JP2017077107A - 自己始動型永久磁石式電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で高効率を実現することができるとともに、部品点数や製造工数が少なくコストの低減化を図ることができる自己始動型永久磁石式電動機を提供する。【解決手段】励磁コイル14を巻装した固定子10と、固定子と所定の空隙Gを設けて対向し回転自在に配置された回転子10とを備え、回転子は、円柱形状の回転子コア11と、回転子コアの外径側に円周方向に所定間隔をあけて設けられ、回転軸方向に延在する複数のバースロット24と、複数のバースロットに埋設された導電性を有した永久磁石からなる複数の導電性永久磁石バー25と、複数の導電性永久磁石バーの両端に接続された一対のエンドリング27,28とを備えた自己始動型永久磁石式電動機である。【選択図】図1

Description

本発明は、励磁コイルを巻装した固定子と、固定子と所定の空隙を設けて対向し回転自在に配置された回転子とを備えた自己始動型永久磁石式電動機に関する。
交流電動機として普及している電動機の1つとして、かご形三相誘導電動機がある。
かご形三相誘導電動機は、固定子巻線に三相交流を印加して回転磁界を発生させることで、回転子に配置された金属製のバーと金属製のエンドリングからなる二次導体に誘導電流を発生させ、この誘導電流と回転磁界との相互作用でトルクを発生させる電動機である。
かご形三相誘導電動機の特長として、インバータによる制御を行わなくとも交流電源に直接接続するだけで始動させることができる、という点が挙げられる。
一方、近年、高効率化や小型化の要望に応える形で普及してきた永久磁石式電動機は、固定子巻線に三相交流を印加することで発生した回転磁界と回転子から発生する永久磁石磁束との相互作用によって発生するマグネットトルクを主に利用した電動機である。永久磁石式電動機は、かご形三相誘導電動機に比べて高効率かつ小型であるという特長を有するものの、同期速度でしかトルクを発生させることができないため、インバータによる制御を行わなければ始動させることができない。
永久磁石式電動機のこうした問題点を解決するための方法として、特許文献1などに記載があるように自己始動型永久磁石式電動機が知られている。
特許文献1の自己始動型永久磁石式電動機は、例えば埋込磁石型の永久磁石式電動機に対して、回転子に複数のスロットを設け、スロット内に導電性のバーを配置し、導電性のエンドリングと接続させることにより、誘導電動機としての機能も持たせた電動機である。
この特許文献1の自己始動型永久磁石式電動機は、始動の際から同期速度に引き込まれる際までの非同期運転時は誘導電流と回転磁界との相互作用を利用した誘導電動機として作用し、同期速度に達してからはマグネットトルクを利用した永久磁石式電動機として作用する。そのため、インバータを用いずに自己始動が可能な上、同期速度では高効率な運転が可能であるという特長を有する。
特開2009−153356号公報
ところで、特許文献1の自己始動型永久磁石式電動機は、同期速度にて運転する際には不要である導電性のバーや導電性のエンドリングが存在するため、これらの部位を鎖交する交流磁束に起因して渦電流が流れるため、同期速度にて運転する際に通常の永久磁石式電動機ほど高効率とはならないといった問題がある。
また、かご形三相誘導電動機の回転子に必要なスロット、導電性のバー、導電性のエンドリングを有し、かつ、永久磁石式電動機の回転子に必要な永久磁石をも有していることから、電動機単体で見た場合に、かご形三相誘導電動機、永久磁石式電動機のいずれよりも部品点数や製造工数が多く、コストアップの原因となっていた。
そこで、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、小型で高効率を実現することができるとともに、部品点数や製造工数が少なくコストの低減化を図ることができる自己始動型永久磁石式電動機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る自己始動型永久磁石式電動機は、励磁コイルを巻装した固定子と、この固定子と所定の空隙を設けて対向し回転自在に配置された回転子と、を備え、回転子は、円柱形状の回転子コアと、この回転子コアの外径側に円周方向に所定間隔をあけて設けられ、回転軸方向に延在する複数のバースロットと、これら複数のバースロットに埋設された導電性を有した永久磁石からなる複数の導電性永久磁石バーと、複数の導電性永久磁石バーの両端に接続された一対のエンドリングと、を備えている。
本発明に係る自己始動型永久磁石式電動機によれば、小型で高効率を実現することができるとともに、部品点数や製造工数が少なくコストの低減化を図ることができる。
