JP2017073337A - 組電池 - Google Patents

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Abstract


【課題】電極体内の活物質にガスかみしたガスを電極体外に移動させ、ガスかみによる電池容量の低下を抑制することができる組電池を提供すること。
【解決手段】正極活物質を有する正極(21)と黒鉛を含む負極活物質を有する負極(22)とセパレータ(23)とからなる電極体(20)と、前記電極体を電解質と共に封止する外装体(26)と、前記電極体と熱交換する熱交換要素(3)と、前記熱交換要素の動作を制御する制御要素(4)と、を備える組電池(1)であって、前記外装体は前記電極体と連通するバッファ部(25)を区画し、充放電時において前記バッファ部は前記バッファ部以外の残部よりも相対的に負圧化されていること。
【選択図】図1

Description

本発明は、充放電時の構造変化が少ない活物質材料を含む電極体を用いた組電池であり、組電池作動時に電極体中の活物質材料から発生したガスを収容するバッファ部を有する組電池に関する。
一般に車両等に搭載された組電池では、組電池を構成する電池セルとしてリチウムイオン二次電池等の二次電池が用いられている。一般的にリチウムイオン二次電池は、正極活物質を有する正極と負極活物質を有する負極と正極と負極の間に介在するセパレータとからなる電極体を、電解質と共に外装体に封止して構成されている。リチウムイオン二次電池では、充放電時におけるリチウムイオンの吸蔵及び放出に伴い、正極活物質及び負極活物質が共に膨張及び収縮することが知られている。
例えば、何らかの理由により電池が高温や高電圧となる電池異常時における活物質表面、あるいは、充放電反応が集中する活物質表面からは、二酸化炭素等のガスが発生し得る。この活物質表面から発生したガスは、充放電時における活物質の膨張及び収縮により押し出されるようにして、電極体内に留まることなく電極体外に放出される。
一方で、活物質表面から発生し得るガスが電極体外に放出されず電極体内に留まってしまう所謂「ガスかみ」が生じると、このガスかみしたガスが内部抵抗の一因となる。結果、活物質表面から発生したガスがガスかみした電池では、電池容量の低下を引き起こしてしまう。
近年、本発明者らは、充放電時の膨張及び収縮が極めて小さく、電池の高容量化を実現できる活物質を見出した。この活物質は、Ni及びMが6配位の局所構造を備え、LiNiα η β4−γ(0<α+η≦2、0≦η<1、0<β≦2、0≦γ≦1、α+η+β=1〜2.1、0.8<β/(α+η)、M:Mn、M:Ge,Snより選ばれる少なくとも一種)、或いは、LiNiα β γMnν4-ε(0.50≦α≦1.35、0≦β<1.0、0≦γ≦0.66、0.33≦β+γ≦1.1、0≦ν≦0.66、0≦ε≦1.00、M:Sn,Sb0.5Al0.5より選ばれる少なくとも一種、M:Sb)と、LiSnOが固溶してなる複合酸化物であることを特徴とする正極材料である。
このような、充放電時における膨張及び収縮が極めて小さい活物質は、上記した活物質表面から発生し得るガスを充放電時の膨張及び収縮により電極体外へ放出させることが困難であるという新規の課題を有する。すなわち、電極体内でガスかみが発生する虞がある。そこでこのような活物質を有する電池では、電極体内にガスかみするガスを電極体外に放出する手段を設ける必要がある。
従来からのガス排出機構として、特許文献1及び2に記載のものが存在する。しかしながら、これらのガス排出機構は、電池セルから放出されたガス(すでに電極体外に放出されたガス)を組電池外に排出する機構である。したがって、これらのガス排出機構では、電池セルの電極体内にガスかみしたガスを電極体外に放出することは困難である。
特開2013−214354号公報 特開2011−253735号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものでありその目的は、充放電に伴う膨張及び収縮が少ない活物質を用いた電極体によって構成されている組電池であって、該電極体内にガスかみしたガスを電極体外に移動させ、ガスかみによる電池容量の低下を抑制することができる組電池を提供するものである。
上記課題を解決するために本発明の組電池では、正極活物質を有する正極と黒鉛を含む負極活物質を有する負極とセパレータとからなる電極体と、電極体を電解質と共に封止する外装体と、電極体と熱交換する熱交換要素と、熱交換要素の動作を制御する制御要素と、を備える組電池であって、外装体は電極体と連通するバッファ部を区画し、充放電時においてバッファ部はバッファ部以外の残部よりも相対的に負圧化されていることを特徴とする。
本発明の組電池では、外装体は電極体と連通するバッファ部を区画している。そして、充放電時においてバッファ部はバッファ部以外の残部よりも相対的に負圧化されている。このように構成された組電池であれば、外装体内で区画されたバッファ部は充放電時において相対的に負圧化されているため、電極体内から発生し得るガスをバッファ部に誘導することができる。これにより、電極体内で起こり得るガスかみを抑制することができ、結果として組電池における電池容量の低下を抑制することができる。
