本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。本発明の実施形態では、表示装置として、液晶表示装置を例に挙げるが、本発明はこれに限定されず、例えば有機EL表示装置等であってもよい。また、本発明の実施形態では、COG(Chip On Glass)方式の液晶表示装置を例に挙げるが、これに限定されず、例えばCOF(Chip On Film)方式又はTCP(Tape Carrier Package)方式の液晶表示装置であってもよい。
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す平面図及び側面図である。液晶表示装置100は、表示パネル10、ソースドライバIC2、ゲートドライバIC3、及び、バックライト装置(図示せず)を含んで構成されている。表示パネル10は、薄膜トランジスタ基板4(TFT基板)、カラーフィルタ基板5(CF基板)、及び、両基板間に挟持された液晶層6を含んでいる。ソースドライバIC2及びゲートドライバIC3は、TFT基板4を構成するガラス基板上に直接搭載されている。ソースドライバIC2及びゲートドライバIC3は、表示パネル10の一辺に沿って一列に並んで配置されている。なお、ソースドライバIC及びゲートドライバICの数は限定されない。また、表示パネル10は、画像を表示する表示領域10aと、表示領域10aの周囲の額縁領域10bとを含んでいる。
図2は、表示パネル10における表示領域10aの概略構成を示す平面図である。表示パネル10には、第1方向(例えば行方向)に延在する複数のデータ線11と、第2方向(例えば列方向)に延在する複数のゲート線12とが設けられている。各データ線11と各ゲート線12との各交差部には、薄膜トランジスタ(以下、画素TFTという。)13が設けられている。各データ線11は対応するソースドライバIC(図1参照)に電気的に接続されており、各ゲート線12はゲートドライバIC(図1参照)に電気的に接続されている。なお、符号D1は、列方向の最端部に配置される1番目のデータ線11を示し、符号D2は、1番目のデータ線11の列方向に隣り合う2番目のデータ線11を示している。符号G1は、行方向の最端部に配置される1番目のゲート線12を示し、符号G2は、2番目のゲート線12の行方向に隣り合う2番目のゲート線12を示している。
表示パネル10には、各データ線11と各ゲート線12との各交差部に対応して、複数の画素14がマトリクス状(行方向及び列方向)に配置されている。TFT基板4には、画素14ごとに配置される複数の画素電極15と、複数の画素14に共通する共通電極16とが設けられている。なお、共通電極16はCF基板5に設けられてもよい。
各データ線11には、対応するソースドライバIC2からデータ信号(データ電圧)が供給される。各ゲート線12には、ゲートドライバIC3からゲート信号(後述する、ゲートオン電圧、プリゲート電圧、ゲートオフ電圧)が供給される。共通電極16には、コモンドライバ(図示せず)から共通配線17を介して共通電圧Vcomが供給される。ゲート信号のオン電圧(ゲートオン電圧)がゲート線12に供給されると、ゲート線12に接続された画素TFT13がオンし、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、データ電圧が画素電極15に供給される。画素電極15に供給されたデータ電圧と、共通電極16に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライトの光の透過率を制御することによって画像表示を行う。なお、カラー表示を行う場合は、ストライプ状のカラーフィルタで形成された赤色、緑色、青色に対応するそれぞれの画素14の画素電極15に接続されたそれぞれのデータ線11に、所望のデータ電圧を供給することにより実現される。
