JP2017064577A - 脱炭酸膜装置及び水処理システム - Google Patents

脱炭酸膜装置及び水処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】脱炭酸膜モジュールの炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュールの膜の劣化を低減することができる脱炭酸膜装置を提供すること。【解決手段】脱炭酸膜モジュール10の外部に炭酸ガスを含む掃引ガスG2を排出させるガス掃引手段と、脱炭酸膜モジュール10の内部から脱炭酸膜モジュール10の外部に向けて真空引きして、脱炭酸膜モジュール10の外部に炭酸ガスを排出させる真空引き手段と、通常運転時において、掃引ガスG1を脱炭酸膜モジュール10に流入させるようにガス掃引手段を制御するガス掃引運転を実行し、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合に実行される劣化抑制運転時において、通常運転時におけるガス掃引運転の実行に代えて、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように真空引き手段を制御する真空引き運転を実行するように運転状態を切り換える制御部20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、脱炭酸膜装置及びこれを備える水処理システムに関する。
従来、脱炭酸水を製造する脱炭酸膜モジュールを備える脱炭酸膜装置が知られている。脱炭酸膜モジュールは、流入した掃引ガスにより被処理水に含まれる炭酸ガスを除去して、脱炭酸水を製造する。このような脱炭酸膜装置において、脱炭酸水を製造する際に、脱炭酸膜モジュールの内部が真空状態になるように脱炭酸膜モジュールの内部から外部に向けて真空引きをする真空引き運転を実行中に、所定時間毎に、空気(掃引ガス)を脱炭酸膜モジュールに流入させるガス掃引運転を実行する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−206407号公報
脱炭酸膜装置においては、被処理水中の塩素の濃度が高い場合に、ガス掃引運転を実行した状態で、脱炭酸膜モジュールに被処理水を通水すると、脱炭酸膜モジュールの膜が酸化することで劣化しやすい。更に、被処理水の温度が高い場合や雰囲気温度すなわち空気(掃引ガス)の温度が高い場合には、脱炭酸膜モジュールの膜が劣化しやすい。
一方、脱炭酸膜装置においては、真空引き運転を実行すると、被処理水中の塩素の濃度が高くても脱炭酸膜モジュールの膜の酸化による劣化の影響は小さくなる。しかし、脱炭酸膜モジュールの炭酸ガスを除去する性能は、低下しやすい。真空引き運転を実行する場合に、炭酸ガスを除去する性能を維持するためには、脱炭酸膜モジュールの膜の本数を増加させることなどが必要となる。
このような脱炭酸膜装置においては、脱炭酸膜モジュールの炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュールの膜の劣化を低減することが求められている。
本発明は、脱炭酸膜モジュールの炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュールの膜の劣化を低減することができる脱炭酸膜装置及びこれを備える水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、被処理水から脱炭酸水を製造する脱炭酸膜モジュールと、前記脱炭酸膜モジュールに流入される掃引ガスが流通する掃引ガスラインと、前記脱炭酸膜モジュールにより被処理水に含まれる炭酸ガスを除去するために、前記掃引ガスラインを流通する掃引ガスを前記脱炭酸膜モジュールに流入させて、前記脱炭酸膜モジュールの外部に炭酸ガスを含む掃引ガスを排出させるガス掃引手段と、前記脱炭酸膜モジュールにより被処理水に含まれる炭酸ガスを除去するために、前記脱炭酸膜モジュールの内部が真空状態になるように、前記脱炭酸膜モジュールの内部から前記脱炭酸膜モジュールの外部に向けて真空引きして、前記脱炭酸膜モジュールの外部に炭酸ガスを排出させる真空引き手段と、通常運転時において、掃引ガスを前記脱炭酸膜モジュールに流入させるように前記ガス掃引手段を制御するガス掃引運転を実行し、前記脱炭酸膜モジュールの所定の劣化条件を満たした場合に実行される劣化抑制運転時において、前記通常運転時における前記ガス掃引運転の実行に代えて、前記脱炭酸膜モジュールの内部が真空状態になるように前記真空引き手段を制御する真空引き運転を実行するように運転状態を切り換える制御部と、を備える脱炭酸膜装置に関する。
また、被処理水に含まれる塩素の濃度を検出する塩素濃度検出手段を更に備え、前記劣化条件を満たした場合とは、前記塩素濃度検出手段により検出された塩素の濃度が所定の塩素濃度閾値を上回る場合であることが好ましい。
また、被処理水又は脱炭酸水の水温を検出する水温検出手段を更に備え、前記劣化条件を満たした場合とは、前記水温検出手段により検出された水温が所定の水温閾値を上回る場合であることが好ましい。
また、前記脱炭酸膜装置の外部の気温を検出する気温検出手段を更に備え、前記劣化条件を満たした場合とは、前記気温検出手段により検出された気温が所定の気温閾値を上回る場合であることが好ましい。
また、前記制御部は、前記脱炭酸膜装置の停止時において、前記通常運転時における前記ガス掃引運転を実行後、前記劣化抑制運転時における前記真空引き運転を実行することが好ましい。
また、被処理水を前記脱炭酸膜モジュールに向けて吐出する加圧ポンプを更に備え、前記制御部は、前記劣化抑制運転時における前記真空引き運転時には、前記脱炭酸膜モジュールに流入させる被処理水の量を減らすように、前記加圧ポンプを制御することが好ましい。
また、本発明は、前記脱炭酸膜装置と、供給水から透過水を分離する逆浸透膜モジュールを有する逆浸透膜分離装置と、を備える水処理システムであって、前記逆浸透膜分離装置は、前記逆浸透膜モジュールにより分離された透過水を被処理水として前記脱炭酸膜装置に供給し、又は、前記脱炭酸膜装置は、前記脱炭酸膜モジュールにより製造された脱炭酸水を供給水として前記逆浸透膜分離装置に供給する水処理システムに関する。
