JP2017067305A - 熱輸送システム - Google Patents

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Yoshiro Miyazaki
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Abstract

【課題】自励振動式ヒートパイプに作動流体を供給するリザーバーを備える熱輸送システムにおいて、当該リザーバーに対する圧力制御や温度制御を不要とすることによって、当該制御のための構成を不要とするとともに、加熱などのための電力消費を抑制する。【解決手段】外部の熱を受熱部20において受熱し、前記受熱部20において受熱した熱を放熱部21に向けて輸送する熱輸送システム1に、作動流体9が封入され、受熱部20と放熱部21とを形成する自励振動式ヒートパイプ2と、作動流体9に対して不活性な難凝縮性ガス8および作動流体9が封入されるリザーバー3と、設置姿勢のリザーバー3内における作動流体9の液面90より下方の位置において、リザーバー3の内部と自励振動式ヒートパイプ2の内部とを連通接続して作動流体9の流路を形成する連結部4とを設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、自励振動式ヒートパイプを用いた熱輸送システムの技術に関する。より詳細には、当該自励振動式ヒートパイプに向けて作動流体を供給するリザーバーの技術に関する。
作動流体を内部に封入した自励振動式ヒートパイプを用いた熱輸送システムが知られている。このような熱輸送システムにおいて、自励振動式ヒートパイプ内に存在する作動流体の量が一定の場合、当該自励振動式ヒートパイプの冷却部の能力は一定である。自励振動式ヒートパイプの動作温度は、一般に、加熱量と放熱部の能力と冷却源の温度とによって定まる。したがって、加熱量が変化すると熱輸送システムの動作温度は変化する(動作が安定しない。)。
従来より、自励振動式ヒートパイプを用いた熱輸送システムの動作を安定させるために、リザーバーを設ける技術が知られている。例えば、特許文献1には、リザーバーから所定量の作動流体をループ式ヒートパイプに供給する技術が記載されている。
このような構成の熱輸送システムでは、リザーバーの飽和蒸気圧と、自励振動式ヒートパイプの飽和蒸気圧とに差が生じると、リザーバーと自励振動式ヒートパイプとの間で作動流体の流れが生じ、結果として、リザーバーの飽和蒸気圧と自励振動式ヒートパイプの飽和蒸気圧とが同じになる。
特許文献1に記載されている技術は、圧力検出器による検出結果に応じて自動弁の開度と循環ポンプとを制御することにより、リザーバーの圧力を制御して、自励振動式ヒートパイプの動作を安定させる技術である。
特開平08−285484号公報
ところが、特許文献1に記載されている技術では、圧力検出器による検出結果に応じて自動弁の開度と循環ポンプとを制御して、作動流体を供給するための圧力を制御しなければならないという問題があった。
また、循環ポンプによる圧力制御の代わりに、リザーバーに加熱器を取り付け、加熱器のオン・オフによって温度を制御して、間接的に圧力を制御する方法も考えられる。すなわち、リザーバーの温度を上げることにより、リザーバー内の作動流体の蒸気圧を上昇させて、リザーバーから作動流体をヒートパイプに供給するものである。しかし、このような構成を採用した場合にも、加熱器や加熱のための電力が必要になるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、自励振動式ヒートパイプに作動流体を供給するリザーバーを備える熱輸送システムにおいて、当該リザーバーに対する圧力制御や温度制御を不要とすることによって、当該制御のための構成を不要とするとともに、加熱などのための電力消費を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、外部の熱を受熱部において受熱し、前記受熱部において受熱した熱を放熱部に向けて輸送する熱輸送システムであって、作動流体が封入され、前記受熱部と前記放熱部とを構成する自励振動式ヒートパイプと、前記作動流体に対して不活性な難凝縮性ガスおよび前記作動流体が封入されるリザーバーと、設置姿勢の前記リザーバー内における前記作動流体の液が存在する位置において、前記リザーバー内と前記自励振動式ヒートパイプ内とを連通接続して前記作動流体の流路を形成する連結部とを備える熱輸送システム。