JP2017065949A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記工程は、
前記半導体発光素子が複数個並べられた発光部を三台以上の奇数台、前記光ファイバの周囲に配置し、前記発光部を前記光ファイバの走行方向に垂直な面上に射影したときに前記発光部は前記光ファイバを中心として放射状に同じ角度を成すように配置し、
前記発光部の対面に、前記光ファイバを挟んで、反射面を前記光ファイバの走行方向に垂直な面上に射影した時に前記反射面が曲線に見える反射鏡を配置して、前記反射鏡により前記発光部からの紫外線を反射させ、
不活性ガスが流れている透明管の内部に前記光ファイバを通す際に、前記透明管を通して前記光ファイバに前記発光部および前記反射鏡からの紫外線を照射する。
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、
(1) 光ファイバ裸線に紫外線硬化型樹脂を塗布した後の光ファイバに半導体発光素子を用いて紫外線を照射する工程を含む光ファイバの製造方法であって、
前記工程は、
前記半導体発光素子が複数個並べられた発光部を三台以上の奇数台、前記光ファイバの周囲に配置し、前記発光部を前記光ファイバの走行方向に垂直な面上に射影したときに前記発光部は前記光ファイバを中心として放射状に同じ角度を成すように配置し、
前記発光部の対面に、前記光ファイバを挟んで、反射面を前記光ファイバの走行方向に垂直な面上に射影した時に前記反射面が曲線に見える反射鏡を配置して、前記反射鏡により前記発光部からの紫外線を反射させ、
不活性ガスが流れている透明管の内部に前記光ファイバを通す際に、前記透明管を通して前記光ファイバに前記発光部および前記反射鏡からの紫外線を照射する。
上記(1)のように配置する発光部の台数を多くする程、より均等に周囲から紫外線を照射することができるが、透明管,発光部および反射鏡等の実際のサイズを考慮すると五台が限度と考えられる。このように五台の発光部を配置することにより、光ファイバの周囲にできる限り均等に、紫外線硬化型樹脂を硬化させることができる。
発光部と反射鏡との組み合わせを、光ファイバの走行方向に複数段にわたって配置するので、光ファイバの走行方向の上下の広い範囲に亘って紫外線を照射することができる。
照射される紫外線の中心波長が10nm以上異なる半導体発光素子を二種類以上の使用することにより、照射する紫外線の波長をある程度幅があるようにすることができる。紫外線硬化型樹脂に含まれる光重合開始剤の吸収波長範囲は、ある程度幅を持っているので、紫外線硬化型樹脂に効率よく紫外線を吸収させて、硬化を促進させることができる。
異なる種類の前記半導体発光素子をそれぞれ使用して出射される紫外線の中心波長が10nm以上異なる複数の前記発光部を含む。
一つの発光部に含まれる半導体発光素子の中心波長は同じであるが、複数の発光部のうちに、異なる種類の半導体発光素子をそれぞれ使用して中心波長が10nm以上異なる紫外線を出射する発光部があるので、紫外線を照射する工程において、照射する紫外線の波長をある程度幅があるようにすることができる。
光ファイバの走行方向に沿った同位置に配置される一つの段に含まれる発光部から出射される紫外線に中心波長が10nm以上異なるものが含まれるので、異なる複数の方向から照射する紫外線の波長を幅があるようにすることができる。
一つの発光部とその下に配置される発光部とで出射される紫外線の中心波長が10nm以上異なるので、光ファイバの走行方向に沿って、照射する紫外線の波長を幅があるようにすることができる。例えば上段で紫外線を浴びた光ファイバの部分が下段では中心波長が10nm以上異なる紫外線を浴びるので、光ファイバの走行方向の上下で均等に紫外線を照射することができる。
反射紫外線を光ファイバの走行位置付近で集光するので、光ファイバに照射される紫外線量を多くでき、紫外線硬化型樹脂を十分硬化させることができる。
(10) 上記(9)の光ファイバの製造方法において、光の有効利用の観点から上記径は1mm以上3mm以下が望ましい。
上記(9)、(10)の光ファイバの製造方法によれば、光ファイバの走行位置の振れ幅が上記領域の範囲内であれば、光ファイバの走行位置がぶれても当たる紫外線の強度のばらつきを抑制することができる。
これにより、半導体発光素子の温度が過度に上昇することを防ぎ、半導体発光素子の寿命を長くすることができる。
透明管を透過する紫外線の割合が大きくなるので、光ファイバに照射される紫外線の量を多くすることができる。
透明管を透過する紫外線の割合がより大きくなるので、光ファイバに照射される紫外線の量をより多くすることができる。
透明管を透過する紫外線の割合がさらに大きくなるので、光ファイバに照射される紫外線の量をさらに多くすることができる。
本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態により製造される光ファイバは、光ファイバ裸線と、光ファイバ裸線の表面を被覆する被覆層とから構成されている。光ファイバ裸線は、例えば石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材(プリフォーム)を線引きして形成されたガラスファイバである。被覆層は、紫外線が照射されると硬化する紫外線硬化型樹脂からなり、ガラスファイバの表面を保護する機能を有している。なお、被覆層は、ガラスファイバの周囲に直接被覆された内層(プライマリ樹脂層)と、その内層の周囲に被覆された外層(セカンダリ樹脂層)の二層または三層以上から構成されていてもよい。
