JP2017075122A - チロシナーゼ阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤及び肺ガン細胞成長抑制剤 - Google Patents

チロシナーゼ阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤及び肺ガン細胞成長抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 安全性が高く活性が高いチロシナーゼ阻害活性を提供すること。【解決手段】 下記一般式(I);【化1】(式中、R1は、メチル基または水素原子を、R2は水酸基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)で表されるデヒドロカワイン系化合物及び8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有するチロシナーゼ阻害剤。【選択図】 図5

Description

本発明は、沖縄に自生するゲットウ由来の生理活性物質を利用したチロシナーゼ阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤及び肺ガン細胞成長抑制剤に関する。
従来から沖縄に自生するさまざまな植物から生理活性物質を抽出して、これらを有効成分として含有する健康食品や医薬品等が知られている。特にゲットウ由来の生理活性物質は、優れた効果を有しており、本出願人はこれまで、皮膚構成タンパク質の分解酵素を阻害する物質(特許文献1)やポリフェノール含有量の多い抗老化物質(特許文献2)を見出している。
皮膚が紫外線に曝露されると、皮膚内で発生する活性酸素、過酸化脂質等は、炎症を引き起こし、皮膚組織に大きな損傷を与える。皮膚や毛髪等に存在する色素であるメラニンは、このような紫外線による損傷から皮膚を保護する役割を有する。しかし、メラニンが過剰産生されると、低色素沈着や色素沈着過剰などの皮膚異常を引き起こす他、シミ、ソバカスなどが生じるため、メラニンの生成を抑制することを目的として種々の美白剤が開発されている。メラニンは、メラノサイトにおいてチロシンがチロシナーゼによって酸化されることにより生成されるため、美白剤の多くはメラニン生成における鍵酵素であるチロシナーゼ活性阻害物質である。
チロシナーゼ活性阻害物質の代表的なものとして、コウジ酸やアルブチン、アスコルビン酸などがよく知られており、メラニンの生成および沈着を抑制する美白剤として利用されている(特許文献3〜5)。しかし、これらの中には活性が十分でないものもあり、天然物由来で強力かつ安全性の高いチロシナーゼ阻害剤がなお強く求められている。
また、発毛メカニズムは、毛包下部にある毛母細胞が、毛乳頭細胞からの発毛シグナルを受け取ることによって、頻繁に細胞分裂を行って髪の毛となって成長していく。そのため、頭皮の血行を良くしたり、適度な刺激を与えることによって毛乳頭細胞の活動を高めることや毛乳頭細胞の増殖は発毛にとって重要なことである。
これまで、毛乳頭細胞の増殖に効果を有するものとして、ハトムギ抽出物やツツジ科エリカ属植物の抽出物が知られている(特許文献6及び特許文献7)。しかしながら、更に毛乳頭細胞の増殖効果に優れ、かつ安全性の高い有効成分の提供が望まれている。
また、さらに、甘草抽出物から得られるリキリチゲンニンが、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞であるA549細胞の増殖を抑制することが知られている(特許文献8)。このように、植物由来の安全性に優れ、日常的に摂取可能なものは、需要者に好まれるものであるが、いまだ十分満足し得るものは提供されていなかった。
特開2014−136691号公報 特開2014−210723号公報 特開昭56−7710号公報 特開昭63−174910号公報 特開昭51−95140号公報 特開2006−219407号公報 特開2008−179599号公報 特開2013−144693号公報
従って、本発明の課題は、安全性が高く、優れた効果を有するチロシナーゼ阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤及び肺ガン細胞成長抑制剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、沖縄に自生する植物であるゲットウに含まれる特定の化合物が、優れたチロシナーゼ阻害活性、毛乳頭細胞増殖促進作用及び肺ガン細胞成長抑制作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(I);
Figure 2017075122
(式中、Rは、メチル基または水素原子を、Rは水酸基、メトキシ基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)
で表されるデヒドロカワイン系化合物及び8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有するチロシナーゼ阻害剤である。
また、本発明は、下記一般式(I);
Figure 2017075122
(式中、Rは、メチル基または水素原子を、Rは水酸基、メトキシ基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)
で表されるデヒドロカワイン系化合物を有効成分として含有する毛乳頭細胞増殖促進剤である。
さらに、本発明は、下記一般式(I);
Figure 2017075122
(式中、Rは、メチル基または水素原子を、Rは水酸基、メトキシ基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)
で表されるデヒドロカワイン系化合物を有効成分として含有する肺ガン細胞成長抑制剤である。
本発明のチロシナーゼ阻害剤は、優れたチロシナーゼ阻害活性を有し、メラニン生成を有効に抑制することができ、かつ安全性も高いものである。したがって、医薬品のほか、美白化粧料などとして利用することができる。また、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、同細胞の増殖性に優れており、育毛剤として利用することができる。さらに、本発明の肺ガン細胞成長抑制剤は、肺ガン細胞の成長を効果的に妨げることができ、医薬品等に利用することができる。
