JP2017067017A - 冷却制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却液の流量を適正に制御することにより高精度な温度管理を実現する冷却制御装置を構成する。【解決手段】制御ユニット10は、流量制御バルブVを介して流路に供給される冷却液の流量を目標量に維持するため、内燃機関の出力軸の回転数と流量制御バルブVの目標開度とを関連付けた開度設定データを有すると共に、制御ユニット10は、回転数取得部14で取得される回転数に基づいて開度設定データを参照して目標開度を設定する開度設定部13を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、冷却液を介して内燃機関の温度管理を行う冷却制御装置に関する。
上記の冷却制御装置として特許文献1には、ラジエータを通過する冷却水の流量を制御する流量制御弁を備え、この流量制御弁を制御する電子制御装置を備えた技術が記載されている。
この特許文献1では、電子制御装置が、エンジン出口水温度が所要の目標温度となるように流量調整弁の開度を制御するものであり、エンジンの運転状態に基づいてフィードフォワード項としての基本開度を設定している。また、エンジン出口水温度が目標温度となるように増減されるフィードバック項としてのF/B定数と、基本開度とから最終開度を算出し、その最終開度に基づいて流量調整弁の開度をフィードバック制御する。
特開2003‐172141号公報
特許文献1では、ヒータ要求、エンジン空燃比等の運転状態と、その運転状態から算出した目標水温からフィードフォワード項の基本開度を算出している。
しかしながら、エンジンとラジエータとの間をホース等で構成される流路で接続し、ウォータポンプにより循環する装置では、冷却回路の個体差から通水抵抗にバラツキがあり、流量制御バルブの開度が適正に設定された場合にも水量の過不足を招くことがあった。また、冷却液を制御する流量制御バルブの開度を検知する開度センサにも個体差があり、この開度センサの検知結果に基づいて流量制御バルブの開度を設定しても流量を適正に設定できないこともあった。
また、ウォータポンプがエンジンで駆動され、流路抵抗にバラツキ、流量制御バルブの製造バラツキ、センサーのバラツキがある装置では、エンジンの回転数の変動に対応して流量制御バルブで流量を調整した場合でも、流路に対して過剰な冷却水が供給されることや、流路に供給される冷却水の水量が不足する不都合を招くことが想像された。
即ち、内燃機関の温度管理を行う冷却液の流量を適正に制御することにより高精度な温度管理を実現する冷却制御装置が求められる。
本発明は、内燃機関の出力軸の駆動力で駆動される冷却液ポンプと、前記冷却液ポンプにより前記内燃機関の冷却液が供給される熱交換器と、前記熱交換器に供給される冷却液の流量を制御する流量制御バルブとを備えると共に、
前記出力軸の回転数を取得する回転数取得部と、前記流量制御バルブの開度を検知する開度センサと、前記流量制御バルブの開度を制御する制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットは、前記流量制御バルブを介して供給される冷却液の流量を目標量に維持するため、前記出力軸の回転数と前記流量制御バルブの目標開度とを関連付けた開度設定データを有しており、前記回転数取得部で取得される回転数に基づいて前記開度設定データを参照して前記目標開度を設定する開度設定部を備えていることを特徴とする。
内燃機関の温度管理のために、例えば、ラジエータに対して目標流量の冷却液を供給する制御を考えると、冷却液ポンプが内燃機関で駆動される構成では、内燃機関の回転数の変化に伴って流量も変化するため、内燃機関の回転数が変化した場合に流量制御バルブの開度を調節する制御を必要とする。これに対して、本構成のように、開度設定データを備えたものでは、内燃機関の回転数が変化した場合には、回転数取得部で取得される回転数に基づいて開度設定データを参照して目標開度を設定し、開度センサで検知される開度が目標開度に合致するように制御を行うことが可能となる。冷却液ポンプから供給される冷却液を流量制御バルブで制御し、必要とする流量の冷却液を熱交換器に供給できる。
特に、複数の冷却制御装置を製造する場合のように、冷却制御装置の流路の個体差から流路抵抗のバラツキがある場合や、開度センサに個体差がある場合にも、これらを開度設定データに反映することにより、冷却液の精度の高い制御が可能となる。
従って、内燃機関の温度管理を行う冷却液の流量を適正に制御することにより高精度な温度管理を実現する冷却制御装置が構成された。
本発明は、前記内燃機関が車両の走行用の変速装置に駆動力を伝達するものであり、
前記回転数取得部が、前記変速装置での変速時のシフトに基づき前記内燃機関の前記出力軸の回転数が変化する以前に前記出力軸の回転数の増減を予測し、
前記開度設定部は、前記回転数取得部で予測された回転数の増減に基づいて前記開度設定データから前記目標開度を設定しても良い。
流量制御バルブの開度を調節する制御では、制御開始から現実に開度が目標開度に達するまでに所定の時間を要する。従って、内燃機関の回転数が増大する場合に、例えば、センサ(回転数取得部)で回転数の増大を検出し、この検出結果に基づいて流量制御バルブの開度を制御するものでは、制御遅れから供給される冷却液の流量が増大した後に、流量制御バルブの開度が適正な値に達する現象を招くことになる。
