JP2017074648A - ピストンリングの組付システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、異なる機種のピストンに応じてピストンリングの組付装置を交換して効率よくピストンリングを組み付けできるピストンリングの組付システムを提供することを目的とする。
【解決手段】組付システム1は、複数種類のピストンリングをそれぞれピストンPに組み付ける複数の組付装置100〜104を1組として複数組を予め配列して支持するとともに移送されるピストンPの種類に対応する組の組付装置を組付ラインに対向する動作位置に配置する設定部2と、複数のピストンPを組付ラインに沿って移送するとともに各ピストンPを組付装置に対向する組付位置に配置する移送部3と、組付位置に位置決めされたピストンPを組付装置に向かって移動させてピストンリングを組み付ける組付部4とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンの外周面に形成された溝に複数のピストンリングを嵌め込んで取り付けるピストンリングの組付システムに関する。
ピストンリングは、レシプロエンジン、圧縮機、油圧機器等のピストンの外周面の溝に嵌合する円環状の部材で一部分が切欠いて形成されている。ピストンリングとしては、トップリングやセカンドリングに用いる圧力を受けるための平板状のリング部材(プレッシャリング)と、余分なオイルをピストンの油穴に戻すオイルリングが一般に用いられている。
オイルリングは、ピストンの外周側から中心側へオイルを流すための空間を形成する波形状のスペーサエキスパンダと、これの上下に1枚ずつはめ込まれるサイドレールと呼ばれる薄い平板状のリング部材で構成される3ピースタイプが主にガソリンエンジン用として多く使用されている。サイドレールは効率良くオイルを掻き出すために薄く設定されており、例えばその厚さはプレッシャリングの1/3程度、厚さは0.3〜0.4mm程度である。
ピストンの外周面の溝にピストンリングを嵌め込むためには、ピストンリングを拡径状態に設定してピストンの外周面を通過させて溝まで移動させる必要があり、そのためのピストンリング組付装置が実用化されている。ピストンリング組付装置としては、例えば、特許文献1では、マガジン部に一列に積載した複数個のピストンリングを順次送出し、送出されたピストンリングをシャッタにより拘束してピストンの外周面に形成された溝に対向配置し、シャッターを開くことによりピストンリングが脱離して収縮力により溝に嵌め込む装置が記載されている。また、特許文献2では、ピストンリングが非拡径状態で積載されたマガジン部からピストンリングを順次送出し、先端に配置されたピストンリングをツメ部により押し出して拡径状態に設定し、拡径されたピストンリングをピストンの外周面に形成された溝まで移動させてピストンリングを嵌め込む装置が記載されている。
特開2011−255427号公報 特開2015−77660号公報
上述した特許文献では、トップリングやセカンドリングといった変形しにくい平板状のリング部材の組付けには好適であるが、波形状のスペーサエキスパンダや厚さが薄く変形しやすいサイドレールの組付けには適していないという問題があった。そのため、スペーサエキスパンダやサイドレールを組み付けるための装置が別途必要となり、1つのピストンに複数のピストンリングを取り付けるためには、複数種類の組付装置が必要となる。
ピストンリングの組付システムでは、各ピストンリングに対応する複数種類の組付装置を組付ライン沿って配列しておき、ピストンを取り付けたパレット等の支持台を組付けラインに順次搬送して、各組付装置に対向する位置に支持台を位置決めして各ピストンリングを順次組み付けることで、すべてのピストンリングをピストンに組み付けることができる。
しかしながら、こうしたピストンリングの組付システムでは、異なる機種のピストンに対しては、異なる種類のピストンリングを組み付けるため、それに応じて組付装置を交換しなければならない。したがって、組付ラインに搬送されるピストンの機種に応じて組付装置の交換作業が必要となるが、交換作業の間組付ラインを停止することになり、生産効率を低下させる要因となる。
そこで、本発明は、異なる機種のピストンに応じてピストンリングの組付装置を交換して効率よくピストンリングを組み付けできるピストンリングの組付システムを提供することを目的とする。
本発明に係るピストンリングの組付システムは、複数種類のピストンリングをそれぞれピストンに組み付ける複数の組付装置を1組として複数組を予め配列して支持するとともに移送される前記ピストンの種類に対応する組の前記組付装置を組付ラインに対向する動作位置に配置する設定部と、複数の前記ピストンを組付ラインに沿って移送するとともに各ピストンを前記組付装置に対向する組付位置に配置する移送部と、前記組付位置に位置決めされた前記ピストンを前記組付装置に向かって移動させて前記ピストンリングを組み付ける組付部とを備えている。さらに、前記設定部は、各組の前記組付装置をそれぞれ着脱可能に支持する複数の支持部材と、支持部材の両端部をそれぞれ支持する一対の回動板とを備え、複数の前記支持部材は、前記回動板の回動中心軸を中心とする円の周方向に沿って配列されて回動中心軸の方向に沿うように前記回動板の間に取り付けられており、前記回動板が回動中心軸を中心に回動して前記組付装置を前記動作位置に配置する。さらに、前記移送部は、複数の前記ピストンを前記組付ラインに沿って配列するようにセットするパレットと、複数の前記組付装置に対向する複数の前記組付位置に前記ピストンを順次配置するように前記パレットを移動する移動手段とを備えている。さらに、前記組付部は、前記ピストンを載置する載置手段と、前記載置手段を前記組付装置に向かって移動するように案内する案内手段と、前記案内手段を介して前記載置手段を前記組付装置に向かって移動させる駆動手段とを備えている。
本発明は、上記のような構成を有することで、複数種類のピストンリングをそれぞれピストンに組み付ける複数の組付装置を1組として複数組を予め配列して支持しておき、移送されるピストンの種類に対応する組の組付装置を組付ラインに対向する動作位置に配置するようにしているので、異なる機種のピストンに応じてピストンリングの組付装置を交換して効率よくピストンリングの組み付けを行うことができる。
