JP2017065634A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部が摩耗しても、スタッドピンの抜け落ちが少なく、氷上性能が向上する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤには、トレッド表面にスタッドピンの埋め込み用の孔が複数設けられたトレッド部と、前記孔に埋め込まれた複数のスタッドピンと、を有する。前記トレッド表面外側から見た、前記孔のそれぞれを画する前記トレッド部の壁の輪郭は、前記スタッドピンそれぞれの側壁の外周と接触して前記スタッドピンそれぞれを固定する、一対の端を備えた孔固定部と、前記孔固定部から遠ざかるように前記孔固定部の前記一対の端から、前記孔にスリットを形成するように突出して延び、互いに対向する一対の突出部と、前記突出部の突出端に接続された円弧形状の先端部と、を有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、スタッドピンを装着した空気入りタイヤに関する。
従来、氷雪路用タイヤでは、タイヤのトレッド部にスタッドピンが装着され、氷上路面においてグリップが得られるようになっている。スタッドピンは、トレッド部に設けられたスタッドピン取付用孔に嵌入することにより、トレッド部に固定される。 このとき、スタッドピンは、路面から力を受けてもスタッドピンの埋め込み用孔から抜けないことが好ましい。
これに対して、空気入りタイヤにおいて、従来に比べて、スタッドピンの抜け落ちが少なく、氷上性能が向上する技術が知られている(特許文献1)。
具体的には、上記空気入りタイヤは、空気入りタイヤのトレッド表面にスタッドピンの埋め込み用の複数の孔が設けられたトレッド部と、この孔に埋め込まれた複数のスタッドピンと、を有する。トレッド表面外側から孔の輪郭をみたとき、孔のそれぞれは、スタッドピンそれぞれの外周と接触してスタッドピンそれぞれを固定する固定領域と、スタッドピンそれぞれの外周と接触せず、固定領域から孔がスリット状に延びてトレッド部の一部が切り欠かれるように形成されたスリット領域と、を有する。
特開2013−86651号公報
上記空気入りタイヤでは、新品時、スタッドピンの抜け落ちが少なく、氷上性能が向上するが、トレッド部が摩耗していくと、上記スリット領域の先端からクラックが発生して、スタッドピンのトレッドゴムによる締め付けが弱まり、さらに、埋め込み用の孔周りのトレッド剛性が低下して、スタッドピンが路面から受ける力によって倒れこみ易くなり、その結果、スタッドピンの抜け落ちが生じる、といった問題が生じ易い。
そこで、本発明は、トレッド部が摩耗しても、スタッドピンの抜け落ちが少なく、氷上性能が向上する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、空気入りタイヤである。
前記空気リタイヤは、
トレッド表面にスタッドピンの埋め込み用の孔が複数設けられたトレッド部と、
前記孔に埋め込まれた複数のスタッドピンと、を有し、 前記トレッド表面外側から見た、前記孔のそれぞれを画する前記トレッド部の壁は、前記スタッドピンそれぞれの側壁の外周と接触して前記スタッドピンそれぞれを固定する、一対の端を備えた孔固定部と、前記孔固定部から遠ざかるように前記孔固定部の前記一対の端から、前記孔にスリットを形成するように突出して延び、互いに対向する一対の突出部と、前記突出部の突出端に接続された円弧形状の先端部と、を有する。
ここで、孔固定部、突出部、及び先端部は、トレッド部を構成するトレッドゴム部材によって作られる壁面である。
前記孔のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における前記先端部の最大幅寸法D1は、前記孔固定部の前記一対の端の間の距離Wよりも小さい、ことが好ましい。
前記先端部の前記最大幅寸法D1は、前記直交する方向における前記孔固定部の最大幅寸法D0の0.06〜0.3倍である、ことが好ましい。
前記孔固定部、前記突出部、及び前記先端部は、前記孔の深さ方向に延びており、前記突出部及び前記先端部の前記深さ方向の寸法D2は、互いに同じであって、前記孔固定部の前記深さ方向の寸法D3に比べて小さい、ことが好ましい。
前記突出部及び前記先端部の前記深さ方向の寸法D2は、前記孔固定部の前記深さ方向の寸法D3の0.05〜0.2倍である、ことが好ましい。