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱輸送システムであって、前記リザーバーに封入される難凝縮性ガスの封入量は、前記熱輸送システムの動作時における前記リザーバー内の圧力が所定の動作温度における前記自励振動式ヒートパイプ内の前記作動流体の飽和蒸気圧となるように設定されている熱輸送システム。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係る熱輸送システムであって、設置姿勢において、前記受熱部は前記放熱部よりも高い位置に配置される熱輸送システム。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係る熱輸送システムであって、前記連結部は、前記自励振動式ヒートパイプにより形成される放熱部に接続されている熱輸送システム。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る熱輸送システムであって、前記熱輸送システムに充填される前記作動流体の量は、液相の前記作動流体が前記自励振動式ヒートパイプ内を完全に満たす量より多い量として設定されている。
請求項1ないし5の発明は、作動流体が封入され、前記受熱部と前記放熱部とを構成する自励振動式ヒートパイプと、前記作動流体に対して不活性な難凝縮性ガスおよび前記作動流体が封入されるリザーバーと、設置姿勢の前記リザーバー内における前記作動流体の液面より下方の位置において、前記リザーバー内と前記自励振動式ヒートパイプ内とを連通接続して前記作動流体の流路を形成する連結部とを備えることにより、難凝縮性ガスの圧力に応じて、リザーバー内の作動流体を自励振動式ヒートパイプに供給することができるので、リザーバーに対する温度制御や圧力制御、あるいは、それらを動作させるための電力などが不要となる。
熱輸送システムを示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向や向きに関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
<1. 実施の形態>
図1は、熱輸送システム1を示す図である。熱輸送システム1は、自励振動式ヒートパイプ2と、難凝縮性ガス8および作動流体9が封入されるリザーバー3と、連結部4とを備えている。
なお、図1は、熱輸送システム1の設置姿勢(動作するときの姿勢)を例示しており、X軸およびY軸は水平面に平行な軸であり、Z軸は鉛直方向を示す。また、図1において、リザーバー3は、内部の難凝縮性ガス8および作動流体9を図示するために、断面を示している。
図1に示す自励振動式ヒートパイプ2は、熱伝導性に優れた金属製(例えば、銅やステンレスなどが好ましい。)である。詳細は図示しないが、自励振動式ヒートパイプ2は、断面形状がドーナッツ型のいわゆる円管であり、内部が空洞の循環管状の構造物である。そして、自励振動式ヒートパイプ2の内部には、作動流体9が封入されている。
自励振動式ヒートパイプ2は、設置姿勢において、受熱部20と放熱部21とを構成しており、内部で作動流体9が対流などによって移動することにより、熱輸送を行う機能を有している。このような自励振動式ヒートパイプ2としては、従来、様々なものが提案されており、それらを適宜採用可能であるため、ここでは自励振動式ヒートパイプ2についての詳細な説明は省略する。また、自励振動式ヒートパイプ2に封入される作動流体9としては、水、冷媒、アルコールなどの様々な物質が従来より提案されており、熱輸送システム1の自励振動式ヒートパイプ2においてもこれらを適宜選択可能である。
図1に示すように、熱輸送システム1における自励振動式ヒートパイプ2は、設置姿勢において、受熱部20は放熱部21よりも高い位置((+Z)方向)に配置される。すなわち、自励振動式ヒートパイプ2は、いわゆるトップヒートの状態で設置される。
このように、自励振動式ヒートパイプ2を備えることにより、熱輸送システム1は、外部の熱を受熱部20において受熱し、受熱部20において受熱した熱を、自励振動式ヒートパイプ2内の作動流体9の移動によって放熱部21に向けて輸送する機能を有している。
リザーバー3は、内部が中空の容器を構成しており、先述のように、難凝縮性ガス8および作動流体9が封入されている。
ここで、難凝縮性ガス8とは、熱輸送システム1の環境として通常想定される条件において、凝縮しない性質を有するガスという意味である。したがって、熱輸送システム1の設置環境や動作環境として、通常想定されない特異環境(例えばマイナス200[℃]など)で凝縮するガスも、ここでは難凝縮性ガス8に含むものとする。
