JP2017076927A - 無線制御装置、無線通信システムおよび送信タイミング補正方法 - Google Patents

無線制御装置、無線通信システムおよび送信タイミング補正方法 Download PDF

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Yuichiro Katagiri
雄一郎 片桐
正和 小嶋
Masakazu Kojima
正和 小嶋
憲司 ▲高▼田
憲司 ▲高▼田
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敦志 諸橋
Atsushi Morohashi
敦志 諸橋
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Minoru Sato
稔 佐藤
隆司 村上
Takashi Murakami
隆司 村上
俊孝 一戸
Toshitaka Ichinohe
俊孝 一戸
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Abstract

【課題】基地局装置のアンテナ端での無線フレームの出力タイミングを高精度で絶対基準に同期させる。
【解決手段】無線通信システムは、ベースバンド処理を行う無線制御装置101と、無線制御装置101と伝送路105を介して接続される無線装置102と、無線装置102のアンテナ103から出力される無線信号を測定する端末110とを有する。無線制御装置101は、端末110において測定された無線装置102のアンテナから出力された無線信号の受信タイミングと、無線制御装置101と端末110とで同一の絶対基準タイミングと測定された受信タイミングとの第1の差分から、無線装置102と端末110との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、無線制御装置101から無線装置102へ出力する無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング補正量算出部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、基地局装置のアンテナ端での無線フレームの出力タイミングを調整する無線制御装置、無線通信システムおよび送信タイミング補正方法に関する。
近年、急増する無線トラフィック量対策としてCA(Carrier Aggregation)方式や、TDD(Time Division Duplex)方式によるスモールセル化が行われている。CA方式やTDD方式では、基地局装置(BS:Base Station)は、アンテナ端から移動機等の端末(UE:User Equipment)に向けて送信する無線フレーム位置(送信タイミング)を送信に用いる一つまたは複数のアンテナ(全基地局間)で同期させる。
基地局装置BSは、例えば、無線制御装置(REC:Radio Equipment Controller)と、無線装置(RE:Radio processing Equipment)とを含む。RECとREは、CPRI(Common Public Radio Interface)リンクで接続される。RECは、他にBDE(Base station Digital processing Equipment)やBBU(Base Band Unit)と呼称される。REは、他にRRH(Remote Radio Head)と呼称される。
例えば、異なる周波数(バンド)のキャリアを複数用いて通信するInter−band CAでは、バンド間の無線フレーム位置の差を所定時間(285ns)以内にする必要がある。そのため、RECからアンテナ端までの各部(REC内部遅延、REC〜RE間遅延、RE内部遅延、RE〜アンテナ端間等)での信号遅延の遅延時間を予め求め、遅延時間分RECがデータを先出しすることで、全アンテナ端での送信タイミングを揃えている。
RECとRE間のCPRIリンクでの遅延については、BSの起動毎にREC〜RE間の遅延を測定し、遅延量をもとに遅延補正を実施することで、CPRIリンクの遅延バラつきに起因した送信タイミングの差分を補正している。
REのCPRI終端部以降の遅延について、RE内部遅延は設計値を用い、REからアンテナ端までの遅延は、工事時のケーブル長から求めた遅延時間やアンテナの設計値を基に遅延補正を行っている。
従来技術として、例えば、端末が送信タイミング測定用信号を送信し、基地局は自身の持つ基準タイミングと、端末から受信した送信タイミングとの時間差を算出し、端末に送信タイミング補正情報を送信する技術が開示されている。また、CAを実行する際の送信について、基準タイミングをGPS(Global Positioning System)以外の他のネットワークエンティティの送信タイミングや絶対時間等を利用してタイミングズレを比較する技術が開示されている。また、CoMP(Coordinated Multi−Point)伝送において、端末が協調通信を行う際、基地局の送信タイミング補正情報に基づいたリソース割り当て情報にしたがってデータ送信する技術が開示されている。また、端末が目標セル/基準セル上の送信/受信時間の差を測定し基地局にレポートし、基地局がレポート結果を事前に定義された最大伝搬遅延時間差と比較して端末のタイミングアライメントと、REが送信する送信タイミングを計算する技術が開示されている。また、下り無線フレーム送信タイミング調整で、最大のCPRIケーブル長と他の残りのセルでのCPRIケーブル長との差分に応じた遅延調整により送信タイミング補正を行う技術が開示されている(例えば、下記特許文献1〜5参照。)。
特開2011−40832号公報 国際公開第2012/042736号 国際公開第2011/016489号 特表2014−511640号公報 特開2015−115697号公報
遅延測定回路の誤差、PLL(Phase Locked Loop)のロック位置による位相差誤差、アンテナ用ケーブルの線長誤差、各機能部の遅延量公差等による誤差の積み重ねが生じると基地局からの送信タイミング精度を劣化させる要因となる。しかし、従来技術では、REのCPRI終端部以降の遅延は設計値(固定値)を用いて遅延補正するため、誤差の積み重ね分だけ送信タイミング精度が低下した。RECに対し複数のREをカスケード接続して運用する場合、REのカスケード接続段数が増加するにしたがって誤差の影響が大きくなる。
また、従来技術では、アンテナ端からの無線データの送信タイミングが、実際にはどのような状態になっているかを把握できない。このため、遅延補正に異常が生じていたとしても、この異常の検出および対処が行えなかった。
一つの側面では、本発明は、基地局装置のアンテナ端での無線フレームの出力タイミングを高精度で絶対基準に同期させることを目的とする。
一つの案では、無線通信システムは、ベースバンド処理を行う無線制御装置と、前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置と、前記無線装置のアンテナから出力される無線信号を測定する測定機とを有する無線通信システムにおいて、前記測定機において測定された前記無線装置のアンテナから出力された前記無線信号の受信タイミングと、前記無線制御装置と前記測定機とで同一の絶対基準タイミングと前記測定された受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記測定機との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線装置へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング制御部、を備えたことを要件とする。
一つの実施形態によれば、基地局装置のアンテナ端での無線フレームの出力タイミングを高精度で絶対基準に同期できる効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる基地局装置および端末を含む無線通信システムの構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる無線制御装置の内部構成例を示す図である。 図3は、実施の形態1にかかる無線装置の内部構成例を示す図である。 図4は、実施の形態1にかかる端末の内部構成例を示す図である。 図5は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。 図6Aは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を説明する図である。(その1) 図6Bは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を示すフローチャートである。 図7Aは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を説明する図である。(その2) 図7Bは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの差分と補正量を説明する図である。 図9は、実施の形態2にかかる基地局装置および端末を含む無線通信システムの構成例を示す図である。 図10は、実施の形態2にかかる小型基地局装置の内部構成例を示す図である。 図11は、実施の形態2にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態3にかかる基地局装置および端末間の無線データの送受信の例を示す図である。 図13は、実施の形態3にかかる端末の内部構成例を示す図である。 図14は、実施の形態3にかかる無線制御装置の内部構成例を示す図である。 図15は、実施の形態3にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。 図16は、実施の形態4にかかる送信タイミングの遅延測定例を説明する図である。 図17は、実施の形態4にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。 図18は、実施の形態4にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの差分と補正量を説明する図である。 図19は、既存の技術による送信データの遅延補正を行う構成例を示す図である。 図20は、既存の技術による基地局装置の内部構成例を示す図である。 図21は、既存の技術による基地局装置内部の遅延補正例を示す図である。(その1) 図22は、既存の技術による基地局装置内部の遅延補正例を示すタイミングチャートである。 図23は、既存の技術によるCPRI遅延測定・遅延補正を説明する図である。 図24は、上り/下りCPRIフレームタイミング例を示す図である。 図25は、既存の技術による基地局装置内部の遅延補正例を示す図である。(その2) 図26は、上り/下りCPRIフレームタイミング例を示す図である。 図27は、既存の技術による端末での上り送信タイミング補正例を示す図である。
開示の無線制御装置、無線通信システムおよび送信タイミング補正方法の実施の形態を詳細に説明する。無線制御装置は上述したRECである。基地局装置BSはRECとRECに接続される一つまたは複数のREを含む。
