JP2017067222A - 自動変速機 - Google Patents

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Yusuke Nakano
裕介 中野
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Abstract

【課題】締結のための油圧を抜いても締結状態を維持できると共に、油圧を供給することなく解放状態にできる自動変速機を提供する。【解決手段】第1開閉機構(72)は、第1開閉圧が第1設定値未満の値である第2設定値未満のときに第1油圧経路(62、51a)を開放する一方、第1開閉圧が第2設定値以上のときに第1油圧経路(62、51a)を閉鎖し、第2開閉機構(76)は、第2開閉圧が第1設定値以上の値である第3設定値未満のときに第2油圧経路(51b、62)を閉鎖する一方、第2開閉圧が第3設定値以上のときに第2油圧経路(51b、62)を開放し、第1油圧経路及び第2油圧経路が閉鎖された場合に、油圧室(62)を含む密閉室を画成する。【選択図】図2

Description

本発明は、油圧により摩擦締結要素の締結、解放が制御される自動変速機に関する。
自動変速機のクラッチ、ブレーキとして、同軸に配置される2つの部材(クラッチの場合は双方が回転要素、ブレーキの場合は一方が回転要素で他方が非回転要素)を連結するために、油圧によって動作する摩擦要素が用いられている。
このような摩擦要素において、締結状態を維持するには、リターンスプリングの付勢力に打ち勝って油圧ピストンに締結油圧を常時作用させる必要があった。このため油圧ポンプ等により摩擦要素を締結させるためのエネルギーを多く消費し、自動変速機を搭載した車両のエネルギー効率が低下するという問題があった。
このような問題に対して、本出願人は、ボールロック機構にON圧を作用させることでフォワードクラッチに対し付勢締結力により締結状態となる位置で油圧ピストンが解放方向に移動するのを規制し、ON圧を抜いても油圧ピストンの解放方向への移動規制を保持できる自動変速機を開示している(特許文献1参照)。
特開2013−249871号公報
前述の特許文献1のような構成により、ON圧を抜いてもフォワードクラッチの締結状態を維持することができるので、油圧を供給するために必要なエネルギーを低減することができる。
一方で、特許文献1では、締結状態が維持される状態から解放状態とするときに、OFF圧を供給する必要がある。このような構成では、例えばエンジン等の駆動力源が停止した場合は、オイルポンプ等の油圧発生源が停止してしまい、OFF圧を供給するために十分な油圧を発生することができなくなる。
特に、エンジンストールやモータフェールによるモータ停止時など、駆動力源が意図せずに停止した場合には、OFF圧を供給できず、フォワードクラッチが締結状態に維持される。このために、フォワードクラッチが締結状態のまま駆動力源が再始動した場合に、意図しない車両挙動(意図しない変速段がセレクトされることによる加速不足やインターロックの発生等)が発生し、運転者に違和感を与えるという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、締結のための油圧を抜いても締結状態を維持できると共に、油圧を供給することなく解放状態にできる自動変速機を提供することを目的とする。
本発明の一の実施態様によると、駆動源からの動力を断接可能な摩擦締結要素を有する自動変速機であって、油圧室と、油圧室内の油圧が第1設定値以上のときに摩擦締結要素を締結状態とするピストンと、油圧室内の油圧を排出可能とする第1油圧経路と、油圧室内の油圧を供給可能とする第2油圧経路と、第1開閉圧に応じて第1油圧経路を開閉する第1開閉機構と、第2開閉圧に応じて第2油圧経路を開閉する第2開閉機構と、を有し、第1開閉機構は、第1開閉圧が第1設定値未満の値である第2設定値未満のときに第1油圧経路を開放する一方、第1開閉圧が第2設定値以上のときに第1油圧経路を閉鎖し、第2開閉機構は、第2開閉圧が第1設定値以上の値である第3設定値未満のときに第2油圧経路を閉鎖する一方、第2開閉圧が第3設定値以上のときに第2油圧経路を開放し、第1油圧経路及び第2油圧経路が閉鎖された場合に、油圧室を含む密閉室を画成することを特徴とする。
本発明によると、第2開閉圧を第3設定圧以上として摩擦締結要素を一旦締結状態とした後は、摩擦締結要素を締結状態とするために必要な油圧は第1設定値未満の値である第2設定値を維持すればよい。そして、第1開閉圧を第2設定値未満とすることで、第1油圧経路を解放し、油圧室の油圧を排出して摩擦締結要素を解放状態とすることができる。従って、摩擦締結要素が締結状態のときに、駆動源の停止等により油圧が低下した場合であっても、供給される油圧が第2設定値よりも低下するので、コントローラ等による制御を行なうことなく、摩擦締結要素を解放することができる。
本発明の第1実施形態の自動変速機を備えた車両の概略構成図である。 本発明の第1実施形態のフォワードクラッチの構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第1実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第1実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第1実施形態のフォワードクラッチの構成を示す説明図である。 本発明の第2実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第2実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第2実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第2実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第3実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第3実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第3実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第3実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第4実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第4実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第4実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第4実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。 本発明の第4実施形態のフォワードクラッチの動作を示す説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動変速機3を備えた車両の概略構成を示す。車両は、エンジン1、トルクコンバータ2、自動変速機3を備える。エンジン1の出力回転は、トルクコンバータ2、自動変速機3、図示しないデファレンシャルギヤユニットを介して図示しない駆動輪へと伝達される。