ゲットウ根茎抽出物からDKおよびDDKを得る工程を示した図面。 ゲットウ根茎抽出物からのDKおよびDDKの分析HPLCクロマトグラムを示す図面。(A)はDK、(B)はDDKである。 ヒスピジンのマススペクトルである。 デヒドロカワイン系化合物及び8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールのB16F10メラノーマ細胞生存性に対する影響を示すグラフ。 デヒドロカワイン系化合物及び8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールのメラニン産生抑制作用を示すグラフ。 デヒドロカワイン系化合物及び8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールのチロシナーゼ阻害作用を示すグラフ。 ヒスピジン誘導体1〜3のチロシナーゼ阻害作用を示すグラフ。 各濃度におけるDK(A)、DDK(B)、ヒスピジン(C)、ククルビタシンI(D)、アルテピリンC(E)のヒト毛乳頭細胞の増殖率を示すグラフ。 DK、DDK、ヒスピジン、ヒスピジン誘導体1〜3、ククルビタシンIを10μM(ククルビタシンIについては10nM)使用した場合におけるヒト毛乳頭細胞の増殖率を示すグラフ。
本発明では、有効成分として下記一般式(I)で表されるデヒドロカワイン系化合物(以下、「デヒドロカワイン系化合物(I)」ということがある)は、ゲットウの根茎抽出物から、あるいはその代謝物として得られるものである。
Figure 2017075122
(式中、Rは、メチル基または水素原子を、Rは水酸基、メトキシ基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)
上記デヒドロカワイン系化合物(I)には、次の式(Ia)で表される5,6−デヒドロカワイン(DK)、次の式(Ib)で表されるジヒドロ−5,6−デヒドロカワイン(DDK)、次の式(Ic)で表されるヒスピジン( Hispidin;6−(3,4−ジヒドロキシスチリル)−4−ヒドロキシ−2−ピロン)、次の式(Id)で表されるヒスピジン誘導体1(H1;6−(3,4−ジメトキシスチリル)−4−メトキシ−2H−ピラン−2−オン)、次の式(Ie)で表されるヒスピジン誘導体2(H2;6−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−メトキシ−2H−ピラン−2−オン)及び次の式(If)で表されるヒスピジン誘導体3(H3;6−(3,4−ジヒドロキシフェネチル)−4−ヒドロキシ−2H−ピラン−2−オン)を含む。
Figure 2017075122
上記化合物のうち、DKおよびDDKは、ゲットウ(月桃)(学名:Alpinia zerumbet)の根茎抽出物中に含まれている化合物であり、これから単離することにより得ることができる。
このゲットウは、ジンジベラセアエ・ショウガ科植物で、世界中の亜熱帯および熱帯の領域に広く分布し、日本では沖縄県から九州南部に分布している。
ゲットウの根茎から抽出物を得るには、まず、新鮮なゲットウの根茎を、適当な大きさ(例えば、2〜3mm程度)に細断し、これを水、エタノール等の低級アルコールまたはこれらの混液(以下、「抽出溶媒」ということがある)で抽出する。
次いで、上記のように準備した抽出原料に対し、その30ないし50重量倍の抽出溶媒を加えた後、24ないし48時間程度抽出を行う。抽出に用いる抽出溶媒は前記の通りであり、これらは、例えば、50ないし80容量%程度の、任意の割合のエタノール−水混液のような混合溶媒であっても良い。この抽出に当たっての溶媒の温度は、室温ないし100℃程度であり、80℃以上の熱溶媒であることが好ましく、抽出中、必要により連続あるいは間欠的に攪拌すればよい。
斯くして得られるゲットウ根茎からの抽出物は、必要に応じて濾過、遠心分離等により固液分離し、液状のゲットウ抽出物を得ることができる。また、更に必要により凍結乾燥などの手段で乾燥させることで粉末状のゲットウ抽出物とすることができる。
このゲットウの根茎抽出物から、DKおよびDDKを得るには、例えば、図1に示す手順に従って分離すればよい。
すなわち、ゲットウ抽出物にヘキサン等の非極性溶媒を加え、十分攪拌した後、非極性溶媒相を分離取得する。ついで、この非極性溶媒相から非極性溶媒を留去した後、残留した固体物に水に加えて懸濁液とし、温度が100℃になるまで加熱する。
この加熱した懸濁液を濾過し、濾液と残渣に分け、残渣部分から分取用高速液体クロマトグラフィー等の分離手段により、DKを得ることができる。一方、濾液部分を、4℃で24時間、冷蔵庫内に放置し、析出した固体の再結晶を繰り返すことにより純粋なDDKを得ることができる。
一方、式(Ic)で表されるヒスピジンは、薬用きのこであるフェリナス・リンテウス( Phellinus linteus )から得られるフェノールの化合物として既に報告されたものであり(Chen, W.ら、“ Chemico-Biol. Interact. ”(2012) 199, 137-142.)、市販もされている化合物である。また、本発明者らが先に報告した、5,6−デヒドロカワイン(DK)を胃で加水分解し、これを更にCYP2C9を含むウサギの肝臓ミクロソームで代謝させることで得ることもできる(Upadhyay, A.ら、“ In proceedings of 16th international conference on cytochrome P450.” Shoun, H., Ohkawa, H., Eds., Nago: Okinawa, Japan. 2009, pp 31-34.)。
さらに、式(Id)で表されるH1は、ヒスピジンをメタノールとジクロロメタンの混合溶液に溶解し、ジアゾメタンを添加して、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)を用いて精製することにより得られる。具体的には、ヒスピジンをメタノール:ジクロロメタン(1:5)に溶解し、0℃に冷やして、ジクロロメタンに溶解したジアゾメタンを添加し、この混合溶液を4℃で一晩保存し、溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲル分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)を用いて精製することで得られる。または、マグネシウムメトキシドの懸濁液含有無水メタノールに、4−メトキシ−6−メチル−2−ピロン(MMP)と3,4−ジメトキシベンズアルデヒドを添加し、得られた混合物を室温で撹拌した後、水酸化マグネシウムを溶解するために酢酸を添加し、濾液を真空中で乾燥させ、残渣を数mLのメタノールで洗浄し、メタノールで繰り返し再結晶することによりH1を製造できる。また、式(Ie)で表されるH2は、H1をメタノールとクロロホルムの混合溶液に溶解させ、10%パラジウム炭素(Pd/C)の存在下で攪拌し、ろ過溶液を真空で蒸発させ、カラムクロマトグラフィーで精製することにより得られる。さらに、式(If)で表されるH3は、H2と同様にして、ヒスピジンを還元することで得ることができる。
