JP2017068980A - 電極板積層体の製造方法、及び電極板積層体製造システム - Google Patents

電極板積層体の製造方法、及び電極板積層体製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】正極板と負極板とのどちらであっても当該電極板を搬送しながら当該電極板の両面を検査でき、かつ、電極板の検査及び積層において当該電極板に衝撃が加わることを抑制でき、かつ、効率よく電極板を積層できる、電極板積層体の製造方法、及び電極板積層体製造システムを提供する。【解決手段】第1電極板積層体製造システム5においては、上流コンベア10に電極板1の下面を吸引しながら当該電極板の上面を検査し、上流コンベアと下流コンベア20とが対向した箇所である対向配置箇所FEPにおいて当該電極板を上流コンベアから下流コンベアに乗り移らせ、この後、下流コンベアに当該電極板の上面を吸引しながら当該電極板の下面を検査し、この後、当該電極板に欠陥が発見されなかった場合には、下流コンベアへの当該電極板の吸引を解除して当該電極板を積層パレット60内に落下させて当該電極板を積層する。【選択図】図1

Description

本発明は、電極板が積層された電極板積層体の製造方法、及び電極板積層体製造システムに関する。
近年では、正極板と負極板とを交互に積層した電極板積層体を有する二次電池の需要が高まっている。二次電池の製造においては、100枚以上もの正極板と負極板とを交互に積層しなければならない場合がある。また、正極板と負極板を交互に積層する製造工程の前工程として、正極板のみ、または負極板のみ、を積層してストックしておく場合もある。そして、正極板のみを積層する場合、負極板のみを積層する場合、正極板と負極板とを交互に積層する場合、いずれの場合であっても、これらを積層する前段階にて、正極板及び負極板の両面の状態を検査する必要がある。
特許文献1に記載の電極板積層体の製造方法では、上流コンベアと下流コンベアとを所定間隔をあけて直列に配置し、上流コンベア上に正極板を載せて搬送しながら正極板の上面に長尺状の第1セパレータシートを貼り付けている。そして上流コンベアと下流コンベアとの間では、第1セパレータシートをコンベアの代わりに使って正極板を搬送しながら、正極板の下面に長尺状の第2セパレータシートを貼り付けている。そして上流コンベアと下流コンベアとの間において、長尺状の第1セパレータシートと第2セパレータシートにて挟まれた正極板を、両セパレータシートにて搬送しながら、両セパレータシートの上下にそれぞれ配置された検査カメラを用いて当該電極板の上下両面を検査し、この後、当該電極板を下流コンベアへ載せている。下流コンベアに載せられた正極板は、カッター装置にて長尺状のセパレータシートが一枚ずつ正極板毎にカットされ、また、セパレータシートにて包まれた一枚ずつの正極板は、吸着ハンドを有する移載装置にて吸着されてトレイの位置まで運ばれてトレイ内に積層されている。
特開2012−160352号公報
特許文献1に記載の電極板積層体の製造方法では、電極板の上面と下面とを検査するために、電極板を包んだ長尺状のセパレータシートをコンベアの代用とすることが必須である。一般的には、正極板はセパレータシートに包まれているが、負極板はセパレータシートに包まれていない。したがって、特許文献1に記載の電極板積層体の製造方法を、負極板に適用することはできない。
セパレータシートに包まれていない負極板、あるいは長尺状のセパレータシートに包まれている状態から一枚ずつにカットされた後の正極板、の両面を検査して積層する方法として、図20に示す電極板積層システム300を用いた電極板の積層方法がある。この電極板積層システム300は、直列に配置された上流コンベア310と下流コンベア320と、両コンベア310,320の間に位置する反転ボックス330と、両コンベア310,320のそれぞれの上方に位置するカメラ340,350と、下流コンベア320の下流に配置された積層装置360と、を有する。両コンベア310,320の搬送面は同一高さに設定されている。反転ボックス330の内部は、図21に示すように、略矩形の電極板370を収容可能に開放された収容部332となっている。反転ボックス330は、収容部332の開放口332aが上流コンベア310の側を向いた状態から下流コンベア320の側を向いた状態となるように、180度回転可能である。
電極板積層システム300において、電極板370は、図20のステップZ1に示すように、上流コンベア310で搬送方向に搬送されつつ当該電極板370の一方の面をカメラ340にて検査される。なお、タブTaは搬送方向と直交する方向を向いている。この後、電極板370は、ステップZ2で示すように、反転ボックス330の収容部332(図21参照)に侵入する。電極板370の端面が収容部332の底壁332b(図21参照)に突き当たると、反転ボックス330は、図20の矢印Z3で示すように下流コンベア320の側に回転する。この回転によって、電極板370は上下の面を反転される。この後、電極板370は、図20のステップZ4に示すように、下流コンベア320の搬送面に載せられて、下流コンベア320にて搬送されつつ当該電極板370の他方の面がカメラ350で検査される。そして、電極板370は、図20のステップZ5に示すように、積層装置360のスライド面360aにて端面の側から落下され、積層ボックス360bに積層される。
図20の電極板積層システム300を用いた場合、電極板370が反転ボックス330の収容部332(図21参照)に侵入して電極板370の端面が収容部332の底壁332bに突き当たる際に、電極板370に衝撃が加わる。この衝撃で、電極板370は自身から活物質が剥離する恐れがある。また、図20の電極板積層システム300では、電極板370が積層ボックス360bに積層される際、電極板370は端面から落下する。そのため、電極板370はほぼ空気抵抗なく落下して積層ボックス360bに接地することとなり、この接地の際、電極板370には端面を通じて衝撃が加わる。この衝撃で、電極板370は、自身から活物質が剥離する恐れがある。
本発明の課題は、正極板と負極板とのどちらであっても当該電極板を搬送しながら当該電極板の両面を検査でき、かつ、電極板の検査及び積層において当該電極板に衝撃が加わることを抑制でき、かつ、効率よく電極板を積層できる、電極板積層体の製造方法、及び電極板積層体製造システムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の電極板積層体の製造方法、及び電極板積層体製造システムはつぎの手段をとる。
本発明の第1の発明は、金属箔の両面に活物質が塗工された電極板を搬送して積層する、電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法では、電極板の搬送方向に対して直列に配置された上流コンベア及び下流コンベアであって、電極板を上方に吸引しながら搬送可能な上流側搬送面を有する上流コンベア及び電極板を下方に吸引しながら搬送可能な下流側搬送面を有する下流コンベアであって、かつ上流側搬送面の下流側と下流側搬送面の上流側とが接触することなく近接されて搬送方向に沿って対向配置された上流コンベア及び下流コンベアと、下流側搬送面の下流側に配置された積層パレットと、を用いる。そして、電極板積層体の製造方法では、上流コンベアに、電極板を供給する電極板供給工程と、上流コンベアの上流側搬送面にて電極板の下面を吸引しながら搬送方向に電極板を搬送するとともに電極板の上面を検査しながら電極板を搬送する上面検査工程と、上面の検査を終えた電極板を、前記対向配置の個所において、電極板の上面を上にむけたまま、上流コンベアの上流側搬送面から下流コンベアの下流側搬送面へと乗り移らせる乗り移り工程と、下流コンベアの下流側搬送面にて電極板の上面を吸引しながら搬送方向に電極板を搬送するとともに電極板の下面を検査しながら電極板を搬送する下面検査工程と、下面の検査を終えて上面及び下面に欠陥が発見されなかった電極板が、積層パレットの上方となる正常品落下位置に達した際、下流側搬送面による電極板の吸引を解除して、電極板の下面を下に向けたまま、積層パレット内に電極板を落下させる正常電極板落下工程と、を有して積層パレット内にて複数の電極板を積層する。
上述の構成においては、上面検査工程にて、電極板の下面を上流側搬送面に吸引しながら電極板を搬送してその間に電極板の上面を検査し、下面検査工程にて、電極板の上面を下流側搬送面に吸引しながら電極板を搬送してその間に電極板の下面を検査している。したがって、特許文献1のように長尺状のセパレータシートをコンベアの代わりとして利用して電極板の両面を検査する場合と異なり、電極板が長尺状のセパレータで包まれているか否かに関わらず、電極板を搬送しながら電極板の両面を検査できる。したがって、長尺状のセパレータシートに包まれていない負極板や、長尺状のセパレータシートに包まれている状態から一枚ずつにカットされた後の正極板でも、搬送しながら、両面を検査できる。
また、上述の構成においては、乗り移り工程にて、電極板を、上面を上にむけたまま上流コンベアから下流コンベアへと乗り移らせる。したがって、図20,21に示す反転ボックス330を用いる場合と異なり、電極板に衝撃を与えることなく当該電極板を検査する面を変更できる。そのため、電極板の検査に際して、当該電極板に衝撃が加わって当該電極板から活物質が剥離することが抑制され、欠陥品となる電極板を削減できる。
また、上述の構成においては、正常電極板落下工程にて、吸引を解除された電極板は下面側から落下する。したがって、電極板は、端面から落下させた場合と異なり、当該電極板の下面に対する空気抵抗によって緩やかに落下する。そのため、電極板の積層に際して、当該電極板に衝撃が加わって当該電極板から活物質が剥離することが抑制され、電極板積層体の品質が向上する。
また、上述の構成においては、正常電極板落下工程にて、正常品の電極板を下流コンベアから次々と落下させて積層パレット内に積層することで、効率よく電極板を積層できる。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明に記載の電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法において、金属箔は、矩形状のベース部と、ベース部から一方向に突出したタブ部と、を有し、タブ部は、ベース部における搬送方向に向かう第1辺及び搬送方向の反対方向に向かう第2辺の双方とは異なる2辺の一方である第3辺から突出するように設けられ、活物質は、ベース部の両面に塗工されている。そして、電極板積層体の製造方法では、電極板における第3辺と対向する第4辺を基準辺として位置決めしながら上流コンベアに向けて電極板を搬送するとともに搬送方向に対して上流コンベアと直列となるように配置された位置決めコンベアを用い、電極板供給工程にて、位置決めコンベアから上流コンベアの上流側搬送面に電極板を乗り移らせて電極板を上流コンベアに供給する際、タイミング調整手段を用いて電極板を上流コンベアに乗り移らせるタイミングを調整する。