前記孔固定部の前記一対の端のそれぞれから前記先端部の端までの突出寸法Lは、前記孔のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における前記孔固定部の最大幅寸法D0よりも小さい、ことが小さい。
前記突出寸法Lは、前記孔固定部の前記最大幅寸法D0の0.1倍〜0.4倍である、ことが好ましい。
前記孔固定部の前記一対の端の間の距離Wは、前記孔のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における前記孔固定部の最大幅寸法D0の0.05倍〜0.4倍である、ことが好ましい。
前記突出部及び前記先端部を、第1突出部及び第1先端部というとき、
前記孔には、前記第1突出部及び前記第1先端部の他に、前記第1突出部と同じ構造の第2突出部、及び前記第1先端部と同じ構造の第2先端部を有し、前記第1突出部と前記第2突出部は、前記孔の中心からみて互いに反対側の位置に設けられる、ことが好ましい。
前記孔の少なくとも1つは、前記空気入りタイヤに設けられたトレッドパターンのブロックに設けられ、
前記ブロックには、一方向に延びるサイプが設けられ、前記孔の中心からみた前記トレッド表面における前記突出部の中心の方位方向の、前記サイプの延在方向に対する角度は10度以下である、ことが好ましい。
上述の態様の空気入りタイヤによれば、トレッド部が摩耗しても、スタッドピンの抜け落ちが少なく、氷上性能が向上する。
本実施形態の空気入りタイヤの断面の一例を示すタイヤ断面図である。 本実施形態のタイヤのトレッドパターンの一例を平面上に展開したトレッドパターンの一部の平面展開図である。 本実施形態のタイヤに装着されるスタッドピンの一例を示す斜視図である。 (a),(b)は、本実施形態のタイヤに設けられるスタッドピンの埋め込み用の孔の形状の一例を示す図である。 本実施形態のタイヤに設けられるスタッドピンの埋め込み用の孔の別の形態を示す図である。
(タイヤの全体説明)
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以降、タイヤという)10の断面の一例を示すタイヤ断面図である。タイヤ10は、トレッド部にスタッドピンが埋め込まれる空気入りタイヤ(スタッドタイヤ)である。図1は、スタッドピンがない状態を示している。
タイヤ10は、例えば、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で具体的に説明する各パターン要素の寸法の数値は、乗用車用タイヤにおける数値例であり、空気入リタイヤはこれらの数値例に限定されない。
以降で説明するタイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心にタイヤ10を回転させたとき、トレッド面の回転する方向(両回転方向)をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に対して直交して延びる放射方向をいい、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸からタイヤ径方向に離れる側をいう。タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸方向に平行な方向をいい、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ10のタイヤセンターラインCLから離れる両側をいう。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ層12と、ベルト層14と、ビードコア16とを有する。タイヤ10は、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
