JP2017070508A - 磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場波形調整方法、および、磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場波形調整方法、および、磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】MRI装置ごとに、装置固有の周波数応答関数FRFが異なる場合であっても、傾斜磁場による音響ノイズを低減できる傾斜磁場波形調整方法を提供する。
【解決手段】傾斜磁場波形調整方法は、フローコンペンセーションのための所定の条件を満たす、複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップと、傾斜磁場波形を、磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音響ノイズの音圧を、複数の傾斜磁場波形ごとに求めるステップと、複数の傾斜磁場波形のうち、音響ノイズの音圧が予め定めた閾値以下の傾斜磁場波形を選択するステップと、選択した傾斜磁場波形を、使用可能な代表波形として記憶媒体に格納するステップとを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置に関し、傾斜磁場によって発生する音を抑制する技術に関する。
磁気共鳴イメージング装置(MRI, Magnetic Resonance Imaging)は、磁気共鳴現象を利用した医用断層像撮影装置である。撮像を行うには、スライス傾斜磁場と同時に高周波パルス(励起パルス)を印加して特定の撮影面の磁化を励起し、撮影面と直交する方向にリードアウト傾斜磁場を印加しながら、磁化が収束する段階で発生する核磁気共鳴信号(エコー)を取得する。さらに、励起から信号取得までの間に、スライス傾斜磁場およびリードアウト傾斜磁場と直交する方向に位相エンコード傾斜磁場を印加することにより、互いに直交する3方向の位置情報を核磁気共鳴信号に与えることができる。
高周波パルスと各傾斜磁場は、あらかじめ設定されたパルスシーケンスに基づいたタイミングで印加され、撮像条件によって強度や印加時間が異なる。一般的には傾斜磁場のパルス波形は、台形波形である。また、パルスシーケンスには、さらに別の高周波パルスや傾斜磁場の印加が追加されることもある。撮像時に印加される傾斜磁場の方向は、パルスシーケンスに従って磁場方向が高速にスイッチングされるため、傾斜磁場コイルが振動することが知られている。すなわち、傾斜磁場コイルは、強い静磁場中に配置されているため、傾斜磁場コイルに電流が流れると、フレミングの左手の法則に従って傾斜磁場コイルの線材がローレンツ力を受ける。そのため、傾斜磁場の方向を高速にスイッチングするために電流を高速でスイッチングすると、線材が受けるローレンツ力の向きが反転するため、線材が機械的に振動する。傾斜磁場コイルの振動によって生じるノイズは、MRI装置自体が巨大なスピーカの作用をするために増幅され、大きな音響ノイズを発生する。
大きな音響ノイズは、患者に不快感や恐怖心を与えることがある。また、小児MRI検査等、睡眠下で行われる撮像の妨げにもなる。特に静磁場の高磁場化に伴い、音響ノイズが顕著となることが知られており、静磁場が3T(テスラ)以上の高磁場機では、騒音対策が必要になるレベルになる。例えば、音響ノイズの音圧レベルは、磁場強度や撮影条件によるが、サブミリ秒の時間間隔で傾斜磁場のスイッチングを行う高速撮像法では、115 dB以上に達する場合がある。この音圧レベルは、ヘリコプターのプロペラ音をその近くで聞いた場合や自動車のクラクションをすぐ前方で聞いた場合の音圧レベルに匹敵し、聴覚に異常をきたす可能性のある音圧レベルである。そのため、MRI装置の音響ノイズに関する安全規定は、IEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)や、日本工業規格JISにより規定されており、時間平均で99dB(A)を超える音圧レベルでの撮像する場合、耳栓等の聴覚保護手段が必要であるとされている。
MRI装置の静音化の技術として、傾斜磁場の波形を変化させる技術が提案されている。傾斜磁場によって発生する音は、装置固有の周波数応答関数(FRF:Frequency Response Function)と傾斜磁場波形の周波数分布との積で表わされ、FRFの値が小さい周波数では音が小さくなることが知られている(非特許文献1)。特許文献1では、FRFに基づいて音圧レベルを算定し、最も音圧レベルが小さくなる励起特性を用いてMRIスキャンを実行することが提案されている。また非特許文献1では、FRFの200Hz以下の成分が非常に小さくなることを利用して、ローパスフィルタを用いて傾斜磁場波形の高周波成分を抑制することが提案されている。特許文献2においても、傾斜磁場波形の周波数成分にアナログもしくはデジタル的にフィルタをかけることを提案している。非特許文献2、および、非特許文献3では、リードアウト用と位相エンコード用の傾斜磁場パルスをサイン波形にすることを提案している。
MRI装置では、傾斜磁場の時間積分値や一部区間の強度によって、空間分解能や視野等の撮影条件が決定されることから、静音化のために傾斜磁場波形を変化させた場合であっても、傾斜磁場の時間積分値や一部区間の強度が変化しないようにしなければならない。非特許文献4および特許文献3では、撮影シーケンス内を2種類の区間に分類し、高周波励起や信号読み出し用の区間では傾斜磁場波形を変更せず、それ以外の区間において一定の条件下で傾斜磁場のスプライン補間を行っている。
一方、MRアンギオグラフィーや磁化率強調イメージング(SWI, Susceptibility Weighted Imaging)では、フローコンペンセーションパルスが用いられる。例えば、MRアンギオグラフィーの一手法であるTOF(Time of Flight)法は、組織の緩和時間よりも早いタイミングで繰り返しスキャンすることによって、静止部では核磁化の飽和による信号減少が起こるのに対し、血管内等の流動部位では新たなスピンの流入により信号低下が抑えられるということを利用し、流動部位のコントラストを強調する撮像手法である。しかし、計測対象となるスピンが動いている流動部位においては、傾斜磁場印加時の位相変化がスピンの動きに影響を受けるため、正しく位置情報が付与されずにアーティファクトが発生したり、流動部位の信号低下が生じるといった弊害が生じる。このため、主にスライス方向およびリードアウト方向に、位相変化(0次モーメント、1次モーメント)を相殺する付加的な傾斜磁場パルスを追加したフローコンペンセーションパルスが用いられている(非特許文献5)。また、スライス方向のフローコンペンセーションパルスに対して、5次のスプライン曲線で傾斜磁場波形を変形することにより、静音化と画質の両立を図る技術も提案されている(非特許文献6)。
国際公開第2009/074918号 国際公開第1998/013703号 特開2014-1555843号公報
Hedeen RA. Edelstein WA. Characterization and Prediction of Gradient Acoustic Noise in MR Imagers. Magn Reson Med 1997;37:7 -10. Hennel F. Girard F. Loenneker T. "Silent" MRI With Soft Gradient Pulses. Magn Reson Med 1999;42:6-10. Hennel F. Fast Spin Echo and Fast Gradient Echo MRI With Low Acoustic Noise. J Magn Reson imaging 2001;13:960-966. Heismann B. Ott M. Grodzki D. Sequnce-Based Acoustic Noise Reduction of Clinical MRI Scans. Magn Reson Med 2015;73:1104-1109. Lee JN, Riederer SJ, Pelc NJ. Flow-Compensated Limited Flip Angle MR Angiography. Magn Reson Med 1989;12:1-13 Grodzki DM, et al. Optimization of Flow-Compensation Gradients in SWI and TOF scans for Acoustic Noise Reduction in MRI. Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med.23 (2015) :2544
フローコンペンセーションパルスの波形は、下式(1)に示す0次モーメント、1次モーメントがそれぞれゼロになるように印加タイミングや強度が調整されている。式(1)は、計測対象のスピンの傾斜磁場印加による1次までの位相変化を示す。
Figure 2017070508
ここで、γは磁気回転比、S0は定数、G(τ)は傾斜磁場波形、vは1次の速度である。第1項の0次モーメントM0は、傾斜磁場の面積であり、静止スピンに与える位相変化に相当する。静止スピンのみを撮影対象とする場合は、極性を反転した2つのパルスから成る傾斜磁場波形を用い、0次モーメント、すなわち両者の面積の和がゼロになるように調節すればよい。一方、第2項の1次モーメントM1は、計測対象の速度に応じた位相変化を与える。血管内部のように動きのあるスピンを撮影対象とする場合には、0次、1次モーメントともにゼロにする必要がある。なお、2次モーメント以上の項を補正することにより、等速以外のスピンの動きにも対応することができる。ただし、パルス数の増大にともなって撮影時間が延びるため、一般的には1次までの補正が良く用いられる。