本発明の実施形態であるピストンリングの組付システムに関する概略正面図である。 図1中のA方向から見た概略側面図である。 5種類のピストンリングに関する斜視図である。 組付用アクチュエータの上方の組付位置にピストンが位置決めされた状態を示す説明図である。 組付装置を支持部材に取り付けた状態を示す概略構成図である。 スペーサエキスパンダの組付装置に関する概略断面図である。 ガイド部材上に配置されたスライド部材を上下方向から見た説明図である。 図6に示すXの部分に関する一部拡大図である。 シャッタ部材により拡径状態のスペーサエキスパンダを移動させてピストンの溝に嵌め込む過程を示す説明図である。 サイドレールの組付装置に関する概略断面図である。 セカンドリングの組付装置に関する概略断面図である。 手動に切り換えた場合のシステム構成に関する概略正面図である。 図12中のB方向から見た概略側面図である。 手動用パレットの内部を正面から見た概略構成図及び側面から見た概略構成図である。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態であるピストンリングの組付システムに関する概略正面図であり、図2は、図1中のA方向から見た概略側面図である。ピストンリングの組付システム1は、複数種類のピストンリングをそれぞれピストンに組み付ける複数の組付装置を1組として複数組を予め配列して支持するとともに移送されるピストンの種類に対応する組の組付装置を組付ラインに対向する動作位置に配置する設定部2、複数のピストンをパレットにセットして組付ラインに沿って移送するとともに各ピストンを組付装置に対向する組付位置に配置する移送部3、及び、組付位置に位置決めされたピストンを組付装置に向かって移動させてピストンリングを組み付ける組付部4を備えている。
設定部2は、複数種類のピストンリングをそれぞれ組み付ける組付装置100〜104を1組として複数組を支持している。組付装置100〜104は、それぞれスペーサエキスパンダ、一対のサイドレール、セカンドリング、トップリングを順に組み付ける装置である。図3は、5種類のピストンリングに関する斜視図である。トップリングT及びセカンドリングSは、図3(a)及び図3(b)に示すように、平板状の厚いリング状で一部が切欠いた形状に形成されている。スペーサエキスパンダEは、図3(d)に示すように、波形状で一部が切欠いた形状に形成されており、サイドレールSIは、図3(c)及び図3(e)に示すように、平板状の薄いリング状で一部が切欠いた形状に形成されている。
そして、1組の組付装置100〜104は、1列に配列されて支持部材10に着脱可能に取り付けられている。後述するように、組付装置100〜104を組付ラインに沿って動作位置に設定し、ピストンPを各組付装置に対向する組付位置に順次移送して位置決めし、組付装置100ではスペーサエキスパンダEを取り付け、組付装置101では下側のサイドレールSIを取り付け、組付装置102では上側のサイドレールSIを取り付け、組付装置103ではセカンドリングSを取り付け、組付装置104ではトップリングTを取り付けて、ピストンPに対して、複数種類のピストンリングを組み付ける。この例では、組付装置100〜104は、異なる5種類のピストンに対応して、5組の組付装置100a〜104a、・・・、100e〜104eがそれぞれ5本の支持部材10a〜10eに着脱可能に取り付けられている。
支持部材10a〜10eは、両端部を一対の回動板11に回動可能に軸支されており、各支持部材は、回動板11の回動中心軸である中心軸Oを中心とする円の周方向に沿って等間隔で配列されて中心軸Oの方向に沿うように回動板11の間に取り付けられている。基台12には、上面に一対の取付部材13が立設されており、取付部材13の間には、軸部材14が架設されて回転可能に軸支されている。軸部材14の両端部には、取付部材13の内側において回動板11が取り付けられている。また、一方の取付部材13の外側には、駆動モータ15が取り付けられており、駆動モータ15の駆動軸は軸部材14と連結されて中心軸Oを中心に回転駆動するようになっている。したがって、駆動モータ15を回転駆動することで、回動板11が中心軸Oを中心に回動するようになる。ここで、中心軸Oに沿う方向を単に「軸方向」といい、軸方向と直交する方向を「径方向」という。この例では、軸方向は、水平方向に設定されており、径方向は、上下方向の鉛直面内に設定されている。
軸部材14の回転中心軸は、回動板11の中心軸Oと一致するように設定されており、一対の回動板11の間に取り付けられた支持部材10a〜10eは、軸部材14の回転駆動により軸方向に沿って水平に配列された状態で回動板11とともに回動するようになる。
他方の取付部材13とその内側の回動板11との間には、回動板11側に支持部材10a〜10eにそれぞれ取付固定された回動プーリ16a〜16eが配設されており、取付部材13側には、固定プーリ17及び連結プーリ16fが配設されている。回動プーリ16a〜16eは、回動板11を貫通して突設された支持部材10a〜10eの端部に固定されて、支持部材10a〜10eとともに一体的に回動するようになっている。連結プーリ16fは、回動プーリ16aに並列配置されて支持部材10aに取付固定されており、回動プーリ16aとともに一体的に回動するようになっている。
固定プーリ17は、取付部材13の内側に固定されるとともに中心部に貫通孔が形成されており、貫通孔に軸部材14が挿入されて取付部材13に軸支されている。固定プーリ17と連結プーリ16fとの間には、タイミングベルト18が張架されており、回動プーリ16a〜16eには、外周側にタイミングベルト19が張架されている。
固定プーリ17及び連結プーリ16fにタイミングベルト18が張架された連結状態で回動板11が軸部材14を中心に回動した場合、固定プーリ17は、取付部材13に固定されているため、軸部材14に対して相対的に回転するようになる。そのため、回動板11の回動に連動してタイミングベルト18が駆動されるようになり、連結プーリ16fを回転させる。連結プーリ16fの回転に同期して回動プーリ16aが回転するため、回動プーリ16a〜16eが一斉に回転して支持部材10a〜10eがその中心軸を中心に回転するようになる。支持部材10a〜10eの回転により支持部材10a〜10eに取り付けた組付装置100a〜104a、・・・、100e〜104eが支持部材10a〜10eを中心に回動するようになる。したがって、支持部材10a〜10eの回動板11における回動位置に応じて組付装置100a〜104a、・・・、100e〜104eを支持部材10a〜10eに対して回動させて常に上下方向の同じ方向に沿うよう設定することができる。
支持部材10a〜10eの一方の側の端部には、径方向に係止部材20a〜20eが一方の回動板11の内側に沿って延設されている。一方の取付部材13の外側には、係止装置21が取付固定されており、係止装置21は、係止バー21aを軸方向に進退動作させるようになっている。係止バー21aは、取付部材13及び回動板11の貫通孔を通して回動板11の内側に突出するように設定されている。そして、係止バー21aが一方の取付部材13及び回動板11を通して突出することで、係止バー21aは回動板11を固定するとともに、動作位置に設定された組付装置が支持された支持部材の係止部材に係止して、組付装置が動作位置からずれないように固定する。
