JP2017067329A - 冷媒の流量制御機構、冷却システムおよび冷媒の流量制御方法 - Google Patents

冷媒の流量制御機構、冷却システムおよび冷媒の流量制御方法 Download PDF

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雅人 矢野
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Abstract

【課題】 冷媒の相変化を用いる冷却装置において、蒸発器へ流入する冷媒の量を最適化できる冷媒の流量制御機構を提供する。【解決手段】 本発明の冷媒の流量制御機構10は、蒸発器51内における冷媒53の流動方向が長手方向となるように配置された長尺のヒートパイプ20、発熱体60側から蒸発器51を通過してヒートパイプ20側まで到達する空気流31を生成する空気流生成手段30、および、発熱体60の蒸発器51が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、取得した基準温度とヒートパイプ20の温度との差が小さくなるように、蒸発器51へ流入させる冷媒53の量を調整する流量調整手段40を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、冷媒の流量制御機構、冷却システムおよび冷媒の流量制御方法に関し、特に、冷媒の相変化を用いる冷却装置の冷媒の流量制御機構、冷却システムおよび冷媒の流量制御方法に関する。
サーバールーム等においては、一般的に、パーソナルコンピュータやサーバ等の電子機器は、1台のラック内にまとめて収容される。このようなラックとして、例えば、米国電子工業界(EIA:Electronic Industries Alliance)規格に準じた19インチラックがある。近年、パーソナルコンピュータやサーバ等の電子機器の高性能化、高機能化等に伴い、それらの発熱量が増加している。そこで、特許文献1、2には、複数の電子機器がまとめて収容されているラックに、冷媒循環式の冷却装置を搭載することが提案されている。
冷媒循環式の冷却装置においては、気相状態と液相状態とに相変化する冷媒を、電子機器の近傍に配置された蒸発器と外気等の放熱領域近傍に配置された凝縮器との間で配管を用いて循環させることにより、電子機器から発せられた熱を外気に放熱する。
特開2009−193244号公報 特開2012−118781号公報
ここで、蒸発器へ流入される液相状態の冷媒の量が多過ぎると、液相状態の冷媒の顕熱により吸熱され、蒸発潜熱による吸熱量が小さくなることから、単位流量あたりの吸熱量が減少し、効率が悪くなる。一方、蒸発器へ流入される液相状態の冷媒の流量が蒸発潜熱分以下であると、気相状態の冷媒の顕熱による吸熱となり、発熱体から発せられた熱を十分に吸熱できない。そこで、冷媒の相変化を利用して電子機器から発せられた熱を蒸発器で受ける際、発せられた熱の量に対応する潜熱分だけ冷媒を送ることが望ましい。
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、冷媒の相変化を用いる冷却装置において、蒸発器へ流入する冷媒の量を最適化できる冷却装置および冷媒の流量制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る冷媒の流量制御機構は、蒸発器内における冷媒の流動方向が長手方向となるように配置された長尺のヒートパイプと、発熱体側から前記蒸発器を通過して前記ヒートパイプ側まで到達する空気流を生成する空気流生成手段と、前記発熱体の前記蒸発器が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、取得した基準温度と前記ヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記蒸発器へ流入させる前記冷媒の量を調整する流量調整手段と、を備える。
