JP2017074031A - 希少対馬産オニユリの栽培方法 - Google Patents

希少対馬産オニユリの栽培方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017074031A
JP2017074031A JP2015216111A JP2015216111A JP2017074031A JP 2017074031 A JP2017074031 A JP 2017074031A JP 2015216111 A JP2015216111 A JP 2015216111A JP 2015216111 A JP2015216111 A JP 2015216111A JP 2017074031 A JP2017074031 A JP 2017074031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moss
tsushima
cultivating
lily
rooted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015216111A
Other languages
English (en)
Inventor
尭三 久住呂
Kyozo Kujuro
尭三 久住呂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2015216111A priority Critical patent/JP2017074031A/ja
Publication of JP2017074031A publication Critical patent/JP2017074031A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

【課題】バイオ技術を利用することなく、無菌状態にする設備も利用しないで対馬産黄金オニユリの栽培を大幅に簡略化でき、更には高効率でしかも短期間に栽培する方法を提供する。【解決手段】トレイ状の容器内9に水苔上にムカゴ1を撒き、又は水苔8にムカゴを埋め込み、発根までの期間を前記水苔が常時保水した状態を維持し、発根可能な温度範囲にて遮光させて栽培し、発根したムカゴ、又は発根後に発芽したムカゴをピートモスに植え替えるすることを特徴とする。【選択図】図2

