JP2017067135A - メカニカルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】静止環及び回転環の摺動端面を効果的に冷却することができるメカニカルシールを提供する。【解決手段】 摺動端面2sを備え、流体機器の回転軸10に固定され、回転軸10とともに回転する回転環2と、摺動端面4sを備え、流体機器のハウジング9に保持される静止環4と、静止環4を流体機器のハウジング9に保持するシールケース6と、を有するメカニカルシール1において、シールケース6は、冷却液を供給する供給孔6cと、冷却液を排出する排出孔6dとを有し、供給孔6cには、回転環2に向けて冷却液を噴射するノズル8が設けられていることを特徴とするメカニカルシール。【選択図】図1

Description

本発明は、流体機器の駆動軸等の軸封部品として用いられるメカニカルシールに関する。
メカニカルシールは、流体機器のハウジングと、ハウジングを貫通するように配置される回転軸との間に装着して使用されるものであり、流体機器のハウジングに固定される静止環と、回転軸とともに回転する回転環とを、付勢手段により軸方向に付勢することで摺接させ、流体機器の内部から外部又は外部から内部への流体の漏れを防ぐものである。
これらのメカニカルシールとして、例えば特許文献1には、静止環と回転環の摺動端面同士が摺接に伴う発熱により、これらの環が変形又は損傷することで摺動端面間のシール性が低下することを防ぐため、冷却液を静止環、回転環及び回転軸により囲まれた空間であるシール内部に流入及び排出する冷却流路を形成することで、摺接に伴う発熱を抑えるメカニカルシールが開示されている。
WO2009/008289号公報(図1)
このようなメカニカルシールにおいては、冷却流路を形成するため静止環を保持するシールカバーに、バッフルスリーブと呼ばれる回転軸よりも大径の筒状体の部材を、回転軸に沿って溶接し取付け又は機械加工により予め形成し、これにより冷却液の供給用及び排出用の流路を形成している。
しかしながら、当該メカニカルシールにおいては、バッフルスリーブを回転軸の外周面に沿って回転軸を囲むように配置し、回転軸の外周面とバッフルスリーブの内周面の間に、流入された冷却液が周方向に一様に供給される供給用流路を形成し、バッフルスリーブの先端には、その外周側が静止環、回転環及び回転軸により囲まれ、冷却液が静止環及び回転環の近傍と接触することで、それらを冷却しながら方向転させる方向転換路を形成し、バッフルスリーブの外周面とシールケースの間には、方向転換した冷却液が排出される排出用流路を形成していた。このため、方向転換路の内周側を流下する冷却液は、静止環及び回転環と接触することがなく、供給用流路から排出用流路に流れるため、冷却液の一部は冷却に寄与できずに排出されており、静止環及び回転環の摺動端面を効果的に冷却することが難しかった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、静止環及び回転環の摺動端面を効果的に冷却することができるメカニカルシールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のメカニカルシールは、
摺動端面を備え、流体機器の回転軸に固定され、前記回転軸とともに回転する回転環と、
摺動端面を備え、前記流体機器のハウジングに保持される静止環と、
前記静止環を前記流体機器のハウジングに保持するシールケースと、を有するメカニカルシールにおいて、
前記シールケースは、冷却液を供給する供給孔と、前記冷却液を排出する排出孔とを有し、
前記供給孔には、前記回転環に向けて前記冷却液を噴射するノズルが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、供給孔から供給された冷却液はノズルから噴射され、多くの冷却液が回転環にあたるため、効果的に回転環及び静止環の摺動端面を冷却することができる。
前記ノズルは、前記回転軸と前記静止環と前記回転環とで囲まれる密封空間内で、前記回転環に向けて配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、冷却液は、回転軸の遠心力を受け摺動面近傍に導かれるため、効果的に回転環の冷却を行うことができる。
前記回転軸は前記密封空間内に、縮径された縮径部を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、回転軸の縮径部周辺で冷却液の流下断面積が大きくなり、流下抵抗が小さくなるため、密封空間内の冷却液が流下抵抗の小さい回転軸側に流下しやすく、冷却液の流れをつくることで効果的な冷却を行うことができる。
前記ノズルは、前記供給孔に挿入されている中空部材であって、前記静止環の前記シールケースに対する回り止めのピンであることを特徴としている。