このように、フローコンペンセーションパルスの波形は、式(1)に示す0次モーメント、1次モーメントがゼロになるように印加タイミングや強度が調整されるが、この調整が不十分であると、TOFシーケンスで撮像した画像にアーティファクトが発生したり、動体部分の信号が低下して末梢血管が抽出されにくい等の弊害が生じる。
このとき、フローコンペンセーションパルスも傾斜磁場パルスであるため、TOFシーケンス実行時の音響ノイズを低減するためには、傾斜磁場パルスの波形を調整する必要がある。そこで、例えば非特許文献4に記載された技術のように、撮影シーケンス内の高周波励起や信号読み出し用の区間では傾斜磁場波形を変更せず、それ以外の区間において傾斜磁場のスプライン補間を行って音響ノイズを低減しようとした場合、フローコンペンセーションパルスは0次モーメント、1次モーメントをゼロにする必要があるため、高周波励起や信号読み出し用の区間で印加される傾斜磁場と同様に、その波形を変更することはできず、静音化の効果に限界がある。
ところで、非特許文献1等に記載されているように、傾斜磁場によって発生する音は、装置固有のFRFと傾斜磁場波形の周波数分布との積で表わされ、FRFの値が小さい周波数では音が小さくなる。しかしながら、装置固有のFRFは、MRI装置の構造(機種)のみならず、装置周辺の環境(MRI装置の床への設置構造や、MRI装置が配置されている部屋の構造や床の構造)によって異なる。そのため、特許文献1,2や非特許文献1〜4のように、傾斜磁場の波形の周波数成分を制御しても、MRI装置の周辺の環境によって、同じ機種であっても、MRI装置ごとにFRFが異なるため、音響ノイズを低減する効果が十分に得られないし、逆効果になる場合もあり得る。
同様に、非特許文献6の技術のようにフローコンペンセーションパルスをスプライン曲線で変形して設定しても、MRI装置ごとにFRFが異なるため、静音化の効果が異なり、常に静音化の効果が得られるとは限らず、逆効果になる場合もありうる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、MRI装置ごとに、装置固有の周波数応答関数FRFが異なる場合であっても、傾斜磁場による音響ノイズを低減できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、磁気共鳴イメージング装置に搭載される、フローコンペンセーションのための傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスの傾斜磁場波形調整方法を提供する。この傾斜磁場波形調整方法は、フローコンペンセーションのための所定の条件を満たす、複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップと、傾斜磁場波形を、当該磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音響ノイズの音圧を、複数の傾斜磁場波形ごとに求めるステップと、複数の傾斜磁場波形のうち、音響ノイズの音圧が予め定めた閾値以下の傾斜磁場波形を選択するステップと、選択した傾斜磁場波形を、傾斜磁場パルスとして使用可能な代表波形として記憶媒体に格納するステップと、を含む。
また、本発明の第2の態様は、傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、記憶部とを有する磁気共鳴イメージング装置であって、記憶部には、フローコンペンセーションのための傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスと、傾斜磁場パルスの代表波形とが格納される。代表波形は、フローコンペンセーションのための所定の条件を満たす、複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップと、傾斜磁場波形を、当該磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音響ノイズの音圧を、複数の傾斜磁場波形ごとに求めるステップと、複数の傾斜磁場波形のうち、音響ノイズの音圧が予め定めた閾値以下の傾斜磁場波形を選択するステップと、によって、選択された傾斜磁場波形である。
また、本発明の第3の態様は、傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、記憶部と、波形変換部とを有する磁気共鳴イメージング装置であって、記憶部には、単一の傾斜磁場パルスの1以上のパラメータの複数の値ごとに、その単一の傾斜磁場パルスを磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音圧レベルを示す指標を格納したデータベースが格納されている。波形変換部は、撮像条件に応じて、その撮像条件に対応するパラメータの複数の値の中から、音圧レベルを示す指標が最も小さくなるパラメータの値を選択し、予め定められたパルスシーケンスに従って傾斜磁場コイルに印加される傾斜磁場パルスの波形を、選択したパラメータの値によって変換する。
また、本発明の第4の態様は、傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場パルスの波形を変換する波形変換部と、記憶部と、操作部とを有する磁気共鳴イメージング装置であって、記憶部には、予め定めた撮像条件に対応したパルスシーケンスと、パルスシーケンスに含まれる傾斜磁場パルスを静音化するための代表波形とが格納されている。操作部が、パルスシーケンスの撮像条件の変更を受け付けた場合、波形変換部は、記憶部に格納されたパルスシーケンスの予め定めた撮像条件と、操作部が受け付けた撮像条件とに基づいて、傾斜磁場パルスの代表波形を変更する。
本発明によれば、MRI装置ごとに、装置固有の周波数応答関数FRFが異なる場合であっても、傾斜磁場による音響ノイズを低減できる技術を提供することができる。
本発明の実施形態1のMRI装置の全体概要を示すブロック図 実施形態1の計算機の機能ブロック図 実施形態1のパルスシーケンスの一例を示す図 実施形態1のスライス方向のフローコンペンセーションパルスの一例を示す図 実施形態1の波形変換部の動作を示すフローチャート 実施形態1の複数の傾斜磁場波形の例を示す図 図6の傾斜磁場波形のうち、印加時間が1msおよび2msの場合の周波数分布を示す図 図6の傾斜磁場波形のうち、印加時間が3msおよび4msの場合の周波数分布を示す図 実施形態1の波形変換部の動作を示すフローチャート 実施形態1の波形変換部の動作を示すフローチャート (a)および(b)は、実施形態1の波形変更前後におけるスライス方向のフローコンペンセーションパルスの一例をそれぞれ示す図 実施形態1のフローコンペンセーション調整後のスライス方向の音圧シミュレーション結果の例を示す図 実施形態2のリードアウト方向のフローコンペンセーションパルスの一例を示す図 実施形態2の波形変換部の動作を示すフローチャート 実施形態2の波形変換部の動作を示すフローチャート 実施形態2の波形変換部の動作を示すフローチャート (a)および(b)は、実施形態2の波形変更前後におけるスライス方向のフローコンペンセーションパルスの一例をそれぞれ示す図 実施形態2のフローコンペンセーション調整後のスライス方向の音圧シミュレーション結果の例を示す図 実施形態3の波形変換部の動作を示すフローチャート 実施形態3のデータベースを示す図 実施形態3のFRFと、傾斜磁場波形の周波数分布の対応を示すグラフ (a)および(b)は、実施形態3においてあるMRI装置(A)について、傾斜磁場パルスの印加時間を変えて算出したNLの例を示す図、(c)は、別のMRI装置(B)について算出したNLの例を示す図 実施形態4の波形変換部の動作を示すフローチャート
以下、図面を参照して、本実施形態のMRI装置とその動作を説明する。
図1は、本実施形態のMRI装置100の概略構成を示すブロック図である。MRI装置100は、静磁場発生する静磁場磁石101と、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル102と、シーケンサ104と、傾斜磁場電源105と、RF発生部106と、高周波磁場を照射しNMR信号を検出する送受信コイル(高周波コイル)107と、受信器108と、計算機109と、ディスプレイ110と、記憶媒体111とを備える。送受信コイル107は、送信コイルと受信コイルとを別個に備えてもよい。
被検体103は、たとえば生体であり、静磁場磁石101の発生する静磁場空間内の寝台(テーブル)に載置される。また、シーケンサ104は、傾斜磁場電源105とRF発生部106に命令を送り、それぞれ所定の傾斜磁場を発生させるための信号と、所定の高周波磁場を発生させるための高周波信号を発生させる。所定の傾斜磁場を発生させるための信号は、傾斜磁場コイル102に供給され、傾斜磁場コイル102は所定の傾斜磁場を発生し、被検体103に印加する。高周波信号は、高周波コイル107に供給され、高周波コイル107が高周波磁場を発生して被検体103に印加する。