自動変速機3は、有段又は無段の変速機である。自動変速機3は、リバースブレーキ4とフォワードクラッチ5とを備える。自動変速機3は、リバースブレーキ4が締結されている状態ではエンジン1の回転を反転して出力し、フォワードクラッチ5が締結されている状態ではエンジン1の回転を回転方向を維持したまま出力する。
リバースブレーキ4は、締結圧を供給することで締結し、締結状態を維持するには締結圧を供給し続ける必要のある従来の摩擦要素である。リバースブレーキ4を解放するには締結圧の供給を停止すればよい。
フォワードクラッチ5は、後述するように、開閉機構OCを備えた摩擦要素である。フォワードクラッチ5に供給される油圧が第1所定値(セレクト圧)以上である場合に、フォワードクラッチ5が締結状態となる。フォワードクラッチ5が締結状態のときに開閉機構OCを密閉状態とすることで、フォワードクラッチ5の油圧を抜いてもフォワードクラッチ5は締結状態を維持することができる。開閉機構OCを連通状態とするとフォワードクラッチ5は解放状態とすることがきる。フォワードクラッチ5及び開閉機構OCの構成は後に詳しく説明する。
リバースブレーキ4及びフォワードクラッチ5は、両者が同時に締結されると自動変速機3は出力軸が回転不能ないわゆるインターロック状態になるので、これらの締結は択一的に行われる。
油圧制御回路7は、油圧ポンプ8、各種バルブ及び油路を備え、エンジン1によって駆動される油圧ポンプ8が吐出する油を適切な油圧に調圧して、フォワードクラッチ5を含む摩擦要素、及び、自動変速機3が無段変速機の場合は加えて無段変速機構の構成要素に供給する。
油圧制御回路7が備えるバルブは、変速機コントローラ9からの制御信号に基づき制御される。変速機コントローラ9は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成され、各種センサ及びエンジンコントローラ等から入力される各種信号に基づき車両の走行状態を判断し、走行状態に適した変速段又変速比が実現されるよう、油圧制御回路7に指令を出力する。
変速機コントローラ9には、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ101、トルクコンバータ2のタービン回転速度Nt(自動変速機3の入力回転速度)を検出する入力回転速度センサ102、自動変速機3の油温TMPを検出する油温センサ103、セレクトレバー11の位置を検出するインヒビタスイッチ104、アクセルペダルの操作量APOを検出するアクセル開度センサ105、ブレーキのON/OFFを検出するブレーキスイッチ106等からの信号等が入力される。
セレクトレバー11は、パーキングレンジ(以下、「Pレンジ」という。)、リバースレンジ(以下、「Rレンジ」という。)、ニュートラルレンジ(以下、「Nレンジ」という。)及びドライブレンジ(以下、「Dレンジ」という。)の間を接続するゲートに配置され、各ゲート間を移動可能に構成される。
変速機コントローラ9は、セレクトレバー11の位置に応じて、フォワードクラッチ5及びリバースブレーキ4をそれぞれ締結または解放する。具体的には、Dレンジでは、フォワードクラッチ5が締結され、リバースブレーキ4が解放される。Rレンジでは、フォワードクラッチ5が解放され、リバースブレーキ4が締結される。Pレンジ及びNレンジでは、フォワードクラッチ5及びリバースブレーキ4が解放される。
次に、フォワードクラッチ5の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態のフォワードクラッチ5の説明図であり、フォワードクラッチ5の断面を示す。
フォワードクラッチ5は、クラッチドラム51と、クラッチハブ52と、ドリブンプレート53と、ドライブプレート54と、ダイヤフラムスプリング55とを備える。
クラッチドラム51及びクラッチハブ52は同軸に配置される。クラッチドラム51には、図示しない回転要素(軸、ギヤ等)が連結される。クラッチハブ52には、図示しない別の回転要素(軸、ギヤ等)が連結される。
クラッチドラム51には、スプライン結合によって軸方向に摺動自在にドリブンプレート53が取り付けられる。クラッチハブ52には、スプライン結合によって軸方向に摺動自在にドライブプレート54が取り付けられる。ドリブンプレート53とドライブプレート54とは交互に配置される。ドライブプレート54の両側の摩擦面には、クラッチフェーシングが備えられる。
クラッチドラム51は、ドリブンプレート53及びドライブプレート54を介して、クラッチドラム51に連結された回転要素から入力される回転をクラッチハブ52に伝達する。
ダイヤフラムスプリング55は、油圧ピストン61によりフォワードクラッチ5のピストン側端面5aとドリブンプレート53とドライブプレート54とが押圧されたときに圧縮反力によりドリブンプレート53とドライブプレート54と圧接する。ダイヤフラムスプリング55は、クラッチドラム51内周の溝に固定されたスナップリング64により軸方向への移動が規制される。
クラッチ動作機構6は、油圧ピストン61と、セレクト圧ピストン室62と、キャンセラ室63と、スナップリング64と、ダイヤフラムスプリング55と、仕切りプレート66と、開閉機構OCとを備える。
油圧ピストン61は、フォワードクラッチ5に対して軸方向に変位可能に配置される。
セレクト圧ピストン室62は、クラッチドラム51と油圧ピストン61との間に画成され、供給された油圧により油圧ピストン61を可動する。油圧ピストン61と仕切りプレート66との間にはリターンスプリング65が備えられ、油圧ピストン61を解放側に付勢する。
キャンセラ室63は、仕切りプレート66と油圧ピストン61との間に画成され、セレクト圧ピストン室62の油圧が遠心力で変動することを防止するために油が満たされる。キャンセラ室63には、キャンセラ油路51aが連通する。