第1実施形態に係る組電池の積層構造において、積層方向と直交する側面側を表す模式図である。 第1実施形態に係る組電池における電池セルを表す模式図である。 第1実施形態に係る組電池における電池セルの電極体を模式的に表す斜視図である。 第2実施形態に係る組電池に関する初期充電時の正極と負極のSOC−OCV特性の相関図を概念的に表す図である。 第2実施形態に係る組電池に関する初期充電時の電池セルのSOC−OCV特性の相関図を概念的に表す図である。 第2実施形態に係る組電池に関するガスかみ後の正極と負極のSOC−OCV特性の相関図を概念的に表す図である。 第2実施形態に係る組電池に関するガスかみ後の電池セルのSOC−OCV特性の相関図を概念的に表す図である。 第2実施形態に係る他の組電池に関するガスかみ後の正極と負極のSOC−OCV特性の相関図を概念的に表す図である。 第2実施形態に係る他の組電池に関するガスかみ後の電池セルのSOC−OCV特性の相関図を概念的に表す図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するためのいくつかの形態を説明する。説明に利用する図面は概略図であり、細かい部分での形状や相対的な位置関係、大きさの関係などは必ずしも厳密に記載されているものではない。なお、以下の説明において説明を分かりやすくする目的で、異なる実施形態の間においても同じ部材や同様の作用効果を発現する部材については同じ符号又は関連する符号をつけている場合があるが、それは両者の関係を不必要に限定することを意図するものではない。
また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
なお、本明細書において電極体内より発生するガスとは、例えば何らかの原因により電池が過熱する等の電池異常時に発生するもの、または、組電池自体が高温や高電圧に曝される状況が多いことに起因して徐々に電極体内から発生するもの等を含む。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る組電池1は、例えば内燃機関と、電池に充電された電力によって駆動されるモータと、を組み合わせて走行駆動源とするハイブリッド自動車、モータを走行駆動源とする電気自動車等に用いられる。組電池1を構成する複数の電池セル2は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池等である。
第1実施形態に係る組電池1について、図1〜図3を用いて説明する。図1に示すように、第1実施形態において電池セル2の厚み方向Xは、電池セル2及び介挿冷却部31が複数個積層して並ぶ積層方向でもある。また、X方向に直交するY方向は鉛直方向である。
第1実施形態に係る組電池1は、複数の電池セル2と、複数の電池セル2が積層して構成されるセル積層体10と、セル積層体10と熱交換をする熱交換要素3と、熱交換要素3の動作を制御する制御要素4とを備えている。
電池セル2は、正極21と負極22とセパレータ23とからなる電極体20と、電解質と、外装体26とを有する。また、電池セル2は、外装体26によって封止された内部に電極体20を収容する電極体部24と、電極体20から発生するガスを収容するバッファ部25とを有する。
第1実施形態に係る組電池1では、電池セル2としてリチウムイオン二次電池を採用している。以下、電池セル2について説明する。
(正極)
電池セル2の正極21は正極活物質を有する。正極活物質としては、リチウムを挿入及び脱離することが可能な遷移金属を含有した酸化物系物質を用いることが望ましい。
第1実施形態における正極活物質の具体的な組成としては、Ni及びMが6配位の局所構造を備え、LiNiα η β4−γ(0<α+η≦2、0≦η<1、0<β≦2、0≦γ≦1、α+η+β=1〜2.1、0.8<β/(α+η)、M:Mn、M:Ge,Snより選ばれる少なくとも一種)、或いは、LiNiα β γMnν4-ε(0.50≦α≦1.35、0≦β<1.0、0≦γ≦0.66、0.33≦β+γ≦1.1、0≦ν≦0.66、0≦ε≦1.00、M:Sn,Sb0.5Al0.5より選ばれる少なくとも一種、M:Sb)と、LiSnOが固溶してなる複合酸化物であることを特徴とする正極材料である。
このような正極活物質を用いることにより、電池セル2の容量及び電圧を十分に確保することができ、かつ、高容量な組電池1を実現させることが可能となる。
一般に、充放電時に伴う活物質における膨張及び収縮は、電極体20内で発生したガスを電極体20外に放出する効果を奏することが知られている。すなわち、電極体内にガスが留まる所謂ガスかみを抑制する効果を奏する。電極体内でガスかみが生じると、ガスかみ周辺の活物質はリチウムイオンの吸蔵及び放出する機能を失う。このため、ガスかみを生じた電池セルでは、ガスが内部抵抗の一因となり電池容量の低下を引き起こすことが考えられる。
例えば上記した正極活物質では、充放電に伴う膨張及び収縮が小さいため、正極21内でガスが発生する事象が発現した場合に、発生したガスを電極体20外部へ放出するドライビングフォースが少ない。ゆえに、電極体内におけるガスかみが発生しやすいため、特にこのガスを放出させる手段を設けることが望まれる。
正極21には、さらに導電材、結着材、集電体などが用いられる。正極活物質は、導電材、結着材などと混合した状態で、集電体の表面に層状に形成された正極活物質層を構成する。例えば、正極活物質と結着材と導電材等とを水、Nメチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶媒中で混合した後、集電体上に塗布して乾燥することで形成することができる。集電体はアルミニウム等の金属から形成される金属箔などを採用することができる。
