JP2017068893A - 磁気テープおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し走行中の磁気テープ表面と磁気ヘッドとの貼り付きおよび磁気テープ表面の傷の発生が抑制された磁気テープを提供すること。【解決手段】非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、磁性層は脂肪酸エステルを含み、磁気テープを真空加熱する前に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅は、0nm超かつ5.0nm以下であり、磁気テープを真空加熱した後に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅は、0nm超かつ5.0nm以下であり、かつ磁気テープを真空加熱した後に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSafterと、磁気テープを真空加熱する前に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSbeforeとの差分(Safter−Sbefore)は、0nm超かつ8.0nm以下である磁気テープ。磁気テープの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、磁気テープおよびその製造方法に関する。
磁気記録媒体にはテープ状のものとディスク状のものがあり、データバックアップ等のストレージ用途には、テープ状の磁気記録媒体、即ち磁気テープが主に用いられている。磁気テープへの信号の記録再生は、通常、磁気テープをドライブ内で走行させ磁気テープ表面(磁性層側表面)と磁気ヘッド(以下、単に「ヘッド」とも記載する。)とを摺動(接触)させることにより行われる。
磁気テープ表面とヘッドとの摺動時の摩擦係数が高い状態で走行を繰り返すと、走行安定性の低下や出力変動が確認されることがある。これは、磁気テープ表面とヘッドとの貼り付きや、磁気テープ表面に傷が発生することが原因と考えられる。そこで、このような現象の発生を抑制するために、磁気テープ表面における潤滑剤の存在状態を制御することや(特許文献1参照)、磁気テープの表面形状を制御することが(特許文献2参照)、従来提案されていた。
特開2012−43495号公報 特開2011−48878号公報
磁気テープには、優れた電磁変換特性を発揮することが常に望まれている。したがって、上記の貼り付きおよび傷の発生の抑制と、電磁変換特性の向上を、ともに達成することが望ましい。しかし、近年、磁気テープには、より長期にわたり、および/または、より高速搬送(走行)させる過酷な使用条件においても、高い信頼性をもって使用可能であることが求められている。このような長期使用や過酷な使用条件において走行を繰り返す中で、優れた電磁変換特性を発揮し、かつ貼り付きおよび傷の発生を抑制するためには、従来の磁気テープには更なる改善が求められる。
本発明の目的は、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し走行中の磁気テープ表面と磁気ヘッドとの貼り付きおよび磁気テープ表面の傷の発生が抑制された磁気テープを提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の磁気テープ:
非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、
磁性層は脂肪酸エステルを含み、
磁気テープを真空加熱する前に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅は、0nm超かつ5.0nm以下であり、
磁気テープを真空加熱した後に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅は、0nm超かつ5.0nm以下であり、かつ
磁気テープを真空加熱した後に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSafterと、磁気テープを真空加熱する前に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSbeforeとの差分、Safter−before、は、0nm超かつ8.0nm以下である磁気テープ、
を新たに見出した。上記磁気テープは、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し走行における磁気テープ表面と磁気ヘッドとの貼り付きおよび磁気テープ表面の傷の発生の抑制が可能である。この点に関する本発明者らによる推察は、後述する。
本発明および本明細書において、磁気テープの「真空加熱」とは、磁気テープを200Pa以上0.01MPa以下の圧力かつ70〜90℃の雰囲気温度の環境下に24時間保持することにより行われる。
本発明および本明細書において、磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングとは、以下の方法により測定される値とする。
磁気テープと透明な板状部材(例えばガラス板等)を、磁気テープの磁性層側表面が透明な板状部材と対向するように重ね合わせた状態で、磁気テープの磁性層側とは反対側から5.05×10N/m(0.5atm)の圧力で押圧部材を押しつける。この状態で、透明な板状部材を介して磁気テープの磁性層側表面に光を照射し(照射領域:150000〜200000μm)、磁気テープの磁性層側表面からの反射光と透明な板状部材の磁気テープ側表面からの反射光との光路差によって発生する干渉光の強度(例えば干渉縞画像のコントラスト)に基づき、磁気テープの磁性層側表面と透明な板状部材表面との間のスペーシング(距離)を求める。ここで照射される光は特に限定されるものではない。照射される光が、複数波長の光を含む白色光のように、比較的広範な波長範囲にわたり発光波長を有する光の場合には、透明な板状部材と反射光を受光する受光部との間に、干渉フィルタ等の特定波長または特定波長域以外の光を選択的にカットする機能を有する部材を配置し、反射光の中の一部の波長または一部の波長域の光を選択的に受光部に入射させる。照射させる光が単一の発光ピークを有する光(いわゆる単色光)の場合には、上記の部材は用いなくてもよい。受光部に入射させる光の波長は、一例として、例えば500〜700nmの範囲にあることができるが、特に限定されるものではない。また、透明な板状部材は、この部材を介して磁気テープに光を照射し干渉光が得られる程度に、照射される光を透過する透明性を有する部材であればよい。
以上の測定は、例えばMicro Physics社製 Tape Spacing Analyzer等の市販のテープスペーシングアナライザー(TSA;Tape Spacing Analyzer)を用いて行うことができる。実施例におけるスペーシング測定は、Micro Physics社製 Tape Spacing Analyzerを用いて実施した。
また、本発明および本明細書におけるスペーシング分布の半値全幅とは、上記スペーシングの測定により得られる干渉縞画像を300000ポイントに分割して各ポイントのスペーシング(磁気テープの磁性層側表面と透明な板状部材の磁気テープ側表面との間の距離)を求め、これをヒストグラムとし、このヒストグラムをガウス分布でフィッティングしたときの半値全幅(Full Width at Half Maximum; FWHM)である。
また、差分Safter−beforeは、上記300000ポイントにおける真空加熱後の最頻値から真空加熱前の最頻値を差し引いた値をいうものとする。
一態様では、上記磁気テープの磁性層側表面で測定される中心線平均表面粗さRaは2.8nm以下である。本発明および本明細書における中心線平均表面粗さRaとは、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope; AFM)により面積40μm×40μmの領域で測定される値とする。測定条件の一例としては、下記の測定条件を挙げることができる。後述の実施例に示す中心線平均表面粗さRaは、下記測定条件による測定によって求めた値である。
AFM(Veeco社Nanoscope4)で磁気テープの磁性層側表面の面積40μm×40μmの領域を測定する。スキャン速度(探針移動速度)は40μm/sec、分解能は512pixel×512pixelとする。
