JP6590514B2 - 磁気共鳴イメージング装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に撮像時の騒音を低減する技術に関する。
MRI装置における課題の一つに、傾斜磁場パルスを高速で切り替えることに伴って発生する騒音の低減がある。一般に騒音の低減と画質の向上(そのために採用する高速シーケンス)とはトレードオフの関係にあり、画質の劣化を極力抑制しつつ騒音を低減することが重要である。
この課題に対するアプローチの一つは、与えられた撮像条件或いは撮像シーケンスにおいて騒音を最小にするように傾斜磁場パルスのパラメータを変更するものであり、例えば、特許文献1には、傾斜磁場の内部繰り返し時間(intra-repetition-interval)を固定した状態で、低騒音を実現するスルーレートや傾斜磁場強度を決定する技術が記載されている。別のアプローチは、上記アプローチとは逆に、許容できる騒音レベル内で実現できる撮像シーケンスを決定するというものであり、例えば、特許文献2には、許容できる騒音レベルを設定し、選択されたパルスシーケンスを実行したときの騒音レベルを算出し、それが許容値を超えるとき時にパルスシーケンスを変更することが開示されている。また特許文献3には、選択された撮像シーケンスの騒音レベルを算出し、その結果を表示し、騒音レベルの予想値に応じて操作者による撮像シーケンスに変更を可能にしたUIに関する技術が提案されている。
上述した技術とは別に傾斜磁場パルス自体の形状を工夫する試みもいくつか提案されている。例えば、特許文献4には、傾斜磁場パルス発生部の前段にフィルターを設けて、傾斜磁場パルスの形状を変化させる技術が開示されている。また非特許文献1、2には、傾斜磁場パルスの形状を台形ではなく、サイン波に代表される形状に変化させることが提案されている。
米国特許出願公開第2013/0200893号明細書 米国特許第6407548号明細書 米国特許出願公開第2013/0275086号明細書 国際公開第98/13703号
Heismann, B., Ott, M. and Grodzki, D. (2015), Sequence-based acoustic noise reduction of clinical MRI scans. Magn Reson Med, 73: 1104 - 1109. doi: 10.1002/mrm.25229 Hennel, F. (2001), Fast spin echo and fast gradient echo MRI with low acoustic noise. J. Magn. Reson. Imaging, 13: 960 - 966. doi: 10.1002/jmri.1138
上述した従来技術は、いずれも、傾斜磁場パルスの形状は既に知られている台形或いはサイン波等のモデル波形を基本として静音化を図るものであり、モデル波形の範囲内での最適化に留まる。
また従来の静音化のアプローチは、騒音レベルを許容範囲に抑えた場合の撮像シーケンスの最適化或いは与えられた撮像シーケンスの条件下での騒音レベルの抑制であるが、検査者がMRI装置で検査する際は、その検査対象の音に対する許容度や検査の目的である画質などを考慮して、トレードオフの関係にある騒音抑制と画質向上の優先性を決定する必要がある。
本発明の課題は、騒音抑制効果を持つ傾斜磁場パルスの形状を得ること、そのような傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスを実行するMRI装置を提供すること、さらには、検査者が自由度を持って騒音抑制と画質向上の優先性を決定できるMRI装置を提供することである。本発明の課題は、さらに、波形が台形ではない傾斜磁場パルスを採用したMRI装置において、そのバンド幅等のパラメータと騒音レベルとの関係を検査者に提示し、検査者の撮像条件の設定に資する情報を提供することを含む。
上記課題を解決するため、本発明者はMRI装置の出力を考慮した形状の条件のもとで最も騒音を抑制できる傾斜磁場パルスの波形を探索し、所定の特徴を持つ波形が最も騒音を抑制できることを見出した。そして本発明のMRI装置は、この特定の波形を持つ新規な傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスを具備するものである。
また本発明のMRI装置は、さらに、騒音低減を図った撮像を行う際に騒音と関連性のある撮像パラメータを騒音との関係で操作者に提供する手段を備えるものである。また本発明のMRI装置は、操作者に騒音低減及び画質向上の優先度を選択させる手段を備えるものである。
本発明によれば、撮像のために印加される傾斜磁場パルスとして特定の波形の傾斜磁場パルスを用いることにより、傾斜磁場パルス印加に起因する騒音を最小化することができる。また本発明によれば、操作者による撮像条件決定を容易にする情報を提供することができ、静音化のための試行錯誤や煩雑な手順を簡略化することができる。
本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示すブロック図 制御部の機能ブロック図 本発明のMRI装置に組み込まれたパルスシーケンスの一例を示す図 騒音を最小にする傾斜磁場パルス形状の一例を示す図 第一実施形態の傾斜磁場パルス形状を求める手順を示すフロー 図5のステップを説明する図 装置の周波数応答関数(FRF)の一例を示す図 図5の手順により求まった傾斜磁場パルス形状の一例を示す図 図5の手順により求まった傾斜磁場パルス形状の他の例を示す図 騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状についてリフェーズ時間を異ならせた場合の騒音レベルを示すグラフ 変更例1の傾斜磁場パルス形状を求める手順を説明する図 変更例1の手順で求まった傾斜磁場パルス形状の一例を示す図 変更例2の手順で求まった傾斜磁場パルス形状の一例を示す図 変更例3の手順で求まった傾斜磁場パルス形状の一例を示す図 第二実施形態による傾斜磁場パルス形状を求める手法の考え方を説明する図 第二実施形態による傾斜磁場パルス形状を求める手法の考え方を説明する図 第二実施形態による傾斜磁場パルス形状を求めるためのモデルの一例を示す図 第二実施形態の手法で求まった傾斜磁場パルス形状の一例を示す図 図18の形状をフィルタリングした後の形状を示す図 第二実施形態による傾斜磁場パルス形状を求めるためのモデルの他の例を示す図 第三実施形態による傾斜磁場パルス波形を求める手順を示すフロー 第三実施形態による手順を説明する図 第三実施形態の変更例の手順を示すフロー 第四実施形態のMRI装置で用いる撮像パラメータと騒音レベルとの関係(一例)を示すグラフ 第四実施形態のMRI装置における表示画面例を示す図 撮像パラメータと騒音レベルとの関係の他の例を示すグラフ 第四実施形態のMRI装置における表示画面の他の例を示す図 第四実施形態のMRI装置における表示画面の他の例を示す図 第四実施形態のMRI装置における表示画面の他の例を示す図
以下、本発明が適用されるMRI装置の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
本実施形態のMRI装置は、高周波磁場パルス及び傾斜磁場パルスの印加強度及びタイミングを記述したパルスシーケンスに従って高周波磁場パルス及び傾斜磁場パルスを印加する磁場印加部と、前記磁場印加部が印加した磁場により検査対象から発生する核磁気共鳴信号を受信する受信部と、を備える。本実施形態のMRI装置は、磁場印加部の制御に用いられるパルスシーケンスに含まれる少なくとも1種の傾斜磁場パルスが、磁場印加部における傾斜磁場のスルーレートを満たし且つ対称形という条件のもとで求められた、騒音を最小化する形状を有している。騒音を最小化する傾斜磁場パルスの形状の一つの態様は、変曲点を3以上持つ曲線で描出される形状である。
