JP2017066336A - 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 - Google Patents
樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017066336A JP2017066336A JP2015196503A JP2015196503A JP2017066336A JP 2017066336 A JP2017066336 A JP 2017066336A JP 2015196503 A JP2015196503 A JP 2015196503A JP 2015196503 A JP2015196503 A JP 2015196503A JP 2017066336 A JP2017066336 A JP 2017066336A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- resin sheet
- mass
- sheet
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/26—Layer connectors, e.g. plate connectors, solder or adhesive layers; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/2612—Auxiliary members for layer connectors, e.g. spacers
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/26—Layer connectors, e.g. plate connectors, solder or adhesive layers; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/31—Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process
- H01L2224/33—Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process of a plurality of layer connectors
- H01L2224/331—Disposition
- H01L2224/3318—Disposition being disposed on at least two different sides of the body, e.g. dual array
- H01L2224/33181—On opposite sides of the body
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/4805—Shape
- H01L2224/4809—Loop shape
- H01L2224/48091—Arched
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/73—Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
- H01L2224/732—Location after the connecting process
- H01L2224/73251—Location after the connecting process on different surfaces
- H01L2224/73265—Layer and wire connectors
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/15—Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
- H01L2924/181—Encapsulation
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】高熱伝導性と高絶縁性を両立する樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物の提供。
【解決手段】式(III)で表されるエポキシ樹脂モノマーと、化学構造の異なる2種類のノボラック樹脂混合物と、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子と、を含有し、Tgが50℃以下である樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】式(III)で表されるエポキシ樹脂モノマーと、化学構造の異なる2種類のノボラック樹脂混合物と、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子と、を含有し、Tgが50℃以下である樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにLED装置に関する。
半導体を用いた電子機器の小型化、大容量化、高性能化等の進行に伴い、高密度に実装された半導体からの発熱量は益々大きくなっている。例えば、パソコンの中央演算装置及び電気自動車のモーターの制御に用いられる半導体装置の安定動作には、放熱のためにヒートシンク又は放熱フィンが不可欠になっており、半導体装置とヒートシンク等とを結合する部材として絶縁性と熱伝導性とを両立可能な素材が求められている。
また一般に、半導体装置等が実装されるプリント基板等の絶縁材料には、有機材料が広く用いられている。これらの有機材料は、絶縁性は高いものの熱伝導性が低く、半導体装置等の放熱への寄与は大きくなかった。一方、半導体装置等の放熱のために、無機セラミックス等の無機材料が用いられる場合がある。これらの無機材料は、熱伝導性は高いもののその絶縁性は有機材料と比較して充分とは言い難い。そのため、高い絶縁性と熱伝導性とを両立可能な材料が求められている。
例えば、熱伝導性、接着強度及び絶縁性に優れる樹脂硬化物を得るため、無機フィラーの組成に特徴を有する樹脂組成物の硬化物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂硬化物では、絶縁性と熱伝導性を両立させることに困難な場合がある。これは樹脂硬化物を高熱伝導化するためにフィラーを高充填していることから、樹脂硬化物にボイドが入り易いことが原因である。
樹脂硬化物の絶縁性を向上するには、樹脂硬化物中のボイドの含有率を低減することが有効である。
ボイドの含有率を低減するためには、樹脂硬化物中のフィラー含有量を低減して樹脂量を増やすこと及び樹脂硬化物中のボイドとなり得る原因を少なくすることが基本的な方針となる。
樹脂硬化物の熱伝導性を低下させることなく樹脂硬化物中のフィラー含有量を低減するには、高熱伝導のフィラーを用いることでフィラー含有量を増加させないこと及び熱伝導に寄与し難いフィラーの含有量をなるべく少なくすることが有効である。また、樹脂硬化物中のボイドとなり得る原因を少なくするには、有機溶剤、未反応モノマー等の低分子量成分を硬化前の樹脂組成物中にできるだけ残存させないこと及び樹脂硬化物の成形中に組成の不均一部の発生を極力抑制することが重要である。樹脂組成物中に残存する低分子量成分は、樹脂組成物を熱硬化したり、樹脂硬化物をリフローにより加熱したりする場合等の高温時に突沸し、樹脂硬化物の絶縁性に影響を与えるボイド、クラック等といった要因を発生させ得る。
ボイドの含有率を低減するためには、樹脂硬化物中のフィラー含有量を低減して樹脂量を増やすこと及び樹脂硬化物中のボイドとなり得る原因を少なくすることが基本的な方針となる。
樹脂硬化物の熱伝導性を低下させることなく樹脂硬化物中のフィラー含有量を低減するには、高熱伝導のフィラーを用いることでフィラー含有量を増加させないこと及び熱伝導に寄与し難いフィラーの含有量をなるべく少なくすることが有効である。また、樹脂硬化物中のボイドとなり得る原因を少なくするには、有機溶剤、未反応モノマー等の低分子量成分を硬化前の樹脂組成物中にできるだけ残存させないこと及び樹脂硬化物の成形中に組成の不均一部の発生を極力抑制することが重要である。樹脂組成物中に残存する低分子量成分は、樹脂組成物を熱硬化したり、樹脂硬化物をリフローにより加熱したりする場合等の高温時に突沸し、樹脂硬化物の絶縁性に影響を与えるボイド、クラック等といった要因を発生させ得る。
また、樹脂硬化物の熱伝導性を向上するには、絶縁性と相反する特性となるフィラーの高熱伝導化及びフィラーの高充填化に加えて、樹脂自体の熱伝導性を向上することが重要である。樹脂自体の熱伝導性を向上するには、結晶化度の高い固形エポキシ樹脂を特定の硬化剤と組み合わせることで規則性の高い構造を硬化物中に形成することが有効である。
結晶化度の高い樹脂を用いる場合には成形温度を高くする必要があることから、硬化剤、フィラー等との混合の際、成形物の作製の際などに、高極性の溶剤に溶解して取り扱うことが有効である。
しかし、一般的に高極性の溶剤は高沸点であり、加熱により樹脂の粘度変化及び体積変化が大きくなるため、高極性の溶剤を加熱によって樹脂から除去することが困難な場合がある。そのため、樹脂を高極性の溶剤に溶解して取り扱うと、樹脂組成物中に溶剤が残留しやすい。
加えて、樹脂に含有される未反応モノマーも溶剤と同様に樹脂組成物中に残留しやすいため、これら低分子量成分の除去及び管理値が重要な場合がある。この様な背景から、高熱伝導性と高絶縁性を両立する樹脂硬化物を得ることは困難な場合があった。
結晶化度の高い樹脂を用いる場合には成形温度を高くする必要があることから、硬化剤、フィラー等との混合の際、成形物の作製の際などに、高極性の溶剤に溶解して取り扱うことが有効である。
しかし、一般的に高極性の溶剤は高沸点であり、加熱により樹脂の粘度変化及び体積変化が大きくなるため、高極性の溶剤を加熱によって樹脂から除去することが困難な場合がある。そのため、樹脂を高極性の溶剤に溶解して取り扱うと、樹脂組成物中に溶剤が残留しやすい。
加えて、樹脂に含有される未反応モノマーも溶剤と同様に樹脂組成物中に残留しやすいため、これら低分子量成分の除去及び管理値が重要な場合がある。この様な背景から、高熱伝導性と高絶縁性を両立する樹脂硬化物を得ることは困難な場合があった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、高熱伝導性と高絶縁性を両立する樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物並びにそれを用いた樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにLED(Light Emitting Diode)装置を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> エポキシ樹脂モノマーと、下記一般式(I)で表される構造単位を有する第一のノボラック樹脂と、下記一般式(II)で表される構造単位を有する第二のノボラック樹脂と、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子と、を含有し、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂組成物。
(一般式(I)中、R1は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0〜2の整数を表す。)
(一般式(II)中、nは1〜2の整数を表す。Arはフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基を示す。)
<2> 前記第一のノボラック樹脂及び前記第二のノボラック樹脂の比率(第一のノボラック樹脂/第二のノボラック樹脂)が、質量基準で10/90〜90/10である<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 前記エポキシ樹脂モノマーが、下記一般式(III)で表される化合物を含む<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
(一般式(III)において、R6は、炭素数が1〜7のアルキレン基を表す。)
<4> 全固形分質量に占める前記エポキシ樹脂モノマー、前記第一のノボラック樹脂及び前記第二のノボラック樹脂の合計の割合が、10質量%〜95質量%である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<5> 体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子を含む<1>〜<4>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<6> <1>〜<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂シート。
<7> シート表面における凹みの最大径が100μm以下であり、凹み率が2面積%以下である<6>に記載の樹脂シート。
<8> <1>〜<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に積層されている<1>〜<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む第2の樹脂層と、を有する<6>又は<7>に記載の樹脂シート。
<9> 揮発分が0質量%〜3質量%である<6>〜<8>のいずれか1項に記載の樹脂シート。
<10> 平均厚みが30μm〜250μmである<6>〜<9>のいずれか1項に記載の樹脂シート。
<11> 体積平均粒子径が1μm〜10μmである、前記体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の凝集体を含む<6>〜<10>のいずれか1項に記載の樹脂シート。
<12> <6>〜<11>のいずれか1項に記載の樹脂シートの熱処理物である樹脂シート硬化物。
<13> <6>〜<11>のいずれか1項に記載の樹脂シートと、前記樹脂シートの少なくとも一方の面上に配置される金属板又は放熱板と、を有する樹脂シート積層体。
<14> 前記樹脂シートの前記金属板又は放熱板の配置される面とは反対の面に被着体を有する<13>に記載の樹脂シート積層体。
<15> <13>又は<14>に記載の樹脂シート積層体の熱処理物である樹脂シート積層体硬化物。
<16> <6>〜<11>のいずれか1項に記載の樹脂シートの少なくとも一方の面上に、金属板又は放熱板を配置する工程と、
前記樹脂シートに熱を与えて前記樹脂シートを硬化させる工程と、
を有する樹脂シート積層体硬化物の製造方法。
前記樹脂シートに熱を与えて前記樹脂シートを硬化させる工程と、
を有する樹脂シート積層体硬化物の製造方法。
<17> 半導体素子と、
前記半導体素子上に配置される<12>に記載の樹脂シート硬化物と、
を備える半導体装置。
前記半導体素子上に配置される<12>に記載の樹脂シート硬化物と、
を備える半導体装置。
<18> LED素子と、<12>に記載の樹脂シート硬化物と、基板と、がこの順に積層されているLED装置。
本発明によれば、高熱伝導性と高絶縁性を両立する樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物並びにそれを用いた樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにLED装置が提供される。
以下、本発明の樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにLED装置の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本実施形態において、「固形分」とは、有機溶剤を除く全ての成分を含み、25℃で液体のエポキシ樹脂モノマー等も固形分に含まれる。
本実施形態において、樹脂組成物の全固形分体積とは、樹脂組成物を構成する成分のうち不揮発性成分の総体積を意味する。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本実施形態において、「固形分」とは、有機溶剤を除く全ての成分を含み、25℃で液体のエポキシ樹脂モノマー等も固形分に含まれる。
本実施形態において、樹脂組成物の全固形分体積とは、樹脂組成物を構成する成分のうち不揮発性成分の総体積を意味する。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、エポキシ樹脂モノマーと、下記一般式(I)で表される構造単位を有する第一のノボラック樹脂と、下記一般式(II)で表される構造単位を有する第二のノボラック樹脂と、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子と、を含有し、ガラス転移温度(Tg)が50℃以下である。本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、エポキシ樹脂モノマーと、下記一般式(I)で表される構造単位を有する第一のノボラック樹脂と、下記一般式(II)で表される構造単位を有する第二のノボラック樹脂と、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子と、を含有し、ガラス転移温度(Tg)が50℃以下である。本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
一般式(I)中、R1は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0〜2の整数を表す。
一般式(II)中、nは1〜2の整数を表す。Arはフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基を示す。
かかる構成の樹脂組成物を含む樹脂シートは、高熱伝導性と高絶縁性を両立する樹脂硬化物を形成可能である。これは例えば以下のように考えることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、特定のエポキシ樹脂モノマーと第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂と特定の窒化ホウ素粒子とを含む。本実施形態の樹脂組成物が特定の窒化ホウ素粒子を含有することで、樹脂組成物を硬化する際に、樹脂の硬化反応の進行による高熱伝導化とフィラーの組み合わせに起因する熱伝導パスの形成が効果的に行われる。そのため、本実施形態の樹脂組成物によれば、特に優れた熱伝導性を発現することができる樹脂硬化物を形成可能になると考えられる。
これは以下の様に考えることができる。樹脂を始めとする絶縁体の熱伝導の媒体はフォノンと呼ばれる格子振動であり、フォノン散乱を抑制することが熱伝導性を高められる手段の一つである。フォノンは振動であるため、振動を効率よく伝えるには、例えば、弾性率の高い分子鎖を樹脂中に導入すること、熱を伝達したい方向に分子鎖を配向させること及び樹脂中に共有結合を増やしてフォノンを伝える流路を多くすることが有効であると考えられる。