実施の形態では、基地局装置BSが端末(移動局装置)UEに対して送信する無線データの無線フレーム位置(送信タイミング)を、送信に用いる一つまたは複数のアンテナ間で同期させる。このため、基地局装置と端末は、無線データの送受信を行った際の送信タイミングのズレを測定し、基地局装置は、測定結果に基づき送信タイミングのズレをなくすように無線データの遅延補正を行う。送信タイミングのズレの測定は、測定機で測定する。測定機は、単独の装置を用いるに限らず、端末または基地局装置に設ける機能で構成できる。以下、各実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる基地局装置および端末を含む無線通信システムの構成例を示す図である。実施の形態1では、基地局装置が送信する無線データを端末が受信し、端末が測定機として、絶対基準タイミングを用いて送信タイミングの遅延(ズレ)を測定する。そして端末は、測定結果を基地局装置に通知し、基地局装置が測定結果に基づき送信タイミングのズレの補正処理を行う。
基地局装置(BS)100は、無線制御装置(REC)101と、無線装置(RE)102と、を含む。
基地局装置100とユーザの端末(UE)110との間は、例えば、LTE(Long Term Evolution)の通信規格に基づく無線通信を行う。103および113は、RE102および端末110に設けられた無線通信用のアンテナである。RE102に設けられるアンテナ103の位置をアンテナ端という。端末(UE)110は、例えば、ユーザが携帯する移動自在なスマートフォンを用いることができる。
REC101および端末110は、それぞれGPS電波を受信する機能を有し、GPS用のアンテナ104,114を有する。また、基地局装置100(REC101)には、ネットワーク(NW)網の上位装置120が接続される。上位装置120には、IEEE1588に規定するPTP(Precision Time Protocol)マスタ装置121が接続されている。
基地局装置100内のREC101とRE102との間は、伝送路(CPRIリンク)105により接続される。図1の例では、1台のREC101に2台のRE102(102a,102b)が縦列(カスケード)接続された構成例を示す。REC101には、RE#1(102a)が接続され、RE#2(102b)はRE#1(102a)を介してREC101に接続されている。
図2は、実施の形態1にかかる無線制御装置の内部構成例を示す図である。REC101は、ネットワーク(NW)終端部201と、スイッチ(SW)202と、基準タイミング抽出部203と、SYNC/CLK機能部204と、監視制御部205と、ベースバンド部206と、遅延補正部207と、CPRI終端部208と、を含む。また、RE ANT位置記録部209と、ANT間距離算出部210と、送信タイミング補正量算出部211と、を含む。
NW終端部201は、ネットワークの上位装置120と各種パケットの送受信を行う。スイッチ(SW)202は、REC101内の各機能部間のデータ(パケット)送受信のためパケットのスイッチングを行う。基準タイミング抽出部203は、アンテナ104を介して絶対基準タイミングとしてGPS受信電波を受信する。またはPTPマスタ装置121に対応するPTPスレーブ機能を有してもよい。基準タイミング抽出部203は、これらGPSまたはPTPから時刻情報を抽出する。
SYNC/CLK機能部204は、GPS、またはPTPで取得した時刻情報に合わせて基準クロック/タイミングの生成を行う。監視制御部205は、REC101内の監視制御を行い、また、RE102および上位装置120との通信を行う。ベースバンド部206は、無線データのベースバンド処理を行う。遅延補正部207は、アンテナ端での無線データの送信タイミングを揃えるために、REC101〜アンテナ端(図1のアンテナ103)までの遅延時間に応じてREC101の送受信データに遅延を加える。CPRI終端部208は、REC101に接続された一つまたは複数の配下のRE102(図1の102a,102b)との間のCPRIインタフェースの終端を行う。
RE ANT位置記録部209は、各RE102(102a,102b)のアンテナ(図1のアンテナ103)の位置情報を記録する。ANT間距離算出部210は、RE ANT位置記録部209に記録されたアンテナ位置情報と、端末110から通知される測定端末位置情報とに基づき、RE102のアンテナ103と端末110間の距離を算出する。そして、ANT間距離算出部210は、RE102のアンテナ103と端末110間の無線データ伝搬遅延時間を算出する。
送信タイミング補正量算出部211は、ANT間距離算出部210が算出した無線データ伝搬遅延時間と、端末110から通知される端末110での受信タイミングにより、基地局装置100(REC101)の送信タイミングのズレを求める。また、この送信タイミングのズレに基づき、遅延補正部207で遅延補正する際の遅延補正修正量を求める。送信タイミング補正量算出部211は、送信タイミング制御部として機能する。
図3は、実施の形態1にかかる無線装置の内部構成例を示す図である。無線装置(RE)102は、CPRI終端部301と、スイッチ(SW)302と、SYNC/CLK機能部303と、監視制御部304と、IQデータ多重分配部305と、遅延補正部306と、RF部307と、CPRI終端部308と、を含む。
CPRI終端部(REC inf)301は、上位装置(REC101)とのCPRIインタフェースの終端を行う。スイッチ(SW)302は、各機能部とパケットのスイッチングを行う。SYNC/CLK機能部303は、上位装置(REC101)とのCPRIインタフェースから抽出した基準クロック/タイミングを基に、RE102のシステムクロックを生成する。
監視制御部304は、RE102全体の監視および制御を行い、REC101との制御用パケットの送受信によりRE102の各種制御を行う。IQデータ多重分配部305は、自装置(RE102)および配下のRE(例えば、図1記載のカスケード接続時のRE102a,102b)が送受信する無線データ(IQデータ)の多重分配を行う。
遅延補正部306は、自装置のアンテナ端103からの無線データの出力タイミングと、配下REアンテナ端103からの出力タイミングを揃える。図3の例では、遅延補正部306は、自装置(RE102a)のアンテナ端103aまでの遅延時間と、配下のRE(RE102b)アンテナ端103bまでの遅延時間の差を埋め合わせるように送受信データを遅延させる。RF部307は、端末110との間で無線データの送受信を行う。CPRI終端部(RE inf)308は、配下RE(RE102b)が存在する場合に使用し、CPRI終端、およびパケット抽出を行う。
図4は、実施の形態1にかかる端末の内部構成例を示す図である。端末(UE)110は、送受信部401と、RECタイミング抽出部402と、GPS受信部403と、GPSタイミング抽出/変換部404と、位置情報算出部405と、送信タイミング差分算出部406と、を含む。
送受信部401は、基地局装置100(RE102)との間で各種無線信号(無線データ)を送受信する。RECタイミング抽出部402は、送受信部401が受信した基地局装置100の無線信号から、基地局装置100で用いるRECタイミングを抽出する。GPS受信部403は、アンテナ114を介して受信したGPS電波から絶対基準タイミングに用いるGPS時刻を抽出する。
GPSタイミング抽出/変換部404は、GPS受信部403により受信したGPS時刻を基地局装置100で用いるタイミングのSFN(System Frame Numberに変換する。例えば、GPSタイミング抽出/変換部404は、下記式に基づきSFNを求める。
SFN=(GPS時刻×100)mod 1024
(SFN:1980年1月6日0時0分0秒(UTC)を起点とする10ms単位、10.24秒周期のフレーム番号
GPS時刻:1980年1月6日0時0分0秒(UTC)を起点とする積算秒数)
位置情報算出部405は、GPS電波に基づき、自端末(RE110)の位置情報を算出する。送信タイミング差分算出部406は、GPSタイミング抽出/変換部404により求めたSFNを送信データのズレを検出するための絶対基準タイミングとする。そして、送信タイミング差分算出部406は、絶対基準タイミングに対し、RECタイミング抽出部402により基地局装置100(RE102)から受信した無線電波のタイミング情報(RECタイミング)のタイミングの差分を検出する。そして、送信タイミング差分算出部406は、検出したタイミング差分(第1の差分)の情報を送受信部401を介して基地局装置100に通知する。
上述した図2の無線制御装置(REC)101の監視制御部205、基準タイミング抽出部203、ANT間距離算出部210、送信タイミング補正量算出部211の各機能は、例えば、プログラム実行で構成してもよい。例えば、REC101のメモリに保持された各機能プログラムをCPU等のプロセッサが実行処理する。RE ANT位置記録部209は、メモリを用いてアンテナの位置情報を保持する。
また、図3の無線装置(RE)102の監視制御部304の機能についても、メモリに保持されたプログラムをプロセッサ実行して構成してもよい。また、図4の端末110のRECタイミング抽出部402、GPSタイミング抽出/変換部404、位置情報算出部405、送信タイミング差分算出部406の各機能についても、メモリに保持されたプログラムをプロセッサ実行して構成してもよい。
(無線データの送信タイミング補正にかかる処理例)
図5は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。基地局装置(BS)100のREC101およびRE102と、端末(UE)110の各処理内容を示している。
はじめに、基地局装置100(REC101/RE102)は、通常動作の一環としてPBCH(Physical Broadcast CHannel)を継続的に送信する(ステップS501)。PBCHには無線基地局(REC)101で用いるSFN(System Frame Number)が含まれている。
この後、REC101は、GPSに基づき、RE102のアンテナ端103の位置情報を算出する(ステップS502)。ステップS502の処理(ステップS502:Yes)は、一定時間経過(ステップS502:Noのループ)毎に行うほか、RE102の設置時および移動時に行うことができる。
この後、REC101は、端末(UE)110からタイミング差分情報の受信を待つ。タイミング差分情報は、RECから受信したRECタイミングと絶対基準タイミングとの差分(タイミング差分)である。このタイミング差分情報は、端末110の位置情報を含む。そして、REC101は、端末110からタイミング差分情報を受信すると、端末110の位置情報と、ステップS502で求めたRE102のアンテナ端103の位置情報の差分から無線伝搬遅延時間を算出する。そして、REC101は、端末110で測定したタイミング差分(第1の差分)から、無線伝搬遅延時間(第2の差分)を除した差分(第2の差分)を基地局装置100での送信タイミングのズレ量として求める(ステップS503)。
