JP2017073654A - 弾性波装置及び弾性波装置の積層構造体 - Google Patents

弾性波装置及び弾性波装置の積層構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】IDT電極で発生した熱によるIDT電極の破損が生じ難い、弾性波装置を提供する。
【解決手段】弾性波装置1は、圧電基板2(第1の圧電基板)と、圧電基板2上に設けられているIDT電極3(第1の機能電極)と、圧電基板2上に設けられており、IDT電極3を囲んでいる支持部材6と、支持部材6上に設けられているカバー部材7とを備える。圧電基板2、支持部材6及びカバー部材7により囲まれており、IDT電極3が臨んでいる中空空間A(第1の中空空間)が構成されており、中空空間Aにおいて、圧電基板2上に直接設けられた部分及び間接的に設けられた部分のうち少なくとも一方を有し、熱が加わると、6μm〜10μmの波長の電磁波を放射する放射膜5A,5B(第1の放射膜)がさらに備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性波装置及び弾性波装置の積層構造体に関する。
下記の特許文献1には、パッケージ基板と、パッケージ基板上に実装されており、かつ素子基板と、支持層と、カバー部材とを含む電子部品素子と、電子部品素子を封止するようにパッケージ基板上に設けられたモールド樹脂層とを備えた、弾性波装置が開示されている。
特開2015−162804号公報
しかしながら、特許文献1に記載の弾性波装置では、動作時の発熱で温度上昇する。その際に、中空の構造を有するので、IDT電極の温度が60℃を超えてくると、通常の通信デバイスで用いられる電力範囲において耐電力性が劣化し始める。さらに、IDT電極の温度が200℃を超えてくると、微弱な電力印加でもIDT電極が破損してしまい、そのためIDT電極が機能しなくなってしまうという課題があった。
本発明の目的は、IDT電極で発生した熱によるIDT電極の破損が生じ難い弾性波装置を提供することにある。
本発明に係る弾性波装置は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられている機能電極と、前記圧電基板上に設けられており、前記機能電極を囲んでいる支持部材と、前記支持部材上に設けられており、前記支持部材及び前記圧電基板と共に前記機能電極を中空空間で封止しているカバー部材と、放射膜とを備え、前記放射膜は、前記中空空間における前記圧電基板上に直接設けられた部分及び間接的に設けられた部分の少なくとも一方の部分を有し、熱が加わると、6μm〜10μmの波長をもつ電磁波を放射する。
本発明に係る弾性波装置のある特定の局面では、前記支持部材は、波長が6μm〜10μmである電磁波の透過率が50%以上である。
本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、前記カバー部材は、波長が6μm〜10μmである電磁波の透過率が50%以上、または反射率が20%以下である。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記放射膜の放射率が85%以上である。
本発明に係る弾性波装置の別の特定の局面では、前記放射膜は、前記圧電基板上に間接的に設けられている部分を有する。
本発明に係る弾性波装置のさらに別の局面では、前記圧電基板上に間接的に設けられている部分が、前記機能電極上に設けられている部分を有する。この場合には、弾性波装置の放熱性をより一層高めることができる。
本発明の他の特定の局面では、前記中空空間内における前記圧電基板上に設けられており、かつ前記機能電極に電気的に接続されている配線電極をさらに備え、前記圧電基板上に間接的に設けられている部分が、前記配線電極上に設けられている部分を有する、弾性波装置を提供する。この場合には、弾性波装置の放熱性をより一層高めることができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記圧電基板上に間接的に設けられている部分が、前記支持部材の前記中空空間に臨む面の少なくとも一部に設けられている。この場合には、弾性波装置の放熱性をより一層高めることができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記放射膜が、前記圧電基板上に直接設けられている部分を有する。
本発明に係る弾性波装置の別の特定の局面では、前記機能電極がIDT電極である。
本発明に係る弾性波装置のさらに別の特定の局面では、前記放射膜が、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の混合物である。
本発明に係る弾性波装置のさらに別の特定の局面では、前記混合物において、前記シリコン酸化物の含有割合を100重量部としたときに、前記アルミニウム酸化物が1重量部〜7.7重量部の割合で含有されており、前記マグネシウム酸化物が1重量部〜46.2重量部の割合で含有されている。
本発明に係る弾性波装置の積層構造体は、本発明に従って構成されている弾性波装置である第1の弾性波装置と、第2の圧電基板と、前記第2の圧電基板上に設けられている第2の機能電極と、前記第2の機能電極を囲んでいる壁部とを有する第2の弾性波装置とを備え、前記壁部上に前記第1の弾性波装置が積層されており、前記第2の圧電基板、前記壁部及び前記第1の弾性波装置により囲まれており、前記第2の機能電極が臨んでいる第2の中空空間が構成されており、前記第2の中空空間において、前記第2の圧電基板上に直接設けられた部分及び間接的に設けられた部分のうち、少なくとも一方の部分を有し、熱が加わると、6μm〜10μmの波長の電磁波を放射する第2の放射膜をさらに備える。