Description

発明の詳細な説明
本発明は、オニユリの栽培方法に関し、特に栽培が困難とされている対馬産黄金オニユリのムカゴからの発根率を略100%とし、越冬後の該発根したムカゴの発芽率を80%以上にする対馬産黄金オニユリの栽培方法に関する。
北半球のアジアを中心に亜熱帯から温帯、亜寒帯にかけて広く分布しており、品種は約130品種、日本には15種があり7種は日本特産種である。山岳地帯を含む森林や草原に自生することが多いが、数種は湿地に自生する。一般的に、石灰質でない弱酸性の土壌を好み、日本の園芸では秋植えの球根草として扱われる。代表的な種に、ヤマユリ、オニユリ、カノコユリ、ササユリ、テッポウユリ、オトメユリなどがある。形態の特徴としては、鱗茎(球根)を有する。茎を高く伸ばし、夏に漏斗状の花を咲かせる。植栽時期は10−11月。5−8月ごろ開花する。
系統・分類として、ユリ属は以下の亜属に分類される。
1) ヤマユリ亜属(Archelirion):ヤマユリ、ハカタユリ、ササユリなど
2) テッポウユリ亜属(Leucolirion):タカサゴユリ、テッポウユリなど
3) リリオイプス亜属(Liriotypus):マドンナリリーなど
4) カノコユリ亜属(Martagon):タケシマユリ、マルタゴンリリーなど
5) スカシユリ亜属(Pseudolirion):スカシユリ、エゾスカシユリなど
6) シノマルタゴン亜属(Sinomartagon):ヒメユリ、オニユリなど
栽培方法としては、病気にかかって球根が腐りやすいため排水のよい清潔な土に、球根の上にも根が出るので地表から最低球根1個分以上は下の土に植える。加湿に弱いので梅雨の時期の病気に気をつける。
また極度の乾燥を嫌うので気温が高い時期は気をつけるとされている。
増殖には種子をまいて実生を得る方法や球根の鱗茎を挿す鱗茎挿しなどがある。これらの増殖法では多くの土地と人手を必要とするばかりでなく、近年ではウイルス病の蔓延によりユリ種苗の生育速度の低下や花の品質低下が問題となっている。これら問題点を改良するために、植物組織培養によるユリ種苗の増殖研究が行われている。
特許文献1には、植物組織片から子球を形成させる組織培養の初期工程では従来と同じ方法による固体培養法を行い、その後が液体培養を組み合わせた増殖法で増殖率が大幅に向上することが報告されている。
しかし、該方法では培養の効率が悪いと言った問題がある。
特許文献2には、ユリ属植物から種子を採取し、該種子を固体培地に播種して発芽させる種子発芽過程と、得られた発芽体を液体培養して球根を生産する球根培養過程とを備える技術であり、種子発芽過程に播種した後、温度を25〜35℃、とする高温状態に1〜3ヶ月程度保持し、引き続いて温度を10〜20℃程度とする低温状態に保持して発芽を促進させる高温−低温処理を含み液体通気培養と液体振盪培養とのいずれか一方で行い、球根培養過程で得られた球根を0〜10℃の温度下に保管した後に該球根を栽培することで組織培養の開始から開花球根が得られるまでに4年程度必要であったが当該技術にて1年より短期間栽培して開花球根を生産することが記載されている。
一方、希少ユリの栽培を成功した事例として、非特許文献1には、昭和30年代にほぼ絶滅して「幻のユリ」と呼ばれた平戸市固有種「キヒラトユリ」をバイオ技術で保護・増殖していることが掲載されている。菌が入らないように無菌状態のバイオ実験設備でピンセットをガスバーナーで消毒。瓶中の寒天状の培地で培養している球根の鱗片を2〜3ヶ月に一度、新しい培地に入れ替えて生育させている方法が採用されている。
特開昭55−15734号公報 特開平8−172954号公報
西日本新聞 佐世保版 2015年7月28日 24ページ
上記課題に鑑み、発明者は誠意工夫の結果、バイオ技術を利用することなく、無菌状態にする設備も利用しないで対馬産黄金オニユリの栽培を大幅に簡略化でき、更には高効率でしかも短期間に栽培する方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、第一の発明は、例えばトレイ状の容器内に水苔上にムカゴを撒き、又は水苔にムカゴを埋め込み、発根までの期間を前記水苔が常時保水した状態を維持し、遮光させて栽培することを特徴とする対馬産黄金オニユリの栽培方法である。尚、発根までの期間とは発根途中、若しくは発根が完了するまでの期間を言う。
植物栽培での一般的な水苔の利用は、蘭の根を該水苔で囲い、土壌に植え付ける方法が有名である。蘭栽培に於ける水苔の利用目的は、保水性を確保すること、及び植え替えが必要とされるために水苔を根に巻き込むことで植え替え時の解体作業で根を傷めることを防止するためである。
水苔自体の特性として、水苔の細胞はスポンジに似たつくりになっているため水分を含みやすく乾燥時重量の最大2000%の水を吸収することができるとされている。更に、高酸度の環境では植物を分解するバクテリアが繁殖できないこと、及び抗菌性もあるために無菌室設備が不要となる。
第二の発明は、前記水苔を利用したムカゴの発根が止まるまでの環境温度は10℃以上30℃以下、好ましくは20℃から25℃であることを特徴とする請求項1記載の対馬産黄金オニユリの栽培方法である。
対馬産黄金オニユリのムカゴの発根は、春先から初夏に掛けてであるため自然温度環境に合わせることを特徴としている。言い換えれば、温度制御するための設備が不要であることを意味している。