そして、REC101は、ステップS503で求めた送信タイミングのズレ量が小さければ(所定の閾値未満、ステップS504:差分小)、ステップS501に戻る。一方、ステップS503で求めた送信タイミングのズレ量が大きければ(所定の閾値以上、ステップS504:差分大)、送信タイミングのズレが無くなるようにREC101またはRE102の遅延補正部207,306の遅延量を調整する(ステップS505)。この後、ステップS501に戻り、REC101側の処理を継続的に実行する。
一方、端末(UE)110側では、PBCHを受信し(ステップS511)、受信したPBCHからREC101のRECタイミング(受信SFN)を抽出する(ステップS512)。RECタイミングが抽出できない場合には(ステップS513:No)、ステップS511に戻り、RECタイミングが抽出できれば(ステップS513:Yes)、ステップS514に移行する。
この後、ステップS514では、端末(UE)110は、GPS電波を受信待ちし(ステップS514:Noのループ)、GPS電波を受信すると、GPS電波に基づき端末110の位置情報を算出する(ステップS514:Yes)。
また、端末(UE)110は、GPS電波を受信待ちし(ステップS515:Noのループ)、GPS電波を受信すると、差分検出用の基準となる絶対基準タイミングを抽出する(ステップS515:Yes)。そして、端末(UE)110は、上述のように、GPS電波に含まれるGPS時刻情報を基準SFNに変換する(ステップS516)。
次に、端末(UE)110は、ステップS512で得たREC101のRECタイミングと、ステップS515で得た端末(UE)110のGPS時刻から得た絶対基準タイミングとの差分(タイミング差分)を求める(ステップS517)。すなわち、絶対基準タイミングである基準SFNに対し、RECタイミングである受信SFNにズレがあれば、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングにズレがあると判断する。そして、端末(UE)110は、タイミング差分情報にステップS514で得た端末(UE)110の位置情報を含ませ、RRC通信(RRC connection request)等により、REC101に通知する。
この後、端末(UE)110は、予め設定した設定時間待ち(wait、ステップS518)、ステップS511の処理に戻ることで、以上の処理を周期的に繰り返し実行する。
図5に示す処理例では、REC101側で送信タイミングのズレを算出しているが、端末(UE)110側で送信タイミングのズレを算出して算出した結果をREC101に通知してもよい。
(アンテナ間伝搬遅延時間測定例)
図6Aは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を説明する図である。RE102のアンテナ端103から端末(UE)110までの無線電波の伝搬遅延時間測定例について説明する。
RE102のアンテナ端103と端末110の距離は、RE102のアンテナ端103と、端末110のアンテナ端113の位置情報をGPS等を使用して求め、RE102のアンテナ端103と、端末110のアンテナ端113の差分から算出する。
端末110の移動により、RE102との間の距離が変化するため、距離算出にかかる処理は、図5に示す処理と同時または前後に行う。具体的には、REC101のANT間距離算出部210は、RE102におけるアンテナ103の高さと、RE102と端末(UE)110との水平距離とに基づき伝搬距離を下記式に基づき求める。
伝搬距離=√((水平距離)2+(高さ)2
そして、ANT間距離算出部210は、伝搬距離÷空気中の電波速度(約3×108[m/s])を計算し、アンテナ103,113間の伝搬遅延時間を算出する。REC101は、算出したアンテナ間伝搬遅延時間を図5のステップS503の無線の伝搬遅延時間として用いる。
図6Bは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を示すフローチャートである。図6Aの構成例に対応した測定手順を説明する。アンテナ間伝搬遅延時間の測定時、基地局装置100(REC101)と端末110間で位置情報を互いにやり取りする方法としては、REC101と端末110がそれぞれGPS等を用いてそれぞれ自装置の位置情報を取得する。そして、端末110が取得した端末110の位置情報をプリアンブルやRRC通信等を利用して基地局装置100(REC101)に通知する方法がある。
図6Bの例では、端末(UE)110は、GPSで端末110の位置を測位し(ステップS601)、端末位置情報として基地局装置100に通知する。
基地局装置100(REC101およびRE102)では、RE102のアンテナ103の近傍にGPS(アンテナ)を設置する(ステップS611)。そして、GPSでRE102のアンテナ端103の位置を測位する(ステップS612)。この後、基地局装置100(RE102のANT間距離算出部210)は、RE102のアンテナ103の位置情報と、端末110から通知された端末位置情報とに基づき、図6Aに示した伝搬距離を算出することができる(ステップS613)。
また、上記同様にRRC通信等を利用することで、基地局装置100(RE102)のアンテナ103の位置情報を端末110に通知し、端末110側で伝搬距離を算出することもできる。
なお、端末110やこの端末110に代えて小型基地局装置(後述する)を固定して設置する場合には、端末110の運用前にGPS等で位置情報を測定しておき、測定結果を基地局装置100、または端末110や小型基地局装置に設定しておくこともできる。
図7Aは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を説明する図である。RE102のアンテナ端103の近傍の距離La(RE102との距離が容易に確認できる程度の距離)の位置と、RE102から離れた距離Lbの2か所にそれぞれ端末(#1,#2)110a,110bを設置する。
図7Bは、実施の形態1にかかるアンテナ間伝搬遅延時間の測定例を示すフローチャートである。図7Aの構成例に対応した測定手順を説明する。はじめに、端末#1(110a)を基地局装置100(RE102)のアンテナ103近傍等、アンテナ103の距離Laが明確な場所に設置する(ステップS701)。また、端末#2(110b)を基地局装置100(RE102)から遠い距離Lb(、距離が不明確でもよい)の場所に設置する(ステップS711)。
そして、近傍の端末(#1)110aと基地局装置100(REC101)は、それぞれ上述した遅延測定および遅延補正(図5参照)を実施する(ステップS702,ステップS721)。この際、近傍の端末(#1)110aでは、基地局装置100からの無線データの送信タイミングのズレが閾値内に収まっているか確認する(ステップS703)。送信タイミングのズレが閾値内に収まっていなければ(ステップS703:No)、ステップS702に戻り、送信タイミングのズレが閾値内に収まるようにする(ステップS703:Yes)。
このように送信タイミングのズレが無くなっている状態で、基地局装置100から離れた端末(#2)110bにより、RE102から送信されるデータの遅延時間を測定する。この際、測定される遅延時間は、RE102からの無線データの送信タイミングが正常な場合のアンテナ103,113間の伝搬遅延に起因した遅延である。このため、端末(#2)110bは、測定した遅延時間(SFNのタイミング差分)をアンテナ間伝搬遅延時間としてメモリに記録する(ステップS712)。
端末(#2)110bがアンテナ間伝搬遅延時間を記録した後は、端末(#1)110aを撤去できる(ステップS704)。そして、端末(#2)110bと基地局装置100(REC101)により、無線データの送信タイミングの監視および補正を実施できる(ステップS713,ステップS722)。
図8は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの差分と補正量を説明する図である。横軸は時間である。図8(a)は、端末110がGPS時刻に基づき生成した絶対基準タイミングのSFNを示す。図8(b)は、無線の伝搬時間を考慮した絶対基準タイミングのSFN期待値(理論値)である。図8(c)は、端末110が実際に基地局装置100から受信したRECタイミングのSFN(実測値)である。
図6Aを用いて説明したように、基地局装置100のアンテナ103と端末110のアンテナ113間では、図8(b)に示すように、無線の伝搬遅延が生じる。実施の形態1では、図8(b)に示す無線の伝搬遅延時間を計算により求める。そして、実施の形態1では、図8(c)に示すように、基地局装置100の送信タイミングのズレに相当する遅延する時間Tを計算により求める。REC101は、上述した図5のステップS503によりこの時間Tを送信タイミングのズレ量として求める。
図8の例では、基地局装置100の送信タイミングが遅い方向に時間T分のズレが生じている。このため、基地局装置100(REC101の送信タイミング補正量算出部211)は、遅延補正部207に対し遅延補正修正量として、以降、実際に送信する無線データの送信タイミングを時間T分早めて送信するよう遅延補正する。REC101の遅延補正部207に代えてRE102の遅延補正部306が時間Tだけ遅延補正してもよい。
以上説明した実施の形態1では、端末110が絶対基準タイミング用の情報をGPS等で取得し、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングを端末110が遅延測定し、基地局装置100にタイミング差分を通知する。基地局装置100では、測定結果(タイミング差分)に応じて無線データの送信タイミングの遅延補正処理を行う。
より具体的には、端末110は、基地局装置100からの下りデータを実際に受信したRECタイミングと、GPSやPTP等から生成した絶対基準タイミングの差(タイミング差分)を検出する。さらに、端末110は、GPS等から端末110の位置情報を算出する。端末110は、タイミングの差分と、端末110の位置情報を基地局装置100に送信する。これにより、基地局装置100は、受信した端末110の位置情報と、RE102のアンテナ端103の位置情報とに基づき、無線伝搬遅延時間を正確に算出できる。
このように、実施の形態1によれば、基地局装置100のアンテナ端103からの無線データの送信タイミングのズレを端末110により実測し、基地局装置100に測定結果を通知する。これにより、基地局装置100が実際に送信する無線データのタイミングのズレを解消できる。
基地局装置100では、無線伝搬遅延時間から端末110での下りデータ受信によるRECタイミングと絶対基準タイミングのズレの理論値を求める。そして、理論値と実測値の差、すなわち基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングのズレを正確に求めることができる。そして基地局装置100は、送信タイミングのズレを相殺するように遅延補正することで、送信タイミングにズレがない無線データを送信できるようになる。
これにより、基地局装置100では、RE102のCPRI終端部以降で生じる遅延(RE内部遅延およびREからアンテナ端までの遅延)について、実際に無線データを無線送信することでタイミングのズレを精度よく補正し解消できるようになる。既存技術のように設計値等の固定値だけの遅延補正とは異なり、遅延量の変動分や誤差の積み重ね分を含めて遅延補正できる。
