JP2017075259A - 冬用タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上性能とウェット性とが共に優れるタイヤを得ることができるゴム組成物の提供。【解決手段】平均ガラス転移温度が−100〜−50℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを10〜80質量部、酸化セリウムを1〜50質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカと前記酸化セリウムとの合計量に対する比率で3〜20質量%含む、冬用タイヤ用ゴム組成物。【選択図】図1

Description

本発明は冬用タイヤ用ゴム組成物に関する。
スタッドレスタイヤに代表される冬用タイヤには氷上性能と共にウェット路面でのグリップ性能(ウェット性能)が求められる。しかし、氷上性能とウェット性能とはほぼ背反する性能であり、両立することは困難である。例えばウェット性能を向上させるために夏用タイヤで使用されるようなガラス転移温度が高い樹脂を利用すると、低温特性が低下してしまい、氷上性能が悪化してしまう。
一方、タイヤ用ゴム組成物に関連する従来法として、例えば特許文献1、2に記載のものが提案されている。
特許文献1には、共役ジエン化合物由来部分の含有量が40mol%以上である共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、共役ジエン系重合体(B)と、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含有する非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)とを含むことを特徴とするゴム組成物が記載されており、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)は、セリウムを含む特定の化合物を重合触媒組成物として用いて、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとを重合させることが記載されている。
特許文献2には、バイオマス由来のモノマー成分を重合して得られ、ASTMD6866−10に準拠して測定したpMC(percent Modern Carbon)が1%以上、ガラス転移温度(Tg)が−120〜−80℃であるバイオマス由来ゴムを含むタイヤ用ゴム組成物が記載されており、バイオマス由来のモノマー成分は酸化セリウムを触媒として用いて得ることが可能であることが記載されている。
国際公開第2012/117715号パンフレット 特開2014−231605号公報
本発明の目的は、氷上性能とウェット性とが共に優れるタイヤを得ることができるゴム組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するための鋭意検討を重ね、特定の比率で、特定のガラス転移温度を有するジエン系ゴム、シリカ、酸化セリウム、硫黄含有シランカップリング剤を含むゴム組成物が、上記の目的を達成することを見出し、本発明を完成させた。
なお、特許文献1、2に記載のゴム組成物では、その製造過程において、触媒として、セリウムまたは酸化セリウムを用い得ることが記載されているが、製造して最終的に得られるゴム組成物に、その製造過程において用いた触媒としてのセリウムまたは酸化セリウムは含まれない。
本発明は以下の(1)〜(4)である。
(1)平均ガラス転移温度が−100〜−50℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを10〜80質量部、酸化セリウムを1〜50質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカと前記酸化セリウムとの合計量に対する比率で3〜20質量%含む、冬用タイヤ用ゴム組成物。
(2)前記酸化セリウムが、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることを特徴とする、上記(1)に記載の冬用タイヤ用ゴム組成物。
(3)さらに熱膨張性マイクロカプセルを、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部含む、上記(1)または(2)に記載の冬用タイヤ用ゴム組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、氷上性能とウェット性とが共に優れるタイヤを得ることができるゴム組成物を提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
本発明について説明する。
本発明は、平均ガラス転移温度が−100〜−50℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを10〜80質量部、酸化セリウムを1〜50質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカと前記酸化セリウムとの合計量に対する比率で3〜20質量%含む、冬用タイヤ用ゴム組成物である。
このような冬用タイヤ用ゴム組成物を、以下では「本発明の組成物」ともいう。
なお、冬用タイヤとしてはスタッドレスタイヤの他にもスタッドタイヤ(スパイクタイヤ)などが挙げられる。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物が含有するジエン系ゴムは、主鎖に二重結合を有するものであって、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム等が挙げられる。
ジエン系ゴムとして、例えば上記のような具体例の中の1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1種単独で用いる場合は、そのジエン系ゴムのガラス転移温度が−100〜−50℃であるものを用いる。
2種以上を併用する場合は、各成分のガラス転移温度に各成分の質量%をそれぞれ掛けて足し合わせた値が−100〜−50℃であるものを用いる。
ジエン系ゴムのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、低温側のベースラインと転移域の傾き(傾斜直線)とのそれぞれの延長線の交点の温度とする。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのガラス転移温度とする。