本発明に係る弾性波装置の積層構造体のある特定の局面では、前記第1の弾性波装置が、前記圧電基板、前記支持部材及び前記カバー部材を覆っている第1の封止樹脂層を有し、前記壁部が、前記第2の圧電基板を覆っており、前記第2の機能電極を囲んでいる第2の封止樹脂層であり、前記第2の中空空間が前記第2の圧電基板、前記第2の封止樹脂層及び前記第1の封止樹脂層により囲まれている。
本発明に係る弾性波装置の積層構造体の他の特定の局面では、前記第2の機能電極がIDT電極である。
本発明に係る弾性波装置の積層構造体のさらに他の特定の局面では、前記第2の放射膜が、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の混合物である。
本発明によれば、IDT電極で発生した熱によるIDT電極の破損が生じ難い弾性波装置を提供することができる。
図2中のI−I線に沿う部分に相当する、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の平面断面図である。 用いる弾性表面波の周波数が800MHzである複数の弾性波装置の耐電力試験の結果を示す図である。 用いる弾性表面波の周波数が2.2GHzである複数の弾性波装置の耐電力試験の結果を示す図である。 図2中のI−I線に沿う部分に相当する本発明の第1の実施形態の変形例に係る弾性波装置の断面図である。 図2中のI−I線に沿う部分に相当する本発明の第2の実施形態に係る弾性波装置の断面図である。 図2中のI−I線に沿う部分に相当する本発明の第3の実施形態としての弾性波装置の積層構造体の断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態の弾性波装置の積層構造体の製造方法を説明するための、図2中のI−I線に沿う部分に相当する断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態の弾性波装置の積層構造体の製造方法を説明するための、図2中のI−I線に沿う部分に相当する断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る弾性波装置の正面断面図である。 本発明の第1の実施形態における、支持部材の電磁波透過率と、弾性波装置動作時のIDT電極の到達温度との関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
図1は、後述する図2中のI−I線に沿う部分に相当する本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の断面図である。図2は、第1の実施形態に係る弾性波装置の平面断面図である。
図1に示されているように、弾性波装置1は、圧電基板2を有する。圧電基板2はLiTaOからなる。なお、圧電基板2は、LiNbOなどの圧電単結晶からなっていてもよく、あるいは、適宜の圧電セラミックスからなっていてもよい。
圧電基板2上には、機能電極としてのIDT電極3が設けられている。圧電基板2上には、IDT電極3に電気的に接続されている配線電極4も設けられている。IDT電極3及び配線電極4は、適宜の金属からなる。本実施形態の弾性波装置1は、弾性表面波を用いる。
なお、図1においては、IDT電極は矩形に2本の対角線を引いた略図で示されている。後述する図5〜図9においても同様である。
図2に示されているように、IDT電極3上には、放射膜5Aが設けられている。圧電基板2上及び配線電極4上には、放射膜5Bが設けられている。
放射膜5Bは、IDT電極3を囲むように設けられている。放射膜5A,5Bは、特に60℃〜200℃の範囲で熱を加えると、6μm〜10μmの波長の電磁波を放射する材料を選択する。
この理由は以下の通りである。弾性波フィルタなどの弾性波装置は動作時の発熱で温度上昇するが、その際、IDT電極3の温度が60℃を超えてくると、通常の通信デバイスで用いられる電力範囲において耐電力性が劣化し始める。さらにIDT電極3の温度が200℃を超えてくると、微弱な電力印加でもほぼIDT電極3が破損してしまい、IDT電極3が機能しなくなってしまう。
一方、60℃〜200℃の範囲の熱を放射するために必要な電磁波の波長は、6μm〜10μmである。
従って、60℃〜200℃の範囲で熱が加わった場合であっても、IDT電極3が破損されないためには、電磁波の波長が6〜10μmである放射膜5A,5Bを、中空空間Aにおいて圧電基板2上に設ければよい。これにより、IDT電極3で発生した熱が放射膜5A,5Bによって電磁波に変換され、放射される。そして、放射された電磁波は中空空間にある空気を伝わって、中空空間AにおいてIDT電極3が形成されている面と上方において対向する面もしくは部材または中空空間Aを囲んでいる側面などの他の部分に逃がすことができる。よってIDT電極3の温度上昇を抑制することができる。その結果、IDT電極3の破損が生じ難い。