所望の組の組付装置を組付ラインに対向する動作位置に設定する場合には、係止装置21の係止バー21aを予め後退させて回動板11から外れた状態に設定しておく。そして、駆動モータ15を駆動すると、駆動モータ15の回転駆動により軸部材14が回転して回動板11が回動し、所望の組の組付装置を支持する支持部材を組付ラインの上方に配置して駆動モータ15を停止する。回動板11の回動により配置された支持部材に対応して一方の回動板11に形成された貫通孔が一方の取付部材13の貫通孔に位置合せされて、係止バー21aが回動板11及び取付部材13を貫通可能な状態になる。
一方、駆動モータ15の回転駆動により軸部材14が回転して回動板11が回動するので、固定プーリ17の相対的な回転に連動して回動プーリ16a〜16eが回転するため支持部材10a〜10eが回転するようになり、支持部材10a〜10eに取り付けられた組付装置100a〜104a、・・・、100e〜104eが支持部材10a〜10eを中心に回動して上下方向に設定されるようになる。そのため、所望の1組の組付装置を組付ラインの上方の動作位置に常に上下方向に沿うように設定する。こうして、複数の組付装置を1組として同時に動作位置に配置して同じ上下方向に正確に設定することができる。
図1では、組付装置100b〜104bの組が動作位置に配置されて同じ上下方向に沿うように設定されている。駆動モータ15としてサーボモータを用いることで、組付装置を動作位置に高精度で位置決めすることが可能となる。所望の1組の組付装置を動作位置に設定した後、係止装置21の係止バー21を前進させて取付部材13及び回動板11の貫通孔を通過して支持部材の係止部材に係止させる。そのため、回動板11がずれないように固定されるとともに動作位置に設定された組付装置がずれないように固定される。
移送部3は、移送ローラが配列された移送経路に複数のピストンPをセットしたパレット30を載置して、組付ライン沿って移送する。基台12内には、パレット30を移送するための移送用シリンダ31が設けられており、移送用シリンダ31の駆動ロッドは、複数の移動部材32の1つに取り付けられている。移動部材32は、基台12内に軸方向に沿って架設されたレール33に嵌合しており、レール33に沿って軸方向に移動可能に設けられている。複数の移動部材32は、上面に支持体34を担持しており、支持体34は、上面が水平となるように取り付けられている。支持体34の上面には、複数の係合用シリンダ35が組付ラインに沿って所定間隔で立設されており、係合用シリンダ35の駆動ロッドは、上下方向に進退動作するようになっている。そして、係合用シリンダ35の駆動ロッドの先端部には、パレット30に係合する係合部35aが形成されている。
移送用シリンダ31を駆動することで、移動部材32が所定距離ずつ軸方向に移動するようになり、移動部材32の移動に伴い係合用シリンダ35が軸方向に移動するようになる。一方、係合用シリンダ35を駆動することで、係合部35aが上昇してパレット30の係合穴に挿入して係合状態となる。したがって、係合用シリンダ35を駆動して係合部35aをパレット30と係合状態に設定した後、移送用シリンダ31を駆動することで、パレット30を所定距離移動させることができる。なお、この例では、移送用シリンダ31及び係合用シリンダ35が、各組付装置に対向する各組付位置にピストンPを順次配置するようにパレット30を移動する移動手段に相当する。
基台12内には、組付ラインに沿って複数のロック用シリンダ36が設けられており、ロック用シリンダ36の駆動ロッドは、上下方向に進退動作するようになっている。ロック用シリンダ36の駆動ロッドの上端には支持体37が担持されており、支持体37は、上面が水平となるように取り付けられている。支持体37の上面には、複数のロック部材38が組付ラインに沿って所定間隔で立設されており、ロック用シリンダ36を駆動することで、ロック部材38が上昇してパレット30を所定位置に固定して動かないようにする。
この例では、図1において、左側からピストンPがセットされたパレット30が供給されると、パレット30の先端にストッパ39に当接して停止する。係合用シリンダ35及びロック用シリンダ36は、駆動ロッドが後退した状態となっており、係合部35a及びロック部材38は下降した状態に設定されている。まず、係合用シリンダ35を駆動して係合部35aを上昇させてパレット30と係合状態に設定した後、移送用シリンダ31を駆動してレール部材32を右側に所定距離移動させることで、パレット30が移送経路を右側に所定距離移送されるようになる。移送する所定距離(以下「セット距離」という)を動作位置に設定された組付装置100〜104の間の間隔と同一となるように設定することで、パレット30を組付装置100〜104の間隔と同じ距離だけ移送させることができる。
セット距離を移送した後係合用シリンダ35の駆動を停止して係合部35aを下降させて移送用シリンダ31によりレール部材32を左側に移動させて係合部35aを元の位置に戻し、再び係合用シリンダ35を駆動して係合部35aを上昇させてパレット30の次の係合穴と係合状態とし、移送用シリンダ31を駆動してパレット30をセット距離移送する。こうして、移送用シリンダ31及び係合用シリンダ35を駆動制御することで、パレット30をセット距離ずつ右側に移送させることができる。
パレット30にセットした4つのピストンPの間隔を動作位置に設定された組付装置100〜104の間隔と同一となるように設定しておけば、パレット30をセット距離ずつ移送することで、ピストンPを組付装置100〜104と対向する組付位置に順次位置決めすることができる。そして、パレット30をセット距離移送してピストンPを組付位置に位置決めする毎に、ロック用シリンダ36を駆動してロック部材38を上昇させることでパレット30を固定して動かないように設定し、ピストンPに対して組付装置100〜104によりピストンリングを組み付ける。
組付部4は、基台12内に5本の組付用アクチュエータ40a〜40eが組付ラインに沿って1列に配置されており、各組付用アクチュエータの作動ロッド41a〜41eは、上方のピストンPの組付位置に対向するように配置されて上下方向に進退動作するようになっている。図4は、組付用アクチュエータ40a〜40eの上方の組付位置にピストンPが位置決めされた状態を示す説明図である。パレット30は、矩形状のフレーム30aを備えており、フレーム30aの上面部には、4個のピストンPをセットするための4つの切欠きが形成されている。切欠きにピストンPを取り付けた軸部材を図4の紙面と直交する方向から挿入し、上面部に設けられた載置部30bにピストンPをセットする。載置部30bは、ピストンPの外形形状に合わせて凹部が形成されており、ピストンPを凹部に嵌め込むように載置することで、ずれないようにセットすることができる。
