JP2017065973A - ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置 - Google Patents
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略水平方向に配置される清澄管に、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けて前記清澄管の長さ方向と垂直な板部材が設けられ、
前記清澄工程では、前記熔融ガラスの界面の高さが前記板部材の上端部よりも高くなるように、前記清澄管を流れる前記熔融ガラスの流量および流速を制御することを特徴とする。
略水平方向に配置される清澄管に、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の長さ方向と垂直な複数の板部材からなる板部材群が設けられ、
前記板部材群は、
前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けた第1の高さに設けられる複数の第1板部材が前記清澄管の長さ方向に間隔を空けて配置されてなる第1板部材群と、
前記第1の高さよりも高くかつ前記清澄管の内壁の最上部と間隔を空けた第2の高さに設けられる複数の第2板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第2板部材群と、
前記第1の高さよりも低い第3の高さに前記清澄管の内壁の最下部と間隔を空けずに設けられる複数の第3板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第3板部材群と、
からなり、
前記清澄工程では、前記熔融ガラスの界面の高さが前記複数の板部材の上端部の最も高い位置よりも高くなるように前記熔融ガラスの流量および流速を制御することを特徴とする。
略水平方向に配置され、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程が行われる清澄管を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けて前記清澄管の長さ方向と垂直な板部材が設けられ、
前記熔融ガラスの界面の高さが前記板部材の上端部よりも高くなるように、前記清澄管を流れる前記熔融ガラスの流量および流速が制御されることを特徴とする。
略水平方向に配置され、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程が行われる清澄管を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の長さ方向と垂直な複数の板部材からなる板部材群が設けられ、
前記板部材群は、
前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けた第1の高さに設けられる複数の第1板部材が前記清澄管の長さ方向に間隔を空けて配置されてなる第1板部材群と、
前記第1の高さよりも高くかつ前記清澄管の内壁の最上部と間隔を空けた第2の高さに設けられる複数の第2板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第2板部材群と、
前記第1の高さよりも低い第3の高さに前記清澄管の内壁の最下部と間隔を空けずに設けられる複数の第3板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第3板部材群と、
からなり、
前記熔融ガラスの界面の高さが前記複数の板部材の上端部の最も高い位置よりも高くなるように前記熔融ガラスの流量および流速が制御されることを特徴する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。
なお、清澄工程は、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。減圧脱泡方式は、清澄剤を用いない点で有効である。しかし、減圧脱泡方式は装置が複雑化及び大型化する。このため、清澄剤を用い、熔融ガラス温度を上昇させる清澄方法を採用することが好ましい。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管120では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌子103aによって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
次に、図3、図4を参照して、清澄管120の構成について説明する。図3は、実施の形態の清澄管120の構成を示す概略斜視図であり、図4は清澄管120の長手方向における鉛直断面図である。
図3、図4に示すように、清澄管120の長さ方向の両端の外周面には、電極121a、121bが設けられており、清澄管120の気相空間120a(図4参照)と接する壁には、排気管127が設けられている。
なお、本実施例では、清澄管120が白金族金属から構成されている場合を具体例として説明するが、清澄管120の一部が、耐火物や他の金属などから構成されていてもよい。
また、通電加熱によって熔融ガラスの温度を制御することで、熔融ガラスの粘度を調節し、これにより清澄管120を通過する熔融ガラスの流速を調節することができる。
制御装置123は電源装置122が清澄管120に通電させる電流量を制御し、これにより清澄管120を通過する熔融ガラスの温度および流速を制御する。制御装置123は、CPU、メモリ等を含むコンピュータである。
例えば、清澄管120の加熱量を増加させることで、清澄管120の内壁に近い、第1板部材124の下側を流れる熔融ガラスの温度を上昇させ、粘性を低下させることで、第1板部材124の下側を流れる熔融ガラスの流速を上げることができる。一方、清澄管120の加熱量を減少させることで、清澄管120の内壁に近い、第1板部材124の下側を流れる熔融ガラスの温度を低下させ、粘性を上昇させることで、第1板部材124の下側を流れる熔融ガラスの流速を下げることができる。
