軟に設定(変更)可能である。そのため、ベゼル150の各回転位置に下位コマンドまで割り当てるような設定を行うことも可能でなり、このようにすることで、ベゼル150の操作により下位コマンドの直接的な実行が可能になる。つまり、モードの上位下位を考慮することなく、多数のモード(狭義には全モード)をベゼル150の回転位置のいずれかの位置に割り当ててもよく、このようなコマンドの対応づけについては、図7等を用いて後述する。
また、表示部120は、第mのコマンドに対応する第mの識別オブジェクトとして、第mのコマンドの下層のコマンドである第kのコマンドに対応する第kの識別オブジェクトと異なるオブジェクトを表示してもよい。
このようにすれば、コマンドの階層構造が異なる場合、対応する識別オブジェクトが異なるものとなるため、上位コマンドと下位コマンドの識別オブジェクトを並べて配置する際にも、わかりやすい表示が可能になる。具体的には、どの識別オブジェクトがどの階層のコマンドに対応するか、さらに言えば各識別オブジェクトに対応するベゼル150の各回転位置がどの階層のコマンドに対応するかを、ユーザーに対してわかりやすく提示することが可能になる。具体的な識別オブジェクトの例については、図7や図21等を用いて後述する。
また、表示部120は、第1〜第Nの識別オブジェクトを、表示部120の外周に沿って配置して表示してもよい。
ここで、表示部120の外周とは、表示部120の表示面(表示領域)の周縁領域を表す。例えば、表示領域の中心を定義し、当該中心からの距離が所与の閾値以下の領域を中心領域、中心からの距離が上記所与の閾値より大きい領域を周縁領域とすればよく、表示領域が図2等を用いて後述するように円形状であれば、半径が所与の閾値より大きい領域(図7におけるB1)を周辺領域とすればよい。表示部120の外周に沿った識別オブジェクトの配置例については、図7等を用いて後述する。
このようにすれば、表示領域(表示面、表示画像)の適切な領域に識別オブジェクトを配置することが可能になる。表示画像には、識別オブジェクト以外の情報も表示しなくてはならない。例えば、時刻表示モードであれば時刻情報を表示するし、脈波表示モードであれば脈拍数等の情報を表示する。識別オブジェクトは、それら主として表示すべき情報の表示を阻害しないことが望ましく、中心領域を除いた領域、すなわち外周に沿った周縁領域に配置するとよい。
また、処理部110は、ベゼル150の回転状態の検出結果に基づいて、ウェアラブル端末装置100の複数のモードのいずれかのモードを選択するモード選択コマンドを実行してもよい。
ここで、ウェアラブル端末装置100のモードとは、ウェアラブル端末装置100が取り得る状態に対応する。例えば、ウェアラブル端末装置100が、時刻表示、ワールドタイム表示、アラーム、ストップウォッチ、脈拍数(現在値)の表示、脈拍数(ログ)の表示、・・・といった種々の状態を有する場合、時刻表示モード、ワールドタイム表示モードと言ったように、各状態に対応してモードが設定されることになる。
モード選択コマンドとは、このような種々のモードを有する場合に、いずれのモードとなるか(いずれのモードに遷移するか)の選択をウェアラブル端末装置100に行わせる(指示する)コマンドである。各モードでの表示画像の例は図8〜図12等を用いて後述し、モードに関するデータの具体例については図19等を用いて後述する。
このようにすれば、ベゼル150をモード選択に利用することができる。多機能なウェアラブル端末装置100ではモードの数が従来の腕時計等に比べて多いことが想定されるが、ベゼル150を用いることで容易な操作により迅速にモード選択を行うことが可能になる。さらに、本実施形態ではベゼル150の回転状態が表示部120に表示されるため、所望のモードの選択がより容易である。
また、処理部110は、検出部130の検出結果に基づいて、表示部120に表示されるオブジェクトの回転コマンド、移動コマンド、サイジングコマンドの少なくとも1つのコマンドを実行してもよい。
ここでの回転コマンド、移動コマンド、サイジングコマンドのとらえ方は種々考えられるが、例えばオブジェクト(狭義には画像)を表示する何らかのモードにおける設定コマンドの一種と考えてもよい。回転コマンドとは、画像を回転させる(基準姿勢に対する回転量を変更する)コマンドであり、移動コマンドとは、表示画像内での画像の表示位置を変更するコマンドであり、サイジングコマンドとは画像の表示サイズを変更するコマンドである。ここでの画像とは、例えば脈拍数のログ(履歴グラフ)であってもよく、その場合のサイジングコマンドとは、図14を用いて後述するズームインコマンド、ズームアウトコマンドに対応する。或いは、ウェアラブル端末装置100の記憶部140に記憶された写真やイラスト等の画像データを上記オブジェクトとしてもよい。詳細については図16を用いて後述する。
このようにすれば、表示されるオブジェクトに対する種々の処理をわかりやすい操作インターフェースにより実現することが可能になる。なお、モード内の設定コマンドとは、各モードにおいて実行可能な設定をウェアラブル端末装置100に対して行わせるコマンドである。例えば、脈拍数(ログ)の表示モードの場合、ユーザーの利用状況に応じて、一日分のグラフを表示したい場合もあれば、1週間分のグラフを表示したい場合もあると考えられる。よって、脈拍数(ログ)の表示モードにおいて、グラフのズームイン設定及びズームアウト設定を可能にするとよく、具体的にはモード内での設定コマンドとしてズームインコマンド及びズームアウトコマンドを実行可能にする。なお、時刻表示モードのように、設定コマンドを有さない(この例では表示のみを行う)モードがあることは妨げられない。設定コマンドを実行した場合の表示画像の遷移例の詳細については図13、図14等を用いて後述し、設定コマンドの具体例については図18等を用いて後述する。
また、処理部110は、検出部130の検出結果に基づいて、音量調整コマンドを実行してもよい。
ここでの音量とは、ウェアラブル端末装置100により発生される音(アラーム音、音声、音楽)の大きさを表すものである。このようにすれば、音量を調整する処理をわかりやすい操作インターフェースにより実現することが可能になる。詳細については図17を用いて後述する。
また、処理部110は、所定の操作が行われた場合に、検出部130の検出結果に基づいて特定されたコマンドを無効に設定してもよい。
ここで、無効に設定するとは、特定されたコマンドの実行を行わないことを表す。すなわち、無効に設定されている場合には、ベゼル150等の操作によりコマンドが特定されたとしても、当該コマンドの実行は行われず、ウェアラブル端末装置100の内部的な挙動としては、ベゼル150の操作がなかった場合と同様となる。
このようにすれば、ベゼル150(第1ベゼル151、第2ベゼル152)の回転があったとしても、コマンドの実行を行わないものとできる。回転ベゼルはユーザーの意図しない状況で回転するおそれがあり、例えばウェアラブル端末装置100を外してカバンに入れている状態で、カバン内での接触により回転ベゼルが回転してしまうことがある。その場合、ユーザーはコマンド実行を意図していない以上、偶発的な回転に基づいてコマンドが実行されることは好ましくない。その点、コマンドを無効にすれば、ユーザーの意図しないコマンド実行を抑止できる。ここでの所定の操作とは、例えば回転ベゼルとは別途設けられたボタンの押下等であってもよい。
