図1は、車両情報システムから車外車両ナビゲーションシステムに動作データを転送するように構成される車両通信ネットワークの実施形態を有する例示的な車両10の斜視図である。例示のように、車両10は、車両情報システムによって駆動され得る様々なグラフィカルディスプレイ及び計器を有する室内12を含む。車両情報システムは、動作データ(例えば、車両速度、コンパス方位、移動距離等)を監視して、車両室内12のディスプレイ及び計器に動作データを出力するように構成される。例えば、車両情報システムは、車両速度を監視して、車両室内12の速度計に速度を示す信号を出力するように構成される速度センサを含んでもよい。更に、車両情報システムは、車両方位を監視して、車両室内12の電子ディスプレイに方位を示す信号を出力するように構成される電子コンパスを含んでもよい。また、以下で詳細に検討されるように、車両情報システムは、トランスミッションセンサ、アンチロック・ブレーキング・システム、安定制御システム及び/又は電気モータ制御器を含んでもよい。
例示の実施形態では、車両10は、外部位置決定信号(例えば、GPS衛星からの信号)に基づいて車両の位置を決定するように構成される空間位置決めシステム(例えば、GPS(global positioning system))を有する。例示のように、空間位置決めシステムは、車両10の屋根に取り付けられて、外部位置決定信号を受信するように構成されるアンテナ14を含む。所定の実施形態では、車両10は、外部位置決定信号に基づいて車両位置を決定するように構成される車載制御器を含む。車両位置は、車両室内12に設置されたグラフィカルディスプレイを介して運転者及び/又は乗客に提示されてもよい。更に、車両位置は、車両通信ネットワーク16を介して遠隔受信機にブロードキャストされてもよい。
例示の実施形態では、車両通信ネットワーク16は、車両10の屋根に取り付けられるアンテナ18、車両から離れて設置される車外車両ナビゲーションシステムを含む。アンテナ18が車外車両ナビゲーションシステム20に車両位置を示す信号を送信することによって、車両の位置を監視及び/又は追跡することが可能になるように構成される。例えば、車外車両ナビゲーションシステム20は、遠隔操作者が目的地への方向を提供し、衝突時に緊急車両を送り、及び/又は盗難車両の位置を識別することを可能にしてもよい。また、所定の実施形態では、アンテナ18は、車外ナビゲーションシステム20からルート及び/又は目的地情報を示す信号を受信するように構成されてもよい。このような実施形態では、ルート及び/又は目的地情報は、グラフィカルディスプレイにおいて車両位置と共に運転者に提示されてもよい。理解されるように、車両10とナビゲーションシステム20との間の無線通信リンクが、特に、セルラ信号(例えば、EVDO、HSPA等)、WiFi又はBluetooth(登録商標)等の任意の適切な通信プロトコルを利用してもよい。
残念なことに、車両が橋の下、トンネルの中又は高層ビルの付近を通過する場合、アンテナ14によって受信される外部位置決定装置(例えば、GPS衛星)からの信号は車両位置を決定するために不十分な場合がある。それ故に、車両通信ネットワーク16は、外部位置決定信号を使用せずに容易に車両位置を決定するために車両情報システムから車外車両ナビゲーションシステム20に動作データを転送するようにも構成される。例えば、動作データが車両速度及びコンパス方位を含んでもよく、それによって車両制御器及び/又は車外車両ナビゲーションシステム20が推測航法(dead reckoning)により車両位置を計算することが可能になる。所定の実施形態では、車外車両ナビゲーションシステム20は、空間位置決めシステムによって受信した最後の位置を記憶するであろう。そして、ナビゲーションシステム20は、瞬時コンパス方位及び車両速度に基づいて車両位置を更新するであろう。外部位置決定装置からの信号が空間位置決めシステムにより車両位置を計算するために十分になると、車外車両ナビゲーションシステム20は、空間位置決めシステムによって決定された位置で推測航法位置を更新するであろう。このようにして、外部位置決定装置が存在せず/利用可能でない又は信用できないときであっても(例えば、断続的である、弱い等)、車両位置が継続的に監視されてもよい。