図3は、表示パネル10の詳細な構成を示す平面図である。表示パネル10の額縁領域10bの周縁部(図3では、左辺側)には、各データ線11の一端が電気的に接続されるソースドライバIC2(SD−IC)と、各ゲート線12の一端が電気的に接続されるゲートドライバIC3(GD−IC)と、共通配線17の一端が接続される端子Vcomとが配置されている。ゲート線12の一端は、ゲートセレクタ用の薄膜トランジスタ(以下、セレクタTFTという。)21の一方の導通電極(ソース電極)に接続されており、セレクタTFT21の他方の導通電極(ドレイン電極)はゲート電圧供給配線31に電気的に接続されている。セレクタTFT21は、対応するゲート線12を選択するためのスイッチとして機能する。1本のゲート電圧供給配線31には、複数本のゲート線12が電気的に接続されている。具体的には、例えば、ゲート線12の本数が1920本の場合、1番目,31番目,61番目,…,1891番目のゲート線G1,G31,G61,…,G1891が、それぞれに対応するセレクタTFT21を介してゲート電圧供給配線VG1に接続されており、2番目,32番目,62番目,…,1892番目のゲート線G2,G32,G62,…,G1892が、それぞれに対応するセレクタTFT21を介してゲート電圧供給配線VG2に接続されている。同様に、30番目,60番目,90番目,…,1920番目のゲート線G30,G60,G90,…,G1920が、それぞれに対応するセレクタTFT21を介してゲート電圧供給配線VG30に接続されている。すなわち、図3の例では、ゲート線12は、30本おきに同一のゲート電圧供給配線31に接続されている。1本のゲート電圧供給配線31には、64本のゲート線12が電気的に接続されている。ゲート電圧供給配線VG1〜VG30に接続される隣り合う30本のゲート線12は1つのグループを構成している。例えば、ゲート線G1〜G30が1つのグループ(第1グループ)を構成し、ゲート線G31〜G60が1つのグループ(第2グループ)を構成し、ゲート線G1891〜G1920が1つのグループ(第64グループ)を構成している。図3の例では、ゲート線12は、64個のグループで構成されている。
1つのグループに対応する30個のセレクタTFT21は、各制御電極(ゲート電極)が同一の選択信号供給配線32に接続されている。例えば、ゲート線G1〜G30を含む第1グループにおいて、ゲート線G1〜G30のそれぞれに接続される30個のセレクタTFT21は、各制御電極が選択信号供給配線CLK1に接続されている。また、ゲート線G31〜G60を含む第2グループにおいて、ゲート線G31〜G60のそれぞれに接続される30個のセレクタTFT21は、各制御電極が選択信号供給配線CLK2に接続されている。同様に、ゲート線G1891〜G1920を含む第64グループにおいて、ゲート線G1891〜G1920のそれぞれに接続される30個のセレクタTFT21は、各制御電極が選択信号供給配線CLK64に接続されている。すなわち、各グループに対して、互いに異なる選択信号供給配線32が設けられている。
ここで、一般的なゲートセレクタ方式における表示パネルの動作について説明する。図4は、一般的なゲートセレクタ方式における表示パネルの動作を示すタイミングチャートである。ここでは、ゲートドライバICが、通常のゲートオン電圧Vgh及びゲートオフ電圧Vglを、各ゲート電圧供給配線VG1〜VG30に供給する場合の表示パネル(図3参照)の動作について説明する。図4に示すCK1,CK2は、制御回路(図示せず)からゲートドライバIC3に入力されるクロックを示し、CLK1,CLK2は、選択信号供給配線CLK1,CLK2に供給される電圧を示し、VG1〜VG30は、ゲート電圧供給配線VG1〜VG30に供給される電圧を示す。
先ず、ゲートドライバIC3は、クロックCK1の立ち上がりのタイミングで、選択信号供給配線CLK1にセレクタTFT21をオンする電圧Vshを供給する。これにより、第1グループのゲート線G1〜G30に接続されたセレクタTFT21がオン状態になる。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1に、画素TFT13(図2参照)をオンする電圧(ゲートオン電圧Vgh)を供給する。これにより、ゲート線G1に接続された1列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、1列目の画素電極15に供給される。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1に、画素TFT13をオフする電圧(ゲートオフ電圧Vgl)を供給するとともに、ゲート電圧供給配線VG2にゲートオン電圧Vghを供給する。これにより、ゲート線G1に接続された1列目の画素TFT13がオフし、ゲート線G2に接続された2列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、2列目の画素電極15に供給される。このように、表示パネル10は、第1グループのゲート線G1〜G30を順次駆動して、対応する画素電極15にデータ電圧を供給する。
