JP2017078724A - 多色蛍光画像分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多重染色された試料の複数の蛍光画像を同時に簡便に測定できる装置を提供する。【解決手段】 本発明の多色蛍光画像分析装置は、光励起用の光源と、光源からの光を集め試料に照射する照射光学系と、試料から発する蛍光等を検出するために集光する蛍光集光系と、集光した光異なる比率で分割する分離部と、分割された光をそれぞれ結像する結像光学系と、分割され結像された像を各々検出するための複数の検出画素を備えた2次元検出器と、それぞれの検出像を加算する加算像形成処理部、一方の像と加算された像との比率を計算する比率像形成処理部、比率像強度を色相とし、加算像強度を明度として、カラー合成画像を生成する画像形成処理部を含むデータ処理部を具備する。【選択図】 図1

Description

本発明は、光分析・表示装置に関し、例えば、DNA,RNA、又はタンパク質,細胞等の生体関連物質を多重に染色し、該試料に光を照射してその蛍光を検出し、多色画像を表示し、または成分分析する光計測・分析装置に関する。
多重染色した細胞等の標本を観察するには、一般に蛍光顕微鏡を使い画像検出する。多重染色された試料からは、複数の蛍光試薬に対応する波長帯を有する蛍光がそれぞれ発生する。これらを、通常は、それぞれ画像検出し、計測された複数の画像をRGBカラー画像空間に合成表示することが多い。たとえば、第1の蛍光体で染色された細胞蛍光画像をR色(赤色)の強度画像とし、第2の蛍光体で染色された細胞蛍光画像をG色(緑色)に、第3の蛍光体で染色された細胞蛍光画像をB色(青色)にし、それらを合成することで、カラー画像が構築される。複数の画像を取得するには、1台の2次元検出器を使用し、バンドパス干渉フィルタセットを切換えて、1色ずつ蛍光画像を取得する方法、または、複数の2次元検出器を用意し、それぞれ異なる波長帯を透過するバンドパス干渉フィルタセットを使って、同時に蛍光画像を取得する方法、及び、それらを組み合わせた方法がある。たとえば、特許文献1には、フィルタセットを切換えて画像を取得する装置、特許文献2には、たとえば、蛍光波長帯を4つに分け、それぞれを4台の2次元検出器にてほぼ同時に異なる4蛍光画像を取得する方法が記載されている。
特開2005−331887号公報 特開2008−139543号公報
多重染色された試料を計測する場合、特許文献1では、複数のフィルタセットを切換えて画像を取得する必要があるため、測定に要する時間が大きくなる。具体的には、2次元カメラの露光時間のほか、フィルタセット(励起用フィルタ、蛍光検出用フィルタ、励起・蛍光分離用ダイクロイックミラー)を交換するときの移動(回転)時間、静止に要する時間等の機械動作が必要になり、これらが蛍光体の数繰り返す時間が必要になる。そのため、複数の蛍光画像を同時に取得することが困難になる。同一タイミングで検出できないため、たとえば、蛍光の退色等の変化の影響を受けやすくなる。また、蛍光が時間的に変化するような対象にも使いにくい。また通常、2次元カメラの露光時間に比べ、機械動作時間が大きいため、露光時間を短くしても全体的には時間短縮しにくい。また、それぞれの蛍光体に合わせたフィルタセットが必要になり、全体として装置が高価になる。
特許文献2では、蛍光波長帯を4つに分け、それぞれを4台の2次元検出器にてほぼ同時に異なる4蛍光画像を取得するが、高価な検出器を4台使うことになり、装置コストが大きくなる。また、測定する蛍光体の特性に合わせて、ダイクロイックミラー、蛍光検出用フィルタなどをそれぞれ用意する必要があるため、フィルタセット等が高価になりやすい。また、この方式では、複数の蛍光波長帯に分割して計測するがこれらの波長帯は基本的に重ならないため、蛍光スペクトルが複数の波長帯に広がっているような一般的な蛍光体の場合には、検出される蛍光強度は全発光強度の一部しか検出されず、検出のロスが生じやすい。さらに、波長帯の近い蛍光体を分離して検出することが困難であるため、一般には、同時に蛍光画像を取得できる蛍光体種は3−4種程度と考えられる。
本発明は、多重染色された試料の複数の蛍光画像を同時に簡便に測定できる装置を提供するものである。