また、難凝縮性ガス8は、作動流体9に対して不活性なガスである。ここに言う「不活性」とは、作動流体9に容易に溶解することなく、かつ、作動流体9と化学反応を起こすこともないという意味である。したがって、難凝縮性ガス8を構成する具体的な物質は、採用する作動流体9に応じて決定される。
また、難凝縮性ガス8は、1種類の物質で構成される純粋物質である必要はなく、例えば、空気のように複数種類の物質の混合物であってもよい。さらに、難凝縮性ガス8は、容易に科学変化することのない、安定的な物質で構成されることが好ましい。
なお、図1では、リザーバー3内に液相の作動流体9のみを図示しているが、実際のリザーバー3内には、気相の作動流体9も存在している。すなわち、気相の作動流体9と、難凝縮性ガス8とがリザーバー3内において混合物を構成している。そして、この混合物と、液相の作動流体9との境界が、リザーバー3内において作動流体9の液面90を形成している。
連結部4は、内部が中空の管状の構造物であり、リザーバー3の内部と自励振動式ヒートパイプ2の内部とを連通接続する。
図1に示すように、連結部4は、自励振動式ヒートパイプ2により形成される放熱部21に接続されている。また、連結部4は、設置姿勢のリザーバー3内における作動流体9の液面90より下方の位置(図1に示す例では、最下部。)において、リザーバー3に接続されている。
液相としての作動流体9は、気相として存在する難凝縮性ガス8よりも比重が重い。したがって、図1に示すように、設置姿勢のリザーバー3の内部において、液相の作動流体9は難凝縮性ガス8よりも下方に存在する。
また、詳細は後述するが、リザーバー3における内圧が自励振動式ヒートパイプ2における内圧より大きくなると、リザーバー3内の作動流体9は自励振動式ヒートパイプ2に向けて移動する。したがって、このときリザーバー3内の作動流体9の量(体積)は減少し、液面90のZ軸方向の位置は(−Z)方向に下がることになる。言い換えれば、リザーバー3における液面90の位置は、熱輸送システム1の動作状況に応じて移動する。
しかし、先述のように、熱輸送システム1において、連結部4は、設置姿勢のリザーバー3内における作動流体9の液面90より下方の位置において、リザーバー3に接続されている。言い換えれば、連結部4のリザーバー3側の接続位置が、常に、作動流体9の液が存在する位置となるように、リザーバー3における作動流体9の封入量が設定されている。したがって、連結部4のリザーバー3側の開口部(図示せず)が、液相の作動流体9から露出することはなく、難凝縮性ガス8が連結部4を通って自励振動式ヒートパイプ2側に混入することがないように防止されている。
以上が熱輸送システム1の構成の説明である。
次に、一般的な自励振動式ヒートパイプを用いた熱輸送システムの問題点について指摘するとともに、熱輸送システム1の効果と、その効果を得る原理について説明する。
一般的な自励振動式ヒートパイプの内部には、液相の作動流体と、気相の作動流体とが存在する。自励振動式ヒートパイプが正常に動作している状態では、受熱部(蒸発器)において作動流体が蒸発するとともに、放熱部(凝縮器)では作動流体が凝縮する。そして、自励振動式ヒートパイプ内の作動流体の流れによって、液相の作動流体が受熱部に供給されるとともに、気相の作動流体が放熱部に供給される。
ここで、受熱部に液相の作動流体が存在しない状態(いわゆる「ドライアウト」)が発生すると、外部の熱源からの熱が受熱部に伝えられても、当該受熱部において作動流体の蒸発が起きることはない。したがって、ドライアウトが発生すると、熱輸送システム(自励振動式ヒートパイプ)は、熱輸送を行うことができない。
そこで、従来の技術では、ドライアウトが発生しないように、液相の作動流体を自励振動式ヒートパイプ内に供給するリザーバーを設ける構成が提案されている。なお、ドライアウトは、主に、起動時、および、受熱部に対する熱負荷が大きいときに発生する。
例えば、リザーバーに加熱器を設けて加熱することにより、起動時にリザーバーの内圧が自励振動式ヒートパイプの内圧より高い状態に維持しておくことが考えられる。リザーバーの内圧が自励振動式ヒートパイプよりも高ければ、リザーバー内の液相の作動流体が自励振動式ヒートパイプ内に供給され、ドライアウトが抑制される。
また、例えば、当該加熱器により、リザーバーの温度を制御して、リザーバーの内圧を制御し、これによって自励振動式ヒートパイプ内の作動流体の飽和温度を制御すれば、受熱部に対する熱負荷が大きいときにもドライアウトを抑制することができる。
このようなリザーバー内の温度制御による間接的な圧力制御は、直接的な圧力制御によっても達成することができる。例えば、特開平08−285484号公報には、圧力検出器、循環ポンプおよび自動弁を備える構成によって、直接的に圧力を制御する技術が記載されている。