騒音を最小化する傾斜磁場パルスの形状は、例えば、複数の微小長方形を所定の面積になるまで順次積み上げて形成された形状であり、微小長方形を積み上げて最終的な傾斜磁場パルス形状とするまでに形成される暫定的な形状が、騒音を最小化する形状となるように前記暫定的な形状を更新することにより得られた形状である。或いは、形状パラメータで特定される複数の波形を組み合わせたモデルを初期値として、前記形状パラメータを変化させたときに得られる傾斜磁場パルス形状が騒音を最小化する形状となるように前記形状パラメータの更新を繰り返すことによって得られた形状である。
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態のMRI装置の構成を具体的に説明する。
本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1に示すMRI装置100は、NMR現象を利用して被検体101の断層画像を得るもので、静磁場を発生する静磁場発生部120と、静磁場中に配置された被検体101に対して傾斜磁場を印加する傾斜磁場発生部130と、被検体101の磁化を所定のフリップ角で励起させる高周波磁場パルスを送信する送信部150と、被検体101が発生するエコー信号を受信する受信部160と、受信部160が受信したエコー信号から画像を再構成するとともに、撮像シーケンスに従って、傾斜磁場発生部130、送信部150、受信部160の動作を制御する制御部170と、シーケンサ140と、を備える。傾斜磁場発生部130及び送信部150は、本発明の磁場印加部に相当する。
静磁場発生部120は、被検体101の周りの空間に均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに配置される永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源を備える。静磁場発生源には、発生する静磁場の方向により垂直磁場方式と水平磁場方式がある。垂直磁場方式では、その体軸と直交する方向に、水平磁場方式では、体軸方向に静磁場を発生する。
傾斜磁場発生部130は、MRI装置100の座標系(装置座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル131と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源132とを備える。傾斜磁場コイル131は、シ−ケンサ140からの命令に従ってそれぞれの傾斜磁場コイル131の傾斜磁場電源132を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場パルスGx、Gy、Gzを印加する。傾斜磁場パルスGx、Gy、Gzには、それぞれ、撮影時にスライス面(撮影断面)に直交する方向に印加して、被検体101に対するスライス面を設定する役割と、設定したスライス面に直交し、かつ、互いに直交する残りの2つの方向にそれぞれ印加し、NMR信号(エコー信号)に2方向の位置情報をエンコードする役割とがある。本実施形態のMRI装置は、傾斜磁場コイル131が印加するパルスとして、騒音を最小化する形状を有するパルスが用意されていることが特徴である。
送信部150は、被検体101の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体101に高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」と呼ぶ。)を照射するもので、高周波発振器(シンセサイザ)152と変調器153と高周波増幅器154と送信側の高周波コイル(送信コイル)151とを備える。高周波発振器152はRFパルスを生成し、シーケンサ140からの指令によるタイミングで出力する。変調器153は、出力されたRFパルスを振幅変調する。高周波増幅器154は、この振幅変調されたRFパルスを増幅し、被検体101に近接して配置された送信コイル151に供給する。送信コイル151は供給されたRFパルスを被検体101に照射する。
受信部160は、被検体101の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出される核磁気共鳴信号(エコー信号、NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)161と信号増幅器162と直交位相検波器163と、A/D変換器164とを備える。受信コイル161は、被検体101に近接して配置され、送信コイル151から照射された電磁波によって誘起された被検体101の応答のNMR信号を検出する。検出されたNMR信号は、信号増幅器162で増幅された後、シーケンサ140からの指令によるタイミングで直交位相検波器163により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器164でディジタル量に変換されて、制御部170に送られる。なお受信コイル161は、単一のコイルで構成される場合もあるが、複数の小型コイルを組み合わせたマルチプルアレイコイル(フェイズドアレイコイル)なども多用される。
シーケンサ140は、制御部170とともに撮像制御部として機能するものであり、制御部170からの指示に従って動作し、被検体101の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信部150、傾斜磁場発生部130、および受信部160に送信する。これによって、シーケンサ140は、RFパルスと傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスに従って繰り返し印加する。なお、パルスシーケンスは、高周波磁場、傾斜磁場、信号受信のタイミングや強度を記述したもの(定めたもの)で、撮像方法によって異なる種々のパルスシーケンス(基本パルスシーケンス)があり、これら基本パルスシーケンスが予め記憶装置172に格納されている。
制御部170は、MRI装置100全体の制御、各種データ処理等の演算、処理結果の表示及び保存等を行うもので、CPU171と記憶装置172と表示装置173と入力装置174とを備える。記憶装置172は、ハードディスクなどの内部記憶装置と、外付けハードディスク、光ディスク、磁気ディスクなどの外部記憶装置とにより構成される。記憶装置172には、CPU171の演算に必要なデータや演算途中或いは演算結果であるデータが格納される。また本実施形態では、基本パルスシーケンスとともに、騒音を最小化する傾斜磁場パルスの形状或いはその傾斜磁場パルス形状を用いたパルスシーケンスが格納されている。後に詳述するが、騒音を最小化する傾斜磁場パルスの形状は、それが所定の撮像パラメータの条件のもとで求められたものである場合には、パルス形状は条件として使用された撮像パラメータとともに格納される。
表示装置173は、CRT、液晶などのディスプレイ装置である。入力装置174は、MRI装置100の各種制御情報や制御部170で行う処理の制御情報の入力のインタフェースであり、例えば、トラックボールまたはマウスとキーボードとを備える。入力装置174は、表示装置173に近接して配置される。操作者は、表示装置173を見ながら入力装置174を通してインタラクティブにMRI装置100の各種処理に必要な指示、データを入力する。また目的とする撮像方法に応じて、パルスシーケンスの実行に必要な撮像パラメータを入力することもできる。