なお、本実施形態では、放射膜5Aは、圧電基板2上及び機能電極としてのIDT電極3上に設けられていた。また、放射膜5Bは、圧電基板2上及び配線電極4上に設けられていた。本発明においては、放射膜は、上記のように、圧電基板上に直接設けられている部分、及び機能電極や配線電極を介して間接的に設けられている部分を有していてもよく、あるいは、圧電基板上に直接設けられている部分のみあるいは、機能電極や配線電極上に間接的に設けられている部分のみを有していてもよい。好ましくは、IDT電極3のような機能電極が発熱部分となることが多いので、放射膜は、機能電極上に直接設けられている部分を有することが望ましい。
従って、電磁波の波長が6μm〜10μmである放射膜5A,5Bを、中空空間において圧電基板2上に直接または間接的に形成することで、IDT電極3での放熱性が高まり、IDT電極3の破損を抑制することができる。
なお、一般的に、モバイル端末の無線通信において用いられる高周波の波長は、100mm以上、500mm以下程度である。このように、無線通信に用いられる高周波の波長と放射膜5A,5Bから放射される電磁波の波長とは大きく異なる。よって、放射膜5A,5Bが放射する電磁波は、弾性波装置の周波数特性に影響を与え難い。なお、上述した高周波の周波数は、600MHz以上、3GHz以下程度である。
図1に示すように、圧電基板2上及び配線電極4上には、支持部材6が設けられている。より具体的には、本実施形態では、支持部材6は放射膜5Bを介して圧電基板2上及び配線電極4上に設けられている。支持部材6は、IDT電極3を囲んでいる。支持部材6は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミドまたはシリコン樹脂などからなる。支持部材6の材料は、ノンフィラーまたは低フィラー含有率であることが好ましい。
なお、放射膜5Bは、IDT電極3を囲むように設けられていなくてもよい。この場合は、支持部材6の少なくとも一部が直接、圧電基板2上または配線電極4上に設けられていてもよい。支持部材6上には、カバー部材7が設けられている。圧電基板2、支持部材6及びカバー部材7により囲まれている中空空間Aが構成されている。この中空空間Aに、IDT電極3が臨んでいる。中空空間A内に、放射膜5A,5Bの少なくとも一部が設けられている。
カバー部材7及び支持部材6を貫通するようにビア電極8が設けられている。カバー部材7上には、ビア電極8の一方端部に接続されている端子電極9aが設けられている。ビア電極8の他方端部には、配線電極4が接続されている。IDT電極3は、配線電極4、ビア電極8及び端子電極9aを介して外部に電気的に接続される。
本実施形態の特徴は、放射膜5A,5Bの少なくとも一部が、中空空間A内における圧電基板2上に直接または間接的に設けられていることにある。それによって、IDT電極3で発生した熱を他の部分に逃がすことができるので、IDT電極3が破損する可能性を低下させることができる。また、中空空間A内に放射膜5A,5Bを設けることにより、弾性波装置1を低背化することができる。これを、以下において説明する。
上述したように、放射膜5A,5Bは、熱を加えられると6μm〜10μmの波長の電磁波を放射する。熱は中空空間Aの空間内に伝搬し難いが、熱が変換された電磁波は、中空空間Aの空間内に容易に伝搬する。従って、IDT電極3で発生した熱を放射膜5A,5Bを介して、中空空間Aの上部や側面などの他の部分に逃がすことができる。これによって、IDT電極3の温度上昇を抑制することができるので、IDT電極3の破損を防止することができる。
さらに、中空空間Aに伝搬している電磁波を弾性波装置1の外部に伝搬させることができれば、IDT電極3の温度をさらに低下させることができる。そのため、中空空間Aと接している支持部材6やカバー部材7が、少なくとも一部の電磁波を透過または吸収するものであることが好ましい。なお、樹脂層は電磁波の一部を透過または吸収するので、支持部材6やカバー部材7が少なくとも一部の電磁波を透過させる樹脂であることが好ましい。その場合には、電磁波を弾性波装置1の外部に放出することができる。
また、支持部材6は、波長が6μm〜10μmである電磁波の透過率が50%以上であることが好ましい。その理由は以下の通りである。
支持部材6において波長が6μm〜10μmである電磁波の透過率と、弾性波装置1動作時のIDT電極3の到達温度との関係を図11に示す。
図11より、支持部材6の透過率が高いほうがIDT電極3の到達温度が下がることが分かる。特に、透過率50%以下では、放熱効果が悪化する。また先に述べたように、弾性波装置1では、IDT電極3の温度が100℃を超えると、耐電力性の劣化が顕著になる。そのため、100℃以下の温度に、温度上昇を抑制することが好ましい。よって、好ましくは、支持部材6の透過率は50%以上であることが望ましい。
ここで、弾性波装置1の主たる発熱源は、IDT電極3である。よって、IDT電極3並びにIDT電極3から熱が伝わり易い配線電極4及び圧電基板2において特に温度が高まる。圧電基板2では、IDT電極3に近い中空空間A内の部分において特に温度が高まる。本実施形態においては、IDT電極3上に放射膜5Aが設けられており、配線電極4上及び圧電基板2上に放射膜5Bが設けられている。それにより、IDT電極3で発生した熱は、配線電極4や圧電基板2を通り放射膜5A,5Bによって電磁波に変換され、放射される。そして、放射された電磁波は、中空空間A内を容易に伝搬するため、IDT電極3で発生した熱を他の部分へ逃がすことができる。従って、IDT電極3での放熱性を効果的に高めることができる。それによって、IDT電極3が破損されることを抑制できる。さらに、放射膜5A,5Bは中空空間A内に設けられていればよいため、弾性波装置1の低背化を図ることもできる。