上記課題解決するために、本発明は、特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
ある1つの側面は、
複数の蛍光体で染色された試料に光源からの光を照射し、該試料から生じる蛍光等を検出して表示する多色蛍光画像分析装置であって、
光励起用の光源と、
光源からの光を集め試料に照射する照射光学系と、
試料から発する蛍光等を検出するために集光する蛍光集光系と、
集光した光を異なる比率で分割する分離部と、
分割された光をそれぞれ結像する結像光学系と、
分割され結像された像を各々検出するための複数の検出画素を備えた2次元検出器と、
それぞれの検出像を加算する加算像形成処理部、一方の像と加算された像との比率を計算する比率像形成処理部、比率像強度を色相とし、加算像強度を明度として、カラー合成画像を生成する画像形成処理部を含むデータ処理部を具備する。
本発明によれば、多重染色された試料の複数の蛍光画像を同時に簡便に測定できる装置を提供することができる。
上記した以外の、課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施例の多色蛍光同時計測方式による計測装置の構成図。 第1の実施例での多色同時計測の原理説明図。 第1の実施例で使用した励起光・蛍光フィルタセットの特性図。 第1の実施例で使用した多色同時検出用比率二分割ミラーの特性図。 第1の実施例での6蛍光体の同時蛍光検出、同時表示結果。 本発明の第2の実施例での多色同時計測結果。 第3の実施例での別の多色蛍光同時計測装置の構成図。 第4の実施例での別の多色同時検出用比率二分割ミラーの別の例(模式図)。
以下、本発明の新規な特徴と利益を、図面を参酌して説明する。ただし、図面は解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(装置構成)
実施例1の計測装置の構成図を図1に示す。図示の装置は顕微鏡に類似する装置の構成であり、蛍光標識された試料2に励起光を照射し、生じる蛍光を2次元検出器で検出し、データ・画像を表示するものである。なお、通常の顕微鏡の機能である透過照明、位相差像計測、微分干渉像計測、NDフィルタ、対物レンズレボルバ、XYステージ、ピント合わせ用Z調整機構、接眼レンズ、顕微鏡筺体、種々の電源、自動調整機構部等は図より省略している。また、必要に応じて使われる温調容器ヒータパネルなども同じである。
蛍光を励起するための光源10の光をレンズ11で集光し、励起/蛍光分離用ダイクロイックミラーユニット13(励起用フィルタ、ダイクロイックミラー、蛍光用フィルタ含む)で必要な波長帯の光を取り出し、反射させ、対物レンズ12を通して、試料台1に保持した試料2に集光して照射する。なお、蛍光を励起するための光源10には、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、各種レーザ装置、高輝度LED光源などが使われ、どれも使用できる。また光ライトガイドを介して導入することもできる。
試料から発する蛍光等は、再び対物レンズ12で集光され、ダイクロイックミラーユニット13により、散乱光などの励起光成分が反射され、さらに蛍光用フィルタにより、蛍光成分が取りだされる。このダイクロイックミラーユニット13には、通常のものが使われるが、より望ましくは、複数の波長帯で励起し、複数の波長帯の蛍光を検出することのできるマルチバンドタイプの励起/蛍光分離用ダイクロイックミラーユニットが望ましく、デュアルバンド、トリプルバンド、クワッドバンドのフィルタセットを使用する。