CPU171は、操作者が入力した指示に従って、記憶装置172に予め保持されるプログラムを実行することにより、MRI装置100の各部の動作の制御、各種データ処理等の制御部170の各処理を実現する。例えば、受信部160からのデータが制御部170に入力されると、CPU171は、信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体101の断層像を表示装置173に表示するとともに、記憶装置172に記憶する。
受信部160からのデータは、通常、k空間と呼ばれるデータ空間に配置されたデータとなる。k空間の座標(位置)は、エコー信号に与えられた傾斜磁場パルスの印加量によって決まり、画像サイズと視野に応じて、取得すべき点(k空間のマトリクス)が決まる。制御部170は、取得すべき点を計測するようにパルスシーケンスを制御し、データを得るとともに、計測によって得られたデータセットに対し、所定の画像処理を行い画像を得る。
またCPU171には、騒音を最小化するパルスシーケンスを作成するための機能が備えられている。例えば図2に示すように、CPU171は、パルスシーケンス作成部180、騒音レベル算出部181、騒音レベル比較部182を備えることができる。また操作者がパルスシーケンスを作成したり設計したりする際に必要な情報を表示装置173に表示させるための表示制御部183を備えている。なおこれらの一部或いは全部は、本発明の実施形態によっては省略することが可能である。
パルスシーケンス作成部180は、記憶装置172に格納された基本パルスシーケンスと撮像パラメータとを読出し、シーケンサ140が実行するパルスシーケンス(以下、基本シーケンスと区別して撮像シーケンスともいう)を作成する。この際、操作者によって騒音を最小化する撮像が選択されている場合には、記憶装置172に記憶された傾斜磁場パルス形状を用いて撮像パルスシーケンスを作成する。
騒音レベル算出部181は、作成された撮像パルスシーケンスの騒音レベルを、装置固有の周波数応答関数(FRF)を用いて算出する。なおMRI装置が騒音レベル算出部181を備える場合、FRFは予め測定しておいたものを記憶装置172に格納しておく。騒音レベル比較部182は、騒音レベル算出部181が、複数の撮像パルスシーケンスについて算出した騒音レベルを比較し、比較結果を例えば表示装置173に表示させる。
これら機能はCPU171に組み込まれたプログラムによって実行される。即ちこれら各部はCPU171に搭載された所定のアルゴリズムを含むプログラムに相当するものである。ただし、この機能の一部を公知のASIC(Application Specific Integrated Circuit)で置換される場合もあり得る。
撮像に際しては、操作者が入力装置174を介して任意の撮像方法を選択することでパルスシーケンス作成部180は、記憶装置172から所定のパルスシーケンスが読み出すとともに記憶装置172に記憶された傾斜磁場パルス形状から所定の波形を選択する。パルスシーケンス作成部180は、これらパルスシーケンス及び傾斜磁場パルス形状と、入力装置174を介して操作者が選択した撮像パラメータ、例えば、エコー時間(TE)、繰り返し時間(TR)、インターエコータイム(IET)、撮像視野(FOV)等を用いて、シーケンサ140で実行される撮像シーケンスを作成する。撮像の際に騒音を最小化する撮像が設定されている場合には、騒音を最小化する特定の傾斜磁場パルス形状が選択され、最低騒音パルスシーケンスが実行され、撮像が行われる。
次に騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状について説明する。
一般に撮像に用いられる傾斜磁場パルスには、スライス選択傾斜磁場パルス、位相エンコード傾斜磁場パルス及びそのリフェーズ或いはディフェーズパルス、周波数エンコード傾斜磁場パルス及びそのリフェーズ或いはディフェーズパルス、スポイラーパルスなどがあり、上述した特定の傾斜磁場パルスは、これら各種傾斜磁場パルスのいずれに用いることも可能であるが、以下の説明では、パルスシーケンスに必須のパルスであって且つ騒音に対し影響の大きい周波数エンコード傾斜磁場パルスに適用する場合を説明する。
基本となるパルスシーケンスの種類は特に限定されないが、一例として、図3に示すFSE(Fast Spin Echo)シーケンスについて説明する。図3において、横軸RFはRFパルスの印加タイミング、Gs、Gp及びGfは、それぞれスライス傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁場を示している。図3では省略しているが、エコー信号のサンプリング時間は周波数エンコードパルスの印加時間内に設定される。
FSEシーケンスの基本形では、周波数エンコードパルス301とそのリフェーズパルス302は、図3に示すように、それぞれ台形である。これに対し、本実施形態で採用する傾斜磁場パルスは、例えば図4に示すような特殊な波形を持ち、与えられた条件で騒音を最小化する傾斜磁場パルスである。これら傾斜磁場パルスは、装置に固有の騒音の周波数応答特性(FRF)を用いて貪欲法で予め求めたものであり、記憶装置172に格納されている。
騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状の求め方を説明する。
まず形状について、目標となる波形の面積を設定するとともに、MRI装置による実現可能性等を考慮した形状の条件を決めておく。波形の面積は、エンコード時間及び傾斜磁場強度(言い換えると受信バンド幅BW)で決まるものであるが、ここでは形状を決めるために暫定的な値を設定しておいてもよい。さらにエコートレイン数、インターエコータイムIETなどの撮像パラメータに係る条件を設定しておいてもよい。これら撮像パラメータは傾斜磁場の周波数スペクトルに影響を与えるものであり、それが変化すると発生する騒音レベルも変化するので、これら撮像パラメータも騒音を最小化するためのパラメータとしても良いが、本実施形態では、説明を簡単にするために固定して考える。
まず形状の条件として、この実施形態では、傾斜磁場のスルーレート(Slew Rate)の制限と、対称で正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつという形状条件を加える。傾斜磁場のスルーレートは、装置が発生する傾斜磁場強度T/mの単位時間当たりの変化量であり、傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場アンプの性能で決まる。横軸を時間、縦軸を傾斜磁場強度とする傾斜磁場波形においては、その傾斜がスルーレートの制限を受けることになる。対称という条件は計算の簡略化を意図し、正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつという条件は傾斜磁場の大きな変動を防ぐことを意図している。受信中に大きく傾斜磁場が変動することは各サンプリング周波数における実質的なバンド幅(BWeff)が大きく変動することになり、ノイズ特性が不自然になり望ましい画質にはならないと考えられるからである。
因みに実質的バンド幅は次式(1)で定義される。
BWeff=(γ/2π)×G×FOV (1)
上式中、γは磁気回転比、Gは傾斜磁場強度、FOVは撮像視野である。なおノイズはバンド幅の平方根(√(BW))に比例するが、傾斜磁場強度が印加中に一定ではなく変動するノンユニフォームサンプリングの場合にはサンプリング密度も考慮する必要がある。上記BWeffは、サンプリング密度の影響をBWに含めたものと言うことができる。
以上の条件のもとで騒音を最小化する傾斜磁場パルスの波形を求める手順を、図5のフローチャートを参照して説明する。まず傾斜磁場が印加されていない状態を初期状態とし(S101)、小さな傾斜磁場パルス形状を加えるステップ(S102、S103)を目的の面積となるまで繰り返す。小さな傾斜磁場パルス形状を加えるステップS103で加える長方形は、更新中の傾斜磁場パルス形状に加えたときにできる傾斜磁場パルスが、設定した条件(対称且つ正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつ)を満たし且つ騒音を最小化するものを総当たりで探して決める(S102)。
