JP2017077696A - 強化繊維複合積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】それぞれ樹脂成分として熱可塑性樹脂を含むA1層、A2層、B1層、B2層、及びC層を少なくとも有し、A1層/B1層/C層/B2層/A2層の順で積層してなる強化繊維複合積層体であって、以下の(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする強化繊維複合積層体。
(1)B1層、B2層、及びC層は強化繊維を含み、C層の強化繊維の破断伸び率がB1及びB2層の強化繊維の破断伸び率よりも高い。
(2)A1層及びA2層は耐衝撃性シートを含む。
【選択図】なし
Description
特許文献2には、高曲げ弾性率層の繊維のヤング率が低曲げ弾性率層の繊維のヤング率よりも高いこと(請求項6)、高曲げ弾性率/低曲げ弾性率層/高曲げ弾性率層の曲げ弾性率以下で低曲げ弾性率層を超える曲げ弾性率の層の3層積層構造とすること(請求項5)の記載があるが、具体的には、繊維としてアラミド繊維を用い、樹脂付着量の調整で高曲げ弾性率層、低曲げ弾性率層等の曲げ弾性率を制御した実施例しか記載されていない。また、特許文献2には、用いる樹脂として多くの熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が例示されているが、その実施例では、熱硬化性のフェノール樹脂のみが使用されている。
この特許文献2の耐衝撃性繊維強化プラスチックでは、弾性率が十分ではないことにより、プレス成形性、高剛性及び耐衝撃性の特性バランスにおいては不十分である。
(1)B1層、B2層、及びC層は強化繊維を含み、C層の強化繊維の破断伸び率がB1及びB2層の強化繊維の破断伸び率よりも高い。
(2)A1層及びA2層は耐衝撃性シートを含む。
(1)B1層、B2層、及びC層は強化繊維を含み、C層の強化繊維の破断伸び率がB1及びB2層の強化繊維の破断伸び率よりも高い。
(2)A1層及びA2層は耐衝撃性シートを含む。
なお、本発明において、強化繊維の破断伸び率は、材料に応じてJIS K7161、JIS R3420、JIS R7606に記載される試験法による測定方法により測定される値である。
本積層体を構成するB1層及びB2層(以下、これらをまとめて「B層」と称す場合がある。)は、本積層体のそれぞれ、後述のA1層とC層、A2層とC層の中間に存在する層である。B層は、強化繊維100質量部に対し、熱可塑性樹脂を40質量部以上、350質量部以下、特に40質量部以上、300質量部以下含有することが好ましい。また、B層は、強化繊維と熱可塑性樹脂を主成分としてこれらを合計で40質量%以上、特に45〜100質量%含有することが好ましい。B層の熱可塑性樹脂含有量が上記の範囲であることにより、十分量の強化繊維を確保して耐衝撃性、高剛性の効果を高めると共に、良好なプレス成形性を得ることができる。
B層に用いる強化繊維(以下、「強化繊維B」と称す場合がある。)としては特に限定されるものではなく、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアリレート繊維、LCP繊維(液晶ポリエステル繊維)等が挙げられる。これらの強化繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。この中でも高剛性、耐衝撃性の観点から、強化繊維Bとしては炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維のいずれでも良く、これらを組み合わせて用いてもよいが、耐衝撃性の観点からPAN系炭素繊維が好ましい。
ここで、強化繊維Bの平均繊維長及び最大径は、後述する実施例の項に記載の方法で測定することができる。
B層に用いる熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂や、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することで、成形性に優れると共に、耐熱性に優れた本積層体が得られる。これらの樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂を使用することで、成形性に優れると共に、軽量化に優れた本積層体が得られる。これらの樹脂は1種を単独で使用しても良く、2種以上を混合して用いても構わない。