続いて、ゲートドライバIC3は、クロックCK1の立ち上がりのタイミングで、選択信号供給配線CLK1にセレクタTFT21をオフする電圧Vslを供給するとともに、選択信号供給配線CLK2に電圧Vshを供給する。これにより、第1グループのゲート線G1〜G30に接続されたセレクタTFT21がオフし、第2グループのゲート線G31〜G60に接続されたセレクタTFT21がオン状態になる。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1にゲートオン電圧Vghを供給する。これにより、ゲート線G31に接続された31列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、31列目の画素電極15に供給される。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1にゲートオフ電圧Vglを供給するとともに、ゲート電圧供給配線VG2にゲートオン電圧Vghを供給する。これにより、ゲート線G31に接続された31列目の画素TFT13がオフし、ゲート線G32に接続された32列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、32列目の画素電極15に供給される。このように、表示パネル10は、第2グループのゲート線G31〜G60を順次駆動して、対応する画素電極15にデータ電圧を供給する。
以降、表示パネル10は、各グループを順次駆動して、対応する画素電極15にデータ電圧を供給する。
上記構成によれば、ゲートドライバIC3に接続される配線の本数を、ゲート線12の本数に比べて少なくすることができるため、全てのゲート線12をゲートドライバICに引き回す構成と比較して、列方向の額縁領域の面積を縮小することができる。
しかし、上記動作方法によれば、上述した通り、表示画像における、ブロック(グループ)の境界に対応する領域に段差等の表示ムラが視認されるという問題が生じる。図5は、セレクタTFTにおいて、図4に示すゲートオン電圧Vghを印加してから経過した時間t(s)と、出力電圧Vg(V)との関係を示すグラフである。薄膜トランジスタの特性に起因して、図5に示すように、ゲートオン電圧Vghが印加されてから時間の経過に従って、出力電圧が低下する。このため、例えばブロック内の先頭(1番目)のゲート線G1に供給される出力電圧(最大出力電圧Vgmax)と、最終(30番目)のゲート線G30に供給される出力電圧(最小出力電圧Vgmin)との差が大きくなる。例えば、図5において、左端のグラフはブロック内の1番目のゲート線G1に供給される出力電圧の変化に対応し、右端のグラフはブロック内の30番目のゲート線G30に供給される出力電圧の変化に対応している。上記ブロックの隣のブロックでは、31番目のゲート線G31に供給される出力電圧は、1番目のゲート線G1に供給される出力電圧と同じ値となる。よって、隣り合うブロックの境界には、1つのブロック内の最大電圧差と同じ電圧差が生じる。この電圧差が、図6に示すように、表示画像におけるブロックの境界に対応する領域に段差(表示ムラ)となって表れる。
本実施形態に係る液晶表示装置100は、上記表示ムラを低減し得る構成を備えている。以下、この構成の詳細について説明する。
図7は、本実施形態に係るゲートセレクタ方式における表示パネル10の動作を示すタイミングチャートである。図7に示すCK1,CK2は、制御回路(図示せず)からゲートドライバIC3に入力されるクロックを示し、CLK1,CLK2は、選択信号供給配線CLK1,CLK2に供給される電圧を示し、VG1〜VG30は、ゲート電圧供給配線VG1〜VG30に供給される電圧を示す。また図7において、Vgh1は、画素TFT13(図2参照)をオンする電圧(第1ゲート電圧)を示し、例えば図4のVghと同一の電圧レベル(電位)である。Vgh2は、Vgh1よりも電圧レベルが低い電圧(プリゲート電圧)(第2ゲート電圧)を示している。なお、Vgh2は、画素TFT13をオンする電圧レベルを有していてもよい。