無線データの送信タイミングのズレは、基地局装置100が有するアンテナ103毎に遅延補正でき、例えば、REC101に例えばカスケード接続される複数のRE102の各アンテナ103についても遅延補正できる。これにより、TDDやCA方式で無線通信する基地局装置100が有する一つまたは複数のアンテナ103から送信する無線データの送信タイミングを遅延補正できる。
端末110は、例えば、ユーザが携帯する移動自在なスマートフォンを用いることができる。端末110は、図4に示したように、基地局装置100との基本的な通信機能に、基地局装置100から受信した無線データの送信タイミングのズレを測定する機能を付加するだけで簡単に構成できる。
このように実施の形態1では、基地局装置100は、自セル内の任意の端末110が行う送信タイミングの測定結果を用いて送信タイミングのズレを補正できるようになる。
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2にかかる基地局装置および端末を含む無線通信システムの構成例を示す図である。実施の形態2では、基地局装置100(RE102)のアンテナ端103から既知の固定長L1だけ離れた場所に、ピコセル等の小型基地局装置(小型基地局)901を設置する。この小型基地局901は、実施の形態1の端末と同様に、測定機として絶対基準タイミングを用いて基地局装置が送信する無線データを受信して送信タイミングの遅延(ズレ)の測定を行い、測定結果を基地局装置に通知する。基地局装置は、測定結果に基づき送信タイミングのズレの補正処理を行う。
図9に示すように、基地局装置100のREC101とRE102は、CPRIリンクで接続される。また、小型基地局901は、REC101とX2インタフェースで接続される。REC101および小型基地局901は、上位装置120であるMME(Mobility Management Entity)や、S−GW(Serving−Gateway)、PTPマスタ装置121とS1インタフェースで接続される。
実施の形態2の基地局装置100(REC101およびRE102)は、実施の形態1(図2,図3参照)と同様である。実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成部には、同じ符号を付している。小型基地局901は、予め、RE102のアンテナ端103と小型基地局901の距離L1(=空中の伝搬遅延時間)を測定し、測定結果をREC102または小型基地局901が保持(記録)しておく。
図10は、実施の形態2にかかる小型基地局の内部構成例を示す図である。小型基地局901は、ネットワーク(NW)終端部1001と、スイッチ(SW)1002と、基準タイミング抽出部1003と、SYNC/CLK機能部1004と、監視制御部1005と、ベースバンド部1006と、RF部1007と、を含む。また、小型基地局901は、送受信部1008と、RECタイミング抽出部1009と、PTPタイミング変換部1010と、送信タイミング差分算出部1011と、を含む。
NW終端部1001は、ネットワークの上位装置120と各種パケットの送受信を行う。またX2インタフェースを利用して隣接する基地局装置100と通信を行う。スイッチ(SW)1002は、小型基地局901内の各機能部間のデータ(パケット)送受信のためパケットのスイッチングを行う。基準タイミング抽出部1003は、PTPマスタ装置121に対応したPTPスレーブとして機能し、PTPから時刻情報(絶対基準タイミング)を抽出する。
SYNC/CLK機能部1004は、PTPで取得した時刻情報に合わせて絶対基準タイミングとして用いる基準クロック/タイミングの生成を行う。監視制御部1005は、小型基地局901内の監視制御を行い、また、RE102および上位装置120との通信を行う。ベースバンド部1006は、無線データのベースバンド処理を行う。RF部1007は、アンテナ113を介して端末110との間で無線データの送受信を行う。
送受信部1008は、基地局装置100(RE102)との間で各種無線信号(無線データ)を送受信する。RECタイミング抽出部1009は、送受信部1008が受信した基地局装置100の無線信号から、基地局装置100のRECタイミングを抽出する。PTPタイミング変換部1010は、基準タイミング抽出部1003が抽出した時刻情報をPTP基準タイミングに変換する。
送信タイミング差分算出部1011は、PTPタイミング変換部1010により変換したPTP基準タイミングを絶対基準タイミングとして用いる。そして、送信タイミング差分算出部1011は、PTP基準タイミングに対し、RECタイミング抽出部1009により基地局装置100(RE102)から受信した無線電波のタイミング情報(RECタイミング)のタイミングの差分を検出する。検出したタイミング差分の情報(算出結果)を送受信部1008を介して基地局装置100に通知する。送信タイミング差分算出部1011は、送信タイミング制御部として機能する。
上記構成のうち、NW終端部1001、スイッチ1002、基準タイミング抽出部1003、SYNC/CLK機能部1004、監視制御部1005、ベースバンド部1006、RF部1007は、通常の小型基地局が有する機能である。実施の形態2の小型基地局901では、送受信部1008、RECタイミング抽出部1009、PTPタイミング変換部1010、送信タイミング差分算出部1011の機能を追加している。なお、送受信部1008は、ベースバンド部1006、RF部1007と共用することもできる。
(無線データの送信タイミング補正にかかる処理例)
図11は、実施の形態2にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。小型基地局901と、基地局装置(BS)100のREC101およびRE102の各処理内容を示している。
実施の形態2では、予め、RE102のアンテナ端103と、小型基地局901(アンテナ113)間の距離L1(無線伝搬遅延時間)を測定し、REC101または小型基地局901に記録しておく(ステップS1101、図6A,図6B等参照)。例えば、REC101のメモリに保持しておく。
そして、基地局装置100(REC101/RE102)は、通常動作の一環としてPBCHを継続的に送信する(ステップS1102)。PBCHには無線基地局(REC)101の送信タイミングのSFNが含まれている。
この後、基地局装置100のREC101は、小型基地局901からX2インタフェースを介してタイミング差分情報が通知される。そして、基地局装置100は、ステップS1101で求めた無線伝搬遅延時間との差分(基地局装置100での送信タイミングのズレ量)を算出する(ステップS1103)。
そして、REC101は、ステップS1103で求めた送信タイミングのズレ量が小さければ(所定の閾値未満、ステップS1104:差分小)、ステップS1102に戻る。一方、ステップS1103で求めた送信タイミングのズレ量が大きければ(所定の閾値以上、ステップS1104:差分大)、送信タイミングのズレが無くなるようにREC101の遅延補正部207の遅延量を調整する(ステップS1105)。RE102の遅延補正部306の遅延量を調整してもよい。この後、ステップS1102に戻り、REC101側の処理を継続的に実行する。
一方、小型基地局901側では、PBCHを受信し(ステップS1111)、受信したPBCHからREC101でのRECタイミング(受信SFN)を抽出する(ステップS1112)。RECタイミングが抽出できない場合には(ステップS1113:No)、ステップS1111に戻り、RECタイミングが抽出できれば(ステップS1113:Yes)、ステップS1114に移行する。
この後、ステップS1114では、小型基地局901は、PTP基準タイミングを抽出する(ステップS1114:Yes)。PTP基準タイミングが抽出できなければPTP基準タイミングの抽出をリトライする(ステップS1114:Noのループ)。そして、小型基地局901は、PTP基準タイミングを基準SFNに変換する(ステップS1115)。
次に、小型基地局901は、ステップS1112で得たRECタイミングと、ステップS1115で得たPTP基準タイミングとの差分(タイミング差分)を求める(ステップS1116)。すなわち、絶対基準タイミングである基準SFNに対し、RECタイミングである受信SFNにズレがあれば、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングにズレがあると判断する。そして、小型基地局901は、タイミング差分情報を、X2インタフェースにより、基地局装置100(REC101)に通知する。
この後、小型基地局901は、予め設定した設定時間待ち(wait、ステップS1117)、ステップS1111の処理に戻ることで、以上の処理を周期的に繰り返し実行する。
図11に示す処理例では、REC101側で送信タイミングのズレ量を算出しているが、小型基地局901側で送信タイミングのズレ量を算出し、算出結果をREC101に通知してもよい。
なお、RE102のアンテナ端103から小型基地局901までの無線電波の伝搬遅延時間測定は、実施の形態1同様に行う(図6A、図6B等参照)。小型基地局901は、固定設定されるため、例えば設置時に1回だけ伝搬遅延時間測定を行い、REC101のメモリ等に保持しておくことができる。
そして、図8等に示したように、基地局装置100(REC101の送信タイミング補正量算出部211)は実際に送信する無線データの送信タイミングを、時間T分遅延補正する。REC101の遅延補正部207に代えてRE102の遅延補正部306が時間Tだけ遅延補正してもよい。
以上説明した実施の形態2では、小型基地局901が絶対基準タイミングをPTPで取得し、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングを小型基地局901が遅延測定し、基地局装置100にタイミング差分を通知する。基地局装置100では、測定結果(タイミング差分)に応じて無線データの送信タイミングの遅延補正処理を行う。
実施の形態2によれば、基地局装置100のアンテナ端103からの無線データの送信タイミングのズレを小型基地局901により実測し、基地局装置100に測定結果を通知することで、基地局装置100が送信する無線データのタイミングのズレを解消できる。この際、基地局装置100は、送信タイミングのズレを相殺するように遅延補正することで、送信タイミングにズレがない無線データを送信できるようになる。
これにより、基地局装置100では、RE102のCPRI終端部以降で生じる遅延(RE内部遅延およびREからアンテナ端までの遅延)について、実際に無線データを無線送信することでタイミングのズレを精度よく補正できるようになる。既存技術のように設計値等の固定値だけの遅延補正とは異なり、遅延量の変動分や誤差の積み重ね分を含めて遅延補正できる。
無線データの送信タイミングのズレは、基地局装置100が有するアンテナ103毎に遅延補正できる。これにより、TDDやCA方式で無線通信する基地局装置100が有する一つまたは複数のアンテナ103から送信する無線データの送信タイミングを遅延補正できる。