導電材は、活物質から生成される電子の授受を行う材料であり、導電性を有するものであればよい。例えば炭素材料や導電性高分子材料が挙げられる。炭素材料としてはケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等を採用できる。また、導電性高分子材料としてはポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセンを採用できる。
結着材は活物質等の構成要素を結合させて電極を形作る材料である。種々の高分子材料を採用することができ、化学的・物理的安定性が高いものが望ましい。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム、アクリル系バインダ等が挙げられる。また、導電材として導電性高分子材料を採用すると、導電材の作用に加え結着材の作用を発現させることができる。集電体はアルミニウム等の金属から形成される金属箔などを採用することができる。
集電体上に形成される正極活物質層であるが1層以上の任意の層状構造を取ることが可能である。さらに、各層の構成は、同じであっても異なってもよい。例えば、第1層として炭素材料とバインダのみからなる層が形成され、第2層として正極活物質を含む層が形成することが出来る。
(負極)
電池セル2の負極22は集電体の表面に負極活物質を有する。負極活物質は黒鉛を含有している。その他含有される負極活物質の種類によっては、結着材を用いる場合もある。結着材は正極21にて説明したものと同様のものが採用できる。集電体は銅等の金属から形成される金属箔などを採用することができる。黒鉛以外の負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、析出及び放出できる化合物を単独または組み合わせて用いることができる。リチウムイオンを吸蔵、析出及び放出できる化合物の一例としてはリチウム等の金属材料、ケイ素、スズ、銅等を含有する合金系材料、グラファイト、コークス等の炭素系材料、チタン酸化物等がある。
集電体上に形成される負極活物質層は1層以上の任意の層状構造を取ることが可能である。さらに、各層の構成は、同じであっても異なってもよい。一例として、第1層として炭素材料とバインダのみからなる層が形成され、第2層として負極活物質を含む層が形成することが出来る。
(電解質)
電解質は、正極21及び負極22の間のイオン等の荷電担体の輸送を行う媒体である。電解質はリチウムイオン二次電池が使用される雰囲気下で物理的、化学的、電気的に安定なものが望ましい。例えば、カーボネート系溶媒にLiPF等を溶解した非水電解質、ポリエチレンオキシドにLiTFSI等を含有した固体電解質等を用いることが出来る。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22との間に電気的な絶縁作用とイオン伝導作用とを両立する部材である。セパレータ23は、電解質を保持する役割をも果たす。セパレータ23としては、多孔質合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)やセルロース、ガラス繊維からなる多孔質膜、不織布を採用できる。
(外装体)
上記した複数の正極21と複数の負極22のそれぞれの間にセパレータ23を介在させた電極体20は、電解質と共に外装体26内に封止される。外装体26の形状及び材質は、特に限定されるものではなく、種々の形状及び材料で構成することができる。外装体26の材質は樹脂材料であることが望ましい。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル、フッ素系樹脂、PBT、ポリアミド、ポリアミドイミド、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、フェノール、エポキシ、アクリル等の樹脂である。または、これら樹脂等とアルミ箔をラミネートしたフィルムを外装体26として使用することができる。
(電池セル)
電池セル2は、電極体20と電解質を、正極端子21a及び負極端子22aを突出させるようにして外装体26に封止して形成されている。電極体20は、セパレータ23から突出して積層した複数の正極集電体に正極端子21aが接続され、積層した複数の負極集電体に負極端子22aが接続されている。第1実施形態では、正極端子21aと負極端子22aはそれぞれ対向するように外装体26から突出している。具体的には図2に示すように、正極端子21aと負極端子22aは電極体20の厚み方向に対して垂直な方向にそれぞれ外装体26から突出している。なお、正極端子21aと負極端子22aにおける外装体26からの突出方向は、特に限定されるものではない。
電池セル2は、封止された外装体26の内部に、電極体20及び電解質を収容する電極体部24と電極体20から発生し得るガスを収容するバッファ部25を有する。換言すると、外装体26は、その内部でバッファ部25を電極体部24と連通するように区画している。