これに対して、本構成のように変速時のシフト信号に基づいて出力軸の回転数の増減を予測するものでは、開度補正部が内燃機関の回転速度が変化する以前に、予測した回転数に基づいて開度設定データから目標開度を参照して流量制御バルブの開度の補正を行える。このような制御を行えるため、制御遅れを招くことなく、内燃機関の回転速度の変化に適正に対応して冷却液の流量を適正に維持できる。
本発明は、前記熱交換器がEGRクーラであっても良い。
これによると、EGRクーラに冷却液を供給する場合にも、開度設定データに基づいて流量制御バルブの開度を設定することにより、高精度の流量制御を実現する。
本発明は、前記開度設定部で設定される前記目標開度を補正する開度補正部と、前記開度補正部に与える補正データが保存される補正データ部とを備え、
前記補正データ部は、前記流量制御バルブを閉じ状態から開放して冷却液の供給を開始した場合に、冷却液の液温を検知する液温センサで設定時間内に検知される検知温度変化データと、予め記憶されている基準温度変化データとの温度差が第1閾値を超えている場合には、流量が大きくなっているため流量を低減させる前記補正データの値を取得し、前記温度差が第2閾値を下回っている場合には、流量が少なくなっているため流量を増加させる前記補正データの値を取得しても良い。
例えば、閉じ状態の流量制御バルブを開放して一定量の冷却液の供給を開始した場合には、単位時間に熱交換器の流路の流路抵抗に対応した量の冷却液が流れ、この流れに伴い液温センサで検知される温度も決まった特性で変化する。つまり、流路の冷却液が流れた場合に液温センサで検知される温度変化は、その流路の流量を反映することになる。
この現象を利用することにより、本構成では、流路に冷却液の供給を開始した場合に、設定時間内に液温センサで検知される検知温度変化データと、予め記憶されている基準温度変化データとの温度差を求め、この温度差が第1閾値を超えている場合には、流量が大きくなっているため流量を低減する補正データの値を取得する。また、温度差が第2閾値を下回っている場合には、流量が少なくなっているため流量を増大させる補正データの値を取得する。このように、流量センサや圧力センサを用いずとも補正データの値を取得でき、開度設定データから取得した目標開度を補正データで補正することにより流路抵抗を反映した適正な目標開度を得ることが可能となる。
本発明は、前記熱交換器がラジエータであっても良い。
これによると、ラジエータに冷却液を供給する場合にも、開度設定データに基づいて流量制御バルブの開度を設定することにより、高精度の流量制御を実現する。
本発明は、前記開度設定部で設定される前記目標開度を補正する開度補正部と、前記開度補正部に与える補正データが保存される補正データ部とを備え、
前記補正データ部は、前記流量制御バルブを閉じ状態から開放して冷却液の供給を開始した場合に、冷却液の液温を検知する液温センサで設定時間内に検知される検知温度変化データと、予め記憶されている基準温度変化データとの温度差を求め、この温度差が第1閾値を超えている場合には、流量が少なくなっているため流量を増加させる前記補正データの値を取得し、前記温度差が第2閾値を下回っている場合には、流量が大きくなっているため流量を低減させる前記補正データの値を取得しても良い。
例えば、閉じ状態の流量制御バルブを開放して一定量の冷却液の供給を開始した場合には、単位時間に熱交換器の流路の流路抵抗に対応した量の冷却液が流れ、この流れに伴い液温センサで検知される温度も決まった特性で変化する。つまり、流路の冷却液が流れた場合に液温センサで検知される温度変化は、その流路の流量を反映することになる。
この現象を利用することにより、本構成では、流路に冷却液の供給を開始した場合に、設定時間内に液温センサで検知される検知温度変化データと、予め記憶されている基準温度変化データとの温度差を求め、この温度差が第1閾値を超えている場合には、流量が少なくなっているため流量を増加させる補正データの値を取得する。また、この温度差が第2閾値を下回っている場合には、流量が大きくなっているため流量を低減させる補正データの値を取得している。このように、流量センサや圧力センサを用いずとも補正データの値を取得でき、開度設定データから取得した目標開度を補正データで補正することにより流路抵抗を反映した適正な目標開度を得ることが可能となる。
本発明は、前記流量制御バルブが、ハウジング孔部を有したバルブハウジングと、このバルブハウジングに移動自在に収容され弁孔部を有して弁体とを備えて構成され、
前記ハウジング孔部と前記弁孔部とのいずれか一方の開口形状の設定により、前記流量制御バルブを、閉塞位置から開放方向に作動させた場合に弁体の移動量に対する冷却液の供給量の増大率が予め設定した値より小さい検知領域と、前記増大率が前記検知領域より大きい制御領域とが設定され、
前記補正データ部の前記補正データを設定する補正データ設定部は、前記検知領域から冷却液が供給される際の前記流量差から前記補正データの値を取得しても良い。
これによると、流量制御弁の弁体を閉塞位置から開放方向に作動させた場合には、制御領域より冷却液の増加率が小さい検知領域に流れる冷却液の流量の変化に基づいて検知温度変化を取得できる。このため、冷却液の急激な増大を抑制し、内燃機関で暖められた冷却水の影響を受け難い状態で補正データ設定部で設定される補正データの精度を高めることが可能となる。