一態様では、上記磁気テープの磁性層側表面で測定される中心線平均表面粗さRaは2.5nm以下である。
一態様では、上記磁気テープの磁性層側表面で測定される中心線平均表面粗さRaは2.0nm以下である。
一態様では、上記磁性層は、非磁性フィラーを含む。なお非磁性フィラーとは、非磁性粉末と同義である。本発明および本明細書において、非磁性粉末とは、複数の非磁性粒子の集合を意味するものとする。集合とは、これを構成する粒子が直接接触している態様に限定されず、結合剤や添加剤等が、粒子同士の間に介在している態様も包含される。なお粒子との語が、粉末を表すために用いられることもある。以上の点は、強磁性粉末等の、本発明および本明細書における各種粉末についても同様とする。
一態様では、上記非磁性粒子は、コロイド粒子である。本発明および本明細書において、「コロイド粒子」とは、少なくとも、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエンもしくは酢酸エチル、または上記溶媒の二種以上を任意の混合比で含む混合溶媒の少なくとも1つの有機溶媒100mLあたり1g添加した際に、沈降せず分散しコロイド分散体をもたらすことのできる粒子をいうものとする。
一態様では、上記コロイド粒子は、シリカコロイド粒子である。
一態様では、上記非磁性フィラーは、カーボンブラックである。
一態様では、上記磁気テープは、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有する。
一態様では、上記磁性層は、脂肪酸を更に含む。
本発明の更なる態様は、上記磁気テープの製造方法であって、
非磁性支持体上に、強磁性粉末、結合剤および脂肪酸エステルを含む磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させることにより磁性層を形成すること、および、
形成した磁性層に振動を加えること、
を含む磁気テープの製造方法、
に関する。
本発明の一態様によれば、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し走行中の磁気テープ表面と磁気ヘッドとの貼り付きおよび磁気テープ表面の傷の発生が抑制された磁気テープを提供することができる。
実施例で用いた振動付与装置の概略構成図である。
本発明の一態様にかかる磁気テープは、
非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、
磁性層は脂肪酸エステルを含み、
磁気テープを真空加熱する前に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅(以下、「FWHMbefore」ともいう。)は、0nm超かつ5.0nm以下であり、
磁気テープを真空加熱した後に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅(以下、「FWHMafter」ともいう。)は、0nm超かつ5.0nm以下であり、かつ
磁気テープを真空加熱した後に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSafterと、磁気テープを真空加熱する前に磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSbeforeとの差分、Safter−before、は、0nm超かつ8.0nm以下である磁気テープ
である。
上記磁気テープについて、本発明者らは次のように推察している。
(1)磁気テープへの信号の記録再生時には、通常、磁気テープ表面に存在する突起がヘッドと接触(いわゆる真実接触)するのに対し、磁気テープ表面の突起より低い部分(以下、「素地部分」と記載する。)は、ヘッドとは接触しないか接触頻度が低い。上記のスペーシングは、この素地部分とヘッドとの距離の指標になる値であると、本発明者らは推察している。ただし磁性層に含まれる潤滑剤が磁気テープ表面に液膜を形成していると、素地部分とヘッドとの間に液膜が存在することにより、液膜の厚み分、スペーシングは狭くなると考えられる。ところで、潤滑剤は、一般に流体潤滑剤と境界潤滑剤とに大別される。上記磁気テープの磁性層に含まれる脂肪酸エステルは、流体潤滑剤として機能し得る成分と言われている。流体潤滑剤は、それ自身が磁気テープ表面(磁性層側表面)に液膜を形成することにより、磁気テープ表面を保護する役割を果たすことができると考えられる。本発明者らは、磁気テープ表面に脂肪酸エステルの液膜が存在することが、磁気テープ表面を保護し傷の発生を抑制することにつながると考えた。ただし、脂肪酸エステルが磁気テープ表面に過剰に存在すると、脂肪酸エステルにより磁気テープ表面とヘッドとの間にメニスカス(液架橋)が形成されて貼り付きの原因になると考えられる。
以上の点に関して本発明者らは、脂肪酸エステルが真空加熱により揮発する性質を有する成分であることに着目し、真空加熱後(脂肪酸エステルによる液膜が揮発し除去された状態)と真空加熱前(脂肪酸エステルによる液膜が存在している状態)のスペーシングの差分Safter−beforeを、磁気テープ表面における脂肪酸エステルにより形成される液膜の厚みの指標として採用した。この値が0nm超かつ8.0nm以下となるように磁気テープ表面に脂肪酸エステルの液膜を存在させることが、貼り付きの発生を抑制しつつ傷の発生を防ぐことにつながると、本発明者らは推察している。
(2)上記のスペーシング分布の半値全幅は、この値が小さいほど、磁気テープ表面の各部において測定されるスペーシングの値にばらつきが少ないことを意味する。本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、走行中の磁気テープ表面とヘッドとの貼り付きおよび傷の発生を抑制するには、磁気テープ表面に存在する突起の高さの均一性を高め、かつ脂肪酸エステルの液膜の厚みの均一性を高めることにより、磁気テープ表面とヘッドとの接触状態の均一性を高めることが有効であると考えるに至った。更に磁気テープ表面とヘッドとの接触状態の均一性を高めることは、スペーシング変動による電磁変換特性低下を抑制することにつながるため、電磁変換特性の向上にも有効であると、本発明者らは考えている。
この点に関し、上記のスペーシングの値がばらつく要因は、磁気テープ表面の突起の高さのばらつきと、脂肪酸エステルによる液膜の厚みのばらつきにあると考えられる。真空加熱前、即ち磁気テープ表面に脂肪酸エステルの液膜が存在する状態で測定されるスペーシング分布FWHMbeforeは、突起の高さのばらつきと脂肪酸エステルの液膜の厚みのばらつきが大きいほど大きくなり、中でも脂肪酸エステルの液膜の厚みのばらつきが大きく影響すると、本発明者らは推察している。これに対し、真空加熱後、即ち磁気テープ表面から脂肪酸エステルの液膜が除去された状態で測定されるスペーシング分布FWHMafterは、突起の高さのばらつきが大きいほど大きくなると本発明者らは考えている。即ち、スペーシング分布FWHMbefore、FWHMafterがともに小さいほど、磁気テープ表面の脂肪酸エステルの液膜の厚みのばらつきも突起の高さのばらつきも小さいことを意味すると、本発明者らは推察している。そしてスペーシング分布FWHMbefore、FWHMafterがともに0nm超かつ5.0nm以下となるように、突起の高さおよび脂肪酸エステルの液膜の厚みの均一性を高めることにより、走行中の磁気テープ表面とヘッドとの貼り付きおよび傷の発生を抑制することが可能になり、しかも電磁変換特性の向上も可能になることが、明らかになった。なお特許文献1にもスペーシングに関する記載があるが、特許文献1には、真空加熱前後のスペーシングやスペーシング分布に関する記載もスペーシング分布を制御することを示唆する記載もない。
ただし以上は本発明者らによる推察であって、本発明を何ら限定するものではない。
以下、上記磁気テープについて、更に詳細に説明する。
<スペーシング分布FWHMbefore、FWHMafter