電極体部24とバッファ部25は互いに隣接し、かつ、空間的に連通している。バッファ部25は外装体26によって形成される空間であることが望ましく、電極体20から発生し得るガスを収容する。具体的には後述するが、バッファ部25がバッファ部25以外の残部よりも相対的に負圧化されることにより、電極体20から発生し得るガスがバッファ部25に誘導される。ここで、空間的に連通するとは、バッファ部25と電極体部24とが常に連通していることを意味する他、ガスが発生した際にガスが電極体部24からバッファ部25に移動できるようにバッファ部25と電極体部24が連通することも意味する。要するに、必要に応じて電極体部24からバッファ部25にガスが移動できることを意味している。また、バッファ部25には、電解質が存在していていもよい。
バッファ部25の配設場所は電極体部24と空間的に連通していれば特に限定されるものではないが、図2に示すように、正極端子21a及び負極端子22aの突出方向に垂直な方向であることが望ましい。すなわち、外装体26内部において、バッファ部25はY方向上部に配設され、電極体部24はY方向下部に配設されていることが望ましい。このように、バッファ部25が電極体部24よりも重力方向の上側に位置することにより、電極体20から発生したガスがよりバッファ部25に誘導されやすくなる。したがって、第1実施形態のようにバッファ部25を設けた電池セル2を組電池1として適用することにより、電極体20内で発生したガスが電極体20内に留まる所謂ガスかみを抑制することができる。結果として、このガスかみによる電池容量の低下を抑制することができる。
ここで、第1実施形態の電極体20におけるセパレータ23は、電極体20内で発生し得るガスを可能な限り拡散させず、かつ、電極活物質近傍に残らない様に形成されていることが望ましい。そこで、第1実施形態におけるセパレータ23は、つづら折り形状又は袋形状をなすことが望ましい。
つづら折り形状又は袋形状をなすセパレータ23で形成される電極体20では、正極21及び負極22のうち少なくとも一方の電極は、積層方向だけでなく積層方向と直交する方向の少なくとも1辺がセパレータで覆われている。電極体20内で発生したガスはセパレータで覆われていない箇所からバッファ部25に誘導されることが考えられる。したがって、これらの形状を有するセパレータ23であれば、バッファ部25に誘導されるガスが拡散することを抑制できる。つまり、つづら折り状に折り畳まれたセパレータ23では、セパレータ23を折り返した折り返し部23aにより、ガスが拡散することを抑制できる。また、袋形状のセパレータ23では、3つの辺が閉じられた状態であるため、ガスの放出経路を開放した1つの辺に限定することができる。よって、ガスが拡散することを抑制できる。
セパレータ23がつづら折り形状である場合には、充放電に伴うガスが相対的に発生しやすい電極側において、セパレータ23の折り返し部23aと反対側の開放部23bをバッファ部25側に向くようにして、電極体20が配設されることが望ましい。
具体的に図2及び図3を用いて説明する。ここでは、正極21が負極22に比べて充放電時に伴うガスが発生しやすい場合を想定している。つづら折り状に折り畳まれたセパレータ23は、正極21を収容する正極収容室231と負極収容室232を備えている。正極21及び負極22はそれぞれの収容室231,232に交互に収容されている。正極収容室231ではY方向における上端部に正極側開放部233を有しており、負極収容室232ではY方向における下端部に負極側開放部234を有している。つまり、正極側開放部233がバッファ部25に向くように電極体20が電極体部24に配設されている。
このように、セパレータ23がつづら折り形状であり、かつ、ガス発生量が相対的に多い正極側開放部233をバッファ部25側に向けて電極体20を配設することにより、電極体20内で発生したガスは電極体20内からバッファ部25へ効果的に誘導され得る。すなわち、電極体20内のガスがバッファ部25に誘導される際に、セパレータ23がガス誘導の妨げとなることを抑制できる。したがって、つづら折り形状のセパレータ23を有する電池セル2であれば、電極体20内でのガスかみしたガスを効果的にバッファ部25に誘導することができ、ゆえに、このガスに起因する電池容量の低下を効果的に抑制することができる。
また、セパレータ23が袋形状である場合には、正極21が突出する正極側開放部233付近に正極側開放部233と空間的に連通するようにバッファ部25を配設させる。これにより、袋形状のセパレータ23を有する電池セル2は、上記つづら折り形状のセパレータ23と同様の効果を奏する。
次に第1実施形態の組電池1について説明する。組電池1は、上記した電池セル2を複数積層したセル積層体10を有する。セル積層体10は、少なくとも1組以上の電気的に直列又は並列接続された複数個の電池セル2を一体して構成し、例えば、筐体内に収納されるようにしてもよい。
第1実施形態の組電池1では、各電池セル2のバッファ部25がY方向において上部に位置し各電池セル2の電極体部24がY方向において下部に位置するように、複数の電池セル2がX方向に積層している。すなわち、組電池1のセル積層体10は、X方向(積層方向)において各電池セル2のバッファ部25が積層した部分と電極体部24が積層した部分とがそれぞれ隣接するように構成されている。以下図1に示すように、セル積層体10において積層したバッファ部25を積層体バッファ部11と称する。