冷却制御装置の構成を示す図である。 弁体の作動量に対する各バルブ部の開度を示すチャートである。 制御ユニットのブロック回路図である。 冷却制御ルーチンのフローチャートである。 データ補正処理ルーチンのフローチャートである。 開度補正処理ルーチンのフローチャートである。 EGRクーラに供給した冷却水の温度変化を示すグラフである。 ラジエータに供給した冷却水の温度変化を示すグラフである。 離間状態にあるハウジング孔部と弁孔部とを示す展開図である。 検知領域にあるハウジング孔部と弁孔部とを示す展開図である。 制御領域にあるハウジング孔部と弁孔部とを示す展開図である。 検知領域が形成された流量制御バルブと検知領域が形成されない流量制御バルブとの冷却水の流量差を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1に示すように、内燃機関としてのエンジンEの冷却水(冷却液の一例)を送るウォータポンプWP(冷却液ポンプの一例)と、並列に形成された複数の流路F(第1流路F1と第2流路F2と第3流路F3との上位概念)と、複数の流路Fの各々に備えた熱交換器と、冷却水(冷却液の一例)の流れを制御する流量制御バルブVとで成る冷却回路を備えると共に、流量制御バルブVの開度を設定する制御ユニット10(制御部の一例)を備えて冷却制御装置が構成されている。
この冷却制御装置は、冷却水(冷却液)の水温を水温センサS(液温センサの一例)で検知し、この検知結果に基づいて制御ユニット10が流量制御バルブVを制御することにより熱交換器での熱交換が管理される。
熱交換器としては、後述するEGRクーラ1と、オイルクーラ2と、ラジエータ3とを対応する流路Fに備えている。また、ウォータポンプWPは、流量制御バルブVとエンジンEとの間のリターン流路FR(流路Fの一部)に配置されている。
冷却制御装置は、乗用車等の車両のエンジンE(内燃機関)の温度管理を行うように構成されている。エンジンEは、シリンダブロックからシリンダヘッドに亘る領域に形成されたウォータジャケットを有している。冷却制御装置は、ウォータジャケットの冷却水を流路Fに送り出し、この冷却水を熱交換器に供給して熱交換した後にウォータポンプWPによりウォータジャケットに戻すように構成されている。また、エンジンEは、出力軸としてのクランクシャフトからの駆動力を変速装置に伝えるように構成されている。尚、エンジンEは、レシプロエンジンに限らず内燃機関全般に用いることが可能である。また、エンジンEは、変速装置に対して直接的に駆動力を作用させる構成に限らず、例えば、ハイブリッド型の車両のように電動モータに駆動力を伝えるものでも良い。
〔流路・熱交換器〕
水温センサSはエンジンEに設けられ、エンジンEから冷却水が送られる主流路FMから分岐する複数の流路Fが形成されている。複数の流路Fとして、第1流路F1と第2流路F2と第3流路F3とが形成されている。熱交換器としては、第1流路F1にEGRクーラ1を備え、第2流路F2にオイルクーラ2を備え、第3流路にラジエータ3を備えている。
エンジンEの排気ガスの一部を取り出し、吸気系に戻すことで排気ガス中の成分の改善や、燃費向上を図る技術をEGR(Exhaust Gas Recirculation )と称しており、EGRクーラ1は、エンジンEから取り出した排気ガスの一部を冷却水で熱交換(冷却)する。
オイルクーラ2は、エンジンEのオイルパン5に貯留される潤滑油がオイルポンプ6により供給される構成を有し、冷却水との間で熱交換を行う。このオイルクーラ2で熱交換が行われた潤滑油は、弁開閉時期制御装置等の油圧作動機器、あるいは、エンジン各部の潤滑部分に供給される。オイルポンプ6は、2段階以上に液圧レベルを制御可能な可変油圧機械式オイルポンプであり、エンジンEで駆動される。
ラジエータ3は、冷却水の放熱を行うことによりエンジンEの温度管理を行う機能を有し、ラジエータファン7により冷却風が供給される。ラジエータファン7は電動モータで構成されるファンモータ7Mで駆動される。
〔流量制御バルブ〕
流量制御バルブVは、バルブケースの内部に回転自在に弁体を収容したロータリ作動型に構成されている。また、弁体を回転操作するように電動モータで構成されるバルブモータVMと、弁体の回転角を検知するバルブセンサVS(開度センサの一例)を備えている。尚、流量制御バルブVは、バルブケースの内部にスライド作動する弁体を収容したスライド作動型を用いても良い。
流量制御バルブVは、第1流路F1を開閉する第1バルブ部V1と、第2流路F2を開閉する第2バルブ部V2と、第3流路F3を開閉する第3バルブ部V3とを有している。この構成の流量制御バルブVで弁体の作動量に対する第1バルブ部V1と、第2バルブ部V2と、第3バルブ部V3とにおける開度を図2に示している。尚、第1バルブ部V1と第2バルブ部V2と第3バルブ部V3とをバルブ部と総称する。
図2には、縦軸に第1バルブ部V1と第2バルブ部V2と第3バルブ部V3との開度を示し(開度はパーセンテージで表している)、横軸に弁体の作動量(回動量)を示している。同図から理解できるように弁体が初期位置にある場合には、第1バルブ部V1と、第2バルブ部V2と、第3バルブ部V3とが閉じ状態となる全閉モードM0となり、第1流路F1と第2流路F2と第3流路F3とに冷却水は流れない。
次に、全閉モードM0から弁体を開放方向に作動させることにより、第2バルブ部V2と第3バルブ部V3とを閉じ状態に維持した状態で、第1バルブ部V1の開度の調節が可能な第1供給モードM1に移行する。
更に、第1供給モードM1から弁体を、全開状態を超えて開放方向に作動させることにより、第1バルブ部V1の開度を全開に維持した状態で(第3バルブ部V3は閉じ状態に維持される)、第2バルブ部V2の開度の調節が可能な第2供給モードM2に移行する。
