JP6856964B1 - 飛来物衝突回避システムおよび飛来物衝突回避制御装置 - Google Patents

飛来物衝突回避システムおよび飛来物衝突回避制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】頻繁なブレードの停止制御による発電量の低下を抑えつつ、風力発電装置に大きな負荷をかけることなくバードストライクやバットストライクを抑止できるようにする。【解決手段】距離センサ101の検出結果に基づいて飛来物の飛行速度を算出する飛行速度算出部12と、飛来物の移動軌跡からその先の飛行ルートを推測する飛行ルート推測部14と、推測した飛行ルートに基づいて、飛来物がブレードに衝突する可能性を判定する衝突判定部15と、飛来物までの距離が所定距離以内となったか否かを判定する距離判定部16と、飛来物の飛行速度が所定速度より速い場合、推測した飛行ルートに基づき飛来物がブレードに衝突する可能性があると判定されたときにブレードの回転を停止させ、飛来物の飛行速度が所定速度より遅い場合、飛来物までの距離が所定距離以内となったときにブレードの回転を停止させるブレード制御部17とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、飛来物衝突回避システムおよび飛来物衝突回避制御装置に関し、特に、風力発電装置のブレードに接近する飛来物を監視して、高速回転するブレードに飛来物が衝突することを回避するシステムに用いて好適なものである。
従来、航空機や風力発電装置のブレード等に対する鳥類の衝突(バードストライク)や蝙蝠の衝突(バットストライク)が希少生物保護の上で課題となっている。また、高速移動中の人工構造物への衝突は、小鳥程度の大きさであっても非常に衝撃が大きく、大きな故障や事故に繋がる可能性がある。このため、航空機や風力発電装置に接近する鳥類等を監視するシステムが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、レーダに対する反射波によって計測される物標のデータから、飛翔高度、飛翔速度、大きさなどの観点から鳥類以外の飛来物を除外して鳥類等である物標のみを抽出し、鳥類と認識したものが監視領域内に入る場合に警告メッセージを生成することが開示されている。また、特許文献1には、抽出した物標の航跡に含まれる連続した物標座標をプロットして鳥類等の飛翔パターンを決定し、季節や時間に応じた鳥類の行動パターン等を記憶したデータベースとの照合を行うことにより、鳥類の行動パターンから鳥類等の名称を解析することも開示されている。
特許文献2には、鳥類など群れで移動する多数の物標やその群れの行動を早くかつ分かり易く伝えられるレーダ装置が開示されている。特許文献2に記載のレーダ装置では、第1アンテナおよび第2アンテナが、所定平面を含む所定空間に対して、それぞれ異なる配置位置で電磁波を送受信する。そして、第1アンテナを基準として、第1アンテナで受信される電磁波から群れを形成する物標の各位置におけるドップラー速度を検出するとともに、第2アンテナを基準として、第2アンテナで受信される電磁波から群れを形成する物標の各位置におけるドップラー速度を検出し、それぞれの検出結果を合成して所定平面の各位置における群れを形成する物標の速度ベクトルを生成する。このように生成される所定平面の各位置における群れの各物標の速度ベクトルを総合することで、群れの概略形状の変化の予想や群れの移動を把握するために必要な情報を取得する。
なお、バードストライクの回避を目的としたものではないが、レーダによって鳥などの飛来物を判定するシステムが知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載の検出システムは、所定の領域を含む範囲に電磁波を照射する送信部と通過物および飛来物からの反射波を受信する受信部とを有するセンサを備え、当該センサによる検出結果に基づいて、通過物および飛来物までの距離および反射波の強度を測定して時系列のログデータとして記憶する。そして、このログデータから物体の移動パターンを特定し、この移動パターンに基づいて、電磁波を反射した物体が通過物であるか鳥などの飛来物であるかを判定する。
特開2015−152321号公報 特開2014−055883号公報 特許第6201399号公報
上記特許文献1に記載のシステムでは、鳥類(蝙蝠を含む。以下同様)と認識したものが監視領域内に入る場合に警告メッセージを生成する。この特許文献1に記載のシステムを風力発電装置に適用した場合には、警告メッセージが出力された場合に、例えばブレードの回転を停止させる制御を行うことにより、高速に回転しているブレードに対するバードストライクを回避することが可能となる。
ここで、鳥類がブレードに衝突する可能性が高いときにだけブレードの回転を停止させるようにするために、監視領域をブレードから近距離の範囲に設定することが考えられる。しかしながら、この場合は、鳥類が監視領域内に入ったことを検知したときに、ブレードを急速に停止させる必要がある。大きな揚力を受けて高速に回転しているブレードを急速に停止させることは設備に大きな負荷をかけ、疲労や故障の原因となる。そのため、鳥類が監視領域内に入るたびにブレードを急速停止させることは好ましくない。