本実施形態のように、放射膜5Aの膜厚は放射膜5Bの膜厚よりも薄いことが好ましい。IDT電極3の上に形成されている放射膜5Aの厚みは、IDT電極3の励振に影響を与えるからである。一方で、配線電極4の上に形成されている放射膜5Bの厚みは、IDT電極3の励振に直接影響を与えないため、放射膜5Aよりも厚くても問題はない。より好ましくは、放射膜5Aの膜厚は、10nm以上、80nm以下であることが望ましい。他方、放射膜5Bの膜厚は、1μm以上であることがより好ましい。それによって、放熱性をより一層高めることができ、かつ挿入損失の増大をより一層招き難い。
以下において、放射膜5A,5Bの詳細を説明する。
放射膜5A,5Bは、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の混合物である。好ましくは、混合物において、シリコン酸化物の含有割合を100重量部としたときに、アルミニウム酸化物は、1重量部〜7.7重量部の割合で含有されていることが望ましい。他方、マグネシウム酸化物は、1重量部〜46.2重量部の割合で含有されていることが好ましい。本実施形態の放射膜5A,5Bは、上記の組成を有するため、6μm〜10μmの波長の電磁波の放射率は85%以上である。よって、弾性波装置1の放熱性が高い。
なお、放射膜5A,5Bの材料は特に限定されず、熱が加わると6μm〜10μmの波長の電磁波を放射する他の材料からなっていてもよい。
IDT電極3は、アルミニウム酸化物により振動を阻害され易い。本実施形態では、放射膜5Aのアルミニウム酸化物の含有率が低いため、挿入損失の増大をより一層招き難い。
放射膜5A,5Bにおいて、各組成物の含有率が以下の通りである場合、放射膜5A,5Bの6μm〜10μmの波長の電磁波の放射率は90%以上である。シリコン酸化物の含有率:35重量%以上、65%重量以下。アルミニウム酸化物の含有率:5重量%以上、35重量%以下。マグネシウム酸化物の含有率:15重量%以上、45重量%以下。
放射膜5Aの組成と放射膜5Bの組成とは異なっていてもよい。この場合、放射膜5Aの組成を本実施形態と同様の組成とし、放射膜5Bの組成を、上記電磁波の放射率が90%以上となる組成とすることが好ましい。それによって、放熱性をより一層効果的に高めることができ、かつ挿入損失の増大を招き難い。
なお、放射膜は、1×10Ω・cm以上の抵抗率をもつ絶縁性材料であることが好ましい。なぜならば、放射膜が上記絶縁性材料でないと、放射膜を弾性波フィルタ(高周波デバイス)などの弾性波装置に用いる場合に、特性劣化を引き起こしてしまう可能性があるからである。
ここで、放射膜の上記電磁波の放射率を異ならせて、弾性波装置1と同様の構成を有する複数の弾性波装置を作製した。より具体的には、放射率は、35%、50%、65%、80%、85%、90%及び95%とした。用いる弾性表面波の周波数が800MHzである弾性波装置と、2.2GHzである弾性波装置とを、放射膜の放射率を上記のように異ならせてそれぞれ複数作製した。各放射率の弾性波装置20個ずつにおいて、耐電力試験を行った。
図3は、用いる弾性表面波の周波数が800MHzである複数の弾性波装置の耐電力試験の結果を示す図である。図4は、用いる弾性表面波の周波数が2.2GHzである複数の弾性波装置の耐電力試験の結果を示す図である。
図3に示されているように、用いる周波数が800MHzの場合、放射膜の放射率が65%以下では、破損率が30%以上となっている。放射率が80%の場合は、破損率は25%となっている。これに対して、放射率が85%以上の場合には、破損率は0%である。本実施形態のように、放射膜の放射率を85%以上とした場合には、放熱性を大きく高められるため、耐電力性を効果的に高めることができる。
図4に示されているように、用いる周波数が2.2GHzの場合、放射膜の放射率が65%以下では、破損率が80%以上となっている。放射率が80%の場合は、破損率は70%となっている。これに対して、放射率が85%の場合には、破損率は5%に留まっている。放射率が85%より大きい場合も破損率は10%以下に留まっている。用いる周波数が2.2GHzの場合は、放射率を85%以上とすることで、破損率を大きく下げ得ることがわかる。よって、用いる周波数が高い場合、本発明を特に好適に適用し得ることがわかる。
図1に戻り、放射膜5A,5Bの少なくとも一部が中空空間A内に設けられていることにより、上述したように弾性波装置1の放熱性を高めることができる。加えて、放射膜5Bの一部は中空空間A内に位置しているが、他の部分は支持部材6と配線電極4及び圧電基板2との間に位置している。中空空間A内以外においても、放射膜5Bからは6μm〜10μmの波長の電磁波が放射されている。
なお、図5に示す変形例のように、支持部材6の中空空間Aに臨む面の少なくとも一部に放射膜45Cが設けられていてもよい。このように、圧電基板2、IDT電極3及び配線電極4以外の部分に放射膜45Cが設けられていても、弾性波装置41の放熱性を高めることができる。
図1に戻り、上述したように、カバー部材7は、6μm〜10μmの波長の電磁波を吸収または透過し易いことが好ましい。より具体的には、カバー部材7は、波長が6μm〜10μmである電磁波の透過率が50%以上であるか、または、波長が6μm〜10μmである電磁波の反射率が20%以下であることが好ましい。それによって、放射膜5A,5Bから放射された電磁波はカバー部材7によって透過または吸収され易い。そのため、カバー部材7から電磁波は反射され難く、他の部分から反射された電磁波はカバー部材7に吸収され易い。よって、放射膜5A,5Bから放射された電磁波は、IDT電極3及びその周辺に戻り難い。