車両速度及びコンパス方位を先に記載したが、車両位置を決定するために他の動作パラメータが利用されてもよいことが理解されるべきである。また、例えば、所定の実施形態では、外部位置決定信号の利得が車両位置を決定するために不十分な場合、車両位置を決定するために、移動距離、ステアリング角、ヨーレート、加速度、ブレーキペダル位置、アンチロック・ブレーキング・システムの作動、安定制御システムの作動及び/又は回生ブレーキングの作動が利用されてもよい。更に、以下で詳細に検討されるように、所定の車両動作パラメータにより、車外車両ナビゲーションシステム20が道路状態及び/又は交通状態を決定することが可能になってもよい。例えば、所定の実施形態では、車外車両ナビゲーションシステム20は、現在の車両の場所における掲示速度制限を決定するように構成されてもよい。このような実施形態では、ナビゲーションシステム20は、車両速度が掲示速度制限よりも実質的に低い場合に、低周囲速度状態(low ambient speed condition)を識別するであろう。また、ナビゲーションシステム20は、アンチロック・ブレーキング・システム及び/又は安定制御システムの頻繁な作動を識別することによって滑りやすい道路状態を識別してもよい。このような実施形態では、車外車両ナビゲーションシステム20は、低周囲速度及び/又は滑りやすい道路状態を(通信ネットワーク16を介して)その地域の他の運転者に通知してもよい。
図2は、車両情報システムから車載空間位置決め装置22に動作データを転送するように構成される車両通信ネットワーク16の実施形態を含む、図1の車両10の室内12の一部の斜視図である。例示の実施形態では、車載空間位置決め装置22は、車両室内12の中央コンソールに取り付けられるGPS受信機である。しかしながら、車載空間位置決め装置22は、携帯型装置(例えば、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、ノートブックコンピュータ等)内に統合されてもよく、車両情報システムは、通信ネットワーク16を介して携帯型装置とインターフェース接続してもよい。例示の実施形態では、車載空間位置決め装置22は、(例えば、室内アンテナ、車両10の屋根に取り付けられるアンテナ等を介して)外部位置決定信号を受信して、その信号に基づいて車両位置を決定するように構成される。残念なことに、車両10が橋の下、トンネルの中又は高層ビルの付近を通過する場合、車載空間位置決め装置22によって受信される外部位置決定信号の利得は車両位置を決定するために不十分な場合がある。それ故に、例示の実施形態では、通信ネットワーク16は、外部位置決定信号を使用せずに車両位置の決定を容易にするために車載空間位置決め装置22に動作データを提供するであろう。
例示のように、空間位置決め装置22は、例示のタバコ用ライター容器等の電気差込口26とインターフェース接続するように構成されるコネクタ24を含む。理解されるように、電気差込口26は、コネクタ24を介して空間位置決め装置22に電力を供給するであろう。例示の実施形態では、コネクタ24は、車両情報システムから空間位置決め装置22に動作データを転送するようにも構成される。例示の実施形態では、タバコ用ライター容器が利用されているが、代替的な実施形態では他の電気差込口が利用されてもよいことが理解されるべきである。例えば、所定の実施形態では、空間位置決め装置は、標準的な5ボルト、12ボルト、42ボルト又は48ボルトの電気差込口とインターフェース接続するように構成されてもよい。
以下で詳細に検討されるように、車両通信ネットワーク16は、空間位置決め装置22に供給される直流電力信号を変調するように構成されるインターフェースモジュールを含んでもよく、それによって車両情報システムから車載空間位置決め装置22への信号送信が容易になる。このような実施形態は、車両室内12の配線数を減らすので、室内12の外観が向上してもよい。代替的な実施形態では、通信ネットワーク16は、車両情報システムから空間位置決め装置22に動作データを転送するために、ユニバーサルシリアルバスインターフェース、Bluetoothインターフェース又はWiFiインターフェースを利用してもよい。先に図1を参照して記載された車外車両ナビゲーションシステム20と同様に、空間位置決め装置22は、外部位置決定信号が車両位置を決定するために不十分な場合、動作データ(例えば、車両速度、コンパス方位等)に基づいて車両位置を決定するために推測航法を利用してもよい。