カーカスプライ層12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材12a,12bを含む。図1に示すタイヤ10では、カーカスプライ層12は、カーカスプライ材12a,12bで構成されているが、1つのカーカスプライ材で構成されてもよい。カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側に2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト層14が設けられている。ベルト層14は、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材であり、下層のベルト材14aのタイヤ幅方向の幅が上層のベルト材14bの幅に比べて広い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向はタイヤ周方向からタイヤ幅方向に向かって互いに異なる方向に傾いている。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト層14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられ、トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されてサイドウォール部を形成している。トレッドゴム部材18は2層のゴム部材で構成され、タイヤ径方向外側に設けられる上層トレッドゴム部材18aとタイヤ径方向内側に設けられる下層トレッドゴム部材18bとを有する。サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ層12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわした後のカーカスプライ層12の部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、タイヤ10は、ベルト層14のタイヤ径方向外側からベルト層14を覆う、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー層28を備える。
タイヤ10は、このようなタイヤ構造を有するが、本実施形態の空気入りタイヤのタイヤ構造は、図1に示すタイヤ構造に限定されない。
(トレッドパターン)
図2は、タイヤ10の、一例であるトレッドパターン30を平面上に展開したトレッドパターンの一部の平面展開図である。タイヤ10は図2に示されるように、タイヤ周方向の一方の向きを示す回転方向Rが指定されている。回転方向Rの向きの情報は、タイヤ10のサイドウォール表面に設けられた数字、記号等の情報表示部に示されている。図2では、トレッド部に装着されるスタッドピンの図示は省略されている。スタッドピン(図3参照)は、図2に示されるピン埋め込み用孔(図2中の黒丸部分)に装着される。
トレッドパターン30は、周方向主溝32,34と、第1傾斜溝36と、第2傾斜溝38と、第3傾斜溝40と、を有する。第1傾斜溝36と、第2傾斜溝38と、第3傾斜溝40は、タイヤ周方向(図2の上下方向)に所定の間隔で複数形成されている。
周方向主溝32,34は、タイヤセンターラインCLからタイヤ幅方向外側に同じ距離離間した位置に設けられ、タイヤ周方向に直線状に延びている。
第1傾斜溝36は、周方向主溝32,34の間のタイヤ陸部の領域からタイヤ周方向の一方向であるタイヤ回転方向Rと逆方向(図2では、上方向)に延び、かつタイヤ幅方向外側に延びている。第1傾斜溝36は、トレッド部のタイヤショルダー領域まで、溝幅を徐々に拡げて延び、タイヤショルダー領域から急激に傾斜角度を変えてタイヤ周方向、すなわち、タイヤ回転方向Rと逆方向に向けて延び、パターンエンドEに至る。
第2傾斜溝38は、周方向主溝32,34のタイヤ幅方向外側の陸部の領域から、タイヤ回転方向Rと逆方向(図2では、上方向)に延び、かつタイヤ幅方向外側に延びる。第2傾斜溝38は、第1傾斜溝36と並行するように形成されている。第2傾斜溝38は、トレッド部のタイヤショルダー領域まで、溝幅を徐々に拡げ延び、タイヤショルダー領域から急激に傾斜角度を変えてタイヤ周方向、すなわち、タイヤ回転方向Rと逆方向に向けて延び、パターンエンドEに至る。第2傾斜溝38は、タイヤ周方向に隣り合って設けられた2つの第1傾斜溝36の間に設けられる。
第3傾斜溝40は、第1傾斜溝36の途中から、タイヤ周方向に隣り合う第2傾斜溝38を横切って、さらに、タイヤ周方向において第2傾斜溝38に隣り合う第1傾斜溝36を横切って、タイヤショルダー領域で閉塞する。第3傾斜溝40は、タイヤ周方向の一方向、すなわち、タイヤ回転方向Rと逆方向(図2では、上方向)に延び、かつタイヤ幅方向外側に延びている。
このようなトレッドパターン30において、複数のスタッドピン埋め込み用孔(図2中の黒丸部分)42に、後述するスタッドピン50が装着される。