第三の発明は、前記水苔を利用したムカゴの発根が完了するまでの直射日光に対する遮光条件が25%以上100%以下であることを特徴とする請求項1記載の対馬産黄金オニユリの栽培方法である。
自然環境に生息しているユリの生殖場所を観察すると、同じ敷地内でも日当たりが良い場所よりも日当たりの悪い場所にユリは成長しており、遮光することで前記黄金オニユリの成長が促進できることを見出した。
第四の発明は、前記水苔を利用して発根したムカゴ、又は発根後に発芽したムカゴをピートモスに植え替えることを特徴とする対馬産黄金オニユリの栽培方法である。
本発明の対馬産黄金オニユリの栽培方法は、今日までに報告されている組織培養法に必要な無菌状態にする設備や攪拌培養器にセットして液体振盪培養する装置の準備、寒天培地など培養操作に多くの人手と費用が掛からず、更には希少種のユリの栽培効率も向上し、又短期間にて栽培することが可能となる。
ユリの略図を示す。 本発明の水苔を用いたムカゴからの栽培方法を示す。
以下、本発明に係る実施の形態を図面により説明するが、本発明はこれらに限定されるものでなく、一例として水苔にムカゴを撒く際に水苔のみでなく通水性の高い小石や砂などを混ぜても良い。
図1は、対馬産黄金オニユリの開花後の状態を示す説明図である。
当該オニユリの球根3の上に出てくる上根2で栄養を吸収し、球根3の下に出てくる下根4にて種子5や茎6を支えている。球根3より成長した茎6には、茎1と葉7の根元にムカゴ1が成長する。当該ムカゴは一茎から数十個ほど採取できる。
前記採取したムカゴは、本発明である通水性の良い容器を用い十分に保水した水苔を敷いた上に当該ムカゴを撒き、若しくは十分に保水した水苔内に当該ムカゴを埋め込み、環境温度10℃以上30℃以下とし遮光率25%以上を有するネットを覆うことでムカゴ成長を促進させ、且つ発根率略100%にすることが可能となる。また、当該発明による発根したムカゴ若しくは発芽までしたムカゴは、前記水苔と一緒に土壌に植え付けることで翌年には高効率にて発芽し、開花させることが出来る。好ましくは、発芽したムカゴは一般の腐葉土でなくピートモスに植え替えることで更に高効率にて開花させることが可能となる。
(実施例1)
図2に示すように十分に保水維持させた水苔9の上に対馬産黄金オニユリのムカゴ1を50個撒いた通水性の良いトレイ形状の容器10を複数準備した。ビニールハウス内に前記ムカゴを撒いた容器を1ヶ月間設置し、当該水苔が乾燥しないように2〜3日毎に水を与えた。遮光に関しては遮光ネットなし(100%日光が照射)、遮光率25%、50%および75%の遮光ネット、並びに遮光率100%とするために前記トレイ状の容器内に光が届かないように蓋をしたサンプルを準備した。また、当該ハウス内の温度を1ヶ月間観察した結果、平均温度25.5℃、最低温度14.2℃、最高温度は30.3℃であった。
(比較例1)
泥炭層から切り出した水苔を主原料とする複数の植物から作られたビートモス上に対馬産黄金オニユリのムカゴ50個を撒いた通水性の良いトレイ形状の容器を複数準備した。実施例1と同じタイミングで同一ビニールハウス内に前記ムカゴを撒いた容器を1ヶ月間設置し、当該水苔が乾燥しないように2〜3日毎に水を与えた。遮光に関しても遮光ネットなし(100%日光が照射)、遮光率25%、50%および75%の遮光ネット、並びに遮光率100%とするために前記トレイ状の容器内に光が届かないように蓋をしたサンプル準備した。
(比較例2)
実施例1で用いたムカゴを撒いたトレイ状の容器と遮光効率50%のネットを準備し、同一ビニールハウス内に設置し、環境温度が30℃を超える7月から栽培を開始した。
実施例1の結果、遮光率が25%以上100%で栽培したムカゴは大豆サイズとなり略全てが発根していた。一方、遮光しないものは成長しているものの発育が遅く根腐れしているものが50%程観察された。
比較例1では、成長しているムカゴのサイズは実施例1と比較すると1/3倍程度であり発根状況も悪く、半数は成長もしていなかった。
比較例2では、実施例1と同様に大豆サイズに成長し発根もしているものは30%程度であり他は腐れていた。
実施例1で得られた発根したムカゴは、使用した水苔を絡めて苗木ポットに移し替え越年させた。越年後、前記苗木ポットに植えたムカゴから約80%の発芽が観察された。
(比較例3)
実施例1で得られる発根したムカゴの一部は発芽しているものもあり、当該発芽したムカゴは水苔を取り除き植物栽培用の腐葉土に植え替え発育状況を観察した。
(実施例2)
比較例1に使用した発芽したムカゴに対して、水苔を絡めた状態で植物栽培用の腐葉土に植え替え発育状況を観察した。
(実施例3)
比較例1に使用した発芽したムカゴに対して、水苔を取り除いた状態でビートモスに植え替え発育状況を観察した。
実施例2と実施例3では順調に発育していたが、比較例3では発育が非常に遅く、又発育が止まっているものも観察された。
本発明による希少対馬産黄金オニユリの栽培方法によれば、水苔を保水維持させること、温度と遮光のみを管理することで簡単にムカゴの発根を略100%達成することが可能であり、更に発根したムカゴは80%以上の高効率にて発芽させることが可能であるため本発明の栽培方法は広く利用できる。
1 ムカゴ
2 上根
3 球根
4 下根
5 種子
6 茎
7 葉
8 水苔
9 トレイ状の容器