2.構造例
図2〜図4に、本実施形態に係るウェアラブル端末装置100の構造例を示す。以下では腕時計型の装置について説明を行うが、本実施形態のウェアラブル端末装置100はこれに限定されず、ユーザーの他の部位、たとえば手首、上腕、腕、体幹部に装着される装置であってもよい。図2がウェアラブル端末装置100がユーザーに装着された状態での斜視図であり、図3が平面図であり、図4が第1ベゼル151や第2ベゼル152の位置関係を説明する断面図である。なお、上述したように本実施形態では第2ベゼル152を省略する等の変形実施が可能である。
ウェアラブル端末装置100は、筐体160と、表示部120と、ベゼル150(第1ベゼル151、第2ベゼル152)と、表示部120の保護部材となるガラス170と、ウェアラブル端末装置100のユーザーへの固定(装着)に用いられるバンド部180とを含む。
なお、以下では説明を容易にするために、所与の座標系を用いて方向等を表現する場合がある。具体的には、図2に示したように、ウェアラブル端末装置100の筐体160を基準として座標系を設定し、表示部120(文字盤部分)の表示面に交差する方向、或いは法線方向であって、表示部120の表示面側を表面とした場合の裏面から表面へと向かう方向をZ軸正方向とする。ウェアラブル端末装置100が被検体に装着された状態では、上記Z軸正方向とは、被検体から筐体160へと向かう方向に相当する。また、Z軸に直交する2軸をXY軸とし、特に筐体160に対してバンド部180が取り付けられる方向をY軸に設定する。図2の例では、筐体160のうち、Y軸正方向の端点、及びY軸負方向の端点において、バンド部180との接続が行われる。なお、座標系の設定については、図2以降においても同様とする。あるいは、筐体160に対してバンド部180が取り付けられる方向をY軸とし、当該Y軸に直交し、筐体160が体と接触する面の法線に沿う方向をZ軸、そしてY軸及びZ軸に直交する方向をX軸と設定してもよい。
図2〜図4に示したように、ウェアラブル端末装置100は通常の時計における文字盤に相当する部分に表示部120を有し、当該表示部120の周縁部に(表示部120を囲むように)第1ベゼル151及び第2ベゼル152が設けられる。図2等の例では、上記座標系におけるXY平面に沿って表示面が設定されるように、筐体160に対して表示部120が設けられる。図2〜図4では表示部120を円形状としたがこれには限定されず、他の形状であってもよい。
第1ベゼル151及び第2ベゼルは、筐体160のうち、XY平面において表示部120の外側になる位置に設けられる。例えば、表示部120の中心位置を座標系の原点とした場合、第1ベゼル151及び第2ベゼル152は、表示部120の端点よりもさらに原点から遠い位置(X値、Y値の絶対値が大きくなる位置)に設けられる。
第1ベゼル151及び第2ベゼル152は、それぞれリング形状、すなわちXY平面での断面形状が同心円状となりZ軸方向に厚みを有する形状、或いはそれに類する形状を有し、回転可能に構成される回転ベゼルである。具体的には、第1ベゼル151及び第2ベゼル152は、表示部120に交差する方向(狭義にはZ軸方向)の軸を回転軸として回転する回転ベゼルであり、さらに具体的には、表示部120の中心を通過するZ軸方向の回転軸まわりに回転可能である。
一例としては、図4の断面図に示したように、第1ベゼル151は、凹部(溝部)1511を有し、当該凹部1511が、筐体160に設けられた凸部161と摺動可能に勘合するものであってもよい。このような構造により、表示部120の中心を通過するZ軸方向の回転軸まわりに回転する第1ベゼル151を実現できる。同様に、第2ベゼル152は、凹部1521を有し、当該凹部1521が、筐体160に設けられた凸部162と摺動可能に勘合するものであってもよい。また、図4では回転ベゼル側に凹部、筐体160側に凸部を設けるものとしたがこれには限定されず、回転ベゼル側に凸部、筐体160側に凹部を設けてもよい。図4に示した構造からわかるように、第1ベゼル151と第2ベゼル152とは、それぞれ独立に回転可能であることが想定される。
図2〜図4に示したように、第1ベゼル151は、第2ベゼル152の外周側(XY平面において、筐体160の中心部から周縁部へ向かう方向側)に設けられてもよい。図4の例では、少なくともZ軸方向での位置が重なる領域(図4のA1)では、第2ベゼル152の最も外周側の端点(A2)よりもさらに外周側に、第1ベゼル151の最も内周側の端点(A3)が位置する関係となる。
図4の構成の場合、第2ベゼル152は、上面(Z軸正方向側の面)は外部に広く露出する。それに対して、内周側側面(図4の例ではX軸負方向側の面)は表示部120或いは表示部120を保護する部材(ガラス170)により遮蔽される。また、外周側側面(図4の例ではX軸正方向側の面)は第1ベゼル151により遮蔽され、下面(Z軸負方向側の面)は筐体160により遮蔽される。そのため、ユーザーによる第2ベゼル152に対する操作は、第2ベゼル152の上面を用いて行われるとよい。そのため、図2〜図4では第2ベゼル152の上面に複数の突起部1522を設け、操作を容易にしている。
第1ベゼル151は、内周側側面が第2ベゼル152により遮蔽され、下面が筐体160により遮蔽されるが、上面及び外周側側面は広く露出する。そのため、ユーザーによる第1ベゼル151に対する操作は、第1ベゼル151の上面又は外周側側面を用いて行われるとよい。その際、第1ベゼル151と第2ベゼル152の操作感覚を大きく異ならせることで誤操作の抑止が可能であるため、図3では外周側側面を用いた操作を想定して、外周側側面に複数の突起部1512を設けている。
図5が第1ベゼル151の操作イメージ図であり、図6が第2ベゼル152の操作イメージ図である。図5からわかるように、第1ベゼル151の操作は側面側を指でつまむように行い、図6からわかるように、第2ベゼル152の操作は上面側から指を滑らせるように行う。もちろん、第1ベゼル151を1本の指で操作してもよい。
また、図4等には不図示であるが、ウェアラブル端末装置100は検出部130としてパルス数検出センサーを有してもよい。そして、第1ベゼル151の下面(Z軸負方向側の面)に所与の光学パターンを設け、パルス数検出センサーは第1ベゼル151の下面に対して光を照射し、当該光の反射光を検出する。このようにすれば、パルス数検出センサーで検出されるパルス数が第1ベゼル151の回転量と相関を有することになるため、センサー情報に基づいて第1ベゼル151の回転状態(狭義には回転方向及び回転量)を検出することが可能になる。同様に、第2ベゼル152の回転状態を検出するために、第2のパルス数検出センサーを設けるとともに、第2ベゼル152の下面に光学パターンを形成する。パルス数の検出結果に基づく回転ベゼルの回転状態の検出手法は、特許文献2等に開示された手法であるため、これ以上の詳細な説明については省略する。ただし、本実施形態における回転ベゼルの回転状態の検出手法はこれに限定されず、広く知られた他の回転ベゼルの回転状態検出手法(例えば機械的な構造により検出する手法等)を広く適用可能である。そのため、本実施形態の検出部130は種々の手法で用いられる種々のセンサー等による実現が可能である。