上記磁気テープにおいて測定される真空加熱前のスペーシング分布FWHMbefore、および真空加熱後のスペーシング分布FWHMafterは、ともに0nm超かつ5.0nm以下である。走行中の磁気テープ表面とヘッドとの貼り付きおよび傷の発生をより一層抑制する観点からは、FWHMbeforeおよびFWHMafterは、4.5nm以下であることが好ましく、4.0nm以下であることがより好ましく、3.5nm以下であることが更に好ましく、3.0nm以下であることが一層好ましく、2.5nm以下であることが更に一層好ましく、2.0nm以下であることがより一層好ましい。FWHMbeforeおよびFWHMafterは、例えば0.5nm以上であることができるが、値が小さいほど走行中の磁気テープ表面とヘッドとの貼り付きおよび傷の発生の抑制の観点から好ましいため、これを下回ってもよい。
真空加熱前のスペーシング分布FWHMbeforeは、主に脂肪酸エステルの液膜の厚みのばらつきを低減することにより小さくすることができる。具体的な手段の一例は後述する。一方、真空加熱後のスペーシング分布FWHMafterは、磁気テープ表面の突起の高さのばらつきを低減することにより小さくすることができる。そのためには、磁性層に含まれる粉末成分、例えば詳細を後述する非磁性フィラーの磁性層における存在状態を制御することが好ましい。具体的な手段の一例は後述する。
<差分Safter−before
上記磁気テープにおいて測定される真空加熱前後のスペーシングの差分Safter−beforeは、0nm超かつ8.0nm以下である。傷の発生をより一層抑制する観点から、差分Safter−beforeは、0.1nm以上であることが好ましく、1.0nm以上であることがより好ましい。一方、走行中の磁気テープ表面とヘッドとの貼り付きをより一層抑制する観点からは、差分Safter−beforeは、7.0nm以下であることが好ましく、6.0nm以下であることがより好ましく、5.0nm以下であることが更に好ましく、4.0nm以下であることが一層好ましく、3.5nm以下であることがより一層好ましく、3.0nm以下であることが更に一層好ましい。差分Safter−beforeは、磁性層形成用組成物に添加する脂肪酸エステル量によって制御することができる。また、非磁性支持体と磁性層との間に非磁性層を有する磁気テープについては、非磁性層形成用組成物に添加する脂肪酸エステル量によっても制御することができる。非磁性層は、潤滑剤を保持し磁性層に供給する役割を果たすことができ、非磁性層に含まれる脂肪酸エステルは磁性層側に移行し磁気テープ表面に存在し得るからである。
<磁性層>
(脂肪酸エステル)
上記磁気テープは、磁性層に脂肪酸エステルを含む。脂肪酸エステルは、一種のみ含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン酸、エルカ酸、エライジン酸等のエステルを挙げることができ、具体例としては、例えば、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル(ブチルステアレート)、ネオペンチルグリコールジオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、オレイン酸オレイル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ブトキシエチル等を挙げることができる。
磁性層の脂肪酸エステル含有量は、強磁性粉末100.0質量部あたり、例えば0.1〜10.0質量部であり、好ましくは1.0〜7.0質量部である。なお脂肪酸エステルとして二種以上の異なる脂肪酸エステルを使用する場合、含有量とは、それらの合計含有量をいうものとする。この点は、本発明および本明細書において、特記しない限り、他の成分の含有量についても同様とする。
また、上記磁気テープが非磁性支持体と磁性層との間に非磁性層を有する場合、非磁性層の脂肪酸エステル含有量は、非磁性粉末100.0質量部あたり、例えば0〜10.0質量部であり、好ましくは0.1〜8.0質量部である。
(その他潤滑剤)
上記磁気テープは、潤滑剤の一種である脂肪酸エステルを含むが、脂肪酸エステル以外の潤滑剤を任意に磁性層および/または非磁性層に含んでいてもよい。なお上記の通り、非磁性層に含まれる潤滑剤は、磁性層側に移行し磁気テープ表面に存在し得る。任意に含まれる潤滑剤としては、脂肪酸を挙げることができる。また、脂肪酸アミド等を挙げることもできる。なお脂肪酸エステルは流体潤滑剤として機能することができる成分と言われているのに対し、脂肪酸および脂肪酸アミドは、境界潤滑剤として機能することができる成分と言われている。境界潤滑剤は、粉末(例えば強磁性粉末)の表面に吸着し強固な潤滑膜を形成することで接触摩擦を下げることのできる潤滑剤と考えられる。
脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン酸、エルカ酸、エライジン酸等を挙げることができ、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。なお脂肪酸は、金属塩等の塩の形態で磁性層に含まれていてもよい。
脂肪酸アミドとしては、上記の各種脂肪酸のアミド、例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等を挙げることができる。
脂肪酸と脂肪酸の誘導体(アミドおよびエステル等)については、脂肪酸誘導体の脂肪酸由来部位は、併用される脂肪酸と同様または類似の構造を有することが好ましい。例えば、一例として、脂肪酸としてステアリン酸を用いる場合にステアリン酸エステルやステアリン酸アミドを使用することは好ましい。
磁性層の脂肪酸含有量は、強磁性粉末100.0質量部あたり、例えば0〜10.0質量部であり、好ましくは0.1〜10.0質量部であり、より好ましくは1.0〜7.0質量部である。磁性層の脂肪酸アミド含有量は、強磁性粉末100.0質量部あたり、例えば0〜3.0質量部であり、好ましくは0〜2.0質量部であり、より好ましくは0〜1.0質量部である。
また、上記磁気テープが非磁性支持体と磁性層との間に非磁性層を有する場合、非磁性層の脂肪酸含有量は、非磁性粉末100.0質量部あたり、例えば0〜10.0質量部であり、好ましくは1.0〜10.0質量部であり、より好ましくは1.0〜7.0質量部である。非磁性層の脂肪酸アミド含有量は、非磁性粉末100.0質量部あたり、例えば0〜3.0質量部であり、好ましくは0〜1.0質量部である。
(強磁性粉末)
磁性層に含まれる強磁性粉末としては、各種磁気記録媒体の磁性層において通常用いられる強磁性粉末を使用することができる。強磁性粉末として平均粒子サイズの小さいものを使用することは、磁気テープの記録密度向上の観点から好ましい。この点から、強磁性粉末としては、平均粒子サイズが50nm以下の強磁性粉末を用いることが好ましい。一方、磁化の安定性の観点からは、強磁性粉末の平均粒子サイズは10nm以上であることが好ましい。
強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性六方晶フェライト粉末を挙げることができる。強磁性六方晶フェライト粉末の平均粒子サイズ(例えば平均板径)は、記録密度向上と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性六方晶フェライト粉末の詳細については、例えば、特開2011−225417号公報の段落0012〜0030、特開2011−216149号公報の段落0134〜0136、特開2012−204726号公報の段落0013〜0030を参照できる。
強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性金属粉末を挙げることもできる。強磁性金属粉末の平均粒子サイズ(例えば平均長軸長)は、記録密度向上と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性金属粉末の詳細については、例えば特開2011−216149号公報の段落0137〜0141、特開2005−251351号公報の段落0009〜0023を参照できる。
本発明および本明細書において、特記しない限り、強磁性粉末等の各種粉末の平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、以下の方法により測定される値とする。
粉末を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粉末を構成する粒子の写真を得る。得られた粒子の写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースし粒子(一次粒子)のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