上記目的を達成するために本発明に係る冷却システムは、発熱体から発せられた熱を吸熱することによって冷媒を液相状態から気相状態に相変化させる蒸発器、前記吸熱した熱を放熱させることによって前記冷媒を気相状態から液相状態に相変化させる凝縮器、一端が前記蒸発器に、他端が前記凝縮器に接続され、内部を前記気相状態の冷媒が通過する蒸気管、および、一端が前記凝縮器に、他端が前記蒸発器に接続され、内部を前記液相状態の冷媒が通過する液管を備えた冷却装置と、前記発熱体側から前記蒸発器を通過してヒートパイプ側まで到達する空気流を生成する空気流生成手段、前記蒸発器内における前記冷媒の流動方向が長手方向となるように配置された長尺のヒートパイプ、および、前記発熱体の前記蒸発器が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、取得した基準温度と前記ヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記蒸発器へ流入させる前記冷媒の量を調整する流量調整手段を備える冷媒の流量制御機構と、を備える。
上記目的を達成するために本発明に係る冷媒の流量制御方法は、発熱体側から内部に冷媒が収納された蒸発器を通過してヒートパイプ側まで到達する空気流を生成し、前記発熱体の前記蒸発器が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、取得した基準温度と前記ヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記蒸発器へ流入させる前記冷媒の量を調整し、前記ヒートパイプは、前記蒸発器内における前記冷媒の流動方向が長手方向となるように配置された長尺体であることを特徴とする。
上述した本発明の態様によれば、冷媒の相変化を用いる冷却装置において、蒸発器へ流入する冷媒の量を最適化できる。
第1の実施形態に係る冷媒の流量制御機構10の側面図である。 第2の実施形態に係る冷却システム100のシステム構成図である。 第2の実施形態に係る冷却装置200および流量制御手段500の斜視図である。 第2の実施形態に係る蒸発器210周辺の斜視図である。 第2の実施形態に係る冷却システム100において、排気側領域の温度分布の一例である。 第2の実施形態に係る冷却システム100において、排気側領域の温度分布の一例である。 第2の実施形態に係る冷却システム100において、空気流の進行方向の平均温度プロファイルの一例である。 第2の実施形態に係る別の蒸発器210周辺の斜視図である。 第3の実施形態に係る冷却装置200Bおよび流量制御手段500Bの斜視図である。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係る冷媒の流量制御機構の側面図を図1に示す。図1において、冷媒の流量制御機構10は、ヒートパイプ20、空気流生成手段30および流量調整手段40によって構成される。
ヒートパイプ20は、5000〜30000W/m・Kの熱伝導率を有し、蒸発器51内における冷媒53の流動方向が長手方向となるように、蒸発器51の近傍に配置される長尺体である。例えば、縦型の蒸発器51内において冷媒53が天地方向に流動する場合、ヒートパイプ20は、蒸発器51の天地方向が長手方向となるように配置される。また、凝縮器52の種類や左右にヘッダを有する蒸発器51を適用する等によって、例えば、冷媒53が蒸発器51内において水平方向に流動する場合、ヒートパイプ20は蒸発器51の水平方向が長手方向となるように配置される。本実施形態に係るヒートパイプ20は、断面が長円型に形成され、長径の方向と空気流生成手段30によって生成された空気流31の進行方向とが、一致する向きに配置される。
空気流生成手段30は、発熱体60側から蒸発器51を通過してヒートパイプ20側まで到達する空気流31を生成する。空気流生成手段30として、発熱体60や図1には図示しないラック等に配置されているファンを適用することができる。なお、空気流31は、蒸発器51内を発熱体60側からヒートパイプ20側へ通過すればよく、空気流生成手段30を発熱体60と蒸発器51との間に配置することもできる。