一方、監視領域をブレードから比較的遠い距離までの範囲に広げることにより、鳥類が監視領域内に入ったことを検知したときに、ブレードを徐々に停止させるように制御することができる。これにより、設備に対してかかる負荷を軽減することが可能である。しかしながら、この場合は、鳥類がブレードに対して実際には衝突しない方向に飛行するようなときにもブレードの回転を停止させることになり、無駄なブレードの停止制御が頻繁に行われる可能性がある。そのため、実際には衝突する可能性の低い鳥類のために発電量が無駄に低下する結果となり、これも好ましい状況とは言えない。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、頻繁なブレードの停止制御によって風力発電装置の発電量が無駄に低下することを極力抑えつつ、風力発電装置に大きな負荷をかけることなくバードストライクを抑止できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、飛来物の飛行速度を算出し、飛行速度が所定速度より速い場合は、飛来物が検出された位置の移動軌跡からその先の飛行ルートを推測し、風力発電装置のブレードに飛来物が衝突する可能性があるか否かを判定して、飛来物がブレードに衝突する可能性があると判定された場合に、ブレードの回転を停止させる制御を行う。一方、飛来物の飛行速度が所定速度より速くない場合は、飛来物までの距離が所定距離以内となったか否かを判定して、飛来物までの距離が所定距離以内となったと判定された場合に、ブレードの回転を停止させる制御を行うようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、飛来物の飛行速度が所定速度より速いか否かによって、ブレードの停止制御の仕方が変えられる。飛来物の飛行速度が所定速度より速い場合は、推測した飛行ルートに基づいて飛来物がブレードに衝突する可能性があると判定されたときにのみブレードの停止制御が行われるので、飛来物がブレードに衝突する可能性が低い場合にもブレードの停止制御が行われることによる風力発電装置の発電量の低下を抑止することができる。また、飛行ルートを推測している段階でブレードの停止制御を開始することができるので、ブレードを急速に停止させる必要がなく、余裕をもって徐々に停止させるようにすることができる。
一方、飛来物の飛行速度が所定速度より速くない場合は、飛行ルートを推測して早い段階からブレードの停止制御を開始しなくても間に合うため、飛来物までの距離が所定距離以内となって飛来物がブレードに衝突する可能性が高まったときにのみブレードの停止制御が行われ、無駄なブレードの停止制御による風力発電装置の発電量の低下を抑止することができる。飛来物の飛行速度が所定速度より速くないので、この場合もブレードを急速に停止させる必要がなく、余裕をもって徐々に停止させるようにすることができる。
以上により、本発明によれば、頻繁なブレードの停止制御によって風力発電装置の発電量が無駄に低下することを極力抑えつつ、風力発電装置に大きな負荷をかけることなくバードストライクを抑止することができる。
本実施形態による飛来物衝突回避システムの全体構成例を示す図である。 本実施形態による飛来物衝突回避制御装置の機能構成例を示すブロック図である。 本実施形態による飛行速度算出部の処理例を説明するための模式図である。 本実施形態による飛行速度算出部の処理例を説明するための模式図である。 本実施形態による飛行ルート推測部の処理例を説明するための模式図である。 本実施形態による飛来物衝突回避制御装置の動作例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による飛来物衝突回避システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の飛来物衝突回避システムは、風力発電装置200のブレード201に接近する飛来物を検出し、ブレード201が高速に回転している状態での衝突(鳥類や蝙蝠などの衝突)を回避するためのシステムであり、飛来物衝突回避制御装置100(以下、単に制御装置100という)および距離センサ101を備えて構成される。
風力発電装置200は、地上に立設したタワー202と、そのタワー202に固定されたナセル203と、そのナセル203に対してハブ204を介して回転自在に固定された複数のブレード201とを備えて構成される。距離センサ101は、この風力発電装置200に設置され、複数方向に発信した電磁波の物体での反射波を用いて、飛来物が存在する方向と飛来物までの距離とを検出する。
図1の例では、距離センサ101は、ナセル203の上面に設置されているが、設置位置はここに限定されない。例えば、タワー202の近傍の地上に距離センサ101を設置してもよい。距離センサ101は、ブレード201の前方に向かって放射状に複数の電磁波を発信し、周囲の飛来物に当たって返ってくる反射波を受信して、反射波を受信した方向に飛来物が存在することを検出するとともに、電磁波を発信してから反射波を受信するまでの時間に基づいて飛来物までの距離を検出する。距離センサ101は、電磁波を所定周期で繰り返し発信することにより、飛来物が存在する方向と飛来物までの距離とを逐次検出する。
なお、距離センサ101が電磁波を発信する方向は固定であるものとするが、可動式とする場合には、センサ角度を常時精確に測定できることとする。このため、電磁波が発信された方向では飛来物を検出可能であるが、電磁波が発信されていない方向では飛来物を検出できない。以下の説明において、この飛来物を検出できない領域を「不感帯」ということがある。不感帯をできるだけ少なくするために、複数の距離センサ101を風力発電装置200に設置し、それぞれの距離センサ101から異なる方向に電磁波を発信するようにしてもよい。例えば、2つの距離センサ101を用いる場合、第1の距離センサ101が発信する電磁波の方向は、第2の距離センサ101が発信する電磁波によって生じる不感帯の方向とする。
図1に示すように、制御装置100も風力発電装置200に設置され、距離センサ101に電気的に接続されている。制御装置100を設置する位置は任意であるが、図1では、ブレード201から比較的に近い位置のナセル203の内部に設置されている。距離センサ101を地上に設置した場合、制御装置100も同様に地上に設置することが可能である。制御装置100は、距離センサ101により検出された情報を入力して、飛来物がブレード201に衝突する可能性を推測し、ブレード201の動作を制御する。具体的には、制御装置100は、飛来物がブレード201に衝突する可能性がある状況の場合に、ブレード201の回転を停止させるように制御する。
