JPH0664075A - シート、その製造方法および繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents
シート、その製造方法および繊維強化複合材料の製造方法Info
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- JPH0664075A JPH0664075A JP21494892A JP21494892A JPH0664075A JP H0664075 A JPH0664075 A JP H0664075A JP 21494892 A JP21494892 A JP 21494892A JP 21494892 A JP21494892 A JP 21494892A JP H0664075 A JPH0664075 A JP H0664075A
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- Japan
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- sheet
- fiber
- thermoplastic resin
- fibers
- reinforcing fibers
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Abstract
(57)【要約】
【目的】軽量で強度、剛性に優れた繊維強化樹脂成形品
を安価に得ることができるシートを提供する。 【構成】強化繊維と熱可塑性樹脂からなるシートにおい
て、シートの密度が強化繊維と熱可塑性樹脂が密に充填
しているものの30〜95%であり、表層が内層をはさ
んで上下にあり、全厚みに対して、上下表層の厚みがそ
れぞれ独立に5〜25%であり、表層の強化繊維の弾性
率が100GPa以上であり、内層の強化繊維の弾性率
が80GPa以下であることを特徴とするシート。
を安価に得ることができるシートを提供する。 【構成】強化繊維と熱可塑性樹脂からなるシートにおい
て、シートの密度が強化繊維と熱可塑性樹脂が密に充填
しているものの30〜95%であり、表層が内層をはさ
んで上下にあり、全厚みに対して、上下表層の厚みがそ
れぞれ独立に5〜25%であり、表層の強化繊維の弾性
率が100GPa以上であり、内層の強化繊維の弾性率
が80GPa以下であることを特徴とするシート。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強化繊維と熱可塑性樹脂
からなるシート、その製造方法および繊維強化複合材料
の製造方法、特にスタンピング成形可能なシート、その
製造方法および繊維強化複合材料の製造方法に関するも
のである。
からなるシート、その製造方法および繊維強化複合材料
の製造方法、特にスタンピング成形可能なシート、その
製造方法および繊維強化複合材料の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化された樹脂(以下FRPと略称
することがある)製シートは、その比強度、比剛性が高
いこと、耐食性、加工性が良いことなどから近年自動車
材料、家電用材料として使われるようになった。熱硬化
性樹脂をマトリックスとするシートモールディング用材
料(以下SMCと略称することがある)の加工サイクル
の遅さを改善するものとして、熱可塑性樹脂をマトリッ
クスとするシート材料、特にスタンピング成形可能なシ
ート材料(スタンパブルシート)が近年急速に使われ出
してきた。スタンピング成形は成形に必要な時間が非常
に短く、成形性が高く、機械的物性の高い成形物を得る
ことができる。
することがある)製シートは、その比強度、比剛性が高
いこと、耐食性、加工性が良いことなどから近年自動車
材料、家電用材料として使われるようになった。熱硬化
性樹脂をマトリックスとするシートモールディング用材
料(以下SMCと略称することがある)の加工サイクル
の遅さを改善するものとして、熱可塑性樹脂をマトリッ
クスとするシート材料、特にスタンピング成形可能なシ
ート材料(スタンパブルシート)が近年急速に使われ出
してきた。スタンピング成形は成形に必要な時間が非常
に短く、成形性が高く、機械的物性の高い成形物を得る
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のシート材料、特
にスタンパブルシートは、一般的にガラス繊維を強化繊
維として用いるが、ガラス繊維の弾性率が低いため、成
形物の軽量化への寄与はそれほど大きくない。一方、強
化繊維として炭素繊維を用いると、強化効果が非常に大
きく発揮され、軽量化が可能であるが、材料コストが高
いため、実用化されにくいのが現状である。シート材料
の表面部分を炭素繊維強化層で置き換えることにより、
曲げ剛性の高い材料を比較的安価に得ることが考えられ