以上の測定を、無作為に抽出した500個の粒子について行う。こうして得られた500個の粒子の粒子サイズの算術平均を、粉末の平均粒子サイズとする。上記透過型電子顕微鏡としては、例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いることができる。また、粒子サイズの測定は、公知の画像解析ソフト、例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行うことができる。
本発明において、強磁性粉末およびその他の粉末についての平均粒子サイズとは、特記しない限り、上記方法により求められる平均粒子サイズをいうものとする。後述の実施例に示す平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行った。
粒子サイズ測定のために磁気テープから試料粉末を採取する方法としては、例えば特開2011−048878号公報の段落0015に記載の方法を採用することができる。
本発明および本明細書において、特記しない限り、粉末を構成する粒子のサイズ(粒子サイズ)は、上記の粒子写真において観察される粒子の形状が、
(1)針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、
(2)板状または柱状の(ただし、厚みまたは高さが板面または底面の最大長径より小さい)場合は、その板面または底面の最大長径で表され、
(3)球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、粉末の平均針状比は、上記測定において粒子の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粒子の(長軸長/短軸長)の値を求め、上記500個の粒子について得た値の算術平均を指す。ここで、特記しない限り、短軸長とは、上記粒子サイズの定義で(1)の場合は、粒子を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚みまたは高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、特記しない限り、粒子の形状が特定の場合、例えば、上記粒子サイズの定義(1)の場合、平均粒子サイズは平均長軸長であり、同定義(2)の場合、平均粒子サイズは平均板径であり、平均板状比とは、(最大長径/厚みまたは高さ)の算術平均である。同定義(3)の場合、平均粒子サイズは、平均直径(平均粒径、平均粒子径ともいう)である。
磁性層における強磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。上記充填率が高いことは、記録密度向上の観点から好ましい。
(結合剤)
上記磁気テープは、磁性層に、強磁性粉末、脂肪酸エステルとともに結合剤を含む。結合剤とは、一種以上の樹脂である。結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂である。なおこれらの樹脂は、ホモポリマーでもよく、コポリマー(共重合体)でもよい。これらの樹脂は、後述する非磁性層やバックコート層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報の段落0028〜0031を参照できる。また、結合剤は、電子線硬化型樹脂等の放射線硬化型樹脂であってもよい。放射線硬化型樹脂については、特開2011−48878号公報の段落0044〜0045を参照できる。
また、上記結合剤として使用可能な樹脂とともに硬化剤を使用することもできる。硬化剤とは、1分子中に少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の架橋性官能基を有する化合物である。硬化剤としては、ポリイソシアネートが好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報の段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、結合剤100.0質量部に対して例えば0〜80.0質量部、磁性層等の各層の強度向上の観点からは好ましくは50.0〜80.0質量部の量で使用することができる。
(その他成分)
磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。上記磁性層は、一種以上の非磁性フィラーを含むことが好ましい。非磁性フィラーとしては、主に磁気テープ表面の突起制御のために添加される非磁性フィラー(以下、「突起形成剤」ともいう。)と、磁気テープ表面に研磨性を付与する研磨剤として添加される非磁性フィラーが挙げられる。磁性層は、少なくとも突起形成剤を含むことが好ましく、突起形成剤と研磨剤を含むことがより好ましい。
突起形成剤として機能し得る非磁性フィラーは、無機粒子であっても有機粒子であってもよく、無機粒子が好ましい。また、カーボンブラックも好ましい。カーボンブラックとしては、平均粒子サイズ(平均一次粒子サイズ)が20nm以上のものが好ましく、30nm以上のものがより好ましい。また、カーボンブラックの平均粒子サイズは、150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
無機粒子としては、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の粒子を挙げることができ、具体例としては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、二酸化珪素等の珪素酸化物、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン等の粒子またはこれらの二種以上の複合無機粒子を挙げることができる。無機酸化物粒子がより好ましく、珪素酸化物粒子が更に好ましい。
突起形成剤として機能し得る非磁性粒子は、電磁変換特性の一層の向上の観点からは、粒子サイズの均一性が高いことが好ましい。粒子サイズの均一性が高い粒子の入手容易性の観点から、非磁性粒子はコロイド粒子であることが好ましい。磁性層に含まれる非磁性粒子がコロイド粒子であることは、磁性層の形成に用いた非磁性粒子が入手可能であれば、かかる非磁性粒子が、先に記載したコロイド粒子の定義に当てはまる性質を有するかを評価すればよい。または、磁性層から取りだした非磁性粒子が、先に記載したコロイド粒子の定義に当てはまる性質を有するかを評価することもできる。磁性層からの非磁性粒子の取り出しは、例えば、以下の方法で行うことができる。
1.磁性層を約1g削り取る。削り取りは、例えば、かみそり刃などにより行うことができる。
2.削り取って得られた磁性層試料を、ナスフラスコ等の容器に入れ、この容器にテトラヒドロフランを100ml添加する。なおテトラヒドロフランは、安定剤を添加し市販されているものと安定剤無添加で市販されているものがあるが、安定剤無添加のテトラヒドロフランを用いる。以下に記載の洗浄に用いるテトラヒドロフランについても、同様である。
3.上記容器に還流管を取り付けて、水温60℃の湯浴において90分間加熱する。加熱後の容器内の内容物をろ紙によりろ過後、ろ紙上に残った固形分を数回テトラヒドロフランで洗浄し、洗浄後の固形分をビーカー等の容器に移す。この容器に4N(4mol/L)塩酸水溶液を添加して溶解せずに残った残渣をフィルタろ過により取り出す。フィルタとしては、孔径が0.05μmより小さいものを用いる。例えば、クロマトグラフィー分析用に使用されるメンブレンフィルタ (例えば、メルク社製のMFミリポア)を用いることができる。フィルタろ過により取り出した残渣は、数回、純水で洗浄後、乾燥させる。
上記操作により強磁性粉末および有機物(結合剤等)が溶解され、非磁性粒子が残渣として回収される。
以上の工程により、磁性層から非磁性粒子を取り出すことができる。こうして取り出した非磁性粒子の中に、複数種の非磁性粒子が含まれている場合には、密度の違いによって複数種の非磁性粒子を分別することができる。