そして、第2供給モードM2から弁体を、全開状態を超えて開放方向に作動させることにより、第1バルブ部V1の開度と第2バルブ部V2部の開度とを全開に維持した状態で、第3バルブ部V3の開度の調節が可能な第3供給モードM3に移行する。
特に、この流量制御バルブVでは、第1バルブ部V1の開度が全開に達する以前に第2バルブ部V2で冷却水の供給を行うことはない。これと同様に、第2バルブ部V2の開度が全開に達する以前に第3バルブ部V3で冷却水の供給を行うことはない。尚、流量制御バルブVは、この構成に限るものではなく、例えば、バルブ部を4つ以上備えることや、複数のバルブ部の開度が連係して同時に開放作動するものでも良い。
〔制御ユニット〕
制御ユニット10は、エンジン全体の管理を行うと共に、エンジンEの稼動時には流量制御バルブVで流路Fに流れる冷却水の水量を制御して熱交換器で交換される熱量の管理を行う。特に、エンジンEの温度管理を行う場合には、流量制御バルブVの制御によりラジエータ3に供給する冷却水の流量を最適に設定できるように構成されている。
この制御ユニット10では、後述する温度管理制御部12が、水温センサSで検知される水温を目標水温に近付けるための目標流量を設定すると共に、この目標流量を得るようにエンジンEの回転数(単位時間あたりの回転数)に対応して流量制御バルブVの目標開度が設定される。
このような温度管理制御により、エンジンEの回転数が変化した場合には流量制御バルブVの開度を調節することにより目標流量の冷却水を流路Fに供給してエンジンEを適正な温度に維持する温度管理制御が実現する。
しかしながら、目標開度は流路Fの流路抵抗が設計値にあることを前提にして設定されるため、流路抵抗が設計値と異なる場合には、エンジンEの回転数の変化に対応して流量制御バルブVの開度を調節しても流路Fに供給される冷却水の流量が適正でなく、温度管理の精度を低下させる不都合に繋がるものであった。
このような不都合も解消できるように流路Fの流量抵抗を温度管理制御に反映させる制御形態の概要を図4のフローチャートに示している。
図3に示すように、制御ユニット10は、水温センサS(液温センサ)と、回転数センサ21と、バルブセンサVS(開度センサ)と、シフトセンサ24とからの信号が入力する。また、制御ユニット10は、流量制御バルブVの開度を制御するバルブモータVMと、ラジエータファン7を駆動するファンモータ7Mとに制御信号を出力する。
水温センサSは、冷却水の水温を検知するようにエンジンに設けられ、サーミスタ等で構成されている。回転数センサ21はエンジンEのクランクシャフトの回転数を計測する非接触型のセンサで構成され、この回転数センサ21の検知からクランクシャフトの回転数(単位時間あたりの回転数)の検知を可能にする。
バルブセンサVSは、ホールICやポテンショメータ等で構成され、流量制御バルブVの弁体の回転角を検知する。この検知により流量制御バルブVにおいて各供給モードでのバルブ部の開度の検知を可能にしている。シフトセンサ24は変速制御が行われる際に、変速が完了する以前にギヤの変速段の位置を出力する。このシフトセンサ24は、変速操作時に作動するシフタ等の位置を検知するスイッチ等のハードウエアを想定しているが、目標とする変速段のデータを取得するソフトウエアで構成されるものでも良い。
制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えている。また、この制御ユニット10では、ソフトウエアとして構成される暖機制御部11と、温度管理制御部12と、開度設定部13と、回転数取得部14と、開度設定データ部15と、開度補正部16と、補正データ部17と、補正データ設定部18とを備えている。
温度管理制御部12は、水温センサSの検知結果に基づいて第1供給モードM1と、第2供給モードM2と、第3供給モードM3との何れかの供給モードを選択する。第1供給モードM1と第2供給モードM2とでは、水温センサSの検知結果に基づいて第1バルブ部V1と第2バルブ部V2との開度を設定してEGRクーラ1とオイルクーラ2とに供給する冷却水の水量を管理する制御が行われる。
また、温度管理制御部12は、第3流路F3によりラジエータ3に供給される冷却水の目標流量を設定し、エンジンEの回転数に基づいて流量制御バルブVの目標開度を設定し、この目標開度を得るようにバルブモータVMを駆動する制御が行われる。尚、この第3供給モードM3では、低速走行で、かつ、水温が高い時にファンモータ7Mの駆動により、ラジエータファン7を駆動して冷却風をラジエータ3に供給する。また、高速走行時にはファンモータ7Mは駆動しない。
温度管理制御部12での制御では、温度管理制御部12が目標流量を開度設定部13に与える。次に、開度設定部13が、回転数取得部14で取得した回転数に基づいて開度設定データ部15から目標開度データを参照する。尚、回転数取得部14は、エンジンEの出力軸の回転数の値を直接的に取得する、あるいは、変速のシフト操作後に現れるエンジンEの出力軸の回転数を取得する。
開度設定部13で設定される目標開度は、開度補正部16に与えられる。開度補正部16では、補正データ部17から与えられる補正データに基づいて目標開度を補正して出力する。
補正データ設定部18は、補正データ部17の補正データの設定を行う。補正データ部17には、流路Fの流路抵抗に起因する流量の過不足を補正するために設定されるデータである。この補正データは、例えば、流量センサや圧力センサを用いることにより取得することも可能であるが、後述する#100ステップのデータ補正処理により設定される。尚、この設定以前に補正データが存在する場合には、上書きより更新するように設定される。これらの制御形態をフローチャートの説明と併せて説明する。