透過した蛍光は、補助フィルタ14を透過させ、比率二分割ミラー15に入射させる。二分割ミラーは、たとえば、450nm以下の透過率はほぼ0で、700nm以上が100%、その間をほぼ線形的に変化する透過率特性を有するもので、50nm〜300nmなどの広い波長範囲にわたって緩やかな透過特性を有するミラーである。通常のダイクロイックミラーと異なり、特定の蛍光体からの蛍光を狙って、特定の波長帯を100%透過、それ以外を反射(0%透過)させるものではなく、蛍光を二分割される両方に分割比率を変えて分割するものである。たとえば、500nmを中心波長とする蛍光は、透過率20%の透過蛍光像と、反射率80%の反射蛍光像に分割結像し、600nmを中心波長とする蛍光は、透過率60%の透過蛍光像と、反射率40%の反射蛍光像に分割して結像、700nmを中心波長とする蛍光は、透過率100%の透過蛍光像と、反射率0%の反射蛍光像に分割して結像する。これら透過蛍光像と反射蛍光像は、それぞれ補助フィルタ16,17を通し、結像レンズ18,19で、2次元検出器20,21(高感度冷却2次元CCDカメラ、cMOSカメラ等)に結像させ、検出する。2次元検出器の露光時間の設定,蛍光画像の取り込みタイミングなどの制御は、カメラコントローラ(図示せず)を介して制御PC(図示せず)が行う。なお、補助フィルタ14,15,16は、適宜必要に応じて使用する。たとえば、十分にカットされなかった励起光のもれをさらにカットするために短波長カットフィルタを使う。また、測定範囲外の長波長成分をカットするため、バンドパスフィルタ、長波長カットフィルタの機能を持たせる。分割された光強度のバランスを整えるため、光強度を減衰させるためのNDフィルタを挿入するなどである。蛍光検出用の広帯域バンドパスフィルタとしてもよい。レーザ光を励起光とした場合には、レーザ除去用のノッチフィルタを挿入することもできる。
2次元検出器として、冷却型の高感度カメラ等を使用する。画素サイズ,画素数に使用の際の制限などは無く、たとえば、画素サイズが6.5×6.5マイクロメータで、画素数2048×2048画素の冷却cMOSカメラ等を使用する。なお、2次元検出器としては、cMOSカメラの他、CCDカメラなどの高感度カメラなどを一般に使うことができる。CCDカメラにも、構造によって、背面照射型,正面照射型があり、どちらも使用できる。また、素子内部に信号の増倍機能を有する電子増倍型CCDカメラなども高感度化を図る上で有効である。また、センサは冷却型が望ましく、−20℃程度以下にすることで、センサの持つダークノイズを低減でき、測定の精度を高めることができる。
本実施例のように2次元検出器を2台使用する場合は、蛍光検出のための露光時間の設定を2台同じにする必要は必ずしもなく、透過蛍光像と反射蛍光像の平均強度に合わせて各々設定を変えてもよい。露光タイミングに関しては、同じにするのが望ましい。
測定した透過蛍光像と反射蛍光像は、次のデータ処理部22によりカラー画像化する。
まず、透過蛍光像と反射蛍光像それぞれについて、平滑化等の処理をした後、ベースライン補正を行い、カメラのダークノイズ、オフセット、背景光強度を差し引く。その処理のため、あらかじめ、カメラダーク画像。蛍光体がないときの背景光画像を取得しておき、それらを使って処理を行う。
次に、2台の検出器の露光時間、または感度が異なっている場合は、その補正を行う。同じ種類の検出器をつかい、同じ露光時間で検出した時は特に必要ではない。
透過蛍光像と反射蛍光像が同じ領域の画像となるように、画像の回転、エリアのトリミングを行う。
上記処理済みの透過蛍光像と反射蛍光像を加算像形成処理部により画素毎に加算する。加算像は、検出される蛍光光強度の全波長範囲全体の総和の画像である。波長ごとに分離された画像ではなく、計測されるべき波長範囲全体の強度画像になる。
透過蛍光像と反射蛍光像から、比率像を得る。比率像とは(透過蛍光像)/(透過蛍光像+反射蛍光像)つまり(透過蛍光像)/(加算像)である。この際、加算像の画素強度が小さい場合、比率精度が低下するため、一定以上の画素強度のある領域のみで比率計算されるようにする。なお、比率像は(反射蛍光像)/(透過蛍光像+反射蛍光像)つまり(反射蛍光像)/(加算像)であってもよい。
画像形成処理部では、比率像強度を色相とし、加算像強度を明度として、また彩度は固定で、HSV色空間に展開し、カラー合成画像を形成する。比率(0.00〜1.00)を、色相0.0〜360.0度に変換してもよいし、0.0〜240.0度に変換してもよい。0.0〜240.0度に変換すれば、赤→橙→黄→緑→青→紫にあり、波長の色の変化と感覚が同じになるので、通常は0.0〜240.0度で変換する。もちろん240.0〜0.0度と変換しても表示色の順番が逆になるだけなので、問題はなく、どちらかにすればよい。