スナップリング64は、フォワードクラッチ5を挟んで油圧ピストン61の反対側の位置に配置され、フォワードクラッチ5を軸方向に支持する。
開閉機構OCは、油圧ピストン61と、クラッチドラム51の内周側に支持された保持具71と、封入ピストン72と、開弁機構76とから構成される。
保持具71は、軸方向に延びる側壁部71bと、仕切りプレート66とは逆側の側壁部71bの端部から径方向内側に延びる底部71cとを備える。保持具71は、クラッチドラム51の内周にリテーナ71aにより固定される。側壁部71bとクラッチドラム51との間に形成される径方向内側の空間に封入ピストン72が収装され、側壁部71bと底部71cとクラッチドラム51と封入ピストン72とによって封入ピストン室90が形成される。封入ピストン室90には、クラッチドラム51に形成されたセレクト圧供給路51bが連通する。
封入ピストン72には、仕切りプレート66側に開口し、リターンスプリング74の一部が挿入される凹部72fが形成される。リターンスプリング74は、一方の端部が仕切りプレート66に連結され、もう一方の端部が凹部72fの底部72gに当接する。封入ピストン72は、リターンスプリング74によって仕切りプレート66とは逆側に付勢される。封入ピストン72は、軸方向に移動可能であり、封入ピストン室90に油が供給されると、封入ピストン72は、リターンスプリング74の付勢力に抗して、仕切りプレート66側に移動する。
封入ピストン72の仕切りプレート66側の端部72aにはシール80が備えられる。シール80は、封入ピストン72が油圧ピストン61の接触面61aに当接した場合に、セレクト圧ピストン室62とキャンセラ室63とを隔離する。
クラッチドラム51と封入ピストン72との間にはシール75bが備えられ、保持具71の側壁部71bと封入ピストン72との間にはシール75aが備えられ、封入ピストン室90は、セレクト圧ピストン室62及びキャンセラ室63から隔離される。
開弁機構76は、クラッチドラム51の壁面と保持具71の底部71cとの間に形成される隙間に設けられる。開弁機構76とクラッチドラム51と保持具71の底部71cとによって第2油室91が形成される。第2油室91は、底部71cに形成された連通路73によって封入ピストン室90と連通する。第2油室91は、開弁機構76を介してセレクト圧ピストン室62に連通可能である。
開弁機構76は、第2油室91の油圧に応じて一部が弾性変形する。開弁機構76は、封入ピストン室90に連通する第2油室91の油圧が所定油圧以上となった場合に、第2油室91からセレクト圧ピストン室62への油圧の供給を許容する。第2油室91の油圧が所定油圧未満である場合は、開弁機構76は、第2油室91とセレクト圧ピストン室62とを隔離する。なお、所定油圧(第3設定値)は、フォワードクラッチ5を締結状態とするセレクト圧(第1設定値)と同一でもよいし、開弁機構76を変形させるよう、セレクト圧よりも大きな値としてもよい。
次に、このように構成された本実施形態のフォワードクラッチ5の動作を説明する。
セレクト圧供給路51bに油圧を供給することで、封入ピストン室90に油圧(第1開閉圧)が供給されると、封入ピストン72がリターンスプリング74の付勢力に抗して仕切りプレート66側に移動し、封入ピストン72のシール80が油圧ピストン61の接触面61aに当接する。これによりセレクト圧ピストン室62が画成される(図3参照)。
セレクト圧ピストン室62が画成された状態で、第2油室91に供給される油圧(第2開閉圧)が上昇すると、第2油室91の油圧により押圧されて開弁機構76が弾性変形し、第2油室91とセレクト圧ピストン室62とが連通する。これにより、セレクト圧供給路51bから供給された油圧が、封入ピストン室90、第2油室91及び開弁機構76を介して、セレクト圧ピストン室62に供給される。油圧は、油圧ピストン61と封入ピストン72とを一体に押圧し、油圧ピストン61と封入ピストン72とを仕切りプレート66側へ移動させる(図4参照)。
セレクト圧ピストン室62に供給される油圧がセレクト圧以上になると、仕切りプレート66側に移動した油圧ピストン61はドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接して、フォワードクラッチ5が締結状態となる。
フォワードクラッチ5が締結状態であるときに、セレクト圧供給路51bから供給される油圧を低下させ、セレクト圧の油圧未満の油圧である保持圧(第2設定値)とした場合は、開弁機構76は、弾性により第2油室91とセレクト圧ピストン室62とを隔離する。一方で、保持圧は、封入ピストン72をリターンスプリング74の付勢力に抗して油圧ピストン61の接触面61aに接触させた状態を維持する。
この結果、セレクト圧供給路51bから保持圧が供給される間は、セレクト圧ピストン室62が密閉され、セレクト圧ピストン室62の油圧が保持される。このようにして、セレクト圧ピストン室62は密閉室となる。油圧ピストン61は、ドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接し、ダイヤフラムスプリング55の付勢力により、フォワードクラッチ5が締結状態に維持される(図5参照)。
また、このように、開弁機構76がクラッチドラム51の壁面に接触又は離間することにより、セレクト圧供給路51bからセレクト圧ピストン室62にかけて形成される油の通路(第2油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉鎖)されることで、第2開閉機構が構成される。
セレクト圧供給路51bから供給される油圧が保持圧を下回ると、封入ピストン72がリターンスプリング74の付勢力により油圧ピストン61の接触面61aから離間する。これにより、セレクト圧ピストン室62がキャンセラ室63と連通し、セレクト圧ピストン室62の油がキャンセラ油路51aを介してドレンされる(図6参照)。この結果、油圧ピストン61は後退し、ドリブンプレート53とドライブプレート54とが離間して、フォワードクラッチ5が解放状態となる(図2参照)。
また、このように、封入ピストン72が油圧ピストン61の接触面61aとで接触又は離間することにより、セレクト圧ピストン室62からキャンセラ油路51aにかけて形成される油の通路(第1油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉鎖)されることで、第1開閉機構が構成される。