るが、従来のシート材料、特にスタンパブルシートの製
造方法は、連続繊維を切断せずに平面上に渦巻き状に払
い落としていくことにより製造されるスワールマットを
使用することから、そのような材料を製造することは非
常に困難であった。
にスタンパブルシートは、一般的にガラス繊維を強化繊
維として用いるが、ガラス繊維の弾性率が低いため、成
形物の軽量化への寄与はそれほど大きくない。一方、強
化繊維として炭素繊維を用いると、強化効果が非常に大
きく発揮され、軽量化が可能であるが、材料コストが高
いため、実用化されにくいのが現状である。シート材料
の表面部分を炭素繊維強化層で置き換えることにより、
曲げ剛性の高い材料を比較的安価に得ることが考えられ
るが、従来のシート材料、特にスタンパブルシートの製
造方法は、連続繊維を切断せずに平面上に渦巻き状に払
い落としていくことにより製造されるスワールマットを
使用することから、そのような材料を製造することは非
常に困難であった。
【0004】本発明の目的は、従来のシート、特にスタ
ンパブルシートの上記欠点を解決し、機械的強度に優れ
たシートおよびその製造方法を提供するとともに、該シ
ートを用いた複合材料の製造方法を提供するものであ
る。
ンパブルシートの上記欠点を解決し、機械的強度に優れ
たシートおよびその製造方法を提供するとともに、該シ
ートを用いた複合材料の製造方法を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂から
なるシートにおいて、シートの密度が強化繊維と熱可塑
性樹脂が密に充填しているものの30〜95%であり、
表層が内層をはさんで上下にあり、全厚みに対して、上
下表層の厚みがそれぞれ独立に5〜25%であり、表層
の強化繊維の弾性率が100GPa以上であり、内層の
強化繊維の弾性率が80GPa以下であることを特徴と
するシートに関するものである。また、本発明は、強化
繊維と粉末状熱可塑性樹脂を水中に分散した状態で混合
し、メッシュ上で水分を分離し、ウェブを作製し、該ウ
ェブを積層し、加熱加圧し、一体化することを特徴とす
るシートの製造方法に関するものである。また、本発明
は、前記のシートを加熱することにより膨脹させ、さら
に加熱加圧し、繊維強化複合材料の密度が、強化繊維と
熱可塑性樹脂が密に充填したものの密度の20〜80%
である繊維強化複合材料を得ることを特徴とする繊維強
化複合材料の製造方法に関するものである。
点を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂から
なるシートにおいて、シートの密度が強化繊維と熱可塑
性樹脂が密に充填しているものの30〜95%であり、
表層が内層をはさんで上下にあり、全厚みに対して、上
下表層の厚みがそれぞれ独立に5〜25%であり、表層
の強化繊維の弾性率が100GPa以上であり、内層の
強化繊維の弾性率が80GPa以下であることを特徴と
するシートに関するものである。また、本発明は、強化
繊維と粉末状熱可塑性樹脂を水中に分散した状態で混合
し、メッシュ上で水分を分離し、ウェブを作製し、該ウ
ェブを積層し、加熱加圧し、一体化することを特徴とす
るシートの製造方法に関するものである。また、本発明
は、前記のシートを加熱することにより膨脹させ、さら
に加熱加圧し、繊維強化複合材料の密度が、強化繊維と
熱可塑性樹脂が密に充填したものの密度の20〜80%
である繊維強化複合材料を得ることを特徴とする繊維強
化複合材料の製造方法に関するものである。
【0006】本発明に用いられるシートの表層に用いる
強化繊維としては、強化繊維の弾性率が100GPa以
上であるものが好ましい。具体的には、炭素繊維、グラ
ファイト繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊
維、ボロン繊維等の無機繊維、アラミド繊維、芳香族ポ
リエステル繊維等の有機繊維および金属繊維が挙げられ
る。これらは1種または2種以上を選んで使用すること
ができる。これらの中では、炭素繊維、アラミド繊維、
アルミナ繊維が好ましい。
強化繊維としては、強化繊維の弾性率が100GPa以
上であるものが好ましい。具体的には、炭素繊維、グラ
ファイト繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊
維、ボロン繊維等の無機繊維、アラミド繊維、芳香族ポ
リエステル繊維等の有機繊維および金属繊維が挙げられ
る。これらは1種または2種以上を選んで使用すること
ができる。これらの中では、炭素繊維、アラミド繊維、
アルミナ繊維が好ましい。
【0007】これらのうち比強度、比剛性向上の目的を
達成するためには炭素繊維が好ましい。比強度、比剛性
と共に摺動特性を得るためにはアラミド繊維が好まし
い。比強度、比剛性と共に耐磨耗性を得るためにはアル
ミナ繊維が好ましい。次に、内層に用いられる強化繊維