ジエン系ゴムとして、ウェット性能と低燃費性能とのバランスが取れるという理由から、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)を用いるのが好ましく、これらを併用するのがより好ましい。
ジエン系ゴムとして天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)を併用する場合には、ジエン系ゴム中、NRが30〜90質量%であることが好ましく、40〜85質量%であることがより好ましい。この範囲内であると、加硫後のゴム組成物の一般的物性がより良好なものとなる。
<シリカ>
本発明の組成物が含有するシリカは特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
前記シリカとしては、具体的には、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカ、表面処理シ
リカ等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記シリカの含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して10〜80質量部であり、15〜80質量部であることがより好ましく、15〜75質量部であることがさらに好ましい。これにより氷上性能とウェット性能をバランスよく向上できる。
<酸化セリウム>
本発明の組成物が含有する酸化セリウムは特に限定されず、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることが好ましく、20〜50nmの微粒子であることがより好ましい。
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、酸化セリウムを倍率5000倍で写真撮影し、得られた写真から任意に500個を選び、ノギスを用いて各々の投影面積円相当径を測定して積算粒度分布(体積基準)を求め、それより平均粒子径(メジアン径)を算出して求める値とする。
酸化セリウムとして、CeO2、Ce23等の化学式で表されるものを例示できる。
本発明において前記酸化セリウムの含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜50質量部であり、1〜45質量部であることがより好ましく、3〜40質量部であることがさらに好ましい。酸化セリウムの配合量が1質量部未満の場合、タイヤのウェット性能および氷上性能を共に向上させることができず、50質量部より多くなると氷上性能が低下する傾向がある。
<硫黄含有シランカップリング剤>
本発明の組成物に含有する硫黄含有シランカップリング剤は特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意の硫黄を含有するシランカップリング剤を用いることができる。
前記硫黄含有シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]ジスルフィド、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリエトキシシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記硫黄含有シランカップリング剤の含有量は、前記シリカと前記酸化セリウムとの合計量に対する比率(硫黄含有シランカップリング剤の含有量/(シリカの含有量+酸化セリウムの含有量)×100)として3〜20質量%であり、5〜15質量%であることが好ましく、7〜10質量%であることがより好ましい。前記硫黄含有シランカップリング剤の配合量が前記シリカと前記酸化セリウムとの合計量に対する比率が3質量%未満の場合、タイヤのウェット性能が改善されずゴムの加工性も悪化する。一方、前記シリカと前記酸化セリウムとの合計量に対する比率が20質量%より高くなると、摩耗性能が低下する傾向がある。
<熱膨張性マイクロカプセル>
本発明の組成物は、さらに熱膨張性マイクロカプセルを、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部含むことが好ましく、1〜20質量部含むことがより好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。このため未加硫タイヤを加硫成形するとき、ゴム組成物中に分散したマイクロカプセルが加熱されると、殻材に内包された熱膨張性物質が膨張して殻材の粒径を大きくし、トレッドゴム中に多数の中空粒子を形成する。これにより、氷の表面に発生する水膜を効率的に吸収除去すると共に、ミクロなエッジ効果が得られるため、氷上性能を向上させる。また、マイクロカプセルの殻材は、トレッドゴムより硬いためトレッド部の耐摩耗性を高くすることができる。熱膨張性マイクロカプセルの殻材はニトリル系重合体により形成することができる。
マイクロカプセルの殻材は、通常のマイクロカプセル化剤として有用な熱可塑性樹脂により形成することができる。熱可塑性樹脂は、重合性成分を重合開始剤存在下で重合することによって形成するものである。重合性成分としては、一般には、重合性二重結合を少なくとも1個有する(ラジカル)重合性単量体と呼ばれている単量体成分を含む。単量体成分としては、特に限定はないが、たとえば、アクリロニトリル等のニトリル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体;塩化ビニリデン;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフイン系単量体等を挙げることができる。これらの単量体成分は、1種または2種以上を併用してもよい。
重合性成分は、上記単量体成分以外に、重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体(架橋剤)を含んでいてもよい。架橋剤を用いて重合させることにより、マイクロカプセル殻材の耐熱性や耐溶剤性を向上させることができる。
架橋剤としては、特に限定はないが、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。これらの架橋剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