このように、本実施形態では、フォワードクラッチ5にセレクト圧を供給してフォワードクラッチ5を締結状態とした後、供給する油圧をセレクト圧よりも小さい保持圧に保つことで、フォワードクラッチ5の締結状態が維持される。
そして、供給する油圧を保持圧よりも低下させると、封入ピストン72がセレクト圧ピストン室62を開放して油圧をドレンすることで、フォワードクラッチ5が解放状態となる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態では、エンジン1等からなる駆動源からの動力を断接可能な摩擦締結要素としてのフォワードクラッチ5を有する自動変速機3であって、油圧室としてのセレクト圧ピストン室62と、セレクト圧ピストン室62内の油圧がセレクト圧(第1設定値)以上のときにフォワードクラッチ5を締結状態とする油圧ピストン61と、セレクト圧ピストン室62内の油圧を排出可能とする第1油圧経路と、セレクト圧ピストン室62内に油圧を供給可能とする第2油圧経路と、第1開閉圧に応じて第1油圧経路を開閉する第1開閉機構と、第2開閉圧に応じて第2油圧経路を開閉する第2開閉機構と、を有する。
封入ピストン72を含んで構成される第1開閉機構は、第1開閉圧がセレクト圧の油圧未満の油圧である保持圧(第2設定値)未満のときに第1油圧経路を開放する一方、第1開閉圧が保持圧以上のときに第1油圧経路を閉鎖し、開弁機構76からなる第2開閉機構は、第2開閉圧が、セレクト圧以上の値である第3設定値未満のときに第2油圧経路を閉鎖する一方、第2開閉圧が第3設定値以上のときに第2油圧経路を開放し、第1油圧経路及び第2油圧経路が閉鎖された場合に、セレクト圧ピストン室62を含む密閉室が画成される。
本実施形態では、このように構成することによって、第2開閉圧を第3設定圧以上としてフォワードクラッチ5を一旦締結状態とした後は、フォワードクラッチ5を締結状態とするために必要な油圧はセレクト圧よりも小さな保持圧を維持すればよい。従って、フォワードクラッチ5の締結状態を維持するときのエネルギーのロスを小さくすることができる。
そして、第1開閉圧を保持圧未満よりも低下させることで、リターンスプリング74の付勢力により封入ピストン72が後退して第1油圧経路を開放し、セレクト圧ピストン室62の油圧を排出してフォワードクラッチ5を解放状態とすることができる。
従って、フォワードクラッチ5が締結状態のときに、エンジン1の停止等により油圧ポンプ8が油圧を発生できない状態となったときには、供給される油圧が保持圧よりも低下するので、変速機コントローラ9による制御を行なうことなく、セレクト圧ピストン室62とキャンセラ室63とが連通状態となり、セレクト圧ピストン室62の油圧が排出されてフォワードクラッチ5が解放される。フォワードクラッチ5が締結状態のままエンジン1が再始動すると、意図しない車両挙動が発生する可能性があるが、本実施形態では、フォワードクラッチ5が開放されているので、意図しない車両挙動の発生を抑制することができる。そのため、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。これらの効果は請求項1に対応する。
また、第1実施形態では、第1開閉圧及び第2開閉圧は、いずれも第2油圧経路から供給されるので、一つの経路のみから供給される油圧によりフォワードクラッチ5を締結状態、及び解放状態に制御することができ、さらに締結状態を保持することができる。従って、1種類の油圧経路内の油圧変化のみで複数の油圧経路の開閉を制御できるので、油圧を制御する油圧アクチュエータ等の構成部品を削減することができる。この効果は請求項2に対応する。
また、第1実施形態では、第1油圧経路は、第1油圧経路においてセレクト圧ピストン室62からの油流と交差する方向に移動可能な封入ピストン72(第1移動体)により閉鎖され、第2油圧経路は、第2油圧経路においてセレクト圧ピストン室62への油流と交差する方向に移動可能な開弁機構76(第2移動体)により閉鎖されるので、油圧経路を閉鎖するために必要な油圧(保持圧)はセレクト圧に対抗させるほど大きくする必要がない。従って、フォワードクラッチ5が締結状態のときに、油圧経路を閉鎖するための油圧を低くすることができ、エネルギー効率を向上させることができる。この効果は請求項4に対応する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、軸方向に可動する保持器83に封入ピストン72を備え、保持器83の可動によりセレクト圧ピストン室62に油圧を供給するように構成した。
図7は、本発明の第2実施形態のフォワードクラッチ5の説明図であり、フォワードクラッチ5の断面を示す。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
開閉機構OCは、油圧ピストン61と、保持器83と、封入ピストン72とから構成される。
保持器83は、クラッチドラム51の内周に、軸方向に移動可能に備えられる。保持器83は、軸方向に延びる第1側壁部83dと、第1側壁部83dよりも径方向外側に位置し、軸方向に延びる第2側壁部83eと、仕切りプレート66とは逆側の第1側壁部83dの端部及び仕切りプレート66とは逆側の第2側壁部83eの端部を接続する底部83fと、仕切りプレート66側の第1側壁部83dの端部から径方向内側に突出する第1突出部83gと、底部83fから軸方向に突出する第2突出部83hとを備える。第1側壁部83dと底部83fと第2突出部83hとクラッチドラム51と第1突出部83gとによって第3油室93が形成される。第1突出部83gと仕切りプレート66との間にはリターンスプリング84が設けられ、保持器83は、リターンスプリング84によって仕切りプレート66とは逆側に付勢される。
第2突出部83hとクラッチドラム51との間にはシール83aが備えられ、第1突出部83gとクラッチドラム51との間にはシール83bが備えられ、セレクト圧ピストン室62と第3油室93とが隔離される。第3油室93には、クラッチドラム51に形成したセレクト圧供給路51bが連通する。
第1側壁部83dと第2側壁部83eとの間に形成される空間に、封入ピストン72が軸方向に移動可能に収装される。第1側壁部83dと底部83fと第2側壁部83eと封入ピストン72とによって封入ピストン室90が形成される。封入ピストン室90は、第1側壁部83dに形成される封入ピストン室油路83cを介して第3油室93に連通する。