この特徴によれば、静止環の回り止めのピンを、冷却流路を形成する中空部材として用いることで、簡易な構成でノズルによる冷却流路を形成することができる。
前記ノズルの中空部は、前記供給孔より断面積が小さいことを特徴としている。
この特徴によれば、冷却液の流下速度を中空部で上げることができるため、速い速度で冷却液をノズルから噴射することができ、効果的に冷却を行うことができる。
前記静止環は、前記ノズルが係合する切欠き部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、前記ノズルを径方向外側に配置することができ、これにより冷却液を摺動端面の近くに噴射できるため、効果的に冷却を行うことができる。
実施例1における本発明に係るメカニカルシールの正面断面図である。 実施例1におけるメカニカルシールの静止環を流体機器側から見た側面図である。 実施例1におけるメカニカルシールのシールケースを流体機器側から見た側面図である。 実施例1におけるメカニカルシールの内部に流れる冷却液の流れを示す正面断面図である。 実施例1におけるメカニカルシールの内部に流れる冷却液の流れを示す図1におけるA−A断面図である。 実施例1におけるメカニカルシールの図1における排出孔周辺の拡大断面図である。
本発明に係るメカニカルシールを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明において、図1における左右方向をメカニカルシールの軸方向、上下方向をメカニカルシールの径方向と定義する。
まず、実施例1に係るメカニカルシールの構造について、図1から図3を参照して説明する。
図1に示されるように、本発明に係るメカニカルシール1は主に、回転環2、静止環4、マルチスプリング5、シールケース6、Oリング7及び中空ピン8から構成されている。回転環2の軸方向端面の一方に形成される摺動端面2sと、これと対向して配置される静止環4の摺動端面4sとが摺接することで、メカニカルシール1が取付けられた流体機器のハウジング9と回転軸10まわりのシール性を確保するものである。
回転軸10は、左から順に直径の異なる大径部10a、中径部10b、小径部10cから構成されており、大径部10aと中径部10bの間には段部10dが形成されている。
また、回転環2は一方の軸方向端面に周方向に複数のノッチ部2bが設けられた摺動端面2sを備え、回転軸10の小径部10cに固定されたスリーブ3に、周方向に複数箇所配置される回り止め部材2aにより固定されている。これにより回転環2は、回転軸10と相対回転不能に配置されている。ここで、回転軸10の小径部10cとスリーブ3の間には二次シールとしてのOリング7Aが、スリーブ3と回転環2の間には同じく二次シールとしてのOリング7Bがそれぞれ介挿されており、これにより回転環2及びスリーブ3周辺の密封性を確保している。
次に、静止環4は摺動端面4sを有し、パッキン11に保持されながら、マルチスプリング5により軸方向に付勢され、回転軸10の中径部10bの径方向外側に位置する箇所で、回転環2の摺動端面2sと摺接している。
また、静止環4には周方向の内側に120°等配にて軸方向に延びる切欠き部4aが3箇所設けられており(図2参照)、切欠き部4aには後述するシールケース6と静止環4の周方向の位置を固定するための中空ピン8が回転軸10に沿って係合されている。
また、回転環2、静止環4及び回転軸10の中径部10bにより囲まれた空間には、クエンチ液(冷却液)が充満される密封空間Faが形成されている。
なお、密封空間Faとは、回転環2及び静止環4の摺接により、大気側に対し密封された空間であることを意味しており、密封空間Fa自体が完全に閉塞された空間であることを意味するものではない。
次に、静止環4を保持するパッキン11は、シールケース6により保持されており、シールケース6は流体機器のハウジング9に、回転軸10の大径部10aの径方向外側に位置する箇所に固定されている。また、回転軸10の大径部10aとシールケース6には隙間δが設けられている。シールケース6とハウジング9の間には、密封性を確保するためにOリング7C,7D,7Eが介挿されている。
また、シールケース6は回転軸10の段部10dと径方向に略面一に配置され、流体機器側の軸方向端面に円周溝6aが設けられ、外周面には外周溝6bが設けられている。円周溝6aは流体機器のハウジング9に設けられた流入口9aと連通し(図3参照)、外周溝6bは同じく流体機器のハウジング9に設けられた流出口9bと連通している。
また、シールケース6には、円周溝6aと密封空間Faとを連通させるために、供給孔としてのマルチクエンチングポート6cが円周溝6aの底部と連通するように、円周溝6aから回転軸10に近づくように傾斜して軸方向に設けられている。更に、外周溝6bと密封空間Faとを連通させるために、排出孔としてのマルチドレンポート6dが外周溝6bの底部と連通するように径方向に設けられている。これらのマルチクエンチングポート6cとマルチドレンポート6dは、それぞれ周方向に120°等配で設けられおり、マルチクエンチングポート6cとマルチドレンポート6dは互いに周方向に60°の位相差を隔てて設けられている(図5参照)。