先ず、ゲートドライバIC3は、クロックCK1の立ち上がりのタイミングで、選択信号供給配線CLK1にセレクタTFT21をオンする電圧Vshを供給する。これにより、第1グループのゲート線G1〜G30に接続されたセレクタTFT21がオン状態になる。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち下がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1にプリゲート電圧Vgh2を供給する。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1に、電圧Vgh1を供給する。これにより、ゲート線G1に接続されたセレクタTFT21の出力電圧がVgh2からVgh1に上昇する。そして、ゲート線G1に接続された1列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、1列目の画素電極15に供給される。また、ゲートドライバIC3は、ゲート電圧供給配線VG1に電圧Vgh1を供給している期間において、クロックCK2の立ち下がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG2に、プリゲート電圧Vgh2を供給する。
次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1にゲートオフ電圧Vglを供給するとともに、ゲート電圧供給配線VG2に電圧Vgh1を供給する。これにより、ゲート線G1に接続されたセレクタTFT21の出力電圧がVgh1からVghlに低下し、ゲート線G2に接続されたセレクタTFT21の出力電圧がVgh2からVgh1に上昇する。そして、ゲート線G1に接続された1列目の画素TFT13がオフし、ゲート線G2に接続された2列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、2列目の画素電極15に供給される。このように、表示パネル10は、第1グループのゲート線G1〜G30を順次駆動して、対応する画素電極15にデータ電圧を供給する。また、各ゲート線G1〜G30には、電圧Vgh1が供給される前に、電圧Vgh1よりも電圧レベルが低いプリゲート電圧Vgh2が供給される。
続いて、ゲートドライバIC3は、クロックCK1の立ち上がりのタイミングで、選択信号供給配線CLK1にセレクタTFT21をオフする電圧Vslを供給するとともに、選択信号供給配線CLK2に電圧Vshを供給する。これにより、第1グループのゲート線G1〜G30に接続されたセレクタTFT21がオフし、第2グループのゲート線G31〜G60に接続されたセレクタTFT21がオン状態になる。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち下がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1にプリゲート電圧Vgh2を供給する。次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1に電圧Vgh1を供給する。これにより、ゲート線G31に接続されたセレクタTFT21の出力電圧がVgh2からVgh1に上昇する。そして、ゲート線G31に接続された31列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、31列目の画素電極15に供給される。また、ゲートドライバIC3は、ゲート電圧供給配線VG1に電圧Vgh1を供給している期間において、クロックCK2の立ち下がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG2に、プリゲート電圧Vgh2を供給する。
次に、ゲートドライバIC3は、クロックCK2の立ち上がりのタイミングで、ゲート電圧供給配線VG1にゲートオフ電圧Vglを供給するとともに、ゲート電圧供給配線VG2に電圧Vgh1を供給する。これにより、ゲート線G31に接続されたセレクタTFT21の出力電圧がVgh1からVghlに低下し、ゲート線G32に接続されたセレクタTFT21の出力電圧がVgh2からVgh1に上昇する。そして、ゲート線G31に接続された31列目の画素TFT13がオフし、ゲート線G32に接続された32列目の画素TFT13がオン状態になり、ソースドライバIC2から出力されたデータ電圧が、画素TFT13に接続されたデータ線11を介して、32列目の画素電極15に供給される。このように、表示パネル10は、第2グループのゲート線G31〜G60を順次駆動して、対応する画素電極15にデータ電圧を供給する。また、各ゲート線G31〜G60には、電圧Vgh1が供給される前に、電圧Vgh1よりも電圧レベルが低いプリゲート電圧Vgh2が供給される。
以降、表示パネル10は、各グループを順次駆動して、対応する画素電極15にデータ電圧を供給する。