としては、強化繊維の弾性率が80GPa以下であるも
のが好ましい。具体的には、ガラス繊維、シリカ繊維等
が挙げられる。ガラス繊維が安価なことから好ましい。
達成するためには炭素繊維が好ましい。比強度、比剛性
と共に摺動特性を得るためにはアラミド繊維が好まし
い。比強度、比剛性と共に耐磨耗性を得るためにはアル
ミナ繊維が好ましい。次に、内層に用いられる強化繊維
としては、強化繊維の弾性率が80GPa以下であるも
のが好ましい。具体的には、ガラス繊維、シリカ繊維等
が挙げられる。ガラス繊維が安価なことから好ましい。
【0008】用いる強化繊維の数平均径は、いずれの場
合も1μm以上100μm以下、好ましくは5μm以上
20μm以下が良い。数平均径が1μm未満の場合、分
散性が悪く、取り扱いにくいので好ましくない。100
μmより大きい場合、後に述べる方法でシートを製造す
るとき、繊維と粒子状樹脂とが分離したり、最終成形品
の表面粗度が大きくなり、商品としての価値が低下する
ので好ましくない。
合も1μm以上100μm以下、好ましくは5μm以上
20μm以下が良い。数平均径が1μm未満の場合、分
散性が悪く、取り扱いにくいので好ましくない。100
μmより大きい場合、後に述べる方法でシートを製造す
るとき、繊維と粒子状樹脂とが分離したり、最終成形品
の表面粗度が大きくなり、商品としての価値が低下する
ので好ましくない。
【0009】強化繊維の数平均長さは、いずれの場合も
1mm以上、100mm以下が好ましい。さらに好まし
くは5mm以上、50mm以下である。数平均長さが1
mm未満の場合、強化繊維による強化効果が顕著に現わ
れないので好ましくない。100mmより大きい場合、
シート作製時の取扱い性が悪くなると共に、成形時の繊
維の移動が妨げられ、良好な成形体が得られないので好
ましくない。
1mm以上、100mm以下が好ましい。さらに好まし
くは5mm以上、50mm以下である。数平均長さが1
mm未満の場合、強化繊維による強化効果が顕著に現わ
れないので好ましくない。100mmより大きい場合、
シート作製時の取扱い性が悪くなると共に、成形時の繊
維の移動が妨げられ、良好な成形体が得られないので好
ましくない。
【0010】強化繊維の表面はマトリックス樹脂との接
合を良くする目的で、表面処理剤による処理がされてい
ることが好ましい。表面処理剤の種類としてはシランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
強化繊維は水溶性の収束剤で収束されているのが好まし
い。水溶性の収束剤で収束された強化繊維を用いると、
後に述べるシートの製造方法において、ウェブを梳く前
に水中で強化繊維がモノフィラメントの状態まで均一に
分散するので、機械的性能に優れたシートを得ることが
できるので好ましい。
合を良くする目的で、表面処理剤による処理がされてい
ることが好ましい。表面処理剤の種類としてはシランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
強化繊維は水溶性の収束剤で収束されているのが好まし
い。水溶性の収束剤で収束された強化繊維を用いると、
後に述べるシートの製造方法において、ウェブを梳く前
に水中で強化繊維がモノフィラメントの状態まで均一に
分散するので、機械的性能に優れたシートを得ることが
できるので好ましい。
【0011】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、フッソ
樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリ
スルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリ
エステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、AS樹脂、ポリ
アセタール、ポリフェニレンエーテルなどがあげられ
る。これらの樹脂を1種または、2種以上のいわゆるポ
リマーアロイの形として使うことも可能である。これら
樹脂に一般的に用いられている可塑剤、加工助剤、耐衝
撃剤、増量剤、染料、顔料、充填材、ウイスカー等を添
加することができる。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、フッソ
樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリ
スルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリ
エステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、AS樹脂、ポリ
アセタール、ポリフェニレンエーテルなどがあげられ
る。これらの樹脂を1種または、2種以上のいわゆるポ