この構成においては、位置決めコンベアによって電極板の搬送位置を位置決めでき、タイミング調整手段によって電極板の供給タイミングを調整できる。そのため、上流コンベア及び下流コンベアにおいて各電極板を一定の搬送位置にて一定の間隔で搬送できる。したがって、電極板の検査及び積層の効率が向上する。
本発明の第3の発明は、上記第1または第2の発明に記載の電極板積層体の製造方法であって、上面検査工程、あるいは下面検査工程、の少なくとも一方にて欠陥が発見された場合は、欠陥が発見された電極板が、下流コンベアの下流側搬送面にて搬送されて正常品落下位置とは異なる位置に設定された欠陥品落下位置に達した際、下流側搬送面による電極板の吸引を解除して、欠陥が発見された電極板を落下させる欠陥電極板落下工程を有する。
この構成においては、欠陥が発見された電極板を、正常品落下位置とは異なる位置に設定された欠陥品落下位置にて落下させるため、積層パレットに積層される電極板に欠陥のある電極板が混ざることがない。
本発明の第4の発明は、上記第1または第2の発明に記載の電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法において、金属箔には、種類の異なる第1金属箔と第2金属箔とがある。活物質には、種類の異なる第1活物質と第2活物質とがある。電極板には、第1金属箔の両面に第1活物質が塗工された電極板の両面が薄膜状のセパレータにて覆われた正極板と、第2金属箔の両面に第2活物質が塗工された負極板とがある。そして、電極板積層体の製造方法では、電極板供給工程にて、正極板と負極板とを交互に供給し、正常電極板落下工程にて、積層パレット内に正極板と負極板とを交互に積層する。
この構成においては、正極板と負極板とを交互に供給することで、効率よく電極板積層体を製造できる。
本発明の第5の発明は、上記第3の発明に記載の電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法において、金属箔には、種類の異なる第1金属箔と第2金属箔とがある。活物質には、種類の異なる第1活物質と第2活物質とがある。電極板には、第1金属箔の両面に第1活物質が塗工された電極板の両面が薄膜状のセパレータにて覆われた正極板と、第2金属箔の両面に第2活物質が塗工された負極板とがある。そして、電極板積層体の製造方法では、電極板供給工程にて、正極板と負極板とを交互に供給する。また、欠陥電極板落下工程において、欠陥品落下位置にて、欠陥が発見された正極板または負極板を落下させる場合、当該欠陥電極板落下工程においては、次に搬送されてきた負極板または正極板であって下流コンベアの下流側搬送面にて搬送される負極板または正極板を、欠陥の有無にかかわらず、正常品落下位置とは異なる位置において下流側搬送面による電極板の吸引を解除して落下させることで、欠陥が発見された電極板を含む連続した偶数枚の電極板で構成される欠陥グループを、正常品落下位置とは異なる位置にて落下させる。これによって、正常電極板落下工程では、積層パレット内にて正極板と負極板とを交互に積層する。
この構成においては、欠陥が発見された電極板のつぎに搬送される電極板を正常品落下位置とは異なる位置にて落下させるため、正極板と負極板とを交互に供給するにもかかわらず、正負の順番を乱すことなく正極板と負極板とを交互に積層パレット内に積層できる。
本発明の第6の発明は、上記第5の発明に記載の電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法では、欠陥品落下位置にて落下された、欠陥が発見された正極板と、欠陥が発見された負極板と、を回収する欠陥品パレットと、欠陥グループに属した正極板であるとともに欠陥が発見されなかったにもかかわらず正常品落下位置及び欠陥品落下位置とは異なる正極板回収位置にて落下される正極板を回収する正極板回収パレットと、欠陥グループに属した負極板であるとともに欠陥が発見されなかったにもかかわらず正常品落下位置及び欠陥品落下位置及び正極板回収位置とは異なる負極板回収位置にて落下される負極板を回収する負極板回収パレットと、を用いる。そして、電極板積層体の製造方法では、欠陥電極板落下工程において、欠陥が発見された正極板または欠陥が発見された負極板が、欠陥品落下位置に達した場合は、下流側搬送面による当該正極板または当該負極板の吸引を解除して欠陥品パレット内に落下させ、欠陥グループに属した正極板であるとともに欠陥が発見されなかった正極板が、正極板回収位置に達した場合は、下流側搬送面による当該正極板の吸引を解除して正極板回収パレット内に落下させ、欠陥グループに属した負極板であるとともに欠陥が発見されなかった負極板が、負極板回収位置に達した場合は、下流側搬送面による当該負極板の吸引を解除して負極板回収パレット内に落下させる。
この構成においては、欠陥グループに属した電極板であって、欠陥が発見されなかった電極板を、極性ごとに個別の回収パレットに落下させるため、これら欠陥が発見されなかった電極板を極性ごとに個別に回収して再利用できる。
本発明の第7の発明は、上記第1または第2の発明に記載の電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法において、金属箔には、種類の異なる第1金属箔と第2金属箔とがある。活物質には、種類の異なる第1活物質と第2活物質とがある。電極板には、第1金属箔の両面に第1活物質が塗工された電極板の両面が薄膜状のセパレータにて覆われた正極板と、第2金属箔の両面に第2活物質が塗工された負極板とがある。上流コンベアには、正極板用の正極上流コンベアと、負極板用の負極上流コンベアとがある。下流コンベアには、正極板用の正極下流コンベアと、負極板用の負極下流コンベアとがある。正極上流コンベアと正極下流コンベアとは直列に配置され、負極上流コンベアと負極下流コンベアとは直列に配置されている。そして、電極板積層体の製造方法では、電極板供給工程にて、正極上流コンベアの上流側搬送面に正極板を供給し、負極上流コンベアの上流側搬送面に負極板を供給する。また、上面検査工程にて、正極上流コンベアの上流側搬送面にて搬送される正極板の上面を検査し、負極上流コンベアの上流側搬送面にて搬送される負極板の上面を検査する。また、乗り移り工程にて、正極板を正極上流コンベアの上流側搬送面から正極下流コンベアの下流側搬送面に乗り移らせ、負極板を負極上流コンベアの上流側搬送面から負極下流コンベアの下流側搬送面に乗り移らせる。また、下面検査工程にて、正極下流コンベアの下流側搬送面にて搬送される正極板の下面を検査し、負極下流コンベアの下流側搬送面にて搬送される負極板の下面を検査する。そして、正常電極板落下工程にて、積層パレットを、正極下流コンベアの正常品落下位置となる正極正常品落下位置と、負極下流コンベアの正常品落下位置となる負極正常品落下位置と、の間で移動させ、積層パレット内にて正極板と負極板とを交互に積層する。
この構成においては、正極板用と負極板用のそれぞれの搬送レーンを設けるとともに、積層パレットを各搬送レーンのそれぞれの正常品落下位置の間で移動可能とすることで、正極板と負極板とを同一の搬送レーンではなく、それぞれ個別の搬送レーンで搬送できる。したがって、正極板と負極板とを同一の搬送レーンにて交互に並べる手間が省ける。
本発明の第8の発明は、上記第7の発明に記載の電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法においては、上面検査工程あるいは下面検査工程の少なくとも一方にて欠陥が発見された、正極板と負極板と、を回収するとともに、正極下流コンベアの下流側搬送面の位置であって正極正常品落下位置とは異なる位置に設定された正極欠陥品落下位置と、負極下流コンベアの下流側搬送面の位置であって負極正常品落下位置とは異なる位置に設定された負極欠陥品落下位置と、の間で移動可能な欠陥品パレットを用いる。そして、電極板積層体の製造方法においては、欠陥が発見された正極板が、正極下流コンベアの下流側搬送面にて搬送されて正極欠陥品落下位置に達した際、正極下流コンベアの下流側搬送面による正極板の吸引を解除して、正極欠陥品落下位置の下方に移動させた欠陥品パレット内に欠陥が発見された前記正極板を落下させ、欠陥が発見された負極板が、負極下流コンベアの下流側搬送面にて搬送されて負極欠陥品落下位置に達した際、負極下流コンベアの下流側搬送面による負極板の吸引を解除して、負極欠陥品落下位置の下方に移動させた欠陥品パレット内に欠陥が発見された負極板を落下させる、欠陥電極板落下工程を有する。
この構成では、正極板と負極板とを個別の搬送レーンで搬送する場合において、各搬送レーンで個別に欠陥品パレットを設けるのではなく、一つの欠陥品パレットを各搬送レーンのそれぞれの欠陥品落下位置の間で移動可能とすることで、欠陥品パレットを共通化して、設備品の増加を回避できる。
本発明の第9の発明は、上記第8の発明に記載の電極板積層体の製造方法である。この電極板積層体の製造方法においては、上面検査工程及び下面検査工程にて欠陥が発見されなかった正極板であるとともに正極下流コンベアの下流側搬送面の位置であって正極正常品落下位置及び正極欠陥品落下位置とは異なる正極板回収位置にて落下される正極板を回収する正極板回収パレットと、上面検査工程及び下面検査工程にて欠陥が発見されなかった負極板であるとともに負極下流コンベアの下流側搬送面の位置であって負極正常品落下位置及び負極欠陥品落下位置とは異なる負極板回収位置にて落下される負極板を回収する負極板回収パレットと、を用いる。そして、電極板供給工程では、搬送グループとなる一対の正極板と負極板とを、それぞれの上流コンベアに次々と供給する。また、欠陥電極板落下工程では、対となる負極板に欠陥が発見された搬送グループの正極板であるとともに欠陥が発見されなかった正極板が正極板回収位置に達した場合は、正極下流コンベアの下流側搬送面による当該正極板の吸引を解除して当該正極板を正極板回収パレット内に落下させ、対となる正極板に欠陥が発見された搬送グループの負極板であるとともに欠陥が発見されなかった負極板が負極板回収位置に達した場合は、負極下流コンベアの下流側搬送面による当該負極板の吸引を解除して当該負極板を前記負極板回収パレット内に落下させる。
この構成においては、欠陥が発見された電極板と対で搬送される、他の搬送レーンの電極板であって、欠陥が発見されなかった電極板を、搬送レーンごとに個別の回収パレットにて落下させるため、欠陥が発見されなかった電極板を極性ごとに個別に回収して再利用できる。