本発明によれば、脱炭酸膜モジュールの炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュールの膜の劣化を低減することができる脱炭酸膜装置及びこれを備える水処理システムを提供することができる。
第1実施形態に係る水処理システム100の全体構成図である。 第1実施形態の制御部20において、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 第1実施形態の制御部20において、脱炭酸膜装置1の停止時の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る水処理システム100Aの全体構成図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る水処理システム100について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る水処理システム100の全体構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る水処理システム100は、脱炭酸膜装置1と、脱炭酸膜装置1の上流側に設けられる逆浸透膜分離装置4と、を備える。
詳述すると、水処理システム100は、加圧ポンプ2と、加圧側インバータ3と、逆浸透膜モジュールとしてのRO膜モジュール5と、比例制御排水弁6と、脱炭酸膜モジュール10と、逆止弁11と、真空ポンプ12と、真空側インバータ13と、エア開閉弁14と、エアフィルタ15と、制御部20と、を備える。加圧ポンプ2、加圧側インバータ3及び制御部20は、脱炭酸膜装置1及び逆浸透膜分離装置4において共用で用いられる。
また、水処理システム100は、塩素濃度検出手段としての塩素センサS1と、水温検出手段としての水温センサS2と、流量センサS3と、気温検出手段としての外気温度センサS4と、を備える。図1では、電気的な接続の経路を破線で示す(後述する図4についても同じ)。
制御部20には、加圧側インバータ3、比例制御排水弁6、真空側インバータ13、エア開閉弁14、塩素センサS1、水温センサS2、流量センサS3、外気温度センサS4が電気的に接続されている。
また、水処理システム100は、供給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、循環水ラインL4と、排水ラインL5と、脱炭酸水ラインL6と、掃引ガスラインとしての空気吸引ラインL7と、排出ラインとしての空気排出ラインL8と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
なお、本実施形態においては、脱炭酸膜装置1は、加圧ポンプ2と、加圧側インバータ3と、脱炭酸膜モジュール10と、逆止弁11と、真空ポンプ12と、真空側インバータ13と、エア開閉弁14と、エアフィルタ15と、制御部20と、供給水ラインL1と、脱炭酸水ラインL6と、掃引ガスラインとしての空気吸引ラインL7と、排出ラインとしての空気排出ラインL8と、塩素濃度検出手段としての塩素センサS1と、水温検出手段としての水温センサS2と、気温検出手段としての外気温度センサS4と、を備えて構成される。
また、逆浸透膜分離装置4は、RO膜モジュール5と、加圧ポンプ2と、加圧側インバータ3と、比例制御排水弁6と、制御部20と、供給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、循環水ラインL4と、排水ラインL5と、流量センサS3と、を備えて構成される。
供給水ラインL1は、供給水W1をRO膜モジュール5に供給するラインである。供給水ラインL1の上流側の端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。供給水ラインL1の下流側の端部は、RO膜モジュール5の一次側入口ポートに接続されている。供給水ラインL1には、加圧ポンプ2が設けられている。
加圧ポンプ2は、供給水ラインL1を流通する供給水W1を吸入し、RO膜モジュール5へ向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ2には、加圧側インバータ3から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ2は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
加圧側インバータ3は、加圧ポンプ2に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。加圧側インバータ3には、制御部20から指令信号が入力される。加圧側インバータ3は、制御部20により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ2に出力する。
RO膜モジュール5は、加圧ポンプ2から吐出された供給水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュール5は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール5は、これらRO膜エレメントにより供給水W1を膜分離処理し、透過水W2及び濃縮水W3を製造する。
本実施形態においては、逆浸透膜分離装置4は、RO膜モジュール5により分離された透過水W2を被処理水として脱炭酸膜装置1に供給する。
透過水ラインL2は、RO膜モジュール5で分離された透過水W2を送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、RO膜モジュール5の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2は、被処理水としての透過水W2を脱炭酸膜モジュール10に供給するラインである。透過水ラインL2の下流側の端部は、脱炭酸膜モジュール10の水流入口10aに接続されている。透過水ラインL2には、上流側から下流側に向けて順に、塩素センサS1、脱炭酸膜モジュール10が設けられている。
塩素センサS1は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の残留塩素濃度(すなわち、塩素リーク量)を測定する機器である。塩素センサS1で測定された透過水W2の塩素リーク量は、制御部20へ検出信号として送信される。