このように比率二分割した透過蛍光像と反射蛍光像から、カラー画像を形成し、PCモニタ等の表示装置23に出力表示する。
(多色同時計測手法の説明)
実施例1の多色同時計測の原理説明図を図2に示す。
図2aは試料のモデルイメージ、図2bは比率二分割ミラー特性、図2cは検出される比率二分割像で透過蛍光像と反射蛍光像、 図2dはデータ処理部による得られる比率像と加算像、 図2eはデータ処理部による構築されるカラー画像である。
試料として、6種の異なる蛍光体を含む像を考える(図2a)。水銀ランプ等の光源を使用して励起すると6種の異なる蛍光を発生し、左から青、青緑、緑、黄緑、橙、赤色の蛍光となる。これらの蛍光を集光して、比率二分割ミラーで分割する。比率二分割ミラーは図2bのように、450nm以下の透過率がほぼ0%、620nm以上がほぼ100%、450〜620nmの間をほぼ0%からほぼ100%まで、ほぼ線形的に緩やかに変化する透過率特性を有するものとする。分割ミラーの特性と蛍光波長から、青色の蛍光はほとんど透過せずに反射するため、透過画像では信号が弱く、反射画像では強く検出される。蛍光波長が青よりやや大きな青緑では、青色像に対して透過像では信号がやや強くなり、反射像では少し小さくなる。同様に緑色像では、透過像強度が反射像強度よりやや小さく、黄緑像では、透過像強度が反射像強度よりやや大きくなる。赤色の場合は、ほとんど透過するため、反射像は暗くなる(図2c)。
透過蛍光像と反射蛍光像をもとに、背景光強度を差し引き、重ね合わせのための回転補正・トリミング補正を行い、加算像を得る。6か所の蛍光発光エリア以外の信号は小さいため、その部分での比率計算には意味がないので、加算像の信号強度レベルが10%程度を超える部分に対して、比率計算をした比率像を得る(図2d)。画像形成処理部により、比率と色相を図2fのように対応させ、加算像の強度を明度に対応させることで、比率二分割によって検出された透過蛍光像と反射蛍光像から、多色ラベルの試料像をカラー表示できる。
(多色同時計測結果)
実施例1の多色同時計測結果を説明する。
表1は使用した蛍光体種と、その励起波長、蛍光波長を示す特性表である。図3は、励起/蛍光分離用ダイクロイックミラーユニットの特性で、図3aは励起光用フィルタ特性、図3bは蛍光検出用フィルタ特性、図3cは励起/蛍光分離用ダイクロイックミラーの特性を示す。試料中の蛍光波長が420nm程度から700nm程度まで、約300nmの幅で分布している。これらを同時に励起し、蛍光検出するため、トリプルバンドのダイクロイックミラーユニットを使用した。これら6種の蛍光を同時に識別・検出するため、図4に示した比率二分割ミラーを使用した。
図5は測定した透過蛍光像(図5a)と反射蛍光像(図5b)、画像処理にて得られた比率画像(図5c)、およびカラー画像(図5d)を示す。ここでは、比率0.0→1.0を 色相0.0→240度に設定してカラー化した。また図5eは、個々の蛍光体の比率分布であり、6色蛍光体が分離して検出できていることを示す。
比率二分割ミラーとしては、上記に限定されるものではなく。測定対象としている波長範囲においてある波長での透過率が他の波長での透過率と概略異なっている特性であればよい。また、測定対象としている多種類の蛍光体のうち、蛍光波長が一番短波長域の蛍光体の透過率をほぼ0%とし、一番長波長域の蛍光体の透過率をほぼ100%とすればよい。なお、一番短波長域の蛍光体の透過率をほぼ100%とし、一番長波長域の蛍光体の透過率をほぼ0%と逆の特性でも同様に使用でき、同様の効果がある。また、より汎用性を高めるために、波長域をより広げて、0%透過波長をより短波長側に、100%透過波長をより長波長にしてもよく、この場合、同時に測定できる蛍光体種を多くすることができ、同時測定可能な多色数を大きくすることができる。なお、上記100%というのは、透過率が正確に100%であるということではなく、反射率と透過率の和が100%とした場合の100%という意味で、光学基材としての透過率を制限しているものではない。光学基材としての透過率として、たとえば、98%、95%等であってよい。透過率0%についても同様である。また、一番短波長域の蛍光体の透過率をほぼ1%とし、一番長波長域の蛍光体の透過率をほぼ95%でその間をほぼ線形的に緩やかに変化する特性でも使用でき、同等の効果がある。