また、8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアール(以下、「ラブダジエン」と略称することがある)も、ゲットウの種子や根茎の抽出物に含まれる成分である。ゲットウの種子の抽出物は、例えば、ゲットウの種子を必要に応じ適当な大きさに細断し、これを水、エタノール等の低級アルコールまたはこれらの混液等の抽出溶媒で抽出することにより得られる。抽出は、ゲットウの種子に対し、1〜50質量倍程度の抽出溶媒を加え、室温〜60℃程度で24〜36時間程度行えばよい。この抽出液から抽出溶媒を留去した後、残留した固体物に水に加えて懸濁液とし、例えば、液−液分配、薄層クロマトグラフィー、吸着カラムクロマトグラフィー、分配カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー等の公知の分離精製手段を用いてラブダジエンを分離精製することができる。ラブダジエンは下記式(II)で表される化合物である。
Figure 2017075122
本発明においては、上記化合物の他、ククルビタシン化合物を用いることもできる。ククルビタシン化合物としては、ククルビタシンA、B、C、D、E、F、G、H、Iなどが含まれるが、このうち、ククルビタシンIが毛乳頭細胞増殖促進剤や肺ガン細胞成長抑制剤等に優れることから好適に用いられる。
ククルビタシン化合物は、ニガウリ(Momordica charantia)などのウリ科(Cucurbitaceae)に属する植物から、例えば、以下のようにして単離精製することができる。
ニガウリは、沖縄ではゴーヤと呼ばれ、従来から種子やわたを除いた果実部が食用に供されている。ゴーヤの各部位を、好ましくは、風乾した後、適切な大きさに細断ないし粉砕して抽出原料とする。この抽出原料に対し、1〜20質量倍の抽出溶媒を加えた後、1〜20時間程度抽出を行う。抽出に用いる抽出溶媒としては、上記水性溶媒が好適である。抽出温度は、50〜100℃程度が好ましい。このようにして得られたニガウリ抽出物からカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等公知の分離精製方法を用いることにより、ククロビタシン化合物を単離することができる。また有機合成によって製造されたものを用いてもよい。
さらに、本発明においては、アルテピリンCを有効成分として用いることができる。アルテピリンCは、プロポリスに含まれる成分の一つであり、従来公知の製造方法によって得ることができる(例えば特開2003−55297号公報参照)。アルテピリンCには塩の形態でもよく、塩としては特に限定されず、ナトリウム、カリウム、カルシウム等が例示される。
以上のようにして得られたDK、DDK、ヒスピジン、ヒスピジン誘導体1〜3(以下、「H1〜3」ともいう)、ラブダジエン、ククルビタシン化合物及びアルテピリンCは、そのまま、あるいは必要に応じ、液体高速クロマトグラフィーなど公知の方法によって精製した後、チロシナーゼ阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤又は肺ガン細胞成長抑制剤として利用することができる。
例えば、本発明のチロシナーゼ阻害剤毛乳頭細胞増殖促進剤又は肺ガン細胞成長抑制剤の調製は、治療有効量のDK、DDK、ヒスピジン、H1〜3、ラブダジエン、ククルビタシン化合物又はアルテピリンCを、製薬上許容される任意成分、例えば、慣用の賦形剤、担体、結合剤、滑沢剤、水性溶剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、安定剤等と組み合わせ、混合することにより行うことができる。
本発明のチロシナーゼ阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤又は肺ガン細胞成長抑制剤は、経口あるいは非経口の医薬として製剤化することができる。経口投与による場合、通常の経口投与製剤、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤;水剤;油性懸濁剤;又はシロップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合は、水性又は油性懸濁注射剤、点鼻液、皮膚外用剤として用いることができる。皮膚外用剤の形態で使用する場合は、これを薬学的に許容される担体や添加剤と組み合わせ、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤、貼付剤等の形態に調製すればよい。
本発明のチロシナーゼ阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤又は肺ガン細胞成長抑制剤の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態および疾患の種類によっても異なるが、通常、成人1日あたり約10〜500mgであり、好ましくは、約10〜50mgであり、これを必要に応じて数回に分け投与すれば良い。
本発明のチロシナーゼ活性阻害剤、毛乳頭細胞増殖促進剤又は肺ガン細胞成長抑制剤の添加量は、添加対象物の種類、投与経路、剤形等の諸条件によって異なるが、例えば、医薬製剤中に0.001質量%〜10質量%含有させればよく、色素沈着過剰、低色素沈着等皮膚異常の治療薬、育毛剤、肺がん治療薬等とすることができる。
さらに、本発明のチロシナーゼ阻害剤は、メラニンの産生や沈着を抑制し、美白作用を有するため、化粧料に配合し美白化粧料とすることもできる。例えば、公知の化粧料基剤にチロシナーゼ阻害剤を、0.01〜10質量%程度配合し、常法に従って、溶液状、可溶化状、乳化状、粉末状、ペースト状、ムース状、ジェル状の形態とすることにより製造され、化粧水、乳液、クリーム、パック、軟膏等として提供される。
また、上記美白化粧料の製造にあたっては、必要に応じて、通常化粧料に使用される、精製水、アルコール類、水溶性高分子、油剤、界面活性剤、ゲル化剤、保湿剤、ビタミン類、抗菌剤、香料、塩類、pH調整剤等の成分を加えることができる。
また本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、例えば、精製水、エタノール、油性物質、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤等の任意成分を組合せ、ローションやヘアトニック、エアゾール剤、クリーム、ジェル、シャプー等の育毛剤とすることができる。
一方、ラブダジエンは脂肪細胞における活性酸素種(ROS)及び一酸化窒素(NO)の生成抑制作用も有する。肥満では、脂肪組織において、スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシラジカル等のラジカルや過酸化水素、一重項酸素等の活性酸素種(ROS)の産生が促進され、脂肪細胞の分化に重要な役割を果たす。したがって、ラブダジエンは、抗酸化剤の他、抗肥満剤やメタボリックシンドロームの治療・予防剤としても利用することができる。その用量・用法等は上記チロシナーゼ阻害剤等と同様である。
次に参考例および実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例で使用した材料等は、次のように入手し、統計処理は下のように行った。