濃縮水ラインL3は、RO膜モジュール5で分離された濃縮水W3を送出するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、RO膜モジュール5の一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、接続部J1において、循環水ラインL4及び排水ラインL5に接続されている。
循環水ラインL4は、RO膜モジュール5で分離され且つ濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の一部W31を、供給水ラインL1におけるRO膜モジュール5及び加圧ポンプ2よりも上流側に返送するラインである。循環水ラインL4の上流側の端部は、接続部J1において、濃縮水ラインL3に接続されている。また、循環水ラインL4の下流側の端部は、接続部J2において、供給水ラインL1における加圧ポンプ2よりも上流側に接続されている。
排水ラインL5は、RO膜モジュール5で分離され且つ濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の残部W32を装置外(系外)に排出するラインである。排水ラインL5には、比例制御排水弁6が設けられている。
比例制御排水弁6は、排水ラインL5から装置外へ排出する濃縮水W3の残部W32の排水流量を調節する弁である。比例制御排水弁6の弁開度は、制御部20から送信される駆動信号により制御される。制御部20から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御排水弁6に送信して、弁開度を制御することにより、濃縮水W3の残部W32の排水流量を調節することができる。
脱炭酸膜装置1は、被処理水として供給された透過水W2から脱炭酸水W4を製造する。脱炭酸膜モジュール10は、流入した空気G1(掃引ガス)により被処理水としての透過水W2に含まれる炭酸ガスを脱気処理(除去)して、脱炭酸水W4を製造する。脱炭酸膜モジュール10は、空気G1が流入する空気流入口10c、炭酸ガスを含む空気G2(以下、「混合空気」ともいう)が排出される空気排出口10d、炭酸ガスを含む透過水W2が流入する水流入口10a、及び炭酸ガスが除去された脱炭酸水W4が排出される脱炭酸水排出口10bを備える。外部灌流式の気体分離膜モジュールの場合、空気流入口10c及び空気排出口10dは、中空糸膜の内側と連通する。一方、水流入口10a及び脱炭酸水排出口10bは、中空糸膜の外側と連通する。脱炭酸膜モジュール10の水流入口10aには、透過水ラインL2の下流側の端部が接続され、脱炭酸膜モジュール10の脱炭酸水排出口10bには、脱炭酸水ラインL6の上流側の端部が接続されている。
空気吸引ラインL7は、脱炭酸膜モジュール10に流入される空気G1(掃引ガス)が流通するラインである。空気吸引ラインL7の上流側の端部は、エアフィルタ15を介して、大気に解放されている。空気吸引ラインL7の下流側の端部は、脱炭酸膜モジュール10の空気流入口10cに接続されている。また、空気吸引ラインL7には、上流側から順に、エアフィルタ15及びエア開閉弁14が設けられている。エアフィルタ15は、導入される空気G1から異物を除去するための部品である。エア開閉弁14は、空気吸引ラインL7を開閉する。エア開閉弁14は、後述する制御部20により開閉状態が制御される。
空気排出ラインL8は、脱炭酸膜モジュール10から排出される炭酸ガスを含む混合空気G2が流通するラインである。空気排出ラインL8の上流側の端部は、脱炭酸膜モジュール10の空気排出口10dに接続されている。空気排出ラインL8の下流側からは、混合空気G2が排出される。空気排出ラインL8には、上流側から順に、逆止弁V11及び真空ポンプ12が設けられている。
真空ポンプ12は、エア開閉弁14が開状態の場合に、空気吸引ラインL7を介して脱炭酸膜モジュール10に空気G1を流入させると共に、空気排出ラインL8を介して脱炭酸膜モジュール10から炭酸ガスを含む混合空気G2を排出させる装置である。
また、真空ポンプ12は、エア開閉弁14が閉状態の場合に、空気排出ラインL8を介して脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように、脱炭酸膜モジュール10の内部から脱炭酸膜モジュール10の外部に向けて真空引きする装置である。
真空ポンプ12には、真空側インバータ13から周波数が変換された駆動電力が供給される。真空ポンプ12は、真空側インバータ13から供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
真空側インバータ13は、真空ポンプ12に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。真空側インバータ13には、制御部20から指令信号が入力される。真空側インバータ13は、制御部20により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を真空ポンプ12に出力する。
脱炭酸膜装置1において、エア開閉弁14を開状態にして、真空ポンプ12を駆動すると、空気吸引ラインL7から吸引された空気G1が、エアフィルタ15及びエア開閉弁14を経て脱炭酸膜モジュール10へ導入される。空気G1は、脱炭酸膜モジュール10の内部において中空糸膜の内側を流通し、混合空気G2は、空気排出口10dから空気排出ラインL8に排出される。これにより、脱炭酸膜モジュール10において、空気が連続的に流通する。
本実施形態においては、空気吸引ラインL7、エア開閉弁14、真空ポンプ12、真空側インバータ13及び空気排出ラインL8は、ガス掃引手段を構成する。ガス掃引手段は、脱炭酸膜モジュール10により透過水W2に含まれる炭酸ガスを除去するために、空気吸引ラインL7を流通する空気G1を脱炭酸膜モジュール10に流入させて、脱炭酸膜モジュール10の外部に炭酸ガスを含む混合空気G2を排出させる。
一方、脱炭酸膜装置1において、エア開閉弁14を閉状態にして、真空ポンプ12を駆動すると、空気排出ラインL8を介して、脱炭酸膜モジュール10の中空糸膜の内部が真空状態になるように、脱炭酸膜モジュール10の内部から脱炭酸膜モジュール10の外部に向けて真空引きする。
