JP2017070918A - 噴霧ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の直線流と旋回流の双方を噴出可能であり、かつ樹脂成形品を成形するための金型構造が複雑化してしまうこともない噴霧ノズルを提供する。
【解決手段】噴霧口14を有するノズルケース10と、ノズルケース10内に設けられ、噴霧口14側に向かって突出し、かつノズルケース10の内周面との間に液体通路となる隙間Sが形成される略円筒状部を有する樹脂成形品であるインナー部材20と、を備え、前記略円筒状部の先端には、いずれも隙間Sから供給される液体を筒の外側から内側に中央に向かって案内させることにより、双方から案内されて衝突する液体により噴霧口14に向けて直線流を形成させる一対の直線流形成用溝22a,22bと、いずれも隙間Sから供給される液体を筒の外側から内側に中央に対してずれる方向に案内させることにより、それぞれから案内される液体により噴霧口14に向けて旋回流を形成させる複数の旋回流形成用溝23aと、が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体を霧状に噴出させるための噴霧ノズルに関する。
洗浄便座等においては、水などの液体を霧状に噴出させるための噴霧ノズルが設けられている。噴霧ノズルによって、ある程度広角の範囲に液体を霧状に噴出させる場合に、噴霧ノズル内において液体の旋回流を形成させる技術が知られている(特許文献1参照)。また、旋回流だけでは中央付近の流量が少なくなってしまうため、噴霧ノズル内に、液体を直線的に噴出させる構造も併せて設ける技術が知られている(特許文献2参照)。この技術においては、噴出方向に真っ直ぐに伸びる貫通孔に液体を供給させることで、液体を直線的に噴出させている。
しかしながら、小流量の噴霧が必要な場合、上記の貫通孔の径は、例えば、0.5mm程度にする必要がある。この貫通孔を設ける部品として、樹脂成形品を採用する場合、小径の貫通孔を有する成形品を金型で成形するのは一般的に困難である。上記の例のように、0.5mm程度の貫通孔を有する成形品を金型で成形するためには、金型構造が複雑になり、金型が破損し易かったり、貫通孔にバリが残り易くなってしまったりすることが危惧される。
特開2002−306992号公報 特開2002−306991号公報
本発明の目的は、液体の直線流と旋回流の双方を噴出可能であり、かつ樹脂成形品を成形するための金型構造が複雑化してしまうこともない噴霧ノズルを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の噴霧ノズルは、
噴霧口を有するノズルケースと、
前記ノズルケース内に設けられ、前記噴霧口側に向かって突出し、かつ前記ノズルケースの内周面との間に液体通路となる隙間が形成される略円筒状部を有する樹脂成形品であるインナー部材と、
を備え、
前記略円筒状部の先端には、
いずれも前記隙間から供給される液体を筒の外側から内側に中央に向かって案内させることにより、双方から案内されて衝突する液体により前記噴霧口に向けて直線流を形成させる一対の直線流形成用溝と、
いずれも前記隙間から供給される液体を筒の外側から内側に中央に対してずれる方向に案内させることにより、それぞれから案内される液体により前記噴霧口に向けて旋回流を形成させる複数の旋回流形成用溝と、
が形成されていることを特徴とする。
本発明の噴霧ノズルによれば、一対の直線流形成用溝により噴霧口に向けて液体の直線流が形成され、複数の旋回流形成用溝により噴霧口に向けて液体の旋回流が形成される。これにより、広角の範囲に液体を霧状に噴出させつつ、中央付近における流量が少なくなってしまうことを抑制することができる。また、液体の直線流及び旋回流を形成させるために、樹脂成形品であるインナー部材には、貫通孔ではなく溝を設ける構成が採用されているため、インナー部材を成形するための金型構造が複雑になってしまうこともない。
前記一対の直線流形成用溝の溝深さはそれぞれ同一となるように設定され、前記複数の旋回流形成用溝の溝深さはそれぞれ同一となるように設定されており、前記直線流形成用溝の溝深さと前記旋回流形成用溝の溝深さは異なるように設定されているとよい。
これにより、液体の直線流と旋回流の双方をより確実に形成させることができる。
前記直線流形成用溝の溝深さの方が、前記旋回流形成用溝の溝深さよりも浅いとよい。