本発明に係る第1実施形態に係る自己始動型永久磁石式電動機の概略構成を示す断面図である。 本発明に係る自己始動型永久磁石式電動機を構成する導電性永久磁石バー及びエンドリングの概略を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の自己始動型永久磁石式電動機を構成する回転子を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の自己始動型永久磁石式電動機を構成する回転子を示す図である。 本発明に係る第3実施形態の自己始動型永久磁石式電動機を構成する回転子を示す図である。 図5における回転子の上部右側を拡大して示した図である。 従来装置と比較した本発明に係る第3実施形態の自己始動型永久磁石式電動機における起磁力波形を示すグラフである。 本発明に係る第4実施形態の自己始動型永久磁石式電動機を構成する回転子を示す図である。 図8における回転子の上部右側を拡大して示した図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1〜第3実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態の自己始動型永久磁石式電動機]
図1は、本発明に係る第1実施形態の自己始動型永久磁石式電動機1を示すものである。この自己始動型永久磁石式電動機1は、4極24スロットの埋込磁石型同期電動機である。なお、本発明は、極数やスロット数、その他の各部分の寸法などによって何ら制約を受けるものではない。
自己始動型永久磁石式電動機1は、図1に示すように、円筒状のフレーム2と、円筒状のフレーム2の内周側に配置された固定子10と、この固定子10の内周側に所定の空隙Gを隔てて対向して回転自在に配置された回転子20とを備えている。
固定子10は、円筒状の固定子コア11と、固定子コア11の内周面側に円周方向に等間隔で形成された24個のスロット12及び24個の磁極ティース13とを備えている。各磁極ティース13には、スロット12内に巻装された励磁コイル14が巻回されている。
回転子20は、図1及び図3に示すように、無方向性の電磁鋼板を積層して形成した円柱状の回転子コア21と、回転子コア21の内径側に形成した4つの磁石スロット22と、これら磁石スロット22に埋め込まれた4つの永久磁石23と、回転子コア21の外径側の円周方向等間隔に形成した複数のバースロット24と、複数のバースロット24に埋め込まれた複数の導電性バー25とを備えている。
回転子20は、回転子コア21の中心部に嵌挿固定された回転軸3によって回転する。
4つの磁石スロット22は、回転子コア21の内径側において軸方向の両端にまで貫通して形成され、細長く直線状に延びる矩形状孔部である。これら磁石スロット22に、各磁石スロット22の寸法よりも小さい寸法を有する断面矩形状の永久磁石23が埋め込まれ、接着剤等によって固定されている。これら4つの磁石スロット22内に永久磁石23を埋め込んだことで、4つの磁極26が設けられている。
なお、永久磁石23の材料としては、ネオジ焼結磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石などが使用されている。
回転子コア21の外径側に形成した複数のバースロット24の内部に配置されている複数の導電性バー25は、図2に示すように、これら複数の導電性バー25の一端で接続される一端側導電性エンドリング27と、複数の導電性バー25の他端で接続される他端側導電性エンドリング28とで、かご型導体29を構成している。
回転子コア21の外径側の円周方向に等間隔に形成された複数のバースロット24は、回転子コア21の軸方向の両端まで貫通して形成されており、これら複数のバースロット24に、複数のバースロット24が挿入され、これら複数のバースロット24の一端に接続した一端側導電性エンドリング27が、複数のバースロット24の他端に接続した他端側導電性エンドリング28が回転子コア21の軸方向の他方の端部に配置される。
ここで、複数の導電性バー25は、永久磁石で形成されている(以下、導電性永久磁石バー25と称する)。これら複数の導電性永久磁石バー25のN極、S極は、4つの磁極26を構成している各永久磁石23の磁束密度が増加するように着磁されている。この導電性永久磁石バー25の材料としては、アルニコ磁石が使用されている。
また、かご型導体29を構成している一端側導電性エンドリング27及び他端側導電性エンドリング28の材料としては、銅、アルミニウムなど導電率の高い材料が使用されている。