対称という条件は、例えば1つの長方形であれば中央に配置することで満たすことができる。小さな傾斜磁場パルス形状は、図6に示すように、例えば最終的な面積の10000分の1の大きさというように十分小さな同じ面積の様々な長方形で構成する。スルーレートの条件は、重ね合わせた長方形の頂点を結ぶ線の傾きを最大スルーレート(T/m/s)で制限すればよい。
騒音を最小化する長方形の選択は、候補となる長方形を更新中の傾斜磁場パルス形状に加えた場合の波形の周波数スペクトルと、音圧の周波数応答関数(FRF)とを乗算することにより、騒音レベルを算出し、最も騒音レベルを最小にする長方形を選択することにより行う。
周波数応答関数は、装置固有の値として予め求めたものを用いる。ここでは、MRI装置の検査対象である人間の聴覚を考慮したA特性で重み付けしたものを用いる。その具体例を図7に示す。このようなA特性で重み付けしたFRFと傾斜磁場波形の周波数スペクトルを用いて、時間平均の騒音レベルLAeqを次式により計算する。
Figure 0006590514
式(2)中、fはサンプリング周波数で、fH−fLは積分区間、G(f)は傾斜磁場波形の周波数スペクトル、FRF(f)はA特性の重み付けを含めたFRF、P0は基準音圧である。G(f)は具体的には例えば図3のGs、Gp、Gfの傾斜磁場パルス形状のフーリエ変換である。IET、リフェーズパルス時間、エンコード時間などがG(f)に影響することになる。
ステップS103は、こうして騒音レベルを最小にする長方形を選択し、その上に、同じ条件を満たす長方形を積み上げることを繰り返しながら、目的の面積を持つ波形を得る。これにより最終的に図8に示したような傾斜磁場パルス波形410が得られる。図8の波形は、最大スルーレート=135[(T/m)/S]、周波数エンコードの面積=3.268×10−5[(T/m)×S]、リフェーズパルス時間=3.276[ms]、エンコード時間=7.224[ms]、IET=14.8[ms]として求めた波形である。
なお、式(2)からわかるように騒音レベルの計算においてFRFの周波数が上限値fHで打ち切られているため、それ以上の周波数を抑える効果はないため、最終的に得られる波形は高周波数に対応する凹凸を有し滑らかな曲線ではない。この波形の傾斜磁場パルスを傾斜磁場アンプで実現するためには、波形410に対し後処理(例えば、移動平均フィルタリング等のフィルタリング処理)を行い、図4に示すような滑らかな波形400とすることが好ましい。
波形400及び/又は410は、リフェーズパルス時間/エコー時間、エコートレイン数、インターエコータイムIETなどの条件を変えて、条件毎に求めておいてもよい。リフェーズパルス時間およびエコーエンコード時間を異ならせ求めた傾斜磁場パルス形状を図9に示す。図9の傾斜磁場パルス形状は、リフェーズパルス時間=2.276[ms]、エンコード時間=9.224[ms]とし、その他の条件は図8の波形と同じ条件で求めたものである。
この場合も、求め方は図5のフローに示すものと同じであるが、求められた波形は、概ね台形の波形の上に凸状の波形が重畳された形状を有している。図8及び図9に示す波形はいずれも次の特徴を有している。まず求め方の前提から明らかであるが、対称で正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつ。また、細かな凹凸を考慮すればどちらも多数の変曲点がある。特に、図9では、傾斜磁場強度が正となる区間だけを考えても、二つの台形が重なったような形状となっており、細かな凹凸を無視しても変曲点が4つある。
以上説明した貪欲法による傾斜磁場パルス形状の計算は、図1に示すMRI装置とは別の計算機で行ってもよいし、MRI装置のパルスシーケンス作成部180で行うようにしてもよい。
但し、上述した傾斜磁場パルス形状の計算は、貪欲法によって総当たりで決定する手法を採用しているため、撮像の都度、MRI装置で計算するのは適していない。従って、現実的には、予め、いくつかの条件(例えばリフェーズパルス時間、エンコードパルス時間、受信バンド幅)のもとで最適な傾斜磁場パルス形状を算出しておき、条件毎に最適な傾斜磁場パルス形状を格納し、撮像に際して設定或いは選択された条件に応じて最適な傾斜磁場パルス形状を選択することが好ましい。
本実施形態のMRI装置では、別の計算機で求めた波形が記憶装置172に格納されている。撮像に際して基本パルスシーケンスが選択されると、パルスシーケンス作成部180が記憶装置172に格納された傾斜磁場パルス形状とそれを求める際の撮像パラメータの条件を読出し、基本パルスシーケンスに対し読み出された形状及び条件を適用して、実際に実行するパルスシーケンスを作成する。
本実施形態のMRI装置の動作は、従来のMRI装置と同様であり詳しい説明は省略するが、撮像を開始するに際し、操作者は撮像条件の設定の際に、基本パルスシーケンスを選択するとともに撮像パラメータを設定する。このとき、騒音を最小化する撮像を選択する、或いは、騒音を最小化する傾斜磁場パルスの選択を指示する。これによりパルスシーケンス作成部は、記憶装置172に格納された傾斜磁場パルス波形を用いて基本パルスシーケンスを変更し、シーケンサ140に渡す。その後、シーケンサ140の制御のもとで、RFパルス及び傾斜磁場パルスの印加、エコー信号の計測が繰り返し行われること、計測したエコー信号をもとに被検体の断層像やスペクトル画像などを再構成し表示装置に表示させることは従来のMRI装置と同様である。
本実施形態によれば、騒音を最小化する傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスを用いることにより、従来のMRI装置に比べ騒音の少ない撮像が可能となる。
本実施形態による騒音抑制の効果を、図10を参照して説明する。図10は、リフェーズパルスと周波数エンコードパルスの総印加時間を一定とし、リフェーズパルス時間を変化させて、各リフェーズパルス時間で騒音を最小化する傾斜磁場パルスを求め、それらの騒音レベル(計算値)を示したグラフである。図10には、参考として、同じリフェーズパルス時間で台形の傾斜磁場パルスを用いた場合の騒音レベル(計算値)を示している。
図10から明らかなように、本実施形態の傾斜磁場パルスでは、どのリフェーズパルス時間でも従来の傾斜磁場パルスに比べ10dB前後の騒音低減効果が得られる。即ち騒音の音圧を3分の1程度にできる。またリフェーズパルス時間が約4msのときに最も騒音低減効果が大きいことがわかる。
本実施形態では、騒音を最小化する傾斜磁場パルスが、リフェーズパルスと組み合わせられる周波数エンコードパルスであり、且つその周波数エンコードパルスが正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつという条件で求められたものである場合を説明したが、形状に対する条件は第一実施形態で挙げた条件に限らず、適宜、追加したり変更することが可能であり、また、周波数エンコードパルスの他に、リフェーズパルス自体や、周波数エンコードパルス以外のスライス選択傾斜磁場パルス或いは位相エンコード傾斜磁場パルス、さらにはスポイラーパルスにも適用することができる。
また、本実施形態ではパルスシーケンスや傾斜磁場波形が記憶領域に保存されるとしたが、撮像条件が入力されるたびにパルスシーケンス作成部180で作成しても良い。
以下、このような第一実施形態の変更例を説明する。
<変更例1>
