JP2017072557A - 飛行物体探知システム及び飛行物体探知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低空を飛行する小型の飛行物体の探知に適した飛行物体探知システムを提供する。
【解決手段】飛行物体探知システム(1)が、飛行物体(3)が発生する音波を検知する音響センサ(11)と、検知した音波に基づいて捜索領域を設定する制御部(14)と、レーザ光を出射し、レーザ光を用いて捜索領域を捜索して飛行物体(3)を探知するように構成されたレーザレーダ(12)とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、飛行物体探知システム及び飛行物体探知方法に関し、特に、小型の飛行物体の探知に適した飛行物体探知システム及び飛行物体探知方法に関する。
無線通信、バッテリ、モータなどの技術革新により、近年、高性能な超小型無人航空機、例えば、マルチコプター(「マルチロータヘリコプタ」、「ドローン」とも呼ばれる)の入手が容易になってきている。このような超小型無人航空機の悪用は、重要施設等におけるセキュリティに対する脅威になっており、対策が求められている。
超小型無人航空機による脅威に対抗するためには、超小型無人航空機を早期に探知することが求められる。一般に、飛行物体を探知する探知手段としては、アクティブな探知手段とパッシブな探知手段とがある。アクティブな探知手段とは、それ自身が放射した進行波(例えば、電磁波、光波、音波)の反射を計測することで飛行物体を探知するものであり、パッシブな探知手段とは、飛行物体が放射する進行波(例えば、電磁波、光波、音波)を計測することで飛行物体を探知するものである。
アクティブな探知手段の代表的なものとしては、レーダが知られている。しかしながら、レーダは、強い電磁波を放射するため、電波干渉や人体への影響を考慮すると、特に市街地において低空を飛行する小型の飛行物体の探知には用いることは難しい。
パッシブな探知手段の代表的なものとして、赤外線センサが知られている。しかしながら、赤外線センサは、全周囲モニタリングが不得手であるという課題がある。加えて、赤外線センサは、近年、広く用いられるようになったバッテリ駆動の超小型無人航空機の探知には適さない。バッテリ駆動の超小型無人航空機はそれほど、高温にはならない。その一方で、熱源が分散して存在する市街地を超小型無人航空機が低空で飛行する場合には、背景に比較的温度が高い建物が存在することがある。このような場合、赤外線センサでは、該超小型無人航空機を識別することが困難である。
このような課題を克服するための一つの手段として、飛行物体が発する音波を検知して飛行物体の探知を行う技術が知られている(例えば、特開2014−157023号公報(特許文献1))。検知した音波に対して周波数解析を行うことで、雨天等の雑音が多い環境でも飛行物体を探知可能である。しかしながら、音波の特性上、探知の指向性は低く、飛行物体の大まかな方位の特定は可能であっても、飛行物体の識別及び特定を行うことは実際上、困難である。
このような背景から、低空を飛行する小型の飛行物体の探知に適した飛行物体探知システム及び飛行物体探知方法の提供が望まれている。
特開2014−157023号公報
したがって、本発明の目的は、低空を飛行する小型の飛行物体の探知に適した飛行物体探知システム及び飛行物体探知方法を提供することにある。
本発明の他の目的、効果及び新規な特徴は、本明細書の開示から当業者には理解されるであろう。
以下では、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を参照しながら、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。
本発明の一の観点では、飛行物体探知システム(1)が、飛行物体(3)が発生する音波を検知する音響センサ(11)と、検知した音波に基づいて捜索領域を設定する制御部(14)と、レーザ光を出射し、レーザ光を用いて捜索領域を捜索して飛行物体(3)を探知するように構成されたレーザレーダ(12)とを具備する。
一実施形態では、当該飛行物体探知システム(1)が、更に、飛行物体(3)に対し、物理的な作用を伴う対処を行うように構成された対処手段(13、15−18)を具備することが好ましい。この場合、レーザレーダ(12)は、飛行物体(3)によってレーザ光が反射されて生成される反射光を検出するように構成され、制御部(14)は、反射光から得られる飛行物体(3)に関する情報を含む目標情報に基づいて、飛行物体(3)に対する対処の可否を判断する。
レーザレーダ(12)が反射光に基づいた測距を実行可能に構成されており、目標情報が測距によって得られた飛行物体(3)までの距離を用いて特定された飛行物体(3)の3次元座標を含んでいる場合、一実施形態では、制御部(14)が、飛行物体(3)が所定の対処可能区域に入っているか否かを判断する第1判断と飛行物体(3)が対処可能区域に入る見込みがあるか否かを判断する第2判断とのうちの少なくとも一方の判断を目標情報に基づいて行い、少なくとも一方の判断の結果に応じて飛行物体(3)に対する対処の可否を判断することが好ましい。他の実施形態では、制御部(14)が、目標情報に基づいて飛行物体(3)の墜落予想範囲を算出し、算出された墜落予想範囲に基づいて飛行物体(3)に対する対処の可否を判断することが好ましい。更に他の実施形態では、制御部(14)は、過去の各時刻における飛行物体(3)の3次元座標に基づいて将来における飛行物体(3)の飛行経路を推定し、飛行経路上の各位置で飛行物体(3)が飛行能力を失った場合の墜落予想範囲を算出し、算出された墜落予想範囲に基づいて飛行物体(3)に対する対処の可否を判断することが好ましい。