なお、本発明に係るバースロットが、バースロット24に対応し、本発明に係る導電性永久磁石バーが、導電性永久磁石バー25に対応し、本発明に係る一対のエンドリングが、一端側導電性エンドリング27及び他端側導電性エンドリング28に対応し、本発明に係る磁石スロットが磁石スロット22に対応し、本発明に係る永久磁石が永久磁石23に対応している。
次に、第1実施形態の自己始動型永久磁石式電動機1の動作について説明する。
この自己始動型永久磁石式電動機1の始動時には、固定子10の励磁コイル14に交流電源が印加される。電流が印加された励磁コイル14は、起磁力により回転磁界が発生する。これにより、回転子20のかご型導体29で発生する誘導電流との相互作用によってトルクを発生し、回転子20が誘導電動機として回転する。
そして、回転子20が固定子10の回転磁界の同期速度付近まで加速されると、回転子20の4つの磁極26を構成している永久磁石23による起磁力が、固定子10の励磁コイル14が作る同期速度の回転磁界に引き込まれてトルクを発生し、回転子20が同期機として回転する。
次に、第1実施形態の自己始動型永久磁石式電動機1の作用効果について説明する。
かご型導体29を構成する複数の導電性永久磁石バー25は、自己始動型永久磁石式電動機1の始動時には誘導電流を流す二次導体として機能し、自己始動型永久磁石式電動機1の同期速度の運転時には、自身が発生する磁束によりトルクが発生する。
したがって、自己始動型永久磁石式電動機1の同期速度の運転時には、複数の導電性永久磁石バー25が発生する磁束によるトルク分だけ自己始動型永久磁石式電動機1のトルクが増大するので、従来の自己始動型永久磁石式電動機と同様に同一トルクが必要な場合には、自己始動型永久磁石式電動機1の小型化を図ることができるとともに、電流の低減による高効率化を図ることができる。
また、回転子コア21内に埋め込まれる永久磁石23の個数を増やさずに、複数の導電性永久磁石バー25が発生する磁束で自己始動型永久磁石式電動機1のトルクを増大することができるので、部品点数や製造工程が削減され、自己始動型永久磁石式電動機1の製造コストの低減化を図ることができる。
[第2実施形態の自己始動型永久磁石式電動機]
次に、図4は、本発明に係る第2実施形態の自己始動型永久磁石式電動機を構成する回転子30を示すものである。
なお、図1から図3で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
第2実施形態の回転子30は、無方向性の電磁鋼板を積層して形成した円柱状の回転子コア21と、回転子コア21の中心部に嵌挿固定された回転軸3と、回転子コア21の外径側の円周方向等間隔に形成した複数のバースロット24と、複数のバースロット24の内部に配置された複数の導電性永久磁石バー25と、これら複数の導電性永久磁石バー25の一端及び他端に接続され、かご型導体29を構成する一端側導電性エンドリング27及び他端側導電性エンドリング28を備えている。
ところが、第2実施形態の回転子30は、第1実施形態の回転子20の磁極26(磁石スロット22及び磁石スロット22に埋め込まれた永久磁石23)が存在しない。
この自己始動型永久磁石式電動機の始動時には、固定子10の励磁コイル14に交流電源が印加される。電流が印加された励磁コイル14は、起磁力により回転磁界が発生する。これにより、回転子30のかご型導体29で発生する誘導電流との相互作用によってトルクを発生し、回転子30が誘導電動機として回転する。
そして、回転子30が固定子10の回転磁界の同期速度付近まで加速されると、かご型導体29を構成している複数の導電性永久磁石バー25による起磁力が、固定子10の励磁コイル14が作る同期速度の回転磁界に引き込まれてトルクを発生し、回転子20が同期機として回転する。
第2実施形態では、かご型導体29を構成する複数の導電性永久磁石バー25が、自己始動型永久磁石式電動機の始動時には誘導電流を流す二次導体として機能し、自己始動型永久磁石式電動機の同期速度の運転時には、自身が発生する磁束でトルクを発生する。
したがって、第2実施形態の回転子30を備えた自己始動型永久磁石式電動機は、第1実施形態の回転子20で使用していた磁極26(磁石スロット22及び磁石スロット22に埋め込まれた永久磁石23)が存在しないので、さらに部品点数や製造工程が削減され、製造コストの低減化を図ることができる。
[第3実施形態の自己始動型永久磁石式電動機]
次に、図5から図7は、本発明に係る第3実施形態の自己始動型永久磁石式電動機を構成する回転子40を示すものである。