リマーアロイの形として使うことも可能である。これら
樹脂に一般的に用いられている可塑剤、加工助剤、耐衝
撃剤、増量剤、染料、顔料、充填材、ウイスカー等を添
加することができる。
【0012】樹脂の形態は粉末状が好ましい。粉末粒子
の重量平均径は10μm以上1mm以下、好ましくは2
0μm以上0.5mm以下、さらに好ましくは20μm
以上100μm以下である。粒子の重量平均径が10μ
mより小さい場合、樹脂の嵩が大きくなり、取扱いが困
難であるので好ましくない。1mmを越えると、製造時
に分散せず、高性能なシートが得られず、また加工時に
繊維の中に均一に含浸せず、高い機械強度を有する成形
物を得られないので好ましくない。
の重量平均径は10μm以上1mm以下、好ましくは2
0μm以上0.5mm以下、さらに好ましくは20μm
以上100μm以下である。粒子の重量平均径が10μ
mより小さい場合、樹脂の嵩が大きくなり、取扱いが困
難であるので好ましくない。1mmを越えると、製造時
に分散せず、高性能なシートが得られず、また加工時に
繊維の中に均一に含浸せず、高い機械強度を有する成形
物を得られないので好ましくない。
【0013】強化繊維とマトリックス樹脂との比率は、
体積で5:95〜70:30の範囲が好ましい。さらに
好ましくは10:90〜60:40の範囲がよい。強化
繊維が5体積%未満の場合、強化効果が顕著でないので
好ましくない。70体積%を越えると、シート形状を保
つのが難しいだけでなく、成形後の成形体中の空隙が多
くなり、機械的性能が低下するので好ましくない。
体積で5:95〜70:30の範囲が好ましい。さらに
好ましくは10:90〜60:40の範囲がよい。強化
繊維が5体積%未満の場合、強化効果が顕著でないので
好ましくない。70体積%を越えると、シート形状を保
つのが難しいだけでなく、成形後の成形体中の空隙が多
くなり、機械的性能が低下するので好ましくない。
【0014】本発明のシートは次のようにして製造する
ことができる。所定量の強化繊維と所定量のマトリック
ス樹脂粉末を水中で充分に攪拌混合し、ろ過用のメッシ
ュ上で水分を分離し、所定厚みのウェブを得る。この
際、強化繊維と樹脂の分散性を高めるために界面活性
剤、分散剤等を添加することが好ましい。またシートの
形状を保持するためにバインダーとして糊材を用いるこ
とができる。この際、界面活性剤やバインダーとしては
その後の加工において、製品の特性を損なわないものを
選択する必要がある。このようにして内層用のウェブと
表層用のウェブを作製し、これらを必要な枚数積層して
加熱加圧することにより、所望のシートを得ることがで
きる。特に、強化繊維と熱可塑性樹脂が密に充填してい
るものに換算した厚さとして、厚さ250μm以下のウ
ェブを作製し、該ウェブを積層し、加熱加圧し、一体化
することが好ましい。
ことができる。所定量の強化繊維と所定量のマトリック
ス樹脂粉末を水中で充分に攪拌混合し、ろ過用のメッシ
ュ上で水分を分離し、所定厚みのウェブを得る。この
際、強化繊維と樹脂の分散性を高めるために界面活性
剤、分散剤等を添加することが好ましい。またシートの
形状を保持するためにバインダーとして糊材を用いるこ
とができる。この際、界面活性剤やバインダーとしては
その後の加工において、製品の特性を損なわないものを
選択する必要がある。このようにして内層用のウェブと
表層用のウェブを作製し、これらを必要な枚数積層して
加熱加圧することにより、所望のシートを得ることがで
きる。特に、強化繊維と熱可塑性樹脂が密に充填してい
るものに換算した厚さとして、厚さ250μm以下のウ
ェブを作製し、該ウェブを積層し、加熱加圧し、一体化
することが好ましい。
【0015】このシートの密度は、本来強化繊維と熱可
塑性樹脂が空隙なしで密に詰まっていると仮定したとき
の密度(以下最密充填密度ということがある)の30〜
95%になるように加熱加圧することが好ましい。この
密度が95%より大きい場合は後に説明する膨脹成形方
法を取るときの効果が顕著でなくなり、軽量化効果を発
揮できないので好ましくない。また、30%より小さい
場合は圧縮加工時に必要とされる加熱時間、冷却時間が
長くなり、非生産的になるので好ましくない。
塑性樹脂が空隙なしで密に詰まっていると仮定したとき
の密度(以下最密充填密度ということがある)の30〜
95%になるように加熱加圧することが好ましい。この
密度が95%より大きい場合は後に説明する膨脹成形方
法を取るときの効果が顕著でなくなり、軽量化効果を発
揮できないので好ましくない。また、30%より小さい
場合は圧縮加工時に必要とされる加熱時間、冷却時間が
長くなり、非生産的になるので好ましくない。
【0016】本発明の複合材料の製造方法としては、シ
ートを予めマトリックスの熱可塑性樹脂の融点以上の温
度に加熱した後、冷プレスまたは温プレスにて加圧賦型
して成形体を得る方法が挙げられる。本発明の効果を顕