封入ピストン72は、リターンスプリング74の端部が連結する押圧部72dと、押圧部72dから仕切りプレート66側に向けて延設された隔離部72eとを備える。封入ピストン72は、押圧部72dと油圧ピストン61との間に設けたリターンスプリング74によって油圧ピストン61とは逆側に付勢される。封入ピストン室90に油が供給されると、封入ピストン72は、リターンスプリング74の付勢力に抗して、油圧ピストン61側に移動する。
隔離部72eの油圧ピストン61側の端部72aにはシール80が備えられる。シール80は、隔離部72eが油圧ピストン61の接触面61aに当接した場合に、セレクト圧ピストン室62とキャンセラ室63とを隔離する。
封入ピストン72と第1側壁部83dとの間にはシール72bが備えられ、封入ピストン72と第2側壁部83eとの間にはシール72cが備えられ、封入ピストン室90はセレクト圧ピストン室62及びキャンセラ室63から隔離される。
次に、このように構成された第2実施形態のフォワードクラッチ5の動作を説明する。
セレクト圧供給路51bに油圧を供給することで、第3油室93に油圧が供給されると、第3油室93から封入ピストン室油路83cを介して封入ピストン室90に油圧が供給される。封入ピストン室90に供給された油圧は、封入ピストン72を、リターンスプリング74の付勢力に抗して油圧ピストン61側へと移動させる。そして、封入ピストン72のシール80が油圧ピストン61の接触面61aに当接すると、セレクト圧ピストン室62が画成される(図8参照)。
セレクト圧ピストン室62が画成された状態で、第3油室93に供給される油圧が上昇し、所定油圧以上となった場合に、リターンスプリング84の付勢力に抗して、保持器83が仕切りプレート66側へと移動する。
保持器83が仕切りプレート66側に移動すると、保持器83のシール83aとクラッチドラム51の壁面とが離間して、第3油室93とセレクト圧ピストン室62とが連通する。これにより、セレクト圧供給路51bから供給された油圧が、第3油室93を介して、セレクト圧ピストン室62に供給される。油圧は、保持器83、封入ピストン72及び油圧ピストン61を一体に押圧し、油圧ピストン61、封入ピストン72及び保持器83を仕切りプレート66側へ移動させる(図9参照)。
セレクト圧ピストン室62に供給される油圧がセレクト圧以上になると、仕切りプレート66側に移動した油圧ピストン61はドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接して、フォワードクラッチ5が締結状態となる。
また、このように、保持器83がクラッチドラム51の壁面とで接触又は離間することにより、セレクト圧供給路51bからセレクト圧ピストン室62にかけて形成される油の通路(第2油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉鎖)されることで、第2開閉機構が構成される。
フォワードクラッチ5が締結状態であるときに、セレクト圧供給路51bから供給される油圧を低下させ、セレクト圧よりも低い油圧である保持圧とした場合は、保持器83はリターンスプリング84の付勢力によって後退し、保持器83のシール83aがクラッチドラム51の壁面に接触する。一方、封入ピストン72は、保持圧によりリターンスプリング74の付勢力に抗して油圧ピストン61の接触面61aに接触した状態に維持される。
この結果、セレクト圧供給路51bから保持圧が供給される間は、セレクト圧ピストン室62が密閉され、セレクト圧ピストン室62の油圧が保持される。油圧ピストン61は、ドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接し、ダイヤフラムスプリング55の付勢力により、フォワードクラッチ5が締結状態に維持される(図10参照)。
セレクト圧供給路51bから供給される油圧が保持圧を下回ると、封入ピストン72がリターンスプリング74の付勢力により油圧ピストン61の接触面61aから離間する。これにより、セレクト圧ピストン室62がキャンセラ室63と連通し、セレクト圧ピストン室62の油がキャンセラ油路51aを介してドレンされる。この結果、油圧ピストン61は後退し、ドリブンプレート53とドライブプレート54とが離間して、フォワードクラッチ5が解放状態となる(図7参照)。
また、このように、封入ピストン72が油圧ピストン61の接触面61aとで接触又は離間することにより、セレクト圧ピストン室62からキャンセラ油路51aにかけて形成される油の通路(第1油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉鎖)されることで、第1開閉機構が構成される。
このように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、フォワードクラッチ5にセレクト圧を供給してフォワードクラッチ5を締結状態とした後、供給する油圧をセレクト圧よりも小さい保持圧に保つことで、フォワードクラッチ5の締結状態が維持される。
そして、供給する油圧を保持圧よりも低下させると、封入ピストン72がセレクト圧ピストン室62を開放して油圧をドレンすることで、フォワードクラッチ5が解放状態となる。
以上説明したように、本発明の第2実施形態では、封入ピストン72を含んで構成される第1開閉機構は、第1開閉圧がセレクト圧の油圧未満の油圧である保持圧(第2設定値)未満のときに第1油圧経路を開放する一方、第1開閉圧が保持圧以上のときに第1油圧経路を閉鎖し、保持器83を含む第2開閉機構は、第2開閉圧が、セレクト圧以上の値である第3設定値未満のときに第2油圧経路を閉鎖する一方、第2開閉圧が第3設定値以上のときに第2油圧経路を開放し、第1油圧経路及び第2油圧経路が閉鎖された場合に、セレクト圧ピストン室62を含む密閉室が画成される。
本実施形態では、このように構成することによって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態では、第1実施形態と同様に保持具71に封入ピストン72が収装される一方、開弁機構76に代えて逆止弁ピストン95を備え、逆止弁ピストン95の可動によりセレクト圧ピストン室62に油圧を供給するように構成した。
図11は、本発明の第3実施形態のフォワードクラッチ5の説明図であり、フォワードクラッチ5の断面を示す。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
開閉機構OCは、油圧ピストン61と、クラッチドラム51の内周側に支持された保持具71と、封入ピストン72と、逆止弁ピストン95とから構成される。