本発明の第10の発明は、金属箔の両面に活物質が塗工された電極板を搬送して積層する、電極板積層体製造システムである。この電極板積層体製造システムは、上方に向けられて電極板を搬送可能な上流側搬送面を備えた上流コンベアと、電極板の搬送方向に対して上流コンベアの下流側に直列に配置された下流コンベアであって、下方に向けられて電極板を搬送可能かつ上流側が上流側搬送面の下流側と接触することなく近接されて対向配置された下流側搬送面、を備えた前記下流コンベアと、上流コンベアの上流側搬送面に電極板を吸引する上流側吸引装置と、下流コンベアの下流側搬送面に電極板を吸引する下流側吸引装置と、下流側搬送面の下流側に配置されているとともに下流側搬送面に設定された正常品落下位置の下方に配置されて複数の電極板を積層可能な積層パレットと、上流側搬送面の上方に設けられて電極板の上面の撮像画像を作成する上方撮像装置と、下流側搬送面の下方に設けられて電極板の下面の撮像画像を作成する下方撮像装置と、上流側吸引装置による吸引を行いながら上方撮像装置からの撮像画像に基づいて電極板の上面の検査を行い、下流側吸引装置による吸引を行いながら下方撮像装置からの撮像画像に基づいて電極板の下面の検査を行い、電極板の上面及び下面の検査で欠陥が発見されなかった電極板である正常品電極板が正常品落下位置に達した際、下流側吸引装置による当該正常品電極板の吸引を解除して、当該正常品電極板を積層パレット内に落下させて積層する、制御装置と、を有する。
この構成においては、上流コンベアの上流側搬送面に電極板の下面を吸引しながら当該電極板を搬送するとともに当該電極板の上面を検査し、上流側コンベアと下流側コンベアとが対向した箇所において当該電極板をその上面を上に向けたまま上流側コンベアから下流側コンベアに乗り移らせ、この後、下流コンベアの下流側搬送面に当該電極板の上面を吸引しながら当該電極板を搬送するとともに当該電極板の下面を検査し、この後、当該電極板に欠陥が発見されなかった場合には、下流コンベアの下流側搬送面への当該電極板の吸引を解除して当該電極板をその下面を下に向けたまま積層パレット内に落下させて当該電極板を積層することができる。
したがって、電極板は、上流側搬送面にて下面を吸引されながら搬送されつつ上面を検査され、また、電極板は、下流側搬送面にて上面を吸引されながら搬送されつつ下面を検査されることで、当該電極板は、特許文献1とは異なり長尺状のセパレータで包まれているか否かに関わらず、搬送されつつ両面が検査される。
また、電極板は、その上面を上に向けたまま上流側コンベアから下流側コンベアに乗り移ることで、当該電極板は、衝撃を与えられることなく検査する面が変更される。そのため、電極板の検査に際して、当該電極板に衝撃が加わって当該電極板から活物質が剥離することが抑制され、欠陥品となる電極板が削減される。
また、下流コンベアの下流側搬送面から落下される際の電極板は、その下面を下に向けたまま積層パレット内に落下する。したがって、電極板は、端面から落下する場合と異なり、当該電極板の下面に対する空気抵抗によって緩やかに落下する。そのため、電極板の積層に際して、当該電極板に衝撃が加わって当該電極板から活物質が剥離することが抑制され、電極板積層体の品質が向上する。
また、欠陥が発見されなかった電極板は、下流コンベアから次々と落下されて積層パレット内に積層されることで、効率的に積層パレット内に積層される。
第1電極板積層体製造システムの側面図。 第1電極板積層体製造システムの上面図。 上流コンベア及び下流コンベアを構成する無端ベルトの上面図。 上流側吸引装置及び下流側吸引装置の吸引機能の説明図。 電極板の積層パレット内への落下を説明する側面図。 電極板の斜視図。 正常電極板落下工程の説明図。 欠陥電極板落下工程の第1具体例の説明図。 欠陥電極板落下工程の第1具体例の説明図。 欠陥電極板落下工程の第2具体例の説明図。 欠陥電極板落下工程の第2具体例の説明図。 欠陥電極板落下工程の第2具体例の説明図。 第2電極板積層体製造システムの側面図。 第2電極板積層体製造システムにおける欠陥電極板落下工程及び正常電極板落下工程の例の説明図。 第3電極板積層体製造システムの上面図。 第4電極板積層体製造システムの側面図。 第4電極板積層体製造システムにおける欠陥電極板落下工程及び正常電極板落下工程の例の説明図。 第4電極板積層体製造システムにおける欠陥電極板落下工程及び正常電極板落下工程の例の説明図。 第5電極板積層体製造システムの上面図。 従来の電極板積層システムの概略図。 従来の電極板積層システムにおける反転ボックスの斜視図。
●[第1電極板積層体製造システム5の構成(図1〜6)]
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。図1に示す第1電極板積層体製造システム5は、電極板1を一方向の搬送方向Mに搬送するとともに、複数枚の電極板1を積層して電極板積層体4を製造するシステムである。図1で示す例において、電極板積層体4は、正極板1Aと負極板1Bとを交互に積層して構成されている。なお、正極板1Aと負極板1Bとを総称するときは電極板1として説明する。
電極板1は、図6に示すように、金属箔2の両面に活物質3が塗工されて構成されている。金属箔2は、矩形状のベース部2aと、ベース部2aから一方向に突出したタブ部Tと、を有する。ベース部2aにおいて、電極板1の搬送方向Mとなる辺は、第1辺1aに設定されている。また、ベース部2aにおいて、搬送方向Mとは反対方向を向いた辺は、第2辺1bに設定されている。タブ部Tは、ベース部2aにおける、第1辺1aと第2辺1bとは異なる2辺の一方である第3辺1cから突出するように設けられている。ベース部2aにおける残りの一辺は、第4辺1dに設定されている。ベース部2aの第1辺〜第4辺1a,1b,1c,1dは、電極板1の第1辺〜第4辺1a,1b,1c,1dでもある。
金属箔2には、種類の異なる第1金属箔(例えばアルミニウム箔)と第2金属箔(例えば銅箔)とがある。また、活物質3には、種類の異なる第1活物質(例えばリチウム含有金属酸化物)と第2活物質(例えば炭素)とがある。そして、電極板1には、第1金属箔のベース部の両面に第1活物質が塗工された正極板1Aと、第2金属箔のベース部の両面に第2活物質が塗工された負極板1Bとがある。正極板1Aの両面は薄膜状のセパレータ(図示省略)で覆われている。なお、図1,2においては、正極板1Aを白色で、負極板1Bを黒色で表している。
第1電極板積層体製造システム5は、図1に示すように、上流コンベア10と、下流コンベア20と、位置決めコンベア30と、上流側吸引装置40と、下流側吸引装置50と、積層パレット60と、欠陥品パレット62と、正極回収パレット64と、負極回収パレット66と、上方撮像装置70と、下方撮像装置80と、制御装置90と、を有する。なお、図2に示すように、上流コンベア10と、下流コンベア20と、位置決めコンベア30と、は搬送方向Mに対して直列に配置されて、一つながりの搬送レーン7を構成している。
上流コンベア10は、図1に示すように、搬送方向Mの上流端と下流端とにそれぞれ設けられたローラRに無端ベルトBが架けられて構成されている。上流コンベア10は、電極板1を上方に吸引しながら搬送方向Mに搬送可能な上流側搬送面12を有する。この上流側搬送面12は、無端ベルトBの外周面で構成されている。なお、上流側搬送面12への電極板1の吸引は、後述の上流側吸引装置40によって実現されている。上流側搬送面12は、一定の高さにて搬送方向Mに延びている。上流側搬送面12において、後述の対向配置箇所FEPよりも上流側の所定位置には、上面検査位置12aが設定されている。なお、無端ベルトBは、例えばスチールベルトである。無端ベルトBは、図3に示すように、複数の孔部BHを有する。各孔部BHは、無端ベルトBを厚み方向に貫通している。各孔部BHは円形状である。
上流側吸引装置40は、図1に示すように、上流コンベア10を構成する無端ベルトBの内周空間に配置されている。上流側吸引装置40は、上流コンベア10の上流側搬送面12に電極板1を吸引でき、またその吸引を解除できる。上流側吸引装置40の吸引機能を用いることで、上流コンベア10は、電極板1の下面を上流側搬送面12に吸引しながら当該電極板1を搬送方向Mに搬送できる。なお、電極板1は、無端ベルトBのメッシュ構造(図3参照)を通じて、上流側搬送面12に吸引される。上流側吸引装置40の吸引機能のオンオフは、後述の制御装置90で制御される。
上流側吸引装置40は、図1に示すように、搬送方向Mに関して、複数の上流吸引ユニット42に分かれている。各上流吸引ユニット42は、図4に示すように、個別に電極板1の吸引をオンオフできる。なお、図4は、図1に示す第1電極板積層体製造システム5から上流側吸引装置40及び下流側吸引装置50のみを抜き出した図である。
下流コンベア20は、図1,2に示すように、上流コンベア10に対して搬送方向Mの下流側に設けられている。下流コンベア20は、搬送方向Mの上流端と下流端とにそれぞれ設けられたローラRに無端ベルトBが架けられて構成されている。無端ベルトBの構成は、上流コンベア10の無端ベルトBと同一であり、例えばスチールベルトであるとともに複数の孔部BHを有する。下流コンベア20は、電極板1を下方に吸引しながら搬送方向Mに搬送可能な下流側搬送面22を有する。この下流側搬送面22は、無端ベルトBの外周面で構成されている。なお、下流側搬送面22への電極板1の吸引は、後述の下流側吸引装置50によって実現されている。下流側搬送面22は、一定の高さにて搬送方向Mに延びている。
下流側搬送面22は、上流コンベア10の上流側搬送面12よりも上方に位置している。そして、下流側搬送面22の上流側部分と、上流側搬送面12の下流側部分とは、搬送方向Mにオーバーラップして設けられて、互いに対向配置されている。図1,2では、上流側搬送面12と下流側搬送面22とが対向配置された箇所を、対向配置箇所FEPとして示している。対向配置箇所FEPにおいては、上流側搬送面12と下流側搬送面22とが接触することなく互いに近接されている。
下流側搬送面22において、対向配置箇所FEPよりも下流側の所定位置には、下面検査位置22aが設定されている(図1参照)。また、下流側搬送面22において、下面検査位置22aよりも下流側には、負極板回収位置22bと、正極板回収位置22cと、欠陥品落下位置22dと、正常品落下位置22eと、が搬送方向Mに順に設定されている。つまり、負極板回収位置22bと、正極板回収位置22cと、欠陥品落下位置22dと、正常品落下位置22eと、は搬送方向Mに互いに異なる位置に設定されている。なお、これらの各位置22b,22c,22d,22eの並び順は、本実施の形態の順序に限定されず、任意の順序で並べてよい。
下流側吸引装置50は、図1に示すように、下流コンベア20を構成する無端ベルトBの内周空間に配置されている。下流側吸引装置50は、下流コンベア20の下流側搬送面22に電極板1を吸引でき、またその吸引を解除できる。下流側吸引装置50の吸引機能を用いることで、下流コンベア20は、電極板1の上面を下流側搬送面22に吸引しながら当該電極板1を搬送方向Mに搬送できる。なお、電極板1は、無端ベルトBのメッシュ構造(図3参照)を通じて、下流側搬送面22に吸引される。下流側吸引装置50の吸引機能のオンオフは、後述の制御装置90で制御される。
下流側吸引装置50は、図1に示すように、搬送方向Mに関して、複数の下流吸引ユニット52に分かれている。下流側吸引装置50は、詳細には、対向配置箇所FEPと、下面検査位置22aと、負極板回収位置22bと、正極板回収位置22cと、欠陥品落下位置22dと、正常品落下位置22eと、のそれぞれに対応して複数の下流吸引ユニット52に分かれている。各下流吸引ユニット52は、図4に示すように、個別に電極板1の吸引をオンオフできる。