本実施形態の樹脂組成物は特定のエポキシ樹脂モノマーと第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを含むため、樹脂硬化物の熱伝導性をより高めることができる傾向にある。その理由としては、一般式(I)で表される構造単位を有する第一のノボラック樹脂はベンゼン環一つに対して二つの反応部位(水酸基)を有するため、樹脂硬化物の架橋密度をより高められるので、フォノン振動を伝えるパスの多い構造を形成できること、一般式(II)で表される構造単位を有する第二のノボラック樹脂は主鎖にフェニル基、ビフェニル基等といった剛直構造を有し弾性率を高められるので、主鎖方向に振動を伝え易いこと等が考えられる。
その結果、樹脂硬化物の熱伝導性及び絶縁性が向上する傾向にある。また、特定のエポキシ樹脂モノマーとして後述する一般式(III)で表されるエポキシ樹脂を用いることで、硬化反応により共有結合が密に形成され、分子鎖の配向性を更に高めることができる。その結果、樹脂硬化物の熱伝導性が更に向上する傾向がある。
本実施形態の樹脂組成物は特定のエポキシ樹脂モノマーと第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを含むため、樹脂硬化物の熱伝導性をより高めることができる傾向にある。その理由としては、一般式(I)で表される構造単位を有する第一のノボラック樹脂はベンゼン環一つに対して二つの反応部位(水酸基)を有するため、樹脂硬化物の架橋密度をより高められるので、フォノン振動を伝えるパスの多い構造を形成できること、一般式(II)で表される構造単位を有する第二のノボラック樹脂は主鎖にフェニル基、ビフェニル基等といった剛直構造を有し弾性率を高められるので、主鎖方向に振動を伝え易いこと等が考えられる。
その結果、樹脂硬化物の熱伝導性及び絶縁性が向上する傾向にある。また、特定のエポキシ樹脂モノマーとして後述する一般式(III)で表されるエポキシ樹脂を用いることで、硬化反応により共有結合が密に形成され、分子鎖の配向性を更に高めることができる。その結果、樹脂硬化物の熱伝導性が更に向上する傾向がある。
本実施形態の樹脂組成物では、ノボラック樹脂として、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とが併用される。
第一のノボラック樹脂は水酸基当量が小さく樹脂硬化物の架橋密度を高めることができ、熱伝導性を高めることができる傾向にある。しかし、エポキシ樹脂の硬化剤として第一のノボラック樹脂を単体で用いると、反応率が低くなり、樹脂硬化物の絶縁性が低下する傾向にある。これは、第一のノボラック樹脂は反応部位である水酸基同士の位置が近く、且つ第一のノボラック樹脂に未反応物として含有されうるフェノール化合物であるモノマーには昇華性があることに起因すると考えられる。
一方、第二のノボラック樹脂は単体で用いると水酸基当量が大きく樹脂硬化物の架橋密度が小さくなるためエポキシ樹脂の硬化剤として単体で第二のノボラック樹脂を用いると、樹脂硬化物の熱伝導性は低下してしまう傾向にある。
本実施形態では、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを併用するため、第二のノボラック樹脂による第一のノボラック樹脂の反応希釈を行えることから反応率を改善できる。また、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを併用することで、第一のノボラック樹脂に含有されるフェノール化合物であるモノマーを第二のノボラック樹脂に取り込むことが可能になるため絶縁性が向上する傾向にある。さらに、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを併用すると、架橋密度が小さくなりすぎることが抑えられ、熱伝導性は低下しにくい。これは、第一のノボラック樹脂は第二のノボラック樹脂と比較して反応性が高いため、硬化反応が進みやすいことが影響していると考えられる。
第一のノボラック樹脂は水酸基当量が小さく樹脂硬化物の架橋密度を高めることができ、熱伝導性を高めることができる傾向にある。しかし、エポキシ樹脂の硬化剤として第一のノボラック樹脂を単体で用いると、反応率が低くなり、樹脂硬化物の絶縁性が低下する傾向にある。これは、第一のノボラック樹脂は反応部位である水酸基同士の位置が近く、且つ第一のノボラック樹脂に未反応物として含有されうるフェノール化合物であるモノマーには昇華性があることに起因すると考えられる。
一方、第二のノボラック樹脂は単体で用いると水酸基当量が大きく樹脂硬化物の架橋密度が小さくなるためエポキシ樹脂の硬化剤として単体で第二のノボラック樹脂を用いると、樹脂硬化物の熱伝導性は低下してしまう傾向にある。
本実施形態では、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを併用するため、第二のノボラック樹脂による第一のノボラック樹脂の反応希釈を行えることから反応率を改善できる。また、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを併用することで、第一のノボラック樹脂に含有されるフェノール化合物であるモノマーを第二のノボラック樹脂に取り込むことが可能になるため絶縁性が向上する傾向にある。さらに、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを併用すると、架橋密度が小さくなりすぎることが抑えられ、熱伝導性は低下しにくい。これは、第一のノボラック樹脂は第二のノボラック樹脂と比較して反応性が高いため、硬化反応が進みやすいことが影響していると考えられる。
本実施形態の樹脂組成物のTgは50℃以下であり、45℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。本実施形態の樹脂組成物のTgが50℃以下であれば、絶縁性に優れる。なお、本実施形態において樹脂組成物のTgとは、樹脂組成物の固形分についてのTgをいう。
樹脂組成物のTgは、粘弾性測定装置を用いて測定される貯蔵弾性率と損失弾性率の比よりtanδを計算し、最低温度に現れるtanδのピークを調べることで求めることができる。
樹脂組成物のTgは、粘弾性測定装置を用いて測定される貯蔵弾性率と損失弾性率の比よりtanδを計算し、最低温度に現れるtanδのピークを調べることで求めることができる。
以下、本実施形態の樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
(ノボラック樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを含有する。第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂は、エポキシ樹脂モノマーの硬化剤として機能しうる。本実施形態の樹脂組成物は、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂以外のノボラック樹脂等のその他の硬化剤を含有してもよい。その他の硬化剤としてはエポキシ樹脂と硬化反応が可能な化合物であれば特に制限されるものではない。
本実施形態の樹脂組成物は、第一のノボラック樹脂と第二のノボラック樹脂とを含有する。第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂は、エポキシ樹脂モノマーの硬化剤として機能しうる。本実施形態の樹脂組成物は、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂以外のノボラック樹脂等のその他の硬化剤を含有してもよい。その他の硬化剤としてはエポキシ樹脂と硬化反応が可能な化合物であれば特に制限されるものではない。
第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂は、硬化剤として作用し、特定のエポキシ樹脂と反応して樹脂硬化物を形成し、熱伝導性及び絶縁性を発現する。本実施形態の樹脂組成物が特定のエポキシ樹脂と第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂とを含むことで、硬化後にはより優れた熱伝導性及び絶縁性を示すことができる。
−第一のノボラック樹脂−
本実施形態で用いられる第一のノボラック樹脂は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する。
本実施形態で用いられる第一のノボラック樹脂は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する。
一般式(I)中、R1は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0〜2の整数を表す。
一般式(I)において、mが2の場合、2つのR1は同一であっても異なってもよい。mは、接着性と熱伝導性の観点から、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
第一のノボラック樹脂としては、一般式(I)で表される構造単位を有するノボラック樹脂を1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、第一のノボラック樹脂を2種以上併用するとは、例えば、構造単位は異なるものの分子量を同じくするノボラック樹脂を2種以上用いる場合、分子量は異なるものの構造単位を同じくするノボラック樹脂を2種以上用いる場合並びに分子量及び構造単位の異なるノボラック樹脂を2種以上用いる場合が挙げられる。
第一のノボラック樹脂は、フェノール化合物としてレゾルシノールに由来する部分構造を少なくとも含む。第一のノボラック樹脂は、レゾルシノール以外のフェノール化合物に由来する部分構造の少なくとも1種を更に含んでいてもよい。レゾルシノール以外のフェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、カテコール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等を挙げることができる。第一のノボラック樹脂は、これらに由来する部分構造を1種単独でも、2種以上組み合わせて含んでいてもよい。ここでフェノール化合物に由来する部分構造とは、フェノール化合物のベンゼン環部分から水素原子を1個又は2個取り除いて構成される1価又は2価の基を意味する。水素原子が取り除かれる位置は特に限定されない。
第一のノボラック樹脂におけるレゾルシノール以外のフェノール化合物に由来する部分構造としては、熱伝導性、接着性及び保存安定性の観点から、フェノール、クレゾール、カテコール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、及び1,3,5−トリヒドロキシベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する部分構造であることが好ましく、ヒドロキノン、カテコール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、及び1,3,5−トリヒドロキシベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する部分構造であることがより好ましく、カテコールに由来する部分構造が更に好ましい。
第一のノボラック樹脂におけるレゾルシノールに由来する部分構造の含有率については特に制限はない。熱伝導性の観点から、第一のノボラック樹脂の全質量中において、レゾルシノールに由来する部分構造の含有率が20質量%以上であることが好ましく、更なる高い熱伝導性の観点から、50質量%以上であることがより好ましい。第一のノボラック樹脂の全質量中におけるレゾルシノールに由来する部分構造の含有率の上限値は特に制限されず、例えば95質量%以下であることが好ましい。
一般式(I)において、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R2及びR3で表されるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、必要に応じて置換基を更に有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基等を挙げることができる。
一般式(I)において、R2及びR3としては、保存安定性と熱伝導性の観点から、水素原子、アルキル基、又はアリール基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であることがより好ましく、水素原子又はフェニル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。さらに耐熱性の観点からは、R2及びR3の少なくとも一方が炭素数6〜10のアリール基(より好ましくは、フェニル基)であることもまた好ましい。
第一のノボラック樹脂は具体的には、以下に示す一般式(Ia)〜一般式(If)のいずれかで表される構造単位を有する化合物を含むノボラック樹脂であることが好ましい。
一般式(Ia)〜一般式(If)において、i及びjは、それぞれのフェノール化合物に由来する構造単位の含有比率(質量%)を表す。iは2質量%〜30質量%であり、jは70質量%〜98質量%であることが好ましく、iは3質量%〜20質量%であり、jは80質量%〜97質量%であることがより好ましく、iは5質量%〜10質量%であり、jは90質量%〜95質量%であることが更に好ましく、iとjの合計は100質量%である。
第一のノボラック樹脂は、熱伝導性の観点から、一般式(Ia)及び一般式(If)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を含み、iが2質量%〜20質量%であって、jが80質量%〜98質量%であることが好ましく、弾性率と線膨張率の観点から、一般式(Ia)で表される構造単位を含み、iが5質量%〜10質量%であって、jが90質量%〜95質量%であることがより好ましい。
第一のノボラック樹脂は、一般式(I)で表される構造単位を有する化合物を含み、好ましくは、下記一般式(IV)で表される化合物の少なくとも1種を含むものである。
一般式(IV)中、R4は、水素原子又は下記一般式(Vp)で表されるフェノール化合物に由来する1価の基を表し、R5はフェノール化合物に由来する1価の基を表す。また、R1、R2、R3及びmは、一般式(I)におけるR1、R2、R3及びmとそれぞれ同義である。R5で表されるフェノール化合物に由来する1価の基は、フェノール化合物のベンゼン環部分から水素原子を1個取り除いて構成される1価の基であり、水素原子が取り除かれる位置は特に限定されない。
一般式(IV)中、nは1〜7の数であり、一般式(I)で表される構造単位の個数である。第一のノボラック樹脂が単一の化合物である場合、nは整数である。第一のノボラック樹脂が一般式(I)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、nは一般式(I)で表される構造単位の個数の平均値であり、有理数となる。第一のノボラック樹脂が一般式(I)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、nは、接着性と熱伝導性の観点から、その平均値が1.7〜6.5であることが好ましく、2.4〜6.1であることがより好ましい。
一般式(IV)中、nは1〜7の数であり、一般式(I)で表される構造単位の個数である。第一のノボラック樹脂が単一の化合物である場合、nは整数である。第一のノボラック樹脂が一般式(I)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、nは一般式(I)で表される構造単位の個数の平均値であり、有理数となる。第一のノボラック樹脂が一般式(I)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、nは、接着性と熱伝導性の観点から、その平均値が1.7〜6.5であることが好ましく、2.4〜6.1であることがより好ましい。
一般式(Vp)中、pは1〜3の整数を表す。また、R1、R2、R3及びmは、一般式(I)におけるR1、R2、R3及びmとそれぞれ同義である。
一般式(IV)のR4及びR5におけるフェノール化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されない。フェノール化合物として具体的には、フェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等を挙げることができる。
中でも熱伝導性と保存安定性の観点から、クレゾール、カテコール、及びレゾルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
中でも熱伝導性と保存安定性の観点から、クレゾール、カテコール、及びレゾルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
第一のノボラック樹脂の数平均分子量は、熱伝導性及び成形性の観点から、800以下であることが好ましく、また弾性率と線膨張率の観点から、300〜750であることがより好ましく、更に成形性と接着強度の観点から、350〜650であることが更に好ましい。
第一のノボラック樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)を用いて実施例の欄に記載された方法に従い測定する。
第一のノボラック樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)を用いて実施例の欄に記載された方法に従い測定する。
また、第一のノボラック樹脂は、柔軟性の観点から、第一のノボラック樹脂を構成するフェノール化合物であるモノマーを更に含むことが好ましい。一般にノボラック樹脂はフェノール化合物とアルデヒド化合物とを縮重合することで合成される。従って第一のノボラック樹脂を構成するフェノール化合物とは、第一のノボラック樹脂の合成に用いられるフェノール化合物を意味する。第一のノボラック樹脂に含まれるフェノール化合物は、第一のノボラック樹脂の合成の際に残存したフェノール化合物であってもよく、第一のノボラック樹脂の合成後に添加したフェノール化合物であってもよい。
第一のノボラック樹脂にフェノール化合物が含有される場合、第一のノボラック樹脂に含まれるフェノール化合物の含有率としては、5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜55質量%がより好ましく、15質量%〜50質量%が更に好ましい。
第一のノボラック樹脂にフェノール化合物が含有される場合、第一のノボラック樹脂に含まれるフェノール化合物の含有率としては、5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜55質量%がより好ましく、15質量%〜50質量%が更に好ましい。
第一のノボラック樹脂にモノマーとして含まれるフェノール化合物は、第一のノボラック樹脂の構造に応じて選択される。中でもフェノール化合物は、レゾルシノール、カテコール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン及び1,2,3−トリヒドロキシベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、レゾルシノール及びカテコールからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物中の第一のノボラック樹脂の含有率は特に制限されない。第一のノボラック樹脂の含有率は、熱伝導性と接着性の観点から、樹脂組成物の全固形分質量中に0.3質量%〜15質量%であることが好ましく、熱伝導性の観点から、0.5質量%〜13質量%であることがより好ましく、0.7質量%〜11質量%であることが更に好ましい。