更にマルチクエンチングポート6cと静止環4の切欠き部4aは周方向に同一位相に、軸方向に対向して配置されている。
次に、マルチクエンチングポート6cには、前述の静止環4の切欠き部4aに係合し、密封空間Faの一部を成す回転軸10の中径部10bの断面積及びマルチクエンチングポート6cの断面積よりも小さい流下断面を有する中空部8bを有する中空ピン8が、液密に挿入されている。この中空ピン8の外筒部8aにより静止環4をシールケース6の周方向に回転不能に固定するとともに、中空ピン8は中空部8bの一端がマルチクエンチングポート6cと連通し、他端が回転環2に向かって延設されている。
中空ピン8がこのように配置されることで、流入口9a、円周溝6a、マルチクエンチングポート6c、中空ピン8は中空部8bが連通し、密封空間Fa内にクエンチ液を供給することができる構造となっている。
次に、クエンチ液について説明する。クエンチ液は摺動端面2s,4s間の摺接による発熱による損傷や変形を抑え、シール性を長期間維持することを主な目的とし、副次的には摺動端面2s,4s間の洗浄を目的として、静止環4、回転環2及び回転軸10により囲まれた空間であるメカニカルシール1の内部に流入される液体である。
その成分としては例えば、不凍液としてのエチレングリコールと、防錆剤としてのリン酸塩系物質に少量の水を加えたものを使用することができる。
次に、クエンチ液の流入及び排出における流れについて図4及び図5を用いて説明する。なお、図5においては理解を助けるために、摺動端面4sをクロスハッチングして示している。
図4に示されるように、クエンチ液は流体機器のハウジング9に1つ設けられた流入口9aから円周溝6aに流入され(F0)、その後に円周溝6aに120°等配で設けられたマルチクエンチングポート6cからメカニカルシールの内部に流入する(F1)。ここで、マルチクエンチングポート6cの端部には中空ピン8が挿入されているため、クエンチ液は中空ピン8の中空部8bを流下し(F2)、中空ピン8の先端から回転環2に向けて噴射されることで密封空間Faに流出する(F3)。
なお、以降の説明においては、クエンチ液の主な流れについて説明するが、この流れに従わないランダムな流れも存在するものとする。
このように、クエンチ液は中空ピン8の先端から回転環2に向けて噴射され、回転環2に衝突すると、回転軸10及び回転環2の回転による遠心力に案内されて径方向外側に流され(F4)、径方向外側に位置する摺動端面2s、4sの近傍に接触する。この接触により、クエンチ液は熱発熱箇所である摺動端面2s,4s及びその近傍の熱を奪い、その後続のクエンチ液の流動により回転軸10側に流下(F5)する(図4参照)。
ここで、摺動端面2sには周方向に複数のノッチ部2bが設けられているため、このノッチ部2b内に進入したクエンチ液は、ノッチ部2bと対向することで、その一部が露出している静止環4の摺動端面4sと直接接触することになり、これにより顕著に摺動端面2s,4s及びその近傍の発熱を奪うことができる。
次に、図5に示されるように、回転軸10と接触したクエンチ液は、回転軸10の回転に沿って周方向に流下する(F6)。その後、マルチクエンチングポート6cから流下方向に60°の位相を隔てて設けられたマルチドレンポート6dに吸い込まれるように、軸方向に流下した後に(F7)、径方向外側に流下する(F8)(図4参照)。
更に、マルチドレンポート6dの径方向外側には外周溝6bが設けられており、クエンチ液は、この外周溝6bを経て、ハウジング9に1つ設けられた流出口9bから流体機器の外部に排出できる構造となっている。
また、本実施例におけるメカニカルシール1において、マルチクエンチングポート6c及びマルチドレンポート6dはそれぞれ120°等配にて設けられているため、それぞれのマルチクエンチングポート6cからクエンチ液が流入され、前述の流れを経た後に、それぞれのマルチドレンポート6dから排出される構造となっている。
ここで、上述のように、中空ピン8がマルチクエンチングポート6cから回転環2に向けて延設されていることで、クエンチ液を回転環2に向けて噴射させることができる。これにより、クエンチ液が中空ピン8から噴射されることで、多くのクエンチ液を摺動端面2s、4sに接触させることができるため、冷却に寄与するクエンチ液の量を増やすことができ、効果的に冷却を行うことができる。
また、クエンチ液は回転環2の摺動端面2sよりも内周部にあたることにより、回転環2の遠心力を受け、摺動端面2s、4s及びその近傍に流れるため、効果的に冷却をおこなうことができる。
また、中空ピン8が回転環2、静止環4及び回転軸10とで囲まれる密封空間Fa内にクエンチ液を噴射することで、密封空間Faをクエンチ液で満たすことができ、これにより効果的に摺動端面2s、4sの冷却を行うことができる。