該レーザレーダ(12)が反射光から飛行物体(3)の周辺の空域の風速分布が取得可能に構成されている場合、制御部(14)は、風速分布に基づいて飛行物体(3)の墜落予想範囲を算出することが好ましい。
一実施形態では、制御部(14)が、レーザレーダ(12)によって得られた飛行物体(3)の画像に基づいて飛行物体(3)の識別を行い、識別の結果に基づいて飛行物体(3)の空力特性を特定し、空力特性に基づいて飛行物体(3)の墜落予想範囲を算出することが好ましい。
一実施形態では、制御部(14)は、音響センサ(11)及び/又はレーザレーダ(12)によって得られた飛行物体(3)の目標情報に基づいて飛行物体(3)の識別を行ってもよい。このとき、制御部(14)は、飛行物体(3)がマルチコプターと識別した場合、マルチコプターのロータが機能を喪失した場合の飛行物体(3)の墜落予想範囲をロータのそれぞれについて計算し、計算された墜落予想範囲に基づいてロータを選択し、対処手段(13)を選択したロータの機能を喪失させるように制御してもよい。
複数のロータがロータの機能を喪失させるロータとして選択されてもよい。この場合、制御部(14)は、音響センサ(11)及び/又はレーザレーダ(12)によって得られた飛行物体(3)の目標情報に基づいて飛行物体(3)の識別を行い、識別において飛行物体(3)がマルチコプターと識別した場合、マルチコプターのロータ又はロータの組み合わせが機能を喪失した場合の飛行物体(3)の墜落予想範囲をロータ及びロータの組み合わせのそれぞれについて計算し、計算された墜落予想範囲に基づいてロータ又はロータの組み合わせを選択し、対処手段(13)を選択したロータ又はロータの組み合わせの機能を喪失させるように制御する。
一実施形態では、当該飛行物体探知システム(1)が、それぞれが、飛行物体(3)に対して物理的な作用を伴う対処を行うように構成された複数の対処手段(13、15−18)を具備してもよい。この場合、レーザレーダ(12)が飛行物体(3)によってレーザ光が反射されて生成される反射光を検出するように構成され、制御部(14)が反射光から得られる飛行物体(3)に関する情報を含む目標情報に基づいて、複数の対処手段(13、15−18)のうちから対処手段を選択し、選択された対処手段によって飛行物体(3)に対する対処を実行するように動作することが好ましい。
該複数の対処手段(13、15−18)は、飛行物体(3)を物理的に破壊する第1対処を実行する第1対処手段(13、15)と、飛行物体(3)を損傷させないが正常動作を妨げる第2対処を行う第2対処手段(16−18)とを含むことが好ましい。
本発明の他の観点では、飛行物体探知方法が、音響センサ(11)により飛行物体(3)が発生する音波を検知するステップと、検知した音波に基づいて探査領域を設定するステップと、レーザ光を出射するように構成されたレーザレーダ(12)により、レーザ光を用いて探査領域を探査して飛行物体(3)を探知するステップとを具備する。
本発明によれば、低空を飛行する小型の飛行物体の探知に適した飛行物体探知システム及び飛行物体探知方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の飛行物体探知システムの構成を示す概念図である。 図1に図示されている飛行物体探知システムの構成を概念的に示すブロック図である。 本実施形態における飛行物体探知システムの動作を示すフローチャートである。 他の実施形態の飛行物体探知システムの構成を示す概念図である。
図1は、本発明の一実施形態の飛行物体探知システム1の構成を示す概念図である。図2は、飛行物体探知システム1の構成を概念的に示すブロック図である。図1に図示されているように、本実施形態の飛行物体探知システム1は、防護対象である重要施設2及びその周辺を含むように設定された警戒領域2aに侵入してきた飛行物体3を探知するように構成されている。飛行物体3としては様々なものが考えられるが、一例としては、操縦者4が所持する操縦端末4aによって操縦されて飛行する超小型無人航空機が挙げられる。
本実施形態の飛行物体探知システム1は、音響センサ11と、レーザレーダ12と、高出力レーザ13と、監視制御装置14とを備えている。なお、レーザレーダは、ライダ(LIDAR: light imaging detection and ranging)と呼ばれることもある。
音響センサ11とレーザレーダ12とは、飛行物体3を探知し、更に、飛行物体3に関する情報である目標情報を得るための探知手段として用いられる。詳細には、音響センサ11は、飛行物体3の初期探知のために用いられるものであり、飛行物体3が発生する音波から飛行物体3を探知する。音響センサ11は、警戒領域2aの全体について飛行物体3を捜索可能であるように構成されており、本実施形態では、音響センサ11からの距離が水平面内において所定の捜索半径よりも近く、また、所定の高度以下の空間が警戒領域2aとして設定される。レーザレーダ12は、レーザ光を出射し、飛行物体3によって該レーザ光が反射されて生成される反射光から飛行物体3を探知する。後述されるように、レーザレーダ12は、音響センサ11によって得られた飛行物体3に関する音響情報に基づいて設定された捜索領域を捜索し、更に、飛行物体3の識別及び追尾を行うように構成されている。
高出力レーザ13は、音響センサ11及びレーザレーダ12を用いて探知された飛行物体3に対し、必要な場合、物理的な作用を伴う対処(例えば、飛行物体3の物理的な破壊や、電磁波の照射による正常動作の阻害)を行うためのものである。本実施形態では、必要があると判断された場合、高出力レーザ13は、高出力レーザ光を飛行物体3に照射して飛行物体3の飛行能力を喪失させる。なお、後述されるように、飛行物体3に対する対処のためには、高出力レーザ以外の様々な対処手段が用いられ得る。