保持具71は、軸方向に延びる第1側壁部171aと、第1側壁部171aよりも径方向外側に位置し、軸方向に延びる第2側壁部171bと、仕切りプレート66とは逆側の第1側壁部171aの端部と仕切りプレート66とは逆側の第2側壁部171bの端部とを接続する底部171cと、仕切りプレート66側の第1側壁部171aの端部から径方向内側に突出する突出部171dとを備える。保持具71は、クラッチドラム51の内周にリテーナ71aにより固定される。突出部171dと第1側壁部171aと逆止弁ピストン95とクラッチドラム51とによって第3油室93が形成される。第3油室93には、クラッチドラム51に形成したセレクト圧供給路51bが連通する。
第1側壁部171aと第2側壁部171bとの間に形成される空間に、封入ピストン72が軸方向に移動可能に収装される。第1側壁部171aと底部171cと第2側壁部171bと封入ピストン72とによって封入ピストン室90が形成される。封入ピストン室90は、第1側壁部171aに形成される封入ピストン室油路83cを介して第3油室93に連通する。
封入ピストン72は、リターンスプリング74の端部が連結する押圧部72dを備える。封入ピストン72は、押圧部72dと油圧ピストン61との間に設けたリターンスプリング74によって油圧ピストン61とは逆側に付勢される。封入ピストン室90に油が供給されると、封入ピストン72は、リターンスプリング74の付勢力に抗して、油圧ピストン61側に移動する。
封入ピストン72の油圧ピストン61側の端部72aにはシール80が備えられる。シール80は、封入ピストン72が油圧ピストン61の接触面61aに当接した場合に、セレクト圧ピストン室62とキャンセラ室63とを隔離する。
封入ピストン72と第1側壁部171aとの間にはシール72bが備えられ、封入ピストン72と第2側壁部171bとの間にはシール72cが備えられ、封入ピストン室90は、セレクト圧ピストン室62及びキャンセラ室63から隔離される。
逆止弁ピストン95は、保持具71の底部171cとクラッチドラム51の壁面との間に設けられ、径方向内側においてクラッチドラム51に摺動するように設けられる。逆止弁ピストン95とクラッチドラム51の壁面との間にはリターンスプリング96が設けられ、逆止弁ピストン95はリターンスプリング96によって保持具71へと付勢される。逆止弁ピストン95とクラッチドラム51との間にはシール95bが備えられ、逆止弁ピストン95の保持具71側にはシール95aが備えられる。シール95aが保持具71の接触面171eに密接した状態で第3油室93とセレクト圧ピストン室62とが隔離される。
逆止弁ピストン95は、セレクト圧供給路51bから第3油室93に油が供給されると、リターンスプリング96の付勢力に抗して保持具71から離間し、第3油室93とセレクト圧ピストン室62とを連通する。
次に、このように構成された第3実施形態のフォワードクラッチ5の動作を説明する。
セレクト圧供給路51bに油圧を供給することで、第3油室93に油圧が供給されると、第3油室93から封入ピストン室油路83cを介して封入ピストン室90に油圧が供給される。封入ピストン室90に供給された油圧は、封入ピストン72をリターンスプリング74の付勢力に抗して油圧ピストン61側へと移動させる。封入ピストン72のシール80が油圧ピストン61の接触面61aに当接すると、セレクト圧ピストン室62が画成される(図12参照)。
セレクト圧ピストン室62が画成された状態で、第3油室93に供給される油圧が上昇し、所定油圧以上となった場合に、第3油室93の油圧により、逆止弁ピストン95がリターンスプリング96の付勢力に抗して移動する。
逆止弁ピストン95が移動すると、逆止弁ピストン95のシール95aと保持具71とが離間して、第3油室93とセレクト圧ピストン室62とが連通する。これにより、セレクト圧供給路51bから供給された油圧が、第3油室93を介してセレクト圧ピストン室62に供給される。油圧は、封入ピストン72及び油圧ピストン61を一体に押圧し、油圧ピストン61及び封入ピストン72を仕切りプレート66側へ移動させる。
セレクト圧ピストン室62に供給される油圧がセレクト圧以上になると、仕切りプレート66側に移動した油圧ピストン61はドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接して、フォワードクラッチ5が締結状態となる(図13参照)。
また、このように、逆止弁ピストン95が保持具71とで接触又は離間することにより、セレクト圧供給路51bからセレクト圧ピストン室62にかけて形成される油の通路(第2油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉鎖)されることで、第2開閉機構が構成される。
フォワードクラッチ5が締結状態であるときに、セレクト圧供給路51bから供給される油圧を低下させ、セレクト圧よりも低い油圧である保持圧とした場合は、逆止弁ピストン95はリターンスプリング96の付勢力によって後退し、逆止弁ピストン95のシール95aが保持具71の接触面171eに接触する。一方、封入ピストン72は、保持圧によりリターンスプリング74の付勢力に抗して油圧ピストン61の接触面61aに接触した状態に維持される。
この結果、セレクト圧供給路51bから保持圧が供給される間は、セレクト圧ピストン室62は密閉され、セレクト圧ピストン室62の油圧が保持される。油圧ピストン61は、ドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接し、ダイヤフラムスプリング55の付勢力により、フォワードクラッチ5が締結状態に維持される(図14参照)。
セレクト圧供給路51bから供給される油圧が保持圧を下回ると、封入ピストン72がリターンスプリング74の付勢力により油圧ピストン61の接触面61aから離間する。これにより、セレクト圧ピストン室62がキャンセラ室63と連通し、セレクト圧ピストン室62の油がキャンセラ油路51aを介してドレンされる。この結果、油圧ピストン61は後退し、ドリブンプレート53とドライブプレート54とが離間して、フォワードクラッチ5が解放状態となる(図11参照)。
また、このように、封入ピストン72が油圧ピストン61の接触面61aとで接触又は離間することにより、セレクト圧ピストン室62からキャンセラ油路51aにかけて形成される油の通路(第1油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉鎖)されることで、第1開閉機構が構成される。
このように、第3実施形態においても、第1又は第2実施形態と同様に、フォワードクラッチ5にセレクト圧を供給してフォワードクラッチ5を締結状態とした後、供給する油圧をセレクト圧よりも小さい保持圧に保つことで、フォワードクラッチ5の締結状態が維持される。