−第二のノボラック樹脂−
本実施形態で用いられる第二のノボラック樹脂は、下記一般式(II)で表される構造単位を有する。
本実施形態で用いられる第二のノボラック樹脂は、下記一般式(II)で表される構造単位を有する。
一般式(II)中、Arはフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基を示す。本実施形態においては、Arとしては、ビフェニル基及びナフチル基が好ましく、ビフェニル基がより好ましい。また、nは1〜2の整数を示す。
第二のノボラック樹脂は、一般式(II)で表される構造単位を分子中に2個〜10個含有することが好ましく、3個〜10個含有することがより好ましく、4個〜8個含有することが更に好ましい。
第二のノボラック樹脂が単一の化合物である場合、第二のノボラック樹脂に含まれる一般式(II)で表される構造単位の個数は整数である。第二のノボラック樹脂が一般式(II)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、第二のノボラック樹脂に含まれる一般式(II)で表される構造単位の個数は一般式(II)で表される構造単位の個数の平均値であり、有理数となる。第二のノボラック樹脂が一般式(II)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、第二のノボラック樹脂に含まれる一般式(II)で表される構造単位の個数は、接着性と熱伝導性の観点から、その平均値が1.5〜9.5であることが好ましく、2.0〜9.0であることがより好ましい。
第二のノボラック樹脂が単一の化合物である場合、第二のノボラック樹脂に含まれる一般式(II)で表される構造単位の個数は整数である。第二のノボラック樹脂が一般式(II)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、第二のノボラック樹脂に含まれる一般式(II)で表される構造単位の個数は一般式(II)で表される構造単位の個数の平均値であり、有理数となる。第二のノボラック樹脂が一般式(II)で表される構造単位を有する複数種の化合物を含む場合、第二のノボラック樹脂に含まれる一般式(II)で表される構造単位の個数は、接着性と熱伝導性の観点から、その平均値が1.5〜9.5であることが好ましく、2.0〜9.0であることがより好ましい。
第二のノボラック樹脂としては、一般式(II)で表される構造単位を有するノボラック樹脂を1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、第二のノボラック樹脂を2種以上併用するとは、例えば、構造単位は異なるものの分子量を同じくするノボラック樹脂を2種以上用いる場合、分子量は異なるものの構造単位を同じくするノボラック樹脂を2種以上用いる場合並びに分子量及び構造単位の異なるノボラック樹脂を2種以上用いる場合が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物がノボラック樹脂として第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂を含有することで、Bステージ状態の本実施形態の樹脂組成物からの低分子量成分の揮発分量を低減できる。これは、第一のノボラック樹脂に含有されるフェノール化合物であるモノマーが第二のノボラック樹脂に相溶しやすいため、このモノマーを第二のノボラック樹脂がトラップするためであると考えられる。また、第二のノボラック樹脂よりも第一のノボラック樹脂に含有されるフェノール化合物であるモノマーの方がエポキシ樹脂との反応速度が速いためと考えられる。
第二のノボラック樹脂の数平均分子量は、熱伝導性及び成形性の観点から、300〜900であることが好ましく、弾性率と線膨張率の観点から、350〜800であることがより好ましく、成形性と接着強度の観点から、400〜700であることが更に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物中の第二のノボラック樹脂の含有率は特に制限されない。第二のノボラック樹脂の含有率は、熱伝導性と接着性の観点から、樹脂組成物の全固形分質量中に0.3質量%〜15質量%であることが好ましく、0.4質量%〜13質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜11質量%であることが更に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物に含まれる第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂の比率(第一のノボラック樹脂/第二のノボラック樹脂)は、質量基準で10/90〜90/10が好ましく、12/88〜85/15がより好ましく、14/86〜80/20が更に好ましい。第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂の比率が質量基準で10/90〜90/10の範囲であると、絶縁破壊電圧が向上する傾向がある。
−その他の硬化剤−
本実施形態の樹脂組成物は、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂以外のその他の硬化剤を含有してもよい。その他の硬化剤としては、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂以外のノボラック樹脂、芳香族アミン硬化剤、脂肪族アミン硬化剤、メルカプタン硬化剤、酸無水物硬化剤等の重付加型硬化剤などを挙げることができる。
その他のノボラック樹脂としては、一般式(I)で表される構造単位及び一般式(II)で表される構造単位を含まないノボラック樹脂であれば特に制限はなく、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられるノボラック樹脂から適宜選択することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂以外のその他の硬化剤を含有してもよい。その他の硬化剤としては、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂以外のノボラック樹脂、芳香族アミン硬化剤、脂肪族アミン硬化剤、メルカプタン硬化剤、酸無水物硬化剤等の重付加型硬化剤などを挙げることができる。
その他のノボラック樹脂としては、一般式(I)で表される構造単位及び一般式(II)で表される構造単位を含まないノボラック樹脂であれば特に制限はなく、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられるノボラック樹脂から適宜選択することができる。
本実施形態の樹脂組成物が第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂以外のその他の硬化剤を更に含む場合、その他の硬化剤の含有率は特に制限されない。熱伝導性の観点から、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂の合計に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物に含まれる、第一のノボラック樹脂、第二のノボラック樹脂及び必要に応じて用いられるその他の硬化剤(以下、単に「全硬化剤」と称することがある)の総含有率としては特に制限されない。熱伝導性と接着性の観点から、全硬化剤の総含有率は、樹脂組成物の全固形分質量中に、4質量%〜20質量%であることが好ましく、6質量%〜18質量%であることがより好ましく、8質量%〜16質量%であることが更に好ましい。
また、樹脂組成物中の全硬化剤の含有量は、後述のエポキシ樹脂に対して当量基準で、0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1であることがより好ましい。ここで、当量とは反応当量であり、例えば、ノボラック樹脂の当量は、エポキシ基1個に対しフェノール性水酸基1個が反応するものとして計算され、アミンの当量は、エポキシ基1個に対しアミノ基の活性水素1個が反応するものとして計算され、酸無水物の無水酸当量は、エポキシ基1個に対し酸無水物基1個が反応するものとして計算される。
また、樹脂組成物中の全硬化剤の含有量は、後述のエポキシ樹脂に対して当量基準で、0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1であることがより好ましい。ここで、当量とは反応当量であり、例えば、ノボラック樹脂の当量は、エポキシ基1個に対しフェノール性水酸基1個が反応するものとして計算され、アミンの当量は、エポキシ基1個に対しアミノ基の活性水素1個が反応するものとして計算され、酸無水物の無水酸当量は、エポキシ基1個に対し酸無水物基1個が反応するものとして計算される。
(エポキシ樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、エポキシ樹脂モノマーを含有する。エポキシ樹脂モノマーとしては、通常用いられる一般的なエポキシ樹脂を特に制限なく用いることができる。エポキシ樹脂モノマーとしては、25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーが好ましい。本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーを含有してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、エポキシ樹脂モノマーを含有する。エポキシ樹脂モノマーとしては、通常用いられる一般的なエポキシ樹脂を特に制限なく用いることができる。エポキシ樹脂モノマーとしては、25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーが好ましい。本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーを含有してもよい。
本実施形態において、「25℃で固体」であるとは、25℃において測定した粘度として、10000Pa・s以上である場合をいう。一方、本実施形態において、「25℃で液体」であるとは、25℃において測定した粘度として、10000Pa・s未満である場合をいう。
エポキシ樹脂モノマーが25℃において固体であるか液体であるかを粘度に基づいて判断する場合のエポキシ樹脂モノマーの粘度とは、25℃においてコーンプレート(直径10mm、25mm又は50mm)を装着した回転式のせん断粘度計を用いて測定された値をいう。
エポキシ樹脂モノマーが25℃において固体であるか液体であるかを粘度に基づいて判断する場合のエポキシ樹脂モノマーの粘度とは、25℃においてコーンプレート(直径10mm、25mm又は50mm)を装着した回転式のせん断粘度計を用いて測定された値をいう。
25℃で固体のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA、F、S、AD等のグリシジルエーテルであるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂;水素添加したビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加したビスフェノールAD型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型のグリシジルエーテル(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、クレゾールノボラック型のグリシジルエーテル(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、ビスフェノールAノボラック型のグリシジルエーテル;ナフタレン型のグリシジルエーテル(ナフタレン型エポキシ樹脂);ビフェノール型のグリシジルエーテル(ビフェノール型エポキシ樹脂)、ジヒドロキシペンタジエン型のグリシジルエーテル(ジヒドロキシペンタジエン型エポキシ樹脂)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーとして多官能エポキシ樹脂を用いることで、高Tg化、高熱伝導化をより効果的に達成することができる。多官能エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が好ましく例示される。本実施形態において、多官能エポキシ樹脂とは、1分子中に3個以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂をいう。
また、25℃で固体のエポキシ樹脂は、メソゲン構造を主骨格に有するエポキシ樹脂であってもよい。
メソゲン構造とは、分子構造として剛直な構造を有する官能基由来の構造であって、分子間力及び配向性が強い官能基由来の構造を意味する。このメソゲン構造により硬化後に樹脂中に高次構造を形成可能になる。メソゲン構造として具体的には、芳香族環及び脂肪族環から選択される2以上の環構造が、単結合、エステル結合、アミド結合、アゾ結合、不飽和結合等を含んでもよい鎖状連結基で連結された構造、芳香族環及び脂肪族環から選択される2以上の環構造が、不飽和結合を含んでもよい環状連結基で連結された構造、多環系芳香族を含む構造などを挙げることができる。
このメソゲン構造を有するエポキシ樹脂は、1種のメソゲン構造を含んでいるものであっても、2種のメソゲン構造を含んでいるものであってもよい。
以下に、好適に用いられるメソゲン構造の具体例を示す。なお、メソゲン構造はこれら具体例に限定されるものではない。
メソゲン構造とは、分子構造として剛直な構造を有する官能基由来の構造であって、分子間力及び配向性が強い官能基由来の構造を意味する。このメソゲン構造により硬化後に樹脂中に高次構造を形成可能になる。メソゲン構造として具体的には、芳香族環及び脂肪族環から選択される2以上の環構造が、単結合、エステル結合、アミド結合、アゾ結合、不飽和結合等を含んでもよい鎖状連結基で連結された構造、芳香族環及び脂肪族環から選択される2以上の環構造が、不飽和結合を含んでもよい環状連結基で連結された構造、多環系芳香族を含む構造などを挙げることができる。
このメソゲン構造を有するエポキシ樹脂は、1種のメソゲン構造を含んでいるものであっても、2種のメソゲン構造を含んでいるものであってもよい。
以下に、好適に用いられるメソゲン構造の具体例を示す。なお、メソゲン構造はこれら具体例に限定されるものではない。
本実施形態の樹脂組成物は、25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーに加えて、エポキシ樹脂モノマーとして、硬化前では低粘度であり、フィラー充填性及び成形性に優れ、熱硬化後には高い絶縁性及び熱伝導性を有するものを用いることが好ましい。例えば、25℃で液体であるエポキシ樹脂モノマーを含むこと(以下「液状エポキシ樹脂」と称する場合がある)が好ましい。これにより、本実施形態の樹脂組成物をシート化する際の柔軟性又は付与時の流動性が発現し易くなる。また、液状エポキシ樹脂を使用することにより、樹脂シートのAステージ状態及びBステージ状態における樹脂軟化点を低下させることが可能となる。具体的には、液状エポキシ樹脂の使用により、シートの柔軟性が向上し取り扱い性に優れること及び接着時に溶融粘度を低下させることが可能になる。液状エポキシ樹脂は硬化後のTg及び熱伝導性が低い場合があるので、液状エポキシ樹脂の含有量は樹脂硬化物の物性との兼ね合いで適宜選択できる。
このような25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水素添加したビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加したビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及び反応性希釈剤とよばれるエポキシ基を1つだけ有しているエポキシ樹脂が挙げられる。25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーは、硬化後の温度に対する弾性率変化及び熱物性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
樹脂組成物中における25℃で固体のエポキシ樹脂モノマー及び必要に応じて用いられる25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーの合計(全エポキシ樹脂モノマー)の含有率には特に制限はない。熱伝導性と接着性の観点から、全エポキシ樹脂モノマーの含有率は、樹脂組成物を構成する全固形分質量中に3質量%〜30質量%であることが好ましく、熱伝導性の観点から、5質量%〜25質量%であることがより好ましく、6質量%〜20質量%であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂モノマーとして、25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーに加えて、25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーを併用する場合、全エポキシ樹脂モノマーに占める25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーの割合は、20質量%〜100質量%が好ましく、35質量%〜90質量%がより好ましく、45質量%〜80質量%が更に好ましい。
また、エポキシ樹脂モノマーとして、25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーに加えて、25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーを併用する場合、全エポキシ樹脂モノマーに占める25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーの割合は、0質量%〜80質量%が好ましく、10質量%〜65質量%がより好ましく、20質量%〜55質量%が更に好ましい。
エポキシ樹脂モノマーとして、25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーに加えて、25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーを併用する場合、全エポキシ樹脂モノマーに占める25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーの割合は、20質量%〜100質量%が好ましく、35質量%〜90質量%がより好ましく、45質量%〜80質量%が更に好ましい。
また、エポキシ樹脂モノマーとして、25℃で固体のエポキシ樹脂モノマーに加えて、25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーを併用する場合、全エポキシ樹脂モノマーに占める25℃で液体のエポキシ樹脂モノマーの割合は、0質量%〜80質量%が好ましく、10質量%〜65質量%がより好ましく、20質量%〜55質量%が更に好ましい。