本実施例によれば、下記の効果がある。
本実施例では、6種の蛍光体を含む試料に対して、比率二分割ミラーにより、透過画像と反射画像を同時に検出することで、6種の蛍光体を識別して検出することができた。そのため、複数の蛍光を含む試料をフィルタを切換えて蛍光体の種類分の蛍光画像複数枚を取得することなく、1回の画像検出で識別検出することができ、簡便に測定することができる。
また、蛍光体の数によらず測定が1回で済むので、高速に繰り返し測定することができ、時間変化を測定することもできる。同時に測定できるので、蛍光の退色の影響なく多種蛍光体を測定することもできる。
1種類のフィルタセットで、300nmの幅広い波長領域の蛍光を検出識別することができ、光学フィルタのコストを安くすることができる。蛍光体の種類をかえても同じフィルタセットで使える可能性が硬く、汎用性が高い。
また、フィルタ切換え等の機械動作がないため、装置の安定性が高くなる。また、簡便に測定することができる。
さらに、たとえば、6蛍光体を6種類のフィルタセットを使い、6台の2次元検出器を使う場合の比べ、本実施例では、フィルタセットが1種、2台の2次元検出器で測定できるので、装置を安価・簡便に構成することができる。
また、本実施例では、試料から発する蛍光は、ダイクロイックミラーユニット13で透過した後、全強度を透過側と反射側に振り替えて検出するので、全強度をロスすることなく、検出でき、高感度化に有効でもある。
本実施例では、6種の蛍光体に対して行ったが、3種、4種、5種、また6種以上の蛍光体にも対応でき、多重染色等の同時計測に有効である。
なお、本実施例では、通常の蛍光顕微測光法で行っているが、画像として検出する方式すべてで同様の効果がある。共焦点方式の照射結像系、エバネッセント照明での画像計測でも同様に同等の効果がある。
第2の実施例での多色同時計測装置 結果を図6に示す。
マウス胎児繊維芽細胞(培養細胞)に対して、複数の試薬で染色した試料の測定結果を示す。 培養細胞をスライドガラスに播種し、PFA固定・透過処理後、DRAQ5(R)、Phalloidin,Rhodamine X conjugated、Paclitaxel,Oregon Green(R) 488 Conjugate試薬にて染色した。37度20分間反応後、PBS洗浄し封入し、実施例1と同様の装置にて蛍光測定を行った。
図6aは透過蛍光像、図6bは反射蛍光像、図6cはカラー変換画像である。このように多重染色した細胞像の計測で、多重蛍光体を同時に測定することができ、簡便な測定が可能になる。
多重染色した細胞試料でも実施例1と同様の効果がある。
別の多色蛍光同時計測装置の構成図を図7に示す。
実施例1と同様に、通常の顕微鏡の機能である透過照明、位相差像計測、微分干渉像計測、NDフィルタ、対物レンズレボルバ、XYステージ、ピント合わせ用Z調整機構、接眼レンズ、顕微鏡筺体、種々の電源、自動調整機構部等は図より省略している。また、必要に応じて使われる温調容器ヒータパネルなども同じである。
蛍光を励起するための超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、各種レーザ装置、高輝度LED光源等の光源10の光をレンズ11で集光し、励起/蛍光分離用ダイクロイックミラーユニット13(励起用フィルタ、ダイクロイックミラー、蛍光用フィルタ含む)で必要な波長帯の光を取り出し、反射させ、対物レンズ12を通して、試料台1に保持した試料2に集光して照射する。
試料から発する蛍光等は、再び対物レンズ12で集められ、平行光束とし、ダイクロイックミラーユニット13により、散乱光などの励起光成分が反射され、さらに蛍光用フィルタにより、必要な蛍光波長成分を透過させる。