回転子40は、無方向性の電磁鋼板を積層して形成した円柱状の回転子コア21と、回転子コア21の中心部に嵌挿固定された回転軸3と、回転子コア21の内径側に形成した4つの磁石スロット22と、これら磁石スロット22に埋め込まれた4つの永久磁石23と、回転子コア21の外径側の円周方向等間隔に形成した複数のバースロット24と、複数のバースロット24の内部に配置された複数の導電性永久磁石バー41,42,43,44と、これら複数の導電性永久磁石バー41,42,43,44の一端及び他端に接続され、かご型導体29を構成する一端側導電性エンドリング27及び他端側導電性エンドリング28を備えている。
図5において、4つの磁極26を構成している4つの永久磁石23の中心軸をd軸とし、これらd軸に対して電気角で90°隔てた軸をq軸とする。
そして、d軸に最も近いバースロット24に導電性永久磁石バー41が埋設され、q軸に最も近いバースロット24に導電性永久磁石バー44が埋設され、d軸及びq軸の間のバースロット24に導電性永久磁石バー42,43が埋設されている。
図5において、全てのバースロット24には導電性永久磁石バー41,42,43,44が埋め込まれているようには記載していないが、d軸に最も近いバースロット24に導電性永久磁石バー41が埋設され、d軸に最も近いバースロット24に向けて、導電性永久磁石バー42,43,44が埋設されているものとする。
導電性永久磁石バー41は、アルニコ磁石など同一材料の導電性の永久磁石41aと、銅やアルミニウムなどの導電性の非磁性部材41bとが、横断面方向に積層された状態で形成されており、他の導電性永久磁石バー42,43,44も、横断面方向に積層された導電性の永久磁石42a,43a,44aと、導電性の非磁性部材42b,43b,44bとを備えている。
そして、d軸に最も近い導電性永久磁石バー41の非磁性部材41bに対する永久磁石41aの断面比率(永久磁石41aの断面積/非磁性部材41bの断面積)をS1とし、導電性永久磁石バー42の非磁性部材42bに対する永久磁石21aの断面比率をS2とし、導電性永久磁石バー43の非磁性部材43bに対する永久磁石43aの断面比率をS3とし、q軸に最も近い導電性永久磁石バー44の非磁性部材44bに対する導電性の永久磁石44aの断面比率をS4とすると、d軸からq軸に向う導電性永久磁石バー41,42,43,44の断面比率が単調に減少している(S1>S2>S3>S4)。
このようにすることで、バースロット24で発生する磁石磁束量は、d軸に最も近いバースロット24からq軸に最も近いバースロット24の順で単調に減少する。
なお、図5及び図6では右上側外周のバースロット24に埋設されている導電性永久磁石バー41,42,43,44について説明したが、右上側外周以外のd軸及びq軸のバースロット24に埋設されている導電性永久磁石バーも同様の構成である。
このように、バースロット24で発生する磁石磁束量が、d軸に最も近いバースロット24からq軸に最も近いバースロット24の順で単調に減少するようにしたことの利点について図7(a)、(b)を参照して説明する。
図7(a)は、回転子コア21の外径側の円周方向に複数の導電性永久磁石バーが埋め込まれていない(図5において導電性永久磁石バー41,42,43,44が埋め込まれてい)回転子の起磁力波形を示すグラフである。また、図7(b)は、図5で示した回転子40の起磁力波形を示すグラフである。
なお、図7(a)、(b)において、角度θは、回転子40の円周方向の所定位置を基準とした円周方向の回転角度である。
先ず、図7(a)に示す起磁力波形を示す回転子は、図5で示すように、磁石スロット22に埋め込まれている永久磁石23から磁束が発生し、この磁束が作る起磁力の波形が、符号Aで示す矩形波形状となる。
これに対して、バースロット24で発生する磁石磁束量が、d軸に最も近いバースロット24からq軸に最も近いバースロット24の順で単調に減少するようにした場合には、永久磁石23のみならず導電性永久磁石バー41,42,43,44からも磁束が発生し、永久磁石23及び導電性永久磁石バー41,42,43,44からの磁束が作る起磁力の波形が、図7(b)に示すように、永久磁石23の磁束が作る符号Aで示す矩形波形状の上側及び両側に、導電性永久磁石バー41,42,43,44の磁束が作る、符号Bで示す徐々に減少した階段状の波形、或いは、符号Cで示す徐々に増大した階段状の波形を加えた形状となる。
即ち、永久磁石23及び導電性永久磁石バー41,42,43,44からの磁束が作る起磁力の波形は、正弦波形状に近づくことになる。
このように、永久磁石23及び導電性永久磁石バー41,42,43,44からの磁束が作る起磁力の波形が、正弦波形状に近づくと、起磁力の基本波成分が増加するとともに高調波成分が減少する。基本波成分の増加はトルクを増加させ、高調波成分の減少はコギングトルクやトルクリップルを減少させる。