流量調整手段40は、発熱体60の蒸発器51が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、取得した基準温度と、ヒートパイプ20の温度との差が小さくなるように、蒸発器51へ流入させる液相状態の冷媒53の量を調整する。ここで、基準温度として、発熱体60が配置されているサーバールーム等の設定温度を適用することができる。また、流量調整手段40は、発熱体60を通過する前の空気流31の温度を基準温度として取得することもできる。なお、空気流生成手段30が発熱体60と蒸発器51の間に設けられている場合であっても、空気流生成手段30から空気流31を生成することに伴い、発熱体60の蒸発器51が配置されている側と反対側の領域に空気流31の送風に起因する空気の流れが発生する。従って、空気流生成手段30が発熱体60と蒸発器51の間に設けられている場合、流量調整手段40は、この空気の流れが発熱体60を通過する前の温度を取得する。
次に、蒸発器51、凝縮器52および冷媒53によって構成される冷却装置50について説明する。
蒸発器51は、冷却対象の発熱体60の近傍に配置される箱体であり、内部に冷媒53が収容されている。ここで、冷媒53は、低沸点を有する媒体であり、例えば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)やHFE(ハイドロフルオロエーテル)等を適用することができる。蒸発器51は、発熱体60から発せられた熱を液相状態の冷媒53へ伝熱させることによって、冷媒53を液相状態から気相状態へ相変化させる。気相状態へ相変化した冷媒53は、蒸気管を介して凝縮器52へ流入する。
凝縮器52は、内部に気相状態の冷媒53が収容される箱体である。凝縮器52は、蒸気管を介して蒸発器51から流入された気相状態の冷媒53を冷却する。気相状態の冷媒53は、凝縮器52内において冷却されることにより、気相状態から液相状態へ相変化する。液相状態へ相変化した冷媒53は、液管を介して再び蒸発器51へ流入する。
上記のように構成された冷却装置50は、液相状態の冷媒53と気相状態の冷媒53との密度差、および、蒸発器51と凝縮器52との高低差から生じるヘッド差を駆動力として、ポンプなどを使用することなく冷媒53が冷却装置50内を循環し続ける。これにより、発熱体60から放出された排気熱が外気へ放熱され、発熱体60が冷却される。
ここで、蒸発器51へ流入される液相状態の冷媒53の量が多過ぎると、液相状態の冷媒53の顕熱により吸熱され、蒸発潜熱による吸熱量が小さくなることから、単位流量あたりの吸熱量が減少し、効率が悪くなる。一方、蒸発器51へ流入される液相状態の冷媒53の流量が蒸発潜熱分以下であると、気相状態の冷媒53の顕熱による吸熱となり、発熱体から発せられた熱を十分に吸熱できない。すなわち、蒸発器51へ流入される液相状態の冷媒53の量が適量であるとき、発熱体60から放出された排熱を蒸発器51において十分受熱することが可能となる。
発熱体60から放出された排熱による温度上昇と、蒸発器51における受熱による温度下降はそのまま、発熱体60による発熱の影響を受けない位置の温度と、蒸発器51による冷却の影響を受ける位置の温度になって現れる。従って、本実施形態に係る流量調整手段40は、発熱体60による発熱の影響を受けない位置の温度として、発熱体60の蒸発器51が配置されている側と反対側の領域(基準温度)の温度を取得すると共に、蒸発器51による冷却の影響を受ける位置の温度としてヒートパイプ20の温度を計測する。そして、流量調整手段40は、基準温度とヒートパイプ20の温度との差が小さくなるように、蒸発器51へ流入させる液相状態の冷媒53の量を調整する。これにより、蒸発器51へ流入する液相状態の冷媒53の量が最適となり、冷却装置50を効率よく機能させることができる。
上記のように構成された冷媒の流量制御機構10においては、ヒートパイプ20を蒸発器51の空気流31の下流側に配置し、基準温度(発熱体60の蒸発器51が配置されている側と反対側の領域の温度)とヒートパイプ20の温度との差が小さくなるように、蒸発器51へ流入させる液相状態の冷媒53の量を調整する。これにより、容易に蒸発器51の下流側温度を計測することができ、単純な構成で蒸発器51へ流入する液相状態の冷媒53の流量を最適化できる。
なお、冷媒の流量制御機構10はさらに、開度が大きい程、蒸発器51へ流入する液相状態の冷媒53の量が多くなるバルブ70や、ヒートパイプ20の温度を計測する温度計測手段80を備えることもできる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る冷却システムのシステム構成図を図2に、冷却装置200および流量制御手段500の斜視図を図3に、蒸発器210周辺の斜視図を図4に示す。図2において、冷却システム100は、冷却装置200、ラック300、発熱体400および流量制御手段500によって構成される。