位置決めコンベア30は、図1,2に示すように、上流コンベア10に対して搬送方向Mの上流側に設けられ、かつ、上流コンベア10に対して直列となるように配置されている。位置決めコンベア30は、上流コンベア10に電極板1を供給するコンベアである。位置決めコンベア30は、本体32と、位置決め体34と、を有する。なお、図1では、位置決め体34が省略されている。
本体32は、搬送方向Mに直列に並んだ複数の搬送ローラRLを有する。各搬送ローラRLは、一定の高さである位置決めコンベア高さにて、電極板1を搬送方向Mに搬送する。位置決めコンベア高さは、上流コンベア10の上流側搬送面12の高さと一致している。なお、各搬送ローラRLは、図2に示すように、位置決め体34の側の端面が、位置決め体34と反対側の端面よりも搬送方向Mの上流側に位置するように角度θを有して傾斜している。この傾斜によって、各搬送ローラRLは、電極板1を搬送方向Mに搬送しつつ、電極板1を位置決め体34の側に寄せることができる。
位置決め体34は、図2に示すように、本体32と並列で設けられている。位置決め体34は、上下方向に直立した2つのローラ34aに、無端ベルト34bを巻きつけて構成されている。無端ベルト34bは、例えばスチールベルトである。位置決め体34は、本体32に対向する対向面34cを有する。対向面34cは、無端ベルト34bの外周面で構成され、搬送方向Mに移動しながら電極板1の第4辺1dを位置決めする。
位置決めコンベア30は、自身と上流コンベア10との間に、タイミング調整ストッパ36(タイミング調整手段)を有する。タイミング調整ストッパ36は、板状に構成されて、上下方向に移動可能である。そして、タイミング調整ストッパ36は、位置決めコンベア30から上流コンベア10の上流側搬送面12に電極板1を乗り移らせる際のタイミングを調整する。タイミング調整ストッパ36は、電極板1を上流コンベア10に供給するタイミングでないときには、上流コンベア10と位置決めコンベア30との間を遮る遮断位置(図1の実線参照)にある。一方、タイミング調整ストッパ36は、電極板1を供給するタイミングになったとき、図1の仮想線で示すように、遮断位置から下方へ動いて、位置決めコンベア30から上流コンベア10への電極板1の供給を可能にする。なお、タイミング調整ストッパ36の上下移動は、制御装置90によって制御される。
上方撮像装置70は、図1に示すように、上流コンベア10の上方に設けられている。詳細には、上方撮像装置70は、上流側搬送面12の上面検査位置12aの上方に設けられている。上方撮像装置70は、搬送方向Mに搬送される電極板1の上面を撮像して、当該上面の撮像画像を作成し、作成した撮像画像を制御装置90に出力する。なお、図2では上方撮像装置70が省略されている。
下方撮像装置80は、図1に示すように、下流コンベア20の下方に設けられている。詳細には、下方撮像装置80は、下流側搬送面22の下面検査位置22aの下方に設けられている。下方撮像装置80は、搬送方向Mに搬送される電極板1の下面を撮像して、当該下面の撮像画像を作成し、作成した撮像画像を制御装置90に出力する。なお、図2では下方撮像装置80が省略されている。
負極回収パレット66は、図1に示すように、下流コンベア20の下方に設けられている。詳細には、負極回収パレット66は、下流側搬送面22の負極板回収位置22bの下方に設けられている。負極回収パレット66は、上方に開放された例えば箱型であり、負極板回収位置22bにて落下される負極板1Bを回収可能である。なお、負極板回収位置22bでは、後述する欠陥グループに属す負極板1Bであって後述の各検査工程S3,S5にて欠陥が発見されなかった負極板1Bが落下される。
正極回収パレット64は、図1に示すように、下流コンベア20の下方に設けられている。詳細には、正極回収パレット64は、下流側搬送面22の正極板回収位置22cの下方に設けられている。正極回収パレット64は、上方に開放された例えば箱型であり、正極板回収位置22cにて落下される正極板1Aを回収可能である。なお、正極板回収位置22cでは、後述する欠陥グループに属す正極板1Aであって後述の各検査工程S3,S5にて欠陥が発見されなかった正極板1Aが落下される。
欠陥品パレット62は、図1に示すように、下流コンベア20の下方に設けられている。詳細には、欠陥品パレット62は、下流側搬送面22の欠陥品落下位置22dの下方に設けられている。欠陥品パレット62は、上方に開放された例えば箱型であり、欠陥品落下位置22dにて落下される電極板1を回収可能である。なお、欠陥品落下位置22dでは、後述の各検査工程S3,S5にて欠陥が発見された電極板1が落下される。
積層パレット60は、図1に示すように、下流コンベア20の下方に設けられている。詳細には、積層パレット60は、下流側搬送面22における下流側の位置である正常品落下位置22eの下方に設けられている。積層パレット60は、上方に開放された例えば箱型であり、正常品落下位置22eにて落下される正極板1A及び負極板1Bを積層可能である。なお、正常品落下位置22eでは、後述する欠陥グループに属さない電極板1であり、かつ、後述の各検査工程S3,S5にて欠陥が発見されなかった電極板1が落下される。
各パレット60,62,64,66の下流側の立壁には、図1に示すように、ガイド板Gが設けられている。ガイド板Gは、各パレット60,62,64,66の下流側の立壁を上方に延長させるように設けられている。ガイド板Gの機能を、積層パレット60を例として説明する(図5参照)。図5に示すように、搬送中の電極板1が下流コンベア20の下流側搬送面22から落下されると、当該電極板1は、図5の矢印Y1で示すように、慣性によって搬送方向Mへ動きつつ下方へ落下する。そして、電極板1は、ガイド板Gに当たって、図5の矢印Y2,Y3で示すように積層パレット60内に落下する。各パレット60,62,64,66において、ガイド板Gは同様に機能して、各パレット60,62,64,66内への電極板1の落下を補助する。
制御装置90は、各コンベア10,20,30の搬送動作を制御している。また、制御装置90は、上方撮像装置70からの撮像画像に基づいて、電極板1の上面の検査を行う。また、制御装置90は、下方撮像装置80からの撮像画像に基づいて、電極板1の下面の検査を行う。電極板1の検査とは、活物質3の剥離、タブ部T(図6参照)やセパレータのしわよりや折れ、異物の付着、各搬送面12,22上での電極板1の配置位置や姿勢、などの検査である。
制御装置90は、上流側吸引装置40における各上流吸引ユニット42の吸引機能のオンオフを行う。なお、制御装置90は、第1電極板積層体製造システム5の動作中に亘って、全ての各上流吸引ユニット42の吸引機能をオンに設定している。
制御装置90は、下流側吸引装置50における各下流吸引ユニット52の吸引機能のオンオフを行う。なお、制御装置90は、第1電極板積層体製造システム5の動作開始時において、全ての各下流吸引ユニット52の吸引機能はオンに設定している。そして、制御装置90は、電極板1の検査結果に応じて、負極板回収位置22bと、正極板回収位置22cと、欠陥品落下位置22dと、正常品落下位置22eと、のいずれかの位置の吸引機能をオフにして、電極板1を下流側搬送面22から落下させる(後述参照)。制御装置90は、電極板1を落下させた後、オフにした下流吸引ユニット52の吸引機能を再びオンに戻す。
●[第1電極板積層体製造システム5による電極板積層体の製造方法(図1〜12)]
つづいて、第1電極板積層体製造システム5を用いた、電極板積層体4の製造方法について説明する。この電極板積層体4の製造方法は、後述する位置決め工程S1、電極板供給工程S2、上面検査工程S3、乗り移り工程S4、下面検査工程S5、欠陥電極板落下工程S6、正常電極板落下工程S7の各工程を有する。なお、図1,2において、各工程を示す符号には下線を付している。本実施の形態において、位置決めコンベア30には、正極板1Aと負極板1Bとが交互に供給されている。
図1,2に示す位置決め工程S1にて、位置決めコンベア30は、電極板1の第4辺1dを基準辺として電極板1を位置決めしながら当該電極板1を搬送方向Mに搬送する。
この後、電極板供給工程S2にて、位置決めコンベア30から上流コンベア10に電極板1が次々と供給される。位置決めコンベア30から上流コンベア10に電極板1を乗り移らせるタイミングは、タイミング調整ストッパ36によって調整されている。なお、電極板1は、正極板1Aと負極板1Bとが交互に上流コンベア10に供給されている。
電極板供給工程S2の後、上面検査工程S3が行われる。上面検査工程S3では、電極板1が上流コンベア10の上流側搬送面12に吸引されながら搬送方向Mに搬送されるとともに、当該電極板1の上面が検査される。この検査においては、既に説明したとおり、上方撮像装置70が電極板1の撮像画像を作成し、その撮像画像に基づいて、制御装置90が電極板1を検査する。
この後、電極板1は、対向配置箇所FEPにて、上流コンベア10の上流側搬送面12から下流コンベア20の下流側搬送面22へと乗り移る。この乗り移り工程S4において、電極板1はその上面を上に向けたまま上流側搬送面12から下流側搬送面22へと乗り移る。
乗り移り工程S4の後、下面検査工程S5が行われる。下面検査工程S5では、電極板1が下流コンベア20の下流側搬送面22に吸引されながら搬送方向Mに搬送されるとともに、当該電極板1の下面が検査される。この検査においては、既に説明したとおり、下方撮像装置80が電極板1の撮像画像を作成し、その撮像画像に基づいて、制御装置90が電極板1を検査する。
この後、欠陥電極板落下工程S6または正常電極板落下工程S7にて、電極板1が4つのパレット60,62,64,66のいずれかに落下される。なお、下面検査工程S5を終えた時点にて、電極板1は、後述する欠陥グループに属するか否か、及び、自身の欠陥の有無に基づいて、いずれのパレットに落下されるかが、制御装置90によって決定される。
まず、正常電極板落下工程S7について、図7を用いて説明する。なお、図7では、第1電極板積層体製造システム5を概略的に表しており、下流側吸引装置50、下流側搬送面22、各電極板1、及び各パレット60,62,64,66以外は省略されている。正常電極板落下工程S7は、上述のとおり、上面検査工程S3と下面検査工程S5とのいずれでも欠陥が発見されなかった電極板1であって、かつ、後述の欠陥グループに属さない電極板1に関して実施される。この種の正常な電極板1が、図7に示すように、正常品落下位置22eに達した際、制御装置90は、正常品落下位置22eの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、下流側搬送面22への電極板1の吸引を解除し、積層パレット60内に電極板1を落下させる。この工程が、正常電極板落下工程S7である。なお、下流側搬送面22から落下される際の電極板1は、下面を下に向けたまま、積層パレット60に落下される。