そして、供給する油圧を保持圧よりも低下させると、封入ピストン72がセレクト圧ピストン室62を開放して油圧をドレンすることで、フォワードクラッチ5が解放状態となる。
以上説明したように、本発明の第3実施形態では、封入ピストン72を含んで構成される第1開閉機構は、第1開閉圧がセレクト圧の油圧未満の油圧である保持圧(第2設定値)未満のときに第1油圧経路を開放する一方、第1開閉圧が保持圧以上のときに第1油圧経路を閉鎖し、逆止弁ピストン95を含む第2開閉機構は、第2開閉圧が、セレクト圧以上の値である第3設定値未満のときに第2油圧経路を閉鎖する一方、第2開閉圧が第3設定値以上のときに第2油圧経路を開放し、第1油圧経路及び第2油圧経路が閉鎖された場合に、セレクト圧ピストン室62を含む密閉室が画成される。
本実施形態では、このように構成することによって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態では、セレクト圧ピストン室62への油圧の供給を、セレクト圧逆止弁97、保持圧逆止弁98により行なうように構成した。
成した。
図15は、本発明の第4実施形態のフォワードクラッチ5の説明図であり、フォワードクラッチ5の断面を示す。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
油圧ピストン61は、径方向内側においてクラッチドラム51と摺動可能になるように形成される。径方向内側における油圧ピストン61とクラッチドラム51との間にシールが備えられる。油圧ピストン61は、セレクト圧ピストン室62とキャンセラ室63とを隔離する。
開閉機構OCは、油圧ピストン61と、クラッチドラム51の内周側に支持された保持具271と、保持具271に備えられるセレクト圧逆止弁97及び保持圧逆止弁98とから構成される。
保持具271は、クラッチドラム51の内周に固定される。保持具271には、保持具271を貫通するセレクト圧逆止弁97及び保持圧逆止弁98が備えられる。セレクト圧逆止弁97にはクラッチドラム51に形成したセレクト圧供給路51bが連通する。保持圧逆止弁98にはクラッチドラム51に形成した保持圧供給路51dが連通する。
セレクト圧逆止弁97は、セレクト圧供給路51bに連通する第1通路97aと、セレクト圧ピストン室62に連通する第2通路97bと、ボール97c及びスプリング97dとから構成される。第1通路97aは第2通路97bよりも小径であり、第1通路97aと第2通路97bとの間の段差部にボール97cが備えられる。スプリング97dが、ボール97cを第1通路97a側に付勢し、ボール97cが第1通路97aを閉塞することで、第1通路97aと第2通路97bとが隔離される。
保持圧逆止弁98は、保持圧供給路51dに連通する第1通路98aと、セレクト圧ピストン室62に連通する第2通路98bと、ボール98cとから構成される。第1通路98aは第2通路98bよりも大径であり、第1通路98aと第2通路98bとの間の段差部にボール98cが備えられる。
セレクト圧逆止弁97は、セレクト圧供給路51bに供給する油圧が所定油圧以上となった場合にスプリング97dの付勢力に抗してボール97cが移動し、セレクト圧供給路51bとセレクト圧ピストン室62とを連通する。
保持圧逆止弁98は、セレクト圧ピストン室62の油圧と保持圧供給路51dの油圧との差圧に応じてボール98cが移動し、セレクト圧ピストン室62と保持圧供給路51dとを連通又は隔離する。
次に、このように構成された第4実施形態のフォワードクラッチ5の動作を説明する。
保持圧供給路51dに油圧を供給して保持圧逆止弁98のボール98cをセレクト圧ピストン室62側へと押圧することで、セレクト圧ピストン室62と保持圧供給路51dとが隔離され、セレクト圧ピストン室62が画成される。
セレクト圧ピストン室62が画成された状態でセレクト圧供給路51bに油圧を供給することで、セレクト圧逆止弁97のボール97cをスプリング97dの付勢力に抗してセレクト圧ピストン室62側へと移動させる。これにより、セレクト圧供給路51bとセレクト圧ピストン室62とが連通し、セレクト圧ピストン室62に油が供給される。油圧は、油圧ピストン61を押圧し、油圧ピストン61を仕切りプレート66側へ移動させる(図16参照)。
セレクト圧ピストン室62に供給される油圧がセレクト圧以上になると、仕切りプレート66側に移動した油圧ピストン61はドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接して、フォワードクラッチ5が締結状態となる。
また、このように、セレクト圧逆止弁97のボール97cが第1通路97aと第2通路97bとを連通又は隔離することにより、セレクト圧供給路51bからセレクト圧ピストン室62にかけて形成される油の通路(第2油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉鎖)されることで、第2開閉機構が構成される。
フォワードクラッチ5が締結状態であるときに、セレクト圧供給路51bから供給される油圧を低下させると、スプリング97d及びセレクト圧ピストン室62の油圧によりボール97cが第1通路97a側に付勢されて第1通路97aを閉塞し、第1通路97aと第2通路97bとが隔離される。
このとき、保持圧供給路51dから保持圧逆止弁98へと供給する油圧を、セレクト圧よりも低い油圧である保持圧とした場合であっても、ボール98cにおける第1通路98a側の受圧面積と第2通路98b側の受圧面積との差により、セレクト圧ピストン室62の油圧よりも低い保持圧によりボール98cがセレクト圧ピストン室62側へと押圧されて、第1通路98aと第2通路98bとが隔離される。
この結果、保持圧供給路51dから保持圧が供給される間は、セレクト圧ピストン室62が密閉され、セレクト圧ピストン室62の油圧が保持される。油圧ピストン61は、ドリブンプレート53とドライブプレート54とを圧接し、ダイヤフラムスプリング55の付勢力により、フォワードクラッチ5が締結状態に維持される(図17参照)。
保持圧供給路51dから供給される油圧が保持圧を下回ると、保持圧逆止弁98のボール98cが、保持圧供給路51d側へと移動して、第1通路98aと第2通路98bとを連通する。これにより、セレクト圧ピストン室62が保持圧供給路51dと連通し、セレクト圧ピストン室62の油が保持圧供給路51dを介してドレンされる。この結果、油圧ピストン61は後退し、ドリブンプレート53とドライブプレート54とが離間して、フォワードクラッチ5が解放状態となる(図18参照)。