冷却装置200は、蒸発器210、凝縮器220、蒸気管230、液管240および冷媒250によって構成され、ラック300内に収納されている発熱体400から放出される排気熱を外気へ放熱する。
蒸発器210は、冷却対象のサーバ等の発熱体400の近傍に配置される。図4に示すように、蒸発器210は、蒸発器上部ヘッダ211、蒸発器下部ヘッダ212および複数の蒸発器フィン・チューブ213によって構成される箱体であり、その内部に冷媒250が収容される。蒸発器210において、液相状態の冷媒250は液管240および蒸発器下部ヘッダ212を介して複数の蒸発器フィン・チューブ213へ流入する。蒸発器210は、発熱体400から放出された40〜50℃の排気熱を、複数の蒸発器フィン・チューブ213を介して、蒸発器210の内部に収容されている冷媒250へ伝熱させる。そして、複数の蒸発器フィン・チューブ213内において冷媒250に発熱体400から放出された排気熱が伝熱されることにより、冷媒250が液相状態から気相状態へ相変化する。気相状態へ相変化した冷媒250は、蒸発器上部ヘッダ211および蒸気管230を介して凝縮器220へ流入する。
凝縮器220は、蒸発器210の上方に配置され、蒸気管230を介して蒸発器210から流入した気相状態の冷媒250を冷却する。本実施形態において、凝縮器220は、図示しない複数の管状体や、管状体の長手方向に沿って積層された放熱体等によって構成される。放熱体として、一般的に、金属製の平板状のフィンなどが用いられる。気相状態の冷媒250が凝縮器220の管状体内を通過することにより、冷媒250の熱が平板状のフィンを介して外気へ放熱され、冷媒250が気相状態から液相状態へ相変化する。
蒸気管230は、蒸発器210の蒸発器上部ヘッダ211と凝縮器220とを接続する。蒸発器210内で気相状態となった冷媒250は、蒸発器上部ヘッダ211および蒸気管230を通過して、凝縮器220へ流入する。
液管240は、凝縮器220と蒸発器210の蒸発器下部ヘッダ212とを接続する。凝縮器220内で液相状態となった冷媒250は、液管240および蒸発器下部ヘッダ212を通過して、再び蒸発器210へ流入する。
冷媒250は、低沸点を有する媒体である。冷媒250としては、例えば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)やHFE(ハイドロフルオロエーテル)等の有機冷媒を適用することができる。冷媒250は、蒸発器210内において発熱体400から放出された排気熱を吸熱して液相状態から気相状態へと相変化する。気相状態の冷媒250は、蒸気管230を介して凝縮器220へ流入する。さらに、冷媒250は、凝縮器220内において熱が平板状のフィンを介して外気へ放出されることによって凝縮し、気相状態から液相状態へと相変化する。液相状態の冷媒250は液管240を介して再び蒸発器210内へ流入する。
上記のように構成された冷却装置200は、液相状態の冷媒250と気相状態の冷媒250との密度差、および、蒸発器210と凝縮器220との高低差から生じるヘッド差を駆動力として、ポンプなどを使用することなく冷媒250が冷却装置200内を循環し続ける。これにより、発熱体400から放出された排気熱が外気へ放熱され、発熱体400が冷却される。
ラック300は、温度が一定に保たれたサールーム等に配置される、例えば、19インチラックであり、内部に1または複数の発熱体400が配置される。
発熱体400は、稼働することによって熱を発する、例えば、サーバ等の電子機器である。
ここで、図2、図3および図4に白抜き矢印で示すように、冷却システム100においては、ラック300や発熱体400等に配置されたファンにより、発熱体400側から冷却装置200側へ向かう空気の流れ(空気流)が発生する。以下、空気流の上流側の、空気流が発熱体400を通過する前の領域を「吸気側領域」と記載する。また、空気流の下流側の、空気流が蒸発器210を通過した後の領域を「排気側領域」と記載する。
流量制御手段500は、図3に示すように、バルブ510、ヒートパイプ520および流量設定部530によって構成され、蒸発器210内へ流入させる液相状態の冷媒250の流量を制御する。