つぎに、欠陥電極板落下工程S6(図1参照)について説明する。欠陥電極板落下工程S6は、上面検査工程S3と下面検査工程S5との少なくとも一方にて電極板1に欠陥が発見された場合に実施され、詳細には、制御装置90は、欠陥が発見された電極板1を欠陥品落下位置22dにて落下させるとともに、欠陥が発見された電極板1の次に搬送されてきた電極板1を、欠陥の有無にかかわらず、正常品落下位置22eとは異なる位置に落下させる。欠陥が発見された電極板1の次に搬送されてきた電極板1に欠陥が有る場合、当該電極板1は、欠陥品落下位置22dに落下される。また、欠陥が発見された電極板1の次に搬送されてきた電極板1に欠陥が無い場合、当該電極板1は、極性に応じた各回収位置22b,22cにて落下される。なお、欠陥電極板落下工程S6における電極板1の落下は、欠陥が発見された電極板1と同じ極性の正常な電極板1が搬送されるまで継続される。例えば正極板1Aに欠陥が発見された場合には、当該欠陥が発見された正極板1Aから、つぎの正常な正極板1Aまでの間(詳細には、つぎの正常な正極板1Aの一つ手前まで)の偶数枚の電極板1が落下される。負極板1Bに欠陥が発見された場合には、当該欠陥が発見された負極板1Bから、つぎの正常な負極板1Bまでの間(詳細には、つぎの正常な負極板1Bの一つ手前まで)の偶数枚の電極板1が落下される。こうして、欠陥が発見された電極板1を含む連続した偶数枚の電極板1で構成される欠陥グループを正常品落下位置22eとは異なる位置で落下させることで、当該正常品落下位置22eでは、上述の正常電極板落下工程S7にて、正常な正極板1Aと負極板1Bとを交互に落下させることができる。以下、欠陥電極板落下工程S6の具体的な例を図8〜12によって説明する。なお、図8〜12では、第1電極板積層体製造システム5を概略的に表しており、下流側吸引装置50、下流側搬送面22、各電極板1、及び各パレット60,62,64,66以外は省略されている。
まず、欠陥電極板落下工程S6の第1具体例を、図8,9によって説明する。図8は時刻t=A1における各電極板1の搬送状態を、図9は、時刻t=A1につづく時刻t=A2における各電極板1の搬送状態を表している。なお、図8,9において、符号[1]〜[3]は1〜3番目の電極板であることを示している。
各電極板1は、下方撮像装置80による検査が終了した時点で、制御装置90によって、つぎの4つのタイプに判定される。1つ目のタイプは、正常品であって積層パレット60に積層されるタイプであり、このタイプを以下では[OK(s)]と記す。2つ目のタイプは、欠陥が発見されたタイプであり、このタイプを以下では[NG]と記す。3つ目のタイプは、正常品であって正極回収パレット64にて回収されるタイプであり、このタイプを以下では[OK(p)]と記す。4つ目のタイプは、正常品であって負極回収パレット66にて回収されるタイプであり、このタイプを以下では[OK(m)]と記す。なお、各撮像装置70,80は、タブの位置やセパレータの有無によって電極板の正負を判断できる。
第1具体例において、正極板1A[1]は[OK(s)]と判定されている。正極板1A[2]は[NG]と判定されている。正極板1A[3]は[OK(s)]と判定されている。負極板1B[1]は[OK(s)]と判定されている。負極板1B[2]は[OK(m)]と判定されている。
上述したとおり、第1具体例においては、正極板1A[2]が[NG]と判定されている。そして、この正極板1A[2]のつぎに搬送されてくる正常な正極板は、正極板1A[3]である。この場合、正極板1A[2]から、正極板1A[3]の一つ手前までの各電極板、つまり、正極板1A[2]と負極板1B[2]との2つ(偶数枚)の電極板が欠陥グループKGR1を構成する。
第1具体例においては、図8に示すように、負極板1B[2]が、負極板回収位置22bに達した際、制御装置90は、負極板回収位置22bの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、下流側搬送面22への当該負極板1B[2]の吸引を解除し、当該負極板1B[2]を負極回収パレット66内に落下させる。この後、図9に示すように、正極板1A[2]が欠陥品落下位置22dに達した際、制御装置90は、欠陥品落下位置22dの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、下流側搬送面22への当該正極板1A[2]の吸引を解除し、当該正極板1A[2]を欠陥品パレット62内に落下させる。なお、図8,9に示す両時刻t=A1,t=A2において、正常品落下位置22eでは、順次、正常な電極板1(この場合、[OK(s)]と判定された正極板1A[1]及び負極板1B[1])が下流側搬送面22から落下されて積層パレット60内に積層されている(正常電極板落下工程S7)。
欠陥電極板落下工程S6の第2具体例を、図10〜12によって説明する。図10は時刻t=B1における各電極板1の搬送状態を、図11は、時刻t=B1につづく時刻t=B2における各電極板1の搬送状態を、図12は、時刻t=B2につづく時刻t=B3における各電極板1の搬送状態を表している。
第2具体例において、正極板1A[1]は[OK(s)]と判定されている。正極板1A[2]は[NG]と判定されている。正極板1A[3]は[OK(p)]と判定されている。負極板1B[1]は[NG]と判定されている。負極板1B[2]は[NG]と判定されている。負極板1B[3]は、t=B2(図11参照)にて下方撮像装置80による検査が終了した時点で、[OK(s)]と判定されている。
上述したように、第2具体例においては、負極板1B[1]が[NG]と判定されている。そして、負極板1B[1]のつぎに搬送されてくる正常な負極板は、負極板1B[3]である。この場合、負極板1B[1]から、負極板1B[3]の一つ手前までの各電極板、つまり、負極板1B[1]、正極板1A[2]、負極板1B[2]、正極板1A[3]、の4枚(偶数枚)の電極板1が欠陥グループKGR2を構成する。
第2具体例においては、図10に示すように、負極板1B[1]が欠陥品落下位置22dに達した際、制御装置90は、欠陥品落下位置22dの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、当該負極板1B[1]を欠陥品パレット62内に落下させる。この後、図11に示すように、正極板1A[2]が欠陥品落下位置22dに達した際、制御装置90は、欠陥品落下位置22dの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、当該正極板1A[2]を欠陥品パレット62内に落下させる。この後、図12に示すように、負極板1B[2]が欠陥品落下位置22dに達した際、制御装置90は、欠陥品落下位置22dの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、当該負極板1B[2]を欠陥品パレット62内に落下させる。また、正極板1A[3]が、正極板回収位置22cに達した際、制御装置90は、正極板回収位置22cの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、当該正極板1A[3]を正極回収パレット64内に落下させる。この後、負極板1B[3]が正常品落下位置22eに達した際には、当該負極板1B[3]が下流側搬送面22から落下されて積層パレット60内に積層される(正常電極板落下工程S7)。
第1電極板積層体製造システム5及び、当該第1電極板積層体製造システム5による電極板積層体の製造方法は以上のように構成されている。上述の構成においては、上面検査工程S3にて、電極板1の下面を上流コンベア10の上流側搬送面12に吸引しながら電極板1を搬送してその間に電極板1の上面を検査し、下面検査工程S5にて、電極板1の上面を下流コンベア20の下流側搬送面22に吸引しながら電極板1を搬送してその間に電極板1の下面を検査している。したがって、特許文献1のように長尺状のセパレータシートをコンベアの代わりとして利用して電極板の両面を検査する場合と異なり、電極板1が長尺状のセパレータで包まれているか否かに関わらず、電極板1を搬送しながら電極板1の両面を検査できる。したがって、長尺状のセパレータシートに包まれていない負極板1Bや、長尺状のセパレータシートに包まれている状態から一枚ずつにカットされた後の正極板1Aを、搬送しながら、両面を検査できる。
上述の構成においては、乗り移り工程S4にて、電極板1を、上面を上にむけたまま上流コンベア10から下流コンベア20へと乗り移らせる。したがって、図20,21に示す反転ボックス330を用いる場合と異なり、電極板1に衝撃を与えることなく電極板1を検査する面を変更できる。そのため、電極板1の検査に際して、電極板1に衝撃が加わって電極板1から活物質が剥離することが抑制され、欠陥品となる電極板1を削減できる。
上述の構成においては、正常電極板落下工程S7にて、吸引を解除された電極板1は下面側から落下する。したがって、電極板1は、端面から落下する場合と異なり、当該電極板1の下面に対する空気抵抗によって緩やかに落下する。そのため、電極板1の積層に際して、電極板1に衝撃が加わって電極板1から活物質が剥離することが抑制され、電極板積層体4の品質が向上する。
上述の構成においては、正常品落下位置22eにて、正常品の電極板1を下流コンベア20の下流側搬送面22から次々と落下させて積層パレット60内に積層することで、効率よく電極板1を積層できる。
上述の構成においては、位置決めコンベア30によって電極板1の搬送位置を位置決めでき、かつ、タイミング調整ストッパ36によって電極板1の供給タイミングを調整できる。そのため、上流コンベア10及び下流コンベア20において各電極板1を一定の搬送位置にて一定の間隔で搬送できる。したがって、電極板1の検査及び積層の効率が向上する。
上述の構成においては、欠陥が発見された電極板1を、正常品落下位置22eとは異なる位置に設定された欠陥品落下位置22dにて落下させるため、積層パレット60に積層される電極板1に欠陥のある電極板1が混ざることがない。
上述の構成においては、欠陥が発見された電極板1を含んだ(欠陥が発見された電極板1を先頭とする)偶数枚の電極板1で構成される欠陥グループを正常品落下位置22eとは異なる位置で落下させるため、正極板1Aと負極板1Bとを交互に供給するにもかかわらず、正負の順番を乱すことなく正極板1Aと負極板1Bとを交互に積層パレット60内に積層できる。
上述の構成においては、欠陥グループに属した電極板1であって、欠陥が発見されなかった電極板1を、極性ごとに個別の回収パレットに落下させるため、これら欠陥が発見されなかった電極板1を極性ごとに個別に回収して再利用できる。
なお、第1電極板積層体製造システム5において、正極板1Aのみを次々と搬送し、正常品の正極板1Aを積層パレット60に積層して電極板積層体を作製してもよい。この場合の電極板積層体は、正極板1Aのみで構成された正極板1Aのストックである。また、第1電極板積層体製造システム5において、負極板1Bのみを次々と搬送し、正常品の負極板1Bを積層パレット60に積層して電極板積層体を作製してもよい。この場合の電極板積層体は、負極板1Bのみで構成された負極板1Bのストックである。