エポキシ樹脂モノマーとしては、下記一般式(III)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(III)において、R6は、炭素数が1〜7のアルキレン基を表す。R6は、炭素数が1〜5のアルキレン基であることが好ましく、1〜3のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。R6で表されるアルキレン基は、必要に応じて置換基を更に有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基等を挙げることができる。
ナフタレン環におけるR6の結合する位置は特に限定されるものではなく、1位の位置であっても2位の位置であってもよく、1位の位置が好ましい。R6の結合する位置は、各ナフタレン環において同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。
ナフタレン環におけるR6の結合する位置は特に限定されるものではなく、1位の位置であっても2位の位置であってもよく、1位の位置が好ましい。R6の結合する位置は、各ナフタレン環において同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。
一般式(III)で表される化合物をエポキシ樹脂モノマーとして用いることにより、特定の構造単位を有するノボラック樹脂と共に樹脂硬化物中に共有結合又は分子間力に由来する規則性の高い高次構造を形成することができる。このため、樹脂硬化物における熱伝導の媒体であるフォノンの散乱を抑制することができ、より高い熱伝導性を達成することができると考えられる。なお、ここでいう高次構造とは、樹脂組成物の硬化後に分子が配向配列している状態を意味し、例えば、樹脂硬化物中に結晶構造又は液晶構造が存在することをいう。このような結晶構造又は液晶構造は、例えば、直交ニコル下での偏光顕微鏡による観察又はX線散乱スペクトルにより、その存在を確認することができる。また温度変化に対する貯蔵弾性率の変化が小さくなることでも、結晶構造又は液晶構造の存在を間接的に確認できる。
本実施形態において、エポキシ樹脂モノマーとして一般式(III)で表される化合物を用いる場合、全エポキシ樹脂モノマーに占める一般式(III)で表される化合物の割合は、25質量%〜75質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましく、35質量%〜65質量%が更に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物において、樹脂組成物の全固形分質量に占めるエポキシ樹脂モノマー、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂の合計の割合は、10質量%〜95質量%であることが好ましく、13質量%〜85質量%がより好ましく、16質量%〜75質量%が更に好ましい。
(フィラー)
本実施形態の樹脂組成物は、フィラーとして、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子を含有する。フィラーとして、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子を含有することで、熱伝導性に優れた樹脂組成物及び樹脂組成物の硬化物が得られる傾向にある。
本実施形態で用いられる窒化ホウ素粒子の体積平均粒子径は、22μm〜78μmが好ましく、24μm〜76μmがより好ましく、26μm〜74μmが更に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、フィラーとして、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子を含有する。フィラーとして、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子を含有することで、熱伝導性に優れた樹脂組成物及び樹脂組成物の硬化物が得られる傾向にある。
本実施形態で用いられる窒化ホウ素粒子の体積平均粒子径は、22μm〜78μmが好ましく、24μm〜76μmがより好ましく、26μm〜74μmが更に好ましい。
本実施形態において使用される窒化ホウ素粒子は、水酸基を有する。窒化ホウ素粒子が水酸基を有することにより、樹脂硬化物を形成する際における樹脂の流動性向上、接着強度向上等の効果が得られる傾向にある。
また、窒化ホウ素粒子が水酸基を有するか否かは、赤外分光法を用いて確認することが可能である。例えば、赤外分光装置として、バイオラッド・ラボラトリィズ、FT−IR FTS6000型を用い、拡散反射法を用いて積算回数を256回として測定する。赤外線吸収スペクトルを測定して820cm−1付近にあるBN変角振動のピーク強度で規格化し、3200cm−1付近にあるホウ素と水酸基の伸縮振動由来のピーク強度が0.03以上を水酸基が有り、0.03未満を水酸基が無しとする。
また、窒化ホウ素粒子が水酸基を有するか否かは、赤外分光法を用いて確認することが可能である。例えば、赤外分光装置として、バイオラッド・ラボラトリィズ、FT−IR FTS6000型を用い、拡散反射法を用いて積算回数を256回として測定する。赤外線吸収スペクトルを測定して820cm−1付近にあるBN変角振動のピーク強度で規格化し、3200cm−1付近にあるホウ素と水酸基の伸縮振動由来のピーク強度が0.03以上を水酸基が有り、0.03未満を水酸基が無しとする。
窒化ホウ素粒子を構成する窒化ホウ素のモース硬度は2であり、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム等の他の絶縁性セラミックス(例えば、硬度8)と比較して、窒化ホウ素はモース硬度が低くて柔らかい。さらに球形又は丸み状といった粒子形状の窒化ホウ素粒子は1次粒子が凝集した形になっており、凝集粒子内部に空洞が存在し、溶融した樹脂よりは硬いながら、凝集粒子自体も変形しやすいものになっている。
このため、加熱加圧工程、ラミネート工程、又はプレス工程の際に、樹脂シート中の比較的大きな粒子径を有する窒化ホウ素粒子の変形が可能であり、その変形の際にフィラー間に存在する樹脂を押し除けることで、フィラー同士が容易に接近することができる。例えば、体積平均粒子径が20μm〜80μmである窒化ホウ素粒子及び他のフィラーが存在すると、他の硬いフィラー間に窒化ホウ素粒子が変形しつつ充填することができる。これにより、樹脂シート及び樹脂シート硬化物の厚み方向にフィラーが連続して接触している構造(「熱伝導パス」ともいう)が形成しやすくなり、熱伝導性が向上すると考えることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子を含有してもよい。体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子を含有することで、樹脂組成物の流動性が抑制され、本実施形態の樹脂組成物を接着剤として使用する場合に、樹脂組成物の染み出しを抑制できる傾向にある。体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の材質としては、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素等が好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム又は酸化ケイ素がより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子及び体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子以外のその他のフィラーを含有してもよい。その他のフィラーの材質としては、絶縁性を有する無機化合物粒子であれば特に制限はなく、高い熱伝導性と体積抵抗率を有するものであることが好ましい。具体例としては、アルミナ、アルミナの水和物、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機化合物粒子を挙げることができる。中でも、熱伝導性と絶縁性の観点から、その他のフィラーとして、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び水酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物粒子であることが好ましい。その他のフィラーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フィラーの粒子形状としては特に制限はなく、球形、丸み状、破砕状、りん片状、凝集粒子状等が挙げられる。フィラーの粒子形状は、充填性と熱伝導性の観点から、丸み状、球形又は凝集粒子状が好ましい。
なお、フィラーの体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法、3D CT法又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)を用いる方法で測定することができる。また、フィラーの粒度分布が広く分析装置によって得意な粒径が異なるため、複数の手法を組み合わせた方がより精度良く測定できることが知られている。
レーザー回折散乱法を用いる場合、まず、樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物等からフィラーを抽出し、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社、LS230)を用いることで測定可能である。具体的には、まず、水及び0.01質量%〜0.1質量%の分散剤であるヘキサメタリン酸ナトリウムとともに、フィラーを1質量%〜5質量%の範囲内で添加し試料液を調製する。この試料液を超音波振動機(例えば、シャープマニュファクチャリングシステム株式会社、型番 UT−106、出力100W)で温度23℃下において、3分〜5分振動して分散する。分散した試料液の約2mL程度をセルに注入し、25℃で、レーザー回折散乱粒度分布測定装置にて、例えば、アルミナの屈折率を1.77、窒化ホウ素の屈折率を2.17、として粒子径分布を測定する。積算した体積が50%の場合における粒子径(D50%)を体積平均粒子径とする。
また、樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物等に含まれるフィラーは、有機溶剤、硝酸、王水等を用いて抽出し、超音波分散機等で充分に分散して分散液を調製し、この分散液の粒子径分布を測定することで、体積平均粒子径を測定することができる。また、樹脂を加熱除去して、抽出したフィラーから上記の手法にて分散液を調製し、粒度分布径を測定してもよい。
3D CT法を用いる場合、例えば、株式会社島津製作所のSMX−160CTSを用いることでフィラーの体積平均粒子径を測定可能である。具体的には、樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物等を10mm角に切り出して試料台に配置し、そこにX線を照射することで測定可能である。測定条件としては、X線管電圧を40kVとし、X線管電流を100mAとして撮影した三次元像から、樹脂、フィラー及びボイドの割合を画像解析により分析して、各成分の割合に基づいてフィラーの体積平均粒子径を算出することができる。なお、樹脂とフィラー種の組み合わせによりフィラーの判別が難しいことがある。その場合は他の手法と組み合わせて粒径を計算することがより好ましい。
SEMを用いる方法によりフィラーの体積平均粒子径を求める場合、SEM FIB(Focused Ion Beam)を用いることが可能であり、例えば、FIB光学系とSEM光学系の両者を備えている株式会社日立ハイテクノロジーズ、nano DUE’T NB5000型を用いることで測定可能である。具体的には、樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物等に対して垂直にGaイオンビームを入射して断面加工を行いながら、傾けて設置したSEMで観察を行うことができる。加工ピッチは1nm〜100nmで撮影を行うことがよいが、撮影したいフィラーのサイズに合わせてピッチを調整することがよい。
撮影した三次元像から、フィラー組織を二値化により抽出して、粒子が球であると仮定して、体積平均粒子径を算出可能である。
撮影した三次元像から、フィラー組織を二値化により抽出して、粒子が球であると仮定して、体積平均粒子径を算出可能である。
本実施形態の樹脂組成物が、体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子及びその他のフィラーを含有する場合、全フィラーに占める体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子の含有率は、熱伝導性の観点から、フィラーの総体積を100体積%とした場合、10体積%〜100体積%であることが好ましく、20体積%〜97体積%であることがより好ましく、接着性の観点から、30体積%〜95体積%であることが更に好ましい。
また、必要に応じて含まれる体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の含有率は、熱伝導性の観点から、フィラーの総体積を100体積%とした場合、0体積%〜30体積%であることが好ましく、接着性の観点から5体積%〜20体積%であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物中のフィラーの含有率は、熱伝導性と接着性の観点から、樹脂組成物の全固形分体積中30体積%〜90体積%であることが好ましく、熱伝導性の観点から、40体積%〜80体積%であることがより好ましい。
また、必要に応じて含まれる体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の含有率は、熱伝導性の観点から、フィラーの総体積を100体積%とした場合、0体積%〜30体積%であることが好ましく、接着性の観点から5体積%〜20体積%であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物中のフィラーの含有率は、熱伝導性と接着性の観点から、樹脂組成物の全固形分体積中30体積%〜90体積%であることが好ましく、熱伝導性の観点から、40体積%〜80体積%であることがより好ましい。
なお、本実施形態において用いられるフィラーは粒子径分布において単一のピークを有するものでも、複数のピークを有するものであってもよい。また、これを組み合わせて構成することもできる。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物は、上記成分に加えて必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、有機溶剤、硬化触媒、シランカップリング剤、分散剤等を挙げることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、上記成分に加えて必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、有機溶剤、硬化触媒、シランカップリング剤、分散剤等を挙げることができる。
−硬化触媒−
本実施形態の樹組成物は硬化触媒を含有してもよい。硬化触媒としては、イミダゾール、トリフェニルホスフィン、これらの化合物に側鎖を導入した誘導体等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物が硬化触媒を含有する場合、硬化触媒の含有率は、樹脂組成物中、0.001質量%〜2.0質量%であることが好ましく、0.005質量%〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜1.0質量%であることが更に好ましい。
本実施形態の樹組成物は硬化触媒を含有してもよい。硬化触媒としては、イミダゾール、トリフェニルホスフィン、これらの化合物に側鎖を導入した誘導体等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物が硬化触媒を含有する場合、硬化触媒の含有率は、樹脂組成物中、0.001質量%〜2.0質量%であることが好ましく、0.005質量%〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜1.0質量%であることが更に好ましい。
−シランカップリング剤−
本実施形態の樹脂組成物はシランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシプロピルトリメトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤としては、これら1種を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の樹脂組成物はシランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシプロピルトリメトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤としては、これら1種を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有率は、樹脂組成物中、0.037質量%〜5質量%であることが好ましく、0.05質量%〜4.75質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜2.5質量%であることが更に好ましい。0.037質量%以上では接着性が向上し、5質量%以下であると硬化性が向上する。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態の樹脂組成物の製造方法としては、通常行なわれる樹脂組成物の製造方法を特に制限なく用いることができる。エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、フィラー及び必要に応じて用いられる硬化触媒等を混合する方法としては、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を用いる方法が挙げられる。さらには、これらの分散機を適宜組み合わせる方法が挙げられる。また、適当な有機溶剤を添加して、分散又は溶解を行うことができる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法としては、通常行なわれる樹脂組成物の製造方法を特に制限なく用いることができる。エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、フィラー及び必要に応じて用いられる硬化触媒等を混合する方法としては、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を用いる方法が挙げられる。さらには、これらの分散機を適宜組み合わせる方法が挙げられる。また、適当な有機溶剤を添加して、分散又は溶解を行うことができる。