これにより、液体の旋回流が直線流の影響を受け難くなるため、旋回流の噴霧量が少なくなってしまうことを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、液体の直線流と旋回流の双方を噴出させることができ、かつ樹脂成形品を成形するための金型構造が複雑化してしまうことを抑制することができる。
図1は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの正面図である。 図2は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの平面図である。 図3は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの底面図である。 図4は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの断面図である。 図5は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの断面図である。 図6は本発明の実施例に係るインナー部材の斜視図である。 図7は本発明の実施例に係るインナー部材の正面図である。 図8は本発明の実施例に係るインナー部材の平面図である。 図9は本発明の実施例に係るインナー部材の底面図である。 図10は本発明の実施例に係るノズルケースの斜視図である。 図11は本発明の実施例に係るノズルケースの一部破断断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1〜図11を参照して、本発明の実施例に係る噴霧ノズルについて説明する。図1は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの正面図である。図2は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの平面図である。図3は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの底面図である。図4は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの断面図であり、図3中のAA断面図である。図5は本発明の実施例に係る噴霧ノズルの断面図であり、図3中のBB断面図である。図6は本発明の実施例に係るインナー部材の斜視図である。図7は本発明の実施例に係るインナー部材の正面図である。図8は本発明の実施例に係るインナー部材の平面図である。図9は本発明
の実施例に係るインナー部材の底面図である。図10は本発明の実施例に係るノズルケースの斜視図である。図11は本発明の実施例に係るノズルケースの一部破断断面図であり、ノズルケースを、中心軸線を含む面にて切断したものを斜視図にて示している。なお、本実施例に係る噴霧ノズルは、洗浄便座において、水を霧状に噴出させるための用途の他、液体を霧状に噴出させるための各種装置に適用可能である。
<噴霧ノズルの構成>
<<噴霧ノズルの概要>>
本実施例に係る噴霧ノズル100は、噴霧口14を有するノズルケース10と、このノズルケース10内に設けられるインナー部材20とから構成される。これらノズルケース10及びインナー部材20は、いずれも樹脂成形品であり、金型によって成形される。
<<ノズルケース>>
ノズルケース10は、回転対称形状をなしている。このノズルケース10は、後端側から先端側(噴霧口14側)に向かって、外径が段階的に小さくなる段付き円筒形状の部材により構成されている。ノズルケース10の内周面側には、後端側から先端側に向かって、順に、最も内径が大きい大径部11,大径部11よりも内径が小さい中径部12,中径部12よりも内径が小さい小径部13が設けられている。そして、小径部13よりも更に先端側に噴霧口14が設けられている。噴霧口14は、後端側から先端側に向かって徐々に内径が小さくなるテーパ面14aと、テーパ面14aから更に先端側に向かって、徐々に内径が大きくなる傾斜面14bとから構成されている。傾斜面14bにおいては、ノズルケース10を、その中心軸線を含む面で切断した断面形状が楕円弧となるように構成されている。
<<インナー部材>>
インナー部材20は、略円柱状の土台部20Xと、土台部20Xの先端側に設けられる霧状液体形成部20Yとから構成される。土台部20Xは、円柱形状部に対して、2か所に貫通孔21が設けられた構成である。霧状液体形成部20Yは、略円柱部の先端側に、外径が土台部20Xの外径よりも小さい略円筒状部を有する構成である。なお、この略円筒状部は、インナー部材20がノズルケース10内に設けられた状態において、噴霧口14側に向かって突出するように構成されている。
