JP2017078673A - プローブ保持治具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3では、磁石が、車輪にではなく、支持台に埋め込まれている。
また、特許文献2,3の支持台(プローブ保持治具)は、発電プラントのタービンロータの超音波探傷に特化されており、汎用性が低い。
本発明は、かかる事情に鑑み、超音波探傷プローブをぶれないように、かつスムーズに走査でき、更には汎用的に使用可能なプローブ保持治具を提供することにある。
直線状に延びる第1保持板と、
前記第1保持板と対向して平行に延び、前記第1保持板との間に前記超音波探傷プローブを挟み付ける第2保持板と、
前記第1、第2保持板の対向方向へ延びて、前記第1、第2保持板どうしを前記対向方向へ接近離間可能に連結する連結部材と、
回転軸線を前記第1、第2保持板の延び方向又は前記対向方向へ向けて、前記第1保持板及び第2保持板にそれぞれ設けられた車輪と、
前記車輪又は前記第1、第2保持板に設けられた磁石と、
前記連結部材に、前記第2保持板に対して接近離間可能に設けられ、前記第1保持板が前記第2保持板から遠ざかる側へ移動するのを規制する規制部と、
を備えたことを特徴とする。
1つのプローブ保持治具によって、サイズが異なる複数種の超音波探傷プローブに対応できる。かつ、プローブ保持治具は、種々の検査対象に対応可能であり、汎用性を高めることができる。
プローブ保持治具の組立時や超音波探傷プローブの保持操作時に、第1保持板と第2保持板とが磁力によって接近しようとしたときは、筒部材がストッパとなることで、第1、第2保持板どうしがくっ付くのを防止できる。これによって、プローブ保持治具の組立時及び超音波探傷プローブの挟み付け時の作業性を確保できる。
これによって、連結部材を簡易な構造にできる。
図7に示すように、本実施形態の検査対象9は、例えばプラントの配管である。検査対象配管9は、鋼鉄等の磁性体金属にて構成されている。検査対象配管9は、溶接によって継ぎ足されている。溶接部9aは、検査対象配管9の周方向(軸線L9まわり)に沿う閉環状になっている。
なお、図7において、検査対象配管9の管厚及び溶接部9aの大きさは、誇張されている。
反対側の脚部14は、第1保持板10の他端部(図4(a)において右端部)に配置されている。
反対側の脚部24は、第2保持板20の他端部(図4(b)において右端部)に配置されている。
図2(a)に示すように、転動体41が、ブッシュ44を介して車軸43に支持されるとともに、回転軸線L40のまわりに回転自在になっている。
各転動体41は、脚部14,24の先端よりも垂直方向の一側(図2(a)において下側)へ突出されている。
各保持板10,20の長手方向の前記一側部(図2(a)において左側部)の転動体41は、部分的に逃げ凹部10d,20dに入り込むことで、保持板10,20との緩衝を避けている。
各保持板10,20の長手方向の他側部(図2(a)において右側部)の転動体41は、保持板10,20の他端面(図2(a)において右端面)の外側に配置されている。
図5に示すように、連結部材30が筒部材50内に挿通されている。
保持板10,20の両端部に車輪40を取り付ける。
また、連結部材30を、第1保持板10の挿通穴11に通し、更に筒部材50に通す。そして、ネジ部32を第2保持板20の連結穴22に緩くねじ込む。これによって、連結部材30が、第1保持板10及び第2保持板20どうし間に架け渡され、これら保持板10,20が連結部材30を介して連ねられる。図5(b)に示すように、この段階の第1保持板10は、頭部33に突き当たる位置(図5(a)参照)と、筒部材50の端面と突き当たる位置(図5(b))との間で、連結部材30に沿って移動可能である。ひいては、保持板10,20どうしが接近離間可能である。
このとき、第1保持板10と第2保持板20とは、互いのマグネットリング41a,41aどうしの磁気吸引力によって引き付け合う。一方、筒部材50によって、第1保持板10が、当該筒部材50と突き当たる位置よりも第2保持板20の側へ移動するのが阻止される。したがって、第1保持板10と第2保持板20とが前記磁気吸引力によってくっ付くのを防止することができる。これによって、プローブ保持治具1の組立作業の良好性を確保でき、ひいては、後記超音波探傷プローブ8の保持作業性を確保できる。
図6に示すように、別途、適切な厚みのシム7(離間距離設定スペーサ)を用意する。このシム7を超音波探傷プローブ8の超音波ウェッジ8eと、検査対象配管9(又はその代用品)との間に挟む。シム7の厚みt7は、超音波ウェッジ8eと検査対象配管9との間の離間距離(ギャップg)と対応しており、好ましくはt7=0.2〜0.8mm程度であり、超音波8aの周波数5MHz、接触媒質にグリセリンを使用する場合などにおいてはより好ましくはt7=0.2mm〜0.4mm程度である。ギャップg(シム7の厚みt7)が大きすぎると、良好な探傷データを得にくくなる。ギャップg(シム7の厚みt7)が小さすぎると、ないしはギャップgが無くて超音波ウェッジ8eが検査対象配管9と接していると、超音波ウェッジ8eが検査対象配管9の外面の表面粗さ相当の小凸部に突っ掛かりやすく、かつ超音波ウェッジ8e及び検査対象配管9が擦傷を受けやすい。更には接触媒質が超音波ウェッジ8eと検査対象配管9との間から押し出されて、超音波8aの検査対象配管9内への伝達を妨げるおそれがある。
なお、図6において、ギャップgの大きさ、及びシム7の厚みt7は誇張されている(図7において同様)。