小型基地局901は、例えば、ピコセルを用いることができる。小型基地局901は、図10に示したように、基地局装置100との基本的な通信機能に、基地局装置100から受信した無線データの送信タイミングのズレを測定する機能を付加するだけで簡単に構成できる。
この小型基地局901は、基地局装置100のセル内に固定配置され、基地局装置100との間の距離L1が一定であるため、固定値である予め無線伝搬遅延時間を算出しておくことができる。このため、実施の形態2では、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングの測定処理のうち、無線伝搬遅延時間の算出にかかる処理を省くことができ、その分実施の形態1に比して処理負担を軽減できる。
以上のように、実施の形態2では、基地局装置100は、自セル内の任意の小型基地局901が行う送信タイミングの測定結果を用いて送信タイミングのズレを補正できるようになる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、基地局装置100(RE102)のアンテナ端103から既知の固定長だけ離れた場所に基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングを測定する専用の測定機として端末110を設置する。この端末110として、実施の形態1同様の内部構成を有する端末、例えばスマートフォンを用いることができ、固定設置するだけでよい。そして、実施の形態3では、基地局装置100と端末110間の無線データにPTPパケットを加えることで、端末110は、絶対基準タイミングであるPTP基準タイミングを無線データから抽出する。
図12は、実施の形態3にかかる基地局装置および端末間の無線データの送受信の例を示す図である。PTPパケットPは、PTPマスタ装置121から端末110内のPTPスレーブ1201に送られる。図12に示すように、PTPマスタ装置121はPTP時刻を含むPTPパケットPをPTPスレーブ1201に向けてNW上位装置120に送信する。
NW上位装置120は、S1インタフェースを介してPTPパケットPを基地局装置100(REC101)に送信する。REC101は、RE102にPTPパケットPを送信し、RE102は、アンテナ103を介して端末110にPTPパケットPを無線送信する。
端末110は、基地局装置100(RE102)のアンテナ端103から既知の固定長L1だけ離れた場所に固定設置される。端末110は、受信したPTPパケットPをPTPスレーブ1201により受信し、PTPスレーブ1201は、受信したPTPパケットPからPTP時刻を抽出する。PTPスレーブ1201は、基準タイミング抽出部1003(実施の形態2参照)と同等の機能部である。
図13は、実施の形態3にかかる端末の内部構成例を示す図である。端末(UE)110は、送受信部1301と、RECタイミング抽出部1302と、PTPスレーブ1201と、PTP基準タイミング変換部1304と、送信タイミング差分算出部1305と、を含む。
送受信部1301は、基地局装置100(RE102)との間で各種無線信号(無線データ)を送受信する。RECタイミング抽出部1302は、送受信部1301が受信した基地局装置100の無線信号から、基地局装置100のRECタイミングを抽出する。PTPスレーブ1201は、送受信部1301を介してPTPマスタ装置121から送信されたPTPパケットPからPTP時刻を抽出する。
PTP基準タイミング変換部1304は、PTPスレーブ1201が抽出したPTP時刻を、SFNに変換する。例えば、PTP基準タイミング変換部1304は、下記式に基づきSFNを求める。
SFN={(PTP時刻−315964819)×100}mod 1024 (SFN:1980年1月6日0時0分0秒(UTC)を起点とする10ms単位、10.24秒周期のフレーム番号
PTP時刻:1970年1月1日0時0分0秒(TAI)を起点とする積算秒数)
送信タイミング差分算出部1305は、PTP基準タイミング変換部1304により求めたSFNをPTP基準タイミングとする。そして、送信タイミング差分算出部1305は、PTP基準タイミングに対し、RECタイミング抽出部1302により基地局装置100(RE102)から受信した無線電波のタイミング情報(RECタイミング)のタイミングの差分を検出する。検出したタイミング差分の情報(算出結果)を送受信部1301を介して基地局装置100に通知する。
図14は、実施の形態3にかかる無線制御装置の内部構成例を示す図である。無線制御装置(REC)101は、実施の形態1(図2参照)で説明したネットワーク(NW)終端部201と、スイッチ(SW)202と、基準タイミング抽出部203と、SYNC/CLK機能部204と、監視制御部205と、ベースバンド部206と、遅延補正部207と、CPRI終端部208と、送信タイミング補正量算出部211と、を含む。また、ANT間遅延情報記録部1409を含む。
ANT間遅延情報記録部1409は、RE102のアンテナ103と端末110間の距離L1に基づき無線データ伝搬遅延時間を算出し、記録保持する。ANT間遅延情報記録部1409は、例えば、メモリである。
送信タイミング補正量算出部211は、ANT間遅延情報記録部1409に保持された無線データ伝搬遅延時間と、端末110から通知される端末110での受信タイミング差分情報から基地局装置100(REC101)の送信タイミングのズレを求める。また、この送信タイミングのズレに基づき、遅延補正部207で遅延補正する際の遅延補正修正量を求める。
(無線データの送信タイミング補正にかかる処理例)
図15は、実施の形態3にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。端末110と、基地局装置(BS)100のREC101およびRE102の各処理内容を示している。
実施の形態3では、予め、RE102のアンテナ端103と、端末110(アンテナ113)間の距離L1(無線伝搬遅延時間)を測定し、REC101または端末110に記録しておく(ステップS1501、図6A,図6B等参照)。例えば、REC101のメモリに保持しておく。
そして、基地局装置100(REC101/RE102)は、通常動作の一環としてPBCHを継続的に送信する(ステップS1502)。PBCHには無線基地局(REC)101の送信タイミングのSFNと、PTPパケットPが含まれている。
この後、基地局装置100のREC101は、端末110から通知されたタイミング差分情報と、ステップS1501で求めた無線伝搬遅延時間との差分(基地局装置100での送信タイミングのズレ量)を算出する(ステップS1503)。
そして、REC101は、ステップS1503で求めた送信タイミングのズレ量が小さければ(所定の閾値未満、ステップS1504:差分小)、ステップS1502に戻る。一方、ステップS1503で求めた送信タイミングのズレ量が大きければ(所定の閾値以上、ステップS1504:差分大)、送信タイミングのズレが無くなるようにREC101の遅延補正部207の遅延量を調整する(ステップS1505)。RE102の遅延補正部306の遅延量を補正してもよい。この後、ステップS1502に戻り、REC101側の処理を継続的に実行する。
一方、端末110側では、PBCHを受信し(ステップS1511)、受信したPBCHからREC101でのRECタイミング(受信SFN)を抽出する(ステップS1512)。RECタイミングが抽出できない場合には(ステップS1513:No)、ステップS1511に戻り、RECタイミングが抽出できれば(ステップS1513:Yes)、ステップS1514に移行する。
この後、ステップS1514では、端末110は、受信したPTPパケットPからPTP基準タイミングを抽出する(ステップS1514:Yes)。PTP基準タイミングが抽出できなければPTP基準タイミングの抽出をリトライする(ステップS1514:Noのループ)。そして、端末110は、PTP基準タイミングを基準SFNに変換する(ステップS1515)。
次に、端末110は、ステップS1512で得たRECタイミングと、ステップS1515で得たPTP基準タイミングとの差分(タイミング差分)を求める(ステップS1516)。すなわち、絶対基準タイミングである基準SFNに対し、RECタイミングである受信SFNにズレがあれば、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングにズレがあると判断する。そして、端末110は、タイミング差分情報を、無線通信のPreambleやRRC通信(RRC connection request)等により、基地局装置100(REC101)に通知する。
この後、端末110は、予め設定した設定時間待ち(wait、ステップS1517)、ステップS1511の処理に戻ることで、以上の処理を周期的に繰り返し実行する。
図15に示す処理例では、REC101側で送信タイミングのズレを算出しているが、端末110側で送信タイミングのズレを算出して算出した結果をREC101に通知してもよい。
RE102のアンテナ端103から端末110までの無線電波の伝搬遅延時間測定は、実施の形態1同様に行う(図6A、図6B等参照)。端末110は、固定設定されるため、例えば設置時に1回だけ伝搬遅延時間測定を行い、REC101のANT間遅延情報記録部1409(メモリ)に保持しておくことができる。
そして、図8等に示したように、基地局装置100(REC101の送信タイミング補正量算出部211)は実際に送信する無線データの送信タイミングを、時間T分遅延補正する。REC101の遅延補正部207に代えてRE102の遅延補正部306が時間Tだけ遅延補正してもよい。
なお、端末110がPTPマスタ装置121とPTPパケットPの送受信を行う際、REC101は端末110との間で通常のユーザ間のデータ通信となる。このため、端末110とPTPマスタ装置121間の通信について、基地局装置100は特別な機能を持つ必要がない。また、端末110がREC101とPTPパケットPの送受信を行う場合は、REC101にPTPマスタ機能を追加すればよい。
以上説明した実施の形態3では、基地局装置100から端末110に送信する無線データ内にPTP基準タイミングを含めて送受信する。端末110は、受信したPTP基準タイミングを用いて、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングを遅延測定し、基地局装置100にタイミング差分を通知する。基地局装置100では、測定結果(タイミング差分)に応じて無線データの送信タイミングの遅延補正処理を行う。
これにより、基地局装置100では、RE102のCPRI終端部以降で生じる遅延(RE内部遅延およびREからアンテナ端までの遅延)について、実際に無線データを無線送信することでタイミングのズレを精度よく補正し解消できるようになる。既存技術のように設計値等の固定値だけの遅延補正とは異なり、遅延量の変動分や誤差の積み重ね分を含めて遅延補正できる。
無線データの送信タイミングのズレは、基地局装置100が有するアンテナ103毎に遅延補正できる。これにより、TDDやCA方式で無線通信する基地局装置100が有する一つまたは複数のアンテナ103から送信する無線データの送信タイミングを遅延補正できる。