第一実施形態では、周波数エンコードパルス形状が正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつこと条件としたが、本変更例は、この条件を除いたことが特徴である。その他の条件は、第一実施形態と同じで、対称性、最大スルーレート、面積、リフェーズパルス時間、エンコードパルス時間である。
本変更例においても、傾斜磁場パルス形状を求める手法は、初期設定の条件が異なる以外、図5に示す手順と同様である。正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつという条件を除くことによって、ステップS102で追加される長方形は、図11に示すように、周波数エンコードパルスの時間軸に沿った中心を通る軸に対し対称に配置される1組の長方形となる。なお1組の長方形が中心で接する場合もあるので、その場合には実質的に一つの長方形を配置することと同じである。ステップS102では、このような長方形の組を配置したときの、騒音レベルを算出し、騒音レベルが最小となる長方形の組を決定する。リフェーズパルス時間を2.276msとして求めた最終的な傾斜磁場パルス形状を図12に示す。
図12の形状を、第一実施形態において同じリフェーズパルス時間で求めた傾斜磁場パルス形状(図9)と対比すると、いずれも、中央に独立した凸部形状を有し、周波数エンコード区間中に3以上の変曲点を有するという特徴を有している。また本変更例は、第一実施形態よりも条件が少なく、本変更例で得られる傾斜磁場パルス形状は、騒音低減効果をより優先した形状ということができる。
<変更例2>
本変更例では、第一実施形態における周波数エンコードパルス形状の条件に対し、さらに最大傾斜磁場強度の条件を追加したことが特徴である。その他の条件は、第一実施形態と同じで、正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつこと、対称性、最大スルーレート、面積、リフェーズパルス時間、エンコードパルス時間である。
本変更例においても、傾斜磁場パルス形状を求める手法は、初期設定の条件が異なる以外、図5に示す手順と同様である。ステップS102で追加される長方形を決定する際に、長方形の追加によって形成される傾斜磁場パルスが最大傾斜磁場強度を超えないことを条件とする。
本変更例において、リフェーズパルス時間を2.276msとして求めた傾斜磁場パルス形状を図13に示す。図13の形状を、第一実施形態において同じリフェーズパルス時間で求めた傾斜磁場パルス形状(図9)と対比すると、いずれも、パルス幅と同じ幅の低い台形の中央に、それより幅の狭い凸部が重なっている形状であり、狭い凸部両端の2点の変曲点を含んで3つ以上の変曲点を有するという特徴を有している。図13の形状は、最大傾斜磁場強度の条件により、波形の高さが図9の波形より低く、中央の凸部の形状が変化している。
本変更例では、最大傾斜磁場強度の条件を追加したことにより、そのまま装置で出力できる波形が得られ、さらに最大傾斜磁場強度の条件を考慮してパルス形状を調整する必要がない。また、最大傾斜磁場強度も考慮した騒音を最小にするパルス形状が得られる。
<変更例3>
本変更例は、リフェーズパルスや逆極性のパルスを伴わない傾斜磁場パルスとして、騒音を最小化する特定形状の傾斜磁場パルスを用いるものである。本実施形態においても、採用する撮像シーケンスは特に限定されないが、例えば図3に示すFSEシーケンスの場合、リフェーズパルス302やスライス選択傾斜磁場パルス305に適用することができる。
本変更例における傾斜磁場パルス形状を求める手法について説明する。手順は図5に示す手順と同様であり、まず初期設定(S101)として、傾斜磁場パルス形状の条件が設定される。本変更例では、条件は、リフェーズパルス時間、最大スルーレート、対称で正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつこと、及び面積である。また形状の初期値は、一辺の長さがリフェーズパルス時間である最小の長方形である。その後、長方形を追加したときに、最大スルーレート及び対称で正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつことの2条件を満たし、騒音が最小になる長方形を決定し、それを追加して形状を更新する(S102、S103)。騒音が最小になるか否かの判定は、最大スルーレート及び対称で正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつことの2条件を満たす追加可能な全ての長方形について、前掲の式(1)により騒音レベルを算出し、騒音レベルを比較することにより行う。
これらステップS102、S103をパルス形状の面積が、初期条件で与えられた面積になるまで繰り返し(S104)、最終的な傾斜磁場パルス形状を得る。
このような手法で得られたリフェーズパルスを図14に示す。この波形も、FRFに周波数の上限があることに伴い細かい不連続部分を有しているが、第一実施形態と同様に、後処理(フィルタリング)を行って滑らかな波形にして、パルスシーケンスに組み込むことが好ましい。
<第二実施形態>
本実施形態では、複数の波形モデルの組み合わせから、騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求めることが特徴である。求めた傾斜磁場パルス形状を、撮像に際し選択されたパルスシーケンスに用いることは第一実施形態と同様である。また装置構成も図1及び図2に示す第一実施形態の構成と同様であるので、説明を省略し、異なる点を説明する。
まず本実施形態のモデル化の基本的な考え方を説明する。
第一実施形態の変更例1で求めた傾斜磁場パルス形状(図12)から、リフェーズパルスに隣接して、リフェーズパルスと同じような形状で逆向きのパルスを印加したときに高い騒音低減効果が得られることがわかる。リフェーズパルスと同じような形状で逆向きのパルスの効果は、リフェーズパルスを最終的な形状に固定し、周波数エンコードを探索することで確認できる。図15及び図16は、それぞれ、正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつ条件がない場合(第一実施形態の変更例1)及び正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつ条件がある場合(第一実施形態)について、リフェーズパルスを固定して周波数エンコード傾斜磁場パルスの形状を探索したときの途中経過を示している。それ以外の条件は、両者とも同じである。図16には、形状の途中経過とともに、その周波数スペクトル及びそれにFRFとA特性を乗じたものの変化を併せて示す。
図15に示す途中経過では、最初にリフェーズパルスの隣に同じような形状の逆向きの形状が現れており、これらの形状のパルスが騒音低減に寄与することがわかる。また図16に示す途中経過では、正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつという条件があるため、リフェーズパルスの両側ではないが中央にリフェーズパルスと同じような形状で逆向きの凸状の波形が最初に現れており、この場合にも、この凸状のパルスが騒音低減に寄与することがわかる。また図16に示す周波数スペクトルは、凸状のパルスによって周波数特性がよりピーキーに推移し、その結果、FRFとA特性をかけたグラフでは、矢印で示すように騒音に影響の大きい高周波側の成分が抑えられ、騒音が低減されていることがわかる。
本実施形態では、上述した考え方に基づき、周波数エンコード傾斜磁場パルスに対し、リフェーズパルスと同様の形状で逆極性のパルスを加えたモデルを用いて、騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求める。