図3は、車両情報システム30から外部ナビゲーションシステム32に動作データを転送するように構成されるインターフェースモジュール28を有する車両通信ネットワーク16の実施形態のブロック図である。外部ナビゲーションシステム32は、車両10に組み込まれない(即ち、車両情報システムの外部にある)。例えば、外部ナビゲーションシステム32は、先に図1を参照して記載された車外車両ナビゲーションシステム20、又は図2を参照して記載された車載空間位置決め装置22であってもよい。外部ナビゲーションシステム32に車両情報システム30から動作データを提供することによって、外部ナビゲーションシステムは、外部位置決定信号なしで車両位置を決定してもよい。例えば、外部位置決定装置からの信号が存在せず又は車両位置を決定するのに不十分な場合であっても、外部ナビゲーションシステム32は、正確な車両位置を提供することが可能であってもよい。例示の実施形態は独立したインターフェースモジュール28を含んでいるが、代替的な実施形態ではインターフェースモジュール28は車両情報システム30又は他の車両システム(例えば、情報システム等)内に統合されてもよいことが理解されるべきである。
例示の実施形態では、車両情報システム30は、速度センサ34、電子コンパス36、トランスミッションセンサ38、アンチロック・ブレーキング・システム(ABS)40、安定制御システム42、及び電気モータ制御器43を含む。速度センサ34は、車両速度を決定するために車輪回転又は駆動軸回転を監視するように構成されてもよい。更に、電子コンパス36は、地磁場の方向によって車両方位を決定するように構成される複数の固体磁場センサ(solid state magnetic field sensor)を含んでもよい。使用される場合、このような信号は、局所磁気変位、車両構造の影響等に基づいて従来のように訂正されてもよい。トランスミッションセンサ38は、選択ギア、内部回転速度及び/又は駆動軸回転等の車両トランスミッションの様々なパラメータを監視してもよい。
理解されるように、アンチロック・ブレーキング・システム40は、ブレーキ操作の間、車両を固定する可能性を実質的に減らし又はなくすように構成される。結果として、アンチロック・ブレーキング・システム40は、車輪回転センサ、加速度計、ヨーセンサ、ブレーキペダル位置センサ、ステアリング角センサ及び/又はアンチロック・ブレーキング・システム40の動作を容易にするように構成される他のセンサを含んでもよい。同様に、安定制御システム42は、車輪回転センサ、加速度計、ヨーセンサ、ステアリング角センサ及び/又は突然の操作時に車両力学を向上させるために十分な情報を安定制御システムに提供するように構成される他のセンサを含んでもよい。例えば、安定制御システムは、アクセル及び/又はステアリング操作の間の車輪スピンを実質的に減らすように構成されるトラクションコントロールシステム、及び/又はステアリング及び/又はブレーキ操作の間の車両転覆の可能性を実質的に減らすように構成される転覆制御システムを含んでもよい。更に、電気及び/又はハイブリッド電気自動車は、電動モータに対する電力を制御するように構成される電気モータ制御器43を含む。所定の実施形態では、モータ制御器43は電気モータの回転運動を電力に変換することによって回生ブレーキングを提供するように構成される。これは車両バッテリを充電するために使用されてもよい。このような実施形態では、電気モータ制御器43は、(例えば、ブレーキペダル位置及び/又はアクセルペダル位置を介して)回生ブレーキングの作動を検出するように構成されるセンサを含むであろう。車両情報システム30内の各センサからもたらされる信号は、外部位置決定信号なしで車両位置を決定するのを容易にするために外部ナビゲーションシステム32に出力される。
例示の実施形態において車両情報システム30は速度センサ34、電子コンパス36、トランスミッションセンサ38、アンチロック・ブレーキング・システム(ABS)40、安定制御システム42及び電気モータ制御器43を含んでいるが、代替的な実施形態ではより多くの又は少ないセンサ/システムが含まれ得ることが理解されるべきである。例えば、所定の実施形態では、車両情報システム30は、アンチロック・ブレーキング・システム40又は安定制御システム42を含まなくてもよい。代替的な実施形態には、外部ナビゲーションシステム32に追加の情報を提供するために、車両回転を測定するように構成されるジャイロスコープ等の他のセンサが含まれてもよい。理解されるように、車両位置決定の精度は、車両状態を監視するために利用されるセンサの数に少なくとも部分的に依存してもよい。結果として、外部位置決定信号が利用できない場合に、追加のセンサがより正確な位置決定をもたらしてもよい。