制御装置100は、ブレード201の回転を停止させる制御モードとして、ブレード201の回転を徐々に停止させる緩徐停止制御モードと、ブレード201の回転を急速に停止させる急速停止制御モードとを有している。緩徐停止制御モードは、ブレード201の角度を回転停止ポジション(風を受け流す角度)に変更することにより(フェザリングという)、ブレード201を徐々に自動停止させるモードである。急速停止制御モードは、動力によって大きなブレーキをかけてブレード201を急速に停止させるモードである。制御装置100は、何れかの制御モードでブレード201の回転を停止させる(詳細は後述する)。
図2は、本実施形態による制御装置100の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の制御装置100は、機能構成として、センサ情報記録部11、飛行速度算出部12、速度判定部13、飛行ルート推測部14、衝突判定部15、距離判定部16およびブレード制御部17を備えている。また、本実施形態の制御装置100は、記憶媒体として、センサ情報DB記憶部10を備えている。
上記各機能ブロック11〜17は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11〜17は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
センサ情報記録部11は、距離センサ101による飛来物の検出結果(飛来物が存在する方向と距離)を示すセンサ情報を距離センサ101から逐次入力し、当該センサ情報を検出時刻と共にセンサ情報DB記憶部10に逐次記録する。これにより、センサ情報DB記憶部10には、距離センサ101による時系列の検出結果が順次記録されていく。時系列の検出結果とは、いつ、どの方向に、どの距離で飛来物が検出されたのかを示す時系列情報である。なお、距離センサ101をナセル203の上面に設置した場合、ナセル203はタワー202の上面で水平回転するため、センサ情報記録部11は、図示しないセンサで検出されたナセル203の回転角度も逐次入力して時系列情報として記録する。
飛行速度算出部12は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物の飛行速度を算出する。例えば、飛行速度算出部12は、ある時点において飛来物が検出された方向および距離から特定される飛来物の位置と、別の時点において飛来物が検出された方向および距離から特定される飛来物の位置との間の距離を算出し、その距離を当該2つの時点の時間差で除算することにより、飛来物の飛行速度を算出する。このとき飛行速度算出部12は、ナセル203の基準位置からの回転角度を相殺して飛来物の検出方向を特定し、飛来物の飛行速度を算出する。距離センサ101を地上に設置した場合は、このような相殺演算は不要である。
図3は、この飛行速度算出部12の処理例を説明するための模式図である。図3に示すように、飛来物は、距離センサ101から電磁波が発信される方向PT1〜PT5において検出される。図3は、飛来物が経路RTのように飛来し、距離センサ101によって3つの位置P1,P2,P3でこの順番に飛来物が検出された例を示している。この場合、飛行速度算出部12は、例えば、ある時点において飛来物が検出された位置P1と、別の時点において飛来物が検出された位置P2との間の距離を算出し、その距離を当該2つの時点の時間差で除算することにより、飛来物の飛行速度を算出する。なお、飛行速度算出部12は、位置P2,P3間についても同様に飛来物の飛行速度を算出し、位置P1,P2間で算出した飛行速度と位置P2,P3間で算出した飛行速度との平均値を求めるようにしてもよい。
ここで、飛行速度算出部12は、鳥類や蝙蝠(以下、これらをまとめて飛行動物という)が飛行する標準的な速度を考慮して、ある時点で位置P1において検出された飛来物と、別の時点で位置P2において検出された飛来物とが同一のものか否かを判定した上で、2つの位置P1,P2間での飛来物の飛行速度を算出する。ある時点において飛来物が検出された位置P1と、別の時点において飛来物が検出された位置P2との間で算出される飛行速度が、飛行動物の標準的な飛行速度として想定できるものではない場合は、位置P1で検出された飛来物と位置P2で検出された飛来物は別物であるとみなして、それぞれについて別に飛行速度を算出する。
飛行速度算出部12が飛来物の飛行速度を算出する際に使用するセンサ情報DB記憶部10の時系列のセンサ情報の中には、距離センサ101から発信された電磁波がブレード201に当たって返ってくる反射波に基づく情報も含まれている。すなわち、距離センサ101は、ブレード201の周囲に存在する飛来物だけでなく、ブレード201自体も検出し、その検出に係るセンサ情報もセンサ情報DB記憶部10に記憶されている。飛行速度算出部12は、このブレード201の検出に関するセンサ情報を除外して、飛来物の飛行速度を算出する。センサ情報がブレード201の検出に関するものかどうかは、例えば、そのセンサ情報により示されている検出物までの距離によって判定することが可能である。
なお、距離センサ101によって、互いに近接した位置で複数の飛来物が同時に検出される場合がある。この場合、ある時点において互いに近接した位置で検出された複数の飛来物の各々が、別の時点において互いに近接した位置で検出された複数の飛来物のどれに該当するのかを1つずつ同定することは難しい。そこで、飛行速度算出部12は、近接した位置で検出された複数の飛来物を飛行動物の群れとみなし、群れとしての飛行速度を算出する。
例えば、飛行速度算出部12は、互いに近接した位置で同時に検出されている複数の飛来物を含む所定形状の領域を設定する。そして、ある時点において設定された領域の位置(例えば、領域の中心位置)と、別の時点において設定された領域の位置との間の距離を算出し、その距離を当該2つの時点の時間差で除算することにより、群れとしての飛行速度を算出する。
飛行動物の群れはその塊りの形状を変形させながら飛行するため、複数の飛来物を含む所定形状の領域は検出時点ごとに大きさが変わる可能性がある。ただし、例えば領域の中心位置を群れの位置と認識するようにすれば、群れとしての移動軌跡を同定することが可能であり、その移動軌跡から求められる距離と時間差とに基づき群れとしての飛行速度を算出することが可能である。