監視制御装置14は、本実施形態の飛行物体探知システム1の全体の動作を制御する制御部として動作する。監視制御装置14としては、一般的なコンピュータと同様のハードウェア構成の装置が用いられ得る。図2に図示されているように、本実施形態では、監視制御装置14は、インターフェース21と、表示装置22と、入力装置23と、メモリ24と、外部記憶装置25と、演算装置26とを備えている。
インターフェース21は、外部機器との接続、より具体的には、音響センサ11、レーザレーダ12及び高出力レーザ13との接続に用いられる。インターフェース21は、音響センサ11、レーザレーダ12及び高出力レーザ13に制御信号や制御データを送信し、音響センサ11、レーザレーダ12及び高出力レーザ13から送られてきた様々なデータを受信する。
表示装置22及び入力装置23は、飛行物体探知システム1を操作するマン・マシンインタフェースとして用いられる。詳細には、表示装置22は、監視制御装置14のオペレータに様々な情報を表示するために用いられ、入力装置23は、監視制御装置14に対する様々な操作を外部入力するために用いられる。
メモリ24は、演算装置26による演算処理においてワークエリアとして用いられる。
外部記憶装置25は、演算装置26によって行われる演算処理に用いられる様々なソフトウェア及びデータを格納する。一実施形態では、外部記憶装置25は、システムソフトウェア31と、飛行物体識別データベース32と、飛行物体対処データベース33とを保持している。
システムソフトウェア31は、音響分析ロジック31aと、識別追尾ロジック31bと、対処判断ロジック31cとを有している。音響分析ロジック31aは、音響センサ11によって検知された音波を分析して飛行物体3を探知するためのロジックである。識別追尾ロジック31bは、音響センサ11及び/又はレーザレーダ12を用いて得られる目標情報に基づいて飛行物体3を識別し、更に飛行物体3を追尾するためのロジックである。対処判断ロジック31cは、該目標情報に基づいて探知した飛行物体3に対する対処を判断するロジックである。
飛行物体識別データベース32は、識別追尾ロジック31bによる飛行物体3の識別に用いられる様々なデータである識別データを探知しようとする飛行物体3の種類のそれぞれについて蓄積している。飛行物体識別データベース32に蓄積される識別データは、例えば、飛行物体3の音紋を示す音紋データを含んでいてもよい。マルチコプターは独特の音を発生するので、識別データが音紋データを含んでいる場合には、音響センサ11で検知された音波と音紋データとを照合することで飛行物体3がマルチコプターであることを識別することができる。加えて、飛行物体識別データベース32に蓄積される識別データは、飛行物体3の形状を示す形状データ、その他飛行物体3の属性に基づく様々なデータを含んでいてもよい。
飛行物体対処データベース33は、探知した飛行物体3への対処を判断するために用いられる様々なデータを蓄積している。飛行物体対処データベース33は、例えば、重要施設2の周辺の空間のうち飛行物体3に対する対処が許容される領域である対処可能領域を記述した対処可能領域データや、重要施設2の周辺の各地点について、該地点に飛行物体3が墜落した場合の安全性の評価を示す周辺地面安全評価データを含んでいてもよい。該周辺地面安全評価データは、飛行物体3が墜落することが許容される地点の範囲である墜落許容範囲を示す墜落許容範囲データを含んでいてもよい。また、飛行物体対処データベース33は、音響センサ11及び/又はレーザレーダ12を用いて得られた情報と、それに対応する対処方法との対応関係を記述した対処判断テーブルを備えていてもよい。対処判断テーブルを使用する構成ではテーブルルックアップによって速やかに探知した飛行物体3への対処を判断でき、これは、対処の判断に要する時間を短縮するために好適である。
演算装置26は、外部記憶装置25に格納されているシステムソフトウェア31を実行して飛行物体探知システム1の動作において必要な様々な演算処理を行い、これにより、飛行物体3の探知及び飛行物体3に対する対処を実現する。
続いて、本実施形態の飛行物体探知システム1の動作について説明する。本実施形態における飛行物体探知システム1の動作の特徴の一つは、音響センサ11によって得られる音響情報に基づいて捜索領域を設定し、その捜索領域に対してレーザレーダ12による捜索を行うことである。このような動作は、音響センサ11とレーザレーダ12とのそれぞれの利点を生かすと共に欠点を相殺した、効率的な飛行物体3の探知を行うためのものである。以下では、音響センサ11とレーザレーダ12とを用いた飛行物体3の探知について説明する。
レーザレーダ12は、レーザ光を自ら出射し、更に、物体によって該レーザ光が反射されて生成された反射光から該物体を探知するように構成される。このような構成のレーザレーダ12は、電波干渉を発生することなく、飛行物体3の探知を行うことができる。また、アイセーフ帯の波長のレーザ光を用いればレーザレーダ12の近傍にいる人(例えば、通行人)の健康被害を発生させる可能性を無くすことができ、また、アイセーフ帯でない波長のレーザ光を用いる場合でも、レーザレーダ12を十分に高い位置に設置することで、健康被害を回避することもできる。このような特性は、飛行物体探知システム1を市街地で運用するために好適である。加えて、レーザレーダ12は、高い分解能で画像を取得でき、また、探知した物体までの距離の測定(測距)や該物体が位置する方位及び仰俯角の特定が可能なので、飛行物体3に関して詳細な目標情報を得ることができる。