〔制御形態〕
図4のフローチャートに示すように、エンジンEの温度管理を行う冷却制御ルーチンでは、エンジンEの始動の直後のように、水温センサSで検知される水温が基準値未満である場合には暖機制御部11が、流量制御バルブVを全閉モードM0に維持して(バルブ部の全てを閉塞して)冷却水の循環を停止する暖機運転を実行する(#01〜#03ステップ)。
次に、水温センサSで検知される水温が、基準値以上に上昇した場合には、温度管理制御部12による温度管理運転が行われる(#04ステップ)。この温度管理運転(#04ステップ)では、水温センサSの検知結果に基づいて第1供給モードM1と、第2供給モードM2と、第3供給モードM3との何れかの供給モードが設定される。これらの供給モードでは、第1バルブ部V1と、第2バルブ部V2と、第3バルブ部V3との少なくとも1つを目標開度に設定する制御が行われる。
特に、温度管理制御の一例として流量制御バルブVを第3供給モードM3に設定した状態で実行されるフィードフォワード制御の概要を以下に説明する。この制御では、エンジンEやEGRクーラ1等で冷却水を加熱する熱量と、主としてラジエータ3により冷却水から放熱される熱量とを演算して冷却水に含まれる総熱量が取得される。この総熱量が冷却水の蓄えられる熱量であり、この総熱量からエンジンEを適正な温度に維持するために必要な熱量を減じた残余の熱量の放熱量として算出する。そして、この放熱量の放熱を行うため、予め設定された演算式や、テーブルを参照することにより第3流路F3に対して単位時間に供給すべき冷却水の目標流量を設定し、この目標流量を得るため流量制御バルブVに設定される目標開度が設定される。
この目標開度は、放熱すべき熱量が大きいほど大きい開度に設定されるものであるが、エンジンEの回転数が変動した場合でも冷却水の流量を維持するために、この目標開度は、エンジンEの回転数に基づいて変更される。前述した開度設定データ部15には、目標流量に対応した複数の開度設定データが記憶されている。この開度設定データは、目標流量が設定された場合に対応する目標流量のものが選択される。この開度設定データは、回転数取得部14で取得された回転数と目標開度とを関連付けしたデータ構造を有しており、例えば、横軸に回転数を取り、縦軸に目標開度を取ったマップ型のデータ構造が考えられる。
また、初めて第1供給モードM1に設定される場合を除き、エンジンEの回転速度が変化した場合には、開度設定部13が、開度設定データ部15の目標開度データを参照して目標開度が設定される(#05、#200ステップ)。
このように設定された目標開度は、開度補正部16で必要な補正が行われ、この補正後の目標開度と、バルブセンサVSで検知される値とが合致するようにバルブモータVMが駆動されることで目標流量の冷却水を流路Fに供給することが可能となる。尚、初めて第1供給モードM1に設定される場合とは、エンジンEの始動の後に、最初に第1供給モードM1で冷却水が供給される場合のことである。
そして、初めて第1供給モードM1に設定される場合には、データ補正処理が実行される(#05、#100ステップ)。
開放補正処理ルーチン(#200ステップ)の処理を、#100ステップより先に説明する。この開放補正処理ルーチンはサブルーチンとしてセットされたものであり、図6に示すように、目標開度に対応して開度設定データ部15の開度設定データを設定し、回転数センサ21で検知される回転数を取得する。このように取得される回転数は、シフト操作があった場合には、エンジンEの出力軸の予測される回転数であり、シフト操作がない場合には回転数センサ21で検知される回転数である(#201〜#205ステップ)。
例えば、走行系に作用する負荷に基づいて変速装置の自動的なシフト操作により変速を行う変速装置では、登坂路を走行する際の自動的なシフト操作による変速後にはエンジンEの回転数が上昇することがある。#204ステップでは、シフト操作が開始された場合には、シフト後のエンジンEの出力軸の回転数を推定し、シフト操作がなかった場合には、実回転数を取得することになる。また、シフト操作によりエンジンEの回転数が減少する場合にも回転数を推測するように構成しても良い。
次に、設定された開度設定データから、回転数に基づいて目標開度を参照し、このように参照した目標開度を、開度補正部16に与え、この開度補正部16において、補正データ部17に設定されたEGRクーラ1に対応する補正データと、ラジエータ3に対応する補正データとの何れかに基づいて補正する。このように補正された目標開度に達するようにバルブモータVMにより流量制御バルブVの開度を目標開度まで駆動する(#206〜#208ステップ)。
補正データ部17には、流路Fの流路抵抗に対応した補正データを記憶する不揮発性メモリ等で構成されている。例えば、補正データが係数として設定される場合には、流路抵抗が設計された値と一致すれば「1」が設定され、流路抵抗が設計された値より大きい場合には「1」より大きい値が与えられ、小さい場合には「1」より小さい値を与られる。従って、開度補正部16では、目標開度に対して単純に補正を行う演算により目標開度を設定する。
これにより流路抵抗を反映した水量の冷却水を第3流路F3に供給することが可能となり、過剰な冷却や、冷却不足によるオーバーヒートを招くことがない。