著に発揮する複合材料の成型加工方法として、前記の方
法で作製したウェブを用いて、加熱圧縮したシートをマ
トリックスの熱可塑性樹脂の融点以上で再加熱して膨張
させ、その後、内部に空隙を有する状態の厚みまで圧縮
成型して成型体を得る方法である。本方法により軽量で
かつ剛性の高い成型体を得ることができる。成型体の密
度は、本来繊維と樹脂が空隙なしで密に充填したと仮定
したときの密度の20〜80%が好ましい。密度が80
%より大きい場合、軽量化効果が顕著でなく、20%よ
り小さい場合、成型体の材料強度が低下してしまい、良
好な成型体を得ることができないので好ましくない。
ートを予めマトリックスの熱可塑性樹脂の融点以上の温
度に加熱した後、冷プレスまたは温プレスにて加圧賦型
して成形体を得る方法が挙げられる。本発明の効果を顕
著に発揮する複合材料の成型加工方法として、前記の方
法で作製したウェブを用いて、加熱圧縮したシートをマ
トリックスの熱可塑性樹脂の融点以上で再加熱して膨張
させ、その後、内部に空隙を有する状態の厚みまで圧縮
成型して成型体を得る方法である。本方法により軽量で
かつ剛性の高い成型体を得ることができる。成型体の密
度は、本来繊維と樹脂が空隙なしで密に充填したと仮定
したときの密度の20〜80%が好ましい。密度が80
%より大きい場合、軽量化効果が顕著でなく、20%よ
り小さい場合、成型体の材料強度が低下してしまい、良
好な成型体を得ることができないので好ましくない。
【0017】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。 (1)曲げ剛性の測定方法 JIS K7074に準じて、3点曲げ試験法で行っ
た。試験片形状は、幅15mm、スパン距離(L)につ
いては、厚さをHとしてL/H=40となるように選ん
だ。
するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。 (1)曲げ剛性の測定方法 JIS K7074に準じて、3点曲げ試験法で行っ
た。試験片形状は、幅15mm、スパン距離(L)につ
いては、厚さをHとしてL/H=40となるように選ん
だ。
【0018】実施例1〜4、比較例1〜4 ガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製ロービング:
商品名ER2310−710、弾性率71GPa、強度
3.5GPa)を15mm長に切断したものと、ナイロ
ン6,6粉末(宇部興産(株)製商品名UBE P20
20)を水中で分散混合して、メッシュ上で水分を分離
して、ウェブを作製し、これを積層して、繊維目付け1
15g/m2 、厚さ4mmのウェブを作製した。別に、
炭素繊維(住化ハーキュレス社製商品名AS−4、12
kf、弾性率235GPa、強度3.8GPa)を15
mmに切断したものと、上述のナイロン6,6粉末を同
一方式によって混合した繊維目付け80g/m2 、厚さ
4mmのウェブを作製した。これらの材料の繊維と樹脂
の比率は体積にて、30:70であった。
商品名ER2310−710、弾性率71GPa、強度
3.5GPa)を15mm長に切断したものと、ナイロ
ン6,6粉末(宇部興産(株)製商品名UBE P20
20)を水中で分散混合して、メッシュ上で水分を分離
して、ウェブを作製し、これを積層して、繊維目付け1
15g/m2 、厚さ4mmのウェブを作製した。別に、
炭素繊維(住化ハーキュレス社製商品名AS−4、12
kf、弾性率235GPa、強度3.8GPa)を15
mmに切断したものと、上述のナイロン6,6粉末を同
一方式によって混合した繊維目付け80g/m2 、厚さ
4mmのウェブを作製した。これらの材料の繊維と樹脂
の比率は体積にて、30:70であった。
【0019】これらの厚さ4mmのウェブを表1に示す
ように積層して、温度230℃、圧力1MPaのもとで
加熱圧縮して厚さ2.0mmのシートを作製した。該シ
ートの密度は、樹脂と強化繊維が密に充填しているもの
の75%であった。次に、このシートを加熱し、膨脹さ
せた後、温度90℃、圧力10MPaの条件の温プレス
にてそれぞれ表1に示す規定の厚みまで圧縮成型するこ
とにより、板状成型体を得た。これらの板の三点曲げに
よる曲げ弾性率を測定した結果を表1に示す。弾性率を
E、密度をρとしたとき、
ように積層して、温度230℃、圧力1MPaのもとで
加熱圧縮して厚さ2.0mmのシートを作製した。該シ
ートの密度は、樹脂と強化繊維が密に充填しているもの
の75%であった。次に、このシートを加熱し、膨脹さ
せた後、温度90℃、圧力10MPaの条件の温プレス
にてそれぞれ表1に示す規定の厚みまで圧縮成型するこ
とにより、板状成型体を得た。これらの板の三点曲げに
よる曲げ弾性率を測定した結果を表1に示す。弾性率を
E、密度をρとしたとき、
【0020】
【数1】 は、軽量化効果を示す指標である。この値が大きいほど
