JP2017072556A - ミキサ車の積載量計量装置 - Google Patents

ミキサ車の積載量計量装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ミキサ車の積載量の計量精度を向上させる。
【解決手段】積載量計量装置100,200は、車体2の後方においてミキサドラム10の後方を支持する後方ドラム受部50に設けられ、ミキサドラム10の荷重を検出するロードセル71,72と、車体2の状態を示す車体状態量及びミキサドラム10の状態を示すドラム状態量の少なくとも一方と、ロードセル71,72の検出値と、に基づいて積載物の積載量を算出する演算部110と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ミキサ車の積載量計量装置に関するものである。
特許文献1には、前方ドラム受部に設置されたロードセルと、左右一対の後方ドラム受部にそれぞれ設置されたロードセルと、を備えたミキサ車の積載量計量装置が記載されている。特許文献1には、ミキサ車の積載量を求める方法として、各ロードセルの検出値を足し合わせる方法と、前方ドラム受部と後方ドラム受部とに作用する荷重の分担率と前方ドラム受部に設置されたロードセルの検出値とから推定する方法と、が開示されている。
特開平9−193134号公報
一般的にロードセルは、所定の方向の荷重を検出する。つまり、特許文献1に記載のミキサ車の積載量計量装置では、車体が傾斜すると、ロードセルは、鉛直方向ではなく、車体に垂直な方向の荷重を検出することになる。このように、車体が傾斜した場合には、各ロードセルにより検出される荷重の方向が鉛直方向ではなくなるため、積載量の計量精度が低下するおそれがある。
また、特許文献1に記載のミキサ車の積載量計量装置では、前方ドラム受部と後方ドラム受部とに作用する荷重の分担率は一定とされている。しかしながら、荷重の分担率は、ドラム内における積載物の分布状態に応じて変化し、積載物の分布状態は、車体の傾斜やドラムの回転速度、積載物の粘性等によって変化する。つまり、荷重の分担率を一定とした場合には、積載量の計量精度が低下するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ミキサ車の積載量の計量精度を向上させることを目的とする。
第1の発明は、積載量計量装置が、車体の後方においてドラムの後方を支持する後方ドラム受部に設けられドラムの荷重を検出する後方荷重検出器と、この後方荷重検出器の検出値と、車体の状態を示す車体状態量及びドラムの状態を示すドラム状態量の少なくとも一方と、に基づいて積載物の積載量を算出する演算部と、を備えることを特徴とする。
第1の発明では、ドラムの回転軸に対して垂直な方向に作用するドラムの荷重を検出する後方荷重検出器の検出値と、車体の状態を示す車体状態量及びドラムの状態を示すドラム状態量の少なくとも一方と、に基づいて積載物の積載量が算出される。このように、積載物の積載量は、後方荷重検出器の検出値だけではなく、ドラム内における積載物の分布状態に影響を及ぼす車体状態量及びドラム状態量の少なくとも一方も加味して算出される。
第2の発明は、後方ドラム受部が、回転しながらドラムを接触支持するローラと、ローラに挿通して設けられローラを回転自在に支持するピンと、を有し、後方荷重検出器が、ローラを介してピンに作用するドラムの荷重を検出することを特徴とする。
第2の発明では、ロードセルが、ローラを支持するピンの部分に組み込まれる。このように、ロードセルは、従来から設けられる部材に代えて組み込まれるため、車両の構造を大幅に変更することなく、容易に組み込むことができる。
第3の発明は、ローラが、一対設けられ、後方荷重検出器が、ローラに挿通されるピンにそれぞれ設けられる第1後方荷重検出器と第2後方荷重検出器とを有し、車体状態量が車体の前後方向の傾斜量であり、ドラム状態量がドラムの回転数及びドラム内の積載物の粘性の少なくとも一方であり、演算部が、第1後方荷重検出器の検出値と第2後方荷重検出器の検出値との和から積載物の重量を算出し、算出された積載物の重量を車体状態量及びドラム状態量の少なくとも一方に基づいて補正することによって積載物の積載量を算出することを特徴とする。
第3の発明では、積載物の重心位置の変化の起因となる車体の傾斜角度やドラムの回転数、ドラム内の積載物の粘性に基づいて、ロードセルの検出値から算出された重量が補正される。このように、積載物の重心位置の変化の影響が補償されるため、ミキサ車の積載量の計量精度を向上させることができる。
第4の発明は、積載量計量装置が車体の横転の危険性を判定する判定部と、判定部の判定結果と演算部の演算結果を表示する表示部と、をさらに備え、判定部が、第1後方荷重検出器の検出値と第2後方荷重検出器の検出値との差に基づいて、車体の横転の危険性を判定し、表示部が、判定部で判定された車体の横転の危険性を表示することを特徴とする。
第4の発明では、ロードセルの検出値の差を利用して、車両がカーブを旋回するときの横転の危険性を判定することができるとともに、表示部を介して、横転の危険性を知らせることができる。
第5の発明は、積載量計量装置が車体の前方においてドラムの前方を支持する前方ドラム受部に設けられドラムの荷重を検出する前方荷重検出器をさらに備え、演算部が、車体状態量と、前方荷重検出器の検出値と、後方荷重検出器の検出値と、に基づいて積載物の積載量を算出することを特徴とする。
第5の発明では、後方ドラム受部において荷重を検出するロードセルの検出値と、前方ドラム受部において荷重を検出するロードセルの検出値と、車体状態量と、に基づいてドラムの重量が算出される。ドラムの重量を算出するにあたって、積載物の重心位置の移動の影響を受けることがないため、ミキサ車の積載量の計量精度を向上させることができる。
第6の発明は、前方荷重検出器及び後方荷重検出器が、ドラムの回転軸に対して垂直な方向のドラムの荷重を検出することを特徴とする。
第6の発明では、前方荷重検出器及び後方荷重検出器は、ドラムの回転軸に対して垂直な方向のドラムの荷重を検出するように、換言すれば、同じ方向におけるドラムの荷重を検出するように配置される。このため、例えば、車体が傾斜した場合であっても、車体の傾斜角度とドラムの回転軸の角度とに基づいて、ドラムの鉛直方向における重量を容易に算出することができる。
本発明によれば、ミキサ車の積載量の計量精度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る積載量計量装置を備えるミキサ車の側面図である。 図1のII−II線に沿うミキサ車の断面図である。 図2のIII−III線に沿うガイドローラの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る積載量計量装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る積載量計量装置のロードセルの回路図である。 ミキサ車のミキサドラムに作用する力の釣り合いを説明する図である。 車体の傾斜角度に応じて変化する算出重量と実際重量との相関性を示すグラフである。 ミキサドラムの回転数に応じて変化する算出重量と実際重量との相関性を示すグラフである。 スランプ値に応じて変化する算出重量と実際重量との相関性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る積載量計量装置による重量計測モードの演算手順を示すフローチャートである。 ミキサドラムが回転したときの積載物の重心移動を説明する図である。 単位容積あたりの荷重差とスランプ値との相関性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る積載量計量装置によるスランプ値推定モードの演算手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る積載量計量装置による車体横転判定モードの演算手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る積載量計量装置のブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る積載量計量装置を備えるミキサ車の前方ドラム受部を拡大して示した拡大図である。 図16のXVII−XVII線に沿う前方ドラム受部の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るミキサ車の積載量計量装置について説明する。