B層に用いるポリオレフィン系樹脂は、成形性と軽量化の観点から好ましくはポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂であり、特に機械特性および耐熱性の観点からポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、B層に用いるポリオレフィン系樹脂は、複数のポリオレフィン系樹脂を混合して用いてもよい。
エチレン、ブテン以外のコモノマーとしては、炭素数5〜20のα−オレフィン等が挙げられる。炭素数5〜20のα−オレフィンは、例えば、1−ヘキセン、1−オクテンを例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは1種類でも2種類以上用いてもよい。
B層に用いるポリエチレン系樹脂のMFR(190℃、21.2N荷重)は、1g/10min以上、50g/10min以下であることが好ましく、より好ましくは2g/10min以上、35g/10min以下であり、さらに好ましくは5g/10min以上、25g/10min以下である。
B層に用いるポリカーボネート系樹脂は、ホモポリマー及びコポリマーのいずれであってもよい。また、ポリカーボネート系樹脂は、分岐構造であっても、直鎖構造であってもよいし、さらに分岐構造と直鎖構造との混合物であってもよい。また、複数のポリカーボネート系樹脂を混合して用いてもよい。
なお、いわゆるポリエステルカーボネート樹脂(分子鎖中にエステル結合とカーボネート結合を両方有する樹脂)も、ポリカーボネート系樹脂に含む。
なお、ビスフェノールA以外のジオールを単独、又は、複数のジオールを併用したポリカーボネート系樹脂でも良く、芳香族ジオール、脂肪族ジオール、脂環式ジオールのいずれでも構わない。
B層に用いるポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミドが好ましく、ωアミノ酸の開環単独重合で得られるもの、異なるωアミノ酸の開環共重合で得られるもの、及びジアミンとジカルボン酸の共重合で得られるもの、が挙げられる。なお、芳香族ポリアミドや、芳香族−脂肪族ポリアミドを用いることもできる。
B層に用いるポリエステル系樹脂としては、耐熱性や成形性の観点から芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
B層は、通常、上述の強化繊維Bのシート(強化繊維シート)を作製し、この強化繊維シートを1枚又は複数枚積層することにより作製される。或いは、強化繊維シートと熱可塑性樹脂シートとを各々作製し、これを積層することで作製される。その際、必要に応じて、強化繊維シート、或いは強化繊維と熱可塑性樹脂シートと共に耐衝撃性シートを積層して用いてもよい。
B層の作製に用いる強化繊維シートの作製方法は特に限定されるものではないが、強化繊維シートは、強化繊維マット、又は強化繊維ペーパーであることが好ましい。ここで、「強化繊維マット」と「強化繊維ペーパー」はいずれも繊維束を開繊・分散し、湿式法や乾式法で成形・抄紙して平膜状としたシートである。この強化繊維シートには前述の強化繊維Bの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
B層を構成する熱可塑性樹脂シートの作製方法としては特に限定されず、Tダイキャスト法、カレンダー法、プレス法など、公知の溶融製膜方法を採用することができる。
本積層体を構成するC層は、前記B1層と前記B2層との間に設けられたコア層(中間層)として存在する層であり、C層は、強化繊維100質量部に対し、熱可塑性樹脂を30〜400質量部、好ましくは50〜300質量部、さらに好ましくは60〜200質量部含有することが好ましい。また、C層は、強化繊維と熱可塑性樹脂を主成分としてこれらを合計で30質量%以上、特に30〜100質量%含有することが好ましい。このC層の熱可塑性樹脂含有量が上記の範囲であることによって、本積層体について優れた耐衝撃性を実現できる。
C層に用いる強化繊維(以下、「強化繊維C」と称す場合がある。)としては、強化繊維Bとして例示したものと同様のものの1種又は2種以上を用いることができるが、耐衝撃性改善の理由により、特にガラス繊維を用いることが好ましい。
C層に用いる熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂や、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することで、成形性に優れると共に、耐熱性に優れた本積層体が得られる。これらの樹脂の中でも軽量化、成形性の観点よりポリオレフィン系樹脂を用いるのが好ましく、機械特性、耐熱性の観点よりポリプロピレン系樹脂を用いるのが特に好ましい。
C層は、通常、上述の強化繊維Cのシート(強化繊維シート)を作製し、この強化繊維シートを1枚又は複数枚積層することにより作製される。或いは、強化繊維シートと熱可塑性樹脂シートとを各々作製し、これを積層することで作製される。