高周波磁場を印加された被検体103はNMR信号を発生する。NMR信号は、高周波コイル107によって受波され、受信器108で検波される。検波された信号は、計算機109に送られ、ここで画像再構成などの信号処理が行われる。計算機109で信号処理を行った演算結果(例えば生成された再構成画像)は、ディスプレイ110に表示される。計算機109は、必要に応じて,記憶媒体111に信号や演算結果、測定条件などを記憶させることもできる。
シーケンサ104は、あらかじめプログラムされたタイミングおよび強度で各装置102,107等が動作するように各装置105,106,108等の制御を行う制御部として機能する。プログラムのうち、特に、高周波磁場および傾斜磁場の印加や信号受信のタイミングや強度を記述したものはパルスシーケンス(撮像シーケンス)と呼ばれる。本実施形態のMRI装置では任意のパルスシーケンスが使用可能になるように、シーケンサ104内には、予め複数のパルスシーケンスのプログラムが格納されている。計算機109に接続された操作部112を介して、操作者が撮像目的に応じて所定のパルスシーケンスを選択することにより、計算機109は、操作者が選択したパルスシーケンスを実行するようにシーケンサ104に指示する。これにより、操作者の所望のパルスシーケンスによって撮像が行われる。
計算機109は、図2に示すようにエコー計測部201と、画像再構成部202と、波形変換部203とを備えている。エコー計測部201は、シーケンサ104にパルスシーケンスの実行を指示し、パルスシーケンスの実行により受信器108が検波したNMR信号(エコー)をk空間に配置する。画像再構成部202は、k空間に配置されたエコーから画像を再構成する。エコー計測部201および画像再構成部202の機能は、従来のMRI装置と同様である。一方、波形変換部(パルスシーケンス算出部)203は、パルスシーケンスで印加する傾斜磁場パルスの波形を変換する。
波形変換部203は、シーケンサ104にデフォルトとして設定されているパルスシーケンスの傾斜磁場パルスを、静音化の効果の高い波形に変換する。静音化パルスシーケンスに用いられる波形の元になる傾斜磁場パルスの代表波形は、あらかじめ定められた撮像パラメータに基づき、工場出荷時あるいは装置の据え付け時に以下の各実施形態で説明される方法で算出され、対応する撮像パラメータとともに記憶媒体111に格納される。撮像時には、この代表波形の他、撮像パラメータが記憶媒体111またはシーケンサ104から読み出され、波形変換部203において比例計算により波形が変換される。
計算機109のエコー計測部201、画像再構成部202、および、波形変換部203の機能は、記憶媒体111に格納されたプログラムを、計算機109のCPUがメモリロードして実行することにより実現される。また、計算機109の一部または全部を、ASIC等のカスタムICやFPGA等のプログラマブルICにより構成し、機能の一部または全部をハードウエアにより実現することも可能である。なお、波形変換部203のプログラムは、計算機109以外の計算機で実行され、得られた変換波形を含むパルスシーケンスを記憶媒体111に格納してもよい。同様に、波形変換部203の機能を実現するASIC等のハードウエアは、計算機109とは別の演算装置として配置することも可能である。
以下、波形変換部203の処理を中心に、実施形態を説明する。
<実施形態1>
実施形態1では、磁気共鳴イメージング装置に搭載される、フローコンペンセーションのための傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスの傾斜磁場波形調整方法について説明する。この調整方法は、フローコンペンセーションのための所定の条件を満たす、複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップと、傾斜磁場波形を、当該磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音響ノイズの音圧を、複数の前記傾斜磁場波形ごとに求めるステップと、複数の前記傾斜磁場波形のうち、音響ノイズの音圧が予め定めた閾値以下の傾斜磁場波形を選択するステップと、選択した前記傾斜磁場波形を、傾斜磁場パルスとして使用可能な代表波形として記憶媒体に格納するステップと、を含む。以下、具体的に説明する。
本実施形態は、3D-TOF(Time of Flight)法により流動部位のコントラストを強調して3次元画像を撮像するパルスシーケンスのスライス方向の傾斜磁場パルスに、静音化のための波形変換を適用する。具体的には、パルスシーケンスに含まれるスライス方向のフローコンペンセーションに関わる複数の傾斜磁場パルスを、フローコンペンセーションの作用と、静音化の作用とを兼ね備える波形に波形変換部203が変換する。
図3に、通常の3D-TOFシーケンスの例を示す。図3において、RF、Gs、Gp、Gfはそれぞれ高周波磁場、スライス傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、リードアウト傾斜磁場であり、A/Dはエコー信号のサンプリング期間を表わす。横軸は時間である(以下、パルスシーケンス図において同様)。
図3のパルスシーケンスでは、スライス選択傾斜磁場301の印加とともに高周波磁場(RF)パルス302を照射し、被検体103内の任意の断面の磁化を励起する。続いて、フローコンペンセーション調整に用いられる、スライス方向のスライスリフェーズ傾斜磁場303、および、リードアウト方向のフローコンペンセーションパルス304を印加する。続いて、磁化の位相にスライス方向の位置情報を付加するスライスエンコード傾斜磁場305、位相エンコード方向の位置情報を付加する位相エンコード傾斜磁場306、ディフェーズ用リードアウト傾斜磁場307を印加する。続いて、リードアウト方向の位置情報を付加するためのリードアウト傾斜磁場308を印加しながら、サンプリング期間309内の磁気共鳴信号(エコー)を取得する。最後に、スライスエンコード傾斜磁場305による位相を戻すスライスリワインダ傾斜磁場310、位相エンコード傾斜磁場306による位相を戻す位相リワインダ傾斜磁場311、リードアウト方向の横磁化の位相を崩すクラッシャーパルス312を印加する。
以上のパルスシーケンスを、スライスエンコード傾斜磁場305およびスライスリワインダ傾斜磁場310の強度を両者の極性が逆向きになるように順次変化させ、さらに位相エンコード傾斜磁場306および位相リワインダ傾斜磁場311の強度を両者の極性が逆向きになるように順次変化させながら、繰り返し時間TRで繰り返す。これにより、3D画像再構成に必要なエコーを取得する。
上記パルスシーケンスにおいて、フローコンペンセーションを調整するパルスは、スライス方向の3つの傾斜磁場パルス(スライス選択傾斜磁場301の一部、スライスリフェーズ傾斜磁場303、スライスエンコード傾斜磁場305)と、リードアウト方向の3つの傾斜磁場パルス(フローコンペンセーションパルス304、ディフェーズ用リードアウト傾斜磁場307、リードアウト傾斜磁場308の一部)である。予め定めた3D-TOF法のパルスシーケンスの傾斜磁場パルスの波形は、三角形または台形(矩形)であるが、本実施形態では、波形変換部203は、上記スライス方向の3つの傾斜磁場パルス301,303,305の波形を調整(変換)することにより、スライス方向のフローコンペンセーション作用を発揮させつつ、静音化に優れた波形に変換する。
そのため、波形変換部203は、上記3つの傾斜磁場パルス301,303,305の波形(図4)を、図5のフローのように、複数のパラメータごとに予め定めておいた複数の初期値を用いて、異なる複数種類の傾斜磁場波形(図6参照)に変換し(ステップ501、503)、複数種類の傾斜磁場波形ごとに、3つの傾斜磁場パルス301,303,305がフローコンペンセーション作用を生じるようにさらに波形を調整する(ステップ504)。これにより、フローコンペンセーション作用を生じる複数種類の傾斜磁場パルス301,303,305を生成する。生成した複数種類の傾斜磁場パルス301,303,305ごとに、それを用いて図3のパルスシーケンスを実行した場合に発生する音響ノイズの音圧レベルを、実測またはシミュレーションにより求める(ステップ505)。複数種類の傾斜磁場パルス301,303,305ごとの音圧レベルの中から、閾値以下、もしくは、最小の音圧レベルとなる傾斜磁場パルス301,303,305を選択し、図3のパルスシーケンスに適用する(ステップ506、507)。
以下、波形変換部203の動作について、図5のフローに沿って詳しく説明する。
波形変換部203は、波形変換の対象となるスライス方向3つの傾斜磁場パルス(スライス選択傾斜磁場301の一部(以下、パルスA)、スライスリフェーズ傾斜磁場303(以下、パルスB)、スライスエンコード傾斜磁場305(以下、パルスC))(図4参照)の波形について1以上のパラメータについて、複数の初期値の組合せを、記憶媒体111から読み込む(ステップ501)。例えば、1以上のパラメータとして、
(1)パルスB、パルスCの波形形状、
(2)パルスB、パルスCの時間配分、
(3)パルスAの立下り時間、
を用いる。
(1)のパルスB、パルスCの波形形状としては、図6のように、初期値である傾きが異なる、複数の台形およびハニング波形が記憶媒体111に予め格納されている。初期値である波形601〜608の立上がりと立下りの傾きは、ここでは立上り(立下り)時間比率、すなわち、立上り(立下り)時間を波形全体の時間で除した値、によって設定される。本実施形態では、パルスBの立上り(立下り)時間比率(初期値)として、0.2,0.3,0.4,0.5の4種類、パルスCの立上り(立下り)時間比率(初期値)として、0.3,0.4,0.5の3種類が予め用意されている。