その一方で、レーザレーダ12は、全周囲捜索には適さないという問題もある。飛行物体3は任意の方向から飛来し得るので、飛行物体3の探知においては全周囲捜索が求められる。
このような問題に対処するために、本実施形態では、音響センサ11が初期探知に使用される。音響センサ11によって飛行物体3が探知されると、音響センサ11によって得られた音響情報に基づいて捜索領域が設定され、その捜索領域に対してレーザレーダ12による捜索が行われる。音響センサ11は、音波の特性上、指向性や分解能が低いので、音響センサ11単独で目標の識別のために十分な目標情報を得ることは困難であるが、音響センサ11とレーザレーダ12との組み合わせによれば、全周囲捜索と詳細な目標情報の取得の両方を実現することができる。
以下では、本実施形態の飛行物体探知システム1の動作の具体例について説明する。図3は、本実施形態の飛行物体探知システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
飛行物体3の探知においては、まず、音響センサ11を用いた初期探知が行われる(ステップS01)。詳細には、音響センサ11によって音波が検知されると、システムソフトウェア31の音響分析ロジック31aによって検知された音波に対して音響分析(例えば、周波数分析)が行われる。音響分析の結果から、該音波の発生源が飛行物体3であるか否かの判別が行われる。このような手法により、飛行物体3の探知が行われる。飛行物体3が探知されない場合には(ステップS02:NO)、音響センサ11による初期探知が継続して行われる。
音響センサ11を用いた初期探知により飛行物体3が探知されると(ステップS02:YES)、音響センサ11によって検知された音波から得られる音響情報に基づいてレーザレーダ12の捜索領域が設定され(ステップS03)、更に、設定された当該捜索領域についてレーザレーダ12による捜索が行われる(ステップS04)。音響センサ11によって検知された音波に対して音響分析を行うことにより、精度は低いものの、飛行物体3に関する様々な情報、例えば、飛行物体3の大まかな方位などを得ることができる。このような音響情報に基づいて設定された捜索領域についてレーザレーダ12による捜索を行うことにより、レーザレーダ12が捜索する領域を適切に限定しながら飛行物体3の探知を行うことができる。これは、レーザレーダ12にとって不得手な全周囲探索をレーザレーダ12に実行させる必要がなくなることを意味する。
レーザレーダ12による捜索により飛行物体3が探知されると、レーザレーダ12によって得られる情報から飛行物体3の識別がなされ、更に、飛行物体3の追尾が行われる(ステップS05)。ステップS05における飛行物体3の識別及び追尾は、システムソフトウェア31の識別追尾ロジック31bによって行われる。
一実施形態では、飛行物体3の識別(例えば、飛行物体3の種類(機種)の識別)は、レーザレーダ12によって得られた飛行物体3の画像に基づいて行われ得る。飛行物体識別データベース32に様々な種類の飛行物体3の形状データが登録されている場合には、飛行物体3の画像と該形状データのマッチングによって飛行物体3の識別が行われてもよい。また、飛行物体識別データベース32に様々な飛行物体3の音紋データが登録されている場合には、音響センサ11によって得られた飛行物体3の音紋と該音紋データとのマッチングの結果に基づいて飛行物体3の識別を行ってもよい。飛行物体3の識別においては、飛行物体3の画像と該形状データのマッチング及び飛行物体3の音紋と該音紋データとのマッチングの両方を行ってもよい。
飛行物体3の追尾は、レーザレーダ12によって各時刻における飛行物体3の3次元座標を特定することによって行われる。レーザレーダ12は、飛行物体3が位置する方位、仰俯角及び飛行物体3までの距離を特定可能であり、言い換えれば、飛行物体3の3次元座標を特定可能である。ここで、飛行物体3が位置する方位とは、飛行物体3の位置の水平面内の方向を意味しており、飛行物体3が位置する仰俯角とは、飛行物体3が位置する方向と水平面との間の角度を意味している。よって、飛行物体3が存在することが想定される領域をレーザレーダ12によって逐次に捜索することで各時刻における飛行物体3の3次元座標の特定、即ち、飛行物体3の追尾が可能である。
続いて、飛行物体3に対する対処の可否が判断され(ステップS06)、飛行物体3に対する対処を実施すると判断した場合には(ステップS07:YES)、当該対処が行われる(ステップS08)。本実施形態では、ステップS06〜S08における飛行物体3に対する対処の可否の判断及び当該対処のための高出力レーザ13の制御は、システムソフトウェア31の対処判断ロジック31cによって行われる。
本実施形態では、飛行物体3に対する対処として、高出力レーザ13で発生した高出力レーザ光を飛行物体3に照射して飛行物体3の飛行能力を喪失させる(即ち、撃墜する)という手法が採用される。なお、後述のように、飛行物体3に対する対処としては、他の様々な対処手法が採用され得ることに留意されたい。
高出力レーザ光で飛行物体3の飛行能力を失わせるという対処手法を採用する場合、飛行物体3が墜落しても人的、物的被害が発生しないという安全性を確認した上で飛行物体3への対処を行うことが望ましい。そこで、本実施形態では、音響センサ11を用いた初期探知(ステップS01)及びレーザレーダ12による探知(ステップS03)によって得られる飛行物体3に関する情報(以下では、「目標情報」ということがある)、及び、飛行物体対処データベース33に蓄積されているデータを用いて飛行物体3に対する対処の可否が判断される。飛行物体3に対する対処を行わないと判断された場合、引き続き、飛行物体3の追尾(ステップS05)と対処の可否の判断(ステップS06)が繰り返して行われる。