図4は、飛行動物の群れとして飛行速度を算出する場合における飛行速度算出部12の処理例を説明するための模式図である。図4は、5つの飛来物が互いに近接した位置で同時に検出されている例を示している。この場合、飛行速度算出部12は、ある時点において検出された5つの飛来物を含む所定形状の領域AR1を設定し、その中心位置C1を特定する。例えば、所定形状は球であり、5つの飛来物を含む最小半径の領域AR1を設定する。また、飛行速度算出部12は、別の時点において検出された5つの飛来物を含む所定形状の領域AR2を設定し、その中心位置C2を特定する。そして、飛行速度算出部12は、2つの中心位置C1,C2の距離を2つの時点の時間差で除算することにより、群れとしての飛行速度を算出する。
速度判定部13は、飛行速度算出部12により算出された飛来物の飛行速度が所定速度より速いか否かを判定する。所定速度の値は任意に設定し得る。例えば、風力発電装置200が設置されている地域において飛行することが知られている飛行動物の平均速度を所定速度として設定することが可能である。または、蝙蝠などの特定の飛行動物を想定して、その飛行動物の標準的な飛行速度またはそれより若干速い速度を所定速度として設定するようにしてもよい。
あるいは、飛行動物が風力発電装置200のブレード201に衝突する可能性が比較的高くなると考えられる想定距離まで近づいた時点で緩徐停止制御モードによりブレード201の回転停止制御を開始したときに、飛行動物がブレード201に衝突するまでの間にブレード201が完全に停止するかどうかという観点から所定速度を設定してもよい。すなわち、上述の想定距離と、緩徐停止制御モードによりブレード201の回転を完全に停止させるまでに要する所要時間とから計算される速度を所定速度として設定するようにしてもよい。
飛行ルート推測部14は、飛行速度算出部12により算出された飛来物の飛行速度が所定速度より速いと速度判定部13により判定された場合、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物が検出された方向と距離に基づく位置の移動軌跡からその先の飛行ルートを推測する。ここで、飛行ルート推測部14は、ブレード201の検出に関するセンサ情報を除外して、飛来物の飛行ルートを推測する。また、距離センサ101によって互いに近接した位置で複数の飛来物が同時に検出され、飛行速度算出部12によって飛行動物の群れ(設定された領域)としての飛行速度が算出されている場合、飛行ルート推測部14は、群れとしての飛行ルートを推測する。
例えば、飛行ルート推測部14は、距離センサ101による時系列の検出結果が示す飛来物の移動軌跡の延長方向に、当該移動軌跡より先の飛行ルートを推測する。ただし、飛行動物のこれから先の飛行ルートを正確に予測することは難しい。そこで、飛行ルート推測部14は、距離センサ101によって検出された飛来物の移動軌跡の延長方向に所定形状の範囲を設定し、その範囲を、飛来物のこれから先の飛行ルートとして推測するようにする。所定形状は、例えば直線、円錐、円柱、楕円柱、四角柱、回転楕円体などである。
図5は、飛行ルート推測部14の処理例を説明するための模式図である。図5は、距離センサ101から電磁波が発信される方向PT1〜PT5において、距離センサ101によって3つの位置P1,P2,P3でこの順番に飛来物が検出された例を示している。この場合、飛行ルート推測部14は、直近で検出された位置P3より先の飛行ルートを推測する。図5(a)は、直近で検出された位置P3と、その前の時点で検出された位置P2とを直線で結び、その直線の延長方向に直線状の飛行ルートPRTを推測した例を示している。図5(b)は、位置P2,P3を結ぶ直線およびその延長線を中心軸として設定した円錐の範囲PARを、位置P3より先の飛行ルートとして推測した例を示している。
図5(b)の例では、位置P3を内包する円錐の範囲PARを設定している。これは、飛行動物が位置P3から後方に戻ったり、横に向きを変えたりすることがあることを考慮したものである。なお、図5(a)のように直線で飛行ルートを推測する場合において、位置P3を基点として延長方向だけでなく、位置P2側の後方や位置P2,P3とは異なる方向の側方にも複数の直線を設定して、これらを飛行ルートとして推測するようにしてもよい。
衝突判定部15は、飛行ルート推測部14により推測された飛行ルートに基づいて、風力発電装置200のブレード201に飛来物が衝突する可能性があるか否かを判定する。すなわち、衝突判定部15は、飛行ルート推測部14により推測された飛行ルート上にブレード201が存在する場合は、飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定する。一方、衝突判定部15は、飛行ルート推測部14により推測された飛行ルート上にブレード201が存在しない場合は、飛来物がブレード201に衝突する可能性がないと判定する。
衝突判定部15は、このような判定を周期的に繰り返し実行する。例えば、衝突判定部15は、距離センサ101により検出されたセンサ情報がセンサ情報DB記憶部10に対して追加して記録される都度、衝突の可能性を逐次判定する。あるいは、衝突判定部15は、センサ情報がセンサ情報DB記憶部10に対して追加して記録される周期よりも長い周期で衝突の可能性を逐次判定するようにしてもよい。
距離判定部16は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物までの距離が所定距離以内となったか否かを判定する(以下、これを第1距離判定という)。また、距離判定部16は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物までの距離が第2の所定距離以内となったか否かを判定する(以下、これを第2距離判定という)。