図6中、波形601〜604は、立上りと立下り部分をハニングとした波形であり、波形605〜608は、台形である。立上り(立下り)時間比率(初期値)は、図6中において、波形601および605は、0.5、波形602および606は、0.4、波形603および607は、0.3、波形604および608は、0.2である。なお、立上り(立下り)時間比率が、0.5のハニング波形601は、サイン2乗波形である。同様に立上り(立下り)時間比率が0.5の台形605は、三角波である。
また、図4のように、RFパルス302の終了時刻(t1)からサンプリング期間309の開始時刻までの間の時間(図4のTfc)は、パルスAの立下り時間、および、パルスB、パルスCの印加時間の合計となる。したがって、上記(2)のパルスBおよびパルスCの時間配分とは、Tfcから、パルスAの立下り時間を差し引いた時間の配分となる。ここでは、パルスBおよびパルスCの印加時間は、初期値としてたとえば時間配分を0.5:0.5とするほか、閾値を記憶部に設定している。また、パルスAの立下がり時間の初期値して一つの値のみを記憶部に設定している。
ステップ501において、波形変換部203は、初期値として、パルスBおよびパルスCの波形の種類(台形およびハニング)ごとの立上り(立下り)時間比率の複数の値と、パルスBおよびパルスCの印加時間の時間配分および閾値と、パルスAの立下がり時間とを読み込む。そして、波形変換部203は、パルスBおよびパルスCの波形の種類(台形およびハニング)ごとに、立上り(立下り)時間比率の組み合わせを生成する。具体的には、例えば、パルスBおよびパルスCが台形波形である場合の、パルスBの4種類の立上り(立下り)時間比率(0.2,0.3,0.4,0.5)と、パルスCの3種類の立上り(立下り)時間比率(0.3,0.4,0.5)との組み合わせと、パルスBおよびパルスCがハニング波形である場合の、パルスBの4種類の立上り(立下り)時間比率と、パルスCの3種類の立上り(立下り)時間比率との組み合わせとを用意する。
そして、波形変換部203は、パルスBおよびパルスCの波形の初期値の組合せのうち一つを選択し、選択した初期値の波形に図4のパルスB、Cを変換する(ステップ503)。具体的には、例えば、波形変換部203は、パルスBおよびパルスCとして、台形波形で、立上り(立下り)時間比率がパルスBは0.2、パルスCは0.3を選択し、選択した初期値の波形に図4のパルスB、Cの波形変換する。また、波形変換部203のパルスAの立下り波形を、記憶媒体111からステップ501で読み出した、パルスAの立下り時間の形状に変換する。
続いて、波形変換部203は、ステップ503で変換したパルスA,B,Cの波形を、フローコンペンセーションの条件を満たす傾斜磁場波形にさらに変換する(ステップ504)。フローコンペンセーションの条件とは、パルスA〜Cの0次モーメントおよび1次モーメントが略ゼロになることである。すなわち、図4において斜線で示すように、スライス方向のフローコンペンセーション調整に関わるのは、3D-TOFシーケンスのうち、RFパルス302のピークとサンプリング期間309におけるサンプリング中心310の間にある傾斜磁場パルスA,B,Cが対象である。パルスCは、所定のタイミングで強度が変化する変調パルスであるが、本実施形態のフローコンペンセーション調整では、強度の絶対値が最小となる値を用いる。
パルスA、パルスB、パルスCの強度をそれぞれ、G1、G2、G3、RFパルス302のピーク時刻を0、RFパルス302の終了時刻をt1、パルスBの終了時刻をt2、パルスCの終了時刻をt3で表わすと、0次モーメントM0および1次モーメントM1はそれぞれ、式(2)および式(3)で与えられる。
Figure 2017070508
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ステップ504の波形変換部203の動作を、図9および図10を用いて詳しく説明する。
まず、波形変換部203は、ステップ503で波形変換したパルスA、B,Cのパラメータ(符号、印加量、印加時間、印加開始時間、印加終了時間)を読み出す(ステップ901)。次に、波形変換部203は、上記式(2)を用いて、パルスA(301)、パルスB(303)、パルスC(305)の面積の合計である0次モーメントM0を算出し、0次モーメントM0が略ゼロになるように、パルスB(303)の面積を変更する(ステップ902)。具体的には、パルスBの強度もしくは印加時間を変更することにより、面積を変更することができるが、ここでは強度を変更することにより、パルスBの強度を変更する。
次に、波形変換部203は、式(3)を用いて、パルスA(301)、パルスB(303)、パルスC(305)の1次モーメントM1を算出し、1次モーメントM1の絶対値が予め設定した閾値1よりも大きい場合、M1を略ゼロにする調整ステップ904に進む(ステップ903)。閾値1については、あらかじめ画質評価などにより設定しておく。
ステップ904では、波形変換部203は、ステップ901で読み込んだパルスBの印加時間と、ステップ501で読み込んだパルスBの印加時間の初期値である閾値2(例えば、1.5ms)とを比較し(ステップ904)、パルスBの印加時間が閾値2よりも大きい場合は、ステップ1001に進んで、パルスBの印加タイミングを変更する。ステップ1001を、図10を用いて具体的に説明すると、波形変換部203は、パルスBの印加時間が閾値2よりも大きい場合(ステップ904)、1次モーメントM1の正負を比較し(ステップ1003)、M1が正であればパルスBの開始時刻を予め定めた時間Δtだけ後ろにずらし(ステップ1004)、0または負であればパルスBの終了時刻t2を予め定めた時間Δtだけ前にずらす(ステップ1005)。これにより、パルスBの印加時間を予め設定した時間Δtだけ短縮する。ただし、ステップ1004,1005において、パルスBの面積を変化させないように、時間Δtの短縮すると同時に、パルスBの強度を変更する。このようにパルスBの印加タイミング変更後、図9のステップ903に戻る。
一方、ステップ904において、パルスBの印加時間が閾値2以下の場合は、波形変換部203は、パルスBの印加タイミングを変更せず、ステップ1002に進んでパルスCの印加タイミングを変更する。これは、パルスBの印加時間が短くなりすぎることにより、音響ノイズの音圧レベルが高くなることを防止するためである。ステップ1002を、図10を用いて具体的に説明すると、波形変換部203は、パルスBの印加時間が閾値2以下の場合(ステップ904)、1次モーメントM1の正負を比較し(ステップ1006)、M1が正であればパルスCの終了時刻t3を予め定めた時間Δtだけ前にずらし(ステップ1007)、0または負であればパルスCの開始時刻を予め定めた時間Δtだけ後ろにずらす(ステップ1008)。これにより、パルスCの印加時間を予め設定した時間Δtだけ短縮する。ただし、ステップ1007,1008において、パルスCの面積を変化させないように、時間Δtの短縮すると同時に、パルスCの強度を変更する。このように、パルスCの印加タイミング変更後、図9のステップ903に戻る。
波形変換部203は、ステップ903〜1002を繰り返し、ステップ903で1次モーメントM1の絶対値があらかじめ設定した閾値1よりも小さくなったら、ステップ905に進み、1次モーメントM1を略ゼロにする調整を終了する。ステップ905では、波形変換部203は、パルスB,パルスCの印加時間および強度を、ステップ1001、1002で変更した後の値に設定し、パルスBおよびパルスCの波形を変換する(ステップ905)。これにより、パルスA,B,Cの0次モーメントM0、および、1次モーメントM1を略0または閾値1より小さくすることができるため、フローコンペンセーション作用のあるパルスに変換することができる。
図11は、ステップ503および504において、波形が変更される前後のパルスA,B,Cの例である。図11(a)のパルス1101は、ステップ503,504において波形変更する前のパルスA(301)、B(303)、C(305)をRFパルス302、サンプリング期間309とともに図示したものである。これに対し、図11(b)のパルス1102は、ステップ503,504において波形変更した後のフローコンペンセーション条件を満たすパルスA(301’)、B(303’)、C(305’)を図示したものである。パルス1101に対しパルス1102では、パルスA(301’)の立下り時間、パルスB(303’)およびパルスC(305’)の波形形状や印加時間に変更されていることがわかる。
つぎに、波形変換部203は、ステップ503および504によって変換した後のフローコンペンセーション条件を満たすパルスA(301’)、B(303’)、C(305’)を組み込んだ図3のパルスシーケンスを実行した場合の、音響ノイズの音圧レベルを、実測またはシミュレーションにより求める(ステップ505)。実測する場合には、実際にパルスシーケンスを実行し、発生する音響ノイズを騒音計で集音し、図1の音圧レベル評価部113で音圧レベルを測定する。一方、シミュレーションにより音圧レベルを求める場合には、パルスシーケンスをフーリエ変換して周波数分布を求め、求めた周波数分布と、予め測定しておいた当該MRI装置固有の周波数応答関数(FRF)との積を求めることによって算出する。なお、シミュレーションを行う場合には、パルスシーケンス全体の音圧レベルを算出することも可能であるし、スライス方向のパルスA(301’)、B(303’)、C(305’)の音圧レベルのみを算出しても良い。実測またはシミュレーションにより算出した音圧レベルは、記憶媒体111に格納する。