端末110は、例えば、スマートフォンを用いることができる。端末110は、図13に示したように、基地局装置100との基本的な通信機能に、基地局装置100から受信した無線データの送信タイミングのズレを測定する機能を付加するだけで簡単に構成できる。
この端末110は、基地局装置100のセル内に固定配置され、基地局装置100との間の距離L1が一定であるため、固定値である予め無線伝搬遅延時間を算出し、ANT間遅延情報記録部1409等のメモリに保持しておくことができる。このため、実施の形態3では、基地局装置100が送信する無線データの送信タイミングの測定処理のうち、無線伝搬遅延時間の算出にかかる処理を省くことができ、その分実施の形態1に比して処理負担を軽減できる。
さらに、実施の形態3によれば、端末110は、受信した無線データ(PTPパケット)で絶対基準タイミングを抽出できるため、自装置内で絶対基準タイミング(基準SFN)取得用のGPSやPTPのインタフェースを削減することができる。
(実施の形態4)
上述した実施の形態1〜3では、端末110や小型基地局901側で無線データの送信タイミングのズレを測定し、測定結果をREC101に通知してREC101で遅延補正を実施した。この実施の形態4では、端末110から基地局装置100への上り通信における遅延測定を基地局装置100(REC101)側で行い、遅延補正する。このため、基地局装置100から無線データを外部の無線機器(例えばる端末110)に送信し、端末110は、無線データを基地局装置100に折り返し送信する。実施の形態4では、基地局装置100が送信タイミングのズレを測定する測定機として機能する。
図16は、実施の形態4にかかる送信タイミングの遅延測定例を説明する図である。図16において、上記実施の形態で説明した構成と同一の箇所には同一の符号を付している。基地局装置100のRE102のアンテナ端103と端末110(アンテナ113)の間の距離L1は固定とし、端末110を固定設置する。
REC101は、送信部(Tx)1601と、受信部(Rx)1602と、遅延補正部1603,1604と、遅延補正量算出部1605と、アンテナ間遅延情報記録部1606と、を含む。
送信部(Tx)1601は、遅延補正時に所定の無線データ(PBCH)を端末110に送信する。PBCHにはREC101で用いるSFNが含まれている。受信部(Rx)1602は、遅延補正時に所定の無線データ(プリアンブル)を端末110から受信する。遅延補正部1603は、下り信号の無線データに対する遅延補正を行う。遅延補正部1604は、上り信号の無線データに対する遅延補正を行う。
遅延補正量算出部1605は、遅延補正時に端末110に向けて送信したPBCHの送信タイミングと、端末110から受信したプリアンブルの受信タイミング等に基づき、送信タイミングの遅延時間を求める。そして、遅延補正量算出部1605は、遅延補正部1602に対し送信データに対する遅延補正量を制御する。遅延時間は、上述した無線伝搬遅延時間と、基地局装置100内の上り側および、下り側の装置内遅延時間と、を含めて求める。遅延補正量算出部1605は、送信タイミング制御部として機能する。
アンテナ間遅延情報記録部1606には、RE102のアンテナ端103と、端末110(アンテナ113)間の距離L1に基づき算出した無線伝搬遅延時間が記録保持される。
端末110は、受信部(Rx)1621と、送信部(Tx)1622と、折り返し部1623と、を含む。
受信部(Rx)1621は、遅延補正時にREC101から送信されたPBCHを受信し、折り返し部1623に出力する。折り返し部1623は、PBCHの受信時に、基地局装置100(REC101)に対してプリアンブル(Random Access Preamble)を送信する制御を行う。送信部(Tx)1622は、プリアンブルを基地局装置100(REC101)に送信する。
図17は、実施の形態4にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの補正処理を示すフローチャートである。端末110と、基地局装置(BS)100のREC101(遅延補正量算出部1605)およびRE102の各処理内容を示している。
予め、RE102のアンテナ端103と、端末110(アンテナ113)間の距離L1(無線伝搬遅延時間)を測定し、REC101または端末110に記録しておく(ステップS1701、図6A,図6B等参照)。例えば、REC101のアンテナ間遅延情報記録部1606等のメモリに保持しておく。
そして、基地局装置100(REC101/RE102)は、通常動作の一環としてPBCHを継続的に送信する(ステップS1702)。PBCHには無線基地局(REC)101の送信タイミングのSFNが含まれている。
REC101(遅延補正量算出部1605)は、遅延補正実施前に端末110からのプリアンブル受信タイミングの期待値を算出し、メモリに格納しておく。遅延補正量算出部1605は、REC101からRE102のアンテナ端103までの上りおよび下りの装置内遅延時間と、REC101で用いる基準タイミングにより、端末110からのプリアンブル受信タイミングの期待値を算出する。
この遅延補正実施前において、端末110が送信したプリアンブルは、受信基準タイミングから上り、下り無線伝搬遅延時間の合計だけ遅れて基地局装置100で受信される。無線伝搬遅延時間は、アンテナ間遅延情報記録部1606に予め記録されている。REC(遅延補正量算出部1605)は、遅延補正前の端末110からのプリアンブルの受信期待タイミングを、「受信基準タイミング+下り無線伝搬遅延時間+上り無線伝搬遅延時間」で求めておく。なお、RE102内での上りと下りの無線データに生じる遅延時間は同じであることとする。
そして、遅延補正量算出部1605は、遅延補正時、端末110から実際にプリアンブルを受信すると、この受信タイミングと、受信期待タイミングの差(送信タイミング差分)を算出する(ステップS1703)。より具体的には、遅延補正量算出部1605は、上りデータの受信タイミングと、REC101内のRECタイミングと、無線伝搬遅延時間からアンテナ端103での送信タイミング差分(基地局装置100での送信タイミングのズレ量)を算出する。
そして、REC101は、ステップS1703で求めた送信タイミングの差分が小さければ(所定の閾値未満、ステップS1704:差分小)、ステップS1702に戻る。一方、ステップS1703で求めた送信タイミングのズレ量が大きければ(所定の閾値以上、ステップS1704:差分大)、送信タイミングのズレが無くなるようにREC101の遅延補正部207(図2参照)の遅延量を調整する(ステップS1705)。RE102の遅延補正部306の遅延量を調整してもよい。この後、ステップS1702に戻り、REC101側の処理を継続的に実行する。
一方、端末110側では、PBCHを受信し(ステップS1711)、受信したPBCHからREC101でのRECタイミング(受信SFN)を抽出する(ステップS1712)。RECタイミングが抽出できない場合には(ステップS1713:No)、ステップS1711に戻り、RECタイミングが抽出できれば(ステップS1713:Yes)、ステップS1714に移行する。
この後、ステップS1714では、端末110は、受信したPBCH毎に対応するプリアンブル(Random Access Preamble)を、基地局装置100(REC101)に送信(再送を含む)する(ステップS1714)。
この後、端末110は、予め設定した設定時間待ち(wait、ステップS1715)、ステップS1711の処理に戻ることで、以上の処理を周期的に繰り返し実行する。
図18は、実施の形態4にかかる無線通信システムにおける送信タイミングの差分と補正量を説明する図である。横軸は時間である。図18(a)は、基地局装置100の絶対基準タイミングのSFNを示す。図18(b)は、無線の伝搬時間を考慮した上り受信のSFN期待値(理論値)である。図18(c)は、端末110が実際に基地局装置100から受信した上り受信のSFN(実測値)である。
図18(b)に示すように、無線伝搬遅延時間(上り下り)と、RE102内の遅延時間(上り下り)と、REC101内の遅延時間(上り下り)とを合計したSFNタイミングの遅延時間T1が生じる。実施の形態4では、図18(b)に示す遅延時間を計算により求める。そして、実施の形態4では、図18(c)に示すように、基地局装置100の送信タイミングのズレに相当する遅延する時間T2を計算により求める。REC101は、上述した図17のステップS1703によりこの時間T2を送信タイミングのズレ量として求める。
図18の例では、基地局装置100の送信タイミングが遅い方向に時間T2のズレが生じている。このため、基地局装置100(REC101の遅延補正量算出部1605は、遅延補正部1602に対し遅延補正修正量として、以降、実際に送信する無線データの送信タイミングを時間T2分早めて送信するよう遅延補正する。REC101の遅延補正部1602に代えてRE102の遅延補正部306(図3参照)が時間Tだけ遅延補正してもよい。
以上説明した実施の形態4では、基地局装置100から端末110に測定用の無線データ(PBCH)を所定タイミングで送信し、端末110は、無線データ(PBCH)受信に対応して基地局装置100にプリアンブルを折り返し送信する。端末110は、基地局装置100のアンテナ端103から距離L1だけ離れた場所に固定設置する。
これにより、基地局装置100は、無線伝搬遅延時間と、基地局装置100内の遅延時間を固定値として算出できる。したがって、基地局装置100は、上り下りの無線データの折り返しで生じた期待値と実測値のタイミングの差分をタイミング差分として検出できるようになる。基地局装置100では、測定結果(タイミング差分)に応じて無線データの送信タイミングの遅延補正処理を行う。
これにより、基地局装置100では、RE102のCPRI終端部以降で生じる遅延(RE内部遅延およびREからアンテナ端までの遅延)について、実際に無線データを無線送信することでタイミングのズレを精度よく補正し解消できるようになる。
無線データの送信タイミングのズレは、基地局装置100が有するアンテナ103毎に遅延補正できる。これにより、TDDやCA方式で無線通信する基地局装置100が有する一つまたは複数のアンテナ103から送信する無線データの送信タイミングを遅延補正できる。
端末110は、例えば、スマートフォンを用いることができる。端末110は、基地局装置100との基本的な通信機能に、図16に示したように、基地局装置100から受信した無線データ(PBCH)に対応してプリアンブルを折り返し送信する機能を付加するだけでよい。また、送信データのタイミングのズレを測定する測定機相当の構成を不要にでき、端末110を簡単に構成できる。
このように、実施の形態4では、基地局装置100から実際に無線データを送信したタイミングと、端末110からの折り返しの無線データ(プリアンブル)を受信したタイミングに基づき、タイミング差分を検出できる。これにより、例えば端末110は、絶対基準タイミング取得用のGPSやPTPのインタフェースを不要にできる等、装置構成を簡単化できる。また、端末110でタイミング差分を計算する必要がない。
(基地局装置内の遅延補正について)