図2に示すようにトレッドパターン30には、第1周方向主溝32,34のタイヤ幅方向外側には、タイヤ周方向に隣り合う第1傾斜溝36と第3傾斜溝40によってブロックが形成されている。このブロックには、ジグザグ形状を成して延びるサイプが複数設けられている。また、ブロックのタイヤ幅方向外側の陸部にも、ジグザグ形状を成して延びるサイプが複数設けられている。これらのサイプのうち、ピン埋め込み用孔の方向に向かって延在するサイプは、ピン埋め込み用孔から所定範囲内に位置しないように、閉塞する。
第1周方向主溝32,34、第1傾斜溝36、第2傾斜溝38、及び第3傾斜溝40の溝深さは、例えば8.5〜10.5mmであり、溝幅は、最大12mmである。図2に示すトレッドパターンは一例であり、本実施形態のスタッドピンを装着するタイヤのトレッドパターンは、図2に示す形態に限定されない。
(スタッドピン)
図3は、本実施形態の空気入りタイヤ10に装着するスタッドピン50の一例の外観斜視図である。
スタッドピン50は、チップ52と、胴体部54とを備える。チップ52は、タイヤ路面と接触するチップ先端面を有する。チップ52は、タングステンカーバイト等の超鋼合金で構成される。このほかに、チップ52は、サーメット材料で構成することもできる。チップ52は、胴体部54の上端面56に設けられたピン埋め込み用孔に勘合して固定される。このスタッドピン50がタイヤ10に装着された時、スタッドピン50のチップ52がトレッド表面から突出するようになっている。
胴体部54は、一方向に延びる軸55を有し、タイヤ10に装着時、ピン埋め込み用孔のトレッドゴムの側壁と接触して胴体部54がトレッドゴムにより締め付けられることによりスタッドピン50をタイヤ10に固定する部分である。チップ52は、胴体部54の上端面から軸55の方向に延びて突出している。胴体部54は、上部フランジ56と下部フランジ58とシャンク60とを備える。下部フランジ58は、ピン埋め込み用孔の底部に設けられた広幅の孔底部にフィットするようにフランジ形状を成している。上部フランジ56は、下部フランジ58から延びるシャンク60の端に設けられ、フランジ形状を成している。上部フランジ56の上端面は、タイヤ10に装着されるとき、上端面がトレッド表面と面一になるように形成されている。胴体部54の材料は特に制限されないが、例えば、スタッドピン50の軽量化のためにアルミニウム合金等で構成されている。
なお、図3に示すスタッドピン50のチップ52の先端面の輪郭形状は円形状であり、上部フランジ56及び下部フランジ58の輪郭形状も円形状であるが、円形状に限定されず、矩形形状、多角形形状、楕円形状、あるいはこれらの形状を組み合わせた複合形状であってもよい。さらに、矩形形状あるいは多角形形状の辺を、直線に代えて内側に凹むように湾曲させてもよく、頂点の周りを丸くしてもよい。
(ピン埋め込み用孔)
図4(a),(b)は、スタッドピンのピン埋め込み用孔(以降、単に孔という)42の一例を示す図である。
図4(a)は、トレッド表面外側から見た、孔42のそれぞれを画するトレッド部の壁の輪郭を示している。図4(b)は、孔42の斜視図である。
図4(a),(b)からわかるように、上記壁は、孔固定部70と、一対の突出部72と、先端部74と、を有する。トレッド部の壁は、トレッド表面から延びる孔42の深さ方向に延びている。孔42の底には、スタッドピン50の下部フランジ58がフィットするように設けられた広幅の孔底部43を備える。
孔固定部70は、スタッドピン50の側壁の外周と接触してスタッドピン50を締め付けることにより固定する部分である。図4(a),(b)に示す例では、孔固定部70は、円弧形状をなしている。円弧形状は、真円あるいは楕円の円弧形状を含む。この円弧形状の両端は、一対の端76,78である。
突出部72は、一対あり、孔固定部70の一対の端76,78から、端76,78における孔固定部70の延在方向に略直交(70〜110度)する方向に、孔固定部70から遠ざかるように突出して延びる。一対の突出部72の間には、スリット80が形成されている。突出部72の対は、互いに対向している。
先端部74は、突出部72の突出端73に接続された円弧形状の部分である。円弧形状は、真円あるいは楕円の円弧形状を含む。