上記ステップ502〜505を、波形変換部203は、パルスBおよびパルスCの波形の種類(台形およびハニング)ごとの、立上り(立下り)時間比率の組み合わせごとに繰り返す。すべての組合せが終了したら(ステップ502)、波形変換部203は、ステップ506に進み、全組合せについての音圧レベルを記憶媒体111から読み出して比較し、音圧レベルが予め定めた閾値以下、または、最小値となる組み合わせを選択する(ステップ506)。図12は、ステップ505でシミュレーションにより求めた音圧レベルを、立上り(立下り)時間比率の組み合わせごとに表形式に示す。ただし、音圧レベルの数値は、最小値からの差分で示している。図12の表1201は、パルスBおよびパルスCの波形形状がいずれもハニングの場合であり、図12の表1202はパルスBおよびパルスCの波形形状が、いずれも台形の場合である。波形の種類と、立上り(立下り)時間比率の組み合わせ以外のパラメータは、表1201、1202において共通であり、パルスBとパルスCの時間配分の初期値を0.5:0.5、パルスAの立下り時間を0.6msとしている。
図12から明らかなように、パルスBおよびパルスCの波形形状がともにハニングで、パルスBとパルスCの立上り(立下り)時間比率がともに0.5の波形(サイン2乗波形)の時に、音圧レベルが最小値を取ることがわかる。また、立上り(立下り)時間比率が増大するとともに、音圧レベルが増大していることもわかる。さらに、ハニング波形の場合、台形波形に比べて、立上り(立下り)時間比率の減少とともに急激に音圧レベルが増大することがわかる。このように、フローコンペンセーション調整前の初期波形の違いにより、調整後の音圧レベルに差異が生じるが、本実施形態によれば、音圧レベルが最小または閾値以下となる最適な波形を、波形変換部203がステップ506において選択することができる。なお、図12のシミュレーション結果は、特定のMRI装置の例である。
最後に、波形変換部203は、ステップ506で選択したパルスA、パルスB、パルスCの傾斜磁場波形を、図3のパルスシーケンスにセットする。これら傾斜磁場波形またはパルスシーケンスは、代表波形(代表パルスシーケンス)として、記憶媒体に格納される(ステップ507)。これにより、波形変換部203は、フローコンペンセーション作用と、音響ノイズの静音化作用とを併せ持つ、3D-TOFパルスシーケンスを提供することができる。
このように、実施形態1では、波形の種類やパラメータ値が異なる複数の傾斜磁場パルスであって、フローコンペンセーション条件を満たす傾斜磁場パルスについて、それぞれ、シーケンスを実行した場合の音圧レベルを求めるため、静音化の作用の高い傾斜磁場波形を選択することができる。よって、MRI装置ごとに装置固有の周波数応答特性(FRF)が異なる場合であっても、装置ごとにフローコンペンセーションと静音化の効果を両立するパルスシーケンスを提供することができる。よって、その装置でパルスシーケンスを実行した場合に、確実にフローコンペンセーション作用と静音化の効果を同時に得ることができる。
<比較例>
比較例として、FRFに応じて、傾斜磁場の周波数分布を選択することによって静音化を図る場合について説明する。
まず、種々の傾斜磁場波形の周波数分布を考える。図6に示した8種類の傾斜磁場波形の印加時間を1〜4msにそれぞれ設定した傾斜磁場波形を、フーリエ変換して求めた周波数分布を図7、図8に示す。図7は、印加時間が1msおよび2msの周波数分布、図8は印加時間が3msおよび4msの周波数分布を示している。図7および図8中で、実線は601〜604ハニング波形、点線は605〜608台形に対応している。印加時間が3ms以上の場合、立上り(立下り)時間比率が0.2〜0.5のいずれであっても、ハニング波形の周波数成分はほぼ0.5kHz以下に収まっている。このため、FRFの0.5kHz以下の低周波成分が無視できるMRI装置では、印加時間が3ms以上のハニング波形を用いることで高い静音効果が得られると期待できる。
しかしながら、印加時間が短くなるとともに傾斜磁場波形の周波数分布の高周波成分が増加しており、この傾向は立上り時間比率が大きいほど、また台形よりもハニング波形の方が高周波成分増大の作用が顕著であることが図7、図8よりわかる。例えば、印加時間2msのハニング波形6012では1kHz付近まで、印加時間1msのサイン2乗波形6011では2kHz付近まで、周波数分布のメインローブが広がっている。この傾向は立上り時間比率が大きいほど、また台形よりもハニング波形の方が顕著である。このため、MRI装置の構造や周辺環境によってFRFの低周波成分の多い装置の場合には、FRFの低周波成分がほとんど無視できる装置と同じハニング波形を用いることで、むしろ静音化効果が悪化する場合がある。
このように、傾斜磁場の印加時間や装置構造の違いによって、同じ傾斜磁場波形でも静音化の効果が変わるため、常に静音化の効果が得られるとは限らず、逆効果になる場合もありうる。また、非特許文献6の技術のようにフローコンペンセーションパルスをスプライン曲線で変形した場合でも、同様である。
一方、FRFの0.5kHz以下の低周波成分が無視できるMRI装置であっても、傾斜磁場パルスの印加時間を3ms以上にすることができない場合もある。例えば、TOFシーケンスにおいて、励起パルスと信号検出間の時間であるエコータイム(TE)は、水と脂肪の信号がin-phaseとなる2.3msの偶数倍、あるいはout-of-phaseとなる2.3msの奇数倍が用いられ、短いほど位相分散による信号低下が小さいため、一般にTE=4.6ms あるいはTE=6.9msなどが用いられる。フローコンペンセーション用の各傾斜磁場パルスは、3つのパルスから構成されるため、TE=4.6ms あるいはTE=6.9msの場合、その印加時間は2ms前後となる。このため、上述のように傾斜磁場パルスの印加時間を3ms以上にすることができないため、例えFRFの0.5kHz以下の低周波成分が無視できるMRI装置であっても、高い静音効果を得ることが難しい。したがって、FRFの低周波成分が小さいMRI装置でも、十分な静音化効果が得られる傾斜磁場波形を選択することは容易ではないことがわかる。
<実施形態2>
実施形態1では3D-TOF(Time of Flight)シーケンスのスライス方向の傾斜磁場パルスに、静音化のための波形変換を適用する構成であったが、実施形態2では、リードアウト方向の傾斜磁場パルスに静音化のための波形変換を適用する。具体的には、パルスシーケンスに含まれるリードアウト方向のフローコンペンセーションに関わる複数の傾斜磁場パルスを、フローコンペンセーションの作用と、静音化の作用とを兼ね備える波形に波形変換部203が変換する。他の構成は、実施形態1と同様であるので、実施形態1とは異なる構成について以下説明する。
図13は、図3に示したパルスシーケンスにおいて、リードアウト方向のフローコンペンセーション調整に関わるパルスを示した図である。図13に斜線で示すように、通常の3D-TOFシーケンスのうち、RFパルス302のピークとサンプリング期間309におけるサンプリング中心310の間にある傾斜磁場パルスがリードアウト方向のフローコンペンセーションパルスである。具体的には、リードアウト方向のフローコンペンセーションパルス304(以下、パルスD)、ディフェーズ用リードアウト傾斜磁場307(以下、パルスE)、リードアウト傾斜磁場308の一部(以下、パルスF)の3つのパルスである。ここで、パルスD、パルスE、パルスFの強度をそれぞれ、G1、G2、G3で表わすと、0次モーメントM0および1次モーメントM1は、実施形態1と同様に数2、数3で与えられる。
波形変換部203の動作について、図14のフローに沿って詳しく説明する。
波形変換部203は、波形変換の対象となるリードアウト方向3つの傾斜磁場パルス(パルスD、E、F)の波形について1以上のパラメータについて、複数の初期値の組合せを、記憶媒体111から読み込む(ステップ1501)。例えば、1以上のパラメータとして、
(1)パルスD、パルスEの波形形状、
(2)パルスD、パルスEの時間配分、
(3)パルスFの立上がり時間、
を用いる。
(1)のパルスD、パルスEの波形形状としては、図6と同様の、初期値である傾きが異なる、複数の台形およびハニング波形が記憶媒体111に予め格納されている。
また、図13のように、RFパルス302の終了時刻0からサンプリング期間309の開始時刻までの間の時間(図13のTfc)が、パルスD、パルスEの印加時間およびパルスFの立上がり時間の合計となる。したがって、上記(2)のパルスDおよびパルスEの時間配分とは、Tfcから、パルスFの立上り時間を差し引いた時間の配分となる。ここでは、パルスDおよびパルスEの印加時間は、初期値としてたとえば時間配分を0.5:0.5とするほか、閾値を記憶部に設定している。また、パルスFの立上がり時間の初期値して一つの値のみを記憶部に設定している。
図14のステップ1501において、波形変換部203は、初期値として、パルスDおよびパルスEの波形の種類(台形およびハニング)ごとの立上り(立下り)時間比率の複数の値と、パルスDおよびパルスEの印加時間の時間配分および閾値と、パルスFの立上がり時間とを読み込む。そして、波形変換部203は、パルスDおよびパルスEの波形の種類(台形およびハニング)ごとに、立上り(立下り)時間比率の組み合わせを生成する。具体的には例えば、パルスDおよびパルスEが台形波形である場合の、パルスDの4種類の立上り(立下り)時間比率(0.2,0.3,0.4,0.5)と、パルスEの3種類の立上り(立下り)時間比率(0.3,0.4,0.5)との組み合わせと、パルスBおよびパルスCがハニング波形である場合の、パルスDの4種類の立上り(立下り)時間比率と、パルスEの3種類の立上り(立下り)時間比率との組み合わせとを用意する。