好ましいコロイド粒子としては、無機酸化物コロイド粒子を挙げることができる。無機酸化物コロイド粒子としては、先に記載した無機酸化物のコロイド粒子を挙げることができ、SiO2・Al23、SiO2・B23、TiO2・CeO2、SnO2・Sb23、SiO2・Al23・TiO2、TiO2・CeO2・SiO2等の複合無機酸化物コロイド粒子を挙げることもできる。好ましいものとしては、SiO2、Al23、TiO2、ZrO2、Fe23などの無機酸化物コロイド粒子を挙げることができ、シリカコロイド粒子(コロイダルシリカ)が特に好ましい。ところで、一般的なコロイド粒子は表面が親水性であるため水を分散媒とするコロイド溶液の作製に適する。例えば一般的な合成法により得られるコロイダルシリカは、表面が分極した酸素原子(O2-)で覆われているため水中で水を吸着してヒドロキシル基を形成して安定化している。しかしこれら粒子は、磁性層形成用組成物に通常用いられる有機溶媒中では、コロイド状態で存在することは困難である。これに対し、本発明および本明細書におけるコロイド粒子は、先に記載した有機溶媒100mLあたり1g添加した際に、沈降せず分散しコロイド分散体をもたらすことのできる粒子をいう。かかるコロイド粒子は、表面処理により表面を疎水化する等の公知の方法により調製することができる。そのような疎水化処理の詳細については、例えば特開平5−269365号公報、特開平5−287213号公報、特開2007−63117号公報等に記載されている。
好ましいコロイド粒子であるシリカコロイド粒子(コロイダルシリカ)については、製造方法は、一般的に、水ガラス法とゾルゲル法の2種類が知られている。水ガラス法とは、原料に珪酸ソーダ(珪酸ナトリウム、いわゆる水ガラス)を用いて、これをイオン交換させることで活性珪酸を発生させ、そこで粒子成長させる方法である。一方、ゾルゲル法は、テトラアルコキシシランを原料として用い、塩基性触媒下で加水分解させるのと同時に粒子成長させる方法である。上記非磁性粒子としてシリカコロイド粒子を用いる場合、シリカコロイド粒子は、いずれの製造方法で製造されたものであってもよい。
突起形成剤として機能し得る非磁性粒子の、先に記載した方法により測定される平均粒子サイズは、50〜200nmの範囲であることが好ましく、50〜150nmの範囲であることがより好ましい。
突起形成剤として機能し得る非磁性粒子の磁性層における含有量は、強磁性粉末100.0質量部に対して、1.0〜4.0質量部であることが好ましく、1.5〜3.5質量部であることがより好ましい。
一方、研磨剤として機能し得る非磁性フィラーは、無機粒子であっても有機粒子であってもよく、無機粒子が好ましい。研磨剤として機能し得る非磁性粒子としては、磁性層の研磨剤として通常使用される物質であるアルミナ(Al)、炭化ケイ素、ボロンカーバイド(BC)、SiO、TiC、酸化クロム(Cr)、酸化セリウム、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化鉄、ダイヤモンドの各粒子を挙げることができ、中でもα−アルミナ等のアルミナおよび炭化ケイ素の粒子が好ましい。研磨剤として機能し得る非磁性粒子の磁性層における含有量は、好ましくは強磁性粉末100.0質量部に対して1.0〜20.0質量部の範囲であり、より好ましくは3.0〜15.0質量部の範囲であり、更に好ましくは4.0〜10.0質量部の範囲である。研磨剤として機能し得る非磁性粒子の平均粒子サイズは、例えば30〜300nmの範囲であり、好ましくは50〜200nmの範囲である。
磁性層には、更に、分散剤、分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラック等の各種添加剤の一種以上が任意の量で含まれていてもよい。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。
(中心線平均表面粗さRa)
磁気テープの磁性層側表面の平滑性が高いことは、電磁変換特性向上の観点から好ましい。この観点から、上記磁気テープの磁性層側表面において測定される中心線平均表面粗さRaは、2.8nm以下であることが好ましく、2.5nm以下であることがより好ましく、2.0nm以下であることが更に好ましい。また、上記中心線平均表面粗さRaは、例えば1.2nm以上または1.3nm以上であることができる。ただし、電磁変換特性向上の観点からは、磁気テープの磁性層側表面の平滑性は高いことが好ましいため、上記例示した範囲を下回ってもよい。磁気テープの磁性層側表面の平滑性は、公知の方法により制御することができる。例えば、磁性層に含まれる各種粉末(例えば、強磁性粉末、先に記載した非磁性フィラー等)のサイズ、磁気テープの製造条件等により磁気テープの磁性層側表面の平滑性は変わり得るため、これらを調整することにより、磁気テープの磁性層側表面において測定される中心線平均表面粗さRaを制御することができる。
以上説明した磁性層は、非磁性支持体上に直接、または非磁性支持体上に形成された非磁性層上に、設けられる。非磁性層、非磁性支持体の詳細については、後述する。
<非磁性層>
上記磁気テープは、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することもできる。非磁性層に使用される非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2011−216149号公報の段落0146〜0150を参照できる。非磁性層に使用可能なカーボンブラックについては、特開2010−24113号公報の段落0040〜0041も参照できる。非磁性層における非磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
非磁性層の結合剤、添加剤等のその他詳細は、非磁性層に関する公知技術が適用できる。また、例えば、結合剤量および種類、添加剤量および種類に関しては、磁性層に関する公知技術も適用できる。
なお、本発明における非磁性層には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで実質的に非磁性な層とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および保磁力を持たないことが好ましい
<バックコート層>
上記磁気テープは、非磁性支持体の磁性層を有する側とは反対側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックおよび無機粉末の一方または両方が含有されていることが好ましい。バックコート層に含まれる結合剤、任意に含まれ得る各種添加剤については、磁性層や非磁性層の処方に関する公知技術を適用することができる。
<非磁性支持体>
次に、非磁性支持体について説明する。非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理等を行ってもよい。
<非磁性支持体および各層の厚み>
上記磁気テープにおける非磁性支持体および各層の厚みについては、非磁性支持体の厚みは、例えば3.00〜80.00μmの範囲であり、好ましくは3.00〜50.00μmの範囲であり、より好ましくは3.00〜10.00μmの範囲である。
磁性層の厚みについては、近年求められている高密度記録化の観点からは、磁性層の厚みは100nm以下であることが好ましい。磁性層の厚みは、より好ましくは10nm〜100nmの範囲であり、更に好ましくは20〜90nmの範囲である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、例えば0.10〜1.50μmであり、0.10〜1.00μmであることが好ましい。
バックコート層の厚みは、0.90μm以下であることが好ましく、0.10〜0.70μmの範囲であることが更に好ましい。
なお磁気テープの各層および非磁性支持体の厚みは、公知の膜厚測定法により求めることができる。一例として、例えば、磁気テープの厚み方向の断面を、イオンビーム、ミクロトーム等の公知の手法により露出させた後、露出した断面において走査型電子顕微鏡による断面観察を行う。断面観察において厚み方向の1箇所において求められた厚み、または無作為に抽出した2箇所以上の複数箇所、例えば2箇所、において求められた厚みの算術平均として、各種厚みを求めることができる。または、各層の厚みは、製造条件から算出される設計厚みとして求めてもよい。
<製造方法>
(各層形成用組成物の調製)