以上は本発明を実施するための一実施の形態を図面に関連して説明したが、本発明は他の実施の形態でも実施可能である。その変更例を以下に説明する。なお、以下では、主として、第1電極板積層体製造システム5と異なる部分を説明する。また、図13〜19において、図1〜12と同一もしくは実質同一な構成・機能を有すると考えられる部分には、図1〜12と同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。
●[第2電極板積層体製造システム101の構成と、第2電極板積層体製造システム101を用いた電極板積層体の製造方法(図13,14)]
図13に示す第2電極板積層体製造システム101は、正極板1Aと負極板1Bとを2枚ずつ交互に搬送するように構成されている。この第2電極板積層体製造システム101においては、下流側搬送面22の下流側部分に、正常電極板落下位置22eを搬送方向Mに並べて2箇所設けるとともに、各正常電極板落下位置22eの下方にそれぞれ積層パレット60を配置している。これによって、正常電極板落下工程S7では、2つの電極板積層体4を並行して製造できる。なお、図13では、欠陥電極板落下工程S6、及び、図1に示した欠陥品落下位置22d、正極板回収位置22c、負極板回収位置22b、がそれぞれ省略され、また、負極回収パレット66、正極回収パレット64、欠陥品パレット62が省略されている。
第2電極板積層体製造システム101においては、各積層パレット60からガイド板G(図1参照)を廃止するとともに、正常電極板落下工程S7にて下流コンベア20及び下流側吸引装置50をつぎのように制御するように制御装置90が設定されている。つまり、制御装置90は、正常な電極板1が正常品落下位置22eに達した際、下流コンベア20を一旦止めるとともに、各正常品落下位置22eの下流吸引ユニット52の吸引機能をそれぞれオフにして、下流側搬送面22への各電極板1の吸引を解除し、各積層パレット60内に電極板1を落下させる。この場合、電極板1は、搬送方向Mへの慣性力を受けることなく真下に落下して積層パレット60内に積層される。
なお、第2電極板積層体製造システム101を用いた、電極板積層体の製造方法においては、2枚ずつの正極板または2枚ずつの負極板を1セットとして電極板が搬送及び積層される。そして、電極板は、セットごとに、欠陥グループに属するか否かが決定され、欠陥電極板落下工程S6または正常電極板落下工程S7が実施される。以下、図14を用いて、欠陥電極板落下工程S6及び正常電極板落下工程S7の具体例を説明する。なお、図14では、搬送中の電極板のみを概略的に表している。図14において、符号[1x]〜[2x]及び[1y]〜[2y]は1〜2番目の電極板であることを示しており、付帯文字「x」「y」は、2枚ずつ搬送される正極板もしくは負極板の先頭側と後尾側とをそれぞれ示している。
図14の例において、正極板1A[1x]及び正極板1A[1y]は、[OK(s)]と判定されている。負極板1B[1x]及び負極板1B[1y]は、それぞれ[OK(m)]及び[NG]と判定されている。正極板1A[2x]及び正極板1A[2y]は、ともに[OK(p)]と判定されている。負極板1B[2x]及び負極板1B[2y]は、ともに[OK(s)]と判定されている。そして、この図14の例においては、負極板1B[1x]、負極板1B[1y]、正極板1A[2x]、正極板1A[2y]の4枚の電極板が、欠陥グループKGR3を構成する。
この場合、[OK(s)]と判定された正極板1A[1x]及び正極板1A[1y]は、それぞれ積層パレット60内に落下される(正常電極板落下工程S7)。また、[OK(s)]と判定された負極板1B[1x]及び負極板1B[1y]も、それぞれ積層パレット60内に落下される(正常電極板落下工程S7)。[OK(m)]と判定された負極板1B[1x]は、負極回収パレット(図13,14において図示省略)内に落下される(欠陥電極板落下工程S6)。[NG]と判定された負極板1B[1y]は、欠陥品パレット(図13,14において図示省略)内に落下される(欠陥電極板落下工程S6)。[OK(p)]と判定された正極板1A[2x]及び正極板1A[2y]は、正極回収パレット(図13,14において図示省略)内に落下される(欠陥電極板落下工程S6)。
●[第3電極板積層体製造システム102の構成と、第3電極板積層体製造システム102を用いた電極板積層体の製造方法(図15)]
図15に示す第3電極板積層体製造システム102は、第2電極板積層体製造システム101(図13参照)を幅方向(搬送方向Mに直交する方向)に拡張させて、電極板1を並列で搬送及び積層するように構成されている。つまり、第3電極板積層体製造システム102では、位置決めコンベア30を2つ並列に設けるとともに、両位置決めコンベア30に対応させて、上流コンベア10と下流コンベア20との幅を、それぞれ広げている。そして、各位置決めコンベア30に対応する2つの搬送レーン102A,102Bを形成している。なお、上流吸引ユニット42及び下流吸引ユニット52は、各搬送レーン102A,102Bに対応させて、幅方向の中央で2つに分割されている。また、図1で示した上方撮像装置70及び下方撮像装置80は、各搬送レーン102A,102Bのそれぞれに設置されている。なお、図15では、上方撮像装置70及び下方撮像装置80が省略されている。また、図15では、欠陥電極板落下工程S6、及び、図1に示した欠陥品落下位置22d、正極板回収位置22c、負極板回収位置22b、がそれぞれ省略され、また、積層パレット60以外の各パレットが省略されている。
第3電極板積層体製造システム102では、各搬送レーン102A,102Bのそれぞれにおける下流側部分に2箇所ずつ、正常電極板落下位置22eを設けている。そして、各正常電極板落下位置22eの下方に各々、積層パレット60を配置している。したがって、積層パレット60の数は、第2電極板積層体製造システム101から倍増されて計4個になっている。各搬送レーン102A,102Bのそれぞれで、正極板1Aと負極板1Bとを2枚ずつ交互に搬送することで、4つの電極板積層体4(図1参照)を並行して製造できる。
●[第4電極板積層体製造システム103の構成(図16)]
図16に示す第4電極板積層体製造システム103は、正極板用の正極搬送レーン103Aと、負極板用の負極搬送レーン103Bと、を個別に有して、個々の搬送レーン103A,103Bにて正極板1Aと負極板1Bとをそれぞれ搬送するように構成されている。つまり、上流コンベアには、正極板用の正極上流コンベア10Aと、負極板用の負極上流コンベア10Bと、がある。また、下流コンベアには、正極板用の正極下流コンベア20Aと、負極板用の負極下流コンベア20Bと、がある。また、位置決めコンベアには、正極板用の正極位置決めコンベア30Aと、負極板用の負極位置決めコンベア30Bと、がある。そして、正極位置決めコンベア30Aと正極上流コンベア10Aと正極下流コンベア20Aとが直列で配置されて正極搬送レーン103Aが構成されている。また、負極位置決めコンベア30Bと負極上流コンベア10Bと負極下流コンベア20Bとが直列で配置されて負極搬送レーン103Bが構成されている。なお、正極搬送レーン103Aと負極搬送レーン103Bとは、図16に示すように、直列に配置されている。そして、正極搬送レーン103Aの搬送方向である正極搬送方向M1と、負極搬送レーン103Bの搬送方向である負極搬送方向M2と、は互いに向かい合っている。
正極下流コンベア20Aの下流側搬送面22Aには、正極板回収位置22cと、正極欠陥品落下位置22dAと、正極正常品落下位置22eAと、が正極搬送方向M1の上流側から順に設けられている。また、負極下流コンベア20Bの下流側搬送面22Bには、負極板回収位置22bと、負極欠陥品落下位置22dBと、負極正常品落下位置22eBと、が負極搬送方向M2の上流側から順に設けられている。そして、これらの各位置22b,22c,22dA,22dB,22eA,22eBの下方に、各パレット61,62,64,66が既に説明したそれぞれの用途に応じて配置されている。なお、積層パレット61は、正極正常品落下位置22eAの下方と、負極正常品落下位置22eBの下方と、の間を移動可能であるとともに、当該積層パレット61の内部に正極板1Aと負極板1Bとを交互に積層可能である。欠陥品パレット62は、各欠陥品落下位置22dA,22dBの下方に個別に設けられている。図16において、符号12Aは正極上流コンベア10Aの上流側搬送面を指している。符号12Bは負極上流コンベア10Bの上流側搬送面を指している。
積層パレット61における正極搬送方向M1(負極搬送方向M2)の上流側と下流側との両立壁には、ガイド板Gが設けられている。両立壁にガイド板Gが設けられることで、正極正常品落下位置22eAと負極正常品落下位置22eBとのそれぞれで、ガイド板Gは、電極板1の積層パレット61内への落下を図5で説明したように補助できる。
●[第4電極板積層体製造システム103による電極板積層体の製造方法(図16〜18)]
第4電極板積層体製造システム103を用いた、電極板積層体4の製造方法について説明する。この電極板積層体4の製造方法おいては、各搬送レーン103A,103Bのそれぞれにて、位置決め工程S1,電極板供給工程S2,上面検査工程S3,乗り移り工程S4,下面検査工程S5が順に行われ、この後さらに、後述する欠陥電極板落下工程S6aまたは正常電極板落下工程S7aが行われる。なお、電極板供給工程S2では、搬送グループとなる一対の正極板1Aと負極板1Bとが、交互のタイミングで各上流コンベア10A,10Bに供給される。
正常電極板落下工程S7aについて説明する(図16参照)。正常電極板落下工程S7aは、搬送グループを構成する正負の電極板1のいずれにも欠陥が発見されなかった場合に当該搬送グループの両電極板1を対象に行われ、制御装置90は、正極板1Aを正極正常品落下位置22eAにて落下させ、負極板1Bを負極正常品落下位置22eBにて落下させる。なお、正極板1A及び負極板1Bは、電極板供給工程S2にてそれぞれ交互のタイミングで供給されるのに対応して、交互のタイミングで落下される。そして、この交互のタイミングでの正極板1A及び負極板1Bの落下に対応して、積層パレット61が、正極正常品落下位置22eAの下方と負極正常品落下位置22eBの下方との間を交互に移動して、当該積層パレット61の内部に正極板1A及び負極板1Bを交互に積層する。正常電極板落下工程S7aの具体例は、後で図17,18を用いて説明する。
つぎに、欠陥電極板落下工程S6aについて説明する(図16参照)。欠陥電極板落下工程S6aは、搬送グループを構成する正負の電極板1のいずれか一方に欠陥が発見された場合に、当該搬送グループの両電極板1を対象に行われる。欠陥電極板落下工程S6が実施される搬送グループを、以下では、欠陥グループと記す。