(化学物質および測定試薬)
B16F10メラノーマ細胞及び3T3−L1細胞は、アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクション(ATCC)から入手した。また、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、デキサメサゾン、3−イソブチル−1−メトキシキサンチン(IBMX)、牛胎児血清(FBS)、トリトン−X、ウシ血清アルブミン(BSA)は和光純薬工業社から購入した。インシュリン、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、スルファニルアミド、ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩はシグマアルドリッチ社から入手した。
(統計処理)
すべての分析評価は、3重で行なわれた。データは、一元配置分散分析(ANOVA)後ダンカンテストを行った。データは平均±標準偏差として表し、p値<0.05を有意差ありとした。
参 考 例 1
ゲットウ抽出物の取得:
琉球大学(沖縄県中城郡西原町千原1)のキャンパスからゲットウ(Alpinia zerumbet (Pers.) B.L. Burtt. & R.M. Sm. (Family Zingiberaceae) )を採取した。このゲットウの根茎を、2〜3mm程度に細断した後、その20gを、600mlのエタノール溶液(濃度80%)中に入れ、室温で48時間抽出した。得られた抽出物を、減圧下で乾燥するまで濃縮し、ゲットウ根茎のエタノール抽出物を得た。
一方、同じゲットウのサンプル各20gを、沸騰状態の1Lの水中に30分浸漬し、その後放冷させ、抽出物をろ過し、真空下、40℃で乾燥させ、ゲットウ根茎の熱水抽出物を得た。これらの抽出物それぞれについて、残留物を定量後、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液(濃度50%)に溶解し、抽出物が1mg/mL濃度であるゲットウ抽出物の各サンプルを得た。
参 考 例 2
DKおよびDDKの取得:
ゲットウ根茎の熱水抽出物を出発原料とし、図1に示す工程によりDKおよびDDKを抽出した。
まず、ゲットウ根茎2kgの熱水抽出物(乾燥前)10Lを、1Lになるまで濃縮後、その500mLのヘキサンで3回、分液ロートで分液操作を行い、ヘキサン相を分離取得した。
ついで、このヘキサン相から、40℃の温度でヘキサンを減圧下で留去し、固体物を得た。この固形物に、100mLの水を加え、温度が100℃になるまで加熱した後、濾過した。
上記の濾過工程で得られる残渣部分を更に下記条件の分取用の高速液体クロマトを用いて精製し、DKを100g当たり18.8mg得た。
カラム:
TSK gel ODS−100Z(15.0×0.46cm i.d.:
5μm particle size)
移動相A: 水(0.1%酢酸)
移動相B: メタノール(0.1%酢酸)
流 速: 0.8mL/min
検出波長: 280nm
移動相の濃度勾配:
0から10分までは、移動相Aと移動相Bの50:50混液から、100%移動相B まで変化する濃度勾配
10から20分までは、100%移動相Bで変化なし
20から21分までは、100%移動相Bから、移動相Aと移動相Bが50:50混 液まで変化する濃度勾配
一方、上記の濾過工程で得られる濾液部分は、4℃で24時間冷蔵庫内に放置し、析出した固体を濾取し、DDKを原料100g当たり24.1mg得た。上記DKとDDKの分析HPLCクロマトグラムを図2に示す。
得られたDDKおよびDKについて、そのCDCl中の、H−NMR(600MHz)スペクトルを、JEOL JNM−ECA600(JEOL、日本)で測定したところ、下記の通りであった。化学シフトは、TMSに対するppm(δ)で示した。2DNMR(H,C−COSY,HMQC,HMBC)試験は、標準パルスシーケンスを用いて行った。
DDK:
EIMS, m/z 230 [M] (30), 202 (8), 125 (30), 111 (28), 91 (100), 69 (12); 1 H (CDCl3), δ 2.73-2.76 (m, 2H, CH2), 2.96-2.97 (m, 2H, CH2), 3.77 (s, 3H, CH3), 5.42 (s, 1H, CH), 5.72 (s, 1H, CH), 7.18-7.29 (m, 5H, aromatic)
DK:
EIMS, m/z 228 [M](60), 200 (20), 157 (35), 129 (20), 69 (20), 44 (35), 40 (100); 1 H (CDCl3), δ 3.79 (s, 3H, CH3), 5.51 (d, 1H, CH), 5.97 (s, 1H, CH), 6.81 (d, 1H, CH), 7.31 (d, 1H, CH), 7.32 (m, 5H, aromatic)
参 考 例 3
ラブダジエンの取得:
ラブダジエンはゲットウの種子から単離した。種子500gをエタノール1Lに浸漬して2日間抽出した。濾過後、濾液から溶媒を蒸発乾固し褐色の飴状抽出物3.26gを得た。この抽出物を蒸留水300mLに懸濁し、ヘキサン(300mL)及び酢酸エチル(300mL)に分配した。酢酸エチル(1.02g)をシリカゲル(シリカゲル60N、粒径63−120μm、70−230メッシュ(ASTM))を充填したガラスクロマトグラフィーカラムに付し、ヘキサン:アセトン(0−100%)で溶出して3つの画分を得た。第1画分をさらに薄層クロマトグラフィー(TLC)に付した。その溶液(ヘキサン:アセトン=9:1)をラブダジエン単離に用いた。プレコートTLCシリカゲルプレート(Merk−60 254,0.25mm厚)を予め45分間移動相に浸透させたツインスルーガラスタンク(Camag社)を用いて展開し、各プレートは10cmの高さまで展開した。その後プレートを取り外し、乾燥後、スポットをUV光で可視化した。さらにラブダジエンを採取するために分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)を用いた。第1画分50mgをアセトンに溶解し、プレートを合計容量200mLのヘキサン:アセトン混液(9:1)に展開した。波長254nmで4つのバンドが検出された。各バンドを擦り取り、剥離物を酢酸エチルで撹拌しながら抽出した。抽出は2〜3回行った。ULTRASHIELD(商標)PLUS 500MHz(Bruker Biospin社)を用いてメタノールD中のH−NMRスペクトルを測定した。化学シフトは、標準パルスシーケンスを用いてppm(δ)で示した。バンド3がラブダジエンであると同定された。データを以下に示す。
EIMS, m/z (rel. int.); 302 (20), 137 (100), 123 (50), 109 (35), 95 (73), 81 (70), 69 (55), 55 (48), 41 (50).