第1距離判定は、飛行速度算出部12により算出された飛来物の飛行速度が所定速度より速くないと速度判定部13により判定された場合に行う判定である。この第1距離判定に用いる所定距離の値は任意に設定し得る。例えば、飛行動物が風力発電装置200のブレード201に衝突する可能性が比較的高くなると考えられる想定距離を所定距離として設定することが可能である。
あるいは、緩徐停止制御モードによりブレード201の回転停止制御を開始したときに、飛行速度が所定速度より遅い飛行動物(以下、低速飛行動物という)がブレード201に衝突するまでの間にブレード201が完全に停止するかどうかという観点から所定距離を設定するようにしてもよい。すなわち、低速飛行動物の想定飛行速度と、緩徐停止制御モードによりブレード201の回転を完全に停止させるまでに要する所要時間とから計算される距離またはそれに若干のマージンを加えた距離を所定距離として設定するようにしてもよい。
一方、第2距離判定は、飛行速度算出部12により算出された飛来物の飛行速度が所定速度より速いと速度判定部13により判定された場合に行う判定である。この第2距離判定に用いる第2の所定距離の値も任意に設定し得る。例えば、急速停止制御モードによりブレード201の回転停止制御を開始したときに、飛行速度が所定速度より速い飛行動物(以下、高速飛行動物という)がブレード201に衝突するまでの間にブレード201が完全に停止するかどうかという観点から第2の所定距離を設定することが可能である。すなわち、高速飛行動物の想定飛行速度と、急速停止制御モードによりブレード201の回転を完全に停止させるまでに要する所要時間とから計算される距離を第2の所定距離として設定することが可能である。
ブレード制御部17は、飛行速度算出部12により算出された飛来物の飛行速度が所定速度より速いと速度判定部13により判定された場合は、衝突判定部15により飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定されたときから、飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定されなくなるまでの間、緩徐停止制御モードによってブレード201の回転の停止制御を行う。
一方、ブレード制御部17は、飛行速度算出部12により算出された飛行速度が所定速度より速くないと速度判定部13により判定された場合は、飛行ルート推測部14による飛行ルートの推測および衝突判定部15による衝突の可能性の判定によらず、距離判定部16により飛来物までの距離が所定距離以内であると判定されたときから、飛来物までの距離が所定距離以内であると判定されなくなるまでの間、緩徐停止制御モードによってブレード201の回転の停止制御を行う。
また、ブレード制御部17は、飛行速度算出部12により算出された飛来物の飛行速度が所定速度より速いと速度判定部13により判定された場合において、距離判定部16により飛来物までの距離が第2の所定距離以内となったと判定された場合に、急速停止制御モードによってブレード201の回転の停止制御を行う。
飛来物の飛行速度が所定速度より速い場合(飛来物が高速飛行動物の可能性がある場合)は、飛行ルート推測部14により推測された飛行ルートに基づいて高速飛行動物がブレード201に衝突する可能性があると判定された時点でブレード201の回転停止制御が開始されるため、高速回転しているブレード201に対する高速飛行動物の衝突が抑止される。しかし、推測した飛行ルートとは異なるルートで高速飛行動物が飛行する可能性もあるため、衝突する可能性がないとの判定結果に反して、高速飛行動物がブレード201に対して第2の所定距離以内まで近づいてくる可能性もある。ブレード制御部17は、このような場合に、急速停止制御モードによってブレード201の回転停止制御を行う。
なお、衝突する可能性があるとの判定結果に基づき緩徐停止制御モードによりブレード201の回転停止制御を開始した後、高速飛行動物がブレード201に対して第2の所定距離以内まで近づいてくることもある。この場合にブレード制御部17は、緩徐停止制御モードによる制御を維持し、急速停止制御モードによる制御には切り替えない。高速飛行動物がブレード201に到達する前にブレード201が完全に停止することを想定して緩徐停止制御モードによる回転停止制御を開始しているからである。また、仮にブレード201が完全に停止する前に高速飛行動物がブレード201に衝突しても、低速回転中の衝突となるため、大きな故障や事故につながる可能性は低くなる。
図6は、図2のように構成した制御装置100の動作例を示すフローチャートである。この図6に示す処理を制御装置100が行っている間、距離センサ101は所定周期で飛来物を検出し、センサ情報記録部11がその検出結果をセンサ情報DB記憶部10に逐次記録し続けている。この図6は、センサ情報DB記憶部10に記憶されたセンサ情報に基づいて検出された1つの飛来物(または近接した位置にて検出された複数の飛来物を含む1つの群れ)についての処理を示すものであり、別の飛来物が検出された場合には、当該別の飛来物についても同様の処理が実行される。
飛行速度算出部12は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物の飛行速度を算出する(ステップS1)。そして、速度判定部13は、飛行速度算出部12により算出された飛来物の飛行速度が所定速度より速いか否かを判定する(ステップS2)。
ここで、飛来物の飛行速度が所定速度より速いと速度判定部13により判定された場合、飛行ルート推測部14は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物(高速飛行動物)が検出された位置の移動軌跡からその先の飛行ルートを推測する(ステップS3)。そして、衝突判定部15は、飛行ルート推測部14により推測された飛行ルートに基づいて、風力発電装置200のブレード201に飛来物が衝突する可能性があるか否かを判定する(ステップS4)。