本実施形態においては、空気吸引ラインL7、エア開閉弁14、真空ポンプ12、真空側インバータ13及び空気排出ラインL8は、真空引き手段を構成する。真空引き手段は、脱炭酸膜モジュール10により透過水W2に含まれる炭酸ガスを除去するために、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように、脱炭酸膜モジュール10の内部から脱炭酸膜モジュール10の外部に向けて真空引きして、脱炭酸膜モジュール10の外部に炭酸ガスを排出させる。
脱炭酸水ラインL6は、脱炭酸膜モジュール10で製造された脱炭酸水W4を送出するラインである。脱炭酸水ラインL6の上流側の端部は、脱炭酸膜モジュール10の脱炭酸水排出口10bに接続されている。脱炭酸水ラインL6の下流側の端部は、需要先の装置(不図示)や処理水タンク(不図示)などに接続されている。脱炭酸水ラインL6には、上流側から下流側に向けて順に、水温センサS2、流量センサS3が設けられている。
水温センサS2は、脱炭酸水W4の温度を検出する機器である。水温センサS2で検出された脱炭酸水W4の温度(以下、「検出水温値」ともいう)は、制御部20へ検出信号として送信される。
なお、本実施形態においては、水温センサS2を脱炭酸膜モジュール10の下流側に配置して、水温センサS2が脱炭酸水W4の温度を検出するように構成したが、これに制限されない。水温センサS2を脱炭酸膜モジュール10の上流側に配置して、水温センサS2が透過水W2の温度を検出するように構成してもよい。脱炭酸膜モジュール10の上流側及び下流側において、水の温度をほぼ同じ水温値と看做せるためである。
流量センサS3は、脱炭酸水ラインL6を流通する脱炭酸水W4の流量を検出する機器である。流量センサS3で検出された脱炭酸水W4の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部20へパルス信号として送信される。
外気温度センサS4は、脱炭酸膜装置1の外気の気温を検出する。外気温度センサS4で測定された外気の温度(以下、「検出外気温度値」ともいう)は、制御部20へ検出信号として送信される。
制御部20は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。制御部20は、脱炭酸膜装置1及び逆浸透膜分離装置4を制御する。
制御部20は、逆浸透膜分離装置4において、RO膜モジュール5における透過水W11の流量フィードバック水量制御を実行する。制御部20は、RO膜モジュール5における透過水W2の流量フィードバック水量制御として、流量センサS3の検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより加圧ポンプ2の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する指令信号(電流値信号又は電圧値信号)を加圧側インバータ3に出力する。制御部20において、流量フィードバック水量制御を実行することにより、RO膜モジュール5で製造される透過水W2の流量を、予め設定された目標流量値に安定させることができる。
制御部20は、脱炭酸膜装置1において、通常運転と劣化抑制運転とを実行可能である。
制御部20による脱炭酸膜装置1における通常運転とは、脱炭酸水を製造するために、空気G1(掃引ガス)を脱炭酸膜モジュール10に流入させた状態で、加圧ポンプ2を動作させて脱炭酸膜モジュール10に透過水W2を通水することにより、脱炭酸水W4を製造する運転である。
具体的には、制御部20は、通常運転時において、空気G1を脱炭酸膜モジュール10に流入させるようにエア開閉弁14(ガス掃引手段)及び真空側インバータ13(ガス掃引手段)を制御するガス掃引運転を実行する。詳細には、制御部20は、通常運転時において、エア開閉弁14を開状態して、真空側インバータ13を制御して、空気G1を脱炭酸膜モジュール10に流入させるように、真空ポンプ12を駆動する。これにより、制御部20は、ガス掃引運転を実行する。そして、この状態で、制御部20は、加圧側インバータ3を制御して加圧ポンプ2を動作させて、脱炭酸膜モジュール10に透過水W2を通水させるように制御する。
一方、制御部20による脱炭酸膜装置1における劣化抑制運転とは、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように脱炭酸膜モジュール10の内部から外部に向けて真空引きした状態で、加圧側インバータ3を制御して加圧ポンプ2を動作させて脱炭酸膜モジュール10に透過水W2を通水させる運転である。透過水W2中の塩素の濃度が高い場合などに、通常運転時におけるガス掃引運転を実行した状態で、脱炭酸膜モジュール10に透過水W2を通水すると、脱炭酸膜モジュール10が劣化する可能性がある。そのため、脱炭酸膜装置1における劣化抑制運転は、脱炭酸膜モジュール10の劣化を抑制するために実行される。
具体的には、制御部20は、劣化抑制運転時において、エア開閉弁14を閉状態して、真空側インバータ13を制御して、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように、真空ポンプ12を駆動する。これにより、制御部20は、真空引き運転を実行する。そして、この状態で、制御部20は、加圧側インバータ3を制御して加圧ポンプ2を動作させて、脱炭酸膜モジュール10に透過水W2を通水させるように制御する。
このように制御される脱炭酸膜装置1においては、透過水W2中の塩素の濃度が高い場合に、通常運転時におけるガス掃引運転を実行した状態で、脱炭酸膜モジュール10に透過水W2を通水すると、脱炭酸膜モジュール10の膜が酸化することで劣化しやすい。更に、透過水W2や脱炭酸水W4の温度が高い場合には、透過水W2が脱炭酸膜モジュール10の膜を通過しやすいため、膜を通過する水の量が増加して、脱炭酸膜モジュール10の膜が劣化しやすい。
一方、脱炭酸膜装置1においては、真空引き運転を実行すると、透過水W2中の塩素の濃度が高くても、脱炭酸膜モジュール10の膜の酸化による劣化の影響は小さくなる。しかし、脱炭酸膜モジュール10の炭酸ガスを除去する性能は低下しやすい。
そのため、脱炭酸膜装置1は、通常運転時におけるガス掃引運転において、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合にのみ、通常運転時におけるガス掃引運転の実行に代えて、劣化抑制運転時における真空引き運転を実行する。