C層の作製に用いる強化繊維シートは、強化繊維Bの代りに強化繊維Cを用いること以外は、B層の作製に用いる強化繊維シートと同様に作製することができる。
C層を構成する熱可塑性樹脂シートは、前述したB層を構成する熱可塑性樹脂シートの作製方法と同様の方法で、同様の厚みに作製することができる。
また、C層を構成する熱可塑性樹脂シートは、後述の耐衝撃性シートとしての耐衝撃改良剤を含む樹脂シートに含まれる耐衝撃改良剤として例示した耐衝撃改良剤を含有していてもよく、その場合、耐衝撃改良剤の含有量は、熱可塑性樹脂に対して100質量%以下であることが好ましい。
本積層体を構成するA1層及びA2層(以下、これらをまとめて「A層」と称す場合がある。)は、本積層体の実質的に表裏層(外層)として存在する層である。外層として耐衝撃性シートを含むことにより、本積層体の耐衝撃性を高めることができる。
耐衝撃改良剤を含む耐衝撃性シートに用いる耐衝撃改良剤としては、通常熱可塑性樹脂において柔軟性の向上に用いられるゴム等を用いることができる。
耐衝撃性シートの面衝撃エネルギーはJIS K7211によって測定されたものである。
熱可塑性樹脂に対して耐衝撃改良剤を含む耐衝撃性シートを構成する熱可塑性樹脂としては、B層に用いる熱可塑性樹脂として前述したものをいずれも用いることができる。
耐衝撃性シートは、前述したB層を構成する熱可塑性樹脂シートの作製方法と同様の方法で、同様の厚みに作製することができる。この場合、耐衝撃性シートに用いる熱可塑性樹脂と、B層の作製に用いる前述の熱可塑性樹脂シートや強化繊維シートに含まれる熱可塑性樹脂とは同一のものであっても異なるものであってもよいが、材料調達の利便性、A層の耐衝撃性シートとB層の強化繊維シート又は熱可塑性樹脂シートとを積層して一体化する際の密着性の面で同種の樹脂であることが好ましい。
耐衝撃性をより一層改善する観点から、A1層及び/又はA2層は、少なくとも1枚のガラス繊維シートを含むことが好ましい。
ガラス繊維の織布としては、平織や朱子織等のガラス繊維織物が例示でき、中でも製造プロセス面の生産性の観点や衝撃エネルギーを効率よく吸収し、材料の変形を抑制する観点から平織(クロス)の織物状ガラス繊維シートが好適に使用できる。平織(クロス)とは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に浮き沈みさせて織ることにより得られるものである。
ガラス繊維の織布としては、ガラス繊維の織布に含侵樹脂を織布の質量に対して20〜60質量%程度含浸させたものなどが挙げられる。ここで用いるバインダー樹脂としても、前述したB層を構成する熱可塑性樹脂などが挙げられる。
本積層体は、本発明の特徴や効果を阻害しない範囲内で、A層、B層及びC層以外の他の層を設けてもよい。
具体的には、本積層体はA1層/B1層/C層/B2層/A2層の積層構成であればよく、例えばA層のさらに外側に、印刷層などの意匠性を有する層や、防汚層などの表面保護層を設けることもできる。また、層間に、必要に応じて接着層などを設けることもできる。
本積層体は、前記の通り、A層、B層、C層を構成するシートをそれぞれ作成して、これらを積層することで製造することができる。
かかる範囲においてプレス成形することにより、耐衝撃性と高剛性とプレス成形性のバランスに優れた積層体を作製することができる。
本積層体の厚み(総厚み)は特に限定されないが、1.0mm以上、5.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以上、5.0mm以下であることがさらに好ましく、2.0mm以上、5.0mm以下であることが特に好ましい。本積層体の厚みが1.5mm以上であれば、本積層体や、本積層体をプレス成形した製品が表面外観に優れる。また、本積層体の厚みが5.0mm以下であれば、本積層体がプレス成形性に優れる。
また、B1層及びB2層の厚みは、それぞれ本積層体の総厚みの1〜30%の範囲であることが好ましい。B1層とB2層の厚みは同一であってもよく異なるものであってもよいが、B1層とB2層の厚みは同一であることが、本積層体の反りの観点から好ましい。
また、C層の厚みは、本積層体の総厚みの70〜95%の範囲であることが、耐衝撃性、高剛性、プレス成形性の観点から好ましい。
実施例及び比較例における測定・評価は以下の方法・基準で行った。
作製した積層体について、凹凸形状高さが10mmの段差のある賦形型を用いて、金型表面温度=170℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形を行い、積層体の表面を目視で観察して、以下の基準で評価した。