組電池1は、セル積層体10の充電及び放電、さらには温度調節等を制御する制御要素4を有する。制御要素4は、例えば、DC/DCコンバータ、後述する熱交換要素3を駆動するモータ、インバータによって制御される電子部品、各種センサからの電圧及び温度等の検出結果が入力される電池監視ユニット等の電子式制御装置等であり、例えばスイッチング電源装置のような電力で作動される部品である。
組電池1は、セル積層体10の温度調節を担う熱交換要素3を有する。第1実施形態における熱交換要素3は、熱媒体伝達装置30と介挿冷却部31とバッファ冷却部32とを有する。介挿冷却部31及びバッファ冷却部32は、中実体の金属部材からなり、熱媒体伝達装置30によって冷却されることによりセル積層体10を冷却する。なお、介挿冷却部31及びバッファ冷却部32は中空体の金属部材であり、介挿冷却部31及びバッファ冷却部32の内部を熱媒体伝達装置30から供給される例えば空気、水、冷媒等の熱媒体が循環して冷却されるものであってもよい。
図1に示すように介挿冷却部31は、セル積層体10を構成する各電池セル2の間に配設され、各電池セル2と熱交換を行う。すなわち介挿冷却部31は、各電池セル2が加熱したときに制御要素4の制御により各電池セル2を冷却する。
図1に示すようにバッファ冷却部32は、セル積層体10のY方向上部に位置し、積層体バッファ部11を覆うようにして構成されている。バッファ冷却部32は、積層体バッファ部11と熱交換を行う。すなわちバッファ冷却部32は、積層体バッファ部11を積層体バッファ部11以外の残部よりも冷却することにより、各電池セル2のバッファ部25を外装体26内において相対的に負圧化させる。
例えば、上記したように正極活物質として充放電に伴う膨張及び収縮率が小さい材料を用いた場合、電極体20内で発生したガスを電極体20外に放出することが困難となる。したがって、このような場合には発生したガスが電極体20内に留まり、ガスかみが発生し得る。このガスかみを解消させるべくガスのドライビングフォースとして、バッファ部25の負圧化が効果的である。つまり、電極体20部と空間的に連通しているバッファ部25が外装体26内において相対的に負圧化することで、電極体20内で発生したガスは効果的にバッファ部25に誘導される。したがって、電極体20内におけるガスかみを解消させることができる。
介挿冷却部31とバッファ冷却部32はそれぞれ独立して構成されていてもよいが、互いに接触するように構成されていることが望ましい。介挿冷却部31とバッファ冷却部32が互いに接触して構成されることにより、バッファ冷却部32も電池セル2に対する放熱機能を有することとなる。したがって、組電池1全体の冷却をより効果的に行うことができる。
ここで、第1実施形態におけるバッファ冷却部32の作用について説明する。制御要素4は、例えば予め記憶させていた電池容量よりも電池容量が低下したこと、又は予め記憶させておいた電池セル2の温度よりも高温になること等のデータに基づき、ガスかみを検知する。ガスかみを検知した制御要素4は、熱媒体伝達装置30に対してバッファ冷却部32を冷却するように指令する。制御要素4からの指令により熱媒体伝達装置30は作動し、バッファ冷却部32を冷却する。すると、バッファ冷却部32は積層体バッファ部11を冷却する。これにより、各電池セル2内のバッファ部25は電極体部24よりも温度が低くなる。結果として、バッファ部25は電池セル2内において相対的に負圧化する。ゆえに、電極体20内でガスかみしたガスは負圧化したバッファ部25に誘導される。
第1実施形態では、熱交換要素3は電極体20を加熱する加熱部をさらに有することが望ましい。そして、加熱部はバッファ部25が配設される電極体20の一方と反対側の他方で電極体20を加熱するように配設されることが望ましい。より具体的に第1実施形態の組電池1では、加熱部は、積層体バッファ部11と鉛直方向において対向する位置すなわちY方向の下端部にセル積層体10と接するように配設されることが望ましい。つまり、加熱部は、各電池セル2の電極体部24に熱を伝えるように構成されている。よって加熱部は、電極体部24が積層した積層電極体部12と接するように配設されることが望ましい。
加熱部が電極体部24に熱を伝達することにより、バッファ部25の温度が相対的に低くなる。よって、電池セル2内においてバッファ部25は相対的により負圧化する。また、電極体20内でガスかみしたガスは、加熱部によって加熱されることにより膨張して浮力が大きくなることが考えらえる。つまり、電極体20内でガスかみしたガスがより効果的に電極体20外に放出され、ガスがバッファ部25に誘導され得る。したがって、ガスかみ解消がより効果的になる。なお加熱部は、バッファ冷却部32に代えて用いられてもよいが、バッファ冷却部32と共に用いられてもよい。
また、第1実施形態の組電池1において、押圧要素や振動要素を備えることが望ましい。押圧要素や振動要素は、各電池セル2の電極体20内で発生したガスをバッファ部25に移動させる手段である。したがって、押圧要素や振動要素は、組電池1において各電池セル2の電極体20が位置するY方向の下部に配設されることが望ましい。また、押圧要素や振動要素は、制御要素がガスかみを検知したときに、制御要素4の指令によって作動する。
押圧要素は、例えばセル積層体10と介挿冷却部31からなる積層部13を積層方向(X方向)の両端部から挟持するように配設されていることが望ましい。押圧要素は、制御要素4からの指令により積層部13を押圧し、各電池セル2の電極体20に圧力を加えることで電極体20内にガスかみしたガスをバッファ部25に誘導させる。これにより、電極体20内で発生したガスを効果的にバッファ部25に移動させることができる。