Claims (4)

  1. 水苔上にムカゴを撒き、発根までの期間を前記水苔が常時保水した状態を維持することを特徴とする対馬産黄金オニユリのムカゴ栽培方法。
  2. 発根までの環境温度が、10℃から30℃以下とする請求項1記載の希少対馬産オニユリのムカゴ栽培方法。
  3. 発根までの遮光条件が、25%以上100%以下であることを特徴とする請求項1記載の対馬産黄金オニユリのムカゴ栽培方法。
  4. 前記栽培方法により発根したムカゴ又は発芽成長までしたムカゴをピートモスに植え替えて栽培する対馬産黄金オニユリの栽培方法。
JP2015216111A 2015-10-14 2015-10-14 希少対馬産オニユリの栽培方法 Pending JP2017074031A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216111A JP2017074031A (ja) 2015-10-14 2015-10-14 希少対馬産オニユリの栽培方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216111A JP2017074031A (ja) 2015-10-14 2015-10-14 希少対馬産オニユリの栽培方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017074031A true JP2017074031A (ja) 2017-04-20

Family

ID=58550613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015216111A Pending JP2017074031A (ja) 2015-10-14 2015-10-14 希少対馬産オニユリの栽培方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017074031A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107996061A (zh) * 2017-11-29 2018-05-08 崔艳俊 一种百合种球的套盆两段根繁殖方法
CN116671411A (zh) * 2023-07-20 2023-09-01 中国科学院昆明植物研究所 一种角蒿属植物繁育至开花的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107996061A (zh) * 2017-11-29 2018-05-08 崔艳俊 一种百合种球的套盆两段根繁殖方法
CN116671411A (zh) * 2023-07-20 2023-09-01 中国科学院昆明植物研究所 一种角蒿属植物繁育至开花的方法
CN116671411B (zh) * 2023-07-20 2023-10-20 中国科学院昆明植物研究所 一种角蒿属植物繁育至开花的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10624278B2 (en) Cultivation method for the rapid propagation of Davidia involucrata winter buds
CN102187810B (zh) 一种所罗门姜黄的组织培养繁殖方法
CN104585037B (zh) 一种酒瓶兰组织培养快速繁殖方法
CN105075863B (zh) 一种紫斑牡丹快速繁殖方法
CN105123529A (zh) 白芨快繁和高效栽培方法
CN104542281B (zh) 地中海荚蒾的组培繁殖方法
CN103734014A (zh) 一种地枫皮的组织培养快速繁殖方法
CN103704130A (zh) 一种春兰与大花蕙兰杂交种育苗的方法
CN101263768A (zh) 路易斯鸢尾分株繁殖快速成苗和生态应用的方法
CN104041412A (zh) 一种贵州半蒴苣苔的组织培养快速繁殖方法
CN103875386A (zh) 一种栀子花稻田穴盘无土扦插育苗方法
CN104920223A (zh) 一种墨兰种苗繁殖方法
CN104542284A (zh) 一种露珠杜鹃的组培快速繁殖方法
CN111264328A (zh) 一种三角梅小盆栽的培育方法
CN104770173A (zh) 促进甘蔗组培苗早发分蘖的高效育苗方法
CN105010142B (zh) 越南奇楠沉香组织培养的方法
CN104719158A (zh) 一种以种子为外植体的快速建立中型狼尾草组织培养再生体系的方法
CN104542307A (zh) 一种木鳖的培养方法
CN103651141A (zh) 亳菊工厂化试管苗快繁的方法
CN104686344A (zh) 一种短葶山麦冬组织培养方法
CN101743908A (zh) 红花银桦组培快繁及栽培方法
CN103238526A (zh) 一种利用组织培养技术快速繁殖仙客来的方法
JP2017074031A (ja) 希少対馬産オニユリの栽培方法
CN113841556B (zh) 一种杉木苗的培育方法
CN104686336A (zh) 一种臭椿组培快繁殖方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190905

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200204