欠陥電極板落下工程S6aでは、制御装置90が、欠陥グループの両電極板1を、各搬送レーン103A,103Bのそれぞれの正常品落下位置22eA,22eBとは異なる位置で落下させる。詳細には、制御装置90は、欠陥グループの正極板1Aであって、欠陥が発見されなかった正極板1Aを、正極板回収位置22cにて落下させる。また、制御装置90は、欠陥グループの負極板1Bであって、欠陥が発見されなかった負極板1Bを、負極板回収位置22bにて落下させる。また、制御装置90は、欠陥グループの電極板1であって、欠陥が発見された電極板1を、各欠陥品落下位置22dA,22dBにて落下させる。こうして制御装置90が、欠陥グループの両電極板1を、両正常品落下位置22eA,22eBとは異なる位置に落下させることで、両正常品落下位置22eA,22eBでは、上述の正常電極板落下工程S7aにて、正常な正極板1A及び正常な負極板1Bのみを落下させることができる。
欠陥電極板落下工程S6a及び正常電極板落下工程S7aの具体例を、図17,18によって説明する。なお、図17,18では、第4電極板積層体製造システム103を概略的に表しており、下流側吸引装置50、下流側搬送面22A,22B、正極板1A、負極板1B、及び各パレット61,62,64,66以外は省略されている。図17は、時刻t=C1における各電極板1の搬送状態を、図18は、時刻t=C1につづく時刻t=C2における各電極板1の搬送状態を表している。
図17,18に示す例においては、正極板1A[1]と負極板1B[1]とが搬送グループ1であり、正極板1A[2]と負極板1B[2]とが搬送グループ2である。搬送グループ1の電極板である、正極板1A[1]及び負極板1B[1]は、ともに[OK(s)]と判定されている。したがって、正極板1A[1]及び負極板1B[1]は、正常電極板落下工程S7aにまわされる(後述参照)。搬送グループ2の電極板である、正極板1A[2]及び負極板1B[2]は、前者が[NG]と判定され、後者が[OK(m)]と判定されている。したがって、搬送グループ2は、欠陥グループであり、欠陥電極板落下工程S6aにまわされる。
図17,18に示す例においては、正極板1A[1]が正極正常品落下位置22eAに達した際(図17参照)、制御装置90は、正極正常品落下位置22eAの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、下流側搬送面22Aへの正極板1A[1]の吸引を解除し、積層パレット61内に正極板1A[1]を落下させる(正常電極板落下工程S7a)。この後、制御装置90は、図18に示すように、積層パレット61を負極正常品落下位置22eBの下方に移動させる。また、制御装置90は、負極板1B[1]が、図18に示すように、負極正常品落下位置22eBに達した際、負極正常品落下位置22eBの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、下流側搬送面22Bへの負極板1B[1]の吸引を解除し、積層パレット61内に負極板1B[1]を落下させる(正常電極板落下工程S7a)。この後、制御装置90は、積層パレット61を正極正常品落下位置22eAの下方に移動させる。こうして積層パレット61を正極正常品落下位置22eAの下方と負極正常品落下位置22eBの下方との間を交互に移動させることで、積層パレット61内に正極板1Aと負極板1Bとを交互に積層できる。
また、図17,18に示す例においては、正極板1A[2]が正極欠陥品落下位置22dAに達した際(図18参照)、制御装置90は、正極欠陥品落下位置22dAの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、下流側搬送面22への正極板1A[2]の吸引を解除し、欠陥品パレット62内に正極板1A[2]を落下させる(欠陥電極板落下工程S6a)。また、負極板1B[2]が、図18に示すように、負極板回収位置22bに達した際、制御装置90は、負極板回収位置22bの下流吸引ユニット52の吸引機能をオフにして、下流側搬送面22への負極板1B[2]の吸引を解除し、負極回収パレット66内に負極板1B[2]を落下させる(欠陥電極板落下工程S6a)。
図16〜18に示した第4電極板積層体製造システム103の構成においては、正極板用と負極板用のそれぞれの搬送レーン103A,103Bを設けるとともに、積層パレット61を各搬送レーン103A,103Bのそれぞれの正常品落下位置22eA,22eBの間で移動可能とすることで、正極板1Aと負極板1Bとを同一の搬送レーンではなく、それぞれ個別の搬送レーン103A,103Bで搬送できる。したがって、正極板1Aと負極板1Bとを同一の搬送レーンにて交互に並べる手間が省ける。
また、図16〜18に示した第4電極板積層体製造システム103の構成においては、欠陥が発見された電極板1と対で搬送される、他の搬送レーンの電極板1であって、欠陥が発見されなかった電極板1を、搬送レーンごとに個別の回収パレットに落下させるため、欠陥が発見されなかった電極板1を極性ごとに個別に回収して再利用できる。
●[第5電極板積層体製造システム104の構成(図19)]
図19に示す第5電極板積層体製造システム104のように、正極板用の正極搬送レーン104Aと、負極板用の負極搬送レーン104Bと、を並列に配置してもよい。そして、正極板1Aと負極板1Bとを同一の搬送方向Mに搬送するとともに、積層パレット61を幅方向(搬送方向Mと直交する方向)に移動させて、当該積層パレット61内に正極板1Aと負極板1Bとを交互に積層してもよい。
第5電極板積層体製造システム104においては、欠陥品パレット63が、正極欠陥品落下位置22dAの下方と、負極欠陥品落下位置22dBの下方と、の間を移動可能である。そして、欠陥品パレット63は、欠陥電極板落下工程S6aにて両欠陥品落下位置22dA,22dBにて落下される、欠陥が発見された正極板1Aと、欠陥が発見された負極板1Bと、を回収する。なお、図19において図16と同一もしくは実質同一な構成・機能を有すると考えられる部分には、図16と同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。図19では、図1で示した両撮像装置70,80が省略されている。
第5電極板積層体製造システム104の構成においては、正極板1Aと負極板1Bとを個別の搬送レーン104A,104Bで搬送する場合において、一つの欠陥品パレット63を各搬送レーン104A,104Bのそれぞれの欠陥品落下位置22dA,22dBの間で移動可能とすることで、欠陥品パレット63を共通化して、設備品の増加を回避できる。
1 電極板
1A 正極板
1B 負極板
1a 第1辺
1b 第2辺
1c 第3辺
1d 第4辺
2 金属箔
2a ベース部
3 活物質
4 電極板積層体
5 第1電極板積層体製造システム
7,102A,102B 搬送レーン
10 上流コンベア
10A 正極上流コンベア
10B 負極上流コンベア
12,12A 上流側搬送面
12a 上面検査位置
20 下流コンベア
20A 正極下流コンベア
20B 負極下流コンベア
22,22A 下流側搬送面
22a 下面検査位置
22b 負極板回収位置
22c 正極板回収位置
22d 欠陥品落下位置
22dA 正極欠陥品落下位置
22dB 負極欠陥品落下位置
22e 正常品落下位置
22eA 正極正常品落下位置
22eB 負極正常品落下位置
30 位置決めコンベア
30A 正極位置決めコンベア
30B 負極位置決めコンベア
36 タイミング調整ストッパ
40 上流側吸引装置
42 上流吸引ユニット
50 下流側吸引装置
52 下流吸引ユニット
60,61 積層パレット
62,63 欠陥品パレット
64 正極回収パレット
66 負極回収パレット
70 上方撮像装置
80 下方撮像装置
90 制御装置
101 第2電極板積層体製造システム
102 第3電極板積層体製造システム
103 第4電極板積層体製造システム
104 第5電極板積層体製造システム
103A,104A 正極搬送レーン
103B,104B 負極搬送レーン
FEP 対向配置箇所
KGR1, KGR2,KGR3 欠陥グループ
M 搬送方向
M1 正極搬送方向
M2 負極搬送方向
S1 位置決め工程
S2 電極板供給工程
S3 上面検査工程
S4 乗り移り工程
S5 下面検査工程
S6,S6a 欠陥電極板落下工程
S7,S7a 正常電極板落下工程
T タブ部


Claims (10)

  1. 金属箔の両面に活物質が塗工された電極板を搬送して積層する、電極板積層体の製造方法であって、
    前記電極板の搬送方向に対して直列に配置された上流コンベア及び下流コンベアであって、前記電極板を上方に吸引しながら搬送可能な上流側搬送面を有する前記上流コンベア及び前記電極板を下方に吸引しながら搬送可能な下流側搬送面を有する前記下流コンベアであって、かつ前記上流側搬送面の下流側と前記下流側搬送面の上流側とが接触することなく近接されて前記搬送方向に沿って対向配置された前記上流コンベア及び前記下流コンベアと、前記下流側搬送面の下流側に配置された積層パレットと、を用い、
    前記上流コンベアに、前記電極板を供給する電極板供給工程と、
    前記上流コンベアの前記上流側搬送面にて前記電極板の下面を吸引しながら前記搬送方向に前記電極板を搬送するとともに前記電極板の上面を検査しながら前記電極板を搬送する上面検査工程と、
    前記上面の検査を終えた前記電極板を、前記対向配置の個所において、前記電極板の上面を上にむけたまま、前記上流コンベアの前記上流側搬送面から前記下流コンベアの前記下流側搬送面へと乗り移らせる乗り移り工程と、
    前記下流コンベアの前記下流側搬送面にて前記電極板の上面を吸引しながら前記搬送方向に前記電極板を搬送するとともに前記電極板の下面を検査しながら前記電極板を搬送する下面検査工程と、
    前記下面の検査を終えて前記上面及び前記下面に欠陥が発見されなかった前記電極板が、前記積層パレットの上方となる正常品落下位置に達した際、前記下流側搬送面による前記電極板の吸引を解除して、前記電極板の下面を下に向けたまま、前記積層パレット内に前記電極板を落下させる正常電極板落下工程と、を有して前記積層パレット内にて複数の前記電極板を積層する、
    電極板積層体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記金属箔は、矩形状のベース部と、前記ベース部から一方向に突出したタブ部と、を有し、前記タブ部は、前記ベース部における前記搬送方向に向かう第1辺及び前記搬送方向の反対方向に向かう第2辺の双方とは異なる2辺の一方である第3辺から突出するように設けられ、
    前記活物質は、前記ベース部の両面に塗工されており、
    前記電極板における前記第3辺と対向する第4辺を基準辺として位置決めしながら前記上流コンベアに向けて前記電極板を搬送するとともに前記搬送方向に対して前記上流コンベアと直列となるように配置された位置決めコンベアを用い、
    前記電極板供給工程にて、前記位置決めコンベアから前記上流コンベアの前記上流側搬送面に前記電極板を乗り移らせて前記電極板を前記上流コンベアに供給する際、タイミング調整手段を用いて前記電極板を前記上流コンベアに乗り移らせるタイミングを調整する、