そして、波形変換部203は、パルスDおよびパルスEの波形の初期値の組合せのうち一つを選択し、選択した初期値の波形に図13のパルスD、Eを、変換する(ステップ1503)。具体的には、例えば、波形変換部203は、パルスDおよびパルスEとして、台形波形で、立上り(立下り)時間比率がパルスDは0.2、パルスEは0.3を選択し、選択した初期値の波形に図13のパルスB、Cの波形を変換する。また、波形変換部203のパルスFの立上がり波形を、記憶媒体111からステップ1501で読み出した、パルスFの立上がり時間の形状に変換する。
続いて、波形変換部203は、ステップ1503で変換したパルスD,E,FCの波形を、フローコンペンセーションの条件を満たす傾斜磁場波形にさらに変換する(ステップ1504)。
パルスD、パルスE、パルスFの強度をそれぞれ、G1、G2、G3、RFパルス302の終了時刻を0、パルスDの終了時刻をt1、パルスEの終了時刻をt2、サンプリング期間309の中心310の時刻をt3で表わすと、0次モーメントM0および1次モーメントM1はそれぞれ、上述の式(2)および式(3)で与えられる。
ステップ1504の波形変換部203の動作を、図15および図16を用いて詳しく説明する。
まず、波形変換部203は、ステップ1503で波形変換したパルスD,E,Fのパラメータ(符号、印加量、印加時間、印加開始時間、印加終了時間)を読み出す(ステップ1901)。次に、波形変換部203は、上記式(2)を用いて、パルスD,E,Fの0次モーメントM0を算出し、0次モーメントM0が略ゼロになるように、パルスD(303)の面積を変更する(ステップ1902)。具体的には、パルスDの強度もしくは印加時間を変更して、面積を変更することができるが、ここでは強度を変更することにより、パルスDの強度を変更する。
次に、波形変換部203は、式(3)を用いて、パルスD,E,Fの1次モーメントM1を算出し、1次モーメントM1の絶対値が予め設定した閾値3よりも大きい場合、M1を略ゼロにする調整ステップ1904に進む(ステップ1903)。閾値3については、あらかじめ画質評価などにより設定しておく。
ステップ1904では、波形変換部203は、ステップ1901で読み込んだパルスDの印加時間と、ステップ1501で読み込んだパルスBの印加時間の初期値である閾値4(例えば、1.5ms)とを比較し(ステップ1904)、パルスDの印加時間が閾値4よりも大きい場合は、ステップ2001に進んで、パルスDの印加タイミングを変更する。ステップ2001を、図16を用いて具体的に説明すると、波形変換部203は、パルスDの印加時間が閾値4よりも大きい場合(ステップ1904)、1次モーメントM1の正負を比較し(ステップ2003)、M1が正であればパルスDの終了時刻t1を予め定めた時間Δtだけ前にずらし(ステップ2004)、0または負であればパルスDの開始時刻を予め定めた時間Δtだけ後ろにずらす(ステップ2005)。これにより、パルスDの印加時間を予め設定した時間Δtだけ短縮する。ただし、ステップ2004,2005において、パルスDの面積を変化させないように、時間Δtを短縮すると同時に、パルスDの強度を変更する。このようにパルスDの印加タイミング変更後、図15のステップ1903に戻る。
一方、ステップ1904において、パルスDの印加時間が閾値4以下の場合は、波形変換部203は、パルスDの印加タイミングを変更せず、ステップ2002に進んでパルスEの印加タイミングを変更する。これは、パルスDの印加時間が短くなりすぎることにより、音響ノイズの音圧レベルが高くなることを防止するためである。ステップ2002を、図16を用いて具体的に説明すると、波形変換部203は、パルスDの印加時間が閾値4以下の場合(ステップ1904)、1次モーメントM1の正負を比較し(ステップ2006)、M1が正であればパルスEの開始時刻を予め定めた時間Δtだけ後ろにずらし(ステップ2007)、0または負であればパルスEの終了時刻t2を予め定めた時間Δtだけ前にずらす(ステップ2008)。これにより、パルスEの印加時間を予め設定した時間Δtだけ短縮する。ただし、ステップ2007,2008において、パルスEの面積を変化させないように、時間Δtを短縮すると同時に、パルスEの強度を変更する。このように、パルスCの印加タイミング変更後、図15のステップ1903に戻る。
波形変換部203は、ステップ1903〜2002を繰り返し、ステップ1903で1次モーメントM1の絶対値があらかじめ設定した閾値3よりも小さくなったら、ステップ1905に進み、1次モーメントM1を略ゼロにする調整を終了する。ステップ1905では、波形変換部203は、パルスD,パルスEの印加時間および強度を、ステップ2001、2002で変更した後の値に設定し、パルスDおよびパルスEの波形を変換する(ステップ1905)。これにより、パルスD,E,Fの0次モーメントM0、および、1次モーメントM1を略0または閾値1より小さくすることができるため、フローコンペンセーション作用のあるパルスに変換することができる。
図17は、ステップ1503および1504において、波形が変更される前後のパルスD,E,Fの例である。図17(a)のパルス1701は、ステップ1503,1504において波形変更する前のパルスD(304)、E(307)、F(308)をRFパルス302、サンプリング期間309とともに図示したものである。これに対し、図17(b)のパルス1702は、ステップ1503,1504において波形変更した後のフローコンペンセーション条件を満たすパルスD(304’)、E(307’)、F(308’)を図示したものである。パルス1701に対しパルス1702では、パルスD(304’)およびパルスE(307’)の波形形状や印加時間、パルスF(308’)の立上がり時間が変更されていることがわかる。
つぎに、波形変換部203は、ステップ1503および1504によって変換した後のフローコンペンセーション条件を満たすパルスD(304’)、E(307’)、F(308’)を組み込んだ図3のパルスシーケンスを実行した場合の、音響ノイズの音圧レベルを、実測またはシミュレーションにより求める(ステップ1505)。ステップ1505は、実施形態1のステップ505と同様である。
上記ステップ1502〜1505を、波形変換部203は、パルスDおよびパルスEの波形の種類(台形およびハニング)ごとの、立上り(立下り)時間比率の組み合わせごとに繰り返す。すべての組合せが終了したら(ステップ1502)、波形変換部203は、ステップ1506に進み、全組合せについての音圧レベルを記憶媒体111から読み出して比較し、音圧レベルが予め定めた閾値以下、または、最小値となる組み合わせを選択する(ステップ1506)。図18は、ステップ1505でシミュレーションにより求めた音圧レベルを、立上り(立下り)時間比率の組み合わせごとに表形式に示す。ただし、音圧レベルの数値は、最小値からの差分で示している。図18の表1801は、パルスDおよびパルスEの波形形状がいずれもハニングの場合であり、図18の表1802はパルスDおよびパルスEの波形形状が、いずれも台形の場合である。波形の種類と、立上り(立下り)時間比率の組み合わせ以外のパラメータは、表1801、1802において共通であり、パルスDとパルスEの時間配分の初期値を0.5:0.5、パルスFの立上がり時間を0.6msとしている。
図18から明らかなように、パルスDおよびパルスEの波形形状がともに台形波形で、パルスDとパルスEの立上り(立下り)時間比率がそれぞれ0.3、0.4の波形の時に、音圧レベルが最小値を取ることがわかる。なお、図18のシミュレーション結果は特定のMRI装置の例であり、別のMRI装置では異なる結果になり得る。
最後に、波形変換部203は、ステップ1506で選択したパルスD、パルスE、パルスFの傾斜磁場波形を、図3のパルスシーケンスにセットする。これら傾斜磁場波形またはパルスシーケンスは、代表波形(代表パルスシーケンス)として、記憶媒体に格納される(ステップ507)。これにより、波形変換部203は、フローコンペンセーション作用と、音響ノイズの静音化作用とを併せ持つ、3D-TOFパルスシーケンスを提供することができる。
このように、実施形態2では、波形の種類やパラメータ値が異なる複数の傾斜磁場パルスであって、フローコンペンセーション条件を満たす傾斜磁場パルスについて、それぞれ、シーケンスを実行した場合の音圧レベルを求めるため、静音化の作用の高い傾斜磁場波形を選択することができる。よって、MRI装置ごとに装置固有の周波数応答特性(FRF)が異なる場合であっても、装置ごとにフローコンペンセーションと静音化の効果を両立するパルスシーケンスを提供することができる。よって、その装置でパルスシーケンスを実行した場合に、確実にフローコンペンセーション作用と静音化の効果を同時に得ることができる。
<実施形態3>
実施形態3では、傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、記憶部と、波形変換部とを有する磁気共鳴イメージング装置について説明する。記憶部には、単一の傾斜磁場パルスの1以上のパラメータの複数の値ごとに、その単一の傾斜磁場パルスを磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音圧レベルを示す指標を格納したデータベースが格納されている。波形変換部は、撮像条件に応じて、その撮像条件に対応するパラメータの複数の値の中から、音圧レベルを示す指標が最も小さくなるパラメータの値を選択し、予め定められたパルスシーケンスに従って傾斜磁場コイルに印加される傾斜磁場パルスの波形を、選択したパラメータの値によって変換する。以下、具体的に説明する。