<第1実施形態>
まず、図1〜3を参照して、積載量計量装置100が設けられるミキサ車1について説明する。図1に示されるミキサ車1は、コンクリートプラントでミキサドラム10内に投入された生コンクリート(以下、「生コン」と称する。)を運搬する車両である。ミキサ車1は、生コン以外に砂利や砂等の骨材を運搬するが、以下の説明では積載物として生コンを積載する場合について説明する。
ミキサ車1は、生コンを積載するミキサドラム10と、ミキサドラム10を回転駆動する駆動装置20と、ミキサドラム10に生コンを供給するホッパ30と、ミキサドラム10から排出される生コンを所定位置に誘導するシュート40と、を備える。
ミキサドラム10は、後端が開口端として形成された円筒状部材であって、車体2の架台2a上に回転自在に搭載されている。
ミキサドラム10の前端にはミキサドラム10の回転軸心C1に沿って延在する駆動軸10aが設けられ、ミキサドラム10の後部外周には円環状のローラリング10bが設けられる。ミキサドラム10の駆動軸10aは、架台2aの前側に配置された駆動装置20内に設けられる油圧モータ(図示省略)にギアボックス(図示省略)を介して連結されている。ミキサドラム10は、油圧モータによって正回転又は逆回転するように構成されている。
ミキサドラム10の後方側は、ローラリング10bを介して、架台2aの後方に配置された後方ドラム受部50によって下方から支持される。ミキサドラム10の前方側は、駆動装置20を介して、架台2aの前方に配置された前方ドラム受部60によって下方から支持される。ミキサドラム10は、前方よりも後方が上方に持ち上げられた前下がり姿勢で架台2a上に配置される。
このように支持されるミキサドラム10は、図1において、車体前後方向における水平方向をX軸、鉛直方向をY軸とし、前方ドラム受部60の仮想的な支持点を原点OとするX−Y座標系に対して、原点Oを中心に所定の角度(仰角θ)だけ回転したX’−Y’座標系のX’軸を中心として回転する。つまり、ミキサドラム10の回転軸心C1は、X’軸に一致する。車体2が前後方向において水平である場合には、仰角θは、所定の回転軸角度θ1となる。一方、車体2が前後方向において傾いている場合には、仰角θは、回転軸角度θ1に傾斜角度αを加算又は減算した大きさとなる。
ミキサドラム10内には、図示しないドラムブレードがドラム内壁面に沿って螺旋状に配設されている。ミキサドラム10とともに回転するドラムブレードによって、ミキサドラム10内に積載された生コンの攪拌等が行われる。
ミキサドラム10が正回転する場合には、ドラムブレードは、ミキサドラム10内の生コンを攪拌しながら前方に移動させる。一方、ミキサドラム10が逆回転する場合には、ドラムブレードは、生コンを攪拌しながら後方に移動させる。このようにミキサドラム10を逆回転させることで、ミキサドラム10の開口端から生コンを排出することができる。ミキサドラム10から排出された生コンは、ミキサ車1の後方下部に旋回自在に設けられたシュート40を介して所定位置に誘導される。
なお、ミキサ車1の後方上部に設けられたホッパ30を介して、ミキサドラム10内へ生コンを投入する場合には、ミキサドラム10を攪拌時よりも高速で正回転させて、投入された生コンを速やかに前方へ移動させる。
次に、図2及び図3を参照して、後方ドラム受部50の構造について説明する。図2は、図1のII−II線に沿う断面図であり、ミキサドラム10の内部や後方ドラム受部50よりも下方の構造については省略して示している。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。
図2に示されるように、後方ドラム受部50には、車体2の後方側から見てミキサドラム10の右側を支持する第1ガイドローラ51と、ミキサドラム10の左側を支持する第2ガイドローラ52と、が設けられる。各ガイドローラ51,52には、ピン型のロードセル71,72がそれぞれ組み込まれる。図3を参照し、第1ガイドローラ51の構造について説明する。
第1ガイドローラ51は、ローラリング10bに接触する円環状のローラ54と、ローラ54を回転自在に支持するピン型の第1ロードセル71と、第1ロードセル71が接触することなく挿通する挿通孔55aが形成された一対の支持枠55と、を有する。
このように、ローラ54を支持するピンは、ピン型の第1ロードセル71によって構成される。第1ロードセル71は円柱状に形成された弾性体であり、支持枠55に固定される固定部材56によって両端部71bが固定され、中央部71aがローラ54との間に設けられる転がり軸受57の内輪に圧入固定される。
中央部71aと両端部71bとの間には第1ロードセル71に作用する荷重によって歪を生じる起歪部71cがそれぞれ設けられる。起歪部71cには図示しない歪ゲージが取り付けられており、起歪部71cにおける歪量に応じて歪ゲージの抵抗が変化することで荷重に比例した電気信号が第1ロードセル71から出力される。
第1ガイドローラ51は、ミキサドラム10に対して、第1ロードセル71の軸心C2とミキサドラム10の回転軸心C1とが平行となるように配置される。このため、第1ロードセル71には、図3において太線矢印で示されるように、Y’軸方向の荷重が作用する。つまり、第1ロードセル71は、ミキサドラム10の鉛直方向の荷重ではなく、ミキサドラム10の回転軸心C1(X’軸)に対して垂直なY’軸方向におけるミキサドラム10の荷重を検出する。
第2ガイドローラ52は、第1ガイドローラ51と同様の構造を有しており、ローラ54を支持するピンには、ピン型の第2ロードセル72が組み込まれる。第2ロードセル72は、第1ロードセル71と同様に、ミキサドラム10の回転軸心C1に対して垂直なY’軸方向におけるミキサドラム10の荷重を検出する。
続いて、主に図4及び図5を参照して、ミキサドラム10内の積載される生コンの積載量を計量する積載量計量装置100について説明する。図4は、積載量計量装置100の概略構成を示すブロック線図である。図5は、ロードセル71,72の回路図である。
積載量計量装置100は、ミキサドラム10の後方を支持する後方ドラム受部50に設けられ、ミキサドラム10の回転軸心C1に対して垂直なY’軸方向におけるミキサドラム10の荷重を検出する後方荷重検出器としての一対のロードセル71,72と、ミキサ車1の状態を示す車体状態量及びミキサドラム10の状態を示すドラム状態量の少なくとも一方と、一対のロードセル71,72の検出値と、に基づいて生コンの積載量を算出する演算部110と、演算部110の演算結果等を表示する表示部120と、を備える。
演算部110は、積載量等を演算するためのプログラムやマップ、演算式等が記憶された図示しないメモリと、プログラムに従って積載量等を演算する図示しないCPUと、各種センサ及びロードセルの検出値が入力されるとともに、演算結果等を表示部120へ出力する図示しない入出力インターフェースと、を有する。また、演算部110は、予め定められた閾値と演算結果とを比較する判定部111を有する。
演算部110には、ミキサ車1の水平面に対する前後方向の傾斜角度を検知する傾斜センサ131の検出値と、ミキサドラム10の回転速度及び回転位置を検出するミキサドラムセンサ132の検出値と、が入力される。さらに、演算部110には、入力部133を介してオペレータによって入力される生コンの密度やスランプ値といった情報や入出力インターフェースを介して接続される他の装置、例えばスランプ計測装置から計測値などが入力される。傾斜センサ131は、架台2a上に配置され、ミキサドラムセンサ132(不図示)は、駆動装置20内に設けられる。
表示部120は、生コンの重量やスランプ値、車体2が横転する危険性など演算部110で演算された結果を表示する。また、表示部120は、表示された内容に危険性がある場合は、表示色を変更したり警報音を発したりすることによってオペレータにその内容を知らせる。このように、表示部120は、単に演算結果を表示するだけではなく、警告機能も有する。