また、このような構成とすることで、クエンチ液の密封空間Faを形成することができ、流体機器内に封入されている機内側流体が摺動面に到達することなく、機内側流体に影響しないシールとすることができる。
更にまた、密封空間Faが回転軸10の大径部10aから縮径された中径部10bに位置していることにより、密封空間Fa内の流下断面積を大きくでき、流下抵抗を小さくできる。これにより、密封空間Fa内のクエンチ液が排出孔であるマルチドレンポート6dに向けた排出を促し、クエンチ液の流れをつくることで効果的な冷却を行うことができる。
更にまた、中空ピン8が静止環4とシールケース6の回り止めとして作用しながら、その中空部8bに流路を形成していることで、簡易な構成でクエンチ液の流路を成形することが可能となっている。
更にまた、中空ピン8の中空部8bはマルチクエンチングポート6cよりも小径となっているため、クエンチ液の流速が中空部8bにて増加するため、流速を上げて回転環2に噴射することにより、効果的に冷却をすることができる。
更にまた、静止環4には中空ピン8が係合する切欠き部4aが設けられていることにより、クエンチ液を噴射する中空ピン8を静止環4の径方向外側、すなわち摺動端面2s、4s側に近づけることができる。これにより、クエンチ液を摺動端面2s、4sの近傍で噴射することができ、効果的に冷却を行うことができる。
更にまた、図6に示されるように、回転軸10の大径部10aと中径部10bとの間に設けられた段部10dにて、径方向外側に向かう遠心力がクエンチ液に発生し、局所的に径方向に向かう流れ(F80’)となる。このいわゆる“フリンジャー効果”により、密封空間Faから軸方向に流れてきた流れ(F7’)は、径方向に向かう流れ(F80)’が作用し、軸方向に傾きを持った流れ(F81’)となり、その後シールケース6のマルチドレンポート6dの案内周壁6dwに案内され、径方向外側に位置する流出口9bに流下する流れ(F82’’)となる。
これにより、回転軸10の回転力を利用してクエンチ液を排出させることができ、メカニカルシール1の密封空間Faの内部でクエンチ液が滞留することなく、順次新たなクエンチ液を供給及び排出することで、効果的に冷却することが可能となっている。
ここで、段部10dの周辺の構造及びその作用についてさらに詳述すると、段部10dは前述の通り遠心力を発生するとともに、方向転換用の壁としても機能しており、密封空間Faにおける軸方向に沿った流れ(F7’)が段部10dに衝突することにより、径方向外側に向き、マルチドレンポート6dに向かうようになっている。
なお、段部10dはクエンチ液に遠心力を効果的に発生させる目的により、径方向に立設された壁面であることが好ましいが、このような態様に限られず、軸方向に対して傾斜を有する壁面により構成されていても良いし、一様な壁面でなく、その一部に流体の流れを促す羽根が設けられていても良い。
また、マルチドレンポート6dの案内周壁6dwは、回転軸10の段部10dと比して軸方向に密封空間Faから離間する箇所に位置している。即ち、段部10dより案内周壁6dwは軸方向に沿った流れの下流側に位置している。これにより、密封空間Faにおける軸方向に沿った流れ(F7’)が径方向の流れ(F80’)を受けて方向転換した際に、確実に案内周壁6dwによってクエンチ液を受けることができる構造となっている。
なお、案内周壁6dwは、円滑にクエンチ液の方向を転換するように案内するために、軸方向に対して流れの下流側に向けて傾斜を有した壁面であることが好ましいが、径方向に立壁された壁面であっても構わない。
また、マルチドレンポート6dにより形成された排出領域S2は、密封空間Faからマルチドレンポート6dにつながる中径部10bと静止環4に囲まれた流下領域S1と比して大きな流下断面積を有している。これにより、流下領域S1よりも排出領域S2の流下抵抗が下がるため、段部10dの周辺でクエンチ液が方向転換をした際に、流下抵抗の低い排出領域S2に流れやすく、これにより効率的にマルチドレンポート6dから排出することが可能となっている。
また、シールケース6と回転軸10の大径部10aの間に設けられた隙間δについては、これが微小であり、クエンチ液が径方向外側の力を受けて流下してゆくことにより、充分にクエンチ液を密封することができる。これにより、流体機器の内部とクエンチ液の密封空間Fa間の流体の出入りを抑えることが可能となっている。このような構成とすることでシングルシールにおいてもクエンチ液を十分に密封することができ、これによりメカニカルシール1やハウジング9のサイズを小さくすることが可能となっている。
なお、シールケース6の回転軸10に沿った面の形状を、流体機器のハウジング9側に向かって回転軸10に近づくような傾斜面にすることで、クエンチ液の流体機器側への漏出を一層抑えることも可能である。