磁性層、または任意に設けられる非磁性層、バックコート層を形成するための組成物は、先に説明した各種成分とともに、通常、溶媒を含む。溶媒としては、一般に塗布型磁気記録媒体製造のために使用される各種有機溶媒を挙げることができる。具体的には、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、シクロヘキサン等を使用することができる。
磁性層、および任意に設けられる非磁性層およびバックコート層を形成するための組成物を調製する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、結合剤、脂肪酸エステル、各種添加剤、溶媒等すべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、結合剤を混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。磁気テープの製造工程では、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダ等の強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、各層形成用組成物を分散させるには、ガラスビーズやその他のビーズを用いることができる。このような分散ビーズとしては、高比重の分散ビーズであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散ビーズは、粒径と充填率を最適化して用いることが好ましい。分散機は公知のものを使用することができる。
(塗布工程)
磁性層は、磁性層形成用組成物を非磁性支持体上に直接、または非磁性層形成用組成物と逐次または同時に重層塗布することにより形成することができる。バックコート層は、バックコート層形成用組成物を、非磁性支持体の磁性層を有する(または磁性層が追って設けられる)側とは反対側に塗布することにより形成することができる。各層形成のための塗布の詳細については、特開2010−231843号公報の段落0066を参照できる。
(その他工程)
磁気テープ製造のためのその他の各種工程については、特開2010−231843号公報の段落0067〜0070を参照できる。
(好ましい製造方法の一態様)
好ましい製造方法としては、磁気テープ表面における脂肪酸エステルの液膜の厚みの均一性向上のために、磁性層に振動を加える製造方法を挙げることができる。振動を加えることにより、磁気テープ表面の脂肪酸エステルの液膜が流動し、液膜の厚みの均一性が向上すると、本発明者らは推察している。
即ち、本発明の一態様は、上記磁気テープの製造方法であって、
非磁性支持体上に、強磁性粉末、結合剤および脂肪酸エステルを含む磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させることにより磁性層を形成すること、および、
形成した磁性層に振動を加えること、
を含む磁気テープの製造方法、
に関する。磁性層に振動を加える点以外は、通常の磁気テープの製造工程と同様であり、その詳細は先に記載した通りである。
上記振動を加える手段は特に限定されるものではない。例えば、磁性層を形成した非磁性支持体の磁性層とは反対側の面(バックコート層が形成されていてもよい。)を、振動付与ユニットと接触させることにより、磁性層に振動を加えることができる。磁性層を形成した非磁性支持体を振動付与ユニットと接触させながら走行させてもよい。振動付与ユニットは、例えば、内部に超音波振動子を備えることにより、このユニットと接触した物品に振動を加えることができる。超音波振動子の振動周波数や強度、振動付与ユニットとの接触時間によって、磁性層に加える振動を調整することができる。例えば接触時間は、磁性層を形成した非磁性支持体の振動付与ユニットとの接触中の走行速度によって調整することができる。これらの振動付与条件は特に限定されるものではなく、先に記載したスペーシング分布、特に、真空加熱前のスペーシング分布FWHMbeforeを制御できるように設定すればよい。振動付与条件の設定のために実製造前に予備実験を行い、条件を最適化することもできる。
また、真空加熱後のスペーシング分布FWHMafterは、磁性層形成用組成物の分散条件を強化(例えば分散回数を増やす、分散時間を延ばす等)したり、ろ過条件を強化(例えばろ過に用いるフィルタとして孔径の小さいフィルタを用いる、フィルタろ過回数を増やす等)することによって、小さくなる傾向がある。これらによって、磁性層形成用組成物に含まれる粒状物質、中でも先に記載した突起形成剤として機能し得る非磁性粒子の分散性の向上や、粒子サイズの均一性が向上することにより、磁気テープ表面に存在する突起の高さの均一性が向上するためと、本発明者らは推察している。分散条件やろ過条件も、実製造前に予備実験を行い最適化することもできる。
更に、非磁性フィラーとしてカーボンブラックを含む磁性層を有する磁気テープについては、カーボンブラックの分散性を向上するための分散剤も磁性層成分として用いることは、真空加熱後のスペーシング分布FWHMafterを小さくするために有効である。例えば一例として、カーボンブラックの分散剤としては、有機三級アミンを挙げることができる。有機三級アミンについては、特開2013−049832号公報の段落0011〜0018、0021を参照できる。上記有機三級アミンは、より好ましくはトリアルキルアミンである。トリアルキルアミンが有するアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基である。トリアルキルアミンが有する3つのアルキル基は、同一であっても異なっていてもよい。アルキル基の詳細については、特開2013−049832号公報の段落0015〜0016を参照できる。トリアルキルアミンとしては、トリオクチルアミンが特に好ましい。
以上、好ましい製造方法の一態様を説明したが、本発明の一態様にかかる磁気テープは、上記製造方法によって製造されたものに限定されるものではない。
以上説明した本発明の一態様にかかる磁気テープは、優れた電磁変換特性を発揮することができ、しかも走行中の磁気テープ表面とヘッドとの貼り付きおよび傷の発生の抑制が可能であるため、長期にわたり高い信頼性をもって使用可能な磁気テープである。
以下に、本発明を実施例に基づき説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。なお、以下に記載の「部」の表示は、「質量部」を示す。
[実施例3]
<磁性層形成用組成物>
(磁性液)
強磁性六方晶バリウムフェライト粉末:100.0部
(保磁力Hc:2100Oe(168kA/m)、平均粒子サイズ:25nm)
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂:15.0部
シクロヘキサノン:150.0部
メチルエチルケトン:150.0部
(研磨剤液)
α−アルミナ(平均粒子サイズ110nm):9.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR110):0.7部
シクロヘキサノン:20部
(シリカゾル)
ゾルゲル法により調製されたコロイダルシリカ(平均粒子サイズ:表1参照):3.5部
メチルエチルケトン:8.2部(その他成分)
ブチルステアレート:1.0部
ステアリン酸:1.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネート):2.5部
(仕上げ添加溶媒)
シクロヘキサノン:180.0部
メチルエチルケトン:180.0部
<非磁性層形成用組成物>
非磁性無機粉末(α−酸化鉄):80.0部
(平均粒子サイズ:0.15μm、平均針状比:7、BET(Brunauer−Emmett−Teller)比表面積:52m/g)
カーボンブラック(平均粒子サイズ20nm):20.0部
電子線硬化型塩化ビニル共重合体:13.0部
電子線硬化型ポリウレタン樹脂:6.0部
フェニルホスホン酸:3.0部
シクロヘキサノン:140.0部
メチルエチルケトン:170.0部
ブチルステアレート:表1参照
ステアリン酸:表1参照
<バックコート層形成用組成物>
非磁性無機粉末(α−酸化鉄):80.0部
(平均粒子サイズ:0.15μm、平均針状比:7、BET比表面積:52m2/g)
カーボンブラック(平均粒子サイズ20nm):20.0部