演算部110、表示部120及び入力部133は、1つの演算表示ユニット150として、図1に示すように、車両のキャビン内に配置される。特に、入力部133は、表示部120にタッチパネル等を設けることによって、表示部120と一体化してもよい。
ロードセル71,72は、上述のように、ローラ54を支持するピンとして組み込まれるピン型の第1ロードセル71及び第2ロードセル72である。第1ロードセル71及び第2ロードセル72は、図1に示される架台2a上に配置されるロードセル接続箱145を介してキャビン内に配置される演算部110に接続される。ロードセル接続箱145内には、図5に示されるように、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力とを合成する回路を有する回路切換部140が設けられる。演算部110には、回路切換部140において合成された第1ロードセル71及び第2ロードセル72の出力値が入力される。
回路切換部140は、第1位置と第2位置に切り換えられる切換スイッチ141を有し、切換スイッチ141が第1位置にあるとき、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力とが同じ極性で接続される第1接続状態(図5に図示される状態)となり、切換スイッチ141が第2位置にあるとき、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力とが異なる極性で接続される第2接続状態となる。
具体的には、切換スイッチ141が第1位置にあるとき、第1ロードセル71のプラス極と第2ロードセル72のプラス極、第1ロードセル71のマイナス極と第2ロードセル72のマイナス極、がそれぞれ接続され、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力とが合算された値が演算部110へと出力される。
一方、切換スイッチ141が第2位置にあるときには、第1ロードセル71のプラス極と第2ロードセル72のマイナス極、第1ロードセル71のマイナス極と第2ロードセル72のプラス極、がそれぞれ接続され、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力との差分が演算部110へと出力される。切換スイッチ141の切り換えは、演算部110によって制御される。
次に、積載量計量装置100によって、ミキサドラム10内の生コンの積載量を計量する方法について説明する。
図6に、車体2が水平である時のミキサドラム10に作用する力の釣り合いを示す。ミキサドラム10が後方ドラム受部50と前方ドラム受部60とで支持される場合、後方ドラム受部50の支持力をW1、前方ドラム受部60の支持力をW2、とするとY軸方向の力の釣り合いよりミキサドラム10の重量Wは、W=W1+W2で表される。一方、ミキサドラム10の回転軸心C1(X’軸)に対して垂直なY’軸方向についてみると、Wcosθ=W1cosθ+W2cosθとなる。
ここで、上述のように、後方ドラム受部50において荷重を検出するロードセル71,72は、Y’軸方向の荷重を検出するように取り付けられている。したがって、一対のロードセル71,72の出力値を合算したものは、W1cosθに相当する。
また、車体2が水平面に対して前後方向に傾斜している場合には、仰角θは、回転軸角度θ1に傾斜角度αを加算又は減算した大きさとなる。このため、ロードセル71,72の出力値を合算したものは、W1cos(θ1±α)となる。傾斜角度αは傾斜センサ131によって求められ、また、回転軸角度θ1は予め設定された値であることから、後方ドラム受部50の支持力W1は、容易に算出される。したがって、後方ドラム受部50の支持力W1と前方ドラム受部60の支持力W2との分担率が求められれば、後方ドラム受部50の支持力W1と分担率とに基づいてミキサドラム10の重量Wを算出することができる。
しかしながら、後方ドラム受部50の支持力W1と前方ドラム受部60の支持力W2との分担率は、一定ではなく、ミキサドラム10内の生コンの分布状態、すなわち、生コンの重心位置に応じて変化する。そこで本実施形態では、算出されたミキサドラム10の重量Wを、生コンの重心位置の変化に影響を及ぼすミキサドラム10の状態を示すドラム状態量及び車体2の状態を示す車体状態量の少なくとも一方に基づいて補正することで、より正確なミキサドラム10の重量Wを求めている。
具体的には、ドラム状態量として、ミキサドラム10内の生コンの投入量、ミキサドラム10の回転数、及び、ミキサドラム10内の生コンのスランプ値(粘性)が用いられ、車体状態量として、車体2の傾斜角度αが用いられる。
まず、ミキサドラム10内の生コンの投入量が生コンの重心位置に及ぼす影響について説明する。
車体2が水平であり、ミキサドラム10が停止した状態において、ミキサドラム10内に生コンが投入されると、投入量が増加するにつれて、生コンの重心位置は前方から後方へと移動する。つまり、生コンの投入量が増加するにつれて、生コンの重心位置は、後方ドラム受部50に近づくことになる。このため、分担率が一定であると仮定して、後方ドラム受部50で検出された荷重からミキサドラム10の重量Wを算出すると、実際の重量に対して誤差が生じる。
この場合、分担率が一定であると仮定して後方ドラム受部50で検出された荷重から算出された算出重量Wcalと実際の重量Wrとは、図7のグラフにおいて実線で示される関係となる。例えば、点線で示されるように、投入量が少ないときに算出された算出重量Wcalに対して、実際の重量Wrは多くなっている。これは、投入量が少ないと、生コンの重心位置が後方ドラム受部50から離れ、全体の荷重に対して後方ドラム受部50に作用する荷重の割合が小さくなるためである。
このため、算出重量Wcalと実際の重量Wrとの相関性に基づいて換算式やマップを作成し、この換算式等に基づいて算出重量Wcalを補正すれば、生コンの投入量が生コンの重心位置に及ぼす影響が補償されたミキサドラム10の補正重量Wcorを求めることができる。換算式やマップは、演算部110のメモリに記憶され、ミキサドラム10の補正重量Wcorを求める際に用いられる。
次に、車体2の傾斜角度が生コンの重心位置に及ぼす影響について説明する。
車両が傾斜地に停車している場合、ミキサドラム10の傾きも変化するため、ミキサドラム10内に積載された流動性のある生コンは、車両の傾斜角度αに応じて重心位置が移動する。例えば車体2の前方が後方よりも下がっている前下がりの状態では、生コンの重心位置は車体2が水平である時よりも前方へ移動し、車体2の後方が前方よりも下がっている後下がりの状態では、生コンの重心位置は車体2が水平である時よりも後方へと移動する。このように、生コンの重心位置が変化すると、分担率も変化するため、後方ドラム受部50で検出された荷重から分担率が一定であると仮定してミキサドラム10の重量Wを算出すると、実際の重量Wrに対して誤差が生じる。
この場合、分担率が一定であると仮定して後方ドラム受部50で検出された荷重から算出された算出重量Wcalと車体2の傾斜角度と実際の重量Wrとは、図7のグラフにおいて、破線と一点鎖線で示される関係となる。破線は、車体2が前下がりとなっている場合であり、一点鎖線は、車体2が後下がりとなっている場合である。なお、図7のグラフにおいて、実線は、車体2が傾斜しておらず、水平状態にある場合を示す。
図7のグラフに示されるように、例えば、車体2が後下がりである場合(一点鎖線)よりも車体2が前下がりである場合(破線)の方が、算出重量Wcalは、実際の重量Wrよりも少なく算出される。これは、車体2が前下がりである場合、生コンの重心位置が後方ドラム受部50から離れ、全体の荷重に対して後方ドラム受部50に作用する荷重の割合が小さくなるためである。なお、車体2が前下がりに傾斜するほどグラフの傾きは小さくり、車体2が後下がりに傾斜するほどグラフの傾きは大きくなる。
このため、算出重量Wcalと車体2の傾斜角度αと実際の重量Wrとの相関性に基づいて換算式やマップを作成し、この換算式等に基づいて算出重量Wcalを補正すれば、車体2の傾斜角度αが生コンの重心位置に及ぼす影響が補償されたミキサドラム10の補正重量Wcorを求めることができる。換算式やマップは、演算部110のメモリに記憶され、ミキサドラム10の補正重量Wcorを求める際に用いられる。なお、車体2の傾斜角度αは、上述の傾斜センサ131によって検出される。