具体的には、制御部20は、通常運転時におけるガス掃引運転を実行中に、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合に実行される劣化抑制運転時において、通常運転時におけるガス掃引運転の実行に代えて、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるようにエア開閉弁14(ガス掃引手段)及び真空側インバータ13(真空引き手段)を制御する真空引き運転を実行するように運転状態を切り換える。
脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合とは、塩素センサS1により検出された塩素の濃度が所定の塩素濃度閾値を上回る場合や、水温センサS2により検出された水温が所定の水温閾値を上回る場合や、外気温度センサS4により検出された気温が所定の気温閾値を上回る場合などを挙げることができる。
脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合を塩素センサS1により検出された塩素の濃度が所定の塩素濃度閾値を上回る場合とした理由は、塩素センサS1により検出された塩素の濃度が所定の塩素濃度閾値を上回る場合においては、透過水W2中の塩素の濃度が高いため、脱炭酸膜モジュール10の膜が酸化により早期に劣化しやすい状態であるためである。
また、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合を水温センサS2により検出された水温が所定の水温閾値を上回る場合とした理由は、水温センサS2により検出された水温が所定の水温閾値を上回る場合においては、透過水W2が脱炭酸膜モジュール10の膜を通過しやすいため、膜を通過する水の量が増加して、脱炭酸膜モジュール10の膜が早期に劣化しやすい状態であるためである。
また、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合を外気温度センサS4により検出された気温が所定の気温閾値を上回る場合とした理由は、外気温度センサS4により検出された気温が所定の気温閾値を上回る場合においては、脱炭酸膜装置1が高温となり、脱炭酸膜モジュール10の膜が早期に劣化しやすい状態であるためである。
また、制御部20は、脱炭酸膜装置1の停止時において、通常運転時におけるガス掃引運転を実行後、劣化抑制運転時における真空引き運転を実行する。
また、制御部20は、劣化抑制運転時における真空引き運転時には、脱炭酸膜モジュール10に流入させる透過水W2の量を減らすように、加圧側インバータ3により、加圧ポンプ2を制御する。
次に、制御部20による脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合における処理手順について、図2を参照して説明する。図2は、第1実施形態の制御部20において、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートの処理は、脱炭酸膜装置1の運転中において、繰り返し実行される。
本実施形態においては、脱炭酸膜装置1は、透過水W2から脱炭酸水W4を製造する通常時には、通常運転を実行しており、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合にのみ、劣化抑制運転を実行する。
図2に示すステップST11において、制御部20は、脱炭酸膜装置1において通常運転を実行する。具体的には、制御部20は、通常運転時におけるガス掃引運転を実行し、エア開閉弁14を開状態として、空気G1(掃引ガス)を脱炭酸膜モジュール10に流入させるように、真空ポンプ12を駆動するように真空側インバータ13を制御する。また、制御部20は、加圧ポンプ2を駆動するように加圧側インバータ3を制御して、透過水W2を脱炭酸膜モジュール10に通水させる。
ステップST12において、制御部20は、脱炭酸膜モジュール10が所定の劣化条件を満たしたか否かを判定する。脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合とは、塩素センサS1により検出された塩素の濃度が所定の塩素濃度閾値を上回る場合や、水温センサS2により検出された水温が所定の水温閾値を上回る場合や、外気温度センサS4により検出された気温が所定の気温閾値を上回る場合などを挙げることができる。
脱炭酸膜モジュール10が所定の劣化条件を満たしたと判定された場合(YES)には、処理は、ステップST13へ移行する。また、脱炭酸膜モジュール10が所定の劣化条件を満たしていないと判定された場合(NO)には、処理は、ステップST12を繰り返す。
ステップST13において、制御部20は、脱炭酸膜装置1について、通常運転時におけるガス掃引運転の実行に代えて、劣化抑制運転時における真空引き運転を実行するように、運転状態を切り換える。具体的には、制御部20は、エア開閉弁14を閉状態として、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように、真空ポンプ12を駆動するように真空側インバータ13を制御する。また、制御部20は、加圧ポンプ2を駆動するように加圧側インバータ3を制御して、透過水W2を脱炭酸膜モジュール10に通水させる。
このように、脱炭酸膜モジュール10が所定の劣化条件を満たしている場合には、通常運転時におけるガス掃引運転の実行に代えて、劣化抑制運転時における真空引き運転が実行される。
ステップST14において、制御部20は、劣化抑制運転時における真空引き運転時には、脱炭酸膜モジュール10に流入させる透過水W2の量を減らすように、加圧側インバータ3により、加圧ポンプ2を制御する。
ステップST15において、制御部20は、劣化抑制運転を所定時間実行したか否かを判定する。劣化抑制運転を所定時間実行したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップST16へ移行する。また、劣化抑制運転を所定時間実行していないと判定された場合(NO)には、処理は、ステップST15を繰り返す。
ステップST16において、制御部20は、劣化抑制運転時における真空引き運転の実行を終了して、通常運転時におけるガス掃引運転を実行するように、運転状態を切り換える。これにより、制御部20は、ステップST11と同様の制御を実行することで、通常運転を実行する。