また、このように、保持圧逆止弁98のボール98cが第1通路98aと第2通路98bとを連通又は隔離することにより、セレクト圧ピストン室62から保持圧供給路51dにかけて形成される油の通路(第1油圧経路)が連通(開放)又は隔離(閉塞)されることで、第1開閉機構が構成される。
このように、第4実施形態においても、フォワードクラッチ5にセレクト圧を供給してフォワードクラッチ5を締結状態とした後、供給する油圧をセレクト圧よりも小さい保持圧に保つことで、フォワードクラッチ5の締結状態が維持される。
そして、供給する油圧を保持圧よりも低下させると、保持圧逆止弁98がセレクト圧ピストン室62を解放して油圧をドレンすることで、フォワードクラッチ5が解放状態となる。
なお、第4実施形態において、保持圧逆止弁98は、ボール98cではなく、図19に示すように、保持圧供給路51dに連通する第1通路98a側の受圧面積と、セレクト圧ピストン室62に連通する第2通路98b側の受圧面積とを異ならせたスプール形状の弁を備えてもよい。
以上説明したように、本発明の第4実施形態では、保持圧逆止弁98により構成される第1開閉機構は、第1開閉圧がセレクト圧の油圧未満の油圧である保持圧(第2設定値)未満のときに保持圧供給路51d、第1通路98a、第2通路98bからなる第1油圧経路を開放する一方、第1開閉圧が保持圧以上のときに第1油圧経路を閉鎖し、セレクト圧逆止弁97からなる第2開閉機構は、第2開閉圧がセレクト圧以上の値である第3設定値未満のときにセレクト圧供給路51b、第1通路97a、第2通路97bからなる第2油圧経路を閉鎖する一方、第2開閉圧が第3設定値以上のときに第2油圧経路を開放し、第1油圧経路及び第2油圧経路が閉鎖された場合に、セレクト圧ピストン室62を含む密閉室が画成される。
本発明の第4実施形態では、このように構成することによって、第2開閉圧を第3設定圧以上としてフォワードクラッチ5を一旦締結状態とした後は、フォワードクラッチ5を締結状態とするために必要な油圧はセレクト圧よりも小さな保持圧を維持すればよい。従って、フォワードクラッチ5の締結状態を維持するときのエネルギーのロスを小さくすることができる。
そして、第1開閉圧を保持圧未満よりも低下させることで、保持圧逆止弁98のボール98cが後退して第1油圧経路が開放され、セレクト圧ピストン室62の油圧を排出してフォワードクラッチ5を解放状態とすることができる。
従って、フォワードクラッチ5が締結状態のときに、エンジン1の停止等により油圧ポンプ8が油圧を発生できない状態となったときには、供給される油圧が保持圧よりも低下するので、変速機コントローラ9による制御を行なうことなく、セレクト圧ピストン室62の油圧が排出されてフォワードクラッチ5が解放される。従って、第1実施形態と同様に、フォワードクラッチ5が開放されて意図しない車両挙動の発生を抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。これらの効果は請求項1に対応する。
また、第4実施形態では、第1開閉圧は第1油圧経路から供給され、第2開閉圧は第2油圧経路から供給されるので、複数の油圧経路が必要となるが、それぞれの油圧を同時に独立して制御することができるので、フォワードクラッチ5の締結、解放の状態をより細かく制御できる。この効果は請求項3に対応する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
本発明の実施形態では、駆動力源として内燃機関としてのエンジン1を備えた例を説明したがこれに限られず、電動機を駆動力源とする電動車両やエンジン及び電動機の双方を駆動力源として備えるハイブリッド車両においても同様に適用することができる。
1 エンジン
3 自動変速機
5 フォワードクラッチ
6 クラッチ動作機構
8 油圧ポンプ
51 クラッチドラム
51a キャンセラ油路
51b セレクト圧供給路
51d 保持圧供給路
61 油圧ピストン
62 セレクト圧ピストン室
63 キャンセラ室
71、271 保持具
72 封入ピストン
74 リターンスプリング
76 開弁機構
83 保持器
83c 封入ピストン室油路
84 リターンスプリング
90 封入ピストン室
91 第2油室
93 第3油室
95 逆止弁ピストン
96 リターンスプリング
97 セレクト圧逆止弁
97a 第1通路
97b 第2通路

Claims (4)

  1. 駆動源からの動力を断接可能な摩擦締結要素を有する自動変速機であって、
    油圧室と、
    前記油圧室内の油圧が第1設定値以上のときに前記摩擦締結要素を締結状態とするピストンと、
    前記油圧室内の油圧を排出可能とする第1油圧経路と、
    前記油圧室内の油圧を供給可能とする第2油圧経路と、
    第1開閉圧に応じて前記第1油圧経路を開閉する第1開閉機構と、
    第2開閉圧に応じて前記第2油圧経路を開閉する第2開閉機構と、を有し、
    前記第1開閉機構は、前記第1開閉圧が前記第1設定値未満の値である第2設定値未満のときに前記第1油圧経路を開放する一方、前記第1開閉圧が前記第2設定値以上のときに前記第1油圧経路を閉鎖し、
    前記第2開閉機構は、前記第2開閉圧が前記第1設定値以上の値である第3設定値未満のときに前記第2油圧経路を閉鎖する一方、前記第2開閉圧が前記第3設定値以上のときに前記第2油圧経路を開放し、
    前記第1油圧経路及び前記第2油圧経路が閉鎖された場合に、前記油圧室を含む密閉室を画成する
    ことを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機であって、
    前記第1開閉圧及び前記第2開閉圧は、前記第2油圧経路から供給されることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1に記載の自動変速機であって、
    前記第1開閉圧は前記第1油圧経路から供給され、前記第2開閉圧は前記第2油圧経路から供給されることを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項1に記載の自動変速機であって、
    前記第1油圧経路は、前記第1油圧経路において前記油圧室への油流と交差する方向に移動可能な第1移動体により閉鎖され、
    前記第2油圧経路は、前記第2油圧経路において前記油圧室への油流と交差する方向に移動可能な第2移動体により閉鎖されることを特徴とする自動変速機。
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