次に、ミキサドラム10の回転数が生コンの重心位置に及ぼす影響について説明する。なお、ミキサドラム10の回転数とは、単位時間当たりの回転数であり、いわゆる回転速度を意味する。
撹拌回転中のミキサドラム10内の生コンは、ミキサドラム10内に設けられた螺旋状のドラムブレードによってミキサドラム10の前方へ押し付けられる。このため、生コンの表面は、例えば、図6に破線で示されるように、後下がりに傾くことになる。この生コンの表面の傾きは、ミキサドラム10の回転数が高いほど、すなわち、回転速度が速いほど大きくなり、傾きが大きいほど生コンの重心位置は前方へと移動する。
この場合、分担率が一定であると仮定して後方ドラム受部50で検出された荷重から算出された算出重量Wcalとミキサドラム10の回転数と実際の重量Wrとの関係は、図8のグラフに示されるように、ミキサドラム10の回転数に応じて変化する。図8のグラフにおいて、実線は、ミキサドラム10が回転していないときであり、破線は、ミキサドラム10が低速で回転しているときであり、一点鎖線は、ミキサドラム10が破線で示されるときよりも高速で回転しているときである。
例えば、点線で示されるように、ミキサドラム10が低速で回転しているとき(破線)よりもミキサドラム10が高速で回転しているとき(一点鎖線)の方が、算出重量Wcalは、実際の重量Wrよりも少なく算出される。これは、ミキサドラム10が高速で回転している場合、生コンの重心位置が後方ドラム受部50から離れ、全体の荷重に対して後方ドラム受部50に作用する荷重の割合が小さくなるためである。
このため、算出重量Wcalとミキサドラム10の回転数と実際の重量Wrとの相関性に基づいて換算式やマップを作成し、この換算式等に基づいて算出重量Wcalを補正すれば、ミキサドラム10の回転数が生コンの重心位置に及ぼす影響が補償されたミキサドラム10の補正重量Wcorを求めることができる。換算式やマップは、演算部110のメモリに記憶され、ミキサドラム10の補正重量Wcorを求める際に用いられる。なお、ミキサドラム10の回転数は、上述のミキサドラムセンサ132により検出される。
次に、ミキサドラム10内の生コンのスランプ値が生コンの重心位置に及ぼす影響について説明する。
上述のように、回転中のミキサドラム10内の生コンは、ミキサドラム10内に設けられた螺旋状のドラムブレードにより、ミキサドラム10の前方へ押し付けられ、生コンの表面は後下がりに傾くことになる。生コンの表面の傾きは、生コンのスランプ値(粘性)と相関があり、スランプ値が小さいほど、すなわち粘性が大きいほど大きくなる。そして、生コンの表面の傾きが大きくなるほど生コンの重心位置は前方へと移動する。
この場合、分担率が一定であると仮定して後方ドラム受部50で検出された荷重から算出された算出重量Wcalと生コンのスランプ値と実際の重量Wrとの関係は、図9のグラフに示されるように、生コンのスランプ値に応じて変化する。図9のグラフにおいて、破線は、ミキサドラム10が所定の回転数で回転し、スランプ値が大きい(粘性が低い)場合であり、一点鎖線は、ミキサドラム10が破線の場合と同じ回転数で回転し、スランプ値が小さい(粘性が高い)場合である。
例えば、点線で示されるように、スランプ値が大きく粘性が低い場合(破線)よりもスランプ値が小さく粘性が高い場合(一点鎖線)の方が、算出重量Wcalは、実際の重量Wrよりも少なく算出される。これは、粘性が大きいと、生コンの重心位置が後方ドラム受部50から離れ、全体の荷重に対して後方ドラム受部50に作用する荷重の割合が小さくなるためである。
このため、算出重量Wcalとスランプ値と実際の重量Wrとの相関性に基づいて換算式やマップを作成し、この換算式等に基づいて算出重量Wcalを補正すれば、スランプ値が生コンの重心位置に及ぼす影響が補償されたミキサドラム10の補正重量Wcorを求めることができる。換算式やマップは、演算部110のメモリに記憶され、ミキサドラム10の補正重量Wcorを求める際に用いられる。なお、スランプ値は、入力部133を介してオペレータにより入力されてもよいし、入出力インターフェースを介して接続されるスランプ計測装置から入力されてもよいし、後述のスランプ値推定モードにより推定された値が用いられてもよい。
続いて、図10のフローチャートを参照し、積載量計量装置100で行われるミキサドラム10内の生コンの重量計測モードについて説明する。
入力部133を介してオペレータにより重量計測モードの開始が指示されると、演算部110において、生コンの重量計測が開始される。
まず、ステップS101では、演算部110からの指令により、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力とが同じ極性で接続される第1接続状態となるように、切換スイッチ141が第1位置に切り換えられる。これにより第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との合算値が演算部110に入力される。
続いて、ステップS102では、重量計測モードの種類判別が行われる。ここでは、ミキサドラム10が回転している状態で重量の計測を行う回転計測モードと、ミキサドラム10が停止している状態で重量の計測を行う停止計測モードと、のどちらがオペレータによって選択されているのかが判別される。
停止計測モードが選択された場合、ステップS103に進み、ミキサドラム10が停止している状態において、重量計測が開始される。一方、回転計測モードが選択された場合、ステップS104に進み、ミキサドラム10が回転している状態において、重量計測が開始される。
停止計測モードでは、ステップS105において、予め設定された所定位置でミキサドラム10を停止させる。ミキサドラム10内には、ドラムブレードが螺旋状に配設されているため、停止位置によっては、第1ロードセル71と第2ロードセル72とに作用するドラムブレードの荷重がばらつくおそれがある。このため、ミキサドラム10は、第1ロードセル71及び第2ロードセル72に作用するドラムブレードの荷重が均一となる位置で停止される。
ミキサドラム10が所定位置で停止したことがミキサドラムセンサ132によって確認されると、ステップS107へ進む。
一方、回転計測モードでは、ステップS106において、ミキサドラム10を予め設定された計測回転数で回転させる。回転数が変動すると、生コンの分布状態が安定せず、重心位置が変化してしまう。このため、ミキサドラム10の回転数は、一定の回転数に設定される。ミキサドラム10が所定回転数で回転していることがミキサドラムセンサ132によって確認されると、ステップS107に進む。なお、ミキサドラム10の回転数は、計測回転数に限定されず、任意の回転数であってもよい。
ステップS107では、第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との合算値と、傾斜センサ131の検出値と、が演算部110において取得される。上述のように、合算値は、W1cos(θ±α)に相当する値である。
続いて、ステップS108では、取得されたロードセル71,72の検出値と傾斜センサ131の検出値とに基づいて、ミキサドラム10の算出重量Wcalが算出される。ここでは、後方ドラム受部50の支持力W1と前方ドラム受部60の支持力W2との分担率は、所定の値であると仮定される。
次に、ステップS109では、分担率に影響を及ぼすパラメータ、すなわち生コンの重心位置に影響を及ぼすパラメータが補正パラメータとして取得される。具体的には、傾斜センサ131により検出された傾斜角度α、ミキサドラムセンサ132により検出されたミキサドラム10の回転数、オペレータにより入力された生コンのスランプ値が読み込まれる。なお、停止計測モードでは、ミキサドラム10の回転数は読み込まれないが、回転を停止した後もスランプ値に応じて生コンの表面は後下がりに傾いた状態に維持されるため、スランプ値は読み込まれる。また、回転計測モードにおいて、ミキサドラム10の回転数が予め設定された計測回転数に設定されている場合は、ミキサドラム10の回転数の読み込みは不要である。