ここで、飛来物がブレード201に衝突する可能性があると衝突判定部15により判定された場合、ブレード制御部17は、緩徐停止制御モードによってブレード201の回転停止制御を行う(ステップS5)。その後、処理はステップS3に戻る。推測した飛行ルートに基づき飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定されている間、ステップS3〜S5の処理が繰り返し実行され、緩徐停止制御モードによる回転停止制御が継続して実行される。
一方、飛来物がブレード201に衝突する可能性がないと衝突判定部15により判定された場合、ブレード制御部17は、緩徐停止制御モードによるブレード201の回転停止制御を中止する(ステップS6)。なお、緩徐停止制御モードによるブレード201の回転停止制御が実行されていない場合、ステップS6の処理はスキップする。
ステップS6の処理の後、飛行ルート推測部14は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、それまで処理対象としていた飛来物が検出されなくなったか否かを判定する(ステップS7)。飛来物が依然として検出されている場合、処理はステップS8に進む。一方、飛来物が検出されなくなったと判定された場合は、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS8において、距離判定部16は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物までの距離が第2の所定距離以内となったか否かを判定する。ここで、飛来物までの距離が第2の所定距離以内となっていないと判定された場合、処理はステップS3に戻る。
一方、飛来物までの距離が第2の所定距離以内となったと判定された場合、ブレード制御部17は、急速停止制御モードによってブレード201の回転停止制御を行う(ステップS9)。その後、距離判定部16は、飛来物までの距離が依然として第2の所定距離以内か否かを判定する(ステップS10)。ここで、飛来物までの距離が依然として第2の所定距離以内である場合は、ステップS9に戻り、急速停止制御モードによるブレード201の回転停止制御を継続する。一方、飛来物までの距離が第2の所定距離以内でなくなった場合、処理はステップS3に戻る。
ステップS10からステップS3に戻った後、推測した飛行ルートに基づき飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定された場合、緩徐停止制御モードによる回転停止制御が行われる(ステップS5)。この場合は、ステップS9における急速停止制御モードによる回転停止制御の実行によってブレード201が既に減速されている状態から緩徐停止制御モードによる回転停止制御が行われるので、再び急速停止制御モードによる回転停止制御を行わなくても、比較的短い時間内にブレード201が完全に停止する。
上記ステップS2において、飛来物の飛行速度が所定速度より速くないと速度判定部13により判定された場合、距離判定部16は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物(低速飛行動物)までの距離が所定距離以内となったか否かを判定する(ステップS11)。ここで、飛来物までの距離が所定距離以内となったと判定された場合、ブレード制御部17は、緩徐停止制御モードによってブレード201の回転停止制御を行う(ステップS12)。その後、処理はステップS11に戻る。
一方、飛来物までの距離が所定距離以内ではないと判定された場合、ブレード制御部17は、緩徐停止制御モードによるブレード201の回転停止制御を中止する(ステップS13)。なお、緩徐停止制御モードによるブレード201の回転停止制御が実行されていない場合、ステップS13の処理はスキップする。
ステップS13の処理の後、距離判定部16は、センサ情報DB記憶部10に記憶された距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、それまで処理対象としていた飛来物が検出されなくなったか否かを判定する(ステップS14)。飛来物が依然として検出されている場合、処理はステップS11に進む。一方、飛来物が検出されなくなったと判定された場合は、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、距離センサ101による時系列の検出結果に基づいて、飛来物の飛行速度を算出し、飛行速度が所定速度より速い場合は、飛来物が検出された位置の移動軌跡からその先の飛行ルートを推測し、風力発電装置200のブレード201に飛来物が衝突する可能性があると判定された場合に、ブレード201の回転を停止させる制御を行う。一方、飛来物の飛行速度が所定速度より速くない場合は、飛来物までの距離が所定距離以内となったと判定された場合に、ブレード201の回転を停止させる制御を行うようにしている。
このように構成した本実施形態によれば、飛来物の飛行速度が所定速度より速いか否かによって、ブレード201の停止制御の仕方が変えられる。飛来物の飛行速度が所定速度より速い場合は、推測した飛行ルートに基づいて飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定されたときにのみブレード201の停止制御が行われるので、飛来物がブレード201に衝突する可能性が低い場合にもブレード201の停止制御が行われることによる風力発電装置200の発電量の低下を抑止することができる。また、飛行ルートを推測している段階でブレード201の停止制御を開始することができるので、ブレード201を急速に停止させる必要がなく、緩徐停止制御モードによって余裕をもって徐々に停止させるようにすることができる。
一方、飛来物の飛行速度が所定速度より速くない場合は、飛行ルートを推測して早い段階からブレード201の停止制御を開始しなくても間に合うため、飛来物までの距離が所定距離以内となって飛来物がブレード201に衝突する可能性が高まったときにのみブレード201の停止制御が行われ、無駄なブレード201の停止制御による風力発電装置200の発電量の低下を抑止することができる。飛来物の飛行速度が所定速度より速くないので、この場合もブレード201を急速に停止させる必要がなく、緩徐停止制御モードによって余裕をもって徐々に停止させるようにすることができる。