1H (CDCl3): d 0.74, 0.84 ,0.90 (s, each 3H, CH3, 18, 19, 20), 1.04-2.51 (m, 14H, CH2, CH, 1, 2, 3, 5, 6, 7, 9, 10, 11), 3.45 (s, 2H, CH2, 14), 4.39 (s, 1H, CH2, 17), 4.88 (s, 1H, CH2, 17), 6.78 (t, 1H, CH, 12), 9.42 (s, 1H, CHO, 15) , 9.67 (s, 1H, CHO, 16)
参 考 例 4
ヒスピジンの調製:
5,6−デヒドロカワイン(DK)をラット肝臓でヒスピジンに転換した。ラット肝臓ミクロソームでの代謝によるDKからヒスピジンへの転換は、文献記載の方法を若干改変した行った(Tang, C.; Shou, M.; Roddrigues, A.D. Substrate-dependent effect of acetonitrile on human liver microsomal cytochrome P4502C9 (CYP2C9) activity. Drug. Metab. Dispos. 2000, 28, 567-572.)。すなわちウィスター種マウスを殺し、直ちに肝臓を採取した。肝臓を氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で灌流した後細断し、0.15M KCl、1mM EDTA,0.25M スクロース含有0.05M Tris−HCl(pH7.4)中にて4℃、30分間1000×gでホモジナイズした。上清をさらに4℃にて100,000×g、60分間遠心分離し、得られたペレットを20%グリセロール,1mM EDTA,0.25M スクロース含有0.05M Tris−HCl緩衝液(pH7.4)にタンパクの終濃度が20mg/mLとなるように添加し−80℃で保存した。
10mM DK 100μL,3.5mM MgCl100μL,酵素400μL(ミクロソームタンパク0.2mg/mL),100mM リン酸緩衝液(pH7.4)300μLからなる混合物(最終容量1mL)を37℃で5分間インキュベートした。次にNADPH 100μLを加え37℃で10分間インキュベートを継続した。アセトニトリル/メタノール混液50mLを混合物に加え300rpmで10分間遠心分離した。有機相を蒸発させ残渣をメタノール/酢酸/アセトニトリル混液(95:4:1)に溶解した。
次にSynergi 4u MAX−RP 80A カラム(15x0.46cm,5μm)を用いHPLCを行った。移動相はメタノール/酢酸/アセトニトリル(95:4:1、v/v;溶媒B)及び0.1%酢酸溶液(v/v;溶液A)を用いた。グラジエント溶離条件は、0〜2分間:溶液B 5%、2〜20分間:溶液B 100%、20〜25分間:溶液B 100%、25〜30分間:溶液B 5%とした。移動相は40℃、流速0.5mL/minで供給した。定量は365nmでのUVピーク面積を測定した。
質量分析は、COSMOSIL5 C 18 ARII(150mmx2.0mmφ)を用いてShimadzu LC−20AD XR LCシステムとWater Quattro micro AP MSシステムにより行った。試料の注入量は5μLとした。移動相は溶媒A(0.1%酢酸水溶液)と溶媒B(メタノール:酢酸:アセトニトリル=95:4:1)とし、0.5mL/minの一定の流速で導入した。勾配は、溶媒Bを20−100%の間で増加させた。グラジエント条件は、0〜2分間:溶液B 5%、2〜20分間:溶液B 100%、20〜25分間:溶液B 100%、25〜30分間:溶液B 5%とした。コーン及びキャピラリー電圧は、それぞれ50Vと4.0kVであった。温度は350℃に設定した。赤外線(IR)スペクトルは400〜4000cm−1の波長範囲で、KBrペレットを用いてJASCO FT/IR−6100 plus spetrometerで測定した。マススペクトルを図3に示す。
参 考 例 5
ヒスピジン誘導体(H1〜H3)の調製:
無水メタノール10mLにマグネシウムメトキシド(104mg)を懸濁させた液に、4−メトキシ−6−メチル−2−ピロン(MMP)(1.4mmol,200mg)と3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(1.7mmol,285mg)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。水酸化マグネシウムを溶解するために酢酸2mlを添加し、ろ液を真空中で乾燥させた。残渣を数mLのメタノールで洗浄し、メタノールで繰り返し再結晶して淡黄粉末としてヒスピジン誘導体H1を得た。次に、H1をメタノール:クロロホルム(1:1)0.82 mLに溶解させ、10%パラジウム炭素(Pd/C)の存在下で2時間攪拌した。この混合溶液をろ過し、溶媒を真空で蒸発させた。カラムクロマトグラフィーで精製を行い、H2を得た(3mg、収率85%、白色個体)。同様に、ヒスピジンを還元してH3を得た。データを以下に示す。
(H1) 6-(3,4-dimethoxystyryl)-4-methoxy-2Hpyran-2-one.