具体的には例えば、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、フィラー等を適当な有機溶剤に溶解又は分散したものに、必要に応じて硬化触媒等のその他の成分を混合することで、樹脂組成物を得ることができる。
有機溶剤は後述する樹脂シートの製造方法における乾燥工程にて、少なくともその一部が乾燥処理により除去されるものであることから、沸点が低いか又は蒸気圧が高いものが望ましい。有機溶剤が樹脂シート中に大量に残留していると、熱伝導性又は絶縁性能に影響を及ぼす場合がある。一方、有機溶剤が除去されると、シートが硬くなりすぎて接着性能が失われてしまう場合がある。したがって有機溶剤の選択は、乾燥方法及び乾燥条件との適合が必要である。また有機溶剤は、用いる樹脂の種類、フィラーの種類、シート作製時の乾燥のしやすさ等により適宜選択することができる。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の含窒素溶剤などを挙げることができる。また有機溶剤は1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本実施形態の樹脂組成物は、全ての構成材料が混合された単一組成物の状態で構成されてもよいし、エポキシ樹脂及びノボラック樹脂を含む第1組成物と、必要に応じて用いられる硬化触媒を含む第2組成物と、を含む組成物セットとして構成されてもよい。本実施形態の樹脂組成物を単一組成物として用いることで、本実施形態の樹脂組成物を使用する際に混合の手間を省くことができる。一方、本実施形態の樹脂組成物を組成物セットとして用いることで、エポキシ樹脂とノボラック樹脂との反応が抑制されることで本実施形態の樹脂組成物の保存性が向上する。
なお、本実施形態の樹脂組成物を組成物セットとして用いる場合、第1組成物にはエポキシ樹脂及びノボラック樹脂が含まれ必要に応じて用いられる硬化触媒が含まれていないことが、第2組成物には必要に応じて用いられる硬化触媒が含まれエポキシ樹脂及びノボラック樹脂が含まれていないことが好ましい。また、フィラー等の成分は、第1組成物及び第2組成物のいずれか一方に含有されていてもよいし、第1組成物及び第2組成物の両方に含有されていてもよい。
なお、本実施形態の樹脂組成物を組成物セットとして用いる場合、第1組成物にはエポキシ樹脂及びノボラック樹脂が含まれ必要に応じて用いられる硬化触媒が含まれていないことが、第2組成物には必要に応じて用いられる硬化触媒が含まれエポキシ樹脂及びノボラック樹脂が含まれていないことが好ましい。また、フィラー等の成分は、第1組成物及び第2組成物のいずれか一方に含有されていてもよいし、第1組成物及び第2組成物の両方に含有されていてもよい。
<樹脂シート>
本実施形態の樹脂シートは、本実施形態の樹脂組成物を含む。本実施形態の樹脂シートが本実施形態の樹脂組成物から形成されることで、硬化前の保存安定性と硬化後の熱伝導性に優れる。本実施形態の樹脂組成物の詳細については既述の通りである。
本実施形態の樹脂シートは、本実施形態の樹脂組成物を含む。本実施形態の樹脂シートが本実施形態の樹脂組成物から形成されることで、硬化前の保存安定性と硬化後の熱伝導性に優れる。本実施形態の樹脂組成物の詳細については既述の通りである。
樹脂シートの平均厚みは30μm〜250μmであることが好ましく、熱伝導性と絶縁性との両立の観点から、50μm〜240μmであることがより好ましく、60μm〜230μmであることが更に好ましく、70μm〜220μmであることが特に好ましい。樹脂シートの平均厚みは、絶縁する電圧値、電流値等の電気特性、発熱体と樹脂シート間の熱抵抗値などとの兼ね合いで適宜選択することができる。要求される熱抵抗値を満足可能であれば、絶縁性の観点から樹脂シートの平均厚みは厚い方が好ましい。なお、樹脂シートの平均厚みは、マイクロメーター(例えば、株式会社ミツトヨ、マイクロメーター IP65)を用いて、9点の厚みを測定し、その算術平均値として与えられる。
本実施形態の樹脂シートは、少なくとも一方の面上に支持体を有することが好ましく、両方の面上に支持体を有することがより好ましい。これにより外的環境からの樹脂シートの接着面への異物の付着を防止すること及び衝撃から樹脂シートを保護することができる。すなわち、支持体は、保護フィルムとして機能する。また支持体は、使用時には適宜剥離して用いることが好ましい。
支持体としては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。これらのプラスチックフィルムに対しては、必要に応じてプライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理、離型処理等の表面処理を行ってもよい。また支持体として、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔、アルミニウム板等の金属板などを用いることもできる。
支持体がプラスチックフィルムである場合、その平均厚みは特に制限されない。平均厚みは、形成する樹脂シートの平均厚み及び樹脂シートの用途に応じて適宜定められる。プラスチックフィルムの平均厚みは、経済性に優れ、取り扱い性が良好な点で、10μm〜150μmであることが好ましく、25μm〜110μmであることがより好ましい。
また支持体が金属箔である場合、その平均厚みは特に制限されず、樹脂シートの用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、金属箔の平均厚みは、10μm〜400μmとすることができ、ロール箔としての取り扱い性の観点から、好ましくは18μm〜300μmである。
金属箔の平均厚みは、マイクロメーター(MDC−SB、株式会社ミツトヨ)を用いて10点の厚みを測定し、その算術平均値として求める。
金属箔の平均厚みは、マイクロメーター(MDC−SB、株式会社ミツトヨ)を用いて10点の厚みを測定し、その算術平均値として求める。
本実施形態の樹脂シートは、本実施形態の樹脂組成物を含む第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に積層されている本実施形態の樹脂組成物を含む第2の樹脂層と、を有することが好ましい。例えば、本実施形態の樹脂シートは、本実施形態の樹脂組成物から形成される第1の樹脂層と、本実施形態の樹脂組成物から形成される第2の樹脂層との積層体であることが好ましい。これにより絶縁耐圧をより向上させることができる。第1の樹脂層及び第2の樹脂層を形成する本実施形態の樹脂組成物は、同一の組成であっても互いに異なる組成を有していてもよい。第1の樹脂層及び第2の樹脂層を形成する本実施形態の樹脂組成物は、熱伝導性の観点から、同一の組成であることが好ましい。
本実施形態の樹脂シートは、一方の面上に金属箔を有し、金属箔を有する面とは反対の面上にプラスチックフィルムを有する構成であってもよい。
また、本実施形態の樹脂シートは、本実施形態の樹脂組成物を含む第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に積層されている本実施形態の樹脂組成物を含む第2の樹脂層とを有する積層体であり、積層体の一方の面上に金属箔を更に有し、他方の面上にプラスチックフィルム等の保護フィルムを更に有することが好ましい。すなわち樹脂シートは更に金属箔、プラスチックフィルム等の保護フィルムを有し、金属箔、第1の樹脂層、第2の樹脂層及びプラスチックフィルム等の保護フィルムの順に設けられてなることが好ましい。これによりボイドの穴埋め効果が得られ、絶縁耐圧がより向上する傾向がある。
また、本実施形態の樹脂シートは、本実施形態の樹脂組成物を含む第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に積層されている本実施形態の樹脂組成物を含む第2の樹脂層とを有する積層体であり、積層体の一方の面上に金属箔を更に有し、他方の面上にプラスチックフィルム等の保護フィルムを更に有することが好ましい。すなわち樹脂シートは更に金属箔、プラスチックフィルム等の保護フィルムを有し、金属箔、第1の樹脂層、第2の樹脂層及びプラスチックフィルム等の保護フィルムの順に設けられてなることが好ましい。これによりボイドの穴埋め効果が得られ、絶縁耐圧がより向上する傾向がある。
本実施形態の樹脂シートは、揮発分が0質量%〜3質量%であることが好ましく、0質量%〜2質量%であることがより好ましく、0質量%〜1質量%であることが更に好ましい。
本実施形態において、樹脂シートの揮発分は、樹脂シートを180℃にて30分の条件で加熱し、加熱前後の重量差に基づいて算出される。
本実施形態において、樹脂シートの揮発分は、樹脂シートを180℃にて30分の条件で加熱し、加熱前後の重量差に基づいて算出される。
本実施形態の樹脂シートに含まれる本実施形態の樹脂組成物が、体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子を含む場合、本実施形態の樹脂シートは、体積平均粒子径が1μm〜10μmである、前記体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の凝集体を含むことが好ましい。体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子が樹脂シート中で体積平均粒子径が1μm〜10μmの凝集体を形成することで、樹脂シートの流動性を更に抑制できる効果があると考えられる。
体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の凝集体の体積平均粒子径の測定方法は、上述のフィラーの体積平均粒子径の測定方法を用いることができる。
体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の凝集体の体積平均粒子径の測定方法は、上述のフィラーの体積平均粒子径の測定方法を用いることができる。
本実施形態の樹脂シートは、シート表面における凹みの最大径が100μm以下であり、凹み率が2面積%以下であることが好ましい。シート表面における凹みの最大径が100μm以下であり、凹み率が2面積%以下であることで、熱伝導性及び絶縁性がより向上する。
本実施形態においては、シート表面における凹みの最大径が95μm以下であり、凹み率が1.8面積%以下であることがより好ましく、シート表面における凹みの最大径が90μm以下であり、凹み率が1.6面積%以下であることが更に好ましい。
凹み率及び凹みの最大径は、硬化した樹脂シートの表面の画像を株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−5000型を用いて観察し、得られた画像を二値化し、この画像に含まれる凹みの面積と径を定量化することで求めた。
本実施形態においては、シート表面における凹みの最大径が95μm以下であり、凹み率が1.8面積%以下であることがより好ましく、シート表面における凹みの最大径が90μm以下であり、凹み率が1.6面積%以下であることが更に好ましい。
凹み率及び凹みの最大径は、硬化した樹脂シートの表面の画像を株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−5000型を用いて観察し、得られた画像を二値化し、この画像に含まれる凹みの面積と径を定量化することで求めた。
<樹脂シートの製造方法>
樹脂シートの製造方法は、本実施形態の樹脂組成物を用いてシート状の樹脂層を形成可能な方法であれば特に制限されず、通常用いられるシート製造方法から適宜選択することができる。樹脂シートの製造方法として具体的には、有機溶剤を含む本実施形態の樹脂組成物を、支持体上に、所望の平均厚みとなるように付与して樹脂組成物層を形成し、形成された樹脂組成物層を乾燥処理して有機溶剤の少なくとも一部を除去して樹脂層を形成する方法等を挙げることができる。
樹脂シートの製造方法は、本実施形態の樹脂組成物を用いてシート状の樹脂層を形成可能な方法であれば特に制限されず、通常用いられるシート製造方法から適宜選択することができる。樹脂シートの製造方法として具体的には、有機溶剤を含む本実施形態の樹脂組成物を、支持体上に、所望の平均厚みとなるように付与して樹脂組成物層を形成し、形成された樹脂組成物層を乾燥処理して有機溶剤の少なくとも一部を除去して樹脂層を形成する方法等を挙げることができる。
樹脂組成物の付与方法、及び乾燥方法については特に制限なく、通常用いられる方法から適宜選択することができる。付与方法としては、コンマコータ法、ダイコータ法、ディップ塗工法等が挙げられる。また乾燥方法としては、常圧下又は減圧下での加熱乾燥、自然乾燥、凍結乾燥等が挙げられる。
樹脂組成物層の厚みは、乾燥処理後の樹脂層が所望の平均厚みとなるように適宜選択することができる。乾燥後の樹脂層の平均厚みは30μm〜250μmであることが好ましい。乾燥後の樹脂層の平均厚みが30μm以上であると樹脂層内に空洞が形成されにくくなり、作製尤度が大きくなる傾向がある。また、乾燥後の樹脂層の平均厚みが250μm以下であると樹脂ロールを形成する場合でも、樹脂の粉末が飛散することを抑制できる傾向がある。
本実施形態の樹脂シートが積層体である場合、本実施形態の樹脂組成物から形成される第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね合わせて製造されることが好ましい。かかる構成であることにより、絶縁耐圧がより向上する傾向にある。
これは例えば以下のように考えることができる。すなわち、2つの樹脂層を重ねることで、一方の樹脂層中に存在しうる厚みの薄くなる箇所(ピンホール又はボイド)がもう一方の樹脂層により補填されることになる。これにより、最小絶縁厚みを大きくすることができ、絶縁耐圧がより向上すると考えることができる。樹脂シートの製造方法におけるピンホール又はボイドの発生確率は高くはないが、2つの樹脂層を重ねることで薄い部分の重なり合う確率はその2乗になり、ピンホール又はボイドの個数はゼロに近づくことになる。絶縁破壊は最も絶縁的に弱い箇所で起こることから、2つの樹脂層を重ねることにより絶縁耐圧がより向上する効果が得られると考えることができる。さらに、2つの樹脂層を重ねることにより、フィラー同士の接触確率も向上し、熱伝導性の向上効果も生じると考えることができる。
樹脂シートの製造方法は、本実施形態の樹脂組成物から形成される第1の樹脂層上に、本実施形態の樹脂組成物から形成される第2の樹脂層を重ねて積層体を得る工程と、得られた積層体を加熱加圧処理する工程とを含むことが好ましい。かかる製造方法であることにより、絶縁耐圧がより向上する傾向にある。
また、本実施形態の樹脂シートが積層体の一方の面上に金属箔を更に有し、他方の面上にプラスチックフィルム等の保護フィルムを更に有する構成である場合、このような構成の樹脂シートの製造方法は、金属箔上に設けられ、本実施形態の樹脂組成物から形成された第1の樹脂層と、プラスチックフィルム等の保護フィルム上に設けられ、本実施形態の樹脂組成物から形成された第2の樹脂層とを、第1の樹脂層と第2の樹脂層とが互いに接するように重ねる工程を有することが好ましい。これにより穴埋め効果がより効果的に得られる。
第1の樹脂層は例えば、金属箔上に、有機溶剤を含む本実施形態の樹脂組成物を付与して樹脂組成物層を形成し、形成された樹脂組成物層を乾燥処理して有機溶剤の少なくとも一部を除去することで形成することができる。また第2の樹脂層は、例えば、プラスチックフィルム上に、有機溶剤を含む本実施形態の樹脂組成物を付与して樹脂組成物層を形成し、形成された樹脂組成物層を乾燥処理して有機溶剤の少なくとも一部を除去することで形成することができる。
第1の樹脂層及び第2の樹脂層の平均厚みは、積層体を構成した場合に積層体の平均厚みが30μm〜250μmとなるように適宜選択することができる。第1の樹脂層及び第2の樹脂層の平均厚みは、例えば、それぞれ10μm〜240μmとすることができ、20μm〜230μmであることが好ましい。平均厚みが10μm以上であると樹脂層内に空洞(ボイド)が形成されにくくなり、作製尤度が大きくなる傾向がある。平均厚みが240μm以下であるとシートに割れ目が入りにくい傾向がある。第1の樹脂層及び第2の樹脂層の平均厚みは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
樹脂層の平均厚み及び積層体の平均厚みは、上述の金属箔の平均厚みの場合と同様にして測定できる。
樹脂層の平均厚み及び積層体の平均厚みは、上述の金属箔の平均厚みの場合と同様にして測定できる。
さらに、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ねた積層体は、加熱加圧処理されることが好ましい。これにより熱伝導性がより向上した樹脂シートを製造することができる。加熱加圧処理する方法としては、所定の圧力及び熱を加えることができる方法であれば特に制限されず、通常用いられる加熱加圧処理方法から適宜選択することができる。具体的には、ラミネート処理、プレス処理、金属ロール処理等が挙げられる。また加熱加圧処理には、常圧で処理を行う手法と、減圧下で処理を行う手法とがある。減圧下で処理を行う手法の方が好ましいが、その限りではない。減圧条件としては30000Pa以下であることが好ましく、10000Pa以下であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物により樹脂層を形成する場合、加熱加圧処理前の積層体の表面はフィラー等により凸凹が生じており、平滑ではない場合がある。このような積層体を加熱加圧処理して得られる本実施形態の樹脂シートの厚みは、樹脂層の厚みの和には一致せずに小さくなる場合がある。これは、例えば、加熱加圧処理の前後で、フィラー充填性が変化すること、表面の凸と凹が重ね合わされること、シートの均一性が向上すること及びボイドが埋まることに拠るものと考えることができる。
本実施形態の樹脂シートは、樹脂組成物層から有機溶剤の少なくとも一部を除去して得られる樹脂層からなることが好ましい。さらに、本実施形態の樹脂シートは、有機溶剤の少なくとも一部が除去された樹脂層を更に加熱加圧処理することによって、樹脂層を構成する樹脂組成物を半硬化状態(Bステージ)としたものであることがより好ましい。なお、本明細書においては、樹脂組成物から形成された樹脂組成物層を乾燥して得られる樹脂シートをAステージシート、Aステージシートを更に加熱加圧処理して得られる樹脂シートをBステージシートと称する場合がある。なお、Aステージ、Bステージ、及び後述するCステージについては、JIS K6900:1994の規定を参照するものとする。
Bステージシートは本実施形態の樹脂組成物が半硬化した状態であることが好ましい。ここでBステージシートとは、樹脂シートの粘度が、常温(25℃)においては104Pa・s〜109Pa・sであり、100℃においては102Pa・s〜107Pa・sであり、常温(25℃)から100℃への温度変化により、粘度が0.001%〜50%低下するものである。また、後述する硬化後の樹脂シート硬化物は加温によっても溶融することはない。なお、上記粘度は、動的粘弾性測定(周波数1Hz、荷重40g、昇温速度3℃/分)によって測定されうる。
本実施形態の樹脂シートがBステージシートであることで、取り扱い性が向上する。これはAステージシートと比較して硬化が進行していることで弾性率が上昇し、強度が向上しているためである。一方で、本実施形態の樹脂シートの硬化度は、樹脂シートを柔軟に取り扱いできる程度に抑えることが好ましい。また、樹脂層を半硬化状態にしてBステージシートを得る方法としては、例えば、加熱加圧処理する方法を挙げることができる。