そして、本フローチャートの処理は終了する(ステップST11へリターンする)。
次に、制御部20における脱炭酸膜装置1の停止時の処理手順について、図3を参照して説明する。図3は、第1実施形態の制御部20において、脱炭酸膜装置1の停止時の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートの処理は、脱炭酸膜装置1の運転中において、繰り返し実行される。
図3に示すステップST21において、制御部20は、脱炭酸膜装置1において通常運転を実行する。具体的には、制御部20は、エア開閉弁14を開状態として、空気G1(掃引ガス)を脱炭酸膜モジュール10に流入させるように、真空ポンプ12を駆動するように真空側インバータ13を制御する。また、制御部20は、加圧ポンプ2を駆動するように加圧側インバータ3を制御して、透過水W2を脱炭酸膜モジュール10に通水させる。
ステップST22において、制御部20は、脱炭酸膜装置1を停止させる信号を受信したか否かを判定する。脱炭酸膜装置1を停止させる信号を受信したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップST23へ移行する。また、脱炭酸膜装置1を停止させる信号を受信していないと判定された場合(NO)には、処理は、ステップST22を繰り返す。
ステップST23において、制御部20は、加圧ポンプ2が停止するように、加圧側インバータ3を制御する。これにより、脱炭酸膜装置1の脱炭酸膜モジュール10への透過水W2の通水は停止される。
ステップST24において、通常運転時におけるガス掃引運転を実行しているため、制御部20は、引き続き、一定時間、通常運転時におけるガス掃引運転を実行する。なお、前述のステップST13のように、通常運転時におけるガス掃引運転の実行に代えて、劣化抑制運転時における真空引き運転を実行した場合には、運転状態を切り換えて、一定時間、通常運転時におけるガス掃引運転を実行する。
ステップST25において、制御部20は、劣化抑制運転時における真空引き運転を実行する。具体的には、制御部20は、エア開閉弁14を閉状態として、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように、真空ポンプ12を駆動するように真空側インバータ13を制御する。
そして、本フローチャートの処理は終了する。
上述した第1実施形態に係る脱炭酸膜装置1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
第1実施形態に係る脱炭酸膜装置1は、脱炭酸膜モジュール10により透過水W2に含まれる炭酸ガスを除去するために、空気吸引ラインL7を流通する空気G1を脱炭酸膜モジュール10に流入させて、脱炭酸膜モジュール10の外部に炭酸ガスを含む混合空気G2を排出させるガス掃引手段(空気吸引ラインL7、エア開閉弁14、真空ポンプ12、真空側インバータ13及び空気排出ラインL8)と、脱炭酸膜モジュール10により透過水W2に含まれる炭酸ガスを除去するために、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるように、脱炭酸膜モジュール10の内部から脱炭酸膜モジュール10の外部に向けて真空引きして、脱炭酸膜モジュール10の外部に炭酸ガスを排出させる真空引き手段(空気吸引ラインL7、エア開閉弁14、真空ポンプ12、真空側インバータ13及び空気排出ラインL8)と、通常運転時において、空気G1を脱炭酸膜モジュール10に流入させるようにエア開閉弁14及び真空側インバータ13を制御するガス掃引運転を実行する。また、脱炭酸膜装置1は、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合に実行される劣化抑制運転時において、通常運転時におけるガス掃引運転の実行に代えて、脱炭酸膜モジュール10の内部が真空状態になるようにエア開閉弁14及び真空側インバータ13を制御する真空引き運転を実行するように運転状態を切り換える制御部20を備える。
そのため、通常運転時におけるガス掃引運転を実行している際に、脱炭酸膜モジュール10の所定の劣化条件を満たした場合には、劣化抑制運転時における真空引き運転を実行するように運転状態を切り換えることができる。これにより、脱炭酸膜装置1は、ガス掃引運転を中断して真空引き運転を実行することで、脱炭酸膜モジュール10の炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュール10の膜の劣化を低減することができる。
また、本実施形態に係る脱炭酸膜装置1においては、劣化条件を満たした場合とは、塩素センサS1により検出された塩素の濃度が所定の塩素濃度閾値を上回る場合である。そのため、透過水W2中に塩素がリークしている場合に、脱炭酸膜モジュール10の膜の劣化を低減することができる。これにより、透過水W2中に塩素のリーク量が多い場合に、炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュール10の膜の劣化を低減して、脱炭酸水の水質を維持することができる。
また、本実施形態に係る脱炭酸膜装置1においては、劣化条件を満たした場合とは、水温センサS2により検出された水温が所定の水温閾値を上回る場合である。そのため、脱炭酸水W4の水温が高温の場合に、脱炭酸膜モジュール10の膜の劣化を低減することができる。これにより、脱炭酸水W4の水温が高温の場合に、炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュール10の膜の劣化を低減して、脱炭酸水の水質を維持することができる。
また、本実施形態に係る脱炭酸膜装置1においては、劣化条件を満たした場合とは、外気温度センサS4により検出された気温が所定の気温閾値を上回る場合である。そのため、外気温度が高温になった場合に、脱炭酸膜装置1が外気温度の影響により高温となっても、脱炭酸膜モジュール10の膜の劣化を低減することができる。これにより、脱炭酸膜装置1の外気温度が高温になった場合に、炭酸ガスを除去する性能を維持しつつ、脱炭酸膜モジュール10の膜の劣化を低減して、脱炭酸水の水質を維持することができる。