また、図4に示したガラス170は、ガラスタイプの静電容量式タッチパネルであってもよい。すなわち、本実施形態に係るウェアラブル端末装置100は、ガラス170をタッチすることによる操作が可能であってもよい。その際、タッチした位置を詳細に検出しようとすると、従来手法と同様の課題が生じてしまう。そのため、ガラス170に対する操作は、例えばタッチがされたか否かのみを検出するものであってもよい。このようにすれば、細かい位置検出の精度が要求されないため、誤操作の可能性を抑止できる。本実施形態では、第1ベゼル151、第2ベゼル152という操作インターフェースを有するため、細かい操作はそれらを用いて行えばよい。例えば、複数の選択肢(リスト)の中から第2ベゼル152を用いて選択操作を行い、選択された項目を決定する操作をガラス170に対するタッチにより行うといった手法が考えられる。
また、図2〜図4には不図示であるが、ウェアラブル端末装置100は加速度センサーを有し、当該加速度センサーを用いてタップ操作を検出してもよい。ここでのタップ操作とは、ユーザーが指や手のひらを用いてウェアラブル端末装置100を叩く操作である。なお、加速度センサーを用いたタップ操作検出は広く知られた手法であるため、詳細な説明は省略する。
3.表示画像例
次に表示部120で表示される表示画像例、及び各表示画像と第1ベゼル151、第2ベゼル152に対する操作との関係例を説明する。
3.1 モードの例と識別オブジェクト
上述してきたように、近年のウェアラブル端末装置は多機能であることが想定されるため、実行可能なコマンド数が多くなる。そして、本実施形態ではそのような状況でも直感的でわかりやすいインターフェースを実現するため、回転ベゼルを用いて多様な入力操作を可能にしている。
しかし、多様な入力操作が可能であることにより、どの操作を行うことで、ウェアラブル端末装置100にどのようなコマンドを実行させることができるか、という対応関係をユーザーが把握しておくことが困難となる。別途マニュアルを用意したとしても、紙媒体のマニュアルを閲覧する、或いは電子マニュアルを所与の機器(PC、スマートフォン、ウェアラブル端末装置100)で閲覧するという行為は煩雑でありユーザー負担が大きい。
そのため、回転ベゼルの回転状態と、ウェアラブル端末装置100で実行する(或いはされている)コマンドの対応関係を表示画像上に表示することは有用である。
例えば、第1ベゼル151が複数の回転位置で係止可能な構成(段階的に回転する構成)である場合、当該第1ベゼル151が、どの回転位置で係止されているかを表示してもよい。第1ベゼル151の回転状態に基づいてモード選択コマンドを実行する例であれば、複数の回転位置のそれぞれにモードが割り当てられるため、回転位置を識別可能に表示することで、現在のモードがどのモードであるか、第1ベゼル151を現在の回転位置からどのように回転させるとどのモードに遷移するか、といった情報をわかりやすくユーザーに提示することができる。なお、以下では第1ベゼル151の回転位置を表示画像に表示する例を示すが、第2ベゼル152の回転位置を表示画像に表示してもよい。その場合、第2ベゼル152が本実施形態に係るベゼル150に対応することになり、第1ベゼル151は省略可能である。或いは、第1ベゼル151、第2ベゼル152の両方の回転位置を表示画像に識別可能に表示してもよく、その場合、第1ベゼル151及び第2ベゼル152の両方が本実施形態に係るベゼル150に対応する。
具体的な表示画像例を図7に示す。図7はウェアラブル端末装置100のうち、表示部120と、第1ベゼル151と、第2ベゼル152について図示したものであり、他の構成については省略している。この点は、図8以降の図においても同様である。
図7では、第1ベゼル151がN通り(具体的にはN=48)の回転位置となることができ、第1ベゼル151の側面にはN個の突起部1512が設けられるとともに、第1ベゼル151のうちの基準位置を表す位置にマーカー1513が設けられている。この例では、第1ベゼル151は360/N度を単位として回転可能であり、1単位分回転させることで、マーカー1513が設けられた基準位置が360/N度だけ回転移動する。ただし、マーカー1513は必須の構成ではない。なお、以下ではY軸正方向の回転位置を第1の回転位置とし、第1の回転位置から時計回りの方向に第2の回転位置、第3の回転位置の順に並び、最後(第1の回転位置の1つ反時計回り)の回転位置を第Nの回転位置とする。
第1ベゼル151の回転位置を表示する表示画像としては、例えばN個の識別オブジェクト(ガイドオブジェクト)を、表示画像のうちの各回転位置に対応する位置に表示すればよい。例えば、表示部120が円形状の表示領域を有し、表示画像も円形状である場合、当該円形状の外周に沿った領域(B1)に360/N度間隔でN個の識別オブジェクトを配置すればよい。なお図7では、表示領域のうちの識別オブジェクトの配置領域以外の領域(周縁部を除いた領域)に、時刻表示を行う例を示したが、この部分での具体的な表示内容はモードによって異なるものであり、詳細については図8〜図12等を用いて後述する。
ここでの識別オブジェクトは種々考えられ、例えば図7に示したように比較的サイズの大きい白丸(B2)、比較的サイズの小さい黒丸(B3)、菱形(B4)等を用いることが可能である。
ここで識別オブジェクトに求められるのは、第1に現在の回転位置がどの位置であるかを識別可能であること、第2に回転位置を変化させたときに実行されるコマンド(この例ではどのモード選択コマンドが実行され、どのモードに遷移するか)に関するガイドが示されること、の2点である。
上記第1の要求を満たすために、現在の回転位置に対応する位置に表示される識別オブジェクトと、他の回転位置に対応する位置に表示される識別オブジェクトとを、明確に異なるものとする。一例としては、図7のB5に示したように、現在の回転位置に対応する識別オブジェクトは背景を黒地にして、円や菱等の図形を白抜きで表示するとともに、その他の識別オブジェクトは背景を白地にして、円や菱等の図形を黒く表示するといった手法が考えられる。この場合、現在の回転位置に対応する識別オブジェクトのみが、他の識別オブジェクトに対して白黒(濃淡)が反転するため、現在の回転位置を容易に識別できる。また、現在の回転位置か否かに応じて識別オブジェクトの表示態様に違いが出ればよいため、現在の回転位置に対応する識別オブジェクトを点滅させる、色を変える、星形等の他の識別オブジェクトと明確に異なる形状にするといった種々の変形実施が可能である。
しかし、これだけでは現在の回転位置がわかるのみであり、どのように回転させればどのようなモードに遷移させられるかという手がかりが少ない。場合によっては、ユーザーがN通りのモードの並びを覚えておく必要も生じてしまう。