樹脂層を加熱加圧処理する方法は、樹脂層を半硬化状態にできれば特に制限はない。例えば、熱プレス及びラミネータを用いて樹脂層を加熱加圧処理することができる。また樹脂層を半硬化状態とする加熱加圧条件は、樹脂組成物の構成に応じて適宜選択でき、例えば、加熱温度40℃〜200℃、圧力0.1MPa〜100MPa及び0.3分間〜30分間の条件を挙げることができる。
<樹脂シート硬化物>
本実施形態の樹脂シート硬化物は、本実施形態の樹脂シートの熱処理物である。すなわち本実施形態の樹脂シート硬化物は、本実施形態の樹脂シートを熱処理することで樹脂シートに含まれる樹脂組成物を硬化させて形成される。従って、樹脂シート硬化物は、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂等に由来する構造単位を含有する樹脂硬化物とフィラー等のその他の成分とを含有する。
本実施形態の樹脂シート硬化物は、本実施形態の樹脂シートの熱処理物である。すなわち本実施形態の樹脂シート硬化物は、本実施形態の樹脂シートを熱処理することで樹脂シートに含まれる樹脂組成物を硬化させて形成される。従って、樹脂シート硬化物は、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂等に由来する構造単位を含有する樹脂硬化物とフィラー等のその他の成分とを含有する。
本実施形態の樹脂シート硬化物においては、フィラー同士が互いに接触すると高い熱伝導性を発揮する。樹脂とフィラーとでは熱伝導性が大きく異なるため、樹脂とフィラーとの混合物では、高熱伝導性であるフィラー同士をなるべく接近させ、フィラー間の距離を短くすることが好ましい。例えば、樹脂と比較して熱伝導性が高いフィラーが樹脂を間に介さずに接触すると、熱伝導パスが形成し、熱伝導しやすい経路が形成できるため、高熱伝導性になりやすい。
樹脂シート硬化物を製造する際の熱処理条件は、本実施形態の樹脂組成物の構成に応じて適宜選択することができる。例えば、本実施形態の樹脂シートを、120℃〜250℃、1分間〜300分間の条件で熱処理することができる。またエポキシ樹脂のガラス転移温度、熱伝導性、及び接着性の観点から、熱処理条件は、三次元架橋構造を形成しやすくするため、徐々に温度を上昇させる工程を含むことが好ましい。例えば、本実施形態の樹脂シートに対して、100℃〜160℃及び160℃〜250℃の少なくとも2段階の加熱を行うことがより好ましく、上記の温度範囲にて、3段階以上の多段階の熱処理を行うことが更に好ましい。これはエポキシ樹脂と硬化剤との未反応箇所を少なくすることで、架橋密度の上昇による特性の向上の他に、未反応箇所の熱分解を防ぎ、反応熱による樹脂中央部の過熱を防ぐ効果もある。
エポキシ樹脂としてメソゲン構造を有するエポキシ樹脂を用い、硬化剤と特定温度で反応させ樹脂硬化物を構成することで、高い熱伝導性を達成することができることが知られている。これは例えば、以下のように考えることができる。
すなわち、分子中にメソゲン構造を有するエポキシ樹脂と硬化剤としてノボラック樹脂とを用いて樹脂硬化物を形成することで、樹脂硬化物中に規則性の高い高次構造を形成することができる。しかし、特定の温度範囲でなければ、規則性の高い構造が得られない場合があることから、所望の熱伝導性が得られないことがある。上述の樹脂シート硬化物を製造する際の熱処理条件によれば、分子中にメソゲン構造を有するエポキシ樹脂とノボラック樹脂とを用いて樹脂硬化物を形成する場合に、規則性の高い構造の硬化物が得られやすく、熱伝導性を向上させやすい傾向にある。
すなわち、分子中にメソゲン構造を有するエポキシ樹脂と硬化剤としてノボラック樹脂とを用いて樹脂硬化物を形成することで、樹脂硬化物中に規則性の高い高次構造を形成することができる。しかし、特定の温度範囲でなければ、規則性の高い構造が得られない場合があることから、所望の熱伝導性が得られないことがある。上述の樹脂シート硬化物を製造する際の熱処理条件によれば、分子中にメソゲン構造を有するエポキシ樹脂とノボラック樹脂とを用いて樹脂硬化物を形成する場合に、規則性の高い構造の硬化物が得られやすく、熱伝導性を向上させやすい傾向にある。
<樹脂シート積層体>
本実施形態の樹脂シート積層体は、本実施形態の樹脂シートと、樹脂シートの少なくとも一方の面上に配置される金属板又は放熱板とを有する。本実施形態の樹脂シート積層体を構成する本実施形態の樹脂シートの詳細については既述の通りである。また金属板又は放熱板としては、銅板、アルミ板、セラミック板等が挙げられる。なお、金属板又は放熱板の厚みは特に限定されず、目的等に応じて適宜選択することができる。また、金属板又は放熱板として、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔を使用してもよい。
本実施形態の樹脂シート積層体は、本実施形態の樹脂シートと、樹脂シートの少なくとも一方の面上に配置される金属板又は放熱板とを有する。本実施形態の樹脂シート積層体を構成する本実施形態の樹脂シートの詳細については既述の通りである。また金属板又は放熱板としては、銅板、アルミ板、セラミック板等が挙げられる。なお、金属板又は放熱板の厚みは特に限定されず、目的等に応じて適宜選択することができる。また、金属板又は放熱板として、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔を使用してもよい。
本実施形態の樹脂シート積層体においては、本実施形態の樹脂シートの少なくとも一方の面上に金属板又は放熱板が配置され、好ましくは両方の面上に配置される。
本実施形態の樹脂シート積層体は、本実施形態の樹脂シートの少なくとも一方の面上に、金属板又は放熱板を配置して積層体を得る工程を含む製造方法で製造することができる。
樹脂シート上に、金属板又は放熱板を配置する方法としては、通常用いられる方法を特に制限なく用いることができる。例えば、樹脂シートの少なくとも一方の面上に、金属板又は放熱板を貼り合わせる方法を挙げることができる。貼り合わせ方法としては、樹脂シートに含まれる樹脂成分による接着による方法であっても、樹脂シート表面に付与したグリースの粘着による方法であってもよい。これらの方法は、必要な物性、樹脂シート積層体を用いて構成される半導体装置の形態等に応じて適宜使い分けることができる。具体的な貼り合わせ方法としては、プレス法、ラミネート法等が挙げられる。プレス法及びラミネート法の条件は樹脂シートの構成に応じて適宜選択することができる。プレス工程における加熱加圧方法は、特に制限されない。例えば、プレス装置、ラミネート装置、金属ロールプレス装置及び真空プレス装置を用いて加熱加圧する方法を挙げることができる。
加熱加圧する条件は、例えば、温度を60℃〜250℃とし、圧力を0.5MPa〜100MPaとして、時間を0.1分間〜360分間とすることができ、温度を70℃〜240℃とし、圧力を1MPa〜80MPaとして、時間を0.5分間〜300分間とすることが好ましい。また加熱加圧処理は、大気圧(常圧下)でも行うことが可能であるが、減圧下にて行うことが好ましい。減圧条件としては30000Pa以下であることが好ましく、10000Pa以下であることがより好ましい。
また本実施形態の樹脂シート積層体は、樹脂シートの一方の面上に金属板又は放熱板を有し、金属板又は放熱板の配置される面とは反対の面に被着体を有していてもよい。樹脂シート積層体を熱処理して、樹脂シート積層体に含まれる樹脂シートを硬化することで、被着体と金属板又は放熱板との間の熱伝導性に優れる樹脂シート積層体硬化物を形成することができる。
被着体としては特に制限されない。被着体の材質としては、金属、樹脂、セラミックス、それらの混合物である樹脂/セラミックス、樹脂/金属といった複合材料等を挙げることができる。被着体の形状としては、薄膜状、板状、箱状等、様々な形態が挙げられる。
本実施形態の樹脂シート積層体は、樹脂シートの一方の面上に金属板又は放熱板を有し、金属板又は放熱板の配置される面とは反対の面に金属箔を有していてもよい。
本実施形態の樹脂シート積層体は、樹脂シートの一方の面上に金属板又は放熱板を有し、金属板又は放熱板の配置される面とは反対の面に金属箔を有していてもよい。
<樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法>
本実施形態の樹脂シート積層体硬化物は、本実施形態の樹脂シート積層体の熱処理物である。本実施形態の樹脂シート積層体硬化物の製造方法は、本実施形態の樹脂シートの少なくとも一方の面上に、金属板又は放熱板を配置する工程と、樹脂シートに熱を与えて樹脂シートを硬化させる工程とを有し、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
本実施形態の樹脂シート積層体硬化物は、本実施形態の樹脂シート積層体の熱処理物である。本実施形態の樹脂シート積層体硬化物の製造方法は、本実施形態の樹脂シートの少なくとも一方の面上に、金属板又は放熱板を配置する工程と、樹脂シートに熱を与えて樹脂シートを硬化させる工程とを有し、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
樹脂シート上に、金属板又は放熱板を配置する方法としては、樹脂シート積層体の項で開示した方法及び条件を適用できる。
本実施形態の樹脂シート積層体硬化物の製造方法においては、金属板又は放熱板を配置する工程後に熱処理して、本実施形態の樹脂シートを硬化させる。樹脂シート積層体の熱処理を行うことで熱伝導性がより向上する。樹脂シート積層体の熱処理は、例えば、120℃〜250℃、10分間〜300分間で行うことができる。また、樹脂シート積層体の熱処理条件は、熱伝導性の観点から、硬化物が高次構造を形成しやすい温度を含むことが好ましい。例えば、樹脂シート積層体の熱処理では、100℃〜160℃と160℃〜250℃の少なくとも2段階の加熱を行うことがより好ましく、更に、上記の温度範囲にて、3段階以上の多段階の加熱を行うことが更に好ましい。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、半導体素子と、半導体素子上に配置される本実施形態の樹脂シート硬化物とを備える。半導体装置は必要に応じてその他の部材を更に有していてもよい。半導体素子としては、通常用いられる半導体素子を特に制限なく用いることができる。半導体素子として具体的には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタ等のパワー半導体素子、LED素子などを挙げることができる。以下、図面を参照しながら半導体装置の構成例について説明する。
本実施形態の半導体装置は、半導体素子と、半導体素子上に配置される本実施形態の樹脂シート硬化物とを備える。半導体装置は必要に応じてその他の部材を更に有していてもよい。半導体素子としては、通常用いられる半導体素子を特に制限なく用いることができる。半導体素子として具体的には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタ等のパワー半導体素子、LED素子などを挙げることができる。以下、図面を参照しながら半導体装置の構成例について説明する。
図1〜図6は、本実施形態の樹脂シート硬化物を用いて構成されるパワー半導体装置の構成の一例を示す模式断面図である。
なお、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。また、実質的に同一の機能を有する部材には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1は、ハウジング103内に、パワー半導体素子110が、はんだ層112を介して配置される銅板104と、樹脂シート硬化物102と、グリース層108を介して水冷ジャケット120上に配置される放熱ベース106とで構成されたパワー半導体装置100の構成例を示す模式断面図である。パワー半導体素子110の周囲は、封止樹脂146で封止されている。パワー半導体素子110を含む発熱体が、樹脂シート硬化物102を介して放熱部材と接触していることで、効率よく放熱が行なわれる。なお、放熱ベース106は、熱伝導性を有する銅、アルミニウム等を用いて構成することができる。またパワー半導体素子110としては、IGBT、サイリスタ等を挙げることができる。
なお、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。また、実質的に同一の機能を有する部材には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1は、ハウジング103内に、パワー半導体素子110が、はんだ層112を介して配置される銅板104と、樹脂シート硬化物102と、グリース層108を介して水冷ジャケット120上に配置される放熱ベース106とで構成されたパワー半導体装置100の構成例を示す模式断面図である。パワー半導体素子110の周囲は、封止樹脂146で封止されている。パワー半導体素子110を含む発熱体が、樹脂シート硬化物102を介して放熱部材と接触していることで、効率よく放熱が行なわれる。なお、放熱ベース106は、熱伝導性を有する銅、アルミニウム等を用いて構成することができる。またパワー半導体素子110としては、IGBT、サイリスタ等を挙げることができる。
図2は、パワー半導体素子110の両面に、冷却部材を配置して構成されたパワー半導体装置150の構成例を示す模式断面図である。パワー半導体装置150においては、パワー半導体素子110の上面に配置される冷却部材が、はんだ層112を介して設けられた2層の銅板104を含んで構成されている。かかる構成であることにより、チップ割れ及びはんだ割れの発生を、より効果的に抑制することができる。図2では、半導体素子110から遠い側に配置される銅板104は、樹脂シート硬化物102及びグリース層108を介して水冷ジャケット120に接続している。一方、半導体素子110の下面に配置される冷却部材では、1層の銅板104が樹脂シート硬化物102及びグリース層108を介して水冷ジャケット120に接続している。また、樹脂シート硬化物102のグリース層108側の面に、銅箔、アルミ箔等が接着されていてもよい。図2では、樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とがグリース層108を介して配置されているが、樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とが直接接触するように配置されていてもよい。
図3は、パワー半導体素子110の両面に、冷却部材を配置して構成されたパワー半導体装置200の構成例を示す模式断面図である。パワー半導体装置200においては、パワー半導体素子110の両面に配置される冷却部材が、それぞれ1層の銅板104を含んで構成されている。また、樹脂シート硬化物102のグリース層108側の面に、銅箔、アルミ箔等が接着されていてもよい。図3では樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とがグリース層108を介して配置されているが、樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とが直接接触するように配置されていてもよい。
図4は、パワー半導体素子110の両面に、冷却部材を配置して構成されたパワー半導体装置250の構成例を示す模式断面図である。パワー半導体装置250においては、パワー半導体素子110の上面に配置される冷却部材が、はんだ層112を介して設けられた銅板104を含んで構成されている。かかる構成であることにより、チップ割れ及びはんだ割れの発生を、より効果的に抑制することができる。また、モジュール内に樹脂シート硬化物102を含有することで、シート割れ、外界の振動等による影響を防ぐことができ、信頼性が高まる。図4では、上面及び下面に配置される銅板104は、それぞれ、樹脂シート硬化物102、放熱ベース106及びグリース層108を介して水冷ジャケット120に接続している。放熱ベース106としては、銅箔、アルミ箔等が挙げられる。またパワー半導体素子110は、配線部材114を介して外部端子116と接続されている。図4では、樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とが、樹脂シート硬化物102上に配置される放熱ベース106とグリース層108とを介して配置されているが、樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とが直接接触するように配置されていてもよい。
図5は、パワー半導体素子110の両面に、冷却部材を配置して構成されたパワー半導体装置300の構成例を示す模式断面図である。パワー半導体装置300においては、パワー半導体素子110の両面に配置される冷却部材が、それぞれ1層の銅板104を含んで構成されている。なお、パワー半導体素子110の一方の面には、スペーサ101を介して銅板104が配置される。また、モジュール内に樹脂シート硬化物102を含有することで、シート割れ、外界の振動等による影響を防ぐことができ、信頼性が高まる。図5では、銅板104は、樹脂シート硬化物102、放熱ベース106及びグリース層108を介して水冷ジャケット120に接続している。またパワー半導体素子110は、配線部材114を介して外部端子116と接続されている。図5では樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とが、樹脂シート硬化物102上に配置される放熱ベース106とグリース層108とを介して配置されているが、樹脂シート硬化物102と水冷ジャケット120とが直接接触するように配置されていてもよい。
図6は、パワー半導体素子110が、はんだ層112を介して配置される銅板104と、樹脂シート硬化物102と、グリース層108を介して水冷ジャケット120上に配置される放熱ベース106とで構成されたパワー半導体装置350の構成例を示す模式断面図である。パワー半導体素子110を含む発熱体が樹脂シート硬化物102を介して放熱部材と接触していることで、効率よく放熱が行なわれる。なお、放熱ベース106は、熱伝導性を有する銅、アルミニウム等を用いて構成することができる。
<LED装置>
本実施形態のLED装置は、LED素子と、本実施形態の樹脂シート硬化物と、基板とがこの順に積層されて構成される。本実施形態のLED装置は、必要に応じてその他の部材を更に有していてもよい。基板としては、アルミニウム基板を挙げることができる。
本実施形態のLED装置は、LED素子と、本実施形態の樹脂シート硬化物と、基板とがこの順に積層されて構成される。本実施形態のLED装置は、必要に応じてその他の部材を更に有していてもよい。基板としては、アルミニウム基板を挙げることができる。
図7〜図10は、本実施形態の樹脂シート硬化物を用いて構成されるLED装置の構成の一例を示す模式断面図である。
図7は、本実施形態の樹脂シート硬化物を用いて構成されるLEDライトバー400の構成の一例を示す模式断面図である。LEDライトバー400は、ハウジング138と、グリース層136と、アルミニウム基板134と、樹脂シート硬化物132と、LEDチップ130とがこの順に配置され、ビス140で固定されて構成される。発熱体であるLEDチップ130が樹脂シート硬化物132を介してアルミニウム基板134上に配置されることで、効率よく放熱することができる。