実施形態3は、3D-TOF(Time of Flight)シーケンスのスライス方向あるいはリードアウト方向の傾斜磁場パルスに静音化のための波形変換を適用する別の実施形態である。波形変換部203は、一つのパルス(パルス単体)での音圧レベル指標を予め求めてデータベースを作成し、このデータベースを用いて静音化のための傾斜磁場波形を選択する。他の構成は、実施形態1と同様であるので、異なる構成を中心に説明する。
上述したように、MRI装置のFRFは装置ごとに異なり、傾斜磁場の印加時間によっても、静音化の効果の高い傾斜磁場波形が異なることが予想されることから、実施形態3では、波形変換部203が、単一の傾斜磁場パルスが発生する音圧レベルを相対的に比較するための指標を用いて、最適波形を選択する。
波形変換部203の動作を図19のフローを用いて説明する。
波形変換部203は、まず単一パルスの傾斜磁場パルスをMRI装置の傾斜磁場コイル102に印加した場合に発生する音圧レベルを求め、図20のようなデータベースを作成する(ステップ508)。例えば、MRI装置の傾斜磁場コイルに、所定の傾斜磁場パルスをX,Y,Zの軸ごとに印加し、発生した音響ノイズをマイク等で集音しフーリエ変換することにより、軸ごとのFRFを計測する。軸ごとにFRFを計測するのは軸方向によってFRFが異なるためである。
図21は、あるMRI装置について波形変換部203が測定したFRFと、傾斜磁場パルス(単一パルス)の周波数分布との対応関係を示した図である。波形変換部203は、FRFおよび傾斜磁場波形の周波数分布を任意の周波数間隔(たとえば0.5kHz)で複数区間1901〜1906に予め分割し、分割した区間毎にFRFの平均値と、傾斜磁場の周波数分布の平均値とをそれぞれ求める。そして、区間ごとに両者の積を求めた後、求めた積を全区間について合計する。これにより、式(4)の指標NLを算出する。
Figure 2017070508
波形変換部203は、この指標NLを、傾斜磁場パルス(単一パルス)の波形の種類(台形またはハニング)、立上り(立下り)時間比率(0.2〜0.5)、印加時間(1〜4ms)、傾斜磁場を印加する軸方向(X,Y,Z)毎に予め算出し、図20のようにデータベースを作成し、記憶媒体111に格納しておく(ステップ501)。FRFは、MRI装置ごとに異なるため、装置ごとにデータベースを作成して、記憶媒体に格納する。
2種類の波形(台形およびハニング)と、2種類のMRI装置(A),(B)の組み合わせについて算出したNLの例を図22に示す。図22(a)のグラフは、装置(A)のY方向に印加時間が2.0msで、立上り時間比率が0.2〜0.5で種々異なる傾斜磁場を印加した場合のNLの値を示すグラフである。図22(a)からわかるように、立上り時間比率が0.3の台形波形のときにNLが最小値を取る。図22(b)は、装置(A)のX方向に印加時間が2.5msで、立上り時間比率が0.2〜0.5で種々異なる傾斜磁場を印加した場合のNLの値を示すグラフである。立上り時間比率が0.4の台形波形のときにNLが最小値を取る。図22(c)は、装置(B)のX方向に印加時間が2.5msで、立上り時間比率が0.2〜0.5で種々異なる傾斜磁場を印加した場合のNLの値を示すグラフである。立上り時間比率が0.5のハニング波形のときにNLが最小値を取る。なお、図20の縦軸NLは、各ケースの平均値で正規化している。このように、装置や傾斜磁場の軸方向、傾斜磁場の印加時間によって、音圧レベルが異なるため、上述のようにデータベース化しておくことにより、波形変換部203は、静音化の対象となる傾斜磁場パルスの条件に応じて、データベースから最適波形を選択することができる。
波形変換部203は、パルスシーケンスや、撮像条件(傾斜磁場パルスの軸方向等)に応じて、静音化のために波形変換したい傾斜磁場パルスの印加時間を設定する(ステップ509)。
つぎに、ステップ509で設定した印加時間の傾斜磁場パルスを、ステップ509の撮像条件の軸方向に傾斜磁場コイル102から印加した場合の音圧レベルを、波形変換部203は、図20のデータベースのデータを参照して求める。例えば、印加時間1msで印加軸方向がX軸の場合、立上り時間比率が0.2〜0.5の範囲で4種類にことなる音圧レベルのデータが、台形波形とハニング波形のそれぞれについて求められる。波形変換部203は、このうち最も小さい音圧レベルとなる立上り時間比率と波形の組み合わせを選択する。波形変換部203は、選択した立上り時間比率と波形に、静音化したい傾斜磁場パルスの波形を変換する(ステップ510)。これにより、所望の傾斜磁場パルスが静音化されたパルスシーケンスを生成することができる。この静音化された傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスは、代表波形(代表パルスシーケンス)として、記憶媒体に格納される。なお、静音化したい傾斜磁場パルスの印加時間が、データベースに登録された印加時間と完全に一致しない場合は、データベースの最も近い印加時間のデータを選択する。
なお、静音化のための波形変換する傾斜磁場パルスは、一つに限らず、複数であってもよい。これにより、フローコンペンセーションパルスの波形を、静音化作用のある波形に変換することも可能である。フローコンペンセーションパルスの場合には、さらにステップ504に進み、フローコンペンセーションパルスを構成する複数の傾斜磁場パルスの波形は、フローコンペンセーション条件を満たすように変換すればよい。例えば、実施形態1,2の図5のステップ504、図14のステップ1504と同様に、複数のパルスが式(2)の0次モーメントと、式(3)の1次モーメントとがともに略ゼロになるように波形を変換すればよい。
実施形態3の構成によれば、FRFや傾斜磁場の印加時間の違いに対応して、静音化効果の高い傾斜磁場波形を簡便に選択することができる。
また、ステップ508を、MRI装置の据え付け時に波形変換部203が実行してデータベースを作成し、記憶媒体111に格納しておけば、新たなパルスシーケンスを設定して実行する場合には、その都度、ステップ509,510(または504)を実行すれば傾斜磁場パルスを静音化作用のある波形に変換することができる。変換後の傾斜磁場パルスまたはパルスシーケンスは、代表波形(代表パルスシーケンス)として、記憶媒体に格納される。よって、予め定められたパルシーケンスのみならず、ユーザーが都度設定したパルスシーケンスにも対応して静音化することができる。
<実施形態4>
実施形態4では、傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場パルスの波形を変換する波形変換部と、記憶部と、操作部とを有する磁気共鳴イメージング装置について説明する。記憶部には、予め定めた撮像条件に対応したパルスシーケンスと、パルスシーケンスに含まれる傾斜磁場パルスを静音化するための代表波形とが格納されている。操作部が、パルスシーケンスの撮像条件の変更を受け付けた場合、波形変換部は、記憶部に格納されたパルスシーケンスの予め定めた撮像条件と、操作部が受け付けた撮像条件とに基づいて、傾斜磁場パルスの代表波形を変更する。
このとき、撮像条件は、視野、スラブ厚およびスライス厚のいずれかを含む。波形変換部は、予め定めた撮像条件と、操作部が受け付けた撮像条件の視野の比率、スラブ厚の比率、および、スライス厚の比率を求め、代表波形の強度を、比率に基づく比例計算に従って変更する。以下具体的に説明する。
上記実施形態1乃至実施形態2においては、波形変換部203が、工場出荷時あるいは装置の据え付け時に、予め定められたパルスシーケンスのフローコンペンセーションパルスが静音化作用を有するパルスに変換され、このパルスが代表波形として記憶媒体111に格納される。また、実施形態3では、工場出荷時あるいは装置の据え付け時にデータベースが生成され、工場出荷時あるいは装置の据え付け時に所定のパルスシーケンスの傾斜磁場波形が静音化作用のある波形に変換され、または、新たなパルスシーケンスを設定した際に傾斜磁場波形が静音化作用のある波形に変換され、それぞれ代表波形として記憶媒体に格納される。しかしながら、臨床現場等における3D-TOF撮像法では、被検体のサイズに応じて視野やスラブ厚を変更することが良く行われる。
そこで、図23のように、操作者が操作部112を介して静音化モードを選択した場合(ステップ2301)、波形変換部203は、実施形態1〜3で格納した代表波形(代表パルスシーケンス)を選択し(ステップ2302)、傾斜磁場波形を、操作者が変更を希望する撮像パラメータ(視野やスラブ厚)に基づき変形する(ステップ2303,2304)。たとえば視野を変更する場合は、図3および図17(b)のリードアウト方向のフローコンペンセーションパルス304’、ディフェーズ用リードアウト傾斜磁場307’、リードアウト傾斜磁場308’、位相エンコード傾斜磁場306、位相リワインダ傾斜磁場311の強度を式(5)に従って変更する(ステップ2303)。
Figure 2017070508
ここで、FOV1およびFOV2は、変更前後の視野、Amp1およびAmp2は変更前後の傾斜磁場強度である。
同様に、たとえばスラブ厚を変更する場合は、図3、図11(b)のスライス選択傾斜磁場301’、 スライスリフェーズ傾斜磁場303’、 スライスエンコード傾斜磁場305’ の強度を式(6)に従って変更する(ステップ2304)。
Figure 2017070508