また、本実施形態に係る脱炭酸膜装置1においては、制御部20は、脱炭酸膜装置1の停止時において、通常運転時におけるガス掃引運転を実行後、劣化抑制運転時における真空引き運転を実行する。これにより、脱炭酸膜モジュール10における気相側の部分の真空状態を保持して、脱炭酸膜装置1を停止することができる。よって、脱炭酸膜装置1の停止時において、脱炭酸膜モジュール10における気相側の部分の酸化による劣化を抑制することができる。
また、本実施形態に係る脱炭酸膜装置1においては、制御部20は、劣化抑制運転時における真空引き運転時には、脱炭酸膜モジュール10に流入させる透過水W2の量を減らすように、加圧ポンプ2を制御する。これにより、脱炭酸膜モジュール10の炭酸ガスを除去する性能が低下しやすい真空引き運転の実行中において、脱炭酸水W6を製造する量を少なくして、脱炭酸膜モジュール10の炭酸ガスを除去する性能を維持するように制御できる。よって、脱炭酸水の水質を維持することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る水処理システム100Aの構成について、図4を参照して説明する。図4は、第2実施形態に係る水処理システム100Aの全体構成図である。
図4に示すように、第1実施形態では逆浸透膜分離装置4を脱炭酸膜装置1の上流側に配置したのに対して、第2実施形態では逆浸透膜分離装置4を脱炭酸膜装置1の下流側に配置した点において、第2実施形態に係る水処理システム100Aは、第1実施形態の水処理システム100とは異なる。
なお、第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
図4に示すように、第2実施形態に係る水処理システム100Aにおいては、第1実施形態に係る水処理システム100において供給水ラインL1、RO膜モジュール5、透過水ラインL2、脱炭酸膜モジュール10及び脱炭酸水ラインL6が上流側から下流側に向かってこの順に配置される(図1参照)のに対して、供給水ラインL1、脱炭酸膜モジュール10、脱炭酸水ラインL6、RO膜モジュール5及び透過水ラインL2が上流側から下流側に向かってこの順に配置される。また、第2実施形態に係る水処理システム100Aにおいては、供給水ラインL1に、供給ポンプ2aが設けられている。
供給水ラインL1は、被処理水としての供給水W1を脱炭酸膜モジュール10に供給するラインである。供給水ラインL1の上流側の端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。供給水ラインL1の下流側の端部は、脱炭酸膜モジュール10の水流入口10aに接続されている。供給水ラインL1には、上流側から下流側に向けて順に、供給ポンプ2a、塩素センサS1、脱炭酸膜モジュール10が設けられている。
本実施形態においては、脱炭酸膜装置1は、脱炭酸膜モジュール10により製造された脱炭酸水W6を供給水として逆浸透膜分離装置4に供給する。
供給ポンプ2aは、供給水ラインL1を流通する供給水W1を吸入し、脱炭酸膜モジュール10へ向けて圧送(吐出)する装置である。供給ポンプ2aには、供給側インバータ3aから周波数が変換された駆動電力が供給される。供給ポンプ2aは、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
供給側インバータ3aは、供給ポンプ2aに、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。供給側インバータ3aは、制御部20と電気的に接続されている。供給側インバータ3aには、制御部20から指令信号が入力される。供給側インバータ3aは、制御部20により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を供給ポンプ2aに出力する。
塩素センサS1は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の残留塩素濃度(すなわち、塩素リーク量)を測定する機器である。塩素センサS1で測定された供給水W1の塩素リーク量は、制御部20へ検出信号として送信される。
脱炭酸水ラインL6は、脱炭酸水W4をRO膜モジュール5に供給するラインである。脱炭酸水ラインL6の上流側の端部は、脱炭酸膜モジュール10の脱炭酸水排出口10bに接続されている。脱炭酸水ラインL6の下流側の端部は、RO膜モジュール5の一次側入口ポートに接続されている。脱炭酸水ラインL6には、加圧ポンプ2が設けられている。
加圧ポンプ2は、脱炭酸水ラインL6を流通する脱炭酸水W4を吸入し、RO膜モジュール5へ向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ2には、加圧側インバータ3から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ2は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
加圧側インバータ3は、加圧ポンプ2に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。加圧側インバータ3には、制御部20から指令信号が入力される。加圧側インバータ3は、制御部20により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ2に出力する。
RO膜モジュール5は、加圧ポンプ2から吐出された脱炭酸水W4を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュール5は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール5は、これらRO膜エレメントにより脱炭酸水W4を膜分離処理し、透過水W2及び濃縮水W3を製造する。
透過水ラインL2は、RO膜モジュール5で分離された透過水W2を送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、RO膜モジュール5の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、需要先の装置(不図示)や処理水タンク(不図示)などに接続されている。透過水ラインL2には、流量センサS3が設けられている。