例示のように、車両情報システム30は、動作データ44をインターフェースモジュール28に出力するように構成される。例示の実施形態では、動作データ44は、車両速度46、コンパス方位48、移動距離50、ステアリング角52、ヨーレート54、加速度56、ブレーキペダル位置58、アンチロック・ブレーキング・システム(ABS)の作動60、安定制御システムの作動62及び/又は回生ブレーキングの作動63を含む。所定の実施形態では、車両速度46は、速度センサ34、トランスミッションセンサ38及び/又はアンチロック・ブレーキング・システム40によってもたらされてもよい。コンパス方位48は電子コンパス36によってもたらされてもよい。また、移動距離50は速度センサ34、トランスミッションセンサ38及び/又はアンチロック・ブレーキング・システム40からの出力に基づいて計算されてもよい。ステアリング角52及びローレート54は安定制御システム42によって提供されてもよい。また、加速度計56及びブレーキペダル位置58はアンチロック・ブレーキング・システム40によってもたらされてもよい。更に、アンチロック・ブレーキング・システム40はABSの作動60を出力するであろう。安定制御システム42は安定制御システムの作動62を出力するであろう。また、電気モータ制御器43は回生ブレーキングの作動63を出力するであろう。
例示の実施形態において動作データ44には車両速度46、コンパス方位48、移動距離50、ステアリング角52、ヨーレート54、加速度56、ブレーキペダル位置58、アンチロック・ブレーキング・システム(ABS)の作動60、安定制御システムの作動62及び/又は回生ブレーキングの作動63が含まれるが、代替的な実施形態において追加の動作データが提供されてもよいことが理解されるべきである。例えば、車両情報システム30がジャイロスコープを含む場合、動作データ44は、車両動作、回転速度及び/又は回転加速度を含んでもよい。更に、車両情報システムがアンチロック・ブレーキング・システム又は安定制御システムを含まない場合、ステアリング角、ヨーレート、加速度、ブレーキペダル位置、ABSの作動及び/又は安定制御システムの作動は動作データ44から省略されてもよい。更に、車両が電気又はハイブリッド電気自動車ではない場合、車両情報システムは電気モータ制御器を含まなくてもよい。結果として、動作データ44は、回生ブレーキングの作動データを省略してもよい。先に検討されたように、追加の動作データを外部ナビゲーションシステムに提供することによって、外部位置決定信号が利用できない場合に車両位置決定の精度を向上してもよい。
例示のように、インターフェースモジュール28は、第1のインターフェース64及び第2のインターフェース66を含む。第1のインターフェース64は車両情報システム30から動作データ44を受信するように構成される。また、第2のインターフェース66は外部ナビゲーションシステム32に動作データを出力するように構成される。所定の実施形態では、第1のインターフェース64は、車両情報システム30と通信するように構成されるCAN Busインターフェースである。しかしながら、代替的な実施形態では任意の適切なインターフェースが用いられてもよいことが理解されるべきである。例えば、第1のインターフェース64は、FlexRayインターフェース、Ethernet(登録商標)インターフェース、又はインターフェースモジュール28と車両情報システム30との間の通信を容易にするための任意の他の適切な独自の又は標準化された通信プロトコルを利用してもよい。
第2のインターフェース66は、車載空間位置決め装置22又は車外車両ナビゲーションシステム20と通信するように特に選択されてもよい。例えば、第2のインターフェース66は、車外車両ナビゲーションシステム20とインターフェースモジュール28との間に通信リンクを確立するために無線接続を利用してもよい。先に検討されたように、無線接続は、特に、セルラ信号(例えば、EVDO、HSPA等)、WiFi又はBluetooth等の任意の適切な通信プロトコルを利用してもよい。例えば、所定の実施形態では、動作データは、テキストメッセージ、例えば、SMS(short message service)プロトコルを介して車外ナビゲーションシステム20に転送されてもよい。以下で詳細に検討されるように、無線接続は、車両情報システム30から車外車両ナビゲーションシステム20に動作データを転送し、ナビゲーションシステム20から車両情報システム30に道路状態及び/又は交通情報を転送するように構成されてもよい。