H NMR(CDCl,400MHz)δ:
7.43(d,1H,CH),7.07(dd,1H,CH),7.00(d,1H,CH),6.85(d,1H,CH),6.43(d,1H,CH),5.89(d,1H,CH),5.46(d,1H,CH),3.91(s,3H,OCH3),3.89(s,3H,OCH3),3.81(s,3H,OCH3).
(H2) 6-(3,4-dimethoxyphenethyl)-4-methoxy-2Hpyran-2-one.
H NMR(CDCl,400MHz)δ:
6.77(d,1H,CH),6.69(dd,1H,CH),6.66(d,1H,CH),5.69(d,1H,CH),5.40(d,1H,CH),3.84(s,3H,OCH3),3.83(s,3H,OCH3),3.76(s,3H,OCH3),2.91(m,2H,CH2),2.71(m,2H,CH2).
(H3) 6-(3,4-dihydroxyphenethyl)-4-hydroxy-2Hpyran-2-one.
H NMR(DMSO,400MHz)δ:
7.29(d,1H,CH),7.20(dd,1H,CH),6.76(d,1H,CH),6.11(d,1H,CH),5.26(d,1H,CH),3.34(m,2H,CH2),2.99(m,2H,CH2).
実 施 例 1
メラニン産生抑制作用:
(1)マウスB16F10メラノーマ細胞(ATCCより入手)を、37℃にて、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(10.000U/100μg/mL)を加えたDMEM中で5%COを含む加湿雰囲気にて培養した。
(2)細胞生存性
細胞生存率はMTTアッセイを用いて測定した(Campos, P.M.; da Silva Horinouchi, C.D.; da Silveira Prudente, A.; Cechinel-Filho, V.; de Almeida Cabrini, D.; Otuki, M.F. Effect of a Garcinia gardneriana (Planchon and Triana) Zappi hydroalcoholic extract on melanogenesis in B16F10 melanoma cells. J. Ethnopharmacol. 2013, 148, 199-204.)。B16F10細胞を96ウェルプレートに7×10細胞/ウェルの密度で播種した。48時間培養後、細胞を100又は200μg/mLの濃度の試験化合物、又は500μMコウジ酸溶液に接触させ、37℃でさらに48時間インキュベートした。インキュベーション後、培地を除去し、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し、37℃、3時間MTT溶液(0.5mg/mL)でインキュベートした。培地を捨てて、エタノール200μLを添加した。マイクロプレート分光光度計(Bio-Rad Laboratories, Inc.)を用いて570nmにおける吸光度を測定した。結果を図4に示す。
(3)メラニン含有量測定
メラニン含有量はYoonらの方法に従って測定した(Yoon, N.Y.; Eom, T-K.; Kim, M-M.; Kim, S-K. Inhibitory effect of Phlorotannins isolated from Ecklonia cava on mushroom tyrosianse activity and melanin formation in mouse B16F10 melanoma cells. J. Agri. Food. Chem. 2009, 57, 4124-4129.)。すなわち、B16F10細胞を7×10細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。48時間培養後、細胞を20又は50μg/mLの試験化合物、又は500μMコウジ酸溶液に接触させた。1時間後、100μMイソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を加え、さらに37℃で48時間インキュベートした。細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し、次いで10%DMSOを含むNaOH(1N)100μLに溶解させた。サンプルを80℃で1時間インキュベートし、メラニンを可溶化するために混合した。混合ホモジネートの490nmにおける光学濃度を測定した。コントロール群において実験期間中に生成するメラニンの総量を100%とし、処置群における阻害率を計算した。結果を図5に示す。
(4)DK、DDK、ヒスピジン及びラブダジエンにおける細胞内チロシナーゼ活性
Liらの方法を若干修正してチロシナーゼ活性を測定した(Li, X.; Guo, L.; Sun, Y.; Zhou, J.; Gu, Y.; Li Y. Baicalein inhibits melanogenesis through activation of the ERK signaling pathway. Inter. J. Mol. Med. 2010, 25, 923-927.)。B16F10細胞を96ウェルプレートに7×10細胞/ウェルの密度で播種した。48時間培養後、細胞を20又は50μg/mLの試験化合物、又は500μMコウジ酸の溶液に接触させたた。1時間後、100μM イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を加え、さらに37℃で48時間インキュベートした。次いで、細胞を氷冷リン酸緩衝液で洗浄し、1%トリトン−X(90μL/ウェル)含有リン酸緩衝液(pH6.8)で溶解した。プレートを−80℃で30分間凍結した。解凍、混合した後、1%L−DOPA 10μLを各ウェルに加えた。37℃、2時間インキュベーションした後、90nmにおける吸光度を測定した。結果を図6に示す。
(5)H1〜H3における細胞内チロシナーゼ活性