ステップS110では、読み込まれた補正パラメータ(傾斜角度α、ミキサドラム10の回転数、生コンのスランプ値)に基づいて、ミキサドラム10の算出重量Wcalの補正が行われる。上述のように、算出重量Wcalと実際の重量Wrとには、図7から図9に示される相関性がある。演算部110では、これらの相関性に基づいて作成された換算式等によって算出重量Wcalは補正され、補正重量Wcorが算出される。なお、回転計測モードにおいてミキサドラム10の回転数が図9に示す粘性による相関性を計測した際の回転数と同じである場合には、図8に示されるミキサドラム10の回転数による相関性を補正に組み込まなくてもよい。
なお、補正にあたっては、生コンのスランプ値による補正量やミキサドラム10の回転数による補正量を、傾斜角度αによる補正量に換算して傾斜角度αによる補正と合わせて行ってもよい。具体的には、傾斜角度αが2°であり、スランプ値が15cmであった場合に、例えばスランプ値による補正が傾斜角度αが3°のときの補正に相当していれば、傾斜角度αを5°(=2°+3°)として、算出重量Wcalを補正しても同じ結果が得られる。
続いてステップS111では、補正重量Wcorの平均値が算出される。上述のように、ミキサドラム10内には、ドラムブレードが螺旋状に配設される。このため、ミキサドラム10内の生コンの分布状態は、ドラムブレードによって変化するが、ミキサドラム10が1回転するとドラムブレードは同じ位置に戻る。このため、ミキサドラム10内の生コンの分布状態は、ミキサドラム10が1回転する毎に、ほぼ同じ状態となる。したがって、補正重量Wcorを、ミキサドラム10が1回転する間にわたって平均すれば、より正確な重量を求めることができる。なお、停止計測モードである場合には、平均化は行わなくてもよい。
具体的には、ミキサドラム10が1回転する間に補正重量Wcorを所定回数(例えば60回)にわたって算出し、ミキサドラム10が1回転する度に、その平均値を算出する。なお、平均化は、補正重量Wcorではなく算出重量Wcalを平均するものであってもよく、この場合は、平均された算出重量Wcalに対して前述の補正が行われる。
ステップS112では、ステップS111で平均化された補正重量Wcorが演算部110から表示部120に出力され、表示部120において表示される。表示される重量は、生コンを含むミキサドラム10全体の重量であってもよいし、ミキサドラム10単体での重量を差し引いた生コンのみ(積載物のみ)の重量であってもよい。また、生コンの密度が入力部133を介してオペレータにより入力されていれば、生コンの容積量Vを表示することも可能である。また、生コンの適正積載量が入力部133を介してオペレータにより設定されていれば、生コンの重量が所定の積載量を超えている場合や所定の積載量を下回っている場合のように、生コンの重量が所定の範囲内にない場合には、表示部120に表示される重量の表示色を黄色や赤色に変更したり、警報音を発したりすることでオペレータに注意を促すことも可能である。
以上のように、積載量計量装置100によれば、正確なミキサドラム10の重量W及び容積量Vを計量し、オペレータに表示することができる。
上記構成の積載量計量装置100では、さらに、生コンのスランプ値(粘性)の推定と車体2の横転の危険性の判定とが行われる。
図11を参照して、積載量計量装置100において、スランプ値を推定する方法について説明する。図11は、図1のII−II線に沿う断面図において、ミキサドラム10が点線矢印で示される方向に回転したときの生コンの重心移動状態を示している。
積載物である生コンがミキサドラム10内で撹拌されると、生コンクリートの表面は、破線で示される水平状態から実線で示されるように車体2の左右方向に傾き、これと共に重心Gの位置も移動する。生コンの表面の傾きは、生コンの粘性が大きいほど大きくなり、それに伴って重心Gの移動量も大きくなる。また、重心Gの位置が移動することで、第1ロードセル71で検出される値と第2ロードセル72で検出される値には差が生じる。例えば、図11に示されるように、生コンの重心G位置が第1ロードセル71寄りに移動すると、第2ロードセル72で検出される値よりも第1ロードセル71で検出される値の方が大きくなる。
また、重心Gの移動量は、ミキサドラム10内の生コンの容積量によって変化し、生コンのスランプ値が同じであっても、容積量が大きいほど重心Gの移動量は大きくなる。つまり、生コンの重心Gの位置と容積量とスランプ値とには相関性があり、生コンの重心Gの位置と容積量とから生コンのスランプ値を推定することが可能である。
そこで、積載量計量装置100では、車体2の左右方向への生コンの重心G位置の移動によって変化するロードセル71,72の荷重差ΔW1と、重量計測モードによって算出された重量から換算される容積量Vと、に基づいて、生コンのスランプ値を推定する。荷重差ΔW1を容積量Vで除した単位容積あたりの荷重差(ΔW1/V)と生コンクリートのスランプ値とは、図12のグラフに示されるような関係となる。例えば、荷重差ΔW1が同じであっても容積量Vが大きいほど生コンの表面の傾きは小さくなるため、生コンのスランプ値は大きい、すなわち、粘性は低いと推定される。
図12に示される単位容積あたりの荷重差(ΔW1/V)と生コンクリートのスランプ値との相関性に基づいて換算式やマップを作成し、この換算式等に基づいて単位容積あたりの荷重差(ΔW1/V)から生コンクリートのスランプ値を推定することが可能である。換算式やマップは、演算部110のメモリに記憶され、生コンのスランプ値を推定する際に用いられる。なお、生コンのスランプ値は、単位容積あたりの荷重差(ΔW1/V)と生コンのスランプ値との相関性に代えて、容積量Vと荷重差ΔW1と生コンのスランプ値との関係を三次元マップ化したものに基づいて推定されてもよい。
また、積載量計量装置100では、推定されるスランプ値とともに、スランプコーンを使用した実測スランプ値がメモリに記録され、実測スランプ値と推定スランプ値との差分が小さくなるように、推定に用いられるマップや換算式が逐次更新される。なお、生コンの重心位置によって、ミキサドラム10を駆動する油圧モータの駆動圧も変化することから、荷重差ΔW1に代えて、油圧モータの駆動圧に基づいて生コンのスランプ値を推定してもよい。
続いて、図13のフローチャートを参照し、積載量計量装置100で行われるスランプ値推定モードについて説明する。
入力部133を介してオペレータによりスランプ値推定モードの開始が指示されると、演算部110において、スランプ値の推定が開始される。
まず、ステップS201において、生コンの重量が計測されているか否かが判定される。まだ、生コンの重量が計測されていなければ、ステップS202に進み、重量計測モードが開始される。生コンの重量がすでに計測されている場合は、ステップS203に進み、演算部110からの指令により、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力とが異なる極性で接続される第2接続状態となるように、切換スイッチ141が第2位置へ切り換えられる。これにより第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との差分である荷重差ΔW1が演算部110に入力される。
続いて、ステップS204では、ミキサドラム10を予め設定された計測回転数で回転させる。回転数が変動すると、生コンの分布状態が安定せず、重心位置が変化してしまう。このため、ミキサドラム10の回転数は、一定の計測回転数に設定される。ミキサドラム10が所定回転数で回転していることがミキサドラムセンサ132によって確認されると、ステップS205に進む。
ステップS205では、第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との差である荷重差ΔW1が演算部110において取得される。
次に、ステップS206では、取得された荷重差ΔW1と生コンの容積量Vとから単位容積あたりの荷重差(ΔW1/V)を算出し、メモリに記憶された単位容積あたりの荷重差(ΔW1/V)と生コンのスランプ値との相関性に基づき、スランプ値を推定する。
ステップS207では、推定されたスランプ値の平均値が算出される。上述のように、ミキサドラム10内にはドラムブレードが螺旋状に配設される。ミキサドラム10内の生コンの分布状態はドラムブレードによって変化するが、ミキサドラム10が1回転するとドラムブレードは同じ位置に戻るため、ミキサドラム10内の生コンの分布状態は、ミキサドラム10が1回転する毎に、ほぼ同じ状態となる。したがって、推定されたスランプ値を、ミキサドラム10が1回転する間にわたって平均すれば、より正確なスランプ値を求めることができる。なお、平均化は、推定されたスランプ値ではなく、荷重差ΔW1を平均するものであってもよい。この場合、平均された荷重差ΔW1と、容積量Vと、に基づいてスランプ値が推定される。