載置部30bの下側には、フレーム30aの上面部を貫通して一対の棒状の支持バー30cが上下方向に沿って下方に延設するように固定されている。フレーム30aの上面部の内側には一対の筒状のガイド部材30dが固定されており、支持バー30cは、ガイド部材30dを貫通するように挿入されて上下方向に移動自在となるようにガイドされる。支持バー30cの下端には、当接部材30eが固定されており、フレーム30aの下面部には、組付用アクチュエータ40a〜40eの作動ロッド41a〜41eに対向して挿入孔30fが上下方向に貫通するように形成されている。そして、作動ロッド41a〜41eを上昇させることで、作動ロッド41a〜41eの上部が挿入孔30fを通過し、当接部材30eに当接して上方に押し上げるようになる。そのため、点線で示すように、当接部材30eの上昇に伴って支持バー30cがガイド部材30dにガイドされながら上昇し、支持バー30cが上昇することで載置部30bにセットされたピストンPを上昇させるようになる。ピストンPの上昇位置は、作動ロッド41a〜41eの上昇位置を制御することで調整することができる。そのため、ピストンリングを組み付けるピストンPの溝に合わせて組付用アクチュエータ40a〜40eを駆動制御することで、組付装置100〜104に対してピストンPを上下動させてピストンリングを自動的に組み付けることができる。なお、この例では、載置部30bが載置手段に相当し、支持バー30c及びガイド部材30dが案内手段に相当し、組付用アクチュエータ40が駆動手段に相当する。
図5は、組付装置100を支持部材10に取り付けた状態を示す概略構成図である。組付装置100は、円筒状の外筒部材110を備えており、外筒部材110の内部には、後述するように、ピストンPに取り付けられるピストンリングを上下方向に1列に配列するように積載して下方に送出する供給部、送出されたピストンリングを1個ずつ内周側から押し拡げながら切り出して拡径する押出部、及び、ピストンリングを拡径された状態で保持しながらピストンPに向かって相対的に移動させてピストンPの外周面に形成された溝に嵌め込む取付部を備えている。
外筒部材110の上部には、接続部材111が立設されており、接続部材111を支持部材10に形成された切欠き部112に挿入して取り付けるようになっている。接続部材111は、上部111aが下部よりも大径に形成されており、中間がテーパ部111bに形成されている。切欠き112は、内周面がテーパ部111bに対応してテーパ状に形成されており、切欠き112に接続部材111の下部を通過させて挿入して、中間のテーパ部111bを切欠き112の内周面に当接することで、接続部材111を所定位置で支持するように取り付けることができる。接続部材111の上端部には係合部111cが設けられており、支持部材10に設けられたクランプ部材113の作動部を係合部111cに係合させて、クランプ部材113により接続部材111を押し下げるように固定することで、組付装置100を支持部材10に対して揺動しないようにしっかりと固定することができる。なお、組付装置100を支持部材10に着脱可能に取り付ける手段は、組付装置100を揺動しないように固定することができればよく、クランプ部材以外の公知の手段を用いることができる。
組付装置101〜104についても組付装置100と同様に支持部材10に着脱可能に取り付けられるようになっている。そのため、ピストンリングを組み付けるピストンの機種に応じて支持部材に取り付ける組付装置を交換してセットすることができ、様々な機種のピストンに容易に対応することが可能となる。また、移送されてくるピストンに対応して動作位置以外の待機位置にセットされている組付装置を交換することで、組付作業を行いながら交換作業を行うことができる。また、同じ機種のピストンに対応した組付装置を複数組セットしておけば、動作位置にセットしている組付装置のピストンリングがなくなった場合に、次の組付装置を動作位置にセットして組付作業を続行することができ、コンパクトな装置構成で生産効率を低下させることなく組付作業を行うことが可能となる。
図6は、組付装置100に関する概略断面図である。ピストンリングとしてスペーサエキスパンダEを組み付ける組付装置100は、外筒部材110内に、ピストンPに取り付けられるスペーサエキスパンダEを上下方向に積載して下方に送出する供給部120と、送出されたスペーサエキスパンダEを1個ずつ内周側から押し拡げながら切り出して拡径する押出部130、及び、スペーサエキスパンダEを拡径された状態で保持しながらピストンPに向かって相対的に移動させてピストンPの外周面に形成された溝に嵌め込む取付部140を備えている。
ピストンPには、外周面に3つの溝M1〜M3が周方向に所定間隔を空けて形成されている。溝M1〜M3は、全周にわたって所定幅で形成されており、溝M1には、トップリングTが嵌め込まれ、溝M2には、セカンドリングSが嵌め込まれてそれぞれ取り付けられる。また、溝M3には、オイルリングとして使用される波形状スペーサエキスパンダE及びその軸方向の両側に薄いサイドレールSIが嵌め込まれて取り付けられる。
供給部120は、上下方向から見て円形状の基体121の周縁部に軸方向に沿って立設されたマガジン部材122を備えている。マガジン部材122は、略円筒形でも良いし、複数本の支柱状でも良い。マガジン部材122の外周面の直径(支柱状の場合は全支柱に外接する円の直径)は、スペーサエキスパンダEの自由状態における内径よりわずかに小さく設定されており、スペーサエキスパンダEを供給部120に投入する作業が容易にできる。また、スペーサエキスパンダEを上下方向に配列しているので、最上位のスペーサエキスパンダEの上にリング状の重りを積載することで、スペーサエキスパンダEを隙間なく配列することができ、スペーサエキスパンダEを順番にスムーズに送出することが可能となる。
マガジン部材122の上端部には、連結板123が取付固定されており、連結板123には、一対のガイドバー124が上下方向に貫通して摺動自在に取り付けられている。一対のガイドバー124は、上端部が外筒部材110の内面側に垂設するように固定されており、連結板123の下側には、ストッパ125及び当接部材126が水平方向に連結するように取付固定されている。そして、連結板123の下面側がストッパ125の上面に当接することで、マガジン部材122が支持されている。連結板123と外筒部材110内面側との間には、一対のガイドバー124にバネ部材127が挿着されており、バネ部材127の付勢力により、連結板123はストッパ125に圧接した状態に設定されている。以上のように構成されているので、マガジン部材122は、ガイドバー124に沿って上下方向に移動可能に取り付けられている。