飛行物体3に対する対処の可否は、様々な観点から、また、様々なアルゴリズムを用いて判断され得る。以下では、飛行物体3に対する対処の可否の判断の実施例について説明する。
一実施例では、飛行物体3が所定の対処可能区域(例えば、重要施設2の敷地の上空○○m以下)に入っているか、又は、近い将来に(当該判断の時点から所定の時間以内に)対処可能区域に入る見込みがあるかに基づいて飛行物体3に対する対処の可否の判断を行ってもよい。対処可能区域を、その内部で飛行物体3を撃墜しても安全性が確保されると判断されるような区域に設定することで、飛行物体3の墜落による人的、物的被害の発生を防ぐことができる。このような判断が行われる場合、飛行物体対処データベース33に対処可能区域を示す対処可能区域データが格納される。
より具体的には、以下のようにして飛行物体3が所定の対処可能区域に入っているかを判断してもよい。飛行物体3の追尾(ステップS05)では、レーザレーダ12により飛行物体3が位置する方位、仰俯角及び飛行物体3までの距離が特定され、これにより、飛行物体3の3次元座標(3次元位置)が特定されている。即ち、飛行物体3の目標情報は、飛行物体3の3次元座標を含んでいる。そこで、目標情報に含まれている飛行物体3の3次元座標を用いて飛行物体3が所定の対処可能区域(例えば、重要施設2の敷地の上空○○m以下)に入っているかが判断される。特定された飛行物体3の3次元座標が対処可能区域にあると判断された場合、飛行物体3に対する対処、即ち、高出力レーザ13で発生した高出力レーザ光を飛行物体3に照射して飛行物体3の飛行能力を喪失させる対処が実施される。
また、飛行物体3の将来における飛行経路が推定され、推定された飛行経路に基づいて飛行物体3が近い将来に対処可能区域に入る見込みがあると判断された場合、飛行物体3が対処可能区域に入った時点で高出力レーザ光を飛行物体3に照射して飛行物体3の飛行能力を失わせるという対処が実施されてもよい。飛行物体3の追尾(ステップS05)によって過去の(即ち、対処の可否の判断の時点までの)各時刻における飛行物体3の3次元座標、言い換えれば飛行物体3の飛行経路及び速度が特定されているから、将来における飛行物体3の飛行経路を推定可能である。この場合には、飛行物体3の追尾により、飛行物体3が実際に対処可能区域に入ったことを確認した上で飛行物体3に対する対処が実施される。
また、現時点で飛行物体3を撃墜したときの飛行物体3の墜落予想範囲(飛行物体3が墜落すると予想される地点の範囲)が算出され、算出された墜落予想範囲に基づいて飛行物体3に対する対処の可否を判断してもよい。この場合、重要施設2の周辺の各地点について、該地点に飛行物体3が墜落した場合の安全性の評価を示す周辺地面安全評価データが飛行物体対処データベース33に格納され、墜落予想範囲に基づく飛行物体3に対する対処の可否の判断において該周辺地面安全評価データが参照されてもよい。周辺地面安全評価データは、飛行物体3が墜落することが許容される墜落許容範囲を示す墜落許容範囲データを含んでいてもよく、この場合、墜落予想範囲が墜落許容範囲データに示されている墜落許容範囲の内部に位置しているか否かに基づいて飛行物体3に対する対処の可否の判断が行われてもよい。
墜落予想範囲の算出においては、飛行物体3の周辺及び下方の空域における風速分布が参照されてもよい。一実施形態では、レーザレーダ12によるドップラー速度測定によって飛行物体3の周辺の空域における風速分布が測定され、測定された該風速分布が墜落予想範囲の算出において用いられてもよい。ここで、レーザレーダ12は、飛行物体3の探知のみならず、大気中の微粒子(エアロゾル)の移動速度を風速として計測することで風速分布も測定可能であることに留意されたい。レーザレーダ12を用いて飛行物体3の探知を行う本実施形態の飛行物体探知システム1は、風速分布の測定のために別途の装置を必要とせず、効率的な運用が可能である。
また、墜落予想範囲の算出においては、飛行物体3の空力特性を参照してもよい。また、飛行物体3の空力特性に基づく墜落予想範囲の算出は、下記のようにして行われ得る。一実施形態では、飛行物体識別データベース32に、飛行物体3の種類(機種)毎に該飛行物体3の空力特性を示す空力特性データが予め蓄積され、この空力特性データが、探知された飛行物体3の空力特性を特定するために用いられもよい。この場合、ステップS05において識別された飛行物体3の種類(機種)に対応する空力特性が飛行物体識別データベース32の空力特性データから抽出され、抽出された飛行物体3の空力特性が墜落予想範囲の算出の際に用いられる。飛行物体3の種類(機種)の識別及びその識別結果に基づく空力特性の特定は、一実施形態では、レーザレーダ12によって得られた飛行物体3の画像に基づいて行われ得る。この識別においては、飛行物体3の音紋を参照してもよく、飛行物体3の音紋と飛行物体識別データベース32に登録されている音紋データとのマッチングの結果と飛行物体3の画像とに基づいて飛行物体3の識別を行ってもよい。
また、将来における飛行物体3の飛行経路を推定し、該飛行経路上の各位置について当該位置で飛行物体3が飛行能力を失った場合の墜落予想範囲を算出し、算出された墜落予想範囲に基づいて最適な対処位置(飛行物体3の飛行能力を喪失させる位置)を飛行経路上の位置から選択してもよい。上述のように、将来における飛行物体3の飛行経路は、飛行物体3の追尾によって得られた情報(即ち、現時点までの飛行物体3の飛行経路及び速度)から推定可能である。この場合にも、墜落予想範囲の算出において、飛行物体3の周辺及び下方の空域における風速分布、飛行物体3の空力特性を参照してもよい。