しかし、このような技術では、リザーバーに加熱器を設ける必要があったり、熱輸送システムに圧力検出器、循環ポンプおよび自動弁を設ける必要があり、構成が複雑になる上に、コストが増大するという問題がある。また、加熱器を設ける場合はもちろん、循環ポンプを用いるとしても、それらに対する消費電力の問題も存在する。
図1に示す熱輸送システム1のリザーバー3には、すでに説明したように、作動流体9のみならず、難凝縮性ガス8が封入されている。したがって、難凝縮性ガス8の圧力に応じて、リザーバー3内の作動流体9が自励振動式ヒートパイプ2に供給されるので、リザーバー3に対する温度制御や圧力制御が不要となるばかりでなく、それらに要する電力も不要となる。
特に、リザーバー3に予め封入される難凝縮性ガス8の封入量は、熱輸送システム1の動作時におけるリザーバー3内の圧力が所定の動作温度(所望の温度)における自励振動式ヒートパイプ2内の作動流体9の飽和蒸気圧となるように設定される。
起動時において、自励振動式ヒートパイプ2とリザーバー3との温度はほぼ等しいと想定される。したがって、リザーバー3内の圧力は、当該温度における気相の作動流体9の気圧と難凝縮性ガス8の気圧との合計であり、自励振動式ヒートパイプ2内の圧力(当該温度における作動流体9の気圧)より高い。これにより、リザーバー3から作動流体9が自励振動式ヒートパイプ2に向けて供給される。すなわち、起動時には、自励振動式ヒートパイプ2内の液相の作動流体9の量が比較的多い状態となるため、受熱部20に液相の作動流体9が存在しない状態(起動時のドライアウト)が抑制される。
特に、ここで示す熱輸送システム1に充填される作動流体9の量(以下、単に「充填量」と称する。)は、液相の作動流体9が自励振動式ヒートパイプ2内を完全に満たす量より多い量として設定されている。したがって、起動時において、受熱部20を含む自励振動式ヒートパイプ2内は液相の作動流体9で満たされるため、液相の作動流体9を受熱部20に確実に存在させることができる。すなわち、熱輸送システム1は、起動時のドライアウトを抑制することができる。
受熱部20に熱が伝えられると、受熱部20の温度は、受熱部20の温度における作動流体9の飽和蒸気圧がリザーバー3内の圧力に達するまで上昇する。さらに受熱部20に対する加熱が継続されると、受熱部20における作動流体9の蒸発が発生する。これにより、自励振動式ヒートパイプ2において作動流体9の圧力振動が発生して、放熱部21に向けた熱輸送が開始される(熱輸送システム1の動作が開始される。)。
熱輸送システム1において、熱輸送がされている状態では、自励振動式ヒートパイプ2内の作動流体9が気相となるため、気相に変化した作動流体9の容積に近似的に等しい量の液相の作動流体9がリザーバー3に進入する。これにより、進入した作動流体9によってリザーバー3内の難凝縮性ガス8が圧縮され、起動時に比べて、難凝縮性ガス8の圧力は上昇する。
自励振動式ヒートパイプ2が安定的に動作している状態では、自励振動式ヒートパイプ2内の作動流体の飽和蒸気圧が、リザーバー3内の圧力(気相の作動流体9の気圧と難凝縮性ガス8の気圧との合計)と平衡状態となる。したがって、先述のように、リザーバー3に予め封入される難凝縮性ガス8の封入量を、熱輸送システム1の動作時におけるリザーバー3内の圧力が所定の動作温度における自励振動式ヒートパイプ2内の作動流体9の飽和蒸気圧となるように設定することによって、自励振動式ヒートパイプ2内の作動流体9の飽和温度、すなわち、自励振動式ヒートパイプ2の動作温度を設定することができる。
そして、受熱部20に比較的大きな熱負荷がかかった場合であっても、想定される所定の動作温度に達するまでは、リザーバー3内の圧力が自励振動式ヒートパイプ2内の圧力よりも高い状態となるため、リザーバー3から作動流体9が自励振動式ヒートパイプ2に向けて供給される。したがって、このような場合であっても、受熱部20に液相の作動流体9が存在しない状態(熱負荷時のドライアウト)が抑制される。
特に、自励振動式ヒートパイプ2は、先述のように、設置姿勢において、受熱部20は放熱部21よりも高い位置に配置される(いわゆるトップヒートの状態)。トップヒートの自励振動式ヒートパイプ2は、放熱部21が受熱部20よりも低い位置に存在するため、放熱部21から受熱部20に向けての作動流体9の流れが重力によって阻害されやすいという特性がある。すなわち、トップヒートの自励振動式ヒートパイプ2は、ドライアウトになりやすいという欠点があるが、本発明を適用することによって、この欠点を補うことができ、特に本発明によって得られる効果が高い。