図7は、本実施形態の樹脂シート硬化物を用いて構成されるLEDライトバー400の構成の一例を示す模式断面図である。LEDライトバー400は、ハウジング138と、グリース層136と、アルミニウム基板134と、樹脂シート硬化物132と、LEDチップ130とがこの順に配置され、ビス140で固定されて構成される。発熱体であるLEDチップ130が樹脂シート硬化物132を介してアルミニウム基板134上に配置されることで、効率よく放熱することができる。
図8は、LED電球の発光部450の構成例を示す模式断面図である。LED電球の発光部450は、ハウジング138と、グリース層136と、アルミニウム基板134と、樹脂シート硬化物132と、回路層142と、LEDチップ130とがこの順に配置され、ビス140で固定されて構成される。また図9は、LED電球500の全体の構成の一例を示す模式断面図である。LED電球の発光部を構成するハウジング138は、電源部材148を内包する封止樹脂146上に配置されている。
図10は、LED基板550の構成の一例を示す模式断面図である。LED基板550は、アルミニウム基板134と、樹脂シート硬化物132と、回路層142と、LEDチップ130とがこの順に配置されて構成される。発熱体であるLEDチップ130が回路層142と樹脂シート硬化物132とを介してアルミニウム基板134上に配置されることで、効率よく放熱することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
以下に樹脂シートの作製に用いた材料とその略号を示す。
(フィラー)
・AA−18:アルミナ粒子、製品名:AA−18、住友化学株式会社、体積平均粒子径18μm
・AA−3:アルミナ粒子、製品名:AA−3、住友化学株式会社、体積平均粒子径3μm
・AA−04:アルミナ粒子、製品名:AA−04、住友化学株式会社、体積平均粒子径0.4μm
・HP:窒化ホウ素粒子、製品名:HP40、水島合金鉄株式会社、体積平均粒子径45μm、水酸基有り
(フィラー)
・AA−18:アルミナ粒子、製品名:AA−18、住友化学株式会社、体積平均粒子径18μm
・AA−3:アルミナ粒子、製品名:AA−3、住友化学株式会社、体積平均粒子径3μm
・AA−04:アルミナ粒子、製品名:AA−04、住友化学株式会社、体積平均粒子径0.4μm
・HP:窒化ホウ素粒子、製品名:HP40、水島合金鉄株式会社、体積平均粒子径45μm、水酸基有り
(硬化剤(ノボラック樹脂を含む))
・CRN:カテコールレゾルシノールノボラック樹脂(一般式(I)の構造単位を含む)、数平均分子量425、フェノール化合物の含有率35%
・BPAl:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(一般式(II)の構造単位を含む)、エアウォーター株式会社、型番HE200C−10、数平均分子量529
・CRN:カテコールレゾルシノールノボラック樹脂(一般式(I)の構造単位を含む)、数平均分子量425、フェノール化合物の含有率35%
・BPAl:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(一般式(II)の構造単位を含む)、エアウォーター株式会社、型番HE200C−10、数平均分子量529
(エポキシ樹脂)
・BNAPH:ビナフチルメタン型エポキシ樹脂、製品名:HP4710、DIC株式会社、25℃で固体
・BIS−A/F:ビスフェノールA/F混合型エポキシ樹脂、型番ZX−1059、新日鐵住金株式会社、25℃で液体
・BNAPH:ビナフチルメタン型エポキシ樹脂、製品名:HP4710、DIC株式会社、25℃で固体
・BIS−A/F:ビスフェノールA/F混合型エポキシ樹脂、型番ZX−1059、新日鐵住金株式会社、25℃で液体
(添加剤)
・TPP:トリフェニルホスフィン(硬化触媒、和光純薬工業株式会社)
・EPT:エポキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤、製品名:KBM−403、信越化学工業株式会社)
・TPP:トリフェニルホスフィン(硬化触媒、和光純薬工業株式会社)
・EPT:エポキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤、製品名:KBM−403、信越化学工業株式会社)
(有機溶剤)
・CHN:シクロヘキサノン(和光純薬工業株式会社、1級)
・CHN:シクロヘキサノン(和光純薬工業株式会社、1級)
(支持体)
・PETフィルム:製品名A31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚み50μm
・銅箔:製品名CF−T9D−SV、福田金属箔粉工業株式会社、厚み35μm
・PETフィルム:製品名A31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚み50μm
・銅箔:製品名CF−T9D−SV、福田金属箔粉工業株式会社、厚み35μm
<合成例>
(ノボラック樹脂の合成)
窒素雰囲気下でセパラブルフラスコに、フェノール化合物のモノマーとしてレゾルシノール105g及びカテコール5g、触媒としてシュウ酸0.11g(対モノマー比0.1%)、並びに溶剤としてメタノール15gをそれぞれ量り取った後、内容物を撹拌し、40℃以下になるように油浴で冷却しながらホルマリン30gを加えた。2時間撹拌した後、油浴の温度を100℃にして、加温しながら水及びメタノールを減圧留去した。水及びメタノールが留出しなくなったことを確認した後、CHNをノボラック樹脂の含有率が35%となるように加えて、カテコールレゾルシノールノボラック樹脂溶液(CRN)を得た。
(ノボラック樹脂の合成)
窒素雰囲気下でセパラブルフラスコに、フェノール化合物のモノマーとしてレゾルシノール105g及びカテコール5g、触媒としてシュウ酸0.11g(対モノマー比0.1%)、並びに溶剤としてメタノール15gをそれぞれ量り取った後、内容物を撹拌し、40℃以下になるように油浴で冷却しながらホルマリン30gを加えた。2時間撹拌した後、油浴の温度を100℃にして、加温しながら水及びメタノールを減圧留去した。水及びメタノールが留出しなくなったことを確認した後、CHNをノボラック樹脂の含有率が35%となるように加えて、カテコールレゾルシノールノボラック樹脂溶液(CRN)を得た。
得られた生成物のGPCによる分子量測定で、数平均分子量及びモノマー含有比率を定量した。また得られた生成物のNMRスペクトルを測定し、一般式(I)で表される構造単位が含まれていることを確認した。なお、GPC測定及びNMR測定の条件については、後述する。
<実施例1>
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、窒化ホウ素粒子(HP)37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを1.87部と、BPAlを8.53部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.68部、BIS−A/Fを6.76部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合した後、3時間〜40時間ボールミル粉砕を行って、樹脂組成物として樹脂層形成用塗工液を得た。
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、窒化ホウ素粒子(HP)37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを1.87部と、BPAlを8.53部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.68部、BIS−A/Fを6.76部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合した後、3時間〜40時間ボールミル粉砕を行って、樹脂組成物として樹脂層形成用塗工液を得た。
片面が離型処理されたPETフィルムを支持体とし、その離型処理面上に厚みが約100μmになるように、樹脂層形成用塗工液をテーブルコータ(テスター産業株式会社)を用いて塗布して塗布層を形成した。100℃のボックス型オーブンで5分乾燥し、PETフィルム上にAステージ状態の樹脂層が形成された樹脂シート1(Aステージシートともいう)を形成した。
上記で得られたAステージシート1を2枚用い、樹脂層同士が対向するように重ねた。熱プレス装置(熱板100℃、圧力10MPa、処理時間1分)を用いて、加熱加圧処理して貼り合わせ、平均厚みが182μmであるBステージ状態の樹脂シート1(Bステージシートともいう)を得た。
[樹脂シート積層体硬化物の作製]
上記で得られたBステージシート1の両面からPETフィルムを剥離し、その両面に35μm厚の銅箔(福田金属箔粉工業株式会社、CF−T9D−SV)をそれぞれ重ねた後、プレス処理を行った。プレス処理条件は熱板温度150℃、減圧条件10kPa以下、圧力10MPa、処理時間3分とした。さらにボックス型オーブン中、140℃で2時間、165℃で2時間、190℃で2時間、順次熱処理することにより、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物1を得た。
上記で得られたBステージシート1の両面からPETフィルムを剥離し、その両面に35μm厚の銅箔(福田金属箔粉工業株式会社、CF−T9D−SV)をそれぞれ重ねた後、プレス処理を行った。プレス処理条件は熱板温度150℃、減圧条件10kPa以下、圧力10MPa、処理時間3分とした。さらにボックス型オーブン中、140℃で2時間、165℃で2時間、190℃で2時間、順次熱処理することにより、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物1を得た。
<実施例2>
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを4.10部と、BPAlを6.30部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.27部と、BIS−A/Fを6.35部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート2、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物2をそれぞれ得た。
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを4.10部と、BPAlを6.30部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.27部と、BIS−A/Fを6.35部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート2、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物2をそれぞれ得た。
<実施例3>
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを6.90部と、BPAlを3.48部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.10部と、BIS−A/Fを6.17部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート3、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物3をそれぞれ得た。
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを6.90部と、BPAlを3.48部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.10部と、BIS−A/Fを6.17部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート3、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物3をそれぞれ得た。
<実施例4>
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを8.88部と、BPAlを1.49部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを5.40部と、BIS−A/Fを5.46部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート4、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物4をそれぞれ得た。
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを8.88部と、BPAlを1.49部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを5.40部と、BIS−A/Fを5.46部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート4、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物4をそれぞれ得た。
<実施例5>
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを9.80部と、BPAlを0.57部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.83部と、BIS−A/Fを6.91部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート5、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物5をそれぞれ得た。
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを9.80部と、BPAlを0.57部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.83部と、BIS−A/Fを6.91部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シート5、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物5をそれぞれ得た。
<比較例1>
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを23.0部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.97部と、BIS−A/Fを7.05部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シートC1、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物C1をそれぞれ得た。
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてCRNを23.0部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを6.97部と、BIS−A/Fを7.05部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シートC1、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物C1をそれぞれ得た。
<比較例2>
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてBPAlを10.41部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを4.37部と、BIS−A/Fを4.42部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シートC2、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物C2をそれぞれ得た。
アルミナ粒子(AA−04、AA−3及びAA−18)をそれぞれ9.55部と、HPを37.0部と、EPTを0.066部と、エポキシ樹脂の硬化剤としてBPAlを10.41部と、CHNを38.4部とを混合した。均一になったことを確認した後に、エポキシ樹脂としてBNAPHを4.37部と、BIS−A/Fを4.42部と、TPPを0.15部とを更に加えて混合したこと以外は実施例1と同様にして、Bステージ状態の樹脂シートC2、両面に銅箔が設けられたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物C2をそれぞれ得た。
<評価>
上記で得られたCRN、Aステージ状態の樹脂シート、Bステージ状態の樹脂シート及びCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、表1の樹脂組成物における数値の単位は質量部である。
上記で得られたCRN、Aステージ状態の樹脂シート、Bステージ状態の樹脂シート及びCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、表1の樹脂組成物における数値の単位は質量部である。
(ガラス転移温度の測定)
Aステージ状態の樹脂シート(Aステージシート、樹脂組成物の固形分)のガラス転移温度を、以下のようにして測定した。
TAインスツルメント製ARES−G02を用い、測定温度範囲を−10℃から180℃、昇温速度を10℃/分、測定周波数を1Hz、測定治具のサイズを8mmΦとして、8枚重ねたAステージシートを10mm角に切り出して治具に挟んで測定した。貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、最も低温でのtanδピークをガラス転移温度とした。
Aステージ状態の樹脂シート(Aステージシート、樹脂組成物の固形分)のガラス転移温度を、以下のようにして測定した。
TAインスツルメント製ARES−G02を用い、測定温度範囲を−10℃から180℃、昇温速度を10℃/分、測定周波数を1Hz、測定治具のサイズを8mmΦとして、8枚重ねたAステージシートを10mm角に切り出して治具に挟んで測定した。貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、最も低温でのtanδピークをガラス転移温度とした。
(GPC測定)
上記合成例で得られたCRNをテトラヒドロフラン(液体クロマトグラフ用)に溶解し、PTFE製フィルタ(倉敷紡績株式会社、HPLC前処理用、クロマトディスク、型番:13N、孔径:0.45μm)を通して不溶分を除去した。GPC〔ポンプ:L6200 Pump(株式会社日立製作所)、検出器:示差屈折率検出器L3300 RI Monitor(株式会社日立製作所)、カラム:TSKgel−G5000HXLとTSKgel−G2000HXL(計2本)(共に東ソー株式会社)を直列に繋いだもの、カラム温度:30℃、溶離液:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/分、標準物質:ポリスチレン〕を用い、分子量測定で数平均分子量を測定した。併せてCRNに含まれるモノマーの含有比率をNMR測定により算出した。