補正処理ルーチン(#100ステップ)は、サブルーチンとしてセットされたものであり、図5のフローチャートに示すように、設定時間Tにおいて水温センサSで計測される温度変化を取得し、基準温度変化と比較する(#101、#102ステップ)。
つまり、第1バルブ部V1が開放し、第1流路F1に対して初めて冷却水が供給された場合に、第1流路F1に対して設計された値と等しい流量の冷却水が流れた場合には、図7の基準温度変化データQxのグラフに沿って温度が変化する。また、第3流路F3に対して設計された値と等しい流量の冷却水が流れた場合には、図8の基準温度変化データQxのグラフに沿って温度が変化する。
実験によると、第1流路F1によりEGRクーラ1に対して冷却水の供給を開始した場合に、流路抵抗が設計されたものより大きく、冷却水の流れが抑制される場合には水温センサSで検知される温度が基準温度変化データQxより低下する。これとは逆に流路抵抗が設定されたものより小さく、冷却水の流れが増大する場合には水温センサSで検知される温度が基準温度変化データQxより上昇する。
また、同様に実験により、第3流路F3によりラジエータ3に対して冷却水の供給を開始する場合に、流路抵抗が設計されたものより大きく、冷却水の流れが抑制される場合には水温センサSで検知される温度が基準温度変化データQxより上昇する。これとは逆に流路抵抗が設定されたものより小さく、冷却水の流れが増大する場合には水温センサSで検知される温度が基準温度変化データQxより低下する。尚、図8には、水温センサSで検知される温度(検知温度変化データQs)を低温側だけを示している。
このような理由から、EGRクーラ1に冷却水を流した際に検知温度が基準温度変化データQxのグラフを超える場合には流量が多いと判断でき、検知温度が基準温度変化データQxのグラフを下回る場合には流量が少ないと判断できる。これとは逆に、ラジエータ3に冷却水を流した際に検知温度が基準温度変化データQxのグラフを超える場合には流量が少ないと判断でき、検知温度が基準温度変化データQxのグラフを下回る場合には、流量が多いと判断できる。
尚、水温センサSで検知される検知温度が基準温度変化データQxと異なる検知温度変化データQsのグラフに沿って変化する場合には、図7、図8に示す如く、設定時間Tにおける温度差Gに基づいて流量を推定することが可能となる。流量を推定する場合、検知温度(検知温度変化データQsのグラフの所定のタイミングの値)は、基準温度変化データQxより高温側と低温側との何れかの値を取るため、所定のタイミングでの基準温度変化データQxの値から検知温度変化データQsを減ずることで温度差Gが取得される。
次に、検知温度が基準温度変化データQxと、検知温度変化データQsとに基づいて温度差Gを取得し、熱交換器がEGRクーラ1の場合、温度差Gと第1EGRクーラ閾値He及び第2EGRクーラ閾値Leと比較する(#103、#104、#106ステップ)。また、熱交換器がラジエータ3n場合、温度差Gと第1ラジエータ閾値Hr及び第2ラジエータ閾値Lrと比較する(#103、#108、#110ステップ)。
また、#103ステップにより、冷却水が供給される対象がEGRクーラ1であり、取得した温度差Gが第1EGRクーラ閾値Heより大きい場合には、流量を低減させる補正データを設定し、温度差Gが第2EGRクーラ閾値Leより小さい場合には、流量を増加させる補正データを設定する(#104〜#107ステップ)。
また、#103ステップにより、冷却水が供給される対象がラジエータ3であり、取得した温度差Gが第1ラジエータ閾値Hrより大きい場合には、流量を増加させる補正データを設定し、温度差Gが第2ラジエータ閾値Lrより小さい場合には、流量を低減させる補正データを設定する(#108〜#111ステップ)。
この処理の具体例を説明すると、第1EGRクーラ閾値Heに正の符号を付し(例えば「+10」)、第2EGRクーラ閾値Leに負の符号を付しておく(例えば「−10」)。そして、基準温度変化データQxが80℃にある場合に、検知温度変化データQsが100℃であると、温度差Gは20(100−80=20)となり、判定は、G>Heとなる。また、基準温度変化データQxが80℃にある場合に、検知温度変化データQsが60℃であると、温度差Gは−20(60−80=−20)となり、判定は、G<Leとなる。
具体的には、第1流路F1に冷却水が供給されEGRクーラ1に冷却水が流れる場合において、温度差Gが第1EGRクーラ閾値Heより大きい場合には、流量が設計値より大きくなっているため、流量を低減させる補正データの値を取得する。また、温度差Gが第2EGRクーラ閾値Leより小さい場合には、流量が設計値より少なくなっているため、流量を増大させる補正データの値を取得する。更に、第3流路F3に冷却水が供給されラジエータ3に冷却水が流れる場合において、温度差Gが第1ラジエータ閾値Hrより大きい場合には、流量が設計値より少なくなっているため、流量を増加させる補正データの値を取得する。また、温度差Gが第2ラジエータ閾値Lrより小さい場合には、流量が設計値より大きくなっているため、流量を低減させる補正データの値を取得する。
このように取得された補正データの値に基づいて補正データ部17において、EGRクーラ1に対応する補正データと、ラジエータ3に対応する補正データとが設定される。このように設定される補正データは、判定された流路抵抗が設計された流路抵抗と一致するものであれば、前述した通り、「1」が与えられ、判定された流路抵抗が設計された流路抵抗より大きい場合には「1」より大きい値が与えられ、小さい場合には「1」より小さい値が与えられる。