図4(a)に示す例では、一対の突出部72は互いに向き合いながら、孔固定部70から離れるほど突出部72間の距離は短くなるように、突出部72は設けられているが、一対の突出部72は、互いに平行に突出してもよい。なお、一対の突出部72が、孔固定部70から離れるほど突出部72間の距離は短くなる構成の場合、突出部72を延長したときに互いに交わる位置に、先端部74の中心位置が来るように、先端部74を設けることが好ましい。
突出部72の突出基部である端76,78は、穴42に比べて細長いスリット80が穴42に形成される程度に、端76と端78の間隔は制限される。この間隔が広いと、孔固定部70によるスタッドピン50の側壁を締め付ける力が低下して、スタッドピン50が路面から受ける力によってスタッドピン50は倒れ込み易くなり、さらに、孔固定部70に対して滑り易くなり、最悪の場合スタッドピン50が孔42から抜ける虞がある。このため、孔固定部70の端76,78の間の距離W(図4(a)参照)は、孔42のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における孔固定部70の最大幅寸法D0(図4(a)参照)の0.05倍〜0.4倍であることが好ましい。より好ましくは、上記距離Wは、最大寸法D0の0.2〜0.3倍である。図4(a),(b)に示す例では、孔固定部70の輪郭は、円弧形状であるので、最大幅寸法D0は、孔固定部70の円弧形状の直径である。
図4(a),(b)に示すように、突出部72の突出端73に円弧形状の先端部74が設けられているので、トレッド部が路面から力を受けても、破断の核となる尖った端部がないので、応力集中に起因する破断、言い換えるとクラックが生じ難い。このため、トレッドゴムによるスタッドピン50の締め付け力の低下に起因してスタッドピンの保持力が弱くなり、その結果スタッドピン50が埋め込み用孔32から抜け易くなることを抑制することができる。
特に、摩耗初期時、トレッドゴムは厚くトレッド剛性は低いのでせん断歪みは大きく、破断が生じ易いことから、新品時のトレッド表面には、円弧形状の先端部74が設けられることが好ましい。
孔42のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における先端部74の最大幅寸法D1(図4(a)参照)は、孔固定部70の一対の端76,78の間の距離W(図4(a)参照)よりも小さい、ことが好ましい。
特に、先端部74の最大幅寸法D1は、孔固定部70の最大幅寸法D0の0.06〜0.3倍である、ことが好ましい。これにより、トレッド摩耗時、スタッドピン50が埋め込み用孔32から抜け易くなることを抑制できる(耐ピン抜け性が向上する)。最大幅寸法D1が最大幅寸法D0の0.06倍未満では、先端部74にクラックが生じ易く、トレッドゴムによるスタッドピン50の締め付け力の低下に起因してスタッドピン50の保持力が弱くなる。一方、最大幅寸法D1が最大幅寸法D0の0.3倍を超えると、スリット80の幅が広くなることによりスタッドピン50の締め付け力の低下に起因してスタッドピン50の保持力が弱くなる。
また、孔固定部70、突出部72、及び先端部74は、孔42の深さ方向に延びており、突出部72及び先端部74の深さ方向の寸法D2(図4(b)参照)は、互いに同じであって、孔固定部70の深さ方向の寸法D3(図4(b)参照)に比べて小さい、ことが好ましい。これにより、耐ピン抜け性が向上する。特に、上記寸法D2は、上記寸法D3の0.05〜0.2倍である、ことが好ましい。上記寸法D2が、上記寸法D3の0.05倍未満である場合、耐ピン抜け性の向上は小さく、上記寸法D2が、上記寸法D3の0.2倍を越える場合、スタッドピン50の締め付け力の低下に起因してスタッドピン50の保持力が弱くなる。
また、孔固定部70の一対の端76,78のそれぞれから先端部74の端までの突出寸法L(図4(a)参照)は、孔固定部70の最大幅寸法D0(図4(a))よりも小さい、ことが好ましい。これにより、耐ピン抜け性が向上する。特に、上記突出寸法Lは、孔固定部70の最大幅寸法D0の0.1倍〜0.4倍である、ことが好ましい。上記突出寸法Lが最大幅寸法D0の0.1倍未満である場合、突出部72による耐ピン抜け性の向上が小さく、上記突出寸法Lが最大幅寸法D0の0.4倍を越える場合、スタッドピン50の締め付け力の低下に起因してスタッドピン50の保持力が弱くなる。
さらに、図5に示すように、突出部72及び先端部74を、第1突出部72及び第1先端部74というとき、孔42には、第1突出部72及び第1先端部74の他に、第1突出部72と同じ構造の第2突出部92、及び第1先端部74と同じ構造の第2先端部94を有し、第1突出部72と第2突出部92は、孔42の中心からみて互いに反対側の位置(方位方向で180度ずれた2つの位置)に設けられる、ことが好ましい。なお、図5は、スタッドピン50の埋め込み用の孔42の別の形態を示す図である。