振動要素は、例えばセル積層体10を超音波振動装置等により振動させることができるように配設されていることが望ましい。具体的には、振動要素はセル積層体10と介挿冷却部31とからなる積層部10のY方向の下部に積層部10を覆うようにして配設されていることが望ましい。押圧要素は、制御要素4からの指令により積層部10を超音波等により振動させ、各電池セル2の電極体20に振動を与えることにより電極体20内にガスかみしたガスをバッファ部25に誘導させる。これにより、電極体20内で発生したガスを効果的にバッファ部25に移動させることができる。
このように、第1実施形態の組電池1において、各電池セル2の電極体20内で発生したガスが電極体20内にガスかみした場合に、このガスをバッファ部25に移動させるガス移動手段として、バッファ冷却部32、加熱部、押圧要素、振動要素が用いられている。これらのガス移動手段は、それぞれ単独で第1実施形態の組電池1に用いられることが可能であり、あるいはこれらを組み合わせて第1実施形態の組電池に用いられることも可能である。
また、ガス移動手段を第1実施形態の組電池1に適用しない場合であっても、電極体20内にガスかみしたガスをバッファ部25に誘導することも可能である。これは、第1実施形態における組電池1では、各電池セル2のバッファ部25が積層方向において隣接するように、各電池セル3が積層されているためである。すなわち、積層体バッファ部11は、積層電極体部12に比べて相対的に温度が低くなる。また、図1に示すように、各電池セル2の間に介挿冷却部31が介挿されているため、制御要素4からの指令により熱媒体伝達装置30が作動して介挿冷却部31が冷却されると、バッファ部25が電極体部24よりも先に冷却され得る。よって、介挿冷却部31が冷却されることにより、積層体バッファ部11が積層電極体部12よりも早く冷却され得る。
このように、ガス移動手段を第1実施形態の組電池1に適用しない場合であっても、セル積層体10において積層体バッファ部11の温度が相対的に低くなるため、積層体バッファ部11は負圧化される。したがって、電極体20内でガスかみしたガスをバッファ部25に移動させることが可能である。結果として、第1実施形態の組電池1であれば、電池容量の低下を抑制できる。
組電池1は、さらにエンドプレート、拘束部材、外装ケースを備えている。これらは特に限定されるものではなく、例えば公知のものを用いることができる。エンドプレートは、積層部13の両側に設けられる板状の部材である。
外装ケースは、例えば、メンテナンスのために少なくとも一面を取り外し可能に構成された直方体状のケースであり、樹脂または鋼板で形成されている。外装ケースには、車両側に外装ケースをボルト締め等により固定するための取付部、及び制御要素収納ボックスを設けるようにしてもよい。
拘束部材は、長いシャフト部を有する棒状部材である。拘束部材は、積層された複数の電池セル2を安定した力で押圧して一体化できるように、金属、硬質の樹脂等の強度に優れた材料で形成される。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る組電池1では、制御要素4は電極体20内で発生したガスが活物質にガスかみしたことを、電池セル2のSOC(State of Charge)−OCV(Open Circuit Voltage)特性の関係から検知する。このこと以外は第一実施形態と同様の構成をとっている。したがって第2実施形態では、制御要素4のガスかみ検知手段について説明する。
図4に示す図は、想定する電池セル2であるリチウムイオン電池に用いられる正極21と、黒鉛を含有する負極22の、それぞれの単極における初期充電時の容量(%)と電圧(V)を表すSOC−OCV曲線である。
負極活物質として黒鉛を含有する負極22では、初期充電を行うとリチウムイオンがこの黒鉛の層間に入り吸蔵される。その際、黒鉛の層間に保持されるリチウムイオンの量が増加するに従って、第4ステージ、第3ステージ、第2ステージ、第1ステージの構造変化が黒鉛に生じることが知られている。すなわち図4に示すように、黒鉛を含有する負極22のSOC−OCV曲線は、ステージ変化に応じた階段状の電圧変化を示す。
また、リチウムイオン電池は充電に伴い、正極21の正極活物質に存在していたリチウムイオンが負極22の負極活物質へと移動する。正極21側はリチウムイオンの脱離とともに電圧が上昇し、一方で、負極22側はリチウムイオンを受け入れるとともに電圧が下降する。図5に示すように、電池として測定される電圧は、図4に示した正極電圧と負極電圧の差となる。そして、電池電圧のSOC−OCV曲線は、上記した黒鉛のステージ変化に由来する、電圧の変化が比較的緩やかな領域であるプラトー領域を有する。図5に示すように、第2実施形態におけるプラトー領域は、黒鉛のステージ変化に由来した電圧が急激に変化する2つの変曲点の間のSOC領域を意味する。具体的には、プラトー領域の下限値はSOC20%〜45%にあり、これに対する上限値はSOC55%〜80%にある。
図6及び図7を用いて、電極体20内で発生したガスが電極体20内でガスかみすることに起因する電池電圧の変化について説明する。