また、飛行物体3に対する対処の可否の判断においては、高出力レーザ13からの高出力レーザ光の出射の安全性の確認が行われることが好ましい。即ち、高出力レーザ13から出射された高出力レーザ光が被害を及ぼすことを回避すべき対象(例えば、人、建築物)に照射されると想定される場合(例えば、高出力レーザ13と飛行物体3とを結ぶ直線の延長線上に人や建築物が存在する場合)には、高出力レーザ13による飛行物体3に先立って、安全性の確認を行う。このような安全性の確認は、例えば、レーザレーダ12によって得られる画像に基づいて行うことができる。一実施形態では、レーザレーダ12によって得られる画像から、高出力レーザ13と飛行物体3とを結ぶ直線の延長線上に被害を及ぼすことを回避すべき対象がいるか否かを判断してもよい。
飛行物体3に対する対処の可否の判断を短時間で行うためには、音響センサ11及び/又はレーザレーダ12を用いて得られた情報と、それに対応する対処方法との対応関係を記述した対処判断テーブルを飛行物体対処データベース33に用意し、該対処判断テーブルのテーブルルックアップによって飛行物体3に対する対処の可否の判断を行ってもよい。このような手法によれば、飛行物体3に対する対処の可否の判断のロジックが単純化され、飛行物体3に対する対処の可否の判断に要する時間を短縮できる。このような手法は、例えば、飛行物体3に対する対処の可否の判断をリアルタイムで行う必要がある場合に好適である。
ステップS05の飛行物体3の識別において飛行物体3がマルチコプターと識別された場合、ステップS06の飛行物体3への対処の可否の判断において、該マルチコプターのどのロータを破壊すべきかを選択してもよい。一実施形態では、飛行物体3がマルチコプターと識別された場合、どのロータが機能を喪失するとどのような方向に墜落しやすいかが、ロータのそれぞれについて計算される。この計算結果に基づいて、ロータのそれぞれについて飛行物体3の墜落予想範囲が計算され、計算された墜落予想範囲と上述の周辺地面安全評価データに基づいて、最適と考えられるロータが選択される。なお、墜落予想範囲の計算においては、上述されているように、飛行物体3の周辺の空域の風速分布及び/又は飛行物体3の空力特性が参照されてもよい。高出力レーザ13は、レーザレーダ12によって得られた画像を参照して、選択されたロータに高出力レーザ光を照射して、該ロータの機能を喪失させるように制御される。
複数のロータを機能を喪失させるロータとして選択してもよい。この場合、一実施形態では、飛行物体3がマルチコプターと識別された場合、どのロータ又はロータの組み合わせが機能を喪失するとどのような方向に墜落しやすいかが、ロータ及びロータの組み合わせのそれぞれについて計算される。この計算結果に基づいて、ロータ及びロータの組み合わせのそれぞれについて飛行物体3の墜落予想範囲が計算され、計算された墜落予想範囲と上述の周辺地面安全評価データに基づいて、最適と考えられるロータ又はロータの組み合わせが選択される。高出力レーザ13は、レーザレーダ12によって得られた画像を参照して、選択されたロータ又はロータの組み合わせに高出力レーザ光を照射して、該ロータの機能を喪失させるように制御される。
また、飛行物体3の飛行経路が推定され、飛行経路上のどの位置において該マルチコプターのどのロータ又はロータの組み合わせを破壊すべきかを判断してもよい。一実施形態では、飛行経路上の各位置について、どのロータ又はロータの組み合わせが機能を喪失するとどのような方向に墜落しやすいかが、推定した飛行経路上の位置とロータ及びロータの組み合わせのそれぞれについて計算される。この計算結果に基づいて、飛行経路上の位置とロータの組み合わせのそれぞれについて飛行物体3の墜落予想範囲が計算され、計算された墜落予想範囲と上述の周辺地面安全評価データに基づいて、飛行物体3の撃墜に最適と考えられるロータ又はロータの組み合わせ、及び、飛行経路上の位置が選択される。高出力レーザ13は、飛行物体3が飛行経路上の選択された位置に到達したときに、該選択されたロータ又はロータの組み合わせに高出力レーザ光を照射するように制御される。なお、飛行物体3の対処のための動作の単純化のためには、単一のロータが破壊すべきロータとして選択されてもよい。
また、飛行物体探知システム1に複数の対処手段が設けられ、該複数の対処手段のうちから選択された対処手段を用いて飛行物体3に対する対処が行われてもよい。図4は、複数の対処手段を備えた飛行物体探知システム1の構成の一例を示すブロック図である。図4の飛行物体探知システム1の構成では、対処手段として、高出力レーザ13の他に高出力マイクロ波発生装置15、レーザストロボ装置16、操縦電波ジャミング/オーバーライド装置17及びGPS電波ジャミング/オーバーライド装置18が設けられている。
高出力マイクロ波発生装置15は、発生した高出力マイクロ波を飛行物体3に照射することで飛行物体3を電子的に破壊する装置である。レーザストロボ装置16は、(高出力レーザ13が発生する高出力レーザ光のような強い光強度ではないものの)ある程度の光強度を有するレーザ光をストロボ照射する(瞬間的に照射する)ことで、飛行物体3のセンサの正常動作を阻害する装置である。操縦電波ジャミング/オーバーライド装置17は、飛行物体3の操縦に用いられる操縦端末4aが発する操縦電波を妨害し(ジャミング)、又は、偽の操縦電波を発生して飛行物体3の動作を乗っ取る(オーバーライド)装置である。GPS電波ジャミング/オーバーライド装置18は、飛行物体3が搭載するGPS(global positioning system)が受信すべきGPS電波を妨害し(ジャミング)、又は、偽のGPS電波を発生して飛行物体3の動作を乗っ取る(オーバーライド)装置である。一般に、マルチコプターは、GPSを用いて自機の位置を認識するように構成されるので、GPS電波を妨害し、又は、偽のGPS電波を発生することで、マルチコプターの飛行を妨げ、又は、乗っ取ることができる。なお、飛行物体探知システム1に設けられる対処手段の組み合わせは、状況に応じて様々に変更され得る。