マイクロカプセルの殻材中に内包する熱膨張性物質は、熱によって気化又は膨張する特性をもち、例えば、イソアルカン、ノルマルアルカン等の炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種が例示される。イソアルカンとしては、イソブタン、イソペンタン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン等を挙げることができ、ノルマルアルカンとしては、n−ブタン、n−プロパン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等を挙げることができる。これらの炭化水素は、それぞれ単独で使用しても複数を組み合わせて使用してもよい。熱膨張性物質の好ましい形態としては、常温で液体の炭化水素に、常温で気体の炭化水素を溶解させたものがよい。このような炭化水素の混合物を使用することにより、未加硫タイヤの加硫成形温度領域(150〜190℃)において、低温領域から高温領域にかけて十分な膨張力を得ることができる。
本発明の組成物において、熱膨張性マイクロカプセルは、ゴム組成物を加硫成形したとき、熱膨張性マイクロカプセルの膨張により形成された中空粒子の平均粒子径が20〜120μmであることが好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルからなる中空粒子を含む加硫ゴム組成物は、中空粒子の平均粒子径が大きいほど氷上摩擦性能が高く、中空粒子の平均粒子径が小さいほど氷上摩擦性能が低くなる。
なお、加硫成形により得られた加硫ゴム組成物における中空粒子の粒径分布は、加硫ゴム組成物の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、50個以上の中空粒子の粒径を測定し、数平均粒子径及び粒径分布(個数に基づく割合[%])を求めるものとする。加硫ゴム組成物として、加硫した空気入りタイヤのトレッド部から切り出したゴム組成物を用いることができる。また観察時に中空粒子の端部を切断した断面と判別できるときは、その粒子の粒径を除外することができる。
このようなマイクロカプセルの作成方法は、まず、単量体、重合開始剤、熱膨張性物質等を含む油性混合物を水系分散媒体中に油状液滴として分散した分散液を調製する。ここで、熱膨張性物質が常温で気体の炭化水素の場合は、十分に冷却した状態で行なうことが好ましい。次いで、この分散液を従来公知の方法により加熱し、懸濁重合を行なうことによりマイクロカプセルが得られる。また、平均粒径20〜30μmのマイクロカプセルを得るためには、好ましくは特開平7−96167号公報記載のように、連続式高速回転高剪断型撹拌分散機が使用される。
<その他の成分>
本発明の組成物には、上記の成分の他に、芳香族性テルペン樹脂、シリカ以外のフィラー(例えば、カーボンブラック等)、上記の硫黄含有シランカップリング剤以外のシランカップリング剤、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、酸化亜鉛、軟化剤(オイル)、老化防止剤、可塑剤等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
例えば、シリカ以外のフィラー(例えば、カーボンブラック)の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して4〜70質量部であることが好ましく、5〜65質量部であることがより好ましい。
加硫剤または架橋剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.3〜3.0質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部であることがより好ましい。
加硫促進剤または架橋促進剤の含有量は、一次促進剤単独もしくは二次とのブレンドで前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.5〜4.0質量部であることが好ましく、1.0〜3.5質量部であることがより好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.2〜10.0質量部であることが好ましく、0.4〜8.0質量部であることがより好ましい。
軟化剤(オイル)の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して10〜60質量部であることが好ましく、15〜55質量部であることがより好ましい。
老化防止剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましく、0.2〜4.0質量部であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂のような可塑剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0〜30質量部であることが好ましく、0〜25質量部であることがより好ましい。
[製造方法]
本発明のゴム組成物は、上記の各成分を混合・混錬することによって製造することができる。
上記の成分のうち、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤以外の成分を混合および混練してマスターバッチを作成し、このマスターバッチに加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合し、オープンロール等を用いて混練してゴム組成物を製造することが好ましい。このように、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤以外の成分からなるマスターバッチを作成し、そのマスターバッチに加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合・混練すると、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合してからの混練時間を短くすることができ、不均一な加硫(架橋)が生じることによる加硫(架橋)ゴム組成物の物性低下を防止することができるうえ、加硫(架橋)の制御が容易となる。
本発明の組成物が熱膨張性マイクロカプセルを含む場合、前記ジエン系ゴムに充填剤や各種配合剤を配合し混練した後、冷却し硫黄や加硫促進剤などの加硫系配合剤と共に熱膨張性マイクロカプセルを配合・混合するとよい。得られた未加硫のゴム組成物を加硫成形することにより、中空粒子を含む加硫ゴム組成物を製造することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いて製造した空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは氷上性能およびウェットグリップ性能に優れるため、特にスタッドレスタイヤに好適である。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されない。