軽量化効果が大きい。表1から本発明によるシート材料
から成形された板材が軽量化、剛性およびコストの点で
優れていることがわかる。
軽量化効果が大きい。表1から本発明によるシート材料
から成形された板材が軽量化、剛性およびコストの点で
優れていることがわかる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明のシート、その製造方法および該
シートを用いた繊維強化複合材料の製造方法を用いるこ
とにより、軽量で強度、剛性に優れた繊維強化樹脂成形
品を安価に得ることができ、自動車、家電製品等の軽量
化に極めて有効である。
シートを用いた繊維強化複合材料の製造方法を用いるこ
とにより、軽量で強度、剛性に優れた繊維強化樹脂成形
品を安価に得ることができ、自動車、家電製品等の軽量
化に極めて有効である。
Claims (3)
- 【請求項1】強化繊維と熱可塑性樹脂からなるシートに
おいて、シートの密度が強化繊維と熱可塑性樹脂が密に
充填しているものの30〜95%であり、表層が内層を
はさんで上下にあり、全厚みに対して、上下表層の厚み
がそれぞれ独立に5〜25%であり、表層の強化繊維の
弾性率が100GPa以上であり、内層の強化繊維の弾
性率が80GPa以下であることを特徴とするシート。 - 【請求項2】強化繊維と粉末状熱可塑性樹脂を水中に分
散した状態で混合し、メッシュ上で水分を分離し、ウェ
ブを作製し、該ウェブを積層し、加熱加圧し、一体化す
ることを特徴とする請求項1記載のシートの製造方法。 - 【請求項3】請求項1記載のシートを加熱することによ
り膨脹させ、さらに加熱加圧し、繊維強化複合材料の密
度が、強化繊維と熱可塑性樹脂が密に充填したものの密
度の20〜80%である繊維強化複合材料を得ることを
特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21494892A JPH0664075A (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | シート、その製造方法および繊維強化複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21494892A JPH0664075A (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | シート、その製造方法および繊維強化複合材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664075A true JPH0664075A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=16664216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21494892A Pending JPH0664075A (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | シート、その製造方法および繊維強化複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0664075A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012000890A (ja) * | 2010-06-17 | 2012-01-05 | Mitsubishi Plastics Inc | サンドイッチ構造体 |
KR20160128499A (ko) * | 2015-04-28 | 2016-11-08 | (주)엘지하우시스 | 복합재 예비성형 보드 및 이를 제조하는 방법 |
JP2017077696A (ja) * | 2015-10-21 | 2017-04-27 | 三菱樹脂株式会社 | 強化繊維複合積層体 |
-
1992
- 1992-08-12 JP JP21494892A patent/JPH0664075A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012000890A (ja) * | 2010-06-17 | 2012-01-05 | Mitsubishi Plastics Inc | サンドイッチ構造体 |
KR20160128499A (ko) * | 2015-04-28 | 2016-11-08 | (주)엘지하우시스 | 복합재 예비성형 보드 및 이를 제조하는 방법 |
JP2017077696A (ja) * | 2015-10-21 | 2017-04-27 | 三菱樹脂株式会社 | 強化繊維複合積層体 |
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