よって上記第2の要求のように、第1ベゼル151を回転させた場合のモード遷移のヒントとなる表示を行うとよい。ただし、各回転位置に対応するモードを文字やアイコン(例えば時刻表示モードで時計アイコン、脈波表示モードでハート型アイコン)で表し、当該アイコン等をN個並べて表示するほど、ウェアラブル端末装置100の表示部120のサイズに余裕はないことが想定される。つまり、識別オブジェクトは本来表示したい情報、例えば時刻表示モードにおける時刻情報等の表示を阻害しない程度にシンプルなオブジェクトとなることが求められる。
そこで本実施形態では、関連するモード群を第1ベゼル151の回転位置において連続する位置に割り当てるとともに、所与のモード群と、当該モード群とは異なるモード群との境界をわかりやすく表示する識別オブジェクトを利用する。
モード群の具体的な設定は種々考えられる。一例としては、時間モード群、消費カロリーモード群、歩数モード群、脈波モード群、環境情報モード群といったモード群を設定してもよい。
時間モード群に含まれる具体的なモードとしては、時刻表示モード、ワールドタイム表示モード、カウントダウンモード、ストップウォッチモード、アラームモード等が考えられる。同様に、消費カロリーモード群には消費カロリー表示モード(当日)、消費カロリー表示モード(ログ)が含まれ、歩数モード群には歩数表示モード(当日)、歩数表示モード(ログ)が含まれ、脈波モード群には脈波表示モード(現在値)、脈波表示モード(ログ)が含まれ、環境情報モード群には、高度モード、気圧モード、気温モードが含まれてもよい。
そして、ウェアラブル端末装置100では、第1ベゼル151の第1〜第5の回転位置(B6)に、時間モード群に含まれる時刻表示モード、ワールドタイム表示モード、カウントダウンモード、ストップウォッチモード、アラームモードを割り当て、処理部110は、各回転位置への第1ベゼル151の回転が検出された場合には、対応するモードを選択するモード選択コマンドを実行する。同様に、第6〜第7の回転位置(B7)に消費カロリー表示モード(当日)、消費カロリー表示モード(ログ)を割り当て、第8〜第9の回転位置(B8)に歩数表示モード(当日)、歩数表示モード(ログ)を割り当て、第10〜第11の回転位置(B9)に脈波表示モード(現在値)、脈波表示モード(ログ)を割り当て、第12〜第14の回転位置(B10)に高度モード、気圧モード、気温モードを割り当てる。
その上で、識別オブジェクトを表示することで時間モード群と消費カロリーモード群との境界等の、各モード群間の境界を明示する。一例としては、各モード群の先頭のモードに対応する識別オブジェクトを、モード群のうちの先頭以外のモードに対応する識別オブジェクトとは異なるオブジェクトとすればよい。図7の例では、上記の例における先頭のモード、すなわち時刻表示モード、消費カロリー表示モード(当日)、歩数表示モード(当日)、脈波表示モード(現在値)、高度モードを表す第1、第6、第8、第10、第12の回転位置に対応する位置の識別オブジェクトはサイズの大きい白丸を用い、他のモードに対応する識別オブジェクトはサイズの小さい黒丸を用いる。このような表示にすれば、第1〜第5の回転位置、第6〜第7の回転位置、第8〜第9の回転位置、第10〜第11の回転位置、第12〜第14の回転位置のそれぞれが一群のモードに対応するということがわかるため、ユーザーは第1ベゼル151の回転位置に基づいて、所望のモードを選択することが容易になる。
例えば、ユーザーが現在の表示画像を閲覧することで、現在のモードは所望のモードではないが、所望のモードに関連するモードであると判断できたとする。その場合、現在の回転位置が属する一群のモードを対象として所望のモードを探索する操作を行えばよいため、操作の手間が省ける。例えば、ストップウォッチモードを利用したい状況で、時刻表示が行われていた場合、ユーザーは、現在のモード(時刻表示モードであり第1の回転位置に対応)は所望のモードではないが、時間に関係するという点で類似していると判断できる。そのため、第1の回転位置が含まれる一群のモードに対応する回転位置、すなわち第1〜第5の回転位置のみを探索対象として、第1ベゼル151の回転操作を行えばよい。
一方、現在のモードが所望のモードと関係しない場合にも、まずは大まかな探索を行うことで探索範囲を絞ることができる。具体的には、ユーザーは第1ベゼル151の回転位置を1つずつ変化させていくのではなく、まず白丸が表示される識別オブジェクトに対応する回転位置となるように回転させればよい。より具体的には、第1の回転位置→第6の回転位置→第8の回転位置→第10の回転位置→第12の回転位置となるように第1ベゼル151の回転位置を変化させればよく、それ以外の回転位置でのモードを精査する必要はない。例えば、後述する図8のC1→図9のD1→図10のE1→図11のF1→図12のG1となるように第1ベゼル151を回転させればよい。第1ベゼル151は段階的に回転するため、図8のC1から図12のF1の間には、後述する図8のC2やC3といった状態も取ることになるが、そのような状態で第1ベゼル151を停止させ、表示内容の確認を行わなくてよい。
その上で、上記操作において所望のモードに類似するモードに遷移したら、当該モードが含まれる一群のモードに対応する回転位置のみを探索対象として、詳細な探索を行えばよい。例えば、脈波表示モード(ログ)を選択したい場合、第1ベゼル151の回転位置が第10の回転位置となり、脈波表示モード(当日)となったところで、所望のモードに類似していると判断できる。その結果、ユーザーが探索すべき範囲、すなわち第1ベゼル151の回転位置を変化させる範囲としては、第10〜第11の回転位置だけを考慮すればよく、第1〜第Nの回転位置全体を1つ1つ調べていく場合に比べてユーザーの操作負担を軽減することができる。
ただし、上記第2の要求を満たすための識別表示は、所与のモード群と他のモード群とが識別可能に表示されればよいため、各モード群の先頭に対応する識別オブジェクトの表示態様を変えるものには限定されない。例えば、モード群の最後のモードに対応する識別オブジェクトの表示態様を変えてもよい。或いは、時間モード群に対応する識別オブジェクトを円形にし、脈波モード群に対応する識別オブジェクトを三角形にするといったようにモード群ごとに識別オブジェクト形状を変える、或いはモード群ごとに識別オブジェクトの色を変える等、種々の変形実施が可能である。
本実施形態の手法では、第1ベゼル151の回転位置に対して、上位モードと下位モードの両方が並べて配置される。そのため、下位モードの選択も、第1ベゼル151の回転操作のみで実現が可能である。従来手法では、まず上位モードを選択、決定し、その後決定された上位モードに従属する下位モードの選択を行うという段階的な操作が必要であり、一例としては第1ベゼル151の回転操作(上位選択)→ガラス170のタッチ(決定)→第1ベゼル151の回転操作(下位選択)、といった複数の操作の組み合わせが必要であった。それに対して本実施形態では、シンプルな操作により種々のモードを選択することができユーザーの操作負担を軽減可能である。
3.2 各モードでの表示画像の具体例