また、外周溝6bがシールケース6の外周面に設けられていることで、マルチドレンポート6dからの排出が容易となっている。一方、マルチクエンチングポート6cにつながる円周溝6aについては、シールケース6の軸方向端面に設けられていることで、その下流である供給孔であるマルチクエンチングポート6cを経て中空ピン8からの噴射が容易となっており、これらのマルチクエンチングポート6cとマルチドレンポート6dを異なる面に設けることで、シールケース6をコンパクトにすることが可能となっている。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明における回転環2に向けてのクエンチ液の噴射として、上記実施例では、中空ピン8から噴射されたクエンチ液は、直接回転環2に衝突させるものについて説明したが、このような態様に限られず、クエンチ液が排出までの過程において噴射の勢いを伴い回転環2と接触するような態様であればよく、例えば静止環4に噴射した後に方向転換し、回転環2に接触するように、静止環4に向けて噴射するような態様であってもよい。
また、上記実施例では、密封空間Fa内を形成する回転軸10の中径部10bは軸方向及び径方向に一様に縮径された縮径部であったが、本発明の縮径部としてはこのような態様に限らない。縮径部としては例えば、軸方向及び径方向に部分的又は局所的に縮径された窪みのような形態であってもよいし、径の一様な回転軸10の一部の外周面にカラーを嵌装することで大径部を構成し、これにより相対的な縮径部を構成するものであってもよい。
更にまた、マルチクエンチングポート6c及びマルチドレンポート6dは、周方向にそれぞれ120°等配されており、互いに60°の位相を隔てて設けられており、これにより周方向に均一に供給及び排出することができ、効果的な冷却が可能となっているが、120°等配に限られず、90°や180°といった任意の角度に変更でき、これに伴い、位相差についいても任意に変更可能である。
また、マルチクエンチングポート6c及びマルチドレンポート6dをそれぞれシングルポートにすることもでき、この場合には位相差は180°であることが好ましい。
更にまた、上記実施例では、静止環4の切欠き部4aは周方向に120°等配で3つ設けられていたが、この態様に限られず、マルチクエンチングポート6cの数に合わせて1つであっても良いし、2つ又は4つ以上の複数の切欠き部を非等配に設けるものであってもよい。
更にまた、上記実施例では、中空ピン8がシールケース6と静止環4の位置決め作用を有していたが、中空ピンとは別に位置決め部材を設けても良い。
1 メカニカルシール
2 回転環
2s 摺動端面
3 スリーブ
4 静止環
4s 摺動端面
5 マルチスプリング
6 シールケース
6a 円周溝
6b 外周溝
6c マルチクエンチングポート(供給孔)
6d マルチドレンポート(排出孔)
8 中空ピン(ノズル)
9 ハウジング
10 回転軸
10a 大径部
10b 中径部(縮径部)
10c 小径部
10d 段部
Fa 密封空間

Claims (6)

  1. 摺動端面を備え、流体機器の回転軸に固定され、前記回転軸とともに回転する回転環と、
    摺動端面を備え、前記流体機器のハウジングに保持される静止環と、
    前記静止環を前記流体機器のハウジングに保持するシールケースと、を有するメカニカルシールにおいて、
    前記シールケースは、冷却液を供給する供給孔と、前記冷却液を排出する排出孔とを有し、
    前記供給孔には、前記回転環に向けて前記冷却液を噴射するノズルが設けられていることを特徴とするメカニカルシール。
  2. 前記ノズルは、前記回転軸と前記静止環と前記回転環とで囲まれる密封空間内で、前記回転環に向けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記回転軸は前記密封空間内に、縮径された縮径部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のメカニカルシール。
  4. 前記ノズルは、前記供給孔に挿入されている中空部材であって、前記静止環と前記シールケースに対する回り止めのピンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメカニカルシール。
  5. 前記ノズルの中空部は、前記供給孔より断面積が小さいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のメカニカルシール。
  6. 前記静止環は、前記ノズルが係合する切欠き部を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のメカニカルシール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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