なお、第1板部材124の上側を流れる熔融ガラスは、清澄管120の内壁から遠いため、清澄管120の加熱量の変化による温度の変化量は、第1板部材124の下側を流れる熔融ガラスよりも小さい。
SiO2:56−65質量%
Al2O3:15−19質量%
B2O3:8−13質量%
MgO:1−3質量%
CaO:4−7質量%
SrO:1−4質量%
BaO:0−2質量%
Na2O:0−1質量%
K2O:0−1質量%
As2O3:0−1質量%
Sb2O3:0−1質量%
SnO2:0−1質量%
Fe2O3:0−1質量%
ZrO2:0−1質量%
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
103a 撹拌子
104、105 移送管
106 ガラス供給管
120 清澄管
120a 気相空間
121a、121b 電極
122 電源装置
123 制御装置
124 第1板部材
125 第2板部材
126 第3板部材
127 排気管
200 成形装置
300 切断装置
MG 熔融ガラス
SG シートガラス
Claims (6)
- ガラス基板の製造方法であって、
略水平方向に配置される清澄管に、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けて前記清澄管の長さ方向と垂直な板部材が設けられ、
前記清澄工程では、前記熔融ガラスの界面の高さが前記板部材の上端部よりも高くなるように、前記清澄管を流れる前記熔融ガラスの流量および流速を制御する、ガラス基板の製造方法。 - 前記清澄管の長さ方向における前記板部材の位置で、前記板部材よりも上方を流れる熔融ガラスの流量を前記板部材よりも上方の流路断面積で除した流速とが、前記板部材よりも下方を流れる熔融ガラスの流量を前記板部材よりも下方の流路断面積で除した流速とが等しくなるように、前記清澄管を流れる前記熔融ガラスの流量および流速を制御する、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
- ガラス基板の製造方法であって、
略水平方向に配置される清澄管に、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の長さ方向と垂直な複数の板部材からなる板部材群が設けられ、
前記板部材群は、
前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けた第1の高さに設けられる複数の第1板部材が前記清澄管の長さ方向に間隔を空けて配置されてなる第1板部材群と、
前記第1の高さよりも高くかつ前記清澄管の内壁の最上部と間隔を空けた第2の高さに設けられる複数の第2板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第2板部材群と、
前記第1の高さよりも低い第3の高さに前記清澄管の内壁の最下部と間隔を空けずに設けられる複数の第3板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第3板部材群と、
からなり、
前記清澄工程では、前記熔融ガラスの界面の高さが前記複数の板部材の上端部の最も高い位置よりも高くなるように前記熔融ガラスの流量および流速を制御する、ガラス基板の製造方法。 - 前記清澄管の長さ方向における少なくとも1つの第1板部材の位置において、前記第1板部材よりも上方を流れる熔融ガラスの流量を前記第1板部材よりも上方の流路断面積で除した流速とが、前記第1板部材よりも下方を流れる熔融ガラスの流量を前記第1板部材よりも下方の流路断面積で除した流速とが等しくなるように、前記清澄管を流れる前記熔融ガラスの流量および流速を制御する、請求項3に記載のガラス基板の製造方法。
- ガラス基板の製造装置であって、
略水平方向に配置され、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程が行われる清澄管を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けて前記清澄管の長さ方向と垂直な板部材が設けられ、
前記熔融ガラスの界面の高さが前記板部材の上端部よりも高くなるように、前記清澄管を流れる前記熔融ガラスの流量および流速が制御される、ガラス基板の製造装置。 - ガラス基板の製造装置であって、
略水平方向に配置され、熔融ガラスを加熱しながら上流側から下流側へと流し、前記熔融ガラス中の気泡を、前記熔融ガラスの界面と前記清澄管の内壁とによって囲まれる気相空間に向けて放出させる清澄工程が行われる清澄管を含み、
前記清澄管には、前記清澄管の長さ方向と垂直な複数の板部材からなる板部材群が設けられ、
前記板部材群は、
前記清澄管の内壁の最下部および最上部と間隔を空けた第1の高さに設けられる複数の第1板部材が前記清澄管の長さ方向に間隔を空けて配置されてなる第1板部材群と、
前記第1の高さよりも高くかつ前記清澄管の内壁の最上部と間隔を空けた第2の高さに設けられる複数の第2板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第2板部材群と、
前記第1の高さよりも低い第3の高さに前記清澄管の内壁の最下部と間隔を空けずに設けられる複数の第3板部材が、前記清澄管の長さ方向に前記第1の板部材と間隔を空けて交互に配置されてなる第3板部材群と、
からなり、
前記熔融ガラスの界面の高さが前記複数の板部材の上端部の最も高い位置よりも高くなるように前記熔融ガラスの流量および流速が制御される、ガラス基板の製造装置。
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