本実施形態に係る表示パネル10の動作方法では、セレクタTFT21の出力電圧を、ゲートオフ電圧Vglから一旦プリゲート電圧Vgh2に上げて、その後に電圧Vgh1に上げている。すなわち、セレクタTFT21の出力電圧を、段階的に高くする。図8は、本実施形態に係る表示パネル10の動作方法における、セレクタTFT21において、図7に示すゲートオン電圧Vghを印加してから経過した時間t(s)と、出力電圧Vg(V)との関係を示すグラフである。図7に示すように、本実施形態に係る上記動作方法によれば、経過時間に対する出力電圧の最大値(最大出力電圧Vgmax)と最小値(最小出力電圧Vgmin)との差(電圧差)が、図5に示す電圧差よりも小さくなる。すなわち、例えばブロック内の1番目のゲート線G1に供給される出力電圧Vgmaxと、30番目のゲート線G30に供給される出力電圧Vgminとの差が小さくなる。よって、隣り合うブロックの境界における電圧差が小さくなるため、表示画像におけるブロックの境界に対応する領域に段差(表示ムラ)を低減することができる。
ここで、上記電圧差は、プリゲート電圧Vgh2の電圧値に応じて変動する。例えば、図8は、電圧Vgh1が15Vの場合に、プリゲート電圧Vgh2を10Vに設定したときのグラフである。すなわち、図8では、プリゲート電圧Vgh2は、電圧Vgh1の2/3の値に設定されている。また、図9は、電圧Vgh1が15Vの場合に、プリゲート電圧Vgh2を5Vに設定したときのグラフである。すなわち、図9では、プリゲート電圧Vgh2は、電圧Vgh1の1/3の値に設定されている。プリゲート電圧Vgh2を5Vに設定した場合でも、本実施形態に係る上記動作方法によれば、上記電圧差を図5に示す電圧差よりも小さくすることができるため、上記表示ムラを低減することができる。
プリゲート電圧Vgh2の設定値について考察した結果によれば、プリゲート電圧Vgh2は、Vgh1が15Vの場合、5(V)≦Vgh2<15(V)を満たすことが好ましい。すなわち、プリゲート電圧Vgh2は、(Vgh1)/3≦Vgh2<Vgh1を満たすことが好ましい。
以上のように、ゲートドライバIC3は、ゲートオフ電圧Vgl、プリゲート電圧Vgh2、電圧Vgh1を選択的に出力する。なお、ゲートオフ電圧Vglは、例えば、−5.5Vに設定される。ゲートドライバIC3は、これらVgl、Vgh2、Vgh1の3値のゲート電圧を切り替えて選択的に出力する。また、ゲート電圧供給配線31に供給されるゲート電圧の信号波形は、図7に示すように、前半から後半に向かって上昇する階段形状を含んでいる。
本実施形態に係る液晶表示装置100は、上記構成に限定されない。例えば、プリゲート電圧Vgh2の電源ラインに抵抗が設けられていてもよい。これにより、図11に示すように、ゲート電圧供給配線31に供給されるゲート電圧は、徐々に上昇していく。すなわち、ゲート電圧供給配線31に供給されるゲート電圧の信号波形は、前半から後半に向かって徐々に上昇するスロープ形状(傾斜)を含んでいる。
また、ゲートドライバIC3がプリゲート電圧Vgh2をゲート電圧供給配線31に供給するタイミングは、電圧Vgh1をゲート電圧供給配線31に供給する前であればよい。例えば、ゲートドライバIC3は、電圧Vgh1をゲート電圧供給配線31に供給する1水平走査期間(1H)前に、プリゲート電圧Vgh2をゲート電圧供給配線31に供給してもよいし、1/2H前に供給してもよいし、2H前に供給してもよい。
また、上記構成では、ゲートドライバIC3は、全てのゲート電圧供給配線VG1〜VG30に、プリゲート電圧Vgh2を供給しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ゲートドライバIC3は、ブロックの境界の近傍に配置されるゲート線12に接続されるゲート電圧供給配線31だけにプリゲート電圧Vgh2を供給してもよい。
また、各ブロックにおいて、ブロック内におけるゲート線12の位置に応じてプリゲート電圧Vgh2の電圧値を異ならせてもよい。例えば、ブロック内において走査順が後のゲート線12に接続されるゲート電圧供給配線31に供給するプリゲート電圧Vgh2の電圧値を、走査順が先のゲート線12に接続されるゲート電圧供給配線31に供給するプリゲート電圧Vgh2の電圧値よりも高くしてもよい。すなわち、各ブロックにおいて、ゲート線12の走査方向にいくに従って、対応するプリゲート電圧Vgh2を徐々に高くなるように設定してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。