図8に時間モード群に含まれる各モードで表示される表示画像の例、図9に消費カロリーモード群に含まれる各モードで表示される表示画像の例、図10に歩数モード群に含まれる各モードで表示される表示画像の例、図11に脈波モード群に含まれる各モードで表示される表示画像の例、図12に環境情報モード群に含まれる各モードで表示される表示画像の例を示す。
図8のC1が時刻表示モード、C2がワールドタイム表示モード、C3がカウントダウンモード、C4がストップウォッチモード、C5がアラームモードに対応する。また、図9のD1が消費カロリー表示モード(当日)、D2が消費カロリー表示モード(ログ)に対応する。また、図10のE1が歩数表示モード(当日)、E2が歩数表示モード(ログ)に対応する。また、図11のF1が脈波表示モード(現在値)、F2が脈波表示モード(ログ)に対応する。また、図12のG1が高度モード、G2が気圧モード、G3が気温モードに対応する。
図8〜図12に示したように、第1ベゼル151の回転位置に応じて、対応する識別オブジェクトの表示態様が変更される。なお、各モードでの表示される情報の具体的な内容や、表示領域内でのレイアウト等は種々の変形実施が可能である。
この例では、各表示画像はモード群を表すアイコン(C11等)、モード名(C12等)、モードに対応する主情報(C13等)、サブ情報(C14等)の表示を行う。アイコンは表示対象のモードが属するモード群をわかりやすく表示するものであり、時間モード群では時計型のアイコン、消費カロリーモード群ではエネルギー燃焼を想起させる炎のアイコン(D11、D21)、歩数モード群では足跡形のアイコン(E11、E21)、脈波モード群ではハート型のアイコン(F11、F21)、環境情報モード群では自然を表す山のアイコン(G11、G21、G31)を表示している。
モード名は各モードを文字で表示した情報であり、ここでは時刻表示モードではTIME(C12)、脈波表示モードではHEARTRATE(F12)等の表示を行えばよい。ただし、ワールドタイム表示モードで表示対象都市名(C22に示したNEWYORK)を表示する等、表示内容は種々の変形実施が可能である。
主情報は、各モードに対応する情報であり、時刻表示モードであれば時刻情報(C13)、ワールドタイム表示モードであれば表示対象都市の時刻情報(C23)、脈波表示モード(現在値)では脈拍数(F13)等の情報となる。
サブ情報は、各モードとの直接的な関連は薄いものの表示しておくことが有用な情報や、モードと関連するが主情報で表示しきれなかった情報等を表すものである。時間表示モード以外のモードについては、D14等に示したように時刻表示を行うとよい。また、時刻表示モードでは日付に関する表示を行っている(C14)。また、アラームモードでは、主情報の欄にはオンオフの表示のみを行っているため、C54でアラーム設定時刻の表示を行う。
3.3 モード内での操作に基づく画面遷移
また、以上では第1ベゼル151の回転によるモード選択(モード選択コマンドの実行)について説明したが、各モード内でもユーザーによる操作が必要となる場面もある。例えば、図8のC5に示したアラームモードでは、アラームのオンオフの設定を行うための操作が必要である。本実施形態では、そのようなモード内での設定コマンドの実行には、第2ベゼル152を用いればよい。
例えば、図8のC5が表示された状態、すなわち第1ベゼル151が第5の回転位置になるように回転され、アラームモードを選択するモード選択コマンドが実行された状態において、第2ベゼル152が回転された場合に、アラームオフ状態とアラームオン状態を順次切り替える設定コマンドを実行すればよい。この場合の表示画像の遷移例を図13に示す。
或いは、図14に示すように、図11のF2等のログ(履歴グラフ)を表示するモードでは表示期間を切り替えてもよい。図14のH1、H2は脈波表示モード(ログ)の場合の例である。
例えば脈波情報のログデータとして、数時間分の履歴グラフ、1日の履歴グラフ、1週間の履歴グラフ、1ヶ月の履歴グラフ等、複数の計測期間での履歴グラフを表示可能にしておく。そして、ズームイン操作が行われた場合に計測期間がより短い履歴グラフを表示するズームイン設定コマンドを実行し、ズームアウト操作が行われた場合に計測期間がより長い履歴グラフを表示するズームアウト設定コマンドを実行すればよい。ズームイン設定コマンドは比較的詳細な情報を閲覧する際に用いられるコマンドであり、例えば第2ベゼル152の時計回りの回転が検出された場合に実行される。同様に、ズームアウト設定コマンドは比較的大まかな情報(長期間での変動)を閲覧する際に用いられるコマンドであり、例えば第2ベゼル152の反時計回りの回転が検出された場合に実行される。
また、より重要な設定、例えばユーザーが意図していないのに変更されることで問題が生じうる設定を行う場合には、別途設定専用のモードを設けてもよい。例えば、上記アラームモードではアラームを動作させる時間についても設定する必要があるが、ユーザーが意図していないのにこの時間が変更されてしまうことは好ましくない。この場合、アラームモード内でアラーム時刻に関する設定コマンドを実行するのではなく、アラームモードの他にアラーム時刻設定モードを設けるとよい。この場合、アラーム時刻設定モードにおける設定コマンドが誤って実行されないように、第1ベゼル151の回転位置における設定専用モードの割り当て、及び設定モードに対応する識別オブジェクトの表示態様を考慮するとよい。
一例としては、通常モード(上述した図8〜図12等のモード)が割り当てられる回転位置とは異なる位置に設定モードを割り当てるとともに、識別オブジェクトの表示態様を通常モードに対応する識別オブジェクトとは異なるものにするとよい。例えば、設定モードは、第Nの回転位置から反時計回りに配置(図15におけるI5に示した領域に配置)される。このようにすれば、通常モードは第1の回転位置を基準として時計回りの回転により選択され、設定モードは第1の回転位置を基準として反時計回りの回転により選択されるという切り分けをできるため、誤って設定モードにおける設定変更を行う可能性を抑止できる。また、通常モードとは異なる設定モードであることを明示するため、識別オブジェクトの形状を菱形にして、円形状である通常モードの識別オブジェクトと識別可能としている。
図15に、設定モードの表示画像例を示す。図15の例では第Nの回転位置にアラーム時刻設定モードが割り当てられている。図15では、設定モードであることを表す歯車アイコン(I1)と、モード名を表す文字列SETTING(I2)と、現在設定されているアラーム時刻(I3)と、アラームモードに関する設定を行っていることを表す文字列ALARM(I4)とを表示している。設定モード内での具体的な設定コマンドの実行、ここではアラーム設定時刻の変更は、上述したように第2ベゼル152の回転操作により実行すればよい。また、表示画像に表示される情報の内容等は種々の変形実施が可能である。
3.4 変形例(識別オブジェクト)