カーボンブラック(平均粒子サイズ100nm):3.0部
塩化ビニル共重合体:13.0部
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂:6.0部
フェニルホスホン酸:3.0部
シクロヘキサノン:140.0部
メチルエチルケトン:170.0部
ステアリン酸:3.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネート):5.0部
メチルエチルケトン:400.0部
<各層形成用組成物の調製>
磁性層形成用組成物は、以下の方法によって調製した。
上記磁性液をオープンニーダにより混練・希釈処理後、横型ビーズミル分散機により、粒径0.5mmのジルコニア(ZrO2)ビーズ(以下、「Zrビーズ」と記載する)を用い、ビーズ充填率80体積%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、12パスの分散処理を行った。
研磨剤液は、上記成分を混合した後、粒径1mmのZrビーズとともに縦型サンドミル分散機に入れ、ビーズ体積/(研磨剤液体積+ビーズ体積)が60%になるように調整し、180分間サンドミル分散処理を行い、処理後の液を取り出し、フロー式の超音波分散ろ過装置を用いて、超音波分散ろ過処理を施した。
磁性液、シリカゾルおよび研磨剤液と、その他の成分および仕上げ添加溶媒をディゾルバー攪拌機に導入し、周速10m/秒で30分間攪拌した後、フロー式超音波分散機により流量7.5kg/分で表1に示すパス回数で処理した後に、表1に示す孔径のフィルタで表1に示す回数ろ過して磁性層形成用組成物を調製した。
非磁性層形成用組成物は以下の方法によって調製した。
潤滑剤(ブチルステアレート、ステアリン酸)を除く上記成分をオープンニーダにより混練・希釈処理して、その後、横型ビーズミル分散機により分散処理を実施した。その後、潤滑剤(ブチルステアレート、ステアリン酸)を添加して、ディゾルバー攪拌機にて攪拌して混合処理を施して非磁性層形成用組成物を調製した。
バックコート層形成用組成物は以下の方法によって作製した。
潤滑剤(ステアリン酸)およびポリイソシアネート、メチルエチルケトン(400.0部)を除く上記成分をオープンニーダにより混練・希釈処理して、その後、横型ビーズミル分散機により分散処理を実施した。その後、潤滑剤(ステアリン酸)およびポリイソシアネート、メチルエチルケトン(400.0部)を添加して、ディゾルバー攪拌機にて攪拌して混合処理を施し、バックコート層形成用組成物を調製した。
<磁気テープの作製>
厚み6.00μmのポリエチレンナフタレート支持体上に、乾燥後の厚みが1.00μmになるように非磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させた後、125kVの加速電圧で40kGyのエネルギーとなるように電子線を照射した。その上に乾燥後の厚みが50nmになるように磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させ、更にバックコート層形成用組成物を支持体の反対面に乾燥後の厚みが0.50μmになるように塗布し乾燥させた。
その後、金属ロールのみから構成されるカレンダロールを用いて、カレンダ処理速度80m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、および表1に示すカレンダロールの表面温度で表面平滑化処理(カレンダ処理)を行った。その後、雰囲気温度70℃の環境で36時間熱処理を行った。熱処理後、1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットし、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性層表面に押し当たるように取り付けたテープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行いテープ試料を得た。
得られたテープ試料を、図1に示す振動付与装置に、バックコート層側表面が振動付与ユニットと接するように設置し、テープ試料(図1中、符号101)を搬送速度0.5m/sで搬送させてテープ試料の磁性層に振動を付与した。図1中、符号102はガイドローラ(符号102は2つのガイドローラの一方に付した)、符号103は振動付与装置(内部に超音波振動子を含む振動付与ユニット)、矢印は搬送方向を示す。テープ試料上の任意の箇所が振動付与ユニットとの接触を開始してから接触が終了するまでの時間を振動付与時間として、表1に示す。超音波振動子の振動周波数および強度を表1に示す値として、上記振動付与を行った。
以上により、磁気テープを作製した。
[実施例1、2、4〜9、比較例1〜15]
表1に示すように各層形成用組成物の処方および/または製造条件を変更した点以外、実施例3と同様の方法で磁気テープを作製した。振動付与時間は、テープ試料の搬送速度を変えることにより調整した。
表1中、CSは、ゾルゲル法で調製されたコロイダルシリカである。なお実施例および比較例で用いたコロイダルシリカが、先に記載の定義に当てはまるコロイド粒子であることを確認した。
表1中、CBは、表1に示す平均粒子サイズ(平均一次粒子サイズ)を有するカーボンブラックである。磁性層の非磁性フィラーとしてカーボンブラックを用いた実施例、比較例では、シリカゾルに代えて、以下に記載の方法で調製したカーボンブラック液を、磁性層形成用組成物におけるカーボンブラック含有量が3.5質量部となる量で用いて磁性層形成用組成物を調製した。
カーボンブラック液は、
表1に示すカーボンブラック:0.50部
トリオクチルアミン(花王製ファーミン(登録商標)T08):0.05部
シクロヘキサン:4.50部
を混合し、以下の処理を施し調製した。攪拌機付きバッチ型超音波分散装置にて、攪拌回転数1500rpmで、6時間超音波処理して液化処理した。液化したカーボンブラック液を横型ビーズミル分散機により、粒径0.5mmのZrビーズを用い、ビーズ充填率80体積%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、6パスの分散処理を行った。その液をディゾルバー攪拌機で周速10m/秒で30分攪拌後、フロー式超音波分散機にて流量3kg/分で、3パス処理した。
[実施例10]
<各層形成用組成物の調製>
実施例1と同様に、磁性層形成用組成物、非磁性層形成用組成物およびバックコート層形成用組成物を調製した。
<磁気テープの作製>
厚み6.00μmのポリエチレンナフタレート支持体上に、乾燥後の厚みが1.00μmになるよう非磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させた後、125kVの加速電圧で40kGyのエネルギーとなるよう電子線を照射した。その上に乾燥後の厚みが50nmになるように磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させて磁性層を形成した。
その後、上記のように支持体上に非磁性層および磁性層を形成したテープ試料を、図1に示す振動付与装置に、非磁性層および磁性層を形成した表面とは反対側の表面が振動付与ユニットと接するように設置し、このテープ試料を搬送速度0.5m/sで搬送させて磁性層に振動を付与した。上記テープ試料の任意の箇所が振動付与ユニットとの接触を開始してから接触が終了するまでの時間を振動付与時間として、表1に示す。超音波振動子の振動周波数および強度を表1に示す値として振動付与を行った。
その後、上記テープ試料の、非磁性層および磁性層を形成した表面とは反対側の表面上に、バックコート層形成用組成物を乾燥後の厚みが0.50μmになるように塗布し乾燥させた。
その後、金属ロールのみから構成されるカレンダロールを用いて、カレンダ処理速度80m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、および表1に示すカレンダロールの表面温度で表面平滑化処理(カレンダ処理)を行った。その後、雰囲気温度70℃の環境で36時間熱処理を行った。熱処理後、1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットし、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性層表面に押し当たるように取り付けたテープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行った。