ここで、Slab1およびSlab2は、変更前後のスラブ厚、Amp1およびAmp2は変更前後の傾斜磁場強度である。
実施形態4によれば、静音化作用を有する傾斜磁場を含むパルスシーケンスであっても、静音化作用を維持しながら、撮像条件(視野やスラブ厚)を変更することができる。
上述してきた実施形態1〜4ではTOFシーケンスの傾斜磁場パルスを静音化する例について述べたが、本発明は、これに限定されるものではなく、磁化率強調イメージング(SWI)など、フローコンペンセーションを用いる他のパルスシーケンスにも適用することができる。
100:MRI装置、101:静磁場磁石、102:傾斜磁場コイル、103:被検体、104:シーケンサ、105:傾斜磁場電源、106:RF発生部、107:送受信コイル(高周波コイル)、108:受信器、109:計算機、110:ディスプレイ、111:記憶媒体、201:エコー計測部、202:画像再構成部、203:波形変換部、301、301’:スライス選択傾斜磁場、302:高周波磁場(RF)パルス、303、303’:スライスリフェーズ傾斜磁場、304、304’:リードアウト方向のフローコンペンセーションパルス、305、305’:スライスエンコード傾斜磁場、306:位相エンコード傾斜磁場、307、307’:ディフェーズ用リードアウト傾斜磁場、308、308’:リードアウト傾斜磁場、309:サンプリング期間、310:スライスリワインダ傾斜磁場、311:位相リワインダ傾斜磁場、312:クラッシャーパルス

Claims (15)

  1. 磁気共鳴イメージング装置に搭載される、フローコンペンセーションのための傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスの傾斜磁場波形調整方法であって、
    前記フローコンペンセーションのための所定の条件を満たす、複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップと、
    前記傾斜磁場波形を、当該磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音響ノイズの音圧を、複数の前記傾斜磁場波形ごとに求めるステップと、
    複数の前記傾斜磁場波形のうち、前記音響ノイズの音圧が予め定めた閾値以下の傾斜磁場波形を選択するステップと、
    選択した前記傾斜磁場波形を、前記傾斜磁場パルスとして使用可能な代表波形として記憶媒体に格納するステップと、を含むことを特徴とする傾斜磁場波形調整方法。
  2. 請求項1に記載の傾斜磁場波形調整方法であって、
    前記複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップは、前記傾斜磁場パルスの1以上のパラメータについて、予め定めた複数の初期値を、組み合わせることにより、前記複数種類の傾斜磁場波形を生成することを特徴とする傾斜磁場波形調整方法。
  3. 請求項2に記載の傾斜磁場波形調整方法であって、
    前記フローコンペンセーションのための傾斜磁場パルスは、複数の傾斜磁場パルスを含み、
    前記複数の傾斜磁場パルスの1つのパラメータについて予め定めた複数の初期値を、前記複数の傾斜磁場パルス間で組み合わせることにより、前記複数種類の傾斜磁場波形を生成することを特徴とする傾斜磁場波形調整方法。
  4. 請求項3に記載の傾斜磁場波形調整方法であって、前記1つのパラメータは、前記複数の傾斜磁場パルスの立上り時間であることを特徴とする傾斜磁場波形調整方法。
  5. 請求項1に記載の傾斜磁場波形調整方法であって、
    前記フローコンペンセーションのための傾斜磁場パルスは、複数の傾斜磁場パルスを含み、
    前記フローコンペンセーションのための所定の条件は、前記複数の傾斜磁場パルスの0次モーメントおよび1次モーメントがそれぞれ閾値以下である、ことを特徴とする傾斜磁場波形調整方法。
  6. 請求項5に記載の傾斜磁場波形調整方法であって、
    複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップは、前記0次モーメントが閾値以下になるように、前記複数の傾斜磁場パルスの面積の和を変化させ、前記1次モーメントが閾値以下になるように、前記複数の傾斜磁場パルスの面積を変化させることなく、前記傾斜磁場パルスの印加時間を変化させる、ことを特徴とする傾斜磁場波形調整方法。
  7. 請求項5に記載の傾斜磁場波形調整方法であって、
    前記傾斜磁場パルスの印加時間を変化させるために、前記傾斜磁場パルスの少なくとも一つの開始時刻を所定量だけ後ろにずらすか、前記傾斜磁場パルスの少なくとも一つの終了時刻を所定量だけ前にずらすことを特徴とする傾斜磁場波形調整方法。
  8. 傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、記憶部とを有する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記記憶部には、フローコンペンセーションのための傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスと、前記傾斜磁場パルスの代表波形とが格納され、
    前記代表波形は、
    前記フローコンペンセーションのための所定の条件を満たす、複数の種類の傾斜磁場波形を生成するステップと、
    前記傾斜磁場波形を、当該磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音響ノイズの音圧を、複数の前記傾斜磁場波形ごとに求めるステップと、
    複数の前記傾斜磁場波形のうち、前記音響ノイズの音圧が予め定めた閾値以下の傾斜磁場波形を選択するステップと、
    によって、選択された前記傾斜磁場波形であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、記憶部と、波形変換部とを有する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記記憶部には、単一の傾斜磁場パルスの1以上のパラメータの複数の値ごとに、その単一の傾斜磁場パルスを磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルに印加した場合に発生する音圧レベルを示す指標を格納したデータベースが格納され、
    前記波形変換部は、撮像条件に応じて、その撮像条件に対応する前記パラメータの前記複数の値の中から、前記音圧レベルを示す指標が最も小さくなる前記パラメータの値を選択し、予め定められたパルスシーケンスに従って前記傾斜磁場コイルに印加される傾斜磁場パルスの波形を、前記選択したパラメータの値によって変換することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記傾斜磁場パルスは、フローコンペンセーションパルスの条件を満たすパルスであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記データベースは、波形変換部が、当該磁気共鳴イメージング装置の装置固有の周波数応答関数を測定して求めたものであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記指標は、装置固有の周波数応答関数と、前記単一の傾斜磁場パルスの周波数成分との積の和であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  13. 請求項12に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記指標は、前記装置固有の周波数応答関数と、前記単一の傾斜磁場パルスの周波数成分とをそれぞれ対応する複数の周波数区分に分割し、対応する前記周波数区分における前記周波数応答関数の平均値と前記周波数成分の平均値との積を複数の前記周波数区分について加算した和であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  14. 傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場パルスの波形を変換する波形変換部と、記憶部と、操作部とを有し、
    前記記憶部には、予め定めた撮像条件に対応したパルスシーケンスと、前記パルスシーケンスに含まれる傾斜磁場パルスを静音化するための代表波形とが格納され、
    前記操作部が、前記パルスシーケンスの撮像条件の変更を受け付けた場合、前記波形変換部は、前記記憶部に格納されたパルスシーケンスの前記予め定めた撮像条件と、前記操作部が受け付けた撮像条件とに基づいて、前記傾斜磁場パルスの代表波形を変更することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  15. 請求項14に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記撮像条件は、視野、スラブ厚およびスライス厚のいずれかを含み、前記波形変換部は、前記予め定めた撮像条件と、前記操作部が受け付けた撮像条件の視野の比率、スラブ厚の比率、および、スライス厚の比率を求め、前記代表波形の強度を、前記比率に基づく比例計算に従って変更することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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