以上では第1ベゼル151が第1〜第Nの回転位置で係止可能である場合に、N個の識別オブジェクトを表示するものとした。この場合、ウェアラブル端末装置100のモード数はNとは限らないため、場合によっては識別オブジェクトは表示されているが、特定のモードが割り当てられていないという回転位置が存在する。例えば、図7の例ではB11の範囲の回転位置には、対応する識別オブジェクトは表示されているが、特定のモードが割り当てられていない。この場合、B11の範囲の回転位置に第1ベゼル151が係止されている場合には、最後に選択されていた有効なモード(時計回りの回転であればB12のモードであるし、反時計回りの回転であればB13のモード)の表示を継続してもよいし、回転位置が不正である旨を示す表示画像を表示してもよい。
上述したように、本実施形態に係るウェアラブル端末装置100では、ファームウェアのアップデート等によりモード数の増減が生じる可能性がある。そのため、B11のような余裕を残しておくことで、モード数が増えた場合にも対応可能である。具体的には、モードが増えた場合には、B11の範囲のうちのいずれかの回転位置(狭義には第1の回転位置から時計回りに見た場合に、第1の回転位置に近い回転位置)に、何らかのモードを割り当てればよい。その際、追加されるモードと既存のモードの関連を考慮して、モード群の再編、及び回転位置に対するモードの割り当て順序の変更を行ってもよい。具体的には、図18〜図21を用いて後述する各データの更新処理を実行すればよい。
また、絶対的な回転位置と識別オブジェクトの表示位置との対応関係は崩れてしまうが、識別オブジェクトの表示数Nはベゼル150が取り得る回転位置の数と一致しなくてもよい。例えば、第1〜第M(M≠N)の回転位置のいずれかの回転位置に係止されるベゼル150を用いて、N個の識別オブジェクトの表示を行ってもよい。図7等の例では、識別オブジェクトはベゼル150の係止位置に対応する数を表示しているが、実際にコマンドが実行されるものはそのうちの一部の識別オブジェクトに対応する回転位置のみである。つまり、コマンドが割り当てられている識別オブジェクトのみを表示対象とすれば、その数はベゼル150が係止される回転位置の数とは相違してくる。このような場合、第1ベゼル151の回転位置は、その絶対位置を用いるのではなく、所与の基準回転位置に対する変化量(回転量)を用いてもよい。ここでの基準回転位置とは、ウェアラブル端末装置100がオンにされた際の回転位置、何らかのリセット操作が行われた際の回転位置、ファームウェアアップデートが行われた際の回転位置等、種々の回転位置を利用可能である。
例えば、第1ベゼル151は、360/M度を1単位として回転するが、識別オブジェクトは360/N度間隔でN個が配置されてもよい。この場合、第1ベゼル151の1単位の回転により、選択される(上記例であれば白黒が反転される)識別オブジェクトを1つ隣のものに変化させればよい。この場合にも、第1ベゼル151の回転により、適切なモードを選択するモード選択コマンドを実行することが可能になる。ただし、上述したように第1ベゼル151の絶対的な回転位置と、識別オブジェクトの表示位置とにずれが生じる。例えば、N<Mである場合、第1ベゼル151を1周させた(360度回転させた)場合に、識別オブジェクトの選択位置は1周以上変化しており、元の位置にぴったり戻らない。このため、ベゼル150の回転状態としては、回転量(或いは当該回転量から求められる回転位置)を用いることが望ましい。例えば、記憶部140が第1〜第Nの回転位置の情報を記憶しておき、検出部130ではベゼル150の回転量(回転角度でもよいし、360/M度を1単位とした場合の単位数でもよい)を検出する。そして、処理部110では、記憶部140に記憶された情報と、検出部130での検出結果を比較することで、ベゼル150が第1〜第Nの回転位置のいずれに対応するかを判定すればよい。
3.5 変形例(他のモード)
また、ウェアラブル端末装置100のモードは図8〜図12を用いて上述したものには限定されず、他のモードを有してもよい。
例えば、ウェアラブル端末装置100は、所与の表示オブジェクト(狭義には画像)に対する移動コマンド、回転コマンド、サイジングコマンドを実行してもよい。具体的には、画像処理モードを有し、当該画像処理モードにおける設定コマンドとして、上記3つのコマンドを実行する。
ここでの移動コマンドとは、画像を上下左右に並進移動させるコマンドであり、移動方向や移動量を第2ベゼル152の回転方向、回転量により決定することが考えられる。回転コマンドとは、画像を回転するコマンドであり、回転方向、回転量を第2ベゼル152の回転方向、回転量により決定する。また、サイジングコマンドは画像の拡大縮小を行うコマンドであり、拡大縮小の倍率(変倍率)を第2ベゼル152の回転方向、回転量により決定する。
例えば、ウェアラブル端末装置100の小さい表示部120で画像を閲覧する場合、画像全体を表示部120に表示するだけでは閲覧しやすいインターフェースは実現できない。その点、拡大縮小を可能にすれば画像の所望の部分を適切に閲覧できるようになる。また、画像を拡大した場合には画像の一部しか閲覧できない可能性もあるため、所望の領域を閲覧するための並進移動、回転移動を行うことによる利点は大きい。
図16のJ1が移動コマンドを実行した場合の表示画像の変化例、J2が回転コマンドを実行した場合の表示画像の変化例、J3がサイジングコマンドを実行した場合の表示画像の変化例である。なお、図14を用いて上述したログ(履歴グラフ)の表示変更も、当該履歴グラフを画像であると捉えれば画像のサイジングコマンドを実行していると考えることが可能である。
また、上述したアラームモードでは音による報知を行うことが考えられる。また、ウェアラブル端末装置100に対する操作があった場合、そのフィードバックとして操作音を鳴らす可能性もある。或いは、近年のウェアラブル端末装置100は、メール受信の通知や音楽再生が可能な機器も増えている。
そのため、ウェアラブル端末装置100から何らかの音を出力することは一般的であり、その音量を調整することに対する要求がある。よって、ウェアラブル端末装置100は音量調整コマンドを実行してもよい。具体的には、音調調整モードを有し、当該音量調整モードにおける設定コマンドとして、音量調整コマンドを実行してもよい。
第2ベゼル152の回転方向、回転量により音量調整を行えばよく、例えば時計回りの回転を検出した場合に回転量に応じて音量を大きくし、反時計回りの回転を検出した場合に回転量に応じて音量を小さくすればよい。図17が音量調整コマンドを実行した場合の表示画像の変化例である。
4.記憶部に記憶されるデータのデータ構造例
次に記憶部140に記憶され、処理部110で読み出されて使用される情報について説明する。記憶部140は、コマンド特定情報記憶部141と、モード情報記憶部142と、識別オブジェクト情報記憶部143とを含んでもよい。以下、各部で記憶される情報について説明する。
4.1 コマンド特定情報
本実施形態に係るウェアラブル端末装置100の処理部110では、第1ベゼル151、第2ベゼル152に対する操作が行われた(回転状態が検出された)場合に、当該操作に応じたコマンドを実行する必要がある。そのためには、検出部130での検出結果と、実行するコマンドとの対応関係が明確でなくてはならず、当該対応関係を規定する情報を記憶部140に記憶しておくとよい。