飛行物体探知システム1に複数の対処手段を設けることは、状況に応じた飛行物体3への対処を可能にするために好ましい。例えば、ハードキル(飛行物体3を物理的・電子的に破壊する対処)を実行する対処手段と、ソフトキル(飛行物体3を損傷させないが正常動作を妨げる対処)を行う対処手段を設ければ、安全性の観点からハードキルが選択できない場合にソフトキルを実行することで、安全性を考慮しながら飛行物体3の脅威を低減させることができる。図4に図示された飛行物体探知システム1の構成では、高出力レーザ13及び高出力マイクロ波発生装置15がハードキルを実行する対処手段であり、レーザストロボ装置16、操縦電波ジャミング/オーバーライド装置17及びGPS電波ジャミング/オーバーライド装置18がソフトキルを実行する対処手段である。
一実施形態では、対処手段の選択は、音響センサ11及びレーザレーダ12によって得られる飛行物体3の目標情報に基づいて行われてもよい。例えば、飛行物体3の目標情報に含まれる飛行物体3の3次元座標を参照し、飛行物体3が所定の対処可能区域に入っているか否かに基づいて対処手段を選択してもよい。上述のように、飛行物体3の追尾(ステップS05)では、レーザレーダ12により飛行物体3が位置する方位、仰俯角及び飛行物体3までの距離が特定され、これにより、飛行物体3の3次元座標(3次元位置)が特定されていることに留意されたい。飛行物体3が所定の対処可能区域に入っている場合、ハードキルを実行する対処手段(例えば、高出力レーザ13及び高出力マイクロ波発生装置15)が選択され、選択された対処手段を用いて飛行物体3に対する対処が行われる。一方、飛行物体3が所定の対処可能区域に入っていない場合、ソフトキルを実行する対処手段(例えば、レーザストロボ装置16、操縦電波ジャミング/オーバーライド装置17及びGPS電波ジャミング/オーバーライド装置18)が選択される。
また、飛行物体3の将来における飛行経路が推定され、推定された飛行経路に基づいて飛行物体3が近い将来に対処可能区域に入る見込みの有無に基づいて対処手段が選択されてもよい。飛行物体3が近い将来に対処可能区域に入る見込みがあると判断された場合、飛行物体3が対処可能区域に入った時点でハードキルを実行する対処手段によって飛行物体3の飛行能力を失わせるという対処が実施される。この場合には、飛行物体3の追尾によって飛行物体3が実際に対処可能区域に入ったことを確認した上でハードキル、即ち、飛行物体3の飛行能力を喪失させる対処が実行される。一方、飛行物体3が対処可能区域に入る見込みがないと判断された場合、ソフトキルを実行する対処手段による飛行物体3に対する対処が行われる。
また、飛行物体3を撃墜したときの飛行物体3の墜落予想範囲(飛行物体3が墜落すると予想される地点の範囲)が算出され、算出された墜落予想範囲に基づいて対処手段が選択されてもよい。詳細には、算出された墜落予想範囲と飛行物体対処データベース33に格納された周辺地面安全評価データに基づき、飛行物体3を撃墜した場合の安全性が評価される。飛行物体3を撃墜しても安全であると判断された場合、ハードキルを実行する対処手段によって飛行物体3の飛行能力を失わせるという対処が実施される。一方、飛行物体3を撃墜した場合の安全性が担保されないと判断された場合、ソフトキルを実行する対処手段によって飛行物体3に対する対処が実行される。
なお、上述された飛行物体3への対処の可否の判断方法及び複数の対処手段を設けた場合の対処手段の選択方法は、技術的な齟齬が無い範囲で組み合わせて実施され得ることに留意されたい。
以上には、本発明の具体的な実施形態が様々に記載されているが、本発明が上述の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。
1 :飛行物体探知システム
2 :重要施設
2a :警戒領域
3 :飛行物体
4 :操縦者
4a :操縦端末
11 :音響センサ
12 :レーザレーダ
13 :高出力レーザ
14 :監視制御装置
15 :高出力マイクロ波発生装置
16 :レーザストロボ装置
17 :操縦電波ジャミング/オーバーライド装置
18 :GPS電波ジャミング/オーバーライド装置
21 :インターフェース
22 :表示装置
23 :入力装置
24 :メモリ
25 :外部記憶装置
26 :演算装置
31 :システムソフトウェア
31a :音響分析ロジック
31b :識別追尾ロジック
31c :対処判断ロジック
32 :飛行物体識別データベース
33 :飛行物体対処データベース

Claims (12)

  1. 飛行物体が発生する音波を検知する音響センサと、
    検知した前記音波に基づいて捜索領域を設定する制御部と、
    レーザ光を出射し、前記レーザ光を用いて前記捜索領域を捜索して前記飛行物体を探知するように構成されたレーザレーダ
    とを具備する
    飛行物体探知システム。
  2. 請求項1に記載の飛行物体探知システムであって、
    更に、
    前記飛行物体に対し、物理的な作用を伴う対処を行うように構成された対処手段
    を具備し、