以上により、本実施形態によれば、頻繁なブレード201の停止制御によって風力発電装置200の発電量が無駄に低下することを極力抑えつつ、風力発電装置200に大きな負荷をかけることなくバードストライクやバットストライクといった飛来物の衝突を抑止することができる。
なお、上記実施形態では、飛来物の飛行速度が所定速度より速いと判定された場合に、衝突判定部15により飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定されたときから緩徐停止制御モードによってブレード201の回転停止制御を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ブレード制御部17は、飛来物までの距離が、飛行速度算出部12により算出された飛行速度と緩徐停止制御モードの停止制御によってブレード201の回転が完全に停止するまでに要する予想時間とから計算される所定距離となったときから、飛来物がブレード201に衝突する可能性があると判定されなくなるまでの間、緩徐停止制御モードによってブレード201の回転停止制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、ブレード201の回転を停止制御している期間をできるだけ短くして、発電量のロスをより少なくすることができる。
また、上記実施形態では、飛行ルート推測部14が、距離センサ101により検出された飛来物の移動軌跡の延長方向に設定した所定形状の範囲を飛来物の飛行ルートとして推測する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、様々な種類の飛行動物の典型的な飛行ルートパターンをデータベース化して記憶しておき、距離センサ101による時系列の検出結果が示す飛来物の移動軌跡に基づき特定される飛行ルートとデータベースの飛行ルートパターンとを照合することにより、飛来物がどの飛行動物に該当するかを推測する。そして、推測した飛行動物の飛行ルートパターンに従って、移動軌跡に基づき特定される飛行ルートより先の飛行ルートを推測するようにしてもよい。ただし、これに比べて、上記実施形態に示した方法の方が処理負荷が少ないというメリットを有する。
また、上記実施形態において、距離センサ101による時系列の検出結果が示す飛来物の移動軌跡に基づき特定される飛行ルートと、様々な種類の飛行動物の典型的な飛行ルートパターンとを照合することにより、飛来物が飛行動物か否かを判定し、飛来物が飛行動物であると判定された場合にのみ、機能ブロック12〜17の処理を実行するようにしてもよい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
10 センサ情報DB記憶部
11 センサ情報記録部
12 飛行速度算出部
13 速度判定部
14 飛行ルート推測部
15 衝突判定部
16 距離判定部
17 ブレード制御部
100 制御装置
200 風力発電装置
201 ブレード

Claims (8)

  1. 風力発電装置に設置され、複数方向に発信した電磁波の物体での反射波を用いて飛来物が存在する方向と飛来物までの距離とを検出する距離センサと、
    上記距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、上記飛来物の飛行速度を算出する飛行速度算出部と、
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いか否かを判定する速度判定部と
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速くないと上記速度判定部により判定された場合、上記距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、上記飛来物までの距離が所定距離以内となったか否かを判定する距離判定部と、
    記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合、上記距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、上記飛来物が検出された方向と距離に基づく位置の移動軌跡からその先の飛行ルートを推測する飛行ルート推測部と、
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合、上記距離判定部の処理に依ることなく、上記飛行ルート推測部により推測された飛行ルートに基づいて、上記風力発電装置のブレードに上記飛来物が衝突する可能性があるか否かを判定する衝突判定部と
    記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合は、上記衝突判定部により上記飛来物が上記ブレードに衝突する可能性があると判定された場合に、上記ブレードの回転を停止させる制御を行う一方、上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速くないと上記速度判定部により判定された場合は、上記飛行ルート推測部および上記衝突判定部の処理に依ることなく、上記距離判定部により上記飛来物までの距離が所定距離以内となったと判定された場合に、上記ブレードの回転を停止させる制御を行うブレード制御部とを備えた
    ことを特徴とする飛来物衝突回避システム。
  2. 上記距離センサにより互いに近接した位置で複数の飛来物が同時に検出された場合、上記速度判定部は、上記複数の飛来物を飛行動物の群れとみなし、上記複数の飛来物を含む所定形状の領域を設定して、当該領域の移動軌跡から飛行動物の群れとしての飛行速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の飛来物衝突回避システム。