透過した蛍光は、補助フィルタ14を透過させ、結像レンズ101でいったん結像させ、再び、レンズ102で平行光とし、比率二分割ミラー103に入射させる。二分割ミラーは、たとえば、420nm以下の透過率はほぼ0%で、600nm以上が100%、その間をほぼ線形的に変化する透過率特性を有するもので、180nm波長範囲にわたって緩やかな透過特性を有するミラーである。実施例1と同様に、波長範囲400nmから600nm程度の範囲に蛍光発光する蛍光を多色同時検出することができる。
比率二分割ミラー103からの透過光はミラー104、ミラー105で反射され、補助フィルタ107を通してレンズ109で結像させる。比率二分割ミラー103による反射光はミラー106で反射させ、補助フィルタ108を通してレンズ109で結像させる。レンズ109に対する透過光と反射光の光軸は図のように異なるように配置する。これにより、レンズ109で結像させたときの透過光像と反射光像の位置をずらすことができ、1台の2次元検出器110にて、両方の画像を同時に検出する。
測定した蛍光像を、データ処理部111によりカラー画像化する。
まず、2次元検出器の画像から、透過蛍光像と反射蛍光像を切り分ける。そのあとは、実施例と同じ工程で比率二分割した透過蛍光像と反射蛍光像から、カラー画像を形成し、PCモニタ等の表示装置112に出力表示する。
本実施例によれば、透過画像と反射画像を1台の2次元検出器で両方の画像を検出することにより、それぞれ別々の2次元検出器で検出する場合に比べて、測定視野が小さくなるが、2次元検出器を1台にできるため、低コスト化することができる。
そのほか、本実施例の構成でも、実施例1記載と同等の効果がある。
多色同時検出における別の組み合わせを図8に図示する。
蛍光試薬としてQdot(R)を使う場合のフィルタセットの例を示す。Qdot(R)として、図8eのように8種を対象とする場合、励起光用フィルタ特性図8a、蛍光検出用フィルタ特性図8b、励起/蛍光分離用ダイクロイックミラーの特性図8cを使用する。比率分割フィルタは、図8dのように、Qdot(R)525の発光特性と蛍光用フィルタの特性、およびダイクロイックミラーの特性から、蛍光用フィルタの透過波長帯域の短波長端の510nm近傍で透過率0%、Qdot(R)705の蛍光極大波長の705nm近傍で100%となる特性とする。これにより、Qdot(R)8種を同時に同じフィルタセットで識別検出することができる。1回の露光ですべて検出でき、簡便に測定が可能になる。8種同時に測定できることから、高速に画像を測定することができ、時間変化するような系でも高速の繰り返し測定が可能になる。そのほか、本実施例の組み合わせでも、実施例1記載と同様の効果がある。
1 試料台
2 試料
10 光源
11 レンズ
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラーユニット
14、16,17,107,108 補助フィルタ
15,103 二分割ミラー
18,19 結像レンズ
20,21,110 2次元検出器
22,111 データ処理部
23,112 表示装置
101、102,109 レンズ
104,105,106 ミラー

Claims (12)

  1. 複数の蛍光体で染色された試料に光源からの光を照射し、該試料から生じる蛍光等を検出して表示する多色蛍光画像分析装置であって、
    光励起用の光源と、
    光源からの光を集め試料に照射する照射光学系と、
    試料から発する蛍光等を検出するために集光する蛍光集光系と、
    集光した光を異なる比率で分割する分離部と、
    分割された光をそれぞれ結像する結像光学系と、
    分割され結像された像を各々検出するための複数の検出画素を備えた2次元検出器と、
    それぞれの検出像を加算する加算像形成処理部、一方の像と加算された像との比率を計算する比率像形成処理部、比率像強度を色相とし、加算像強度を明度として、カラー合成画像を生成する画像形成処理部を含むデータ処理部を具備する多色蛍光画像分析装置。