バルブ510は、液管240に配置され、バルブ510の開度を大きくすることにより、蒸発器210内へ流入する液相状態の冷媒250の流量が大きくなる。
ヒートパイプ520は、5000〜30000W/m・Kの熱伝導率を有する、断面が長円型に形成された管状体である。本実施形態において、ヒートパイプ520は、排気側領域内の蒸発器210から出てきた空気流が拡散する前のできるだけ蒸発器210に近い位置に、蒸発器210内の冷媒250の流路に沿う方向に配置される。
詳細には、本実施形態において、ヒートパイプ520の長さは、ヒートパイプ520の下端および上端が、蒸発器210の蒸発器下部ヘッダ212および蒸発器上部ヘッダ211とそれぞれ対向するように形成される。そして、ヒートパイプ520は、断面の長径方向が空気流の方向と一致するように配置される。上記のように配置することにより、発熱体400側から冷却装置200側へ向かう空気流が妨げられることが抑制され、排気の圧力損失が低減される。なお、ヒートパイプ520の幅を蒸発器210の幅に対して十分小さく設計する場合は、ヒートパイプ520の断面形状を長円型に形成しなくても良い。
流量設定部530は、吸気側領域(空気流が発熱体400を通過する前の領域)の吸気側温度Tairを取得し、排気側領域(空気流が蒸発器210を通過した後の領域)の排気側温度Trad_outを計測する。そして、流量設定部530は、取得した吸気側温度Tairと排気側温度Trad_outとが一致するように、バルブ510の開度を制御し、蒸発器210内へ流入させる液相状態の冷媒250の流量を制御する。なお、この制御アルゴリズムは、例えば、PID(Proportional Integral Derivative)制御等を適用することができる。
ここで、排気側領域の排気側温度Trad_outとして排気側領域の空気温度を計測する場合、冷媒250の流れ方向に温度分布が生じる。排気側領域の空気温度分布は、冷媒250の吸熱量の違いによって変化し、冷媒250の吸熱量の違いは、冷媒250の熱的な状態(液相状態、気液混合状態、気相状態)によって決まる。冷媒250の熱的状態の変化は、冷媒250の流れ方向に沿って変化するので、冷媒250の流れ方向に沿って冷媒250の吸熱量が変化し、排気の温度分布が生じる。排気側領域の空気温度分布を図5に示す。
図5に示すように、本実施形態においては、排気側領域の空気温度は、気液混合状態の冷媒250が多く存在し、蒸発潜熱による高い冷却性能が得られる蒸発器210の下部では低く、蒸発器210の上部に向かうにつれて気相状態の冷媒250の割合が高くなり、冷却効率が低くなる上部では高くなる。従って、排気側領域の空気温度を計測することによって排気側温度Trad_outを決定する場合、蒸発器210の上下方向に複数の温度センサを配置して、それらの平均温度を演算する必要がある。
そこで、本実施形態においては、排気側領域の蒸発器210近傍にヒートパイプ520を配置し、排気側温度Trad_outとしてヒートパイプ520の温度を計測する。前述のように、ヒートパイプ520の熱伝導率は5000〜30000W/m・Kであり、代表的な汎用熱伝導体である銅の室温における熱伝導率約400W/m・Kやダイヤモンドの熱伝導率約2000W/m・Kと比較して1ケタ以上大きい。排気側領域に配置されたヒートパイプ520の温度分布および排気側領域に配置された銅製部材の温度分布を、排気側領域の空気温度と合せて図6に示す。
図6から分かるように、銅製部材の場合は、部材内に温度分布が残り、排気温度を十分に平均化できないのに対して、ヒートパイプ520の温度は、熱伝導率が極めて高いことから、全長にわたって排気側領域の下部〜上部にかけての平均温度となる。従って、排気側領域にヒートパイプ520を配置し、ヒートパイプ520の温度を排気側温度Trad_outとして適用する場合、複数の温度センサを蒸発器210の上下方向に配置することなく、ヒートパイプ520の1点の温度を計測するだけで、排気側温度Trad_outを速やかに決定することができる。
そして、流量設定部530は、取得した吸気側温度Tairとヒートパイプ520の計測温度(排気側温度Trad_out)とが一致するように、バルブ510の開度を制御することによって、蒸発器210内へ流入させる液相状態の冷媒250の流量を制御する。ここで、吸気側温度Tairとしては、例えば、サーバールームの設定温度を適用することができる。