カバー部材7に伝わった熱は、上記端子電極9aを介して外部に放熱される。端子電極9aは、熱伝導率が高いCuなどからなることが好ましい。
なお、本実施形態では、電極ランド9bがカバー部材7上に設けられている。それによって、カバー部材7から外部への放熱経路を増やすことができる。従って、弾性波装置1の放熱性をより一層高めることができる。
電極ランド9bは、端子電極9aと同様の材料からなることが好ましい。それによって、放熱性を効果的に高めることができ、かつ生産性を高めることができる。なお、電極ランド9bは設けられていなくともよい。
図6は、図2中のI−I線に沿う部分に相当する第2の実施形態に係る弾性波装置の断面図である。
弾性波装置11は、図1に示した放射膜5Aを有しない点で、第1の実施形態と異なる。上記以外の点においては、弾性波装置11は、第1の実施形態の弾性波装置1と同様の構成を有する。
本実施形態においては、弾性波装置11の挿入損失の増大を招かずに、放熱性を高めることができる。
図7は、図2中のI−I線に沿う部分に相当する第3の実施形態としての弾性波装置の積層構造体の断面図である。
弾性波装置の積層構造体20は、積層されている第1,第2の弾性波装置21A,21Bを有する。第1の弾性波装置21Aは、第1の実施形態と同様の構成を含む。なお、第1の弾性波装置21Aにおいては、圧電基板、機能電極、配線電極、放射膜及び中空空間を、第1の圧電基板22A、第1の機能電極、第1の配線電極24A、第1の放射膜25Aa,25Ba及び第1の中空空間Bとする。なお、本実施形態においては、第1の機能電極は第1のIDT電極23Aである。第1の弾性波装置21Aの上記各部分は、第1の実施形態と同様に構成されている。
第1の弾性波装置21Aは、第1の圧電基板22A、支持部材6及びカバー部材7を覆っている第1の封止樹脂層26Aを有する。
第2の弾性波装置21Bは、第2の圧電基板22Bを有する。第2の圧電基板22B上には、第2の機能電極としての第2のIDT電極23Bが設けられている。第2の圧電基板22B上には、第2のIDT電極23Bに電気的に接続されている第2の配線電極24Bも設けられている。第2のIDT電極23B上には、第2の放射膜25Abが設けられている。第2の配線電極24B上には、第2の放射膜25Bbが設けられている。
第1の放射膜25Aa、第1の放射膜25Ba、第2の放射膜25Ab及び第2の放射膜25Bbは、全て同じ組成であってもよく、あるいは、それぞれ異なる組成であってもよい。
第2の弾性波装置21Bは、第2のIDT電極23Bを囲んでいる、壁部としての第2の封止樹脂層26Bを有する。第2の封止樹脂層26Bは、第2の圧電基板22Bを覆っている。この第2の封止樹脂層26B上に、第1の弾性波装置21Aが積層されている。
第2の圧電基板22B、第2の封止樹脂層26B及び第1の封止樹脂層26Aにより囲まれている第2の中空空間Cが構成されている。第2のIDT電極23Bは、第2の中空空間Cに臨んでいる。
第1の封止樹脂層26Aの第2の中空空間C側には、端子電極29Baが設けられている。さらに、第1の封止樹脂層26Aを、第1の弾性波装置21Aの厚み方向に平行な方向に貫通するように、アンダーバンプメタル層28Aが設けられている。アンダーバンプメタル層28Aの一方端部は、端子電極29Baに接続されている。他方、第2の配線電極24Bは、バンプ28Bを介して端子電極29Baに電気的に接続されている。バンプ28Bは、例えば、半田などからなる。
第2のIDT電極23Bは、第2の配線電極24B、バンプ28B、端子電極29Ba及びアンダーバンプメタル層28Aを介して外部に電気的に接続される。
第2の弾性波装置21Bにおいては、第2の中空空間C内における第2の圧電基板22B上に直接または間接的に第2の放射膜25Ab,25Bbが設けられている。よって、第1の実施形態と同様に、第2の弾性波装置21Bの放熱性を効果的に高めることができる。このように、弾性波装置の積層構造体20の各弾性波装置としての第1,第2の弾性波装置21A,21Bの放熱性をそれぞれ効果的に高めることができる。
なお、第2の弾性波装置21Bにおいても、第2の放射膜25Ab,25Bbの少なくとも一部が第2の中空空間C内に設けられていればよい。
第1の弾性波装置21Aは、第1の封止樹脂層26Aを有しなくともよい。この場合には、例えば、第1,第2の圧電基板22A,22B及び第2の封止樹脂層26Bにより第2の中空空間Cが構成されていてもよい。
本実施形態では、弾性波装置の積層構造体20において2個の弾性波装置が積層されているが、3個以上の弾性波装置が積層されていてもよい。この場合にも、各中空空間内における圧電基板上に直接または間接的に上記放射膜の少なくとも一部を設けることにより、各弾性波装置の放熱性を効果的に高めることができる。
弾性波装置の積層構造体20を実装基板上に実装するに際しては、例えば、第1の弾性波装置21Aのカバー部材7側から実装基板上に実装する。より具体的には、端子電極9a、電極ランド9b及びアンダーバンプメタル層28Aの端部を、バンプなどを介して実装基板に接合する。
以下において、弾性波装置の積層構造体20の製造方法を説明する。