本実施形態で用いる複数の波形モデルの一例を図17に示す。ここでは5つの台形を重ね合わせたものをモデルとする。5つの台形のうち、2つはリフェーズパルスG1、G1’、中央のパルスは基本パルスシーケンスに含まれる通常の周波数エンコードパルスG3である。リフェーズパルスG1、G1’に隣接するパルスG2、G2’は、それぞれリフェーズパルスG1、G1’と同じ印加時間、立ち上がり時間、逆極性とする。
この波形モデルにおいて、リフェーズパルスG1の立ち上がり時間、周波数エンコードパルスG3の立ち上がり時間及び一つの周波数エンコードパルスG3の周波数エンコードパルス全体に対する面積割合をパラメータとして、パラメータを変化させたときに最も騒音低減効果が高いパラメータで決まる形状を決定する。パラメータの探索は、公知の最適化技術を用いてもよいし、総当たりで求めてもよい。
図18に、IET=14.8ms、リフェーズパルス時間=3.276ms、エンコード時間=7.224msとして求めた傾斜磁場パルス形状を示す。この形状は、第一実施形態において、同じIET、リフェーズパルス時間、エンコード時間で求めた傾斜磁場パルス形状(図8)と同様の形状であり、このモデル化が適切であることが判る。
モデル化によって得た波形(図18)についても、第一実施形態と同様にフィルターをかけて滑らかな形状にしてもよい。一例として、図18の波形に0.6msの移動平均フィルターをかけた波形を図19に示す。この周波数エンコード傾斜磁場の騒音レベル(計算値)は−51.9dBであり、同じ条件で求めた第一実施形態の周波数エンコード傾斜磁場の騒音レベル(−52.4dB)と同等であり、モデル化とフィルターだけでも最適化した形状の効果が得られることがわかる。
なお図17には、2つのリフェーズパルスと周波数エンコードパルスに対し、リフェーズパルスと同じ形状で逆極性の2つのパルスを加えたモデルを示したが、モデルはこれに限らない。例えば、図20に示すように、リフェーズパルスG1、G1’と同じ形状で逆極性のパルスG2を周波数エンコードパルスG3の中央に重ねたモデルも採用することも可能である。この場合にも、リフェーズパルスG1の立ち上がり時間と、周波数エンコードパルスG3の立ち上がり時間、周波数エンコードパルスG3の立ち上がり時間及び一つの周波数エンコードパルスG3の周波数エンコードパルス全体に対する面積割合をパラメータとし、最大の騒音低減効果が得られるパラメータの組を探索する。
また図17及び図20では、モデルを構成するパルスの形状を台形としたが、解析的にパラメータを探索できる形状であれば台形に限定されず、例えばサイン波(0〜πまで)やサイン二乗波、二次関数などを用いることも可能である。
本実施形態においても、モデルを用いた傾斜磁場パルス形状の算出は、MRI装置とは別の計算機で行ってもよいし、MRI装置のパルスシーケンス作成部180で行うようにしてもよい。本実施形態によれば、モデルを用いることにより、第一実施形態よりも短時間で最適な傾斜磁場パルス形状の算出が可能である。
<第三実施形態>
第一実施形態では撮像パラメータを固定して騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求めたが、本実施形態は、撮像パラメータ自体を、騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求める際の条件として追加することが特徴である。条件として追加する撮像パラメータは、特に限定されないが、例えば、繰り返し時間(TR)、エコー間隔(IET)、リフェーズパルス時間などが挙げられ、これら1つ又は複数を、それぞれ所定の幅を持たせて条件として追加する。所定の幅とは、一般的なパルスシーケンスで許容される撮像パラメータの値の範囲である。
本実施形態は、傾斜磁場パルス形状を求める手法のみが第一及び第二実施形態と異なり、その他の構成及び撮像方法は同様であるので説明を省略し、以下、本実施形態による傾斜磁場パルス形状を求める手順を、図21を参照して説明する。
まず初期設定として、撮像パラメータの初期値を設定する。初期値は、各撮像パラメータの所定の幅の最小値、最大値、中央値など任意の値でよい。また形状について第一実施形態或いはその変更例1又は2と同様の条件を設ける(S101)。即ち、例えば、最大スルーレート、対称で正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつ或いは単に対称な形状、波形(パルス)の面積である。
初期設定の後、例えば、騒音を最小化する傾斜磁場パルスの形状を求める(S102’)。このステップS102’は、上述した第一実施形態(変更例を含む)或いは第二実施形態で採用する手法(図5のステップS102)のいずれを採用してもよい。第一実施形態の手法であれば、順次、単位面積の長方形を積み上げたときに騒音を最小化する長方形を決定するという手順を繰り返す。その際、形状の条件には、正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつことを入れる場合、正負の符号が同じ区間では極値をひとつだけもつことを入れない場合、最大傾斜磁場強度の条件を加える場合などが在りえる。また第二実施形態の手法であれば、モデル化した波形を初期値として、そのモデルを規定するパラメータのうち騒音を最小化する形状を与えるパラメータを探索し、最終的に騒音を最小化する波形を決定する。モデルとしては、図17や図20に示すような台形を組み合わせたモデルや、台形以外の形状を組み合わせたモデルが採りえる。
ステップS102’では、例えば図22に示すように、単位面積の長方形を追加したときの騒音レベルを算出する際に、撮像パラメータを変化させた場合即ち傾斜磁場パルスの繰り返しパターンも加味して騒音レベルも算出し、騒音レベルを最小化する形状と撮像パラメータを求める。モデル化の場合は、形状のパラメータ及び撮像パラメータのすべての組み合わせにおいて騒音レベルを最小化するパラメータの組み合わせを求める。
或いは、図6に示すように、一つの撮像パラメータの組み合わせで求めた暫定的な傾斜磁場パルスを、別の撮像パラメータとした場合の騒音レベルを算出し、この暫定的な傾斜磁場パルスにおいて最も騒音を最小化する撮像パラメータの組み合わせを求めてもよい。更新途中の撮像パラメータの組み合わせは暫定的なものであり、次の繰り返しでは、更新された傾斜磁場パルスについて最も騒音を最小化するものとして求められた撮像パラメータの組み合わせに更新される。
ステップS103では、ステップS102’で求まった傾斜磁場パルス形状を新たな傾斜磁場パルス形状とする。即ちステップS102’の処理対象となる傾斜磁場パルス形状が更新される。更新された傾斜磁場パルス形状が、設定された傾斜磁場パルスの面積になるまでステップS102’ 、S103を繰り返す(S104)。
以上の処理により最終的に最も騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状と撮像パラメータの組み合わせが決まる。こうして求まった傾斜磁場パルス形状と撮像パラメータは、記憶装置172に格納される。撮像に際し、基本パルスシーケンサが選択されると、パルスシーケンス作成部180は、記憶装置172に格納された傾斜磁場パルス形状と撮像パラメータを読出し、基本パルスシーケンスを変更し、実際に撮像に使用される撮像シーケンスを作成し、シーケンサ140に渡す。
なお一般にMRI装置では、操作者がパルスシーケンスを選択する際に、撮像パラメータを設定することができる。本実施形態のMRI装置では、騒音を最小化する撮像が選択されている場合、撮像パラメータの設定画面において、騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求めたときに決定された撮像パラメータについては、デフォルトでその値を表示してもよい。さらに操作者が別の撮像パラメータを設定できるようにしてもよく、その場合にはパルスシーケンス作成部180は、傾斜磁場パルス形状は記憶装置172から読み出したものを用い、操作者が設定した新たな撮像パラメータを用いて、基本パルスシーケンスをもとに撮像シーケンスを作成する。この場合にも、傾斜磁場パルスの形状が騒音を低減する形であるため、基本の台形の傾斜磁場パルスによるパルスシーケンスを実行した場合よりも大幅な騒音低減が可能となる。