このように、突出部を2つ設け、それぞれの突出部に先端部を設けることにより、スタッドピン50が路面から受ける力によって倒れ込もうとしても、2箇所の突出部及び先端部で倒れ込もうとする力を分散させることができるので、耐ピン抜け性はより向上する。
また、図2、図5に示すように、孔42の少なくとも1つは、空気入りタイヤ10に設けられたトレッドパターンのブロックに設けられる。この場合、ブロックには、一方向に延びる複数のサイプ41が孔42の周りに設けられる。孔42の中心からみたトレッド表面における第1突出部72及び第2突出部92の中心(一対の第1突出部72及び一対の第2突出部92間のスリットの幅の中心)の方位方向の、サイプ42の延在方向(サイプ42の両端間を直線で結んだ時の直線の方向)に対する角度は10度以下である、ことが好ましい。サイプ42の延在方向と第1突出部72及び第2突出部92の方位方向のずれを、角度で10度以下とすることにより、ブロックと孔42が一体となって変形するため、耐ピン抜け性が向上する。サイプ42の延在方向と第1突出部72及び第2突出部92の方位方向は、一致することが好ましい。
(実験例)
本実施形態の効果を確認するために、種々のスタッドピンの埋め込み用の孔を作製し、この孔にスタッドピン50を埋め込んで、図1,2に示す空気入りスタッドタイヤを作製した。タイヤのタイヤサイズは205/50R16であり、16×6.5Jのリムに装着し、空気の充填圧は200kPaとした。作製したタイヤを、排気量2000ccの乗用車(FF車)に装着した。
スタッドピンの耐ピン抜け性の評価のために、上記乗用車をアスファルト路面及びコンクリート路面を含む、所定の乾燥路面上を30000km走行させた後、トレッド部から抜け落ちたスタッドピンの数を数えた。抜け落ちたスタッドピンの数の逆数を用い、従来例を100として、耐ピン抜け性を指数化した。
下記表1〜5は、種々の孔における耐ピン抜け性の結果を示している。下記表1〜5の“←”は、左欄の内容に同じであることを示す。
表5における“突出部の方位方向とサイプの延在方向の角度”は、突出部の方位方向とサイプの延在方向との成す角度を表し、表5中の括弧内には、突出部の方位方向とサイプの延在方向のタイヤ幅方向に対する傾斜角度を示している。
Figure 2017065634
Figure 2017065634
Figure 2017065634
Figure 2017065634
Figure 2017065634
表1より、突出部の突出端に先端部を設けることにより、耐ピン抜け性が向上することがわかる。また、表1より、図4(a)に示す最大幅寸法D1/最大幅寸法D0は、0.06〜0.3であることが耐ピン抜け性向上の点で好ましいことがわかる。
また、表2より、図4(b)に示す深さ寸法D2/深さ寸法D3は、0.05〜0.2であることが耐ピン抜け性向上の点で好ましいことがわかる。
さらに、表3より、図4(a)に示す突出寸法L/最大幅寸法D0は、0.1〜0.4であることが、耐ピン抜け性向上の点で好ましいことがわかる。
また、表4より、両端部の距離W/最大幅寸法D0は、0.05〜0.4であることが、耐ピン抜け性向上の点で好ましいことがわかる。
表5より、突出部及び先端部の数は2つであること、及び、2つの突出部及び先端部は、互いに対向する位置(孔の中心からみて方位方向が角度で180度ずれている位置)に設けることが耐ピン抜け性の向上の点で好ましいことがわかる。また、突出部及び先端部の位置の孔42の中心から見た方位方向の、孔42の周りに設けられるサイプの延在方向に対する角度(絶対値)は、10度以下であることが、耐ピン抜け性の点で好ましいことがわかる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明の空気入りタイヤは上記実施形態、実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
12 カーカスプライ層
14 ベルト層
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
18a 上層トレッドゴム部材
18b 下層トレッドゴム部材