EGRクーラ1に冷却水を供給する第1供給モードM1と、ラジエータ3に冷却水を供給する第3供給モードとM3において、対応する補正データに基づいて開度設定部13で設定される目標開度を補正する演算により、目標開度が補正される。これにより、流量制御バルブVの開度を、流路抵抗に対応した適正な値に設定し、目標とする流量の冷却水を供給して精度の高い温度管理を実現する。
このことから、第1供給モードM1と第2供給モードM2との何れの供給モードでも、必要とする流量の冷却水を、対応する流路に供給して精度の高い温度管理を実現する。
〔実施形態の作用・効果〕
冷却制御ルーチンでは、流路Fの流路抵抗が設計値と異なる場合でも、補正データが設定されるため、温度管理制御部12での制御ルーチンを変更することなく、流路Fに対して適正な流量の冷却水を供給して高精度の温度管理を実現が可能となる。特に、バルブセンサVSで検知される開度に誤差が含まれるものでは、この誤差は流量を制御する際に流路Fに供給される流量に影響する。しかしながら、開度補正部16で目標開度を補正した場合には、この誤差を含む値も補正することになる。その結果として、バルブセンサVSを交換することや、バルブセンサVSの検知結果を補正するための処理を特別に行わずとも、適正な流量を得ることも可能となる。
つまり、経年変化により流路抵抗が変化した場合や、バルブ自体の製造にバラツキがある場合にも、このように変化した流路抵抗を補正データに反映させることが可能となり、エンジンEの回転数が変化した場合にも適正な流量を供給することが可能となる。
また、データ補正処理(#100ステップ)では、水温センサSで検知される水温の変化に基づいて流路抵抗を判定して適正な補正データを設定できるため、例えば、流量センサを備えることや、水圧センサ等を必要とせず、極めて簡便に補正データを設定できる。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)補正データ部17の補正データに基づいて開度設定データ部15の開度設定データを補正する。このように補正データで開度設定データを補正することにより、回転数で制御データを参照するだけで適正な目標開度を設定することが可能となる。
(b)実施形態では、第1供給モードM1で冷却水が最初に供給される場合に、補正データ設定部18により補正データを更新していた。これに代えて、エンジンEからラジエータ3に対して冷却水の供給が開始される第3供給モードM3と、オイルクーラ2に冷却水を供給する第2供給モードM2との少なくとも一方において、同様に補正データを更新するように処理形態を設定する。
このように構成することにより、対応する供給モードで冷却水が供給される流路Fに対して必要とする流量の冷却水の供給が可能となる。
(c)流路Fの冷却水が供給されるヒータコアを備え、このヒータコアに対する冷却水の供給と遮断とを行う開閉弁を備えて冷却制御装置を構成し、開閉弁が開放した場合に他の流路Fに流れる冷却水の流量を維持するために流量制御バルブVの開度を拡大するように制御ユニットの制御形態を設定する。
この構成では、ヒータコアに冷却水の一部が供給されたため、流量制御バルブVの開度を拡大する制御が行われてもヒータコア以外の流路Fに供給される冷却水の流量は維持されることになる。このような理由から開度設定データ部15の開度設定データとして対応するものを設定することになる。
(d)実施形態において#100ステップで説明したように、流量制御バルブVの第1バルブ部V1を開放してデータ補正処理を実行する際に、検知温度変化データQsの検知精度を高めるため図9〜図11に示すように流量制御バルブVを構成する。
つまり、流量制御バルブVのバルブハウジング35にハウジング孔部35aを形成し、これに収容される弁体36に弁孔部36aを形成して第1バルブ部V1を構成する。ハウジング孔部35aには、ハウジング孔部35aと弁孔部36aとの相対移動方向に突出する長孔部で成る検知領域35sと、ハウジング孔部35aの主要部で成る制御領域35tとが形成される。
検知領域35sは、ハウジング孔部35aと弁孔部36aとの相対移動量(弁体の移動量の一例)に対する冷却水の供給量の増大率が、予め設定された値より小さい値に設定され、制御領域35tは、相対移動量に対する冷却水の供給量の増大率が、前述した増大率より大きい値に設定されている。
この構成により、図9に示すように第1バルブ部V1は、ハウジング孔部35aと弁孔部36aとが離間する状態で閉塞状態が維持される。次に、図10に示すように、バルブハウジング35に対して弁体36が開放方向に相対移動し、ハウジング孔部35aの検知領域35sに弁孔部36aが重複することにより冷却液の供給が開始される。この開放方向に更に相対移動することで、ハウジング孔部35aの制御領域35tに弁孔部36aが重複することにより供給される冷却水の増大が可能となる。
ここで、バルブハウジング35と弁体36との単純な円形の孔部を形成した従来構成と、図9〜図11に示す改良構成とを、等しい相対速度で開放した場合の冷却水の流量の変化を図12に示している。従来構成では従来特性Daに従って開度が拡大し、改良構成では改良特性Dbに従って開度が拡大する。これらのグラフから明らかなように、バルブ部の開放初期の冷却水の水量の急激な増大を抑制することになる。
この構成を利用することにより、第1バルブ部V1に初めて冷却水が供給される場合には、冷却水の水量の急激な増大を抑制することになり、高精度で検知温度変化データQsを取得し、補正データの精度も向上する。