したがって、第3実施形態のように、バースロット24で発生する磁石磁束量が、d軸に最も近いバースロット24からq軸に最も近いバースロット24の順で単調に減少するようにしたことで、高トルク化及びコギングトルクやトルクリップルの十分な低減を実現することができる。
また、第3実施形態の自己始動型永久磁石式電動機の同期速度の運転時にも、複数の導電性永久磁石バー41,42,43,44が発生する磁束によるトルク分だけ自己始動型永久磁石式電動機のトルクが増大するので、従来の自己始動型永久磁石式電動機と同様に同一トルクが必要な場合には、自己始動型永久磁石式電動機の小型化を図ることができるとともに、電流の低減による高効率化を図ることができる。
さらに、回転子コア21内に埋め込まれる永久磁石23の個数を増やさずに、複数の導電性永久磁石バー41,42,43,44が発生する磁束で自己始動型永久磁石式電動機のトルクを増大することができるので、部品点数や製造工程が削減され、自己始動型永久磁石式電動機の製造コストの低減化を図ることができる。
[第4実施形態の自己始動型永久磁石式電動機]
次に、図8及び図9は、本発明に係る第4実施形態の自己始動型永久磁石式電動機を構成する回転子50を示すものである。
第4実施形態の回転子50は、円柱状の回転子コア21と、回転軸3と、4つの磁石スロット22と、これら磁石スロット22に埋め込まれた4つの永久磁石23と、回転子コア21の外径側の円周方向等間隔に形成した複数のバースロット24と、複数のバースロット24の内部に配置された複数の導電性永久磁石バー51,52,53,54と、これら複数の導電性永久磁石バー51,52,53,54の一端及び他端に接続され、かご型導体29を構成する一端側導電性エンドリング27及び他端側導電性エンドリング28とを備えている。
d軸に最も近いバースロット24に導電性永久磁石バー51が埋設され、q軸に最も近いバースロット24に導電性永久磁石バー54が埋設され、d軸及びq軸の間のバースロット24に導電性永久磁石バー52,53が埋設されている。
図8において、全てのバースロット24には導電性永久磁石バー51,52,53,54が埋め込まれているようには記載していないが、d軸に最も近いバースロット24に導電性永久磁石バー51が埋め込まれており、q軸に最も近いバースロット24に向けて、導電性永久磁石バー52,53,54が埋め込まれている。
d軸に最も近いバースロット24に埋め込まれている導電性永久磁石バー51は、残留磁束密度B1の値が大きい導電性の永久磁石である。
また、q軸に最も近いバースロット24に埋設されている導電性永久磁石バー54は、残留磁束密度B4の値が小さい導電性の永久磁石である。
また、導電性永久磁石バー51及び導電性永久磁石バー54の間に埋め込まれている導電性永久磁石バー52,53の残留磁束密度B2,B3と、導電性永久磁石バー51,54の残留磁束密度B1,B4との関係は、B1>B2>B3>B4となる。
このように、第4実施形態では、複数のバースロット24に埋め込まれている導電性永久磁石バーの残留磁束密度は、d軸に最も近い導電性永久磁石バー51からq軸に最も近い導電性永久磁石バー54の順で単調に減少する。
なお、図5及び図6では右上側外周のバースロット24に埋設されている導電性永久磁石バー51,52,53,54について説明したが、右上側外周以外のd軸及びq軸のバースロット24に埋設されている導電性永久磁石バーも同様の構成である。
このように、導電性永久磁石バーの残留磁束密度が、d軸に最も近い導電性永久磁石バー51からq軸に最も近い導電性永久磁石バー54の順で単調に減少するdようにしたことで、第3実施形態と同様に、高トルク化及びコギングトルクやトルクリップルの十分な低減を実現することができる。
すなわち、図7(a)で示したように、回転子コア21の外径側の円周方向に複数の導電性永久磁石バーが埋め込まれていない場合の起磁力波形は、磁石スロット22に埋め込まれている永久磁石23から磁束が発生し、この磁束が作る起磁力の波形が、符号Aで示す矩形波形状となる。
これに対して、導電性永久磁石バーの残留磁束密度が、d軸に最も近い導電性永久磁石バー51からq軸に最も近い導電性永久磁石バー54の順で単調に減少するdようにした場合には、永久磁石23のみならず導電性永久磁石バー51,52,53,54からも磁束が発生し、永久磁石23及び導電性永久磁石バー51,52,53,54からの磁束が作る起磁力の波形が、図7(b)で示したものと同様に、永久磁石23の磁束が作る符号Aで示す矩形波形状の上側及び両側に、導電性永久磁石バー51,52,53,54の磁束が作る、符号Bで示す徐々に減少した階段状の波形、或いは符号Cで示す徐々に増大した階段状の波形を加えた形状となる。