  2. 請求項1に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記分離部は、蛍光集光系にて集光した光を、測定する波長範囲において実質的に各々の波長で異なる比率で分割することを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  3. 請求項1に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記分離部は、各々の蛍光体の蛍光毎に、異なる比率で透過光と反射光に分割することを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  4. 請求項1に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記分離部は、最短波長側の蛍光体の検出波長域から、最長波長側の蛍光体の検出波長域までの範囲において実質的に各々の波長で異なる比率で分割することを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  5. 請求項1に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記分離部は、指定の波長範囲の透過率または反射率が、実質的にほぼ0からほぼ100%までのほぼ単調増加または単調減少の特性を有する二分割ミラーであることを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  6. 請求項1に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記分離部は、50nm以上の波長範囲の幅において光を分割することを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  7. 請求項1に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記分離部は、100nm以上の波長範囲の幅において光を分割することを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  8. 複数の蛍光体で染色された試料に光源からの光を照射し、該試料から生じる蛍光等を検出して表示する多色蛍光画像分析装置であって、
    光励起用の光源と、
    光源からの光を集め試料に照射する照射光学系と、
    試料から発する蛍光等を検出するために集光する蛍光集光系と、
    所定の波長範囲幅にわたって、ほぼ単調増加または単調減少の透過特性を有する二分割ミラーと、
    二分割ミラーによる透過像と、反射像を同時に検出する2次元検出器と、
    透過像と、反射像を加算する加算像形成処理部、一方の像と加算された像との比率を計算する比率像形成処理部、比率像強度を色相とし、加算像強度を明度として、カラー合成画像を生成する画像形成処理部を含むデータ処理部を具備する多色蛍光画像分析装置。
  9. 請求項8に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記波長範囲幅は、50nm以上であることを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  10. 請求項8に記載の多色蛍光画像分析装置であって、
    前記波長範囲幅は、100nm以上400nm以下であることを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
  11. 複数の蛍光体で染色された試料に光源からの光を照射し、該試料から生じる蛍光等を検出して表示する多色蛍光画像分析装置であって、
    光励起用の光源と、
    光源からの光を集め試料に照射する照射光学系と、
    試料から発する蛍光等を検出するために集光する蛍光集光系と、
    蛍光が発する波長範囲幅で、ほぼ単調増加または単調減少の透過特性を有する分離部と、
    分離部により分離される2種の像を同時に検出する2次元検出器と、
    透過像と、反射像からカラー画像を生成するデータ処理部を具備する多色蛍光画像分析装置。
  12. 請求項1に記載の多色蛍光画像分析装置において、
    蛍光体3種以上を同時に検出・表示することを特徴とする多色蛍光画像分析装置。
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