更に、第2のインターフェース66は、車載空間位置決め装置22とインターフェースモジュール28との間に通信リンクを確立するために無線又は有線接続を利用してもよい。所定の実施形態では、第2のインターフェース66は、車両情報システム30から空間位置決め装置22に動作データを転送するために、ユニバーサルシリアルバスインターフェース、Bluetoothインターフェース又はWiFiインターフェースを利用してもよい。しかしながら、代替的な実施形態では、様々な他の無線プロトコル(例えば、DECT、無線USB等)又は有線接続(例えば、Ethernet)が利用されてもよいことが理解されるべきである。例えば、空間位置決め装置22は、電気差込口(例えば、12ボルトタバコ用ライター容器、48ボルト電気コネクタ)とインターフェース接続するように構成されるコネクタを含んでもよい。所定の実施形態では、電気差込口は、空間位置決め装置22に電力を供給して、車両情報システム30と空間位置決め装置22との間に通信リンクを確立するであろう。このような実施形態では、第2のインターフェース66は、空間位置決め装置22に供給される直流電力信号を変調し、それによって車両情報システム30から空間位置決め装置22への信号送信を容易にするように構成される。単一のケーブルを介して電力及びデータ信号の両方を提供することによって、車両室内12の中を延びる配線の数が減少するので、より望ましい室内の外観がもたらされるであろう。
先に検討されたように、外部ナビゲーションシステム32は、外部位置決定信号を介して又はインターフェースモジュール28から受信する動作データ44を介して、ブロック68で示される車両位置を決定するように構成される。特に、外部位置決定信号が利用できない場合、例えば、車両10が橋の下、トンネルの中又は高層ビルの付近を通過する場合、外部ナビゲーションシステム32は推測航法によって車両位置を決定するであろう。第1に、外部ナビゲーションシステムは、外部位置決定信号によって決定された最後の位置を記憶するであろう。外部ナビゲーションシステムは、車両速度、コンパス方位、移動距離、ステアリング角、ヨーレート及び/又は加速度に基づいて位置を更新するであろう。例えば、所定の実施形態では、外部ナビゲーションシステム32は、離散時間間隔で車両位置を更新してもよい。このような実施形態では、外部ナビゲーションシステムは、その時間間隔で車両速度を乗算することによって移動距離を決定するであろう。次に、外部ナビゲーションシステムは、移動距離及びコンパス方位に基づいて車両位置を更新するであろう。また、外部ナビゲーションシステムは、測定された加速度に基づいて移動距離を調節し、及び/又はステアリング角及び/又は測定されたヨーレートに基づいて方位を調節してもよい。このようにして、外部位置決定信号の利得が車両位置を決定するのに不十分な場合であっても、外部ナビゲーションシステム32は実質的に正確な車両位置の決定をもたらしてもよい。
所定の実施形態では、外部ナビゲーションシステム32は、ブロック70で示される道路状態、及びブロック72で示される交通状態を決定するように構成される。例えば、外部ナビゲーションシステム32がアンチロック・ブレーキング・システム及び/又は安定制御システムの頻繁な作動を検出する場合、外部ナビゲーションシステムは滑りやすい路面(例えば、雨、氷、雪等のため)を識別するであろう。所定の実施形態では、外部ナビゲーションシステム32は、道路状態情報を他の運転者に中継することによって、運転者に滑りやすい状態を知らせるであろう。例えば、個々の車両通信ネットワークを介して複数の車両が車外車両ナビゲーションシステムにリンクされてもよい。このような実施形態では、各車両は、アンチロック・ブレーキング・システム及び/又は安定制御システムの作動を車両ナビゲーションシステム20に報告するであろう。特定の道路に沿って移動している複数の車両がアンチロック・ブレーキング・システム及び/又は安定制御システムを繰り返して作動していることを車両ナビゲーションシステム20が検出する場合、車両ナビゲーションシステム20は道路が滑りやすい表面を有していることを識別するであろう。次に、車両ナビゲーションシステム20は、各通信ネットワークを介して車両に道路状態を中継するであろう。結果として、各運転者は、滑りやすい道路を回避するように代替のルートを選択し、又は滑りやすい道路に沿って移動している間、更に注意してもよい(例えば、車両速度を低減する、車間距離を増やす等)。