図8(a)及び(b)は、第3の実施形態の弾性波装置の積層構造体の製造方法を説明するための、図2中のI−I線に沿う部分に相当する断面図である。図9(a)〜(c)は、第3の実施形態の弾性波装置の積層構造体の製造方法を説明するための、図2中のI−I線に沿う部分に相当する断面図である。
図8(a)に示すように、第1の圧電基板22Aを用意する。次に、第1の圧電基板22A上に第1のIDT電極23A及び第1の配線電極24Aを設ける。第1のIDT電極23A及び第1の配線電極24Aは、例えば、CVD法やスパッタリング法などにより設けることができる。
次に、第1のIDT電極23A上に第1の放射膜25Aaを設ける。第1の配線電極24A上に第1の放射膜25Baを設ける。第1の放射膜25Aa,25Baは、スパッタリング法などにより設けることができる。例えば、マグネシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びシリコン酸化物が混合された焼結体をターゲット材として用いてスパッタリングを行う。
なお、第1の放射膜25Aaと第1の放射膜25Baとの膜厚を異ならせる場合や組成を異ならせる場合には、第1の放射膜25Aaと第1の放射膜25Baとを別の工程において設けてもよい。より具体的には、例えば、フォトリソグラフィ法により、第1の放射膜25Aaを設ける部分以外にマスクとなる樹脂層を設ける。次に、第1の放射膜25Aaを設ける。次に、樹脂層を剥離する。次に、少なくとも第1の放射膜25Aaが設けられている部分を覆うようにマスクとなる樹脂層を設ける。次に、第1の放射膜25Baを設ける。次に樹脂層を剥離する。
次に、第1の圧電基板22A上に、第1のIDT電極23Aを囲むように支持部材6を設ける。支持部材6は、例えば、フォトリソグラフィ法により設けることができる。次に、支持部材6上にカバー部材7を設ける。これにより、上記第1の中空空間Bを構成する。
次に、カバー部材7及び支持部材6を貫通するようにビアホールを設ける。ビアホールの一方端部が第1の配線電極24Aに至るように、ビアホールを設ける。次に、ビアホールの内部に導体を充填することにより、ビア電極8を設ける。ビア電極8は、例えば、電解めっき法などにより設けることができる。
次に、カバー部材7上に、ビア電極8の端部に接続するように、端子電極9aを設ける。端子電極9aと同時に、電極ランド9bを設けてもよい。電極ランド9bは、ビア電極8に接続させなくともよい。これにより、第1の実施形態と同様の構成を有する弾性波装置を得ることができる。
次に、図8(b)に示すように、仮固定材27上に、上記弾性波装置のカバー部材7側を固定する。仮固定材27には、例えば、テープ状の部材を用いることができる。次に、仮固定材27上に、第1の封止樹脂層26Aを、第1の圧電基板22A、支持部材6及びカバー部材7を覆うように設ける。以上により、第1の弾性波装置21Aを用意することができる。
第1の弾性波装置21Aとなる上記弾性波装置は、一度に複数設けてもよい。例えば、圧電体からなるマザー基板上に、複数の弾性波装置を上記の方法により一度に設けることができる。例えば、カバー部材7上に端子電極9a及び電極ランド9bを設けた後に、ダイシングなどにより個片化すればよい。それによって、マザー基板を個々の第1の圧電基板22Aに分割し、個々の上記弾性波装置を得ることができる。
次に、第1の封止樹脂層26Aを貫通するようにビアホールを設ける。第1の封止樹脂層26Aのビアホールに導体を充填することにより、アンダーバンプメタル層28Aを設ける。次に、仮固定材27を除去する。
次に、第1の封止樹脂層26A上に、アンダーバンプメタル層28Aの端部に接続するように、端子電極29Baを設ける。
他方、図9(a)に示すように、第2の圧電基板22Bを用意する。次に、第2の圧電基板22B上に第2のIDT電極23B及び第2の配線電極24Bを設ける。次に、第2のIDT電極23B上に第2の放射膜25Abを設ける。第2の配線電極24B上に第2の放射膜25Bbを設ける。第2のIDT電極23B、第2の配線電極24B及び第2の放射膜25Ab,25Bbは、第1の弾性波装置21Aと同様の方法により設けることができる。
次に、第2の配線電極24B上にバンプ28Bを設ける。次に、図9(b)に示すように、バンプ28Bを第1の封止樹脂層26A上の端子電極29Baに接合する。次に、図9(c)に示すように、第2の圧電基板22Bを覆うように、かつ第2のIDT電極23Bを囲むように、第2の封止樹脂層26Bを設ける。以上により、弾性波装置の積層構造体20を得ることができる。
なお、第2の弾性波装置21Bとなる、第2の封止樹脂層26Bを有しない各弾性波装置も、第1の実施形態の構成の弾性波装置と同様に、個片化により一度に複数得ることができる。この場合には、例えば、バンプ28Bを設けた後に、ダイシングなどにより個片化してもよい。
さらに、個片化により、複数の弾性波装置の積層構造体20を同時に得ることもできる。より具体的には、第1の封止樹脂層26Aを設けるに際し、第1の実施形態と同様の構成の弾性波装置を、図8(b)に示した仮固定材27上に複数固定する。次に、上記複数の弾性波装置を、第1の封止樹脂層26Aとなる封止樹脂層により覆う。次に、上記封止樹脂層に複数のアンダーバンプメタル層28A及び複数の端子電極29Baを設ける。次に、上記各弾性波装置に、第2の弾性波装置21Bとなる、第2の封止樹脂層26Bを有しない各弾性波装置を積層する。次に第2の封止樹脂層26Bとなる封止樹脂層を各第2の圧電基板22Bを覆うように設ける。次に、ダイシングなどにより個片化することにより、個々の弾性波装置の積層構造体20を得ることができる。