ステップS208では、ステップS207で平均化されたスランプ値が演算部110から表示部120に出力され、表示部120において表示される。スランプコーンを使用した実測スランプ値が入力されている場合は、推定されたスランプ値とともに表示してもよい。
次に、ステップS209では、推定されたスランプ値がメモリに記憶される。そして、ステップS210では、演算部110において、メモリに記憶された推定スランプ値と実測スランプ値とが比較され、推定スランプ値と実測スランプ値との差が小さくなるように、推定に用いられる換算式やマップが更新される。
以上のように、積載量計量装置100によれば、生コンのスランプ値を推定し、オペレータに表示することができる。推定されたスランプ値は、重量計測モードにおいて使用されてもよい。
続いて、図11を参照して、積載量計量装置100において、車体2の横転の危険性の判定する方法について説明する。
ミキサ車1では、生コンを撹拌するため、走行中にミキサドラム10を回転させる。このため、図11に示すように、車体2の左右方向に生コンの重心が移動し、一方側に生コンが偏った状態になりやすい。このように生コンが偏った状態で車両がカーブを旋回すると、遠心力によって生コンがさらに偏り、車両が横転する可能性が高まる。
また、生コンの総重量が小さい場合と大きい場合とでは、車体2の左右方向における生コンの重量差が同じであったとしても、総重量が大きい場合の方が生コンの表面の傾きが小さいため、車両が横転する可能性は低い。つまり、生コンの偏り状態を意味する車体2の左右方向における生コンの重量差からだけでは、車体2が横転するか否かを判定することは困難であって、より正確に車体2の横転の可能性を判定するには、生コンの総重量も考慮する必要がある。
そこで、積載量計量装置100では、車体2の左右方向への生コンの重心位置の移動及び遠心力に起因する生コンの偏りによって変化するロードセル71,72の荷重差ΔW1と、重量計測モードによって算出された生コンの重量Wと、に基づいて、車体2が横転する可能性を判定する。
具体的には、判定部111において、荷重差ΔW1を重量Wで除した単位重量あたりの荷重差(ΔW1/W)と所定の閾値とを比較し、単位重量あたりの荷重差(ΔW1/W)が所定の閾値を超えたときに車体2が横転する可能性が高いと判定する。車体2の横転の判定については、可能性の有無を判定することに代えて、閾値に対する単位重量あたりの荷重差(ΔW1/W)の割合を危険度として表示してもよい。
続いて、図14のフローチャートを参照し、積載量計量装置100で行われる横転判定モードについて説明する。
入力部133を介してオペレータにより車体横転判定モードの開始が指示されると、演算部110において、車体2が横転する可能性の判定が開始される。
まず、ステップS301において、生コンの重量が計測されているか否かが判定される。まだ、生コンの重量が計測されていなければ、ステップS302に進み、重量計測モードが開始される。生コンの重量がすでに計測されている場合は、ステップS303に進み、演算部110からの指令により、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力とが異なる極性で接続される第2接続状態となるように、切換スイッチ141が第2位置へ切り換えられる。これにより第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との差分である荷重差ΔW1が演算部110に入力される。
次に、ステップS304では、第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との差である荷重差ΔW1が演算部110において取得され、ステップS305では、取得された荷重差ΔW1とミキサドラム10の重量Wとから単位重量あたりの荷重差(ΔW1/W)が算出される。
続いて、ステップS306では、判定部111において、メモリに記憶された閾値に対する単位重量あたりの荷重差(ΔW1/W)の割合である危険度Dが算出される。閾値は、単位重量あたりの荷重差(ΔW1/W)が、この閾値を超えると車体2が横転する可能性が高い値に設定される。つまり、危険度Dが1以上である場合は、車体2が横転する可能性が高いことを意味する。
ステップS307では、算出された危険度Dの平滑化処理が行われる。危険度Dは、リアルタイムな値であることが要求されるため、比較的高速に処理されるとともにノイズ等が除去される。
続くステップS308では、平滑化された危険度Dが、演算部110から表示部120に出力され、表示部120において表示される。危険度Dの表示色は、危険度Dの大きさに応じて変更され、例えば、0.8以下では緑色、0.8から1.0以下では黄色、1.0よりも大きいときは赤色で表示部120に表示される。
ステップS309では、判定部111において、危険度Dが1よりも大きいか否かが判定される。危険度Dが1を超えた場合、車体2が横転する可能性が非常に高いため、ステップS310において、判定部111から表示部120へ警報が出力され、表示部120において警報音やランプの点滅等によってオペレータに横転の危険性が通知される。一方、危険度Dが1以下である場合は、判定を終了する。
以上のように、積載量計量装置100によれば、車体2の横転の危険性を判定し、危険度Dをオペレータに表示することができる。さらに、危険性が高い場合は、警報を出力することができる。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
積載量計量装置100では、ミキサドラム10の回転軸心C1に対して垂直な方向に作用するミキサドラム10の荷重を検出するようにロードセル71,72が配置される。このため、車体2が傾斜した場合であっても、車体2の傾斜角度αに基づいて、ミキサドラム10の鉛直方向における重量を容易に算出することができる。この結果、ミキサ車1の積載量の計量精度を向上させることができる
また、積載量計量装置100では、後方ドラム受部50に配置される一対のロードセル71,72によってミキサ車1の積載量が計量される。このように従来と比較し少ないロードセル71,72により積載量を計量することが可能となるため、積載量計量装置100の製造コストを低減することができる。
また、積載量計量装置100では、生コンの重心位置の変化の起因となるミキサドラム10内の生コンの容積量やミキサドラム10の回転数、ミキサドラム10内の生コンのスランプ値、車体2の傾斜角度αに基づいて、ロードセル71,72の検出値から算出された算出重量Wcalが補正される。このように、生コンの重心位置の変化の影響が補償されるため、ミキサ車1の積載量の計量精度を向上させることができる。
また、積載量計量装置100のロードセル71,72は、ガイドローラ51,52のローラ54を支持するピンの部分に組み込まれる。このように、ロードセル71,72は、従来から設けられている部材に代えて組み込まれるため、車両の構造を大幅に変更することなく、容易に組み込むことができる。また、ロードセル71,72は、ガイドローラ51,52のローラ54を支持するピンの部分に組み込まれるため、車高の変更はなく、また車体2の重量の増加も殆どない。
さらに、積載量計量装置100では、ロードセル71,72の検出値の差を利用して、ミキサドラム10内に投入された生コンのスランプ値を推定することができるとともに、車両がカーブを旋回するときの横転の危険性を判定することができる。
また、積載量計量装置100では、ミキサドラム10内に積載される生コンの容積を表示することも可能である。一般的に、土木または建築工事などのコンクリートの打設作業においては、生コンが容積単位で注文される。このため、積載量計量装置100のように、生コンの投入及び排出によって変化するミキサドラム10内の生コンの残量を容積単位で表示することが可能な装置を用いることにより、生コンの量を適切に管理することができる。