Chanらの方法に従ってチロシナーゼ活性を測定した(Chan CF, Lai ST, Guo YC, Chen MJ. 2014. Inhibitory effects of novel synthetic methimazole derivatives on mushroom tyrosinase and melanogenesis. Bioorg Med Chem 22: 2809-2815.)。96ウェルプレートに、10% ウシ胎仔血清(FBS)と1% ペニシリン/ストレプトマイシンで補充したDMEM含有培養培地を用意し、B16F10細胞を、5×10細胞/ウェルの密度で播種し、24時間培養した。B16F10細胞をα-メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)100nMで処理した後、試験化合物で48時間処理した。B16F10細胞を50mM 氷冷リン酸緩衝液(pH 6.8)で2回洗浄し、1% トリトン−X含有50mM リン酸緩衝液(pH 6.8)90μLで溶解し、−80℃で30分間凍結した。解凍、混合した後、0.2% L−DOPA 20μLを各ウェルに加えた。37℃、2時間インキュベーションした後、490nmにおける吸光度を測定した。陽性対照としてミモシン(100μM)及びコウジ酸(50μM)を使用した。結果を図7に示す。
結果:
3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)は、チロシナーゼを活性化する強力なメラニン産生刺激因子である。チロシナーゼはメラニン形成における重要かつ律速段階に関与する酵素である。チロシナーゼは、チロシンの水酸化により3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)を生成し、次にL−DOPAの酸化によりドーパキノンとなる。メラニン産生刺激因子であるIBMXの存在下、DK、DDK、ヒスピジン、ラブダジエンのメラニン産生抑制活性を評価した。
B16F10メラノーマ細胞を、48時間IBMXの存在下でDK、DDK、ヒスピジン、ラブダジエン(20又は50μg/mL)で処理したところ、図5に示されるように、いずれも有意にメラニン含有量を減少させた。50μg/mLでは、DK、DDK、ヒスピジン、ラブダジエンのメラニン生成抑制率はそれぞれ71.9±5.33%、67.6±4.47%、67.2±5.93%、67.3±5.34%であり、陽性対照であるコウジ酸(500μM、50.5±4.94%)よりも優れたメラニン生成抑制作用を示した。
DK、DDK、ヒスピジン、ラブダジエンが細胞内チロシナーゼ活性を阻害するか否かを評価するために、B16F10メラノーマ細胞をDK、DDK、ヒスピジン、ラブダジエン(20又は50μg/mL)で48時間処理し、L−DOPAを加えてインキュベーションした。20μg/mLにおけるDK、DDK、ヒスピジン、ラブダジエンのチロシナーゼ阻害率は、それぞれ52.4±0.76%、46.0±1.87%、63.7±5.01%、58.7±0.84%であった。50μg/mLにおける阻害率は、それぞれ74.3±2.86%、55.4±4.48%、69.9±7.66%、62.3±6.99%であり、陽性対照であるコウジ酸(53.4±1.38%)よりも強い阻害活性を示した。またこれらの化合物は、B16F10メラノーマ細胞の生存率にほとんど影響を与えなかった。
H1〜3についても、一定の細胞内チロシナーゼ活性を示した。
実 施 例 2
活性酸素種(ROS)及び一酸化窒素(NO)生成阻害試験:
(1)肥満細胞の培養と分化:
細胞として、3T3−L1細胞を用い、これを、2%のグルタミンと、10(v/v)%のウシ胎児血清(CS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、コンフルエントになるまで培養した。コンフルエンシーに達した2日後に、細胞は、追加の2日間、10%FBS、0.5mM IBMX、1μMデキサメサゾンおよび10μMインシュリンを含むDMEM培地中で培養することによって脂肪細胞に分化するように刺激された。細胞は、それから更に、2日間、10%FBSと10μg/mLインシュリンを含むDMEM中で維持され、更に4日間、10%FBSのみを含むDMEMで培養された。
この結果、細胞の90%以上は、脂質滴が蓄積された3T3−L1脂肪細胞に分化していた。分化した3T3−L1細胞は、異なった濃度の試験化合物で処理され、試験中を通して5%のCOを含む加湿されたインキュベーター中で、37℃に維持した。
(2)細胞内活性酸素種(ROS)測定
3T3−L1細胞を96ウェルプレートに2×10細胞/mLの密度で播種し、上記と同様にしてコンフルエントになるまで培養し、分化させた。ROS生成は、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)アッセイによって検出した(Oliveira, H.R.; Verlengia, R.; Carvalho, C.R.; Britto L.R.; Curi, R.; Carpinelli, A.R. Pancreatic β-cells express phagocyte-like NAD(P)H oxidase. J. Diabetes. 2003, 52, 1457-1463.)。NBTは、ROSにより還元され、ホルマザンと呼ばれる暗青色で不溶性形態になる。分化後、細胞を10又は20μg/mLの濃度のラブダジエンで24時間インキュベートした。次いで、細胞を0.2%NBT含有PBS100μL中で90分間インキュベートした。暗青色のホルマザンを50%酢酸に溶解し、570nmにおける吸光度を測定した。
(3)細胞内一酸化窒素(NO)生成測定
3T3−L1細胞を96ウェルプレートに播種し、分化させた。亜硝酸塩生成(NO)アッセイを用いて測定した( Fang, X.K.; Gao, J.; Zhu, D.N. Kaempferol and quercetin isolated from Euonymus alatus improve glucose uptake of 3T3-L1 cells without adipogenesis activity. J. Life Sci. 2008, 82, 615-622.)。細胞を10又は20μg/mLの濃度のラブダジエンで24時間インキュベートした。上清(100μL)及びグリース試薬(100μL、1%スルファニルアミドと0.1%ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩含有5%リン酸の1:1混合物(v/v))を、96ウェルプレート中で混合し、室温で10分間インキュベートした。マイクロプレート分光光度計を用いて540nmにおける吸光度を測定し、亜硝酸ナトリウムで作成した標準曲線により亜硝酸塩濃度を推定した。
結果:
ラブダジエンは脂肪細胞におけるROS生成を有意に阻害した。濃度20μg/mLにおける阻害率は63.9±0.56%であった。またNO生成も有意に抑制し、NO生成阻害率は72.0±0.41%であった。
実 施 例 3
発毛促進作用:
(1)ヒト毛乳頭細胞の培養
ヒト毛乳頭細胞(HFDPC)を、50mL毛乳頭細胞成長培地(PCGM)、0.5mL ウシ胎仔血清(FSC)、0.5mL ウシ脳下垂体抽出物(BPE)、0.25mL シプロテロン(Cyp)及び0.25mLインスリン トランスフェリン トリヨードサイロニン(ITT)を含む51.5mL HFDPC成長培地で培養した。
(2)細胞増殖率
細胞増殖率は、チアゾリル ブルー テトラゾリウム 臭化物(MTT)アッセイを用いて、特開2006−219407号公報に記載された方法に基づいて行った。すなわち、ヒト毛乳頭細胞を1×10細胞/mL濃度に、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)及び10%ウシ胎仔血清(FBS)を含んだ培地で希釈した。次に、200μL 細胞培養液(2,000細胞/ウエル)をコラーゲンでコーティングした96ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO条件下で3日間培養した。培地を除き、DMEMで調整した試験物質200μLを添加し、4日間培養後、DMEMに溶解したMTT溶液(0.4mg/mL)100μLを加え、2時間培養し、未反応のMTTを取り除いた。2−プロパノール100μLを各ウェルに添加し、プレートを振とうさせ、マイクロプレートリーダーを用いて570nmと650nmにおける吸光度を測定した。陽性対照としてミノキシジル(10μM)を使用した。結果を図8及び図9に示す。
DK(図8(A))、DDK(同(B))及びヒスピジン(同(C))は、陽性対照であるミノキシジルよりも高い発毛促進効果があった。特に、ヒスピジンを10μM使用した場合、ミノキシジルと比較しておよそ2倍の効果があった。さらに、ククルビタシンIは最も効果に優れ、10nMでも20%程度の促進効果が得られた。これはミノキシジルの1000倍以上の効果である(同(D))。またアルテピリンC(同(E))も発毛促進効果を示した。
実 施 例 4
A549肺がん細胞の生存率:
細胞生存率はMTTアッセイを用いて測定した(Campos PM, Horinouchi CDS, Prudente AS, Cechinel-Filho V, Cabrini DA, Otuki MF. 2013. Effect of a Garcinia gardneriana (Planchon and Triana) Zappi hydroalcoholic extract on melanogenesis in B16F10 melanoma cells. J Ethnopharmacol 148: 199-204.)。A549肺がん細胞を96ウェルプレートに1×10細胞/ウェルの密度で播種し、24時間培養した。試験化合物を添加し、加湿5%CO、37℃の条件下で、72時間インキュベートした。インキュベーション後、MTT溶液(0.5mg/mL)20μLを各ウェルに加え、3時間インキュベートした。培地を捨てて、ホルマザン含有DMSO 200μLを添加し、10分間プレートを振とうした。細胞生存率は、マイクロプレートリーダー(BioTek, Synergy HT, Winooski, Vermont, USA)を用いて570nmにおける吸光度を測定した。陽性対照としてレスベラトロールを使用した。結果を表1に示す。
Figure 2017075122
ヒスピジン誘導体であるH1〜H3は、陽性対照であるレスベラトロールよりも、A549肺がん細胞の成長を阻害する効果が高かった。特にククルビタシンI(CBI)は最も高い阻害活性を示し、IC50は140nMであった。
本発明のチロシナーゼ阻害剤は、優れたメラニン生成抑制作用を有するとともに安全性が高いため、皮膚障害を予防・治療するための医薬や美白化粧料等として利用できるものである。また本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、細胞の増殖性に優れており、育毛剤として利用できるものである。さらに、本発明の肺ガン細胞成長抑制剤は、肺ガン細胞の成長を効果的に妨げることができ、医薬品等に利用できるものである。

Claims (9)

  1. 下記一般式(I);
    Figure 2017075122
    (式中、Rは、メチル基または水素原子を、Rは水酸基、メトキシ基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)
    で表されるデヒドロカワイン系化合物及び8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有するチロシナーゼ阻害剤。
  2. デヒドロカワイン系化合物(I)が、次の式(Ia)〜(If)
    Figure 2017075122
    の何れかである請求項1記載のチロシナーゼ阻害剤。
  3. 請求項1又は2記載のチロシナーゼ阻害剤を含有する美白化粧料。
  4. 下記一般式(I);
    Figure 2017075122
    (式中、Rは、メチル基または水素原子を、Rは水酸基、メトキシ基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)
    で表されるデヒドロカワイン系化合物を有効成分として含有する毛乳頭細胞増殖促進剤。
  5. デヒドロカワイン系化合物(I)が、次の式(Ia)〜(If)
    Figure 2017075122
    の何れかである請求項4記載の毛乳頭細胞増殖促進剤。
  6. 請求項4又は5記載の毛乳頭細胞増殖促進剤を含有する育毛剤。
  7. 下記一般式(I);
    Figure 2017075122
    (式中、Rは、メチル基または水素原子を、Rは水酸基、メトキシ基または水素原子を示し、点線は結合の存在または不存在を示す)
    で表されるデヒドロカワイン系化合物を有効成分として含有する肺ガン細胞成長抑制剤。
  8. デヒドロカワイン系化合物(I)が、次の式(Ia)〜(If)
    Figure 2017075122
    の何れかである請求項7記載の肺ガン細胞成長抑制剤。
  9. 請求項7又は8記載の肺ガン細胞成長抑制剤を含有する肺ガン治療薬。
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