まず、石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材4が線引炉20にセットされる。光ファイバ母材4の一方の端部(本例においては下端部)が、線引炉20が有するヒータ21により加熱・溶融され、光ファイバ母材4は線引きされる。
透明管41の上部に位置する塗布器30側の端部には、不活性ガスを矢印GINの方向に導入するためのガス導入管46が接続されている。また、ガス導入管46が接続されている端部と反対側の透明管41の端部には、ガス排出管47が接続されている。なお、ガス導入管46およびガス排出管47の周囲は封止されていてもよいが、封止されていなくてもよい。
なお、紫外線照射装置内に設置する上記構造体Sは、一段に限定されるものではなく、後述する紫外線照射装置の変形例(図6参照)のように、光ファイバ1の走行方向に沿って複数段配置するようにしてもよい。
上記構成では、一つの発光部42に含まれる半導体発光素子42bの中心波長は同じであるが、複数の発光部42のうちに、異なる種類の半導体発光素子42bをそれぞれ使用して中心波長が10nm以上異なる紫外線を出射する発光部42があるので、紫外線を照射する工程において、照射する紫外線の波長をある程度幅があるようにすることができる。
上記構成では、光ファイバ1の走行方向に沿った同位置に配置される一つの段に含まれる発光部42から出射される紫外線に中心波長が10nm以上異なるものが含まれるので、異なる複数の方向から照射する紫外線の波長を幅があるようにすることができる。
発光部42は、発光している半導体発光素子42bに発熱が生じる。その放熱のため、半導体発光素子42bの周囲の気体を強制的に交換させることが好ましい。例えば、図4に示すように、半導体発光素子42bの後方にファン45を置く。そして、ファン45を回転させて周囲の気体を半導体発光素子42bに送って、半導体発光素子42bから発生する熱を逃がす。さらに、図4に示すように、発光部基台42aに放熱フィン42cを付けるとより効果的である。半導体発光素子42bの温度が過度に上昇せず、半導体発光素子42bの寿命を長くできて好ましい。
塗布器30により紫外線硬化型樹脂が塗布された光ファイバ1(の中心)を、紫外線照射装置40の透明管41の中心、または中心近傍(図3の断面において透明管41の中心から5mm以内の箇所)に通す。各半導体発光素子42bから出射された紫外線UVを光ファイバ1の表面の紫外線硬化型樹脂に照射して、紫外線硬化型樹脂を硬化する。このようにして、ガラスファイバ2の表面に紫外線硬化型樹脂が被覆された光ファイバ1を製造する。
図5に示すように、半導体発光素子42bから出射され、レンズ43を透過した紫外線UVは、透明管41を透過する際には略平行光となるように透明管41内に照射される。そして、透明管41の反対側の管壁を透過して透明管41の外に出た紫外線UVは、反射鏡44により反射される。反射鏡44の反射面は凹面となっているので、反射された反射紫外線RUVは透明管41内に向けて集光され、光ファイバ1に対して効果的に反射紫外線RUVを照射するためには、反射鏡44の曲率半径Rを適切な値に設定する必要がある。
半導体発光素子42bから出射された紫外線をレンズで光ファイバ1の位置に集光させるよりも、図5に示したように出射された紫外線UVを一旦反射させて、その反射紫外線RUVを光ファイバ1付近で集光させる方が、光ファイバ1に照射される紫外線量を多くできて紫外線硬化型樹脂31を十分硬化させることができる。
上記の透過率は次のように定義するものである。ある波長において、透明管41を通った時の光強度I(光が透明管41の中心に向かって入って、透明管41の中を通過し、また透明管41から出た後の光強度)と透明管41が無いときの光強度I0(レファレンス)を使い、I/I0を透過率と定義する。
図6に示す変形例の紫外線照射装置140は、図1において紫外線照射装置40の代わりに用いられる。紫外線照射装置140は、発光部42,レンズ43とその対面に配置される反射鏡44の組み合わせを一組とし、これを複数組光ファイバの走行方向に沿った同位置に配置したもの(図3に示した構造体S)を一段とし、複数段(例えば、図6では二段)配置されている。このように、構造体Sを複数段とすることで、光ファイバ1の走行方向の上下の広い範囲に亘って紫外線を照射することができる。
例えば、図6のように配置すると、発光部42の長さがレンズ43や反射鏡44よりも長い場合に、上下の各組の距離を短くでき、省スペース化を実現できる。また、発光部42の配置位置を均等にしやすいので、より均等に周囲から紫外線を照射することができる。
一つの発光部42とその下に配置される発光部42とで出射される紫外線の中心波長が10nm以上異なるので、光ファイバ1の走行方向に沿って、照射する紫外線の波長を幅があるようにすることができる。例えば上段で紫外線を浴びた光ファイバ1の部分が下段では中心波長が10nm以上異なる紫外線を浴びるので、光ファイバ1の走行方向の上下で均等に紫外線を照射することができる。