また、外部ナビゲーションシステム32は、車両速度、ブレーキペダル位置及び/又は車両間隔に基づいて交通状態を識別してもよい。例えば、外部ナビゲーションシステム32が車両ブレーキの頻繁な使用及び/又は掲示速度制限に対して低い車両速度を検出する場合、外部ナビゲーションシステムは高交通密度及び/又は低周囲速度を識別するであろう。所定の実施形態では、外部ナビゲーションシステム32は、交通状態情報を他の運転者に中継することによって、運転者に緩慢に動いている交通状態を知らせるであろう。例えば、個々の車両通信ネットワークを介して複数の車両が車外車両ナビゲーションシステムにリンクされてもよい。このような実施形態では、各車両は、車両位置、車両ブレーキの作動及び/又は車両速度を車両ナビゲーションシステム20に報告するであろう。車両ナビゲーションシステム20が緊密な車両間隔を検出する場合、車両ナビゲーションシステム20は道路が高交通密度を有すると識別するであろう。更に、特定の道路に沿って移動中の車両がブレーキを頻繁に作動させ又は掲示速度制限よりも実質的に低い速度で移動中である場合、車両ナビゲーションシステム20は道路が低い周囲速度を有すると識別するであろう。次に、車両ナビゲーションシステム20は、各通信ネットワークを介して車両に交通状態情報を中継するであろう。結果として、各運転者は、高交通/低周囲速度の道路を回避するように代替ルートを選択し、又は緩慢な交通地域に先立って車両速度を低減してもよい。所定の実施形態では、車両ナビゲーションシステム20は、高交通密度、低周囲速度及び/又は滑りやすい道路状態が検出されると、代替ルートを勧めてもよい。
図4は、車両通信ネットワークを動作させる例示的な方法74の流れ図である。ブロック76で示されるように、車両情報システムから動作データが受信される。先に検討されたように、動作データは、例えば、車両速度、コンパス方位、移動距離、ステアリング角、ヨーレート、加速度、ブレーキペダル位置、アンチロック・ブレーキング・システムの作動、安定制御システムの作動及び/又は回生ブレーキングの作動を含む。次に、ブロック78で示されるように、動作データが外部ナビゲーションシステムに出力される。例えば、動作データは、車外車両ナビゲーションシステム20又は車載空間位置決め装置22に出力されてもよい。動作データは、例えば、ユニバーサルシリアルバスインターフェース若しくは電気コネクタ等の有線接続、又はセルラ信号、Bluetooth若しくはWiFi等の無線接続によって送信されてもよい。次に、ブロック80で示されるように、外部位置決定信号なしで車両位置が決定される。所定の実施形態では、車両位置は、例えば、車両速度及びコンパス方位に基づいて推測航法により決定されてもよい。結果として、外部位置決定信号の利得が車両位置を決定するのに不十分なときであっても、正確な車両位置が決定されてもよい。
更に、ブロック82で示されるように、動作データに基づいて道路状態が決定される。例えば、外部ナビゲーションシステムがアンチロック・ブレーキング・システム及び/又は安定制御システムの頻繁な作動を検出する場合、外部ナビゲーションシステムは滑りやすい路面(例えば、雨、氷、雪等のため)を識別するであろう。外部ナビゲーションシステムは、道路状態情報を他の運転者に中継することによって、運転者に滑りやすい状態を知らせてもよい。更に、ブロック84で示されるように、動作データに基づいて交通状態が決定される。例えば、外部ナビゲーションシステムが車両ブレーキの頻繁な使用及び/又は掲示速度制限に対して低い車両速度を検出する場合、外部ナビゲーションシステムは高交通密度及び/又は低周囲速度状態を識別するであろう。次に、外部ナビゲーションシステムは、交通状態情報を他の運転者に中継することによって、運転者に緩慢に動いている/高密度の交通を知らせてもよい。
本発明の所定の特徴及び実施形態のみが例示及び記載されているが、請求項に記載された主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、当業者にとっては、多くの修正及び変更(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値(例えば、温度、圧力等)、取り付け配置、材料の使用、色彩、方向等の変更)が行われてもよい。任意の処理又は方法のステップの順番又は順序が、代替的な実施形態に従って変更され又は再順序付けされてもよい。従って、添付の請求項は、本発明の真の精神に当てはまるこのような全ての修正及び変更を含むことが理解されるべきである。更に、例示的な実施形態の簡潔な記載を与えるために、実際の実装の全ての特徴は記載されていない(即ち、本発明の実施の現在考えられるベストモードとは関係のないもの、又は請求項に記載の発明の実行に関係のないもの)。任意のエンジニアリング又は設計プロジェクト等における、任意のこのような実際の実装の開発において、多数の実装固有の決定が行われてもよいことが理解されるべきである。このような開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、過度の実験を用いなくても、本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作及び製造の日常的な業務であろう。