図6に示す実線は、正極活物質表面で発生したガスがガスかみを起こし、正極活物質とセパレータとの間に取り残され、リチウムイオンの移動を阻害した場合の正極21側と負極22側のSOC−OCV曲線を表している。また、図6に示す破線は、初期充電時であるガスかみ前の正極21側と負極22側のSOC−OCV曲線、すなわち図4で示したSOC−OCV曲線を表している。また、図7に示す実線はガスかみ後の電池電圧のSOC−OCV曲線であり、破線は初期充電時であるガスかみ前の電池電圧のSOC−OCV曲線である。
電極体内でガスかみを起こし、正極活物質とセパレータとの間に取り残されたガスは、正負極間のリチウムの移動を停止させる。したがって、このガスかみ分に応じた正極21及び負極22の使用可能な容量が減少する。つまり、正極21及び負極22のいずれにおいても電池反応に利用可能な活物質が減少する。このため、図6に示すようにガスかみ後の正極21及び負極22のSOC−OCV曲線は、ガスかみ前の正極21及び負極22のSOC−OCV曲線に比べて、共に低容量側にシフトする。結果として、正極21と負極22の電圧差で表現される電池電圧のSOC−OCV曲線は、図7に示すとおり、ガスかみ後がガスかみ前よりも低容量側にシフトするように表される。
さらに図7で示すように、本発明者等は、ガスかみ後のプラトー領域Gがガスかみ前のプラトー領域Fに比べて、その領域範囲(プラトー領域を示す容量(SOC)の範囲)が小さくなることを見い出した。この領域範囲における、ガスかみ後とガスかみ前の電圧変化は同等であった。
第2実施形態の組電池1における制御要素4は、上記したガスかみ前とガスかみ後の電池電圧におけるSOC−OCV曲線の変化を検知することで、電極体20内に発生したガスが電極体20内にガスかみしたことを認識する。すなわち、制御要素4は、初期充電時の電池電圧におけるSOC−OCV特性の相関図であるSOC−OCV曲線を記憶し、この初期充電時(ガスかみ前)の電池電圧におけるSOC−OCV曲線のプラトー領域Fよりも、組電池1作動時の電池電圧におけるSOC−OCV曲線のプラトー領域GがSOCにおいて小さくなったことを検知することにより、ガスかみが発生していることを認識する。具体的には、プラトー領域Fよりも、プラトー領域GがSOCにおいて3〜20%小さくなった場合、より好ましくは3〜10%小さくなった場合に制御要素4はガスかみが発生したことを認識する。
そして、ガスかみを認識した制御要素4は、第1実施形態で示したように、積層体バッファ部11における各電池セル2のバッファ部25が負圧化されるよう制御する。
次に、図8及び図9を用いて、電極体20内で発生したガスが電極体20内でガスかみすることに起因する電池電圧の変化について、図6及び図7とは異なる態様について説明する。
図8に示す実線は、正極活物質表面で発生したガスが電極体20内でガスかみを起こし、ガスかみしたガスが、ガスかみ周辺の正極活物質のみの反応を阻害した場合における正極21側と負極22側のSOC−OCV曲線を表している。また、図8に示す破線は、初期充電時であるガスかみ前の正極21側と負極22側のSOC−OCV曲線、すなわち図4で示したSOC−OCV曲線を表している。図9は、図8から求められる電池電圧におけるSOC−OCV曲線であって、実線がガスかみ後の電池電圧におけるSOC−OCV曲線であり、破線がガスかみ前(初期充電時)の電池電圧におけるSOC−OCV曲線である。
図8に示すように、当該態様は、負極22側のSOC−OCV曲線がガスかみ前とガスかみ後とが同じになる場合を想定している。このような場合であっても、ガスかみを起こしている正極21は、ガスかみ分の容量低下を示す。したがって、図9に示すように、ガスかみ後の電池電圧におけるSOC−OCV曲線は、ガスかみ前の電池電圧におけるSOC−OCV曲線に比べて低容量側にシフトしている。
しかしながら、負極22側のSOC−OCV曲線においてはガスかみ前とガスかみ後とで変化を有さないないため、図9に示すようにガスかみ前のプラトー領域Hとガスかみ後のプラトー領域Iでは、SOCにおける領域範囲の大きさの違いが表れない。よって、このような場合には、初期充電時(ガスかみ前)の電池電圧におけるSOC−OCV曲線に対して組電池1作動時の電池電圧におけるSOC−OCV曲線が、低容量側にシフトしたことを制御要素4が検知する。これにより、制御要素4はガスかみが発生していることを認識する。
または、初期充電時(ガスかみ前)の電池電圧におけるSOC−OCV曲線のプラトー領域Hに対して組電池1作動時の電池電圧におけるSOC−OCV曲線のプラトー領域Iが高電圧側(高OCV側)にシフトしていることを制御要素4が検知する。具体的には、プラトー領域Hよりもプラトー領域IがOCVにおいて1%〜10%、より好ましくは1%〜5%高電圧側にシフトしたことを制御要素4が検知することで、ガスかみを認識する。
このように、第2実施形態に係る組電池1における制御要素4は、電極体20内で発生したガスが電極体20内でガスかみを起こしていることを効果的に認識することができる。したがって、制御要素4は、より早期にガスかみに対する制御を行うことができる。結果として、第2実施形態における制御要素4の制御手段により、組電池1の電池容量の低下を効果的に抑制することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態として説明してきたが、本発明は特に上記実施形態に限定されるものではない。例えば第1実施形態では、1つの電極体20を1つの外装体26によって封止して電池セル2を構成しているが、2つ以上の電極体20を1つの外装体26によって封止し電池セル2を構成してもよい。さらに、組電池1を構成するすべての電極体20を1つの外装体26によって封止してもよい。このような場合、バッファ部25は複数の電極体20から発生し得るガスを収容することができる。