    前記レーザレーダは、前記飛行物体によって前記レーザ光が反射されて生成される反射光を検出するように構成され、
    前記制御部は、前記反射光から得られる前記飛行物体に関する情報を含む目標情報に基づいて、前記飛行物体に対する前記対処の可否を判断する
    飛行物体探知システム。
  3. 請求項2に記載の飛行物体探知システムであって、
    前記レーザレーダは、前記反射光に基づいた測距を実行可能に構成されており、
    前記目標情報は、前記測距によって得られた前記飛行物体までの距離を用いて特定された前記飛行物体の3次元座標を含んでおり、
    前記制御部は、前記飛行物体が所定の対処可能区域に入っているか否かを判断する第1判断と前記飛行物体が前記対処可能区域に入る見込みがあるか否かを判断する第2判断とのうちの少なくとも一方の判断を前記目標情報に基づいて行い、前記少なくとも一方の判断の結果に応じて前記飛行物体に対する前記対処の可否を判断する
    飛行物体探知システム。
  4. 請求項2に記載の飛行物体探知システムであって、
    前記レーザレーダは、前記反射光に基づいた測距を実行可能に構成されており、
    前記目標情報は、前記測距によって得られた前記飛行物体までの距離を用いて特定された前記飛行物体の3次元座標を含んでおり、
    前記制御部は、前記目標情報に基づいて前記飛行物体の墜落予想範囲を算出し、算出された前記墜落予想範囲に基づいて前記飛行物体に対する前記対処の可否を判断する
    飛行物体探知システム。
  5. 請求項2に記載の飛行物体探知システムであって、
    前記レーザレーダは、前記反射光に基づいた測距を実行可能に構成されており、
    前記目標情報は、前記測距によって得られた前記飛行物体までの距離を用いて特定された前記飛行物体の3次元座標を含んでおり、
    前記制御部は、過去の各時刻における前記飛行物体の3次元座標に基づいて将来における前記飛行物体の飛行経路を推定し、前記飛行経路上の各位置で前記飛行物体が飛行能力を失った場合の墜落予想範囲を算出し、算出された前記墜落予想範囲に基づいて前記飛行物体に対する前記対処の可否を判断する
    飛行物体探知システム。
  6. 請求項4又は5に記載の飛行物体探知システムであって、
    前記レーザレーダは、前記反射光から前記飛行物体の周辺の空域の風速分布が取得可能に構成されており、
    前記制御部は、前記風速分布に基づいて前記飛行物体の前記墜落予想範囲を算出する
    飛行物体探知システム。
  7. 請求項4乃至6のいずれかに記載の飛行物体探知システムであって、
    前記制御部は、前記レーザレーダによって得られた前記飛行物体の画像に基づいて前記飛行物体の識別を行い、前記識別の結果に基づいて前記飛行物体の空力特性を特定し、前記空力特性に基づいて前記飛行物体の前記墜落予想範囲を算出する
    飛行物体探知システム。
  8. 請求項2に記載の飛行物体探知システムであって、
    前記制御部は、前記音響センサ及び/又は前記レーザレーダによって得られた前記飛行物体の目標情報に基づいて前記飛行物体の識別を行い、前記識別において前記飛行物体がマルチコプターと識別した場合、前記マルチコプターのロータが機能を喪失した場合の前記飛行物体の墜落予想範囲を前記ロータのそれぞれについて計算し、計算された墜落予想範囲に基づいて前記ロータを選択し、前記対処手段を前記選択したロータの機能を喪失させるように制御する
    飛行物体探知システム。
  9. 請求項2に記載の飛行物体探知システムであって、
    前記制御部は、前記音響センサ及び/又は前記レーザレーダによって得られた前記飛行物体の目標情報に基づいて前記飛行物体の識別を行い、前記識別において前記飛行物体がマルチコプターと識別した場合、前記マルチコプターのロータ又はロータの組み合わせが機能を喪失した場合の前記飛行物体の墜落予想範囲をロータ及びロータの組み合わせのそれぞれについて計算し、計算された墜落予想範囲に基づいてロータ又はロータの組み合わせを選択し、前記対処手段を前記選択したロータ又はロータの組み合わせの機能を喪失させるように制御する
    飛行物体探知システム。
  10. 請求項1に記載の飛行物体探知システムであって、
    更に、
    それぞれが、前記飛行物体に対して物理的な作用を伴う対処を行うように構成された複数の対処手段
    を具備し、
    前記レーザレーダは、前記飛行物体によって前記レーザ光が反射されて生成される反射光を検出するように構成され、
    前記制御部は、前記反射光から得られる前記飛行物体に関する情報を含む目標情報に基づいて、前記複数の対処手段のうちから対処手段を選択し、前記選択された対処手段によって前記飛行物体に対する前記対処を実行するように動作する
    飛行物体探知システム。
  11. 請求項10に記載の飛行物体探知システムであって、
    前記複数の対処手段は、
    前記飛行物体を物理的に破壊する第1対処を実行する第1対処手段と、
    前記飛行物体を損傷させないが正常動作を妨げる第2対処を行う第2対処手段
    とを含む
    飛行物体探知システム。
  12. 音響センサにより飛行物体が発生する音波を検知するステップと、
    検知した前記音波に基づいて探査領域を設定するステップと、
    レーザ光を出射するように構成されたレーザレーダにより、前記レーザ光を用いて前記探査領域を探査して前記飛行物体を探知するステップ
    とを具備する
    飛行物体探知方法。
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