(e)流量制御バルブVとして、例えば、実施形態の第1バルブ部V1と第2バルブ部V2と第3バルブ部V3とを備えたものでは、第1バルブ部V1の開度が全開に達する以前に第2バルブ部V2で冷却水の供給を開始し、第2バルブ部V2の開度が全開に達する以前に第3バルブ部V3で冷却水の供給を開始するように構成しても良い。つまり、複数のバルブ部を備えて流量制御バルブVを構成する場合に、弁体の作動に伴い所定のバルブ部の開度が100%に達する以前に他のバルブ部の開度を拡大するように、各々の開度の拡大領域を重複するように構成しても良い。
(f)本構成の冷却制御装置は、内燃機関全般に用いることが可能である。また、ヒータコアを備え、このヒータコアに対する冷却水の給排を制御するヒータ弁を備えた冷却制御装置では、ヒータコアに冷却水を供給する状態と、供給しない状態とにおいて、流量制御バルブVの開度を設定するマップ型のデータの切り換えを行うように制御形態を設定しても良い。
本発明は、冷却液を介して内燃機関の温度管理を行う冷却制御装置に利用できる。
1 熱交換器(EGRクーラ)
2 熱交換器(オイルクーラ)
3 熱交換器・ラジエータ
10 制御ユニット
13 開度設定部
14 回転数取得部
16 目標開度補正部
17 補正データ部
35 バルブハウジング
35a ハウジング孔部
36 弁体
36a 弁孔部
E 内燃機関(エンジン)
F 流路
G 温度差
He 第1閾値(第1EGRクーラ閾値)
Hr 第1閾値(第1ラジエータ閾値)
Le 第2閾値(第2EGRクーラ閾値)
Lr 第2閾値(第2ラジエータ閾値)
Qx 基準温度変化データ
Qs 検知温度変化データ
S 液温センサ(水温センサ)
V 流量制御バルブ
VS 開度センサ
WP 冷却液ポンプ(ウォータポンプ)

Claims (7)

  1. 内燃機関の出力軸の駆動力で駆動される冷却液ポンプと、前記冷却液ポンプにより前記内燃機関の冷却液が供給される熱交換器と、前記熱交換器に供給される冷却液の流量を制御する流量制御バルブとを備えると共に、
    前記出力軸の回転数を取得する回転数取得部と、前記流量制御バルブの開度を検知する開度センサと、前記流量制御バルブの開度を制御する制御ユニットとを備え、
    前記制御ユニットは、前記流量制御バルブを介して供給される冷却液の流量を目標量に維持するため、前記出力軸の回転数と前記流量制御バルブの目標開度とを関連付けた開度設定データを有しており、前記回転数取得部で取得される回転数に基づいて前記開度設定データを参照して前記目標開度を設定する開度設定部を備えている冷却制御装置。
  2. 前記内燃機関が車両の走行用の変速装置に駆動力を伝達するものであり、
    前記回転数取得部が、前記変速装置での変速時のシフトに基づき前記内燃機関の前記出力軸の回転数が変化する以前に前記出力軸の回転数の増減を予測し、
    前記開度設定部は、前記回転数取得部で予測された回転数の増減に基づいて前記開度設定データから前記目標開度を設定する請求項1に記載の冷却制御装置。
  3. 前記熱交換器がEGRクーラである請求項1又は2に記載の冷却制御装置。
  4. 前記開度設定部で設定される前記目標開度を補正する開度補正部と、前記開度補正部に与える補正データが保存される補正データ部とを備え、
    前記補正データ部は、前記流量制御バルブを閉じ状態から開放して冷却液の供給を開始した場合に、冷却液の液温を検知する液温センサで設定時間内に検知される検知温度変化データと、予め記憶されている基準温度変化データとの温度差が第1閾値を超えている場合には、流量が大きくなっているため流量を低減させる前記補正データの値を取得し、前記温度差が第2閾値を下回っている場合には、流量が少なくなっているため流量を増加させる前記補正データの値を取得する請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却制御装置。
  5. 前記熱交換器がラジエータである請求項1又は2に記載の冷却制御装置。
  6. 前記開度設定部で設定される前記目標開度を補正する開度補正部と、前記開度補正部に与える補正データが保存される補正データ部とを備え、
    前記補正データ部は、前記流量制御バルブを閉じ状態から開放して冷却液の供給を開始した場合に、冷却液の液温を検知する液温センサで設定時間内に検知される検知温度変化データと、予め記憶されている基準温度変化データとの温度差を求め、この温度差が第1閾値を超えている場合には、流量が少なくなっているため流量を増加させる前記補正データの値を取得し、前記温度差が第2閾値を下回っている場合には、流量が大きくなっているため流量を低減させる前記補正データの値を取得する請求項1,2,5のいずれか一項にに記載の冷却制御装置。
  7. 前記流量制御バルブが、ハウジング孔部を有したバルブハウジングと、このバルブハウジングに移動自在に収容され弁孔部を有して弁体とを備えて構成され、
    前記ハウジング孔部と前記弁孔部とのいずれか一方の開口形状の設定により、前記流量制御バルブを、閉塞位置から開放方向に作動させた場合に弁体の移動量に対する冷却液の供給量の増大率が予め設定した値より小さい検知領域と、前記増大率が前記検知領域より大きい制御領域とが設定され、
    前記補正データ部の前記補正データを設定する補正データ設定部は、前記検知領域から冷却液が供給される際の流量差から前記補正データの値を取得する請求項4又は6に記載の冷却制御装置。
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