これにより、異なる複数の方向から、光ファイバ1に対して紫外線が照射および反射されるので、光ファイバ1の周囲に均等に紫外線硬化型樹脂を硬化させることができる。
2 ガラスファイバ(光ファイバ裸線)
4 光ファイバ母材
10 製造装置
20 線引炉
21 ヒータ
25 冷却装置
30 塗布器(ダイス)
31 紫外線硬化型樹脂
40、140 紫外線照射装置
41 透明管
42 発光部
42a 発光部基台
42b 半導体発光素子
42c 放熱フィン
43 レンズ
44 反射鏡
46 ガス導入管
47 ガス排出管
50 ガイドローラ
51 引取り手段
52 巻取りドラム
A 走行方向
R 曲率半径
S 構造体
UV 紫外線
Claims (14)
- 光ファイバ裸線に紫外線硬化型樹脂を塗布した後の光ファイバに半導体発光素子を用いて紫外線を照射する工程を含む光ファイバの製造方法であって、
前記工程は、
前記半導体発光素子が複数個並べられた発光部を三台以上の奇数台、前記光ファイバの周囲に配置し、前記発光部を前記光ファイバの走行方向に垂直な面上に射影したときに前記発光部は前記光ファイバを中心として放射状に同じ角度を成すように配置し、
前記発光部の対面に、前記光ファイバを挟んで、反射面を前記光ファイバの走行方向に垂直な面上に射影した時に前記反射面が曲線に見える反射鏡を配置して、前記反射鏡により前記発光部からの紫外線を反射させ、
不活性ガスが流れている透明管の内部に前記光ファイバを通す際に、前記透明管を通して前記光ファイバに前記発光部および前記反射鏡からの紫外線を照射する、光ファイバの製造方法。 - 前記奇数台を五台とする、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
- 三台以上の奇数台の前記発光部とその対面に配置される前記反射鏡の組み合わせを前記光ファイバの走行方向に沿った同位置に配置したものを一段とし、前記走行方向に前記組み合わせを複数段配置する、請求項1または請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
- 出射される紫外線の中心波長が10nm以上異なる前記半導体発光素子を二種類以上使用する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
- 一つの前記発光部に含まれる前記半導体発光素子は、出射される紫外線の中心波長が同じ種類の前記半導体発光素子を使用し、
異なる種類の前記半導体発光素子をそれぞれ使用して出射される紫外線の中心波長が10nm以上異なる複数の前記発光部を含む、請求項4に記載の光ファイバの製造方法。 - 前記光ファイバの走行方向に沿った同位置に配置される一つの段に含まれる三台以上の奇数台の前記発光部のうちに、出射される紫外線の中心波長が10nm以上異なる複数の前記発光部を含む、請求項5に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記発光部と前記反射鏡の組が前記光ファイバの走行方向に複数段配置され、一つの前記発光部とその下に配置される前記発光部とで出射される紫外線の中心波長が10nm以上異なる、請求項5または請求項6に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記発光部から出射される紫外線をレンズで集光して、対面の前記反射鏡で反射させ、その反射紫外線を前記光ファイバの走行位置付近で集光する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記発光部から出射される紫外線と前記反射鏡で反射される反射紫外線との合計の紫外線強度が、最大強度に対し80%以上である領域の光ファイバの走行方向に垂直な断面における径が1mm以上20mm以下である、請求項8に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記発光部から出射される紫外線と前記反射鏡で反射される反射紫外線との合計の紫外線強度が、最大強度に対し80%以上である領域の光ファイバの走行方向に垂直な断面における径が1mm以上3mm以下である、請求項9に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記半導体発光素子の周囲の気体を交換して前記半導体発光素子を冷却する、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記透明管が、その一側から300nmから450nmまでの波長の光を照射して、前記透明管の他側で透過した前記光を測定したときの透過率が80%以上である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記透過率が90%以上である請求項12に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記透過率が95%以上である請求項12に記載の光ファイバの製造方法。
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