押出部130は、基体121のピストンP側に固定されたガイド部材131を備えている。ガイド部材131の上部は、上下方向から見て円形状に形成されており、上下方向に対して直角な平面部131bを備えている。平面部131bの外周径はピストンPの外周面の径よりも大きく設定されており、その外周径でピストンP側へ上下方向に沿って延出部131aが延設されている。ガイド部材131の外周面は、マガジン部材122の外径よりも大きくなっており、全周にわたってガイド部材131の外周縁が所定幅でマガジン部材122の下端から外方に向かって拡がるように形成されている。
延出部131aの内周面の径は、ピストンPの外周面の径よりわずかに大きく設定されている。そのため、延出部131aは、ピストンPが内部に挿入可能であり、厚さは薄く形成されている。延出部131aの外周面は、後述するように、拡径された状態のスペーサエキスパンダEが保持されてピストンPに向かって移動する摺動面となっている。
ガイド部材131の上部の平面部131bの中心部は開口しており、この開口部に、押圧部材132が設けられている。押圧部材132には、上方に向かって細くなるテーパ状に形成された押圧面132aが形成され、押圧面132aから基体121側に突出した先端部分132bは、基体121の中心部に形成された開口に挿着されている。そのため、押圧部材132は、上下方向に移動可能で、ピストンP側への移動量を制限するように取り付けられている。円柱状の本体部のピストンP側の端部には、円形状のフランジ部分132cが形成されており、ピストンPが延出部131aの内側に挿入された場合にピストンPの頂面がフランジ部分132cに当接して押圧部材132を上下方向に移動させるように作用する。そのため、フランジ部分132cの当接面の形状をピストンPの頂面に嵌合するように形成しておくことで、押圧部材132を確実に上下方向に移動させることができる。
ピストンPをフランジ部分132cに嵌合させて上下方向に移動させることで、押圧部材132が基体121及びガイド部材131に対して上下方向に移動していき、押圧面132aと先端部分132bとの間の段差部が基体121の開口に当接すると、押圧部材132とともに基体121及びガイド部材131が上下方向に移動するようになる。そして、基体121に固定されたマガジン部材122は、外筒部材110に固定されたガイドバー124に対して上下動自在に取り付けられているため、基体121及びガイド部材131は、外筒部材110に対して上下動可能に取り付けられている。
ガイド部材131の平面部131c上には、中心部から放射状に4個のスライド部材133が設けられている。図7は、ガイド部材131上に配置されたスライド部材133を上下方向から見た説明図である。スライド部材133は、90度ずつずらして平面部131b上に放射状に配置されており、中心側が押圧部材132に近接配置され、中心側の端面133aは、押圧部材132の押圧面132aに対向配置されて押圧面132aに当接するように傾斜面に形成されている。スライド部材133の周縁側には、板状の押出部材134が放射状に延設するように取り付けられて固定されており、押出部材134の両側には一対のスペーサ部材135が当接するように配置されてガイド部材131の平面部131b上に固定されている。押出部材134の外周側の先端面には、スペーサエキスパンダEの内周側に係合するように曲面状に形成されている。図7では、一点鎖線でスペーサエキスパンダEをセットする送出面121aが描かれており、点線でスペーサエキスパンダEの外周縁が描かれている。図7に示すように、押出部材134が中心側に移動した状態では、押出部材134の先端面は、送出面121aよりも中心側に配置されている。スペーサ部材135の周縁側の先端部は、送出面121aよりも外方に突出して、スペーサエキスパンダEの内周側の一部に当接して支持するようになっている。
スライド部材133の配置箇所に対応して基体121には溝部が形成されている。溝部以外の部分では、基体121にガイド部材131の平面部131bが当接してボルト等により固定されている。スライド部材133は、溝部内に形成された通路内で通路の内面に当接して平面部131bに沿って移動可能になっており、また一対のスペーサ部材135にガイドされることで、平面部131b上を中心側又は周縁側に向かって放射状に直進移動可能に取り付けられている。
スライド部材133の基体121側には、基体121内にバネ部材136を収容する空間が形成されており、バネ部材136はスライド部材133と並行配置されている。バネ部材136は、中心側端部がスライド部材133の係合部133bに当接するとともに周縁側端部が基体121内の係合部121bに当接しており、スライド部材133を中心側に向かって移動するように付勢している。そのため、押圧部材132が基体121に向かって上下方向に移動する場合、押圧面132aが4個のスライド部材133の端面133aを同時に押圧し、バネ部材136の付勢力に抗してスライド部材133を周縁側に向かって放射状に移動させる。そして、スライド部材133の移動により、後述するように、押出部材134がスペーサエキスパンダEを押し拡げながら1個ずつ切り出して拡径する押出動作が行われる。押圧部材132が元の位置に戻ることで、スライド部材133はバネ部材136の付勢力により中心側に引き寄せられるように径方向に移動して元の位置に設定される。
取付部140は、送出面121aの外周を囲むように配置されたリング状のシャッタ部材141を備えており、シャッタ部材141は、外筒部材110の下端側開口の内周側に固定されている。シャッタ部材141は、延出部131aの外周面の径よりわずかに大きい内径に形成されており、ガイド部材131が上下方向に移動していく場合に、延出部131aがシャッタ部材141内を通過していくようなる。その際に、延出部131aの外周面に拡径された状態で嵌め込まれたスペーサエキスパンダEにシャッタ部材141が係合してピストンPの方へ摺動させていく。そして、延出部131aの端部がピストンPの溝M3に到達したタイミングでスペーサエキスパンダEが延出部131aから外れて溝M3に嵌め込まれて取り付けられる。
図8は、図6に示すXの部分に関する一部拡大図であり、押出動作の過程を示している。図8(a)に示すように、送出面121aに上下方向に積載された複数個のスペーサエキスパンダEは、隣接するスペーサエキスパンダE同士が凹凸形状で重なり合って係合した状態で積載されるようになる。積載された複数個のスペーサエキスパンダEの配列から先頭の1個だけを内周側から押し拡げる場合、押し拡げようとするスペーサエキスパンダEの凹凸形状が周方向に拡がろうとするため、隣接する次のスペーサエキスパンダEと係合している状態では1個だけ確実に拡げることはできない。そのため、先頭のスペーサエキスパンダEを押し拡げる際に、次のスペーサエキスパンダEとの間の係合状態から外して行う必要がある。
そのため、スペーサ部材135により、先頭のスペーサエキスパンダEと平面部131bとの間の間隔を空けて、先頭のスペーサエキスパンダEを上下方向に移動させて次のリング部材Eとの間の係合状態を外せる間隔に設定する。また、押出部材134は、積載された状態での次のスペーサエキスパンダと平面部131bとの間の間隔とほぼ同じ厚さに設定し、先頭のスペーサエキスパンダEが上下方向に移動する際に、次のスペーサエキスパンダEが一緒に移動しないように押出部材134で支持して同じ位置に保持されるようにする。