第1,第2の実施形態の弾性波装置1,11及び変形例の弾性波装置41では、機能電極としてIDT電極3が設けられている。なお、機能電極はIDT電極には限定されない。この例を、下記の第4の実施形態において示す。
図10は、第4の実施形態に係る弾性波装置の正面断面図である。
弾性波装置31は、メンブレン構造を有する弾性波装置である。より具体的には、弾性波装置31は、圧電膜32を有する。圧電膜32は、対向し合っている第1,第2の主面32a,32bを有する。圧電膜32は、第1の実施形態における圧電基板2と同様の材料からなる。
第1の主面32a上には第1の機能電極33aが設けられている。第1の主面上32a上には第1の機能電極33aに接続されている、第1の配線電極34a1,34a2も設けられている。第1の主面32a上、第1の機能電極33a上及び第1の配線電極34a1,34a2上の全面に放射膜35が設けられている。
さらに、第1の主面上32a上及び第1の配線電極34a1,34a2上には、放射膜35を介して、支持部材6が設けられている。支持部材6は、第1の機能電極33aを囲んでいる。支持部材6上にはカバー部材7が設けられている。圧電膜32、支持部材6及びカバー部材7により囲まれている第1の中空空間Dが構成されている。第1の中空空間Dに第1の機能電極33aが臨んでいる。
第2の主面32b上には、第2の機能電極33bが設けられている。第2の主面32b上には、第2の機能電極33bに電気的に接続されている第2の配線電極34bも設けられている。第2の主面32b上、第2の機能電極33b上及び第2の配線電極34b上の全面には、放射膜35が設けられている。
第2の配線電極34b上及び第2の主面32b上には、放射膜35を介して、支持基板36が設けられている。支持基板36は、第2の機能電極33bを囲んでいる凹部を有する。すなわち、圧電膜32及び支持基板36により囲まれている第2の中空空間Eが構成されている。第2の中空空間Eに第2の機能電極33bが臨んでいる。
支持部材6及びカバー部材7を貫通するように、ビア電極38aが設けられている。ビア電極38aの一方端部は第1の配線電極34a1に接続されている。カバー部材7上には、ビア電極38aの他方端部に接続されている、端子電極39a1が設けられている。
他方、カバー部材7、支持部材6及び圧電膜32を貫通するように、ビア電極38bが設けられている。ビア電極38bの一方端部は、第2の配線電極34bに接続されている。カバー部材7上には、ビア電極38bの他方端部に接続されている、端子電極39a2が設けられている。ビア電極38bは、第1の配線電極34a2にも電気的に接続されている。
カバー部材7上には、第1の実施形態と同様に、電極ランド9bも設けられている。なお、電極ランド9bは設けられていなくともよい。
第1の機能電極33aは、第1の配線電極34a1,34a2、ビア電極38a,38b及び端子電極39a1,39a2を介して外部に電気的に接続される。第2の機能電極33bは、第2の配線電極34b、ビア電極38b及び端子電極39a2を介して外部に電気的に接続される。第1,第2の機能電極33a,33bに電圧を印加すると、弾性境界波が励振される。なお、弾性波装置31は、板波を用いる弾性波装置であってもよい。
本実施形態においても、第1,第2の中空空間D,E内に放射膜35が設けられているため、放熱性を効果的に高めることができる。
なお、圧電膜32の厚みは、第1の実施形態における圧電基板2の厚みよりも薄い。そのため、熱は圧電膜32を伝わり難い。このようなメンブレン構造を有する弾性波装置においても、本発明を好適に適用することができる。
圧電膜の温度が高まると、焦電効果により圧電膜の表面に電荷が生じるため、分極反転が発生することがある。本実施形態では、圧電膜32の放熱性を高めることができるため、分極反転を抑制することもできる。
ところで、第1,第2の実施形態では、圧電基板、支持部材及びカバー部材により中空空間が構成されたWLP(Wafer Level Package)構造を有する形態を示した。他方、本発明は、IDT電極が形成された圧電基板を実装基板にフリップチップ実装した後、樹脂でIDT電極が形成されている中空空間を封止した構造(Chip Size Package)においても好適に適用することができる。この場合には、支持部材はバンプとしての機能を有することになる。このとき、支持部材6は、Au、Cu、半田などの金属からなる。
第1〜第4の実施形態及び変形例においては、圧電基板または圧電膜上に機能電極が設けられている形態を示した。なお、圧電基板上または圧電膜上において、上記機能電極を含む弾性波フィルタが構成されていてもよい。この場合においても、弾性波装置の放熱性を効果的に高めることができ、かつ低背化を図ることができる。
1…弾性波装置
2…圧電基板
3…IDT電極
4…配線電極
5A,5B…放射膜
6…支持部材
7…カバー部材
8…ビア電極
9a…端子電極
9b…電極ランド
11…弾性波装置
20…弾性波装置の積層構造体
21A,21B…第1,第2の弾性波装置
22A,22B…第1,第2の圧電基板
23A,23B…第1,第2のIDT電極
24A,24B…第1,第2の配線電極
25Aa,25Ba…第1の放射膜
25Ab,25Bb…第2の放射膜
26A,26B…第1,第2の封止樹脂層
27…仮固定材
28A…アンダーバンプメタル層
28B…バンプ