霧状液体形成部20Yにおける略円筒状部の先端には、一対の直線流形成用溝22a,22bと、複数(本実施例では2つ)の旋回流形成用溝23a,23bと、溶着用のビード24が形成されている。一対の直線流形成用溝22a,22bは、略円筒状部の中心から径方向外側に向かって直線状に伸びるように設けられている。また、これら一対の直線流形成用溝22a,22bは、一直線上に並ぶように設けられている。これに対して、複数の旋回流形成用溝23a,23bは、径方向外側から内側に向かって、略円筒状部の中心を通らないように設けられている。そして、一対の直線流形成用溝22a,22bの溝深さはそれぞれ同一となるように設定され、複数の旋回流形成用溝23a,23bの溝深さはそれぞれ同一となるように設定されている。また、直線流形成用溝22a,22bの溝深さと旋回流形成用溝23a,23bの溝深さは異なるように設定されている。本実施例の場合には、直線流形成用溝22a,22bの溝深さの方が、旋回流形成用溝23a,23bの溝深さよりも浅くなるように設定されている。
<<噴霧ノズルの詳細>>
上記のように構成されるノズルケース10内にインナー部材20を組み込むことにより噴霧ノズル100が得られる。より具体的には、インナー部材20に設けられたビード24を、ノズルケース10における小径部13と噴霧口14との間の段差面に形成された環状溝15に対して溶着させることで、噴霧ノズル100が得られる。
以上のように構成される噴霧ノズル100において、ノズルケース10の内周面側の大径部11の内部に、液体が供給される空間が形成されている。そして、ノズルケース10の内周面側の中径部12に、インナー部材20における土台部20Xが嵌合した状態となっている。また、ノズルケース10の内周面側の小径部13の内周面と、インナー部材20における霧状液体形成部20Yとの間には、液体通路となる隙間Sが形成された状態となっている。つまり、小径部13の内周面と霧状液体形成部20Yにおける略円筒状部との間には、液体通路となる隙間Sが形成された状態となっている。以上の構成により、大径部11に供給された液体は、インナー部材20の土台部20Xに設けられた2か所の貫通孔21を通って、隙間Sへと流れていく。
そして、上述した一対の直線流形成用溝22a,22bは、いずれも隙間Sから供給される液体を筒の外側から内側に中央に向かって案内させることにより、双方から案内されて衝突する液体により噴霧口14に向けて直線流を形成させる機能を発揮する。
また、複数の旋回流形成用溝23a,23bは、いずれも隙間Sから供給される液体を筒の外側から内側に中央に対してずれる方向に案内させることにより、それぞれから案内される液体により噴霧口14に向けて旋回流を形成させる機能を発揮する。
<噴霧ノズルによって液体を霧状に噴出させるメカニズム>
特に、図4,5及び図8を参照して、本実施例に係る噴霧ノズル100によって液体を霧状に噴出させるメカニズムについて説明する。本実施例に係る噴霧ノズル100は、例えば、液体(水道水など)が供給されるパイプの先端に取り付けられる。そして、噴霧ノズル100において、ノズルケース10の内周面側の大径部11の内部空間に供給された液体は、インナー部材20の土台部20Xに設けられた2か所の貫通孔21を通って、隙間Sへと流れていく。
そして、隙間Sに供給された液体の一部は、一対の直線流形成用溝22a,22bにより、筒(略円筒状部)の外側から内側に中央に向かって排出される(図4,8中、矢印X1,X2参照)。これら一対の直線流形成用溝22a,22bの双方から排出された液体は、筒(略円筒状部)の中央付近で衝突し、噴霧口14に向けた直線流が形成される(図4中、矢印X3参照)。
また、隙間Sに供給された液体の一部は、複数の旋回流形成用溝23a,23bにより、筒(略円筒状部)の外側から内側に中央に対してずれる方向に向かって排出される(図5中、矢印Y1、及び図8中、矢印Y1,Y2参照)。これら複数の旋回流形成用溝23a,23bから排出された液体は、略円筒状部の内周面に沿うように流れることにより、噴霧口14に向けた旋回流が形成される。これにより、噴霧口14から広角の範囲に霧状の液体が噴出される(図5中、矢印Y3参照)。