次に、吸気側温度Tairと排気側温度Trad_outとを一致させる理由について説明する。単純化するため、サーバ等の発熱体400から放出された排熱を蒸発器210で100%受熱する場合を考える。図7に、空気流の進行方向の平均温度プロファイルを示す。なお、図7において、Trad_inは、発熱体400と蒸発器210とに挟まれた領域の温度である。
図7において、発熱体400から放出された排熱による温度上昇ΔTと冷却装置200の冷却による温度下降ΔTの比は、サーバから放出された排熱の量と蒸発器210における受熱量の比と一致する。従って、サーバから放出された排熱を蒸発器210において100%受熱するためには、ΔT<ΔTになるように制御すれば良い。一方、凝縮器220の性能を上げる等によってΔTがΔTより大きくなる場合、ラック300が配置されているサーバールームの室温が下がる。一般的に、サーバールームは一定温度になるように温度制御されるため、サーバールームの室温が下がることによってサーバールームの温度制御が不要に動作し、電力が無駄に消費される。
従って、サーバから放出された排熱を冷却装置200によって効率よく排熱するには、ΔT=ΔTになるように制御すれば良い。すなわち、吸気側温度Tairと排気側温度Trad_outとの差がゼロとなるように制御すればよい。
上記のように、本実施形態に係る冷却システム100において、ヒートパイプ520の温度を排気側温度Trad_outとして用い、吸気側温度Tairと排気側温度Trad_outとが一致するように、蒸発器210内へ流入させる液相状態の冷媒250の流量を制御することにより、複数の温度センサによる平均温度の演算等を行うことなく、単純な構成で蒸発器210へ流入する液相状態の冷媒250の流量を最適化できる。
なお、蒸発器210から出てきた排気が拡散してしまうことを抑制するために、蒸発器210の排気側領域に排気拡散防止用のダクトを配置することもできる。蒸発器210の排気側領域に排気拡散防止用のダクトを配置した時の斜視図を図8に示す。蒸発器210の排気側領域に排気拡散防止用のダクト600を配置する場合、ヒートパイプ520を配置する位置は、ダクト600内であれば、蒸発器210からの空気の流れ方向の距離は問わない。また、天地方向については、ダクト600がない場合と同様に、ヒートパイプ520の下端と蒸発器下部ヘッダ212とが対向すると共に、ヒートパイプ520の上端と蒸発器上部ヘッダ211とが対向するように設計することが望ましい。さらに、天地方向とも空気流の方向とも直行する方向(すなわち、図8の左右方向)については、空気流の流れを妨げないようになるべく小さい幅に設計されることが望ましい。そして、左右方向の配置位置は、実際には排気温度分布が生じる場合があるものの天地方向の排気温度分布に比較すれば小さいことから、適当な代表点、例えば中央に配置すれば良い。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について説明する。本実施形態に係る冷却システムの斜視図を図9に示す。図9の冷却システム100Bは、冷却装置200B、図9には図示しないラック300、発熱体400および流量制御手段500Bによって構成される。以下、第2の実施形態と異なる部分について説明する。
冷却装置200Bは、4つの蒸発器210a−210d、凝縮器220、蒸気管230、液管240Bおよび冷媒250によって構成され、発熱体400から放出される排気熱を外気へ放熱する。
4つの蒸発器210a−210dはそれぞれ、発熱体400から放出された排気熱を、内部に配置された複数の蒸発器フィン・チューブを介して、内部に収容されている冷媒250へ伝熱させる。冷媒250は、発熱体400から放出された排気熱を吸熱して液相状態から気相状態へと相変化し、蒸気管230を介して凝縮器220へ流入する。さらに、冷媒250は、凝縮器220内において熱が平板状のフィンを介して外気へ放出されることによって凝縮し、気相状態から液相状態へと相変化する。液相状態へ相変化した冷媒250は、液管240Bおよび液支流管241a−241dをそれぞれ介して、再び4つの蒸発器210a−210d内へ流入する。