上記合成例で得られたCRNをテトラヒドロフラン(液体クロマトグラフ用)に溶解し、PTFE製フィルタ(倉敷紡績株式会社、HPLC前処理用、クロマトディスク、型番:13N、孔径:0.45μm)を通して不溶分を除去した。GPC〔ポンプ:L6200 Pump(株式会社日立製作所)、検出器:示差屈折率検出器L3300 RI Monitor(株式会社日立製作所)、カラム:TSKgel−G5000HXLとTSKgel−G2000HXL(計2本)(共に東ソー株式会社)を直列に繋いだもの、カラム温度:30℃、溶離液:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/分、標準物質:ポリスチレン〕を用い、分子量測定で数平均分子量を測定した。併せてCRNに含まれるモノマーの含有比率をNMR測定により算出した。
(NMR測定)
上記の合成例で得られたCRNを重ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解し、プロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)(BRUKER社、AV−300(300MHz)を用いて、1H−NMRスペクトルを測定した。化学シフトの基準は、内部基準物質であるテトラメチルシランを0ppmとした。
上記の合成例で得られたCRNを重ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解し、プロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)(BRUKER社、AV−300(300MHz)を用いて、1H−NMRスペクトルを測定した。化学シフトの基準は、内部基準物質であるテトラメチルシランを0ppmとした。
(樹脂シート硬化物の熱伝導率)
上記で得られたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物から、過硫酸ナトリウム溶液を用いて銅箔をエッチング除去した。これを10mm角に切断し、グラファイトスプレーにより黒化処理し、熱拡散率をNETZSCH社、Nanoflash LFA447型を用いて測定した。
測定条件は、測定温度25±1℃、測定電圧270V、Amplitude5000、パルス幅0.06msとした。
上記で測定された熱拡散率と、アルキメデス法(アルファミラージュ株式会社 電子比重計、SD−200L)で測定した密度、DSC(パーキンエルマー社、示差走査熱量計、Pyris1)により測定した比熱の積から熱伝導率を算出した。
上記で得られたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物から、過硫酸ナトリウム溶液を用いて銅箔をエッチング除去した。これを10mm角に切断し、グラファイトスプレーにより黒化処理し、熱拡散率をNETZSCH社、Nanoflash LFA447型を用いて測定した。
測定条件は、測定温度25±1℃、測定電圧270V、Amplitude5000、パルス幅0.06msとした。
上記で測定された熱拡散率と、アルキメデス法(アルファミラージュ株式会社 電子比重計、SD−200L)で測定した密度、DSC(パーキンエルマー社、示差走査熱量計、Pyris1)により測定した比熱の積から熱伝導率を算出した。
(樹脂シート積層体硬化物の絶縁破壊電圧)
上記で得られたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物から、片面の銅箔をそのまま残し、反対面の銅箔に直径が20mmの円形パターンを20mmずつ離して5個形成して、評価用基板を作製した。ヤマヨ試験器有限会社、YST−243−100RHOを用い、積層体硬化物上に作製した電極間に電圧を印加することで、絶縁破壊電圧を測定した。測定条件としては、昇圧方法として、2kVから0.2kVずつ昇圧することとし、それぞれの電圧を5秒間保持した。測定温度23℃±2℃、フロリナート中にて測定を行った。
上記で得られたCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物から、片面の銅箔をそのまま残し、反対面の銅箔に直径が20mmの円形パターンを20mmずつ離して5個形成して、評価用基板を作製した。ヤマヨ試験器有限会社、YST−243−100RHOを用い、積層体硬化物上に作製した電極間に電圧を印加することで、絶縁破壊電圧を測定した。測定条件としては、昇圧方法として、2kVから0.2kVずつ昇圧することとし、それぞれの電圧を5秒間保持した。測定温度23℃±2℃、フロリナート中にて測定を行った。
(Bステージシートの180℃揮発分)
上記で得られたBステージ状態の樹脂シートから、5cm角のシートを切り出した。これを180℃にて事前乾燥済みのアルミカップに載せて秤量し、180℃30分の条件で加熱し、加熱前後の重量差を定量した。減量分を元のサンプルの重量で割り、100を掛けて百分率の数値とし、180℃の揮発分とした。
上記で得られたBステージ状態の樹脂シートから、5cm角のシートを切り出した。これを180℃にて事前乾燥済みのアルミカップに載せて秤量し、180℃30分の条件で加熱し、加熱前後の重量差を定量した。減量分を元のサンプルの重量で割り、100を掛けて百分率の数値とし、180℃の揮発分とした。
(凹み率及び凹みの最大径)
凹み率は、絶縁破壊電圧の測定に供したCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物の表面の画像を株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−5000型を用いて観察し、得られた画像を処理することで定量した。通常光と偏光を組み合わせて観察するとで、シート表面の反射を抑え、表面の凸凹を強調した画像を撮影することができる。この画像を二値化し、画像からサイズ計測を行うことで、凹みの最大径と凹み率を定量した。画像は絶縁破壊した点から近い箇所を任意に3箇所選択して撮影し、3点の平均値を凹み率及び凹みの最大径とした。
凹み率は、絶縁破壊電圧の測定に供したCステージ状態の樹脂シート積層体硬化物の表面の画像を株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−5000型を用いて観察し、得られた画像を処理することで定量した。通常光と偏光を組み合わせて観察するとで、シート表面の反射を抑え、表面の凸凹を強調した画像を撮影することができる。この画像を二値化し、画像からサイズ計測を行うことで、凹みの最大径と凹み率を定量した。画像は絶縁破壊した点から近い箇所を任意に3箇所選択して撮影し、3点の平均値を凹み率及び凹みの最大径とした。
表1に本発明が示す効果をまとめた結果を記載している。実施例1〜実施例5では第一のノボラック樹脂であるCRNと第二のノボラック樹脂であるBPAlの比率を変えてシートを作製した。熱伝導率はいずれの水準でも10W/(m・K)を超える結果であり、これは架橋密度を増加することができる第一のノボラック樹脂であるCRNと弾性率を高めることができる第二のノボラック樹脂であるBPAlを混合したため、樹脂の熱伝導率が向上しているためであると考えられる。絶縁破壊電圧も8kVrmsを超える結果となった。これは、凹み率及び凹みの最大径が小さくなっているためであると考える。
第一のノボラック樹脂であるCRNのみを用いた比較例1と実施例とを比較すると、熱伝導率は凡そ1W/(m・K)、絶縁破壊電圧は凡そ3kVrms低下する結果となった。これは第一のノボラック樹脂であるCRNの揮発分量が高いことから凹みが発生し、これらのパラメータを悪化させているためであると考える。第二のノボラック樹脂であるBPAlのみを用いた比較例2と実施例を比較すると、これも熱伝導率が凡そ3W/(m・K)、絶縁破壊電圧が凡そ3kVrms低下している。これは揮発分量が低下しているものの、第二のノボラック樹脂であるBPAlを用いると樹脂粘度が高くなるため、発生したボイドを充填することが出来なかったためであると考える。また、この現象を示すように凹み率も最も高くなっていた。
第一のノボラック樹脂であるCRNのみを用いた比較例1と実施例とを比較すると、熱伝導率は凡そ1W/(m・K)、絶縁破壊電圧は凡そ3kVrms低下する結果となった。これは第一のノボラック樹脂であるCRNの揮発分量が高いことから凹みが発生し、これらのパラメータを悪化させているためであると考える。第二のノボラック樹脂であるBPAlのみを用いた比較例2と実施例を比較すると、これも熱伝導率が凡そ3W/(m・K)、絶縁破壊電圧が凡そ3kVrms低下している。これは揮発分量が低下しているものの、第二のノボラック樹脂であるBPAlを用いると樹脂粘度が高くなるため、発生したボイドを充填することが出来なかったためであると考える。また、この現象を示すように凹み率も最も高くなっていた。
100:パワー半導体装置、102:樹脂シート硬化物、103:ハウジング、104:銅板、106:放熱ベース、108:グリース層、110:パワー半導体素子、112:はんだ層、114:配線部材、116:外部端子、120:水冷ジャケット、150:パワー半導体装置、200:パワー半導体装置、250:パワー半導体装置、300:パワー半導体装置、350:パワー半導体装置、130:LEDチップ、132:樹脂シート硬化物、134:アルミニウム基板、136:グリース層、138:ハウジング、140:ビス、142:回路層、146:封止樹脂、148:電源部材、400:LEDライトバー、450:発光部、500:LED電球、550:LED基板
Claims (18)
- エポキシ樹脂モノマーと、下記一般式(I)で表される構造単位を有する第一のノボラック樹脂と、下記一般式(II)で表される構造単位を有する第二のノボラック樹脂と、体積平均粒子径が20μm〜80μmであり水酸基を有する窒化ホウ素粒子と、を含有し、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂組成物。
(一般式(I)中、R1は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0〜2の整数を表す。)
(一般式(II)中、nは1〜2の整数を表す。Arはフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基を示す。) - 前記第一のノボラック樹脂及び前記第二のノボラック樹脂の比率(第一のノボラック樹脂/第二のノボラック樹脂)が、質量基準で10/90〜90/10である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂モノマーが、下記一般式(III)で表される化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
(一般式(III)において、R6は、炭素数が1〜7のアルキレン基を表す。) - 全固形分質量に占める前記エポキシ樹脂モノマー、前記第一のノボラック樹脂及び前記第二のノボラック樹脂の合計の割合が、10質量%〜95質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂シート。
- シート表面における凹みの最大径が100μm以下であり、凹み率が2面積%以下である請求項6に記載の樹脂シート。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に積層されている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む第2の樹脂層と、を有する請求項6又は請求項7に記載の樹脂シート。
- 揮発分が0質量%〜3質量%である請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂シート。
- 平均厚みが30μm〜250μmである請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂シート。
- 体積平均粒子径が1μm〜10μmである、前記体積平均粒子径が1μm未満の無機粒子の凝集体を含む請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂シート。
- 請求項6〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂シートの熱処理物である樹脂シート硬化物。
- 請求項6〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂シートと、前記樹脂シートの少なくとも一方の面上に配置される金属板又は放熱板と、を有する樹脂シート積層体。
- 前記樹脂シートの前記金属板又は放熱板の配置される面とは反対の面に被着体を有する請求項13に記載の樹脂シート積層体。
- 請求項13又は請求項14に記載の樹脂シート積層体の熱処理物である樹脂シート積層体硬化物。
- 請求項6〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂シートの少なくとも一方の面上に、金属板又は放熱板を配置する工程と、
前記樹脂シートに熱を与えて前記樹脂シートを硬化させる工程と、
を有する樹脂シート積層体硬化物の製造方法。 - 半導体素子と、
前記半導体素子上に配置される請求項12に記載の樹脂シート硬化物と、
を備える半導体装置。 - LED素子と、請求項12に記載の樹脂シート硬化物と、基板と、がこの順に積層されているLED装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015196503A JP2017066336A (ja) | 2015-10-02 | 2015-10-02 | 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015196503A JP2017066336A (ja) | 2015-10-02 | 2015-10-02 | 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017066336A true JP2017066336A (ja) | 2017-04-06 |
Family
ID=58491724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015196503A Pending JP2017066336A (ja) | 2015-10-02 | 2015-10-02 | 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017066336A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019119883A (ja) * | 2018-01-05 | 2019-07-22 | 三菱ケミカル株式会社 | 放熱絶縁シートおよび該シート硬化物を絶縁層とする積層構造体 |
WO2021117758A1 (ja) * | 2019-12-09 | 2021-06-17 | 住友ベークライト株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シートおよび金属ベース基板 |
-
2015
- 2015-10-02 JP JP2015196503A patent/JP2017066336A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019119883A (ja) * | 2018-01-05 | 2019-07-22 | 三菱ケミカル株式会社 | 放熱絶縁シートおよび該シート硬化物を絶縁層とする積層構造体 |
JP7188070B2 (ja) | 2018-01-05 | 2022-12-13 | 三菱ケミカル株式会社 | 放熱絶縁シートおよび該シート硬化物を絶縁層とする積層構造体 |
WO2021117758A1 (ja) * | 2019-12-09 | 2021-06-17 | 住友ベークライト株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シートおよび金属ベース基板 |
JP6923108B1 (ja) * | 2019-12-09 | 2021-08-18 | 住友ベークライト株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シートおよび金属ベース基板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6048039B2 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置、並びにled装置 | |
WO2015141797A1 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 | |
WO2014208694A1 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート構造体、樹脂シート構造体硬化物、樹脂シート構造体硬化物の製造方法、半導体装置、及びled装置 | |
JP6402763B2 (ja) | 多層樹脂シート、樹脂シート積層体、多層樹脂シート硬化物及びその製造方法、金属箔付き多層樹脂シート、並びに半導体装置 | |
JP5397476B2 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、ならびに、樹脂硬化物およびその製造方法 | |
KR101970771B1 (ko) | 수지 조성물, 수지 시트, 금속박 구비 수지 시트, 수지 경화물 시트, 구조체, 및 동력용 또는 광원용 반도체 디바이스 | |
JP2016079304A (ja) | 樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 | |
JP6536045B2 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート及び樹脂シート硬化物 | |
JP7005906B2 (ja) | 多層樹脂シート、多層樹脂シートの製造方法、多層樹脂シート硬化物、多層樹脂シート積層体、及び多層樹脂シート積層体硬化物 | |
JP2013053180A (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、プリプレグシート、樹脂硬化物シート、構造体、および動力用又は光源用半導体デバイス | |
JP2017066336A (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂シート硬化物、樹脂シート積層体、樹脂シート積層体硬化物及びその製造方法、半導体装置並びにled装置 | |
WO2024063088A1 (ja) | ヒートシンク付回路基板およびヒートシンク付回路基板の製造方法 | |
JP2021031600A (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート及び樹脂シート硬化物 |