○:表面に強化繊維が露出せず、かつ、賦形型の絞りに積層体が追従できている状態
×:表面に強化繊維が露出している状態、又は、賦形型の絞りに積層体が追従できていない状態。
作製した積層体を幅15mm、長さ100mmに切断し、JIS K7074に従って、支点間距離=80mm、速度=5.3mm/min、温度=23℃で3点曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率より曲げ剛性を計算した。
評価基準としては、以下の基準で判定した。
○:600kN・mm2以上
△:500kN・mm2以上600kN・mm2未満
×:500kN・mm2未満
作製した積層体を、幅50mm、長さ150mmに切断し、落球衝撃試験装置の固定バイス(試験片長手方向の2辺を25mmずつ噛み込ませバイス間距離を100mmにセット)にセットし、落下錘(500g)を45cmの高さから落下させたときの、サンプル の状態を観察し、以下の基準で評価した。
○:表面割れなし
△:表面・裏面に一部破壊あり
×:サンプル全体が破壊される
(1)A1層、A2層
<耐衝撃性シートの熱可塑性樹脂>
・ポリプロピレン樹脂:モディックP908(三菱化学社製)、
<耐衝撃性シートの耐衝撃改良剤>
・オレフィン系樹脂:タフマーH1030S(三井化学製)、MFR(190℃、21.2N荷重)=1g/10min
<ガラス繊維シート>
・ガラス繊維シート:MFサーフェイスマットMF30P104SS(日東紡製)、坪量=30g/m2
・ガラス繊維シート:ガラス繊維クロスWL230 104BS6(日東紡製)、坪量=200g/m2
・ガラス繊維シート:ガラス繊維クロスKS2750(日東紡製)、坪量=100g/m2
<熱可塑性樹脂>
・ポリプロピレン樹脂(PP):モディックP908(三菱化学社製)
<強化繊維>
・PAN系炭素繊維:パイロフィルTR40(三菱レイヨン社製)、破断伸び率=2.0%、繊維径=7〜9μm
・ガラス繊維強化ポリプロピレン板:GMT(P4038)(クオドラントポリペンココンポジットジャパン社製)、ガラス繊維の破断伸び率=4%、ガラス繊維100質量部に対するポリプロピレン樹脂の割合=150質量部
(1) A1,A2層に用いられる耐衝撃性シート
モディックP908とタフマーH1030Sを60/40(質量%)の割合で計量し、東洋精機(株)製のプラストグラフミキサーに供給し、温度=190℃、回転数=50rpm、混練時間=5分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2枚の金属板間に挟み込み、温度=190℃、圧力=5MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚み100μmの耐衝撃性シートを作製した。この耐衝撃性シートの面衝撃エネルギーは20kgf・mmであった。
乾式法による不織布の作製方法を用い、炭素繊維とポリプロピレン樹脂繊維を60/40(質量%)の割合で計量したものを、気流中で浮遊・解繊した後にスクリーン上に吸引してシート化するエアレイ法で、坪量300g/m2、厚み5mmの炭素繊維シートを作製した。
[実施例1]
上記で作成した耐衝撃性シート2枚と、炭素繊維シート2枚と、ガラス繊維強化ポリプロピレン板1枚とを、耐衝撃性シート(A1層)/炭素繊維シート(B1層)/ガラス繊維強化ポリプロピレン板(C層)/炭素繊維シート(B2層)/耐衝撃性シート(A2層)の順に積層し、温度=180℃、圧力=5MPa、時間=15分の条件でプレス成形し、A1層、A2層の厚みがそれぞれ0.1mm、B1層、B2層の厚みがそれぞれ0.1mm、C層の厚みが3.8mm、合計4.2mmの積層体を得た。
上記で作成した耐衝撃性シート2枚とガラス繊維シート(MFサーフェイスマットMF30P104SS)2枚と、炭素繊維シート2枚と、ガラス繊維強化ポリプロピレン板1枚とを、(耐衝撃性シート/ガラス繊維シート)(A1層)/炭素繊維シート(B1層)/ガラス繊維強化ポリプロピレン板(C層)/炭素繊維シート(B2層)/(ガラス繊維シート/耐衝撃性シート)(A2層)の順に積層し、温度=180℃、圧力=5MPa、時間=15分の条件でプレス成形し、A1層、A2層の厚みがそれぞれ0.15mm、B1層、B2層の厚みがそれぞれ0.1mm、C層の厚みが3.8mm、合計4.3mmの積層体を得た。