よって、記憶部140はコマンド特定情報を記憶してもよい。コマンド特定情報は、上述したように操作に基づいてコマンドを特定するための情報であり、狭義にはモードと、回転ベゼルに対する操作とが決定された場合に、実行するコマンドを一意に特定するための情報である。
図18にコマンド特定情報の一例を示す。コマンド特定情報は、モード名と、操作に対応して実行する設定コマンドとを対応付けた情報である。なお、ここでは第1ベゼル151の回転状態はモード選択(モード選択コマンドの実行)に用いられるため、操作としては第2ベゼル152とガラス170に対するタッチを考えている。
図18におけるNULLは対応する操作を行ってもコマンドが実行されないことを表す。ワールドタイム表示モードでは、世界の複数の都市の現在時刻を表示するモードであるため、第2ベゼル152の回転によって表示対象とする都市を変更可能としている。またストップウォッチモードでは、スタートストップの他、ラップタイムの計測やリセットが必要となるため、それぞれをガラス170のタッチと第2ベゼル152の回転に割り当てている。カウントダウンモードは、所定時間のカウントダウンを行うモードであるため、当該所定時間の設定と、カウントダウンのスタートストップを行う。ここでは、第2ベゼル152の回転によって所定時間を増減させ、ガラス170のタッチによりカウントダウンのスタートストップを実行する例を示している。
図18のその他のモードではグラフ表示を行う際のズームイン、ズームアウトコマンドを、第2ベゼル152の回転操作により行う例を示している。ただし、各モードでの操作と設定コマンドとの関係は図18に限定されず、種々の変形実施が可能である。
4.2 モード情報
また、ウェアラブル端末装置100の複数のモードは、図7等を用いて上述したように関連するモード群ごとにまとめて管理するとよい。よって、記憶部140では、ウェアラブル端末装置100の複数のモードを管理するモード情報を記憶するとよい。
図19にモード情報の具体例を示す。モード情報は例えばモード名と、上位モードと、第1ベゼル151の回転位置とを対応づけた情報であってもよい。図19に示したように、上位モードに関する情報を保持することで、モード群を管理することが可能になる。図19であれば、時刻表示モードと、当該時刻表示モードを上位モードとするワールドタイム表示モード、ストップウォッチモード、アラームモード、カウントダウンモードが一群のモードであるものとして処理を行うことができる。
図19に示したデータ構造により、図20に示すようなモードの階層構造を保持することが可能になる。なお、図19、図20からわかるように、上位モードで表示する情報は、下位モードで表示される情報の上位概念である必要はなく、ここでの上位下位とは単にモード管理を行う際のモード間の関係を考慮して設定されるものであってもよい。なお、上述した時間モード群に対応するモードを設け、時刻表示モード、ワールドタイム表示モード、ストップウォッチモード、アラームモード、カウントダウンモードの全てが当該モードの下位モードであると考えて階層構造を構築してもよく、モード管理の手法は種々の変形実施が可能である。また、図19、図20ではモードが2層の階層構造である例を示したが、3層以上の階層構造であってもよい。
また、第1ベゼル151の回転位置を対応付けておくことで、第1ベゼル151の回転状態の検出結果が取得された場合に、処理部110ではどのモードを選択するモード選択コマンドを実行すればよいかを判定できる。
なお、図18、図19ではコマンド特定情報とモード情報とを分けて考えたがこれには限定されず、1つのテーブルとして管理してもよい。図19のモード名と第1ベゼル151の回転位置との対応づけを、第1ベゼル151の回転操作と実行されるモード選択コマンドの対応づけであると考えれば、図18及び図19はともに操作とコマンドとを対応付ける情報と考えることができる。例えば、モード名、上位モード、第1ベゼル151の回転位置、第2ベゼル152の時計回りの回転時に実行される設定コマンド、第2ベゼル152の反時計回りの回転時に実行される設定コマンド、ガラス170のタッチ時に実行される設定コマンド、の各情報を対応付けるデータベースを構築してもよい。
また、図18、図19に示した情報により、処理部110では第1ベゼル151が操作された場合に、どのモードに遷移するモード選択コマンドを実行するか、或いは第2ベゼル152等が操作された場合に、どの設定コマンドを実行するか、を特定することができ、特定されたコマンドの実行が可能となる。ただし、操作が実行された場合に必ずコマンドを実行するものには限定されず、コマンドの実行を禁止する操作があってもよい。
例えば、筐体160に図2〜図4には不図示のロックボタンを設けておき、当該ロックボタンが操作された場合に処理部110ではロックフラグをオンにする。そして、第1ベゼル151等の操作が行われた場合に、無条件で図18、図19等を参照してコマンドの特定、実行を行うのではなく、ロックフラグがオフであることを条件に処理を行うようにする。このようにすれば、ロックがかけられている(ロックフラグがオン)状態では、コマンドの実行が無効となるため、誤操作の抑止等が可能になる。典型的な使用例としては、ウェアラブル端末装置100を外しカバン等にしまっておく際にロックをかけるといった状況が考えられる。
4.3 識別オブジェクト情報
上述したように、モード群についてはウェアラブル端末装置100の内部処理で用いるだけでなく、当該モード群に関する情報をユーザーに対してわかりやすく提示することが重要である。そのためには、表示する識別オブジェクトの表示態様を考慮する必要があり、記憶部140では識別オブジェクト情報を記憶しておくとよい。
例えば、図7に示したように各モード群の先頭のモードに対応する識別オブジェクトを、他のモードに対応する識別オブジェクトと異なるものにする場合、識別オブジェクト情報は図21に示した形式であってもよい。
図21に示したように、識別オブジェクト情報は、モード区分と、各モード区分に対応する識別オブジェクトとを関連づける情報である。また、第1ベゼル151の現在の回転位置に対応する識別オブジェクトを、他の回転位置に対応する識別オブジェクトと異ならせる必要もあることから、選択状態での識別オブジェクト(現在の回転位置に対応する識別オブジェクト)と非選択状態での識別オブジェクトを分けて管理している。
図21に示したデータ構造であれば、モードが上位モードであるか下位モードであるかによって表示される識別オブジェクトを異なるものとすることが可能である。ここでの上位モードとは、図19における上位モードがNULLである(それ以上の上位モードが存在しない)モードであり、下位モードとは図19における上位モードに何らかのモードが対応付けられた(上位モードが存在する)モードである。つまり、図19のモード情報と、図21の識別オブジェクト情報を併せて用いることで、各モードに対して適切な表示位置に適切な識別オブジェクトを表示することが可能になる。