シム7は、検査対象配管9の外周面と対応する曲率を有していてもよい。
また、プローブ保持治具1は、簡素な構造であるから、コストの増大を抑えることができる。
更に、超音波探傷プローブ8には、プローブ保持治具1と係合するための凹部や凸部やネジ穴等の係合部を設ける必要がない。
このプローブ保持治具1を掴んで横方向すなわち検査対象配管9の周方向へ走行させる。これによって、超音波探傷プローブ8を溶接部9aに沿って真っ直ぐに走査させながら、溶接部9aの状況をフェーズドアレイ超音波探傷法によって検査することができる。その際に、溶接部9aの断面形状を画像化するためには、プローブの周波数は5MHz〜10MHz程度が好ましい。また、溶接部9aに超音波8aが集束するようにフェーズドアレイ超音波探傷法で振動子の発振タイミングを制御することが好ましい。感度は、検査対象9の母材または溶接部9aの散乱ノイズが5%から15%程度になるように設定することが好ましい。超音波探傷プローブ8の走査方向がぶれるのを防止できるから、溶接部9aの状況を正しく評価したり、溶接欠陥の位置を正しく特定したり、溶接部9aの断面形状を画像化したりすることができる。
また、超音波ウェッジ8eを検査対象配管9から僅かに浮かせることで、超音波ウェッジ8e及び検査対象配管9が擦傷するのを防止できる。かつ、検査対象配管9の外面に表面粗さ相当の小凸部があっても引っ掛かることなく、超音波探傷プローブ8をスムーズに走査できる。超音波ウェッジ8eと検査対象配管9とのギャップgを僅少にすることで、接触媒質が押し出されることがなく、超音波8aを検査対象配管9内へ確実に伝達させることができ、超音波探傷の良好性を確保できる。
例えば、車輪40の回転軸線L40が、プローブ保持治具1の横方向(連結部材30の延び方向)に向けられていてもよい。
連結部材30の規制部33がナットで構成されていてもよい。架渡部31における第1保持板10側(図5において左側)の端部には、前記ナットからなる規制部33が螺合される雄ネジが形成されていてもよい。
第2保持板20の連結穴22の内周面には、雌ネジが形成されていなくてもよい。連結部材30のネジ部32が、締付ナットを介して第2保持板20に連結されることで、これらネジ部32とナットとによって第2保持板20との「連結部」が構成されていてもよい。
車輪40の数は、3つでもよく5つ以上でもよい。
筒部材50を省略してもよい。
磁石が保持板10,20に組み込まれていてもよい。磁石を省略してもよい。検査対象9が磁性体でなくてもよい。
超音波探傷プローブ8の保持高さをギャップgが零になるように設定してもよい。超音波ウェッジ8eを検査対象9と接触させた状態で走査してもよい。
超音波ウェッジ8eがポリスチレン樹脂等からなる外枠を有し、前記外枠の内部が空洞になっており、その空洞に水などの接触媒質を満たした状態で走査してもよい。
プローブ保持治具1及び超音波探傷プローブ8に、互いに係合し合う凹部と凸部やネジ穴等を設けてもよい。
保持板10,20によってプローブ本体8xを直接挟み付けてもよい。
本発明のプローブ保持治具は、超音波探傷プローブに限られず、渦電流探傷プローブ等、他の非破壊探傷プローブの保持治具としても使用できる。
8 超音波探傷プローブ
8a 超音波
8e 超音波ウェッジ
8x プローブ本体
9 検査対象
9a 溶接部
1 プローブ保持治具
10 第1保持板
11 挿通穴
13 係止凹部
13a 内底の係止面
14 第1脚部(車輪支持部)
14b 第1車軸ネジ穴
10d 第1逃げ凹部
20 第2保持板
22 連結穴
24 第2脚部(車輪支持部)
24b 第2車軸ネジ穴
20d 第2逃げ凹部
30 連結部材(ネジ部材)
31 架渡部
32 ネジ部(連結部)
33 頭部(規制部)
40 車輪
41 転動体
41a マグネットリング(磁石)
41b 樹脂リング
43 車軸
44 ブッシュ
50 筒部材
g ギャップ
L40 回転軸線
t7 シム厚み
Claims (3)
- 超音波探傷プローブを保持するプローブ保持治具であって、
直線状に延びる第1保持板と、
前記第1保持板と対向して平行に延び、前記第1保持板との間に前記超音波探傷プローブを挟み付ける第2保持板と、
前記第1、第2保持板の対向方向へ延びて、前記第1、第2保持板どうしを前記対向方向へ接近離間可能に連結する連結部材と、
回転軸線を前記第1、第2保持板の延び方向又は前記対向方向へ向けて、前記第1保持板及び第2保持板にそれぞれ設けられた車輪と、
前記車輪又は前記第1、第2保持板に設けられた磁石と、
前記連結部材に、前記第2保持板に対して接近離間可能に設けられ、前記第1保持板が前記第2保持板から遠ざかる側へ移動するのを規制する規制部と、
を備えたことを特徴とするプローブ保持治具。 - 前記連結部材が筒部材に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブ保持治具。
- 前記連結部材が、前記第1保持板を貫通して前記第2保持板にねじ込まれるネジ部材を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブ保持治具。
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- 2015-10-22 JP JP2015207616A patent/JP6585462B2/ja active Active
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