    電極板積層体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記上面検査工程、あるいは前記下面検査工程、の少なくとも一方にて欠陥が発見された場合は、前記欠陥が発見された前記電極板が、前記下流コンベアの前記下流側搬送面にて搬送されて前記正常品落下位置とは異なる位置に設定された欠陥品落下位置に達した際、前記下流側搬送面による前記電極板の吸引を解除して、前記欠陥が発見された前記電極板を落下させる欠陥電極板落下工程を有する、
    電極板積層体の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記金属箔には、種類の異なる第1金属箔と第2金属箔とがあり、
    前記活物質には、種類の異なる第1活物質と第2活物質とがあり、
    前記電極板には、前記第1金属箔の両面に前記第1活物質が塗工された電極板の両面が薄膜状のセパレータにて覆われた正極板と、前記第2金属箔の両面に前記第2活物質が塗工された負極板とがあり、
    前記電極板供給工程にて、前記正極板と前記負極板とを交互に供給し、
    前記正常電極板落下工程にて、前記積層パレット内に前記正極板と前記負極板とを交互に積層する、
    電極板積層体の製造方法。
  5. 請求項3に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記金属箔には、種類の異なる第1金属箔と第2金属箔とがあり、
    前記活物質には、種類の異なる第1活物質と第2活物質とがあり、
    前記電極板には、前記第1金属箔の両面に前記第1活物質が塗工された電極板の両面が薄膜状のセパレータにて覆われた正極板と、前記第2金属箔の両面に前記第2活物質が塗工された負極板とがあり、
    前記電極板供給工程にて、前記正極板と前記負極板とを交互に供給し、
    前記欠陥電極板落下工程において、前記欠陥品落下位置にて、前記欠陥が発見された前記正極板または前記負極板を落下させる場合、当該欠陥電極板落下工程においては、次に搬送されてきた前記負極板または前記正極板であって前記下流コンベアの前記下流側搬送面にて搬送される前記負極板または前記正極板を、欠陥の有無にかかわらず、前記正常品落下位置とは異なる位置において前記下流側搬送面による前記電極板の吸引を解除して落下させることで、前記欠陥が発見された前記電極板を含む連続した偶数枚の前記電極板で構成される欠陥グループを、前記正常品落下位置とは異なる位置にて落下させ、
    前記正常電極板落下工程では、前記積層パレット内にて前記正極板と前記負極板とを交互に積層する、
    電極板積層体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記欠陥品落下位置にて落下された、前記欠陥が発見された前記正極板と、前記欠陥が発見された前記負極板と、を回収する欠陥品パレットと、
    前記欠陥グループに属した前記正極板であるとともに前記欠陥が発見されなかったにもかかわらず前記正常品落下位置及び前記欠陥品落下位置とは異なる正極板回収位置にて落下される前記正極板を回収する正極板回収パレットと、
    前記欠陥グループに属した前記負極板であるとともに前記欠陥が発見されなかったにもかかわらず前記正常品落下位置及び前記欠陥品落下位置及び前記正極板回収位置とは異なる負極板回収位置にて落下される前記負極板を回収する負極板回収パレットと、を用い、
    前記欠陥電極板落下工程において、
    前記欠陥が発見された前記正極板または前記欠陥が発見された前記負極板が、前記欠陥品落下位置に達した場合は、前記下流側搬送面による当該正極板または当該負極板の吸引を解除して前記欠陥品パレット内に落下させ、
    前記欠陥グループに属した前記正極板であるとともに前記欠陥が発見されなかった前記正極板が、前記正極板回収位置に達した場合は、前記下流側搬送面による当該正極板の吸引を解除して前記正極板回収パレット内に落下させ、
    前記欠陥グループに属した前記負極板であるとともに前記欠陥が発見されなかった前記負極板が、前記負極板回収位置に達した場合は、前記下流側搬送面による当該負極板の吸引を解除して前記負極板回収パレット内に落下させる、
    電極板積層体の製造方法。
  7. 請求項1または2に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記金属箔には、種類の異なる第1金属箔と第2金属箔とがあり、
    前記活物質には、種類の異なる第1活物質と第2活物質とがあり、
    前記電極板には、前記第1金属箔の両面に前記第1活物質が塗工された電極板の両面が薄膜状のセパレータにて覆われた正極板と、前記第2金属箔の両面に前記第2活物質が塗工された負極板とがあり、
    前記上流コンベアには、前記正極板用の正極上流コンベアと、前記負極板用の負極上流コンベアとがあり、
    前記下流コンベアには、前記正極板用の正極下流コンベアと、前記負極板用の負極下流コンベアとがあり、
    前記正極上流コンベアと前記正極下流コンベアとが直列に配置され、前記負極上流コンベアと前記負極下流コンベアとが直列に配置され、
    前記電極板供給工程にて、前記正極上流コンベアの前記上流側搬送面に前記正極板を供給し、前記負極上流コンベアの前記上流側搬送面に前記負極板を供給し、
    前記上面検査工程にて、前記正極上流コンベアの前記上流側搬送面にて搬送される前記正極板の上面を検査し、前記負極上流コンベアの前記上流側搬送面にて搬送される前記負極板の上面を検査し、
    前記乗り移り工程にて、前記正極板を前記正極上流コンベアの前記上流側搬送面から前記正極下流コンベアの前記下流側搬送面に乗り移らせ、前記負極板を前記負極上流コンベアの前記上流側搬送面から前記負極下流コンベアの前記下流側搬送面に乗り移らせ、
    前記下面検査工程にて、前記正極下流コンベアの前記下流側搬送面にて搬送される前記正極板の下面を検査し、前記負極下流コンベアの前記下流側搬送面にて搬送される前記負極板の下面を検査し、
    前記正常電極板落下工程にて、前記積層パレットを、前記正極下流コンベアの前記正常品落下位置となる正極正常品落下位置と、前記負極下流コンベアの前記正常品落下位置となる負極正常品落下位置と、の間で移動させ、
    前記積層パレット内にて前記正極板と前記負極板とを交互に積層する、
    電極板積層体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記上面検査工程あるいは前記下面検査工程の少なくとも一方にて欠陥が発見された、前記正極板と前記負極板と、を回収するとともに、前記正極下流コンベアの前記下流側搬送面の位置であって前記正極正常品落下位置とは異なる位置に設定された正極欠陥品落下位置と、前記負極下流コンベアの前記下流側搬送面の位置であって前記負極正常品落下位置とは異なる位置に設定された負極欠陥品落下位置と、の間で移動可能な欠陥品パレットを用い、
    前記欠陥が発見された前記正極板が、前記正極下流コンベアの前記下流側搬送面にて搬送されて前記正極欠陥品落下位置に達した際、前記正極下流コンベアの前記下流側搬送面による前記正極板の吸引を解除して、前記正極欠陥品落下位置の下方に移動させた前記欠陥品パレット内に前記欠陥が発見された前記正極板を落下させ、
    前記欠陥が発見された前記負極板が、前記負極下流コンベアの前記下流側搬送面にて搬送されて前記負極欠陥品落下位置に達した際、前記負極下流コンベアの前記下流側搬送面による前記負極板の吸引を解除して、前記負極欠陥品落下位置の下方に移動させた前記欠陥品パレット内に前記欠陥が発見された前記負極板を落下させる、欠陥電極板落下工程を有する、
    電極板積層体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電極板積層体の製造方法であって、
    前記上面検査工程及び前記下面検査工程にて前記欠陥が発見されなかった前記正極板であるとともに前記正極下流コンベアの前記下流側搬送面の位置であって前記正極正常品落下位置及び前記正極欠陥品落下位置とは異なる正極板回収位置にて落下される前記正極板を回収する正極板回収パレットと、
    前記上面検査工程及び前記下面検査工程にて前記欠陥が発見されなかった前記負極板であるとともに前記負極下流コンベアの前記下流側搬送面の位置であって前記負極正常品落下位置及び前記負極欠陥品落下位置とは異なる負極板回収位置にて落下される前記負極板を回収する負極板回収パレットと、を用い、
    前記電極板供給工程では、搬送グループとなる一対の正極板と負極板とを、それぞれの上流コンベアに次々と供給し、
    前記欠陥電極板落下工程では、
    対となる前記負極板に欠陥が発見された前記搬送グループの前記正極板であるとともに前記欠陥が発見されなかった前記正極板が前記正極板回収位置に達した場合は、前記正極下流コンベアの前記下流側搬送面による当該正極板の吸引を解除して当該正極板を前記正極板回収パレット内に落下させ、
    対となる前記正極板に欠陥が発見された前記搬送グループの前記負極板であるとともに前記欠陥が発見されなかった前記負極板が前記負極板回収位置に達した場合は、前記負極下流コンベアの前記下流側搬送面による当該負極板の吸引を解除して当該負極板を前記負極板回収パレット内に落下させる、
    電極板積層体の製造方法。
  10. 金属箔の両面に活物質が塗工された電極板を搬送して積層する、電極板積層体製造システムであって、
    上方に向けられて前記電極板を搬送可能な上流側搬送面を備えた上流コンベアと、
    前記電極板の搬送方向に対して前記上流コンベアの下流側に直列に配置された下流コンベアであって、下方に向けられて前記電極板を搬送可能かつ上流側が前記上流側搬送面の下流側と接触することなく近接されて対向配置された下流側搬送面、を備えた前記下流コンベアと、
    前記上流コンベアの前記上流側搬送面に前記電極板を吸引する上流側吸引装置と、
    前記下流コンベアの前記下流側搬送面に前記電極板を吸引する下流側吸引装置と、
    前記下流側搬送面の下流側に配置されているとともに前記下流側搬送面に設定された正常品落下位置の下方に配置されて複数の前記電極板を積層可能な積層パレットと、
    前記上流側搬送面の上方に設けられて前記電極板の上面の撮像画像を作成する上方撮像装置と、
    前記下流側搬送面の下方に設けられて前記電極板の下面の撮像画像を作成する下方撮像装置と、
    前記上流側吸引装置による吸引を行いながら前記上方撮像装置からの撮像画像に基づいて前記電極板の上面の検査を行い、前記下流側吸引装置による吸引を行いながら前記下方撮像装置からの撮像画像に基づいて前記電極板の下面の検査を行い、前記電極板の前記上面及び前記下面の検査で欠陥が発見されなかった前記電極板である正常品電極板が前記正常品落下位置に達した際、前記下流側吸引装置による当該正常品電極板の吸引を解除して、当該正常品電極板を前記積層パレット内に落下させて積層する、制御装置と、を有する、
    電極板積層体製造システム。

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