図8(b)では、押圧部材132がピストンPにより移動してスライド部材133が周縁側に直進移動した状態を示しており、スライド部材133の移動により押出部材134は、先頭のスペーサエキスパンダEの内周側に当接して外方に向かって径方向に押し拡げるように動作する。その際に、スペーサ部材135に当接する先頭のスペーサエキスパンダEは、押出部材134によりわずかに径方向に押し拡げられてスペーサ部材135から外れて平面部131b上に押し出されるとともに次のスペーサエキスパンダEは押出部材134に支持されて同じ位置に保持される。そのため、先頭のスペーサエキスパンダEは、次のスペーサエキスパンダEとの間の係合が外れた状態となる。
図8(c)では、押圧部材132をピストンPによりさらに移動させていくことで、次のスペーサエキスパンダEとの間の係合が外れた状態の先頭のスペーサエキスパンダEを押出部材134によりさらに押し拡げて、延出部131aの外周面よりも外方に拡げた拡径状態に設定する。先頭のスペーサエキスパンダEは、次のスペーサエキスパンダとの間の係合状態から外れているので、1個ずつスムーズに拡径状態に設定することができる。
そして、ピストンPにより押圧部材132をさらに上昇させて押圧部材132が基体121に当接することで、押圧部材132とともに基体121及びガイド部材131が上昇するようになり、それに伴い外筒部材110の内周面に固定されたシャッタ部材141がピストンPに接近するように相対移動するようになる。
図9は、シャッタ部材141により拡径状態のスペーサエキスパンダEを移動させてピストンPの溝に嵌め込む過程を示す説明図である。押圧部材132とともに基体121及びガイド部材131が移動するように設定された状態では、ガイド部材131内にピストンPが挿入されてピストンPの溝M3が延出部131aの端部の外側に近接配置された状態に設定される。そして、シャッタ部材141がガイド部材131に対して相対移動していくことで、押出部材134の先端部において拡径状態に設定されたスペーサエキスパンダEは、上下方向に相対移動するシャッタ部材141に接触して押出部材134の先端部から外れて延出部131aの外周面に移動するようになる。延出部131aの外周面は、ピストンPの外径よりもわずかに大きい径に設定されているので、延出部131aの外周面に移動したスペーサエキスパンダEは拡径状態を維持しており、拡径することで収縮しようとする弾性力により外周面に密着保持された状態となる。
さらに、ピストンPを外筒部材110内へ挿入するように上昇させていくことで、シャッタ部材141が延出部131aに沿ってさらに上下方向に相対移動させ、スペーサエキスパンダEをシャッタ部材141に当接した状態で強制的に移動させる。そして、延出部131aの端部に到達した際に、延出部131aから外れてピストンPの溝M3に嵌め込まれて取り付けられる。その際に、ピストンPとともに上昇する押圧部材132の先端部分132bが当接部材126に当接して、それ以上上昇しないように停止するようになっており、確実にスペーサエキスパンダEを取り付けることができる。
スペーサエキスパンダを取り付けた後、ピストンPを押圧部材132から離間させる方向に下降させることで、押圧部材132に対して上下方向に作用する力がなくなり、バネ部材136により押出部材134が中心側に引き寄せられるように元の位置に設定される。そのため、次のスペーサエキスパンダEが送出されて、スペース部材135に当接した位置にセットされる。
以上説明したように、スペーサエキスパンダEを組み付けるピストンPの溝M3に合わせて組付用アクチュエータ40aを駆動制御することで、組付装置100に対してピストンPを上下動させてスペーサエキスパンダEを自動的に組み付けることができる。
図10は、組付装置101に関する概略断面図である。ピストンリングとしてサイドレールSIを組み付ける組付装置101は、外筒部材110内に、ピストンPに取り付けられるサイドレールSIを上下方向に積載して送出する供給部220と、送出されたサイドレールSIを1個ずつ内周側から押し拡げながら切り出して拡径する押出部230、及び、サイドレールSIを拡径された状態で保持しながらピストンPに向かって相対的に移動させてピストンPの外周面に形成された溝に嵌め込む取付部240を備えている。
供給部220は、組付装置100の供給部120と同様の構成を備えており、サイドレールSIを上下方向に積載して下方に送出するようになっている。押出部230は、組付装置100の押出部130のガイド部材131、押圧部材132、スライド部材133、押出部材134及びバネ部材136と同様の部材231〜236を備えており、ピストンPが上昇して押圧部材232に当接して上昇させることで、スライド部材233が押出部材234とともに外方に向かって移動し、押出部材234が先頭のサイドレールSIを内側から押し拡げるように拡径させるようになっている。
取付部240は、ガイド部材231の上面の平面部231bの外周を囲むように配置されたリング状の保持部材241を備えており、保持部材241は、外筒部材110の下端部に固定されている。保持部材241は、延出部231aの外周面の径よりわずかに大きい内径で内周面が形成されており、内周面には、平面部231bに当接しているサイドレールSIに対向する位置に、全周にわたって径方向に拡がるように収容溝部241aが形成されている。収容溝部241aの軸方向の溝幅は、サイドレールSIの厚さよりもわずかに大きく、収容溝部241aの溝の深さはサイドレールSIの幅とほぼ同じになるように設定されている。そのため、内側から押し拡げられたサイドレールSIが収容溝部241a内に挿入されて径方向に拡径された状態で保持されるようになっている。サイドレールSIは、薄い平板状に形成されているため、内側から押し拡げようとする場合に厚さ方向に逃げるように変形してしまうため、予め保持部材241でガイドしながら押し拡げることで確実に拡径させることができる。
ピストンPを上昇させて押圧部材232とともに基体221及びガイド部材231が移動するように設定された状態では、ガイド部材231内にピストンPが挿入されてピストンPの溝M3内のスペーサエキスパンダEの下側が延出部231aの端部の外側に近接配置された状態に設定される。
そして、保持部材241内にサイドレールSIを拡径された状態で保持しながら、ピストンPをさらに上昇させることで、図9において説明した動作と同様に、保持部材241がガイド部材231に対して相対移動していくことで、押出部材234の先端部において拡径状態に設定されたサイドレールSIは、保持部材241内に保持された状態で押出部材234の先端部から外れて延出部231aの外周面に移動するようになる。