即ち、永久磁石23及び導電性永久磁石バー51,52,53,54からの磁束が作る起磁力の波形は、正弦波形状に近づくことになる。
このように、永久磁石23及び導電性永久磁石バー51,52,53,54からの磁束が作る起磁力の波形が、正弦波形状に近づくと、起磁力の基本波成分が増加するとともに高調波成分が減少する。基本波成分の増加はトルクを増加させ、高調波成分の減少はコギングトルクやトルクリップルを減少させる。
したがって、第4実施形態のように、導電性永久磁石バーの残留磁束密度が、d軸に最も近い導電性永久磁石バー51からq軸に最も近い導電性永久磁石バー54の順で単調に減少するdようにしたことで、高トルク化及びコギングトルクやトルクリップルの十分な低減を実現することができる。
また、第4実施形態の自己始動型永久磁石式電動機の同期速度の運転時にも、複数の導電性永久磁石バー51,52,53,54が発生する磁束によるトルク分だけ自己始動型永久磁石式電動機のトルクが増大するので、従来の自己始動型永久磁石式電動機と同様に同一トルクが必要な場合には、自己始動型永久磁石式電動機の小型化を図ることができるとともに、電流の低減による高効率化を図ることができる。
さらに、回転子コア21内に埋め込まれる永久磁石23の個数を増やさずに、複数の導電性永久磁石バー51,52,53,54が発生する磁束で自己始動型永久磁石式電動機のトルクを増大することができるので、部品点数や製造工程が削減され、自己始動型永久磁石式電動機の製造コストの低減化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
1 自己始動型永久磁石式電動機
2 フレーム
3 回転軸
10 固定子
20 回転子
11 固定子コア
12 スロット
13 磁極ティース
14 励磁コイル
21 回転子コア
22 磁石スロット
23 永久磁石
24 バースロット
25 導電性永久磁石バー
26 磁極
27 一端側導電性エンドリング
28 他端側導電性エンドリング
29 かご型導体
30 回転子
40 回転子
41,42,43,44 導電性永久磁石バー
41a,42a,43a,44a 導電性の永久磁石
41b,42b,43b,44b 導電性の非磁性部材
50 回転子
51,52,53,54 導電性永久磁石バー
G 空隙

Claims (5)

  1. 励磁コイルを巻装した固定子と、
    この固定子と所定の空隙を設けて対向し回転自在に配置された回転子と、を備え、
    前記回転子は、
    円柱形状の回転子コアと、
    この回転子コアの外径側に円周方向に所定間隔をあけて設けられ、回転軸方向に延在する複数のバースロットと、
    これら複数のバースロットに埋設された導電性を有した永久磁石からなる複数の導電性永久磁石バーと、
    前記複数の導電性永久磁石バーの両端に接続された一対のエンドリングと、を備えていることを特徴とする自己始動型永久磁石式電動機。
  2. 前記回転子コアの内径側に円周方向に所定間隔をあけて設けられ、前記回転軸方向に延在する複数の磁石スロットと、
    これら複数の磁石スロットに埋設された複数の永久磁石と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の自己始動型永久磁石式電動機。
  3. 前記複数の永久磁石が形成する磁極毎の前記永久磁石の中心軸をd軸とし、このd軸に対して電気角で90°隔てた軸をq軸とすると、
    前記複数のバースロットで発生する磁石磁束量が、前記d軸に最も近い前記バースロットから前記q軸に最も近いバースロットの順で単調に減少するようにしたことを特徴とする請求項2記載の自己始動型永久磁石式電動機。
  4. 前記複数の永久磁石が形成する磁極毎の前記永久磁石の中心軸をd軸とし、このd軸に対して電気角で90°隔てた軸をq軸とすると、
    前記複数の導電性永久磁石バーの残留磁束密度が、前記d軸に最も近い前記導電性永久磁石バーから前記q軸に最も近い前記導電性永久磁石バーの順で単調に減少するようにしたことを特徴とする請求項2記載の自己始動型永久磁石式電動機。
  5. 前記複数の導電性永久磁石バーの材料として、アルニコ磁石を使用したことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の自己始動型永久磁石式電動機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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