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
28 ベルトカバー層
30 トレッドパターン
32,34 周方向主溝
36 第1傾斜溝
38 第2傾斜溝
40 第3傾斜溝
41 サイプ
42 孔
43 孔底部
50 スタッドピン
52 チップ
54 胴体部
55 軸
56 上端面
58 下部フランジ
60 シャンク
70 孔固定部
72 突出部
73 突出端
74 先端部
76,78 端
80 スリット
92 第2突出部
94 第2先端部

Claims (10)

  1. 空気入りタイヤであって、
    前記空気入りタイヤのトレッド表面にスタッドピンの埋め込み用の孔が複数設けられたトレッド部と、
    前記孔に埋め込まれた複数のスタッドピンと、を有し、 前記トレッド表面外側から見た、前記孔のそれぞれを画する前記トレッド部の壁は、前記スタッドピンそれぞれの側壁の外周と接触して前記スタッドピンそれぞれを固定する、一対の端を備えた孔固定部と、前記孔固定部から遠ざかるように前記孔固定部の前記一対の端から、前記孔にスリットを形成するように突出して延び、互いに対向する一対の突出部と、前記突出部の突出端に接続された円弧形状の先端部と、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記孔のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における前記先端部の最大幅寸法D1は、前記孔固定部の前記一対の端の間の距離Wよりも小さい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記先端部の前記最大幅寸法D1は、前記直交する方向における前記孔固定部の最大幅寸法D0の0.06〜0.3倍である、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記孔固定部、前記突出部、及び前記先端部は、前記孔の深さ方向に延びており、前記突出部及び前記先端部の前記深さ方向の寸法D2は、互いに同じであって、前記孔固定部の前記深さ方向の寸法D3に比べて小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記突出部及び前記先端部の前記深さ方向の寸法D2は、前記孔固定部の前記深さ方向の寸法D3の0.05〜0.2倍である、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記孔固定部の前記一対の端のそれぞれから前記先端部の端までの突出寸法Lは、前記孔のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における前記孔固定部の最大幅寸法D0よりも小さい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記突出寸法Lは、前記孔固定部の前記最大幅寸法D0の0.1倍〜0.4倍である、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記孔固定部の前記一対の端の間の距離Wは、前記孔のトレッド表面から延びる深さ方向に対して直交する方向における前記孔固定部の最大幅寸法D0の0.05倍〜0.4倍である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記突出部及び前記先端部を、第1突出部及び第1先端部というとき、
    前記孔には、前記第1突出部及び前記第1先端部の他に、前記第1突出部と同じ構造の第2突出部、及び前記第1先端部と同じ構造の第2先端部を有し、前記第1突出部と前記第2突出部は、前記孔の中心からみて互いに反対側の位置に設けられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記孔の少なくとも1つは、前記空気入りタイヤに設けられたトレッドパターンのブロックに設けられ、
    前記ブロックには、一方向に延びるサイプが設けられ、前記孔の中心からみた前記トレッド表面における前記突出部の中心の方位方向の、前記サイプの延在方向に対する角度は10度以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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