さらに、ピストンPを外筒部材110内へ挿入するように上昇させていくことで、保持部材241が延出部231aに沿ってさらに上下方向に相対移動し、サイドレールSIを保持部材241内で拡径された状態で強制的に移動させる。そして、延出部231aの端部に到達した際に、延出部231aから外れてピストンPの溝M3に嵌め込まれてスペーサエキスパンダEの下側に取り付けられる。
サイドレールSIを取り付けた後、ピストンPを押圧部材232から離間させる方向に下降させることで、押圧部材232に対して上下方向に作用する力がなくなり、バネ部材236により押出部材234が中心側に引き寄せられるように元の位置に設定される。そのため、次のサイドレールSIが送出されて、ガイド部材231の平面部231bに当接した位置にセットされる。
組付装置102は、組付装置101と同様の構成で、サイドレールSIをピストンPの溝M3に嵌め込んでスペーサエキスパンダEの上側に取り付けるように設定されている。
図11は、組付装置103に関する概略断面図である。ピストンリングとしてセカンドリングSを組み付ける組付装置103は、外筒部材110内に、ピストンPに取り付けられるセカンドリングSを上下方向に積載して送出する供給部320と、送出されたセカンドリングSを1個ずつ内周側から押し拡げながら切り出して拡径する押出部330、及び、セカンドリングSを拡径された状態で保持しながらピストンPに向かって相対的に移動させてピストンPの外周面に形成された溝M2に嵌め込む取付部340を備えている。
供給部320は、組付装置101の供給部220と同様の構成を備えており、セカンドリングSを上下方向に積載して下方に送出するようになっている。押出部330は、組付装置101の押出部230のガイド部材231、押圧部材232、スライド部材233、押出部材234及びバネ部材236と同様の部材331〜336を備えており、ピストンPが上昇して押圧部材332に当接して上昇させることで、スライド部材333が押出部材334とともに外方に向かって移動し、押出部材334が先頭のセカンドリングSを内側から押し拡げるように拡径させるようになっている。
取付部340は、ガイド部材331の上面の平面部331bの外周を囲むように配置されたリング状のシャッタ部材341を備えており、シャッタ部材341は、外筒部材110の下端部に固定されている。シャッタ部材341は、延出部331aの外周面の径よりわずかに大きい内径で内周面が形成されている。
ピストンPを上昇させて押圧部材332とともに基体321及びガイド部材331が移動するように設定された状態では、ガイド部材331内にピストンPが挿入されてピストンPの溝M2が延出部331aの端部の外側に近接配置された状態に設定される。
図9で説明した動作と同様に、シャッタ部材341がガイド部材331に対して相対移動していくことで、押出部材334の先端部において拡径状態に設定されたセカンドリングSは、上下方向に相対移動するシャッタ部材341に接触して押出部材334の先端部から外れて延出部331aの外周面に移動するようになる。延出部331aの外周面は、ピストンPの外径よりもわずかに大きい径に設定されているので、延出部331aの外周面に移動したセカンドリングSは拡径状態を維持しており、拡径することで収縮しようとする弾性力により外周面に密着保持された状態となる。
さらに、ピストンPを外筒部材110内へ挿入するように上昇させていくことで、シャッタ部材341が延出部331aに沿ってさらに上下方向に相対移動させ、セカンドリングSをシャッタ部材341に当接した状態で強制的に移動させる。そして、延出部331aの端部に到達した際に、延出部331aから外れてピストンPの溝M2に嵌め込まれて取り付けられる。
セカンドリングSを取り付けた後、ピストンPを押圧部材332から離間させる方向に下降させることで、押圧部材332に対して上下方向に作用する力がなくなり、バネ部材336により押出部材334が中心側に引き寄せられるように元の位置に設定される。そのため、次のセカンドリングSが送出されて、ガイド部材331の平面部331bに当接した位置にセットされる。
組付装置104は、組付装置103と同様の構成で、トップリングTをピストンPの溝M1に嵌め込んで取り付けるように設定されている。
以上説明したように、各組付装置においてピストンPを上昇して外筒部材に挿入することでピストンリングを組み付けることができるので、パレットを移送しながら順次複数種類のピストンリングを効率よく確実に取り付けることが可能となる。また、ピストンの機種に応じた組付装置の組を予めセットしておくことで、移送されるピストンの機種に合わせて短時間で容易に動作位置にセットすることができ、生産性の向上を図ることが可能となる。また、組付装置の交換作業を1つの駆動源で行うことができ、コンパクトなシステム構成であるので、組付装置に対するピストンリングの補充作業等の作業効率の向上を図ることが可能となる。
上述した例では、ピストンリングを自動的に組み付けるように構成されているが、手動に切り換えるようにシステム構成することもできる。図12は、手動に切り換えた場合のシステム構成に関する概略正面図であり、図13は、図12中のB方向から見た概略側面図である。この例では、上述した実施形態と同様に、組付装置100〜104の組を支持部材10で支持しており、支持部材10は、回動板11’に軸支されている。そして、回動板11’は、上述した実施形態と同様に、軸部材14及び取付部材13を介して基台12’上に取り付けられている。
回動板11’には、手動で回動させるためのハンドル11a’が設けられており、ハンドル11a’を把持して回動板11’を回動させることで、ピストンの機種に対応して組付装置の組を動作位置にセットすることができる。所望の組付装置を動作位置に設定したのち、上述した実施形態の係止バー21と同様に、係止バー21’を手動で差し込んで回動板11’を固定し、組付装置が動作位置からずれないように固定する。
ピストンPをセットする手動用パレット50は、2個のピストンPをセットするように構成されており、手動用パレット50の正面側に設けられた上下動レバー51を操作して手動でピストンPを上下動できるようになっている。基台12’には、手動用パレット50を組付ラインに沿って移動させるレール52が取付固定されており、手動用パレット50の下側に取り付けた移動部材をレール52に嵌合させて、手動用パレット50を手動で移送させてピストンを組付位置に設定することができる。手動用パレット50の背面側には、ガイド板53が上下方向に立設するように取り付けられており、ピストンPが上下方向に移動するようにガイドするようになっている。