29Ba…端子電極
31…弾性波装置
32…圧電膜
32a,32b…第1,第2の主面
33a,33b…第1,第2の機能電極
34a1,34a2…第1の配線電極
34b…第2の配線電極
35…放射膜
36…支持基板
38a,38b…ビア電極
39a1,39a2…端子電極
41…弾性波装置
45C…放射膜

Claims (16)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に設けられている機能電極と、
    前記圧電基板上に設けられており、前記機能電極を囲んでいる支持部材と、
    前記支持部材上に設けられており、前記支持部材及び前記圧電基板と共に前記機能電極を中空空間で封止しているカバー部材と、
    放射膜と、
    を備え、
    前記放射膜は、前記中空空間における前記圧電基板上に直接設けられた部分及び間接的に設けられた部分の少なくとも一方の部分を有し、熱が加わると、6μm〜10μmの波長をもつ電磁波を放射する、弾性波装置。
  2. 前記支持部材は、波長が6μm〜10μmである電磁波の透過率が50%以上である、請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記カバー部材は、波長が6μm〜10μmである電磁波の透過率が50%以上、または反射率が20%以下である、請求項1または請求項2に記載の弾性波装置。
  4. 前記放射膜の放射率が85%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  5. 前記放射膜は、前記圧電基板上に間接的に設けられている部分を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  6. 前記圧電基板上に間接的に設けられている部分が、前記機能電極上に設けられている部分を有する、請求項5に記載の弾性波装置。
  7. 前記中空空間内における前記圧電基板上に設けられており、かつ前記機能電極に電気的に接続されている配線電極をさらに備え、
    前記圧電基板上に間接的に設けられている部分が、前記配線電極上に設けられている部分を有する、請求項5または6に記載の弾性波装置。
  8. 前記圧電基板上に間接的に設けられている部分が、前記支持部材の前記中空空間に臨む面の少なくとも一部に設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  9. 前記放射膜が、前記圧電基板上に直接設けられている部分を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  10. 前記機能電極がIDT電極である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  11. 前記放射膜が、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の混合物である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  12. 前記混合物において、前記シリコン酸化物の含有割合を100重量部としたときに、前記アルミニウム酸化物が1重量部〜7.7重量部の割合で含有されており、前記マグネシウム酸化物が1重量部〜46.2重量部の割合で含有されている、請求項11に記載の弾性波装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の弾性波装置である第1の弾性波装置と、
    第2の圧電基板と、前記第2の圧電基板上に設けられている第2の機能電極と、前記第2の機能電極を囲んでいる壁部と、を有する第2の弾性波装置と、
    を備え、
    前記壁部上に前記第1の弾性波装置が積層されており、前記第2の圧電基板、前記壁部及び前記第1の弾性波装置により囲まれており、前記第2の機能電極が臨んでいる第2の中空空間が構成されており、
    前記第2の中空空間において、前記第2の圧電基板上に直接設けられた部分及び間接的に設けられた部分のうち、少なくとも一方の部分を有し、熱が加わると、6μm〜10μmの波長の電磁波を放射する第2の放射膜をさらに備える、弾性波装置の積層構造体。
  14. 前記第1の弾性波装置が、前記圧電基板、前記支持部材及び前記カバー部材を覆っている第1の封止樹脂層を有し、
    前記壁部が、前記第2の圧電基板を覆っており、前記第2の機能電極を囲んでいる第2の封止樹脂層であり、
    前記第2の中空空間が前記第2の圧電基板、前記第2の封止樹脂層及び前記第1の封止樹脂層により囲まれている、請求項13に記載の弾性波装置の積層構造体。
  15. 前記第2の機能電極がIDT電極である、請求項13または14に記載の弾性波装置の積層構造体。
  16. 前記第2の放射膜が、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の混合物である、請求項13〜15のいずれか1項に記載の弾性波装置の積層構造体。
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WO2023195513A1 (ja) * 2022-04-08 2023-10-12 株式会社村田製作所 弾性波装置及びその製造方法

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