上記のように構成された冷却装置200Bは、第2の実施形態で説明した冷却装置200と同様に、液相状態の冷媒250と気相状態の冷媒250との密度差、および、蒸発器210a−210dと凝縮器220との高低差から生じるヘッド差を駆動力として、ポンプなどを使用することなく冷媒250が冷却装置200B内を循環し続ける。これにより、発熱体400から放出された排気熱が外気へ放熱され、発熱体400が冷却される。
流量制御手段500Bは4つのバルブ510a−510d、4つのヒートパイプ520a−520dおよび流量設定部530Bによって構成され、4つの蒸発器210a−210d内へ流入させる液相状態の冷媒250の流量を制御する。
バルブ510a−510dはそれぞれ、液支流管241a−241dに配置され、蒸発器210a−210dへ流入させる液相状態の冷媒250の液量を、設定された開度に応じて調整する。
ヒートパイプ520a−520dはそれぞれ、排気側領域内の対応する蒸発器210a−210dに近い位置に配置される。ヒートパイプ520a−520dはそれぞれ、第2の実施形態で説明したヒートパイプ520と同様に、断面が長円型に形成された管状体であり、下端および上端と、蒸発器210a−210dの蒸発器下部ヘッダおよび蒸発器上部ヘッダとそれぞれ対向させ、断面の長径方向を空気流の方向と一致させて、配置される。
流量設定部530Bは、吸気側領域の吸気側温度Tair(例えば、サーバールームの設定温度)を取得すると共に、排気側領域の排気側温度Trad_outとして、ヒートパイプ520a−520dの温度をそれぞれ計測する。そして、流量設定部530Bは、取得した吸気側温度Tairと4つの排気側温度Trad_outとが一致するように、PID制御等を適用してバルブ510a−510dの開度を制御し、蒸発器210a−210d内へ流入させる液相状態の冷媒250の流量を制御する。
上記のように、本実施形態に係る冷却システム100Bは、排気側領域の4つの蒸発器210a−210d近傍に4つのヒートパイプ520a−520dをそれぞれ配置し、蒸発器210a−210dに対応する4つの排気側温度Trad_outとしてヒートパイプ520a−520dの温度をそれぞれ用いる。そして、流量設定部530Bは、吸気側温度Tair(サーバールームの設定温度)と4つの排気側温度Trad_out(ヒートパイプ520a−520dの温度)とが一致するように、バルブ510a−510dの開度を制御し、蒸発器210a−210d内へ流入させる液相状態の冷媒250の流量を制御する。これにより、本実施形態に係る冷却システム100Bにおいても、複数の温度センサによる平均温度の演算等を行うことなく単純な構成で、4つの蒸発器210a−210dへ流入する液相状態の冷媒250の流量をそれぞれ最適化できる。
本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
10 流量制御機構
20 ヒートパイプ
30 空気流生成手段
31 空気流
40 流量調整手段
50 冷却装置
51 蒸発器
52 凝縮器
53 冷媒
60 発熱体
70 バルブ
80 温度計測手段
100、100B 冷却システム
200、200B 冷却装置
210、210a−210d 蒸発器
211 蒸発器上部ヘッダ
212 蒸発器下部ヘッダ
213 蒸発器フィン・チューブ
220 凝縮器
230 蒸気管
240、240B 液管
241a−241d 液支流管
250 冷媒
300 ラック
400 発熱体
500、500B 流量制御手段
510、510a−510d バルブ
520、520a−520d ヒートパイプ
530、530B 流量設定部
600 ダクト

Claims (11)

  1. 蒸発器内における冷媒の流動方向が長手方向となるように配置された長尺のヒートパイプと、
    発熱体側から前記蒸発器を通過して前記ヒートパイプ側まで到達する空気流を生成する空気流生成手段と、
    前記発熱体の前記蒸発器が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、取得した基準温度と前記ヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記蒸発器へ流入させる前記冷媒の量を調整する流量調整手段と、
    を備える冷媒の流量制御機構。