流量センサS3は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量を検出する機器である。流量センサS3で検出された透過水W2の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部20へパルス信号として送信される。
濃縮水ラインL3及び排水ラインL5は、第1実施形態の水処理システム100と同様の構成であるため、第1実施形態の説明を援用して、その説明を省略する。
循環水ラインL4は、RO膜モジュール5で分離され且つ濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の一部W31を、脱炭酸水ラインL6における脱炭酸膜モジュール10と加圧ポンプ2との間に返送するラインである。循環水ラインL4の上流側の端部は、接続部J1において、濃縮水ラインL3に接続されている。また、循環水ラインL4の下流側の端部は、接続部J2において、脱炭酸水ラインL6における脱炭酸膜モジュール10と加圧ポンプ2との間に接続されている。
第2実施形態においては、脱炭酸膜装置1は、脱炭酸膜モジュール10により製造された脱炭酸水W6を供給水として逆浸透膜分離装置4に供給する。
また、制御部20は、第1実施形態と同様に、脱炭酸膜装置1及び逆浸透膜分離装置4を制御する。
第2実施形態の脱炭酸膜装置1によれば、前述の第1実施形態と同様の効果が奏される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、第1実施形態では、逆浸透膜分離装置4を脱炭酸膜装置1の上流側に配置し、逆浸透膜分離装置4を、逆浸透膜モジュール5により分離された透過水W2を被処理水として脱炭酸膜装置1に供給するように構成した。また、第2実施形態では、逆浸透膜分離装置4を脱炭酸膜装置1の下流側に配置し、脱炭酸膜装置1を、脱炭酸膜モジュール10により製造された脱炭酸水W4を供給水として逆浸透膜分離装置4に供給するように構成した。しかし、これに制限されず、逆浸透膜分離装置4を備えない構成であってもよい。
また、前記実施形態では、脱炭酸膜モジュールに流入される掃引ガスを空気G1で構成したが、これに制限されない。掃引ガスを、例えば、窒素等の不活性ガスで構成してもよい。
1 脱炭酸膜装置
4 逆浸透膜分離装置
5 RO膜モジュール(逆浸透膜モジュール)
10 脱炭酸膜モジュール
12 真空ポンプ(ガス掃引手段、真空引き手段)
13 真空側インバータ(ガス掃引手段、真空引き手段)
14 エア開閉弁(ガス掃引手段、真空引き手段)
20 制御部
100,100A 水処理システム
G1 空気(掃引ガス)
G2 混合空気(炭酸ガスを含む掃引ガス)
L7 空気吸引ライン(掃引ガスライン、ガス掃引手段、真空引き手段)
L8 空気排出ライン(排出ライン、ガス掃引手段、真空引き手段)
S1 塩素センサ(塩素濃度検出手段)
S2 水温センサ(水温検出手段)
S4 外気温度センサ(気温検出手段)
W1 供給水(被処理水)
W2 透過水(被処理水)
W4 脱炭酸水

Claims (7)

  1. 被処理水から脱炭酸水を製造する脱炭酸膜モジュールと、
    前記脱炭酸膜モジュールに流入される掃引ガスが流通する掃引ガスラインと、
    前記脱炭酸膜モジュールにより被処理水に含まれる炭酸ガスを除去するために、前記掃引ガスラインを流通する掃引ガスを前記脱炭酸膜モジュールに流入させて、前記脱炭酸膜モジュールの外部に炭酸ガスを含む掃引ガスを排出させるガス掃引手段と、
    前記脱炭酸膜モジュールにより被処理水に含まれる炭酸ガスを除去するために、前記脱炭酸膜モジュールの内部が真空状態になるように、前記脱炭酸膜モジュールの内部から前記脱炭酸膜モジュールの外部に向けて真空引きして、前記脱炭酸膜モジュールの外部に炭酸ガスを排出させる真空引き手段と、
    通常運転時において、掃引ガスを前記脱炭酸膜モジュールに流入させるように前記ガス掃引手段を制御するガス掃引運転を実行し、前記脱炭酸膜モジュールの所定の劣化条件を満たした場合に実行される劣化抑制運転時において、前記通常運転時における前記ガス掃引運転の実行に代えて、前記脱炭酸膜モジュールの内部が真空状態になるように前記真空引き手段を制御する真空引き運転を実行するように運転状態を切り換える制御部と、
    を備える脱炭酸膜装置。
  2. 被処理水に含まれる塩素の濃度を検出する塩素濃度検出手段を更に備え、
    前記劣化条件を満たした場合とは、前記塩素濃度検出手段により検出された塩素の濃度が所定の塩素濃度閾値を上回る場合である
    請求項1に記載の脱炭酸膜装置。
  3. 被処理水又は脱炭酸水の水温を検出する水温検出手段を更に備え、
    前記劣化条件を満たした場合とは、前記水温検出手段により検出された水温が所定の水温閾値を上回る場合である
    請求項1に記載の脱炭酸膜装置。
  4. 前記脱炭酸膜装置の外部の気温を検出する気温検出手段を更に備え、
    前記劣化条件を満たした場合とは、前記気温検出手段により検出された気温が所定の気温閾値を上回る場合である
    請求項1に記載の脱炭酸膜装置。
  5. 前記制御部は、前記脱炭酸膜装置の停止時において、前記通常運転時における前記ガス掃引運転を実行後、前記劣化抑制運転時における前記真空引き運転を実行する
    請求項1から4のいずれかに記載の脱炭酸膜装置。
  6. 被処理水を前記脱炭酸膜モジュールに向けて吐出する加圧ポンプを更に備え、
    前記制御部は、前記劣化抑制運転時における前記真空引き運転時には、前記脱炭酸膜モジュールに流入させる被処理水の量を減らすように、前記加圧ポンプを制御する
    請求項1から5のいずれかに記載の脱炭酸膜装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の脱炭酸膜装置と、
    供給水から透過水を分離する逆浸透膜モジュールを有する逆浸透膜分離装置と、を備える水処理システムであって、
    前記逆浸透膜分離装置は、前記逆浸透膜モジュールにより分離された透過水を被処理水として前記脱炭酸膜装置に供給し、又は、前記脱炭酸膜装置は、前記脱炭酸膜モジュールにより製造された脱炭酸水を供給水として前記逆浸透膜分離装置に供給する
    水処理システム。
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