[ゴム組成物の製造]
<標準例、実施例1〜4、比較例1〜4>
第1表の標準例の欄、実施例の欄および比較例の欄に示すとおり、標準例、実施例1〜4および比較例1〜4に係るゴム組成物は、第1表に示す各成分を、第1表に示す配合量で配合して製造した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、実施例3の場合は、さらに熱膨張性マイクロカプセルを混合し、ゴム組成物を得た。
[評価用加硫ゴムシートの作製]
製造したゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
[試験評価方法]
<氷上性能>
得られた加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて、測定温度−1.5℃、荷重5.5kg/cm3、ドラム回転速度25km/hの条件で氷上摩擦係数を測定した。
結果を第1表に示す。結果は標準例の値を100とする指数で表した。指数が大きいほど氷上摩擦力が大きく氷上性能が優れることを意味する。
<WET性能>
JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。
結果を第1表に示す。結果は標準例のtanδ(0℃)を100とする指数で表した。指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときにウェットグリップ性能に優れる。
Figure 2017075259
[表中の各成分の具体的な説明]
表に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:天然ゴム(Tg:−65℃)
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1220
・SBR1:スチレンブタジエンゴム Nipol 1502(日本ゼオン社製)
・SBR2:スチレンブタジエンゴム Nipol NS116(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(キャボットジャパン社製)
・シリカ:Zeosil(R) 1165MP(CTAB吸着比表面積:159m2/g、ローディア社製)
・酸化セリウム:Nanotechnology社製 Nano−D CEP 平均粒子径=25〜45nm
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日油社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社社製)
・老化防止剤1:6C:SANTOFLEX 6PPD(Solutia Europe社製)
・老化防止剤2:RD:PILNOX TDQ(NOCIL LIMITED社製)
・硫黄含有シランカップリング剤:ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド(TESPT)、Evonik社製Si69
・プロセスオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・加硫促進剤1:DPG:ソクシノールD−G(住友化学株式会社)
・加硫促進剤2:CZ:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業株式会社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量95.24質量%、鶴見化学工業社製)
<熱膨張マイクロカプセルの製造方法>
表中の熱膨張マイクロカプセルは、下記の製造方法により調整した。
水系成分として、固形分40%のコロイダルシリカ80g、ジエタノールアミン−アジピン酸縮合物1.5g、塩化ナトリウムを150g、イオン交換水500gを加えて混合後、pH3.5に調整し、水性分散媒体を製造した。油系成分として、アクリロニトリル70g、メタクリロニトリル70g、メタクリル酸70g、エチレングリコールジメタクリレートを3g、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1gを混合して均一溶液の単量体混合物とし、熱膨張性物質としてイソブタン15g、2−メチルペンタン35gをさらに加えて、油性混合物とした。
この水性分散媒体と油性混合物とを混合し、得られた混合液をホモミキサー(特殊機化工業社製TKホモミキサー)により、回転数9000rpmで5分間分散して懸濁液を調製した。この懸濁液をオートクレーブ中に仕込み、窒素置換し、反応温度60℃で8時間反応させた。反応圧力は0.5MPa、撹拌は350rpmで行った。
なお得られたマイクロカプセルは、平均粒径が25μmであった。
[試験結果の説明]
<実施例1〜4>
実施例1〜4では氷上性能とウェット性能とを改善することができた。
<比較例1、2>
酸化セリウムを含まない態様である。この場合、氷上性能またはウェット性能が悪化した。
<比較例3>
酸化セリウムが多い態様である。この場合、氷上性能が悪化した。
<比較例4>
ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が高い態様である。この場合、氷上性能が悪化した。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (4)

  1. 平均ガラス転移温度が−100〜−50℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを10〜80質量部、酸化セリウムを1〜50質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカと前記酸化セリウムとの合計量に対する比率で3〜20質量%含む、冬用タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記酸化セリウムが、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の冬用タイヤ用ゴム組成物。
  3. さらに熱膨張性マイクロカプセルを、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部含む、請求項1または2に記載の冬用タイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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