また、バッファ部25はガスを収容する空間を形成するために、例えば弾性部材等の部品を用いて構成されていてもよい。また、バッファ部25を機械的に負圧化するための装置を設けてもよい。さらには、バッファ部25にガスを吸着させるための吸着材を配設させていてもよい。
また、第1実施形態の組電池1には、バッファ部25に収容されたガスを組電池1外部に排出させる機構をさらに備えていてもよい。
また、外装体26内部におけるバッファ部25と電極体部24との間には、電解質を透過させずにガスを透過させる性質を有する脱気膜を設けてもよい。
また、第1実施形態における制御要素4は、電極体20内で起こり得るガスかみしたガスをバッファ部25に誘導させる各種ガス移動手段を、定期的に又はランダムに作動させるように構成されていてもよい。
1:組電池 10:セル積層体 11:積層バッファ部 12:積層電極体部
2:電池セル 20:電極体 21:正極 22:負極 23:セパレータ 231:正極収容室 232:負極収容室 23b:開放部 233:正極側開放部 234:負極側開放部
25:バッファ部 26:外装体
3:熱交換要素 30:熱媒体伝達装置 31:介挿冷却部 32:バッファ冷却部
4:制御要素

Claims (10)

  1. 正極活物質を有する正極(21)と黒鉛を含む負極活物質を有する負極(22)とセパレータ(23)とからなる電極体(20)と、
    前記電極体を電解質と共に封止する外装体(26)と、
    前記電極体と熱交換する熱交換要素(3)と、
    前記熱交換要素の動作を制御する制御要素(4)と、を備える組電池(1)であって、
    前記外装体は前記電極体と連通するバッファ部(25)を区画し、
    充放電時において前記バッファ部は前記バッファ部以外の残部よりも相対的に負圧化されている組電池。
  2. 前記バッファ部は、前記電極体よりも重力方向の上側に配設されている請求項1に記載の組電池。
  3. 前記セパレータは少なくとも1辺が開放した開放部(23b)を有するつづら折り形状又は袋形状をなし、かつ、前記正極及び前記負極を収容し前記開放部を備える収容室(231、232)を有し、
    充放電に伴う膨張及び収縮が小さい方の前記正極又は前記負極側の前記収容室における前記開放部が前記バッファ部側を向くように、前記電極体は前記外装体内に配設されている請求項1又は2に記載の組電池。
  4. 前記熱交換要素は、複数の前記電極体間に介挿された介挿冷却部(31)と、前記バッファ部と熱交換を行うバッファ冷却部(32)とを有し、
    前記バッファ部が前記残部よりも冷却されるように前記介挿冷却部と前記バッファ冷却部が前記制御要素によって制御されている請求項1〜3の何れか一項に記載の組電池。
  5. 前記熱交換要素は、前記バッファ部が配設される前記電極体の一方と反対側の他方に前記電極体を加熱する加熱部を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の組電池。
  6. 複数積層した前記電極体を積層方向における両端部から押圧する押圧要素、及び/又は、前記電極体を振動させる振動要素を有し、
    前記押圧要素及び前記振動要素は、前記制御要素によって制御されている請求項1〜5の何れか一項に記載の組電池。
  7. 前記制御要素は下記(A)及び/又は(B)を検知することより、前記熱交換要素を制御する請求項1〜6の何れか一項に記載の組電池。
    (A) 電池使用時のSOC−OCV特性の相関図における黒鉛由来のプラトー領域Gが、初期充電時のSOC−OCV特性の相関図における黒鉛由来のプラトー領域Fよりも、SOCにおいて小さくなったこと
    (B) 電池使用時のSOC−OCV特性の相関図における黒鉛由来のプラトー領域Iが、初期充電時のSOC−OCV特性の相関図における黒鉛由来のプラトー領域Hよりも、高電圧側(高OCV側)にシフトしたこと
  8. 前記正極活物質は、Ni及びMが6配位の局所構造を備え、LiNiα η β4−γ(0<α+η≦2、0≦η<1、0<β≦2、0≦γ≦1、α+η+β=1〜2.1、0.8<β/(α+η)、M:Mn、M:Ge,Snより選ばれる少なくとも一種)、或いは、LiNiα β γMnν4-ε(0.50≦α≦1.35、0≦β<1.0、0≦γ≦0.66、0.33≦β+γ≦1.1、0≦ν≦0.66、0≦ε≦1.00、M:Sn,Sb0.5Al0.5より選ばれる少なくとも一種、M:Sb)と、LiSnOが固溶してなる複合酸化物である請求項1〜7の何れか一項に記載の組電池。
  9. 前記正極活物質は、Sn及び/又はGeを含有する請求項8に記載の組電池。
  10. 前記外装体はラミネートフィルムから構成されており、
    前記バッファ部は、前記電極体から発生したガスを収容して膨張する請求項1〜9の何れか一項に記載の組電池。
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