以上のように、外部の熱を受熱部20において受熱し、受熱部20において受熱した熱を放熱部21に向けて輸送する熱輸送システム1は、作動流体9が封入され、受熱部20と放熱部21とを構成する自励振動式ヒートパイプ2と、作動流体9に対して不活性な難凝縮性ガス8および作動流体9が封入されるリザーバー3と、設置姿勢のリザーバー3内における作動流体9の液面90より下方の位置(作動流体9の液が存在する位置)において、リザーバー3内と自励振動式ヒートパイプ2内とを連通接続して作動流体9の流路を形成する連結部4とを備える。これにより、難凝縮性ガス8の圧力に応じて、リザーバー3内の作動流体9が自励振動式ヒートパイプ2に供給されるので、リザーバー3に対する温度制御や圧力制御、あるいは、これらの構成を動作させるための電力が不要となる。
また、リザーバー3に封入される難凝縮性ガス8の封入量は、熱輸送システム1の動作時におけるリザーバー3内の圧力が所定の動作温度における自励振動式ヒートパイプ2内の作動流体9の飽和蒸気圧となるように設定されている。これにより、自励振動式ヒートパイプ2の動作温度を、所望の動作温度に設定することができ、ドライアウトを抑制することができる。
また、自励振動式ヒートパイプ2の設置姿勢において、受熱部20は放熱部21よりも高い位置に配置される。このように、トップヒートの自励振動式ヒートパイプ2に採用することにより、本発明はさらに高い効果を発揮する。
また、熱輸送システム1に充填される作動流体9の量は、液相の作動流体9が自励振動式ヒートパイプ2内を完全に満たす量より多い量として設定されている。これにより、起動時において、液相の作動流体9を受熱部20に確実に存在させることができる。したがって、起動時のドライアウトを抑制することができる。
<2. 変形例>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明してきたが、上記好適な実施の形態は本質的に例示であって、本発明は上記好適な実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、自励振動式ヒートパイプ2および連結部4の配管形状(管の配置形状)は、図1に示す形状に限定されるものではない。例えば、自励振動式ヒートパイプ2の配管形状は、外部の熱源や、熱を放熱すべき位置などに応じて自由に設計することができる。
また、自励振動式ヒートパイプ2には、作動流体9の逆流を防止するための逆止弁などの構造物が設けられてもよい。
1 熱輸送システム
2 自励振動式ヒートパイプ
20 受熱部
21 放熱部
3 リザーバー
4 連結部
8 難凝縮性ガス
9 作動流体
90 液面

Claims (5)

  1. 外部の熱を受熱部において受熱し、前記受熱部において受熱した熱を放熱部に向けて輸送する熱輸送システムであって、
    作動流体が封入され、前記受熱部と前記放熱部とを構成する自励振動式ヒートパイプと、
    前記作動流体に対して不活性な難凝縮性ガスおよび前記作動流体が封入されるリザーバーと、
    設置姿勢の前記リザーバー内における前記作動流体の液が存在する位置において、前記リザーバー内と前記自励振動式ヒートパイプ内とを連通接続して前記作動流体の流路を形成する連結部と、
    を備える熱輸送システム。
  2. 請求項1に記載の熱輸送システムであって、
    前記リザーバーに封入される難凝縮性ガスの封入量は、前記熱輸送システムの動作時における前記リザーバー内の圧力が所定の動作温度における前記自励振動式ヒートパイプ内の前記作動流体の飽和蒸気圧となるように設定されている熱輸送システム。
  3. 請求項1または2に記載の熱輸送システムであって、
    設置姿勢において、前記受熱部は前記放熱部よりも高い位置に配置される熱輸送システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱輸送システムであって、
    前記連結部は、前記自励振動式ヒートパイプにより形成される放熱部に接続されている熱輸送システム。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱輸送システムであって、
    前記熱輸送システムに充填される前記作動流体の量は、液相の前記作動流体が前記自励振動式ヒートパイプ内を完全に満たす量より多い量として設定されている熱輸送システム。
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