また、作業現場で生コンを排出した後、即座にミキサドラム10内の生コンの残量を確認することが可能となるため、検出された生コンの残量に応じて、他の作業現場へ向かうか、あるいは、生コンの補充に向かうかといった判断を適切に行うことができる。
<第2実施形態>
次に、図15〜17を参照して、本発明の第2実施形態に係る積載量計量装置200について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付し説明を省略する。
図15に示されるように、積載量計量装置200の基本的な構成は、第1実施形態に係る積載量計量装置100と同様である。積載量計量装置200は、前方ドラム受部60に設けられる第3ロードセル73及び第4ロードセル74を備えている点で積載量計量装置100と相違する。
図16及び図17を参照し、第3ロードセル73及び第4ロードセル74が設けられる前方ドラム受部60の構造について説明する。図16は、前方ドラム受部60を拡大して示した拡大図である。図17は、図16のXVII−XVII線に沿う断面図である。なお、図16において、駆動装置20の断面は省略して示している。
第3ロードセル73及び第4ロードセル74は、車体2の架台2a上に設けられる台座61と、駆動装置20と、の間に配置される平板型のロードセルである。
図16に示すように、第3ロードセル73の中央部73aは、押圧部材62を介して駆動装置20と結合され、両端部73bは、脚部63を介して台座61と結合される。中央部73aと両端部73bとの間には第3ロードセル73に作用する荷重によって歪を生じる起歪部73cがそれぞれ設けられる。起歪部73cには図示しない歪ゲージが取り付けられており、起歪部73cにおける歪量に応じて歪ゲージの抵抗が変化することで荷重に比例した電気信号が第3ロードセル73から出力される。第4ロードセル74も同様の構成を有し、駆動装置20と台座61に結合される。
第3ロードセル73及び第4ロードセル74は長手方向がミキサドラム10の回転軸心C1と平行となるように配置される。また、第3ロードセル73と第4ロードセル74とは、車体2の左右方向にミキサドラム10の回転軸心C1を挟んで対称的に配置される。このため、第3ロードセル73及び第4ロードセル74は、図16において太線矢印で示すように、ミキサドラム10の鉛直方向の荷重ではなく、ミキサドラム10の回転軸心C1(X’軸)に対して垂直なY’軸方向におけるミキサドラム10の荷重を検出する。
第3ロードセル73及び第4ロードセル74は、第1ロードセル71及び第2ロードセル72と同様に、架台2a上に配置されるロードセル接続箱145を介して演算部110に接続される。ロードセル接続箱145内に設けられる回路切換部140において、第3ロードセル73の出力と第4ロードセル74の出力とは同じ極性で接続される。つまり、第3ロードセル73の検出値と第4ロードセル74の検出値の合算値が前方ドラム受部60に作用するY’軸方向の荷重として演算部110に入力される。
演算部110には、図15に示されるように、各ロードセル71〜74以外に、上記第1実施形態と同様に、表示部120、入力部133、傾斜センサ131及びミキサドラムセンサ132が接続される。
次に、上記構成の積載量計量装置200によって、ミキサドラム10内の生コンの重量を計量する方法について説明する。
上記第1実施形態でも述べたように、図6に示されるように、ミキサドラム10が後方ドラム受部50と前方ドラム受部60とで支持される場合、後方ドラム受部50の支持力をW1、前方ドラム受部60の支持力をW2、とするとY軸方向の力の釣り合いよりミキサドラム10の重量Wは、W=W1+W2となる。一方、ミキサドラム10の回転軸心C1(X’軸)に対して垂直なY’軸方向についてみると、Wcosθ=W1cosθ+W2cosθとなる。
ここで、上記第1実施形態と同様に、後方ドラム受部50において荷重を検出するロードセル71,72は、Y’軸方向の荷重を検出するように取り付けられている。したがって、一対のロードセル71,72の出力値を合算したものは、W1cosθに相当する。さらに、積載量計量装置200では、前方ドラム受部60において荷重を検出するロードセル73,74は、Y’軸方向の荷重を検出するように取り付けられている。したがって、ロードセル73,74の出力値を合算したものは、W2cosθに相当する。
車体2が水平面に対して前後方向に傾斜している場合、仰角θは、回転軸角度θ1に傾斜角度αを加算または減算した大きさとなる。このため、ロードセル71,72の出力値は、W1cos(θ1±α)となり、ロードセル73,74の出力値は、W2cos(θ1±α)となる。ここで、傾斜角度αは傾斜センサ131によって求められ、また、回転軸角度θ1は予め設定された値であることから、cos(θ1±α),W1及びW2は容易に算出される。したがって、後方ドラム受部50の支持力W1と前方ドラム受部60の支持力W2とを合算すれば、ミキサドラム10の重量Wが算出され、この重量Wから、何も積載されていない状態のミキサドラム10の重量を差し引けば、生コンの重量を容易に算出することができる。また、生コンの密度がオペレータにより入力されていれば、生コンの容積量Vを表示することも可能である。
また、積載量計量装置200は、後方ドラム受部50において荷重を検出するロードセル71,72を備えているため、上記第1実施形態と同様に、スランプ値推定モードと車体横転判定モードとを実行することができる。
以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
積載量計量装置200では、後方ドラム受部50において荷重を検出するロードセル71,72の検出値と、前方ドラム受部60において荷重を検出するロードセル73,74の検出値と、傾斜センサ131の検出値と、に基づいてミキサドラム10の重量Wが算出される。このように、積載量計量装置200では、ミキサドラム10内の生コンの分布状態、すなわち、生コンの重心位置に応じて変化する分担率を考慮することなくミキサドラム10の重量Wを算出することができる。この結果、ミキサドラム10の重量Wを算出するにあたって、生コンの重心位置の移動の影響を受けることがないため、ミキサ車1の積載量の計量精度を向上させることができる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
積載量計量装置100,200は、車体2の後方においてミキサドラム10の後方を支持する後方ドラム受部50に設けられ、ミキサドラム10の荷重を検出するロードセル71,72と、車体2の状態を示す車体状態量及びミキサドラム10の状態を示すドラム状態量の少なくとも一方と、ロードセル71,72の検出値と、に基づいて積載物の積載量を算出する演算部110と、を備えることを特徴とする。
この構成では、積載物の積載量は、車体2の状態を示す車体状態量及びミキサドラム10の状態を示すドラム状態量の少なくとも一方と、ロードセル71,72の検出値と、に基づいて算出される。このように、積載物の積載量は、ロードセル71,72の検出値だけではなく、ミキサドラム10内における積載物の分布状態に影響を及ぼす車体2の状態を示す車体状態量やミキサドラム10の状態を示すドラム状態量を考慮して算出される。この結果、ミキサ車の積載量の計量精度を向上させることができる。また、積載量として、容積量を表示することによって、生コンの量を適切に管理することができる。
また、後方ドラム受部50は、回転しながらミキサドラム10を接触支持するローラ54と、ローラ54に挿通して設けられローラ54を回転自在に支持するピンと、を有し、ロードセル71,72は、ローラ54を介してピンに作用するミキサドラム10の荷重を検出することを特徴とする。
この構成では、ロードセル71,72が、ガイドローラ51,52のローラ54を支持するピンの部分に組み込まれる。このように、ロードセル71,72は、従来から設けられている部材に代えて組み込まれるため、車両の構造を大幅に変更することなく、容易に組み込むことができる。また、ロードセル71,72は、ガイドローラ51,52のローラ54を支持するピンの部分に組み込まれるため、車高の変更はなく、また車体2の重量の増加も殆どない。また、ローラ54及びピンには、ミキサドラム10の回転軸心C1に対して垂直な方向のミキサドラム10の荷重が作用する。一般的にロードセル71,72は、垂直方向の荷重を精度よく測定するものであるため、ピンの部分に組み込まれたロードセル71,72によって、積載物が搭載されたミキサドラム10の荷重を精度よく測定することができる。