上記で作成した耐衝撃性シート4枚とガラス繊維シート(MFサーフェイスマットMF30P104SS)14枚と、炭素繊維シート2枚と、ガラス繊維強化ポリプロピレン板1枚とを、(耐衝撃性シート/ガラス繊維シート4枚/耐衝撃性シート/ガラス繊維シート3枚)(A1層)/炭素繊維シート(B1層)/ガラス繊維強化ポリプロピレン板(C層)/炭素繊維シート(B2層)/(ガラス繊維シート3枚/耐衝撃性シート/ガラス繊維シート4枚/耐衝撃性シート)(A2層)の順に積層し、温度=180℃、圧力=5MPa、時間=15分の条件でプレス成形し、A1層、A2層の厚みがそれぞれ0.4mm、B1層、B2層の厚みがそれぞれ0.1mm、C層の厚みが3.8mm、合計4.8mmの積層体を得た。
上記で作成した耐衝撃性シート4枚とガラス繊維シート(ガラス繊維クロスKS2750)2枚と、炭素繊維シート2枚と、ガラス繊維強化ポリプロピレン板1枚とを、(耐衝撃性シート/ガラス繊維シート/耐衝撃性シート)(A1層)/炭素繊維シート(B1層)/ガラス繊維強化ポリプロピレン板(C層)/炭素繊維シート(B2層)/(耐衝撃性シート/ガラス繊維シート/耐衝撃性シート)(A2層)の順に積層し、温度=180℃、圧力=5MPa、時間=15分の条件でプレス成形し、A1層、A2層の厚みがそれぞれ0.4mm、B1層、B2層の厚みがそれぞれ0.1mm、C層の厚みが3.8mm、合計4.8mmの積層体を得た。
上記で作成した耐衝撃性シート4枚と、ガラス繊維シート(ガラス繊維クロスWL230 104BS6)2枚と、炭素繊維シート2枚と、ガラス繊維強化ポリプロピレン板1枚とを、(耐衝撃性シート/ガラス繊維シート/耐衝撃性シート)(A1層)/炭素繊維シート(B1層)/ガラス繊維強化ポリプロピレン板(C層)/炭素繊維シート(B2層)/(耐衝撃性シート/ガラス繊維シート/耐衝撃性シート)(A2層)の順に積層し、温度=180℃、圧力=5MPa、時間=15分の条件でプレス成形し、A1層、A2層yの厚みがそれぞれ0.4mm、B1層、B2層の厚みがそれぞれ0.1mm、C層の厚みが3.8mm、合計4.8mmの積層体を得た。
ガラス繊維強化ポリプロピレン板1枚をそのまま測定に用いた。
上記で作成した炭素繊維シート2枚及びガラス繊維強化ポリプロピレン板1枚を炭素繊維シート(B1層)/ガラス繊維強化ポリプロピレン板(C層)/炭素繊維シート(B2層)の順に積層し、温度=180℃、圧力=5MPa、時間=15分の条件でプレス成形し、B1層、B2層の厚みがそれぞれ0.1mm、C層の厚みが3.8mm、合計4.0mmの積層体を得た。
以下の表1において、耐衝撃性シートは「IPシート」と記載する。また、ガラス繊維シートのうち、MFサーフェイスマットMF30P104SSは「MFマット」、ガラス繊維クロスKS2750は「GFクロス(100)」、ガラス繊維クロスWL230 104BS6は「GFクロス(200)」と記載する。炭素繊維シートは「CFシート」、ガラス繊維強化ポリプロピレン板は「GMT」とそれぞれ記載する。
一方、本発明において特定する条件を満たさない比較例の積層体は、耐衝撃性又は剛性に劣る。
<炭素繊維束の最大径>
作製した積層体の厚み方向の断面を、光学顕微鏡を用いて観察し、B層の視野を任意に50箇所観察し、全視野中に存在する炭素繊維束の最大径を炭素繊維シート部分の炭素繊維束の最大径とした。
<炭素繊維の平均繊維長>
作製した積層体の厚み方向の断面を、光学顕微鏡を用いて観察した。B層の視野を任意に50箇所観察し、全視野中に存在する炭素繊維の長さを1本ずつ測り、この総和の平均を炭素繊維シート部分の炭素繊維の平均繊維長とした。
Claims (5)
- それぞれ樹脂成分として熱可塑性樹脂を含むA1層、A2層、B1層、B2層、及びC層を少なくとも有し、A1層/B1層/C層/B2層/A2層の順で積層してなる強化繊維複合積層体であって、以下の(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする強化繊維複合積層体。
(1)B1層、B2層、及びC層は強化繊維を含み、C層の強化繊維の破断伸び率がB1及びB2層の強化繊維の破断伸び率よりも高い。
(2)A1層及びA2層は耐衝撃性シートを含む。 - 前記C層の強化繊維が、ガラス繊維であることを特徴とする請求項1に記載の強化繊維複合積層体。
- 前記B1層及びB2層の強化繊維が、炭素繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載の強化繊維複合積層体。
- 前記耐衝撃性シートの面衝撃エネルギーが、5〜300kgf・mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
- 前記A1層及び/又はA2層が、更にガラス繊維シートを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
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