<第三実施形態の変更例>
本変更例においても、騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求めるに際し、撮像パラメータの幅を条件として追加すること、この幅内で最適な傾斜磁場パルス形状を求めることは第三実施形態と同じである。但し本変更例では、第三実施形態のステップS102’のように撮像パラメータの条件を形状の条件と対等に扱って、傾斜磁場パルス形状を探索するのではなく、段階的に適用する。
本変更例の手順を図23に示す。まず撮像パラメータを初期設定し、この撮像パラメータのもとで騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を決定する。撮像パラメータは1つでもよいし複数の組み合わせでもよい。このときの騒音レベルを算出し、記録する(S201)。次いで撮像パラメータ或いはその組み合わせを変更し、同様に騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を決定し、このときの騒音レベルを算出し、それ以前に記録された撮像パラメータの条件における騒音レベルと比較し、より騒音レベルの低いものに更新する(S202)。
ステップS202を、撮像パラメータを変化させて繰り返し(S203)、最終的にすべての撮像パラメータ或いは組み合わせの中で最も騒音を低減できたときの傾斜磁場パルス形状を決定する。ステップS203における更新の収束条件としては、最急降下法、二分法などの方法を適用することができる。或いは総当たり法ですべての撮像パラメータについてステップ202を実行してもよい。なお総当たり法の場合には、1回のステップS202の中ですべての変化を調べることになるので、ステップS203は省略される。
なお第三実施形態及びその変更例においても、騒音を最小化する傾斜磁場パルス及びその際の条件である撮像パラメータは、MRI装置(パルスシーケンス作成部180)で算出してもよいし、ほかの計算機で予め算出したものをMRI装置の記憶装置172に格納しておいてもよい。また予め算出する場合、撮像パラメータ或いはその組み合わせを異ならせた複数の条件でそれぞれ求めた騒音を最小化する傾斜磁場パルスを格納しておき、撮像に際し、操作者が選択した撮像パラメータに最も近いものを記憶装置172から読み出して実行するようにしてもよい。或いは、いくつかの候補を、表示装置173を介して操作者に提示し、選択させるようにしてもよい。このような操作者に選択させるためのGUIについては次の実施形態で詳述する。
第三実施形態及びその変更例によれば、撮像パラメータも考慮した低騒音の傾斜磁場パルスが用いられるので、騒音による被検体への負担を低減できる。
<第四実施形態>
本実施形態は、騒音を最小化する撮像と、画質を優先する撮像とを操作者が選択するための情報を生成すること、またその情報を操作者に提示するGUIを備えることが特徴である。即ち、本実施形態のMRI装置は、例えば、騒音を最小化する受信バンド幅や騒音を最小化する受信バンド幅と発生する騒音との関係を表示装置(173)に表示させる表示制御部(183)をさらに備える。また本実施形態のMRI装置は、騒音低減及び画質向上の優先度を選択させるUIを表示装置(173)に表示させる表示制御部(183)と、UIを介して選択された優先度に基き、撮像パラメータを制御する撮像制御部(制御部170)とをさらに備える。
上述した第一〜第三実施形態及びそれらの変更例では、騒音を最小化する撮像が選択されたときに、パルスシーケンス作成部は、騒音を最小化できる傾斜磁場パルス形状と撮像パラメータの組み合わせで、騒音を最小化する撮像パルスシーケンスを作成する。即ちこの操作者には、騒音を最小化する撮像を選択するか否かを選択することが可能であるが、その中間的な撮像すなわち騒音を最小化する撮像に比べ騒音はやや大きくなるが画質が良好になる撮像をしようとするとき、どの撮像パラメータをどの程度変化させればよいか把握することが困難な場合がある。一般に画像の分解能、SNR、撮像時間などは撮像パラメータに対して単調に変化するため、これらを変化させようとするときに、撮像パラメータをどのように変化させればよいかを操作者は簡単に予測することができるが、騒音レベルについては、必ずしも撮像パラメータの変化に対し単調に変化するとは限らないため、画質とのトレードオフを考慮しながら希望の騒音レベルにするために、どの程度変更すればよいかを把握することが困難である。
本実施形態のMRI装置は、撮像パラメータと騒音との関係或いはそれから導き出される情報を操作者に提供する手段を備えることで、操作者による撮像パラメータの設定を容易にする。騒音と撮像パラメータとの関係は、第一〜第三実施形態の手法により、所定の撮像パラメータで騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求める過程で、撮像パラメータを変化させた場合の騒音レベルの変化を算出することにより導き出すことができる。或いは、第三実施形態の変更例の手法において、撮像パラメータを変化させながら騒音を最小化する傾斜磁場パルス形状を求める際に算出する騒音レベルと撮像パラメータとの関係を導き出すことも可能である。
撮像パラメータと騒音レベルとの関係の一例として、平均の受信バンド幅BWaveと騒音レベルとの関係を図24に示す。なおBWaveは、受信中の傾斜磁場強度が一定でない場合にその平均傾斜磁場強度Average(G)を用いて、次式(3)で定義される。
BWave=γ/(2π)×Average(G)×FOV (3)
図24に示すグラフは、所定のBWaveで騒音を最小化する傾斜磁場波パルス形状を求めたのち、そのパルス形状についてBWaveを変化させたときの騒音レベルをプロットしたものであり、BWave以外の撮像パラメータは固定している。
このグラフからわかるように、BWaveの変化に対し、騒音レベルの変化は単調ではない。一般にBWaveが大きいほど画質は向上するが、ある程度BWaveを犠牲にして騒音レベルを下げようとするとき、BWaveを変化させてみなければ騒音レベルの変化はわからない。従って操作者はBWaveをいくつか変化させて騒音レベルの変化の傾向をつかむか、例えば第一実施形態のMRI装置でBWaveを自動決定にして傾斜磁場パルス形状とそれに基づくパルスシーケンスを作成したときのBWaveを操作者が覚えておいてからBWaveを手動決定にしてやり直す等の操作が必要となり、手順が煩雑になる。
本実施形態のMRI装置では、このような騒音と撮像パラメータとの関係を予め求めて記憶装置172に保持しておき、操作者による撮像パラメータ設定の際に提示する。これにより操作者は例えばBWaveをどのように変化させればよいかを判断することができる。
MRI装置が提示する情報の形態としては、種々の形態を取ることができ、例えば、図24に示すようなグラフを表示装置173の撮像パラメータ設定画面に表示してもよいし、図25に示すような撮像パラメータ設定画面に騒音最小BWaveの表示ブロックを設け、騒音を最小化するBWaveの値を表示してもよい。なお騒音を最小化するBWaveは、図24に示すグラフの最小値であり、通常の最適化処理で求めることができる。騒音最小BWaveの値が表示されることにより、操作者は騒音を低減したいとき、騒音を最小にするBWaveに近づくようにBWaveを変化させていくだけでよい。また表示された値が騒音を最小にするBWaveの限界であることがわかる。