ここで、上記の通り、直線流形成用溝22a,22bの溝深さの方が、旋回流形成用溝23a,23bの溝深さよりも浅くなるように設定されている。従って、霧状液体形成部20Yにおける略円筒状部の内側の空間内のうち、後端側で液体の旋回流が形成され、先端側で液体の直線流が形成される。ここで、霧状液体形成部20Yにおける略円筒状部においては、先端側(噴霧口14側)のみが開放されている。従って、液体の直線流及び旋回流は、いずれも噴霧口14から噴出される。なお、流体の旋回流は、噴霧口14のテーパ面14aの部分にて旋回速度が増加され、その後、傾斜面14bによって、広角状に噴出される。なお、複数の旋回流形成用溝23a,23bの溝深さを調整することで、中心軸線方向に見た場合に円形に噴出される霧状の液体のうち、外側の流量を多めにしたり少なめにしたり、流量の分布を調整することができる。
<本実施例に係る噴霧ノズルの優れた点>
本実施例に係る噴霧ノズル100によれば、一対の直線流形成用溝22a,22bにより噴霧口14に向けて液体の直線流が形成され、複数の旋回流形成用溝23a,23bにより噴霧口14に向けて液体の旋回流が形成される。これにより、広角の範囲に液体を霧状に噴出させつつ、中央付近における流量が少なくなってしまうことを抑制することができる。また、液体の直線流及び旋回流を形成させるために、樹脂成形品であるインナー部材20には、貫通孔ではなく溝を設ける構成が採用されているため、インナー部材20を成形するための金型構造が複雑になってしまうこともない。
そして、一対の直線流形成用溝22a,22bの溝深さはそれぞれ同一となるように設定され、複数の旋回流形成用溝23a,23bの溝深さはそれぞれ同一となるように設定されている。また、直線流形成用溝22a,22bの溝深さと旋回流形成用溝23a,23bの溝深さは異なるように設定されている。これにより、液体の直線流と旋回流の双方をより確実に形成させることができる。
また、本実施例の場合には、直線流形成用溝22a,22bの溝深さの方が、旋回流形成用溝23a,23bの溝深さよりも浅くなるように設定されている。これにより、液体の旋回流が直線流の影響を受け難くなるため、旋回流の噴霧量が少なくなってしまうことを抑制することができる。
(その他)
本実施例においては、旋回流形成用溝23a,23bが2つ設けられる場合を示したが、本発明においては、旋回流形成用溝の個数は限定されるものではない。例えば、同じ深さの旋回流形成用溝を3つ以上設けても良い。また、同じ深さの一対の旋回流形成用溝と、これら一対の旋回流形成用溝とは深さが異なり、かつ同じ深さの一対の旋回流形成用溝を別に設ける構成を採用することもできる。この場合には、略円筒状部内において、2か所で液体の旋回流を形成させることができる。
10 ノズルケース
11 大径部
12 中径部
13 小径部
14 噴霧口
14a テーパ面
14b 傾斜面
15 環状溝
20 インナー部材
20X 土台部
20Y 霧状液体形成部
21 貫通孔
22a,22b 直線流形成用溝
23a,23b 旋回流形成用溝
24 ビード
100 噴霧ノズル
S 隙間

Claims (3)

  1. 噴霧口を有するノズルケースと、
    前記ノズルケース内に設けられ、前記噴霧口側に向かって突出し、かつ前記ノズルケースの内周面との間に液体通路となる隙間が形成される略円筒状部を有する樹脂成形品であるインナー部材と、
    を備え、
    前記略円筒状部の先端には、
    いずれも前記隙間から供給される液体を筒の外側から内側に中央に向かって案内させることにより、双方から案内されて衝突する液体により前記噴霧口に向けて直線流を形成させる一対の直線流形成用溝と、
    いずれも前記隙間から供給される液体を筒の外側から内側に中央に対してずれる方向に案内させることにより、それぞれから案内される液体により前記噴霧口に向けて旋回流を形成させる複数の旋回流形成用溝と、
    が形成されていることを特徴とする噴霧ノズル。
  2. 前記一対の直線流形成用溝の溝深さはそれぞれ同一となるように設定され、前記複数の旋回流形成用溝の溝深さはそれぞれ同一となるように設定されており、前記直線流形成用溝の溝深さと前記旋回流形成用溝の溝深さは異なるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の噴霧ノズル。
  3. 前記直線流形成用溝の溝深さの方が、前記旋回流形成用溝の溝深さよりも浅いことを特徴とする請求項2に記載の噴霧ノズル。
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