  3. 上記速度判定部により上記飛行動物の群れとしての飛行速度が算出されている場合、上記飛行ルート推測部は、上記飛行動物の群れとしての飛行ルートを推測することを特徴とする請求項2に記載の飛来物衝突回避システム。
  4. 上記飛行ルート推測部は、上記距離センサによる時系列の検出結果が示す上記飛来物の移動軌跡の延長方向に設定する所定形状の範囲を、上記その先の飛行ルートとして推測することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の飛来物衝突回避システム。
  5. 上記ブレード制御部は、
    上記ブレードの回転を徐々に停止させる緩徐停止制御モードと、上記ブレードの回転を急速に停止させる急速停止制御モードとを有し、
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合は、上記衝突判定部により上記飛来物が上記ブレードに衝突する可能性があると判定されたときから、上記飛来物が上記ブレードに衝突する可能性があると判定されなくなるまでの間、上記距離判定部の処理に依ることなく上記緩徐停止制御モードによって上記ブレードの回転の停止制御を行い、
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速くないと上記速度判定部により判定された場合は、上記飛行ルート推測部および上記衝突判定部の処理に依ることなく、上記距離判定部により上記飛来物までの距離が所定距離以内であると判定されたときから、上記飛来物までの距離が所定距離以内であると判定されなくなるまでの間、上記緩徐停止制御モードによって上記ブレードの回転の停止制御を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の飛来物衝突回避システム。
  6. 上記ブレード制御部は、上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合は、上記衝突判定部により上記飛来物が上記ブレードに衝突する可能性があると判定されたときからに代えて、その後、上記飛来物までの距離が、上記飛行速度算出部により算出された飛行速度と上記緩徐停止制御モードの停止制御によって上記ブレードの回転が完全に停止するまでに要する予想時間とから計算される所定距離となったときから、上記飛来物が上記ブレードに衝突する可能性があると判定されなくなるまでの間、上記緩徐停止制御モードによって上記ブレードの回転の停止制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の飛来物衝突回避システム。
  7. 上記距離判定部は、上記距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、上記飛来物までの距離が第2の所定距離以内となったか否かを更に判定し、
    上記ブレード制御部は、上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合において、上記距離判定部により上記飛来物までの距離が上記第2の所定距離以内となったと判定された場合に、上記急速停止制御モードによって上記ブレードの回転の停止制御を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の飛来物衝突回避システム。
  8. 複数方向に発信した電磁波の物体での反射波を用いて飛来物が存在する方向と飛来物までの距離とを検出するために風力発電装置に設置された距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、上記飛来物の飛行速度を算出する飛行速度算出部と、
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いか否かを判定する速度判定部と
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速くないと上記速度判定部により判定された場合、上記距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、上記飛来物までの距離が所定距離以内となったか否かを判定する距離判定部と、
    記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合、上記距離センサによる時系列の検出結果に基づいて、上記飛来物が検出された方向と距離に基づく位置の移動軌跡からその先の飛行ルートを推測する飛行ルート推測部と、
    上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合、上記距離判定部の処理に依ることなく、上記飛行ルート推測部により推測された飛行ルートに基づいて、上記風力発電装置のブレードに上記飛来物が衝突する可能性があるか否かを判定する衝突判定部と
    記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速いと上記速度判定部により判定された場合は、上記衝突判定部により上記飛来物が上記ブレードに衝突する可能性があると判定された場合に、上記ブレードの回転を停止させる制御を行う一方、上記飛行速度算出部により算出された飛行速度が所定速度より速くないと上記速度判定部により判定された場合は、上記飛行ルート推測部および上記衝突判定部の処理に依ることなく、上記距離判定部により上記飛来物までの距離が所定距離以内となったと判定された場合に、上記ブレードの回転を停止させる制御を行うブレード制御部とを備えた
    ことを特徴とする飛来物衝突回避制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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