以下、基地局装置100内の遅延補正について説明しておく。図19は、既存の技術による送信データの遅延補正を行う構成例を示す図である。CA方式や、TDD方式では、基地局装置1900のアンテナ端1903から端末に向けて送信するフレーム位置を全アンテナで同期させる必要がある。CAのInter−band carrier aggregationにおいては、バンド間の送信フレーム位置の差を285ns以内にする必要がある。
そのため、REC1901の内部遅延時間と、REC1901〜RE1902間の遅延時間と、RE1902の内部遅延時間と、RE1902〜アンテナ端1903間の遅延時間を求める。そして、遅延時間分REC1901からデータを先出しすることで、全アンテナ端1903での送信タイミングを揃えている。
REC1901とRE1902間のCPRIリンクでの遅延については、基地局装置1900の起動時に毎回REC1901〜RE1902間の遅延測定を実施し、測定した遅延量をもとに遅延補正を実施する。これにより、CPRIリンクの遅延バラつきに起因した送信タイミングの差分を補正している。
下りの送信データについて、RE1902のCPRI終端部1911以降(Tx1912およびANTinf1913等)で生じる遅延時間について説明する。RE1902の内部遅延時間は設計値、RE1902からアンテナ端1903までの遅延時間は、工事時のケーブル長から求めた遅延時間やアンテナの設計値を基に遅延補正を行っている。すなわち、既存の技術では、誤差等の要因は生じないものとして扱っている。
図20は、既存の技術による基地局装置の内部構成例を示す図である。基地局装置1900のREC1901において、実施の形態1(例えば図2)と同様の構成部には同一の符号を付してある。実施の形態1(図2)では、RE ANT位置記録部209と、ANT間距離算出部210と、送信タイミング補正量算出部211と、が追加されていることが判る。RE1902(1902a,1902b)の内部構成は、実施の形態1(例えば図3)と同様である。
REC1901では、GPSまたはPTP等から基準時刻を抽出し、基準時刻に同期したRECタイミング(およびクロック)を生成し、REC1901を動作させることで複数の全REC1901を同期して動作させている。
REC1901は、RECタイミング(クロック)に同期してRE1902へCPRI送信を行い、RE1902はREC1901との伝送路(CPRIリンク)105からクロック(RECタイミング)を抽出する。RECタイミングにしたがって動作することでREC1901とRE1902を同期させている。
また、REC1901〜RE1902間の伝送路105のケーブル遅延、各装置内遅延に応じてREC1901が遅延時間分、データを先出しすることでREC1901〜RE1902間の伝搬遅延を補正する。これにより全てのアンテナ端103a,103bで出力タイミングが揃うようにしている。
REC1901に対し、RE1902をスター接続や、リング接続、あるいはカスケード接続(図20参照)する場合には、REC1901は、最遠端に位置するRE1902bに合わせて遅延補正を行ったIQデータを出力する。
図21は、既存の技術による基地局装置内部の遅延補正例を示す図である。カスケード接続時の遅延補正例を示す。REC1901は、上位に位置するRE1902aで配下のRE1902bの出力タイミングと揃うように、REC1901からの無線出力タイミングを遅らせる。これによりCAやTDD時にRE1902a,1902b間の出力タイミングを揃えることができる。
REC1901〜RE#1(1902a)間の遅延時間T12_1、RE#1(1902a)〜アンテナ端103a間の遅延時間Rx1、RE#1(1902a)〜RE#2(1902b)間の遅延時間T12_2とする。また、RE#2(1902a)〜アンテナ端103b間の遅延時間Rx2とする。
図22は、既存の技術による基地局装置内部の遅延補正例を示すタイミングチャートである。図21に示した遅延補正例に対応するタイミングを示す。図中縦軸が時間である。アンテナ端103a,103bの無線送信タイミングが時刻tnで同じになるために、RE#1(1902a)の遅延補正部306は、(T12_2+Rx2)−Rx1の遅延補正を行う。例えば、無線データのバッファからの読み出しタイミングを変更する。
そして、RE1901では、RE#1(1902a)およびRE#2(1902b)から送信する無線データについて、遅延補正部207は、それぞれ(T12_1+T12_2+Rx2)だけ無線データを先出しする遅延補正を行う。
(CPRI遅延測定・補正例)
図23は、既存の技術によるCPRI遅延測定・遅延補正を説明する図である。REC1901に1台のRE1902を接続したシングルホップ時の遅延補正における各リファレンスポイント定義を示す。REC1901から送信したCPRIフレームをRE1902がREC1901へ折り返すことで、REC1901〜RE1902間の伝送路105の遅延測定を行っている。
REC1901から送信したフレームは、REC1901からRE1902への下り遅延時間(T12)後にRE1902で受信される。このフレームは、RE1902の内部処理時間(Toffset)時間後にREC1901へ折り返し送信され、RE1902からREC1901への上り遅延(T34)後にREC1901で受信される。
REC1901が送信してから受信するまでの時間(T14)とToffsetから、下記式でREC1901〜RE1902間の片道分の遅延を求めることができる。
(T14−Toffset)÷2
図24は、上り/下りCPRIフレームタイミング例を示す図である。横軸が時間であり、図23の遅延時間T12,T34,T14と、内部処理時間Toffsetそれぞれの送信タイミングのズレが示されている。
図25は、既存の技術による基地局装置内部の遅延補正例を示す図である。REC1901に複数台のRE1902を接続したマルチホップ時の遅延補正における各リファレンスポイント定義を示す。図26は、図25に対応した上り/下りCPRIフレームタイミング例を示す図である。
REC1901にRE1902をマルチホップ接続の例として、リング接続や図25のカスケード接続等がある。このようなマルチホップ接続の構成時においても、図23の説明と同様に、REC1901とRE1902間、RE1902同士間の遅延時間T14の測定結果から各装置間の遅延時間(T12,T14)を算出し、装置内遅延時間との合計から全体の遅延を求める。
(端末の上り送信タイミング補正例)
図27は、既存の技術による端末での上り送信タイミング補正例を示す図である。横軸は時間である。CA方式やTDD方式等では、端末から基地局装置1901に対する上りリンクについて、基地局装置1901では、各端末からの上り信号の受信タイミングが揃っている必要がある。そのために、各端末の送信タイミングを調整する制御を行っている。
端末は、基地局装置1900からPBCHで通知されるタイミング(SFN)に合わせて上りデータ送信(Random Access Preamble送信)を行っている。しかし、端末と基地局装置1900との距離の違いによる伝搬遅延時間が端末間で異なるため、基地局装置1900の上りデータ受信タイミングに差が生じることとなる。そのため、端末は、端末と基地局装置1900間の距離に起因した伝搬遅延の補正を行って、基地局装置1900での受信タイミングを揃えている。
基地局装置1900は、端末から受信した上り信号の受信タイミングと基準タイミングとの差分から遅延補正情報(Timing Advance Command)を端末に通知する。端末は、通知された遅延補正情報にしたがって上りデータ送信タイミングを先出しすることで、基地局装置1900での上り信号受信タイミングが揃うようにしている。
以上説明した既存技術では、RECからアンテナ端までの各部(REC内部遅延、REC〜RE間遅延、RE内部遅延、RE〜アンテナ端間等)での信号遅延の遅延時間を予め求め遅延時間分RECがデータを先出しして、アンテナ端での送信タイミングを揃える。
この遅延測定において、既存技術では、図23に示したように、
1.REの入出力CPRIフレーム時間差(Toffset)
2.REのCPRI終端部からアンテナ端までの遅延(T2a)
3.アンテナ端からREのCPRI終端部までの遅延(Ta3)は固定値として扱っている。
また、図25に示したマルチホップ時には、
4.REの下り装置内遅延(TB delay DL)
5.REの上り装置内遅延(TB delay UL)は固定値として扱っている。
しかし、既存技術では、遅延測定回路の誤差、PLLのロック位置による位相差誤差、アンテナ用ケーブルの線長誤差、各機能部の遅延量公差等による誤差があり、誤差の積み重ねが基地局装置1900からの送信精度の劣化要因となる。特に、今後RE1902をカスケード接続して運用するケースが増加すると考えられるが、上記の遅延時間誤差はRE1902のカスケード接続段数が増加するとより影響が大きくなってしまう。
また、RE1902のアンテナ端103からの無線データ出力タイミングが、実際にはどのような状態になっているかを把握することができないため、遅延補正に異常が生じていたとしてもそれを検出・対処することができない。
これに対し、各実施の形態では、既存技術による遅延補正に加えて、基地局装置と端末との間で無線データを送信させたときの送信タイミングのズレを測定し、タイミング差分を求めて、基地局装置が送信する無線データの送信タイミングの遅延補正を行っている。この際、GPSやPTP等の基準時刻を用いることで正確に送信タイミングのズレを検出できる。
したがって、各実施の形態によれば、基地局装置の出力アンテナ端での無線フレームの出力タイミングを高精度で絶対基準に同期させることができるようになる。さらに、遅延測定回路の誤差、PLLのロック位置による位相差誤差、アンテナ用ケーブルの線長誤差、各機能部の遅延量公差等による誤差の積み重ねがあっても送信タイミングのズレを正確に検出し遅延補正できる。また、REのアンテナ端からの無線データ出力タイミングを含めて測定するため、遅延補正の異常の有無についても検出および対処できるようになる。
そして、基地局装置は、無線データの送信タイミングをズレなく送信できるようになり、TDD方式、およびCA方式等の複数アンテナ間での同期送信を精度良く行えるようになる。例えば、Inter−band CAにおけるバンド間の無線フレーム位置の差を所定時間(285ns)以内で高精度に同期させることができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)ベースバンド処理を行う無線制御装置と、前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置と、前記無線装置のアンテナから出力される無線信号を測定する測定機とを有する無線通信システムにおいて、
前記測定機において測定され前記無線装置のアンテナから出力された前記無線信号の受信タイミングと、前記無線制御装置と前記測定機とで同一の絶対基準タイミングと前記測定された受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記測定機との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線装置へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
(付記2)前記測定機は、前記無線装置との間で無線通信を行うユーザの端末に設けられ、