また、ローラ54は、一対設けられ、ロードセル71,72は、ローラ54に挿通されるピンにそれぞれ設けられる第1ロードセル71と第2ロードセル72とを有し、車体状態量は、車体2の前後方向の傾斜量であり、ドラム状態量は、ミキサドラム10の回転数及びミキサドラム10内の積載物の粘性の少なくとも一方であり、演算部110は、第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との和から積載物の重量を算出し、算出された積載物の重量を車体状態量及びドラム状態量の少なくとも一方に基づいて補正することによって積載物の積載量を算出することを特徴とする。
この構成では、生コンの重心位置の変化の起因となる車体2の傾斜角度やミキサドラム10の回転数、ミキサドラム10内の生コンのスランプ値に基づいて、第1ロードセル71と第2ロードセル72の検出値から算出された算出重量Wcalが補正される。このように、生コンの重心位置の変化の影響が補償されるため、ミキサ車1の積載量の計量精度を向上させることができる。
また、積載量計量装置100,200は、車体2の横転の危険性を判定する判定部111と、判定部111の判定結果と演算部110の演算結果を表示する表示部120と、をさらに備え、判定部111は、第1ロードセル71の検出値と第2ロードセル72の検出値との差に基づいて、車体2の横転の危険性を判定し、表示部120は、判定部111で判定された車体2の横転の危険性を表示することを特徴とする。
この構成では、ロードセル71,72の検出値の差を利用して、車両がカーブを旋回するときの横転の危険性を判定することができるとともに、表示部120を介して、オペレータに横転の危険性を知らせることができる。また、表示部120を介して、演算部110で演算されたミキサドラム10の重量Wやスランプ値をオペレータに知らせることができる。
また、積載量計量装置200は、車体2の前方においてミキサドラム10の前方を支持する前方ドラム受部60に設けられ、ミキサドラム10の荷重を検出するロードセル73,74をさらに備え、演算部110は、車体状態量と、ロードセル73,74の検出値と、ロードセル71,72の検出値と、に基づいて積載物の積載量を算出することを特徴とする。
この構成では、後方ドラム受部50において荷重を検出するロードセル71,72の検出値と、前方ドラム受部60において荷重を検出するロードセル73,74の検出値と、傾斜センサ131の検出値と、に基づいてミキサドラム10の重量Wが算出される。このように、積載量計量装置200では、前方ドラム受部60と後方ドラム受部50とにおいてミキサドラム10の重量が検出されるため、ミキサドラム10内の生コンの分布状態、すなわち、生コンの重心位置に応じて変化する分担率を考慮することなくミキサドラム10の重量Wを算出することができる。この結果、ミキサドラム10の重量Wを算出するにあたって、生コンの重心位置の移動の影響を受けることがないため、ミキサ車1の積載量の計量精度を向上させることができる。
また、後方ドラム受部50に設けられるロードセル71,72と前方ドラム受部60に設けられるロードセル73,74とは、ミキサドラム10の回転軸心C1に対して垂直な方向のミキサドラム10の荷重を検出することを特徴とする。
この構成によれば、各ロードセル71〜74は、ミキサドラム10の回転軸心C1に対して垂直な方向のミキサドラム10の荷重を検出するように、換言すれば、同じ方向におけるミキサドラム10の荷重を検出するように配置される。このため、例えば、車体2が傾斜した場合であっても、車体2の傾斜角度αとミキサドラム10の回転軸角度θ1とに基づいて、ミキサドラム10の鉛直方向における重量を容易に算出することができる。この結果、ミキサ車の積載量の計量精度を向上させることができる。また、積載量として、容積量を表示することによって、生コンの量を適切に管理することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、演算部110に対して、第1ロードセル71の出力と第2ロードセル72の出力との合算値が入力されるか差分が入力されるかは、回路切換部140の切換スイッチ141により切り換えられる。これに代えて、演算部110に第1ロードセル71と第2ロードセル72の両出力を入力し、演算部110において、これらを合算または差分を算出してもよい。
100,200・・・積載量計量装置、1・・・ミキサ車、2・・・車体、10・・・ミキサドラム、10a・・・駆動軸、20・・・駆動装置、50・・・後方ドラム受部、51・・・第1ガイドローラ、52・・・第2ガイドローラ、54・・・ローラ、60・・・前方ドラム受部、71・・・第1ロードセル、72・・・第2ロードセル、73・・・第3ロードセル、74・・・第4ロードセル、110・・・演算部、111・・・判定部、120・・・表示部、131・・・傾斜センサ、132・・・ミキサドラムセンサ、133・・・入力部、140・・・回路切換部、141・・・切換スイッチ、145・・・ロードセル接続箱、150・・・演算表示ユニット、C1・・・回転軸心、C2・・・ロードセルの軸心、θ1・・・回転軸角度、α・・・車体2の傾斜角度、W1・・・後方ドラム受部50の支持力、W2・・・前方ドラム受部60の支持力

Claims (6)

  1. 車体上に回転自在に搭載されたドラム内の積載物の積載量を計量するミキサ車の積載量計量装置であって、
    前記車体の後方において前記ドラムの後方を支持する後方ドラム受部に設けられ、前記ドラムの荷重を検出する後方荷重検出器と、
    前記車体の状態を示す車体状態量及び前記ドラムの状態を示すドラム状態量の少なくとも一方と、前記後方荷重検出器の検出値と、に基づいて積載物の積載量を算出する演算部と、を備えることを特徴とするミキサ車の積載量計量装置。
  2. 前記後方ドラム受部は、回転しながら前記ドラムを接触支持するローラと、前記ローラに挿通して設けられ前記ローラを回転自在に支持するピンと、を有し、
    前記後方荷重検出器は、前記ローラを介して前記ピンに作用する前記ドラムの荷重を検出することを特徴とする請求項1に記載のミキサ車の積載量計量装置。
  3. 前記ローラは、一対設けられ、
    前記後方荷重検出器は、前記ローラに挿通される前記ピンにそれぞれ設けられる第1後方荷重検出器と第2後方荷重検出器とを有し、
    前記車体状態量は、前記車体の前後方向の傾斜量であり、
    前記ドラム状態量は、前記ドラムの回転数及び前記ドラム内の積載物の粘性の少なくとも一方であり、
    前記演算部は、前記第1後方荷重検出器の検出値と前記第2後方荷重検出器の検出値との和から積載物の重量を算出し、算出された積載物の重量を前記車体状態量及び前記ドラム状態量の少なくとも一方に基づいて補正することによって積載物の積載量を算出することを特徴とする請求項2に記載のミキサ車の積載量計量装置。
  4. 前記車体の横転の危険性を判定する判定部と、前記判定部の判定結果と前記演算部の演算結果を表示する表示部と、をさらに備え、
    前記判定部は、前記第1後方荷重検出器の検出値と前記第2後方荷重検出器の検出値との差に基づいて、前記車体の横転の危険性を判定し、
    前記表示部は、前記判定部で判定された前記車体の横転の危険性を表示することを特徴とする請求項2または3に記載のミキサ車の積載量計量装置。
  5. 前記車体の前方において前記ドラムの前方を支持する前方ドラム受部に設けられ、前記ドラムの荷重を検出する前方荷重検出器をさらに備え、
    前記演算部は、前記車体状態量と、前記前方荷重検出器の検出値と、前記後方荷重検出器の検出値と、に基づいて積載物の積載量を算出することを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載のミキサ車の積載量計量装置。
  6. 前記前方荷重検出器及び前記後方荷重検出器は、前記ドラムの回転軸に対して垂直な方向の前記ドラムの荷重を検出することを特徴とする請求項5に記載のミキサ車の積載量計量装置。
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