なお、図21のように選択状態と非選択状態での一方の識別オブジェクトが、他方の識別オブジェクトの白黒が反転されたものである場合、その両方を保持せず、一方のみを保持してもよい。その場合、保持されなかった情報については、保持されている情報の反転処理を行って生成すればよい。
また、図21の情報についても、図18や図19の情報と分けて管理するのではなく、1つのテーブルにまとめることが可能である。さらに言えば、コマンド特定情報、モード情報、識別オブジェクト情報に含まれる情報を4つ以上のテーブルを用いて管理する等の変形実施も可能であるし、上述した情報以外の情報を記憶部140において記憶することも妨げられない。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またウェアラブル端末装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
100…ウェアラブル端末装置、110…処理部、120…表示部、130…検出部、
140…記憶部、141…コマンド特定情報記憶部、142…モード情報記憶部、
143…識別オブジェクト情報記憶部、150…ベゼル、151…第1ベゼル、
152…第2ベゼル、160…筐体、161,162…凸部、170…ガラス、
180…バンド部、1511…凹部、1512…突起部、1513…マーカー、
1521…凹部、1522…突起部

Claims (14)

  1. 画像を表示する表示部と、
    前記表示部が設けられる筐体と、
    前記筐体に設けられ、回転可能なベゼルと、
    前記ベゼルの回転状態を検出する検出部と、
    前記検出部での検出結果に基づいて特定されたコマンドを実行する処理部と、
    を含み、
    前記表示部は、
    前記画像において、前記回転状態を識別可能に表示することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  2. 請求項1において、
    前記回転状態は、回転量及び回転位置の少なくとも一方であることを特徴とするウェアラブル端末装置。
  3. 請求項2において、
    前記ベゼルは、回転した場合に、第1〜第N(Nは2以上の整数)の回転位置のいずれかの回転位置に係止されるベゼルであり、
    前記表示部は、
    前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に前記ベゼルが係止されているかを識別可能に表示することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  4. 請求項2において、
    前記ベゼルの回転方向において設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の回転位置を記憶する記憶部を含み、
    前記表示部は、
    前記検出部が検出した前記回転状態である前記回転量が、前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に対応するかを識別可能に表示することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  5. 請求項3又は4において、
    前記第1〜第Nの回転位置と、第1〜第Nのコマンドが対応づけられており、
    前記処理部は、
    前記ベゼルが第i(iは1≦i≦Nを満たす整数)の回転位置に係止していることが検出された場合に、前記第1〜第Nのコマンドのうちの第iのコマンドを実行することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  6. 請求項5において、
    第m(mは1≦m≦N−2を満たす整数)の回転位置には第mのコマンドが対応づけられ、第n(nはm<n≦Nを満たす整数)の回転位置には第nのコマンドが対応づけられ、
    前記第mの回転位置と前記第nの回転位置の間の第k(kはn<k<mを満たす整数)の回転位置には、コマンドの階層構造において、前記第mのコマンドの下層のコマンドである第kのコマンドが対応づけられることを特徴とするウェアラブル端末装置。
  7. 請求項3乃至6のいずれかにおいて、
    前記表示部は、
    前記第1〜第Nの回転位置に対応する位置に第1〜第Nの識別オブジェクトを、前記画像として表示し、前記第1〜第Nの識別オブジェクトを用いて、前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に前記ベゼルが係止されているかを識別可能に表示することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  8. 請求項6において、
    前記表示部は、
    前記第1〜第Nの回転位置に対応する位置に第1〜第Nの識別オブジェクトを表示し、前記第1〜第Nの識別オブジェクトを用いて、前記第1〜第Nの回転位置のいずれの回転位置に前記ベゼルが係止されているかを識別可能に表示し、
    前記表示部は、
    前記第mのコマンドに対応する第mの識別オブジェクトとして、前記第mのコマンドの下層のコマンドである前記第kのコマンドに対応する第kの識別オブジェクトと異なるオブジェクトを表示することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  9. 請求項7又は8において、
    前記表示部は、
    前記第1〜第Nの識別オブジェクトを、前記表示部の外周に沿って配置して表示することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記ベゼルの前記回転状態の検出結果に基づいて、前記ウェアラブル端末装置の複数のモードのいずれかのモードを選択するモード選択コマンドを実行することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記表示部に表示されるオブジェクトの回転コマンド、移動コマンド、サイジングコマンドの少なくとも1つのコマンドを実行することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記検出部の検出結果に基づいて、音量調整コマンドを実行することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    所定の操作が行われた場合に、前記検出部の検出結果に基づいて特定された前記コマンドを無効に設定することを特徴とするウェアラブル端末装置。
  14. 画像を表示する表示部と、前記表示部が設けられる筐体と、前記筐体に設けられ、回転可能なベゼルと、を有するウェアラブル端末装置の制御方法であって、
    前記ベゼルの回転状態を検出し、
    前記検出部での検出結果に基づいて特定されたコマンドを実行し、
    前記画像において、前記回転状態を識別可能に表示する、
    ことを特徴とするウェアラブル端末装置の制御方法。
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