  2. 開度が大きい程、前記蒸発器へ流入する前記液相状態の冷媒の量が多くなるバルブと、
    前記ヒートパイプの温度を計測する温度計測手段と、
    をさらに備え、
    前記流量調整手段は、取得した基準温度と計測されたヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記バルブの開度を調整する、
    請求項1に記載の冷媒の流量制御機構。
  3. 発熱体から発せられた熱を吸熱することによって冷媒を液相状態から気相状態に相変化させる蒸発器、前記吸熱した熱を放熱させることによって前記冷媒を気相状態から液相状態に相変化させる凝縮器、一端が前記蒸発器に、他端が前記凝縮器に接続され、内部を前記気相状態の冷媒が通過する蒸気管、および、一端が前記凝縮器に、他端が前記蒸発器に接続され、内部を前記液相状態の冷媒が通過する液管を備えた冷却装置と、
    前記発熱体側から前記蒸発器を通過してヒートパイプ側まで到達する空気流を生成する空気流生成手段、前記蒸発器内における前記冷媒の流動方向が長手方向となるように配置された長尺のヒートパイプ、および、前記発熱体の前記蒸発器が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、取得した基準温度と前記ヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記蒸発器へ流入させる前記冷媒の量を調整する流量調整手段を備える冷媒の流量制御機構と、
    を備える冷却システム。
  4. 前記冷媒の流量制御機構は、
    開度が大きい程、前記蒸発器へ流入する前記液相状態の冷媒の量が多くなるバルブと、
    前記ヒートパイプの温度を計測する温度計測手段と、
    をさらに備え、
    前記流量調整手段は、取得した基準温度と計測されたヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記バルブの開度を調整する、
    請求項3に記載の冷却システム。
  5. 前記蒸発器は、内部を前記冷媒が流動する複数のチューブ、前記複数のチューブの一端側と連通される第1ヘッダ、および、前記複数のチューブの他端側と連通される第2ヘッダを備え、前記ヒートパイプは、前記複数のチューブの延びる方向が長手方向となるように配置される、請求項3または4に記載の冷却システム。
  6. 前記ヒートパイプは、下端が前記第1ヘッダと対向する位置に、上端が前記第2ヘッダと対向する位置に配置される、請求項5に記載の冷却システム。
  7. 前記ヒートパイプは断面が長円型に形成され、前記ヒートパイプは長径の方向と前記空気流の方向とが一致するように配置される、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の冷却システム。
  8. 前記流量調整手段は、前記基準温度として、前記発熱体が配置されている部屋の設定温度を取得する、請求項3乃至7のいずれか1項に記載の冷却システム。
  9. 前記蒸発器の前記発熱体側と反対側に配置され、前記蒸発器を通過した空気流が内部空間内を通過する枠状体をさらに備え、
    前記ヒートパイプは、前記枠状体の内部空間内に配置される、
    請求項3乃至8のいずれか1項に記載の冷却システム。
  10. 前記蒸発器は、複数あり、
    前記ヒートパイプは、複数の前記蒸発器ごとに配置され、
    前記流量調整手段は、複数の前記ヒートパイプの温度に基づいて、対応する前記蒸発器へ流入させる液相状態の冷媒の量をそれぞれ独立に調整する、
    請求項3乃至9のいずれか1項に記載の冷却システム。
  11. 発熱体側から内部に冷媒が収納された蒸発器を通過してヒートパイプ側まで到達する空気流を生成し、
    前記発熱体の前記蒸発器が配置されている側と反対側の領域の温度を基準温度として取得し、
    取得した基準温度と前記ヒートパイプの温度との差が小さくなるように、前記蒸発器へ流入させる前記冷媒の量を調整し、
    前記ヒートパイプは、前記蒸発器内における前記冷媒の流動方向が長手方向となるように配置された長尺体であることを特徴とする冷媒の流量制御方法。
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