以上により、磁気テープを作製した。
[実施例11〜14]
表1に示すように各層形成用組成物の処方および/または製造条件を変更した点以外、実施例10と同様の方法で磁気テープを作製した。振動付与時間は、テープ試料の搬送速度を変えることにより調整した。
表1中、BFとは、強磁性六方晶フェライト粉末であり、各実施例、比較例で用いた強磁性六方晶フェライトは、実施例3で用いた強磁性六方晶フェライト粉末と同様である。
表1中、MPとは、強磁性金属粉末であり、平均粒子サイズ(平均長軸長)は30nmであった。
[磁気テープの物性評価方法]
<1.真空加熱前後のスペーシング分布FWHMbefore、FWHMafter
TSA(Tape Spacing Analyzer (Micro Physics社製))を用いて、以下の方法により、真空加熱前後のスペーシング分布FWHMbefore、FWHMafterを求めた。
磁気テープの磁性層側表面上に、TSAに備えられたガラス板を配置した状態で、押圧部材としてTSAに備えられているウレタン製の半球を用いて、この半球を磁気テープのバックコート層側表面に、5.05×10 N/m(0.5atm)の圧力で押しつけた。この状態で、TSAに備えられているストロボスコープから白色光を、ガラス板を通して磁気テープの磁性層側表面の一定領域(150000〜200000μm)に照射し、得られる反射光を、干渉フィルタ(波長633nmの光を選択的に透過するフィルタ)を通してCCD(Charge−Coupled Device)で受光することで、この領域の凹凸で生じた干渉縞画像を得た。
この画像を300000ポイントに分割して各ポイントのガラス板の磁気テープ側の表面から磁気テープの磁性層側表面までの距離(スペーシング)を求めこれをヒストグラムとし、ヒストグラムをガウス分布でフィッティングしたときの半値全幅をスペーシング分布の半値全幅とした。
真空加熱は、磁気テープを、200Pa以上0.01MPa以下の真空度の内部雰囲気温度70〜90℃の真空定温乾燥機に24時間保存することにより行った。
<2.差分Safter−before
上記1.で得た真空加熱後のヒストグラムの最頻値から、真空加熱前のヒストグラムの最頻値を差し引いて、差分Safter−beforeとした。
<3.磁気テープの中心線平均表面粗さRa>
AFM(Veeco社Nanoscope4)で、磁気テープの磁性層側表面の面積40μm×40μmの領域を測定し、中心線平均表面粗さRaを求めた。スキャン速度(探針移動速度)は40μm/sec、分解能は512pixel×512pixelとした。
[磁気テープの性能評価方法]
<1.電磁変換特性(Signal−to−noise ratio; SNR)の評価>
雰囲気温度23℃±1℃、相対湿度50%の環境下にて、上記で作製した磁気テープについて、記録ヘッド(MIG(Metal−in−gap)ヘッド、ギャップ長0.15μm、1.8T)と再生用GMR(Giant Magnetoresistive)ヘッド(再生トラック幅1μm)をループテスターに取り付けて、線記録密度325kfciの信号を記録し、その後、再生出力、SNRを測定した。比較例1のSNRを0dBとした時にSNRが0dB以上であれば高密度記録用磁気テープとして好適であり、1.0dB以上であれば、高密度記録化に伴う今後の厳しいニーズに対応しうる性能を有すると評価することができる。
<2.磁気テープ表面の傷発生の評価>
走行中に磁気テープ表面に傷が発生すると、傷が発生した箇所で局所的に再生信号振幅が低下する現象が確認される。そこで以下の方法により、再生信号振幅の低下の発生頻度に基づき、走行中の磁気テープ表面の傷発生の評価を行った。
雰囲気温度40℃±1℃、相対湿度80%の環境下にて、IBM社製LTO(登録商標)G6(Linear Tape−Open Generation 6)ドライブから取り外した磁気記録再生ヘッドをテープ走行系に取り付け、0.6Nのテンションをかけながらテープ長20mの磁気テープを、送り出しロールから送り出し、12m/sで走行させ、巻き取りロールへ巻き取る方法で10000サイクル走行させた。サイクル後のテープをIBM社製LTO G6ドライブにて走行させ、記録再生信号出力を外部AD(Analog/Digital)変換装置に取り込み、再生信号振幅が平均(全長での測定値の平均)に対して70%以上落ち込んだ頻度をカウントした。上記頻度が、テープ単位長さあたり10個/m以下であれば、高密度記録化に伴う今後の厳しいニーズに対応しうる性能を有すると評価することができる。
<3.走行中の貼り付き発生の評価>
上記2.のヘッドに歪みゲージを取付け、上記2.の条件での走行中に得られる電圧値をモニターし、その電圧値から換算した荷重が1.5Nを超えると貼り付きと判断した。10000サイクル走行の間、貼り付き回数が1回以下であれば、高密度記録化に伴う今後の厳しいニーズに対応しうる性能を有すると評価することができる。
以上の結果を、表1に示す。
表1に示す結果から、実施例の磁気テープは、優れた電磁変換特性を発揮し、かつ走行中の磁気テープとヘッドの貼り付きが少なく、傷の発生も抑制されていることが確認できる。
本発明は、長期にわたって高い信頼性をもって使用可能であることが求められるデータバックアップテープ等の高密度記録用磁気テープの技術分野において有用である。

Claims (11)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、
    前記磁性層は脂肪酸エステルを含み、
    前記磁気テープを真空加熱する前に前記磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅は、0nm超かつ5.0nm以下であり、
    前記磁気テープを真空加熱した後に前記磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシング分布の半値全幅は、0nm超かつ5.0nm以下であり、かつ
    前記磁気テープを真空加熱した後に前記磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSafterと、前記磁気テープを真空加熱する前に前記磁気テープの磁性層側表面において光学干渉法により測定されるスペーシングSbeforeとの差分、Safter−before、は、0nm超かつ8.0nm以下である磁気テープ。
  2. 前記磁気テープの磁性層側表面で測定される中心線平均表面粗さRaは2.8nm以下である請求項1に記載の磁気テープ。
  3. 前記磁気テープの磁性層側表面で測定される中心線平均表面粗さRaは2.5nm以下である請求項1または2に記載の磁気テープ。
  4. 前記磁気テープの磁性層側表面で測定される中心線平均表面粗さRaは2.0nm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  5. 前記磁性層は、非磁性フィラーを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  6. 前記非磁性フィラーは、コロイド粒子である請求項5に記載の磁気テープ。
  7. 前記コロイド粒子は、シリカコロイド粒子である請求項6に記載の磁気テープ。
  8. 前記非磁性フィラーは、カーボンブラックである請求項5に記載の磁気テープ。
  9. 前記非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  10. 前記磁性層は、脂肪酸を更に含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  11. 請求項1〜10いずれか1項に記載の磁気テープの製造方法であって、
    非磁性支持体上に、強磁性粉末、結合剤および脂肪酸エステルを含む磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させることにより磁性層を形成すること、および、
    形成した磁性層に振動を加えること、
    を含む、前記磁気テープの製造方法。
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