なお図24及び図25では、騒音レベルと関連する撮像パラメータとしてBWaveを例示したが、それ以外の撮像パラメータについても、騒音レベルの変化が撮像パラメータの変化に対し単調ではない撮像パラメータについては、同様に適用することができる。例えば図10に示すリフェーズ時間と騒音レベルとの関係も利用することができる。
また平均の受信バンド幅BWaveではなく、k空間中心における受信バンド幅BWk0でもよい。図26にBWk0と騒音レベルとの関係を示す。この関係も図24に示す関係と同様な手法で求めたものであり、BWk0の変化に対し騒音レベルの変化が単調ではない、即ち最小値を持つことがわかる。この関係のグラフ及び/又は最小値が表示装置173に表示される。
なお騒音について表示装置173に表示される情報としては、上述した騒音と撮像パラメータとの関係に基く情報の他に、例えば騒音レベル自体の数値、撮像パラメータを異ならせた場合の騒音レベル(最大値、最小値、それらの値を取る撮像パラメータ)や推奨撮像パラメータの組み合わせなど、種々の情報があり得る。これらの情報は、CPU171の騒音レベル算出部181や騒音レベル比較部182の機能により作成することが可能である。
本実施形態によれば、騒音を最小化する撮像パラメータ(例えば受信バンド幅)の値及び/又は騒音と撮像パラメータとの関係を表示装置173に示すことにより、撮像パラメータをどのように変化させればよいか、撮像パラメータの変化により騒音レベルがどの程度を減らせるか、などの情報を得ることができ、求められる画像の質や被写体の騒音に対する許容性を考慮して適切な撮像を行うことができる。
また、騒音レベル算出部181が算出した騒音レベルは、図27に示すように、騒音レベルを表示する表示ブロックを追加して表示しても良い。また、撮像パラメータの設定にあたり、変更前後のパラメータ、騒音レベルを比較しながら設定するために、図28に示すように、「アンドゥ」機能、「リドゥ」機能をつけてもよいし、図29に示すように、パラメータ設定画面を2画面用意し、両者を比較しながら設定し、最後に決定ボタンを押すことでどちらの撮像パラメータを採用するか決められるようにしてもよい。
このようなGUIを設けることにより、操作者は騒音レベルを考慮しながら、最適な撮像方法を選択し実行することができる。
本発明によれば、騒音を低減したMRI装置が提供される。また画質とトレードオフの関係にある騒音について操作者が画質を考慮した所望の騒音の撮像を実現しやすいMRI装置が提供される。
120・・・静磁場発生部、130・・・傾斜磁場発生部、140・・・シーケンサ、150・・・送信部、160・・・受信部、170・・・制御部(撮像制御部)、171・・・CPU、172・・・記憶装置、173・・・表示装置、180・・・パルスシーケンス作成部、181・・・騒音レベル算出部、182・・・騒音レベル比較部、183・・・表示制御部。

Claims (13)

  1. 磁気共鳴イメージング装置において騒音を最小にする傾斜磁場パルス形状を求める方法であって、
    傾斜磁場のスルーレートを満たすという条件及びパルス形状の対称性を満たすという条件のもと、装置固有の周波数応答特性と傾斜磁場波形の周波数スペクトルを用いて算出した時間平均の騒音レベルを最小化する形状の組み合わせを求め、前記傾斜磁場パルス形状とすることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の傾斜磁場パルス形状を求める方法であって、
    前記傾斜磁場パルスの形状が、傾斜磁場強度が常に正または負となる区間で変曲点を3以上持つ曲線で描出される形状であることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の傾斜磁場パルス形状を求める方法であって、
    前記傾斜磁場パルスの形状は、複数の微小長方形を所定の面積になるまで順次積み上げて形成された形状であり、微小長方形を積み上げて最終的な傾斜磁場パルス形状とするまでに形成される暫定的な形状が騒音を最小化する形状となるように前記暫定的な形状を更新することにより得られることを特徴とする方法
  4. 請求項1に記載の傾斜磁場パルス形状を求める方法であって、
    前記傾斜磁場パルスの波形は、形状パラメータで特定される複数の波形を組み合わせた形状であることを特徴とする方法
  5. 請求項4に記載の傾斜磁場パルス形状を求める方法であって、
    前記傾斜磁場パルスの波形は、形状パラメータで特定される複数の波形を組み合わせたモデルを初期値として、前記形状パラメータを変化させたときに得られる傾斜磁場パルス形状が騒音を最小化する形状となるように前記形状パラメータの更新を繰り返すことによって得られることを特徴とする方法
  6. 高周波磁場パルス及び傾斜磁場パルスの印加強度及びタイミングを記述したパルスシーケンスに従って高周波磁場パルス及び傾斜磁場パルスを印加する磁場印加部と、前記磁場印加部が印加した磁場により検査対象から発生する核磁気共鳴信号を受信する受信部と、前記騒音を最小化する形状を持つ傾斜磁場パルスを格納する記憶装置と、前記記憶装置に格納された傾斜磁場パルス形状を用いて前記パルスシーケンスを作成するパルスシーケンス作成部とを備え、
    前記記憶装置に格納された前記騒音を最小化する形状を持つ傾斜磁場パルス形状は、請求項1ないし5のいずれか一項記載の方法によって作成された傾斜磁場パルス形状であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記騒音を最小化する形状を持つ傾斜磁場パルスは、周波数エンコード傾斜磁場パルスであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記パルスシーケンス作成部は、入力装置を介して入力された撮像条件で決まる制限を追加して、前記騒音を最小化する形状を持つ傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスを作成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記騒音を最小化する受信バンド幅を表示装置に表示させる表示制御部をさらに備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記騒音を最小化する受信バンド幅と発生する騒音との関係を表示装置に表示させる表示制御部をさらに備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、騒音低減及び画質向上の優先度を選択させるUIを表示装置に表示させる表示制御部と、UIを介して選択された優先度に基き、撮像パラメータを制御する撮像制御部とをさらに備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項11に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、予め或いは入力装置を介して設定された撮像パラメータにおける騒音レベルを算出する騒音算出部をさらに備え、前記表示制御部は、前記騒音算出部が算出した結果を表示部に表示させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  13. 請求項12に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記表示制御部は第1の撮像パラメータについて算出した騒音レベルを、入力装置を介して変更された第2の撮像パラメータについて算出した騒音レベルとともに、表示装置に表示させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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