前記端末は、前記絶対基準タイミングを取得する取得部と、
前記第1の差分を検出し、当該第1の差分を前記無線制御装置に通知する差分算出部と、を備え、
前記無線制御装置は、前記送信タイミング制御部を備えた、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)前記無線制御装置は、前記端末の移動による位置変化に基づく前記無線装置と前記端末との間の伝搬距離を算出する距離算出部をさらに備え、
前記送信タイミング制御部は、算出された伝搬距離に応じた遅延時間を含めて前記第2の差分を算出することを特徴とする付記2に記載の無線通信システム。
(付記4)前記測定機は、前記無線装置との間で無線通信を行う固設の小型基地局に設けられ、
前記小型基地局は、前記絶対基準タイミングを取得する取得部と、
前記第1の差分を検出し、当該第1の差分を前記無線制御装置に通知する差分算出部と、を備え、
前記無線制御装置は、前記送信タイミング制御部を備えた、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記5)前記無線制御装置は、絶対基準時間の情報を無線電波に含ませて前記測定機に通知し、
前記測定機は、前記無線電波から前記絶対基準タイミングを検出する検出部と、
前記第1の差分を検出し、当該第1の差分を前記無線制御装置に通知する差分算出部と、を備え、
前記無線制御装置は、前記送信タイミング制御部を備えた、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記6)ベースバンド処理を行う無線制御装置と、前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置と、前記無線装置のアンテナから出力される無線信号を前記無線装置に折り返し送信する無線機器とを有する無線通信システムにおいて、
前記無線制御装置は、前記無線装置のアンテナから出力した前記無線信号の受信タイミングと、前記無線制御装置と前記無線機器とで同一の絶対基準タイミングと前記無線機器から折り返された前記無線信号の受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記無線機器との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線機器へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
(付記7)ベースバンド処理を行い、伝送路を介して接続される無線装置のアンテナから無線信号を出力させる無線制御装置において、
前記無線装置のアンテナから出力された前記無線信号を測定機が受信した受信タイミングと、前記無線制御装置と前記測定機とで同一の絶対基準タイミングと前記受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記測定機との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線装置へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング制御部、
を備えたことを特徴とする無線制御装置。
(付記8)ベースバンド処理を行う無線制御装置から前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置への無線信号の送信タイミングを補正する送信タイミング補正方法において、
前記無線装置のアンテナから出力された前記無線信号を測定機が受信した受信タイミングと、前記無線制御装置と前記測定機とで同一の絶対基準タイミングと前記受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記測定機との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線装置へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する、
ことを特徴とする送信タイミング補正方法。
(付記9)ベースバンド処理を行う無線制御装置から前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置への無線信号の送信タイミングを補正する送信タイミング補正方法において、
前記無線装置のアンテナから出力される無線信号を受信する無線機器が前記無線装置に折り返し送信し、
前記無線装置のアンテナから出力した前記無線信号の受信タイミングと、前記無線制御装置と前記無線機器とで同一の絶対基準タイミングと前記無線機器から折り返された前記無線信号の受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記無線機器との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線機器へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する、
ことを特徴とする送信タイミング補正方法。
100 基地局装置
101 無線制御装置(REC)
102 無線装置(RE)
103 アンテナ(アンテナ端)
105 伝送路(CPRIリンク)
110 端末
120 上位装置
121 PTPマスタ装置
201 NW終端部
203 基準タイミング抽出部
204 SYNC/CLK機能部
205 監視制御部
206 ベースバンド部
207,306 遅延補正部
208 CPRI終端部
209 RE ANT位置記録部
210 ANT間距離算出部
211 送信タイミング補正量算出部
401 送受信部
402 RECタイミング抽出部
403 GPS受信部
404 GPSタイミング抽出/変換部
405 位置情報算出部
406 送信タイミング差分算出部
901 小型基地局

Claims (8)

  1. ベースバンド処理を行う無線制御装置と、前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置と、前記無線装置のアンテナから出力される無線信号を測定する測定機とを有する無線通信システムにおいて、
    前記測定機において測定され前記無線装置のアンテナから出力された前記無線信号の受信タイミングと、前記無線制御装置と前記測定機とで同一の絶対基準タイミングと前記測定された受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記測定機との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線装置へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング制御部、
    を備えたことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記測定機は、前記無線装置との間で無線通信を行うユーザの端末に設けられ、
    前記端末は、前記絶対基準タイミングを取得する取得部と、
    前記第1の差分を検出し、当該第1の差分を前記無線制御装置に通知する差分算出部と、を備え、
    前記無線制御装置は、前記送信タイミング制御部を備えた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記無線制御装置は、前記端末の移動による位置変化に基づく前記無線装置と前記端末との間の伝搬距離を算出する距離算出部をさらに備え、
    前記送信タイミング制御部は、算出された伝搬距離に応じた遅延時間を含めて前記第2の差分を算出することを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記測定機は、前記無線装置との間で無線通信を行う固設の小型基地局に設けられ、
    前記小型基地局は、前記絶対基準タイミングを取得する取得部と、
    前記第1の差分を検出し、当該第1の差分を前記無線制御装置に通知する差分算出部と、を備え、
    前記無線制御装置は、前記送信タイミング制御部を備えた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記無線制御装置は、絶対基準時間の情報を無線電波に含ませて前記測定機に通知し、
    前記測定機は、前記無線電波から前記絶対基準タイミングを検出する検出部と、
    前記第1の差分を検出し、当該第1の差分を前記無線制御装置に通知する差分算出部と、を備え、
    前記無線制御装置は、前記送信タイミング制御部を備えた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  6. ベースバンド処理を行う無線制御装置と、前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置と、前記無線装置のアンテナから出力される無線信号を前記無線装置に折り返し送信する無線機器とを有する無線通信システムにおいて、
    前記無線制御装置は、前記無線装置のアンテナから出力した前記無線信号の受信タイミングと、前記無線制御装置と前記無線機器とで同一の絶対基準タイミングと前記無線機器から折り返された前記無線信号の受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記無線機器との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線機器へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング制御部、
    を備えたことを特徴とする無線通信システム。
  7. ベースバンド処理を行い、伝送路を介して接続される無線装置のアンテナから無線信号を出力させる無線制御装置において、
    前記無線装置のアンテナから出力された前記無線信号を測定機が受信した受信タイミングと、前記無線制御装置と前記測定機とで同一の絶対基準タイミングと前記受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記測定機との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線装置へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する送信タイミング制御部、
    を備えたことを特徴とする無線制御装置。
  8. ベースバンド処理を行う無線制御装置から前記無線制御装置と伝送路を介して接続される無線装置への無線信号の送信タイミングを補正する送信タイミング補正方法において、
    前記無線装置のアンテナから出力された前記無線信号を測定機が受信した受信タイミングと、前記無線制御装置と前記測定機とで同一の絶対基準タイミングと前記受信タイミングとの第1の差分から、前記無線装置と前記測定機との伝搬距離に応じた遅延時間を除した第2の差分に基づいて、前記無線制御装置から前記無線装置へ出力する前記無線信号の送信タイミングを調整する、
    ことを特徴とする送信タイミング補正方法。
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