図14は、手動用パレット50の内部を正面から見た概略構成図(図14(a))及び側面から見た概略構成図(図14(b))である。図14(a)では、理解を容易にするために、上下動レバー51を省略している。手動用パレット50は、フレーム50aの上部にピストンPを保持する保持部材50bが設けられており、保持部材50bの下面には、一対のガイドバー50cがフレーム50aを貫通して移動可能に垂設されている。ガイドバー50cの下端には、連結板50dが取り付けられており、連結板50dの中間部50eには、ガイド板53の上下方向に形成されたガイド溝53aに嵌合する突起50fが背面側に突設されている。連結板50dの両側には、上下動レバー51に連結される一対の係合突起50gが下面に設けられている。
上下動レバー51は、一対の作動アーム51aの一方の端部に把持バー51bが固定されており、作動アーム51aは、フレーム50aの両側に固定された軸支部材51cに回動可能に軸支されており、作動アーム51aの他方の端部に形成された長孔51dが係合突起50gに遊嵌するように取り付けられている。
上下動レバー51の把持バー51bを手で把持して下方に向かって押し下げることで、作動アーム51aが回動して、連結板50dが持ち上げられる。連結板50dは、ガイド板53のガイド溝に沿って上昇するようになるため、連結板50dとともにガイドバー50c及び保持部材50bが上昇する。そのため。ピストンPが組付装置に向かって上昇してピストンリングの組み付けを行うことができる。フレーム50aの内側には、ガイドバー50cが貫通するストッパ50hが設けられており、上昇する連結板50dがストッパ50hに当接することで、それ以上連結板50dが上昇しないように設定されている。
そして、手動用パレット50をレール52に沿って移送させて順次組付装置に対向する組付位置に位置決めしてピストンリングをピストンPに組み付けることで、自動で行う場合と同様に組付作業を行うことができる。
このように、手動で組付システムを効率よく正確に動作させることができるので、自動で動作する組付システムが停電や故障等により停止した場合でも、手動のシステム構成に短時間で切り換えて生産を続行することが可能となる。
1・・・ピストンリングの組付システム、2・・・設定部、3・・・移送部、4・・・組付部、10・・・支持部材、11・・・回動板、12・・・基台、13・・・取付部材、14・・・軸部材、15・・・駆動モータ、16a〜16e・・・回動プーリ、16f・・・連結プーリ、17・・・固定プーリ、18・・・タイミングベルト、19・・・タイミングベルト、20・・・係止部材、21・・・係止装置、30・・・パレット、31・・・移送用シリンダ、32・・・移動部材、33・・・レール、34・・・支持体、35・・・係合用シリンダ、36・・・ロック用シリンダ、37・・・支持体、38・・・ロック部材、39・・・ストッパ、40・・・組付用アクチュエータ、41・・・作動ロッド、50・・・手動用パレット、51・・・上下動レバー、52・・・レール、53・・・ガイド板、100〜104・・・組付装置、110・・・外筒部材、111・・・接続部材、112・・・切欠き、113・・・クランプ部材、120・・・供給部、121・・・基体、122・・・マガジン部材、123・・・連結板、124・・・ガイドバー、125・・・ストッパ、126・・・当接部材、127・・・バネ部材、130・・・押出部、131・・・ガイド部材、132・・・押圧部材、133・・・スライド部材、134・・・押出部材、135・・・スペーサ部材、136・・・バネ部材、140・・・取付部、141・・・シャッタ部材、220・・・供給部、221・・・基体、222・・・マガジン部材、230・・・押出部、231・・・ガイド部材、232・・・押圧部材、233・・・スライド部材、234・・・押出部材、236・・・バネ部材、240・・・取付部、241・・・保持部材、320・・・供給部、321・・・基体、322・・・マガジン部材、330・・・押出部、331・・・ガイド部材、332・・・押圧部材、333・・・スライド部材、334・・・押出部材、336・・・バネ部材、340・・・取付部、341・・・シャッタ部材、E・・・スペーサエキスパンダ、SI・・・サイドレール、S・・セカンドリング、T・・・トップリング、M1〜M3・・・溝、P・・・ピストン

Claims (5)

  1. 複数種類のピストンリングをそれぞれピストンに組み付ける複数の組付装置を1組として複数組を予め配列して支持するとともに移送される前記ピストンの種類に対応する組の前記組付装置を組付ラインに対向する動作位置に配置する設定部と、複数の前記ピストンを組付ラインに沿って移送するとともに各ピストンを前記組付装置に対向する組付位置に配置する移送部と、前記組付位置に位置決めされた前記ピストンを前記組付装置に向かって移動させて前記ピストンリングを組み付ける組付部とを備えているピストンリングの組付システム。
  2. 前記設定部は、各組の前記組付装置をそれぞれ着脱可能に支持する複数の支持部材と、支持部材の両端部をそれぞれ支持する一対の回動板とを備え、複数の前記支持部材は、前記回動板の回動中心軸を中心とする円の周方向に沿って配列されて回動中心軸の方向に沿うように前記回動板の間に取り付けられており、前記回動板が回動中心軸を中心に回動して前記組付装置を前記動作位置に配置する請求項1に記載のピストンリングの組付システム。
  3. 前記移送部は、複数の前記ピストンを前記組付ラインに沿って配列するようにセットするパレットと、複数の前記組付装置に対向する複数の前記組付位置に前記ピストンを順次配置するように前記パレットを移動する移動手段とを備えている請求項1又は2に記載のピストンリングの組付システム。
  4. 前記組付部は、前記ピストンを載置する載置手段と、前記載置手段を前記組付装置に向かって移動するように案内する案内手段と、前記案内手段を介して前記載置手段を前記組付装置に向かって移動させる駆動手段とを備えている請求項3に記載のピストンリングの組付システム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のピストンリングの組付システムに用いられる組付装置であって、前記支持部材に着脱可能に取り付けられる接続部材が設けられた外筒部材内に、前記ピストンに取り付けられるピストンリングを上下方向に積載して下方に送出する供給部と、送出された前記ピストンリングを1個ずつ内周側から押し拡げながら切り出して拡径する押出部と、前記ピストンリングを拡径された状態で保持しながら前記ピストンに向かって相対的に移動させて前記ピストンの外周面に形成された溝に嵌め込む取付部とを備えている組付装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111230472A (zh) * 2019-03-14 2020-06-05 重庆炜海自动化科技有限公司 连杆活塞销挡圈自动装配机

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