JP2017063995A - 眼科装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の眼科装置は、検査部と、移動機構と、投影系と、受光系と、プロセッサとを備える。検査部は、被検眼のデータを光学的に取得する。移動機構は、検査部を移動する。投影系は、被検眼に光束を投影する。受光系は、この光束の被検眼からの反射光束を撮像素子に導く。プロセッサは、撮像素子により得られた反射光束の像を解析することによりこの像の形状を表す形状値を算出し、この形状値に基づいて移動機構の制御を行う。
【選択図】図1
Description
実施形態に係る眼科装置の構成の一例を図1に示す。眼科装置1は、被検眼Eの検査を行う機能、つまり被検眼Eを撮影する機能及び/又は被検眼Eの特性を測定する機能を備える。眼科装置1は、プロセッサ10と、光学ユニット20と、移動機構70と、ユーザインターフェイス(UI)80とを含む。光学ユニット20には、検査部30と、観察系40と、投影系60とが設けられている。
プロセッサ10は、各種の情報処理を実行する。本明細書において「プロセッサ」は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。
制御部11は、眼科装置1の各部の制御を実行する。制御部11により実行可能な制御については後述する。
記憶部12は、各種のデータを記憶する。記憶部12に記憶されるデータとしては、検査部30により取得されたデータ(撮影データ、測定データ等)や、被検者及び被検眼に関する情報などがある。記憶部12には、眼科装置1を動作させるための各種のコンピュータプログラムやデータが記憶されていてよい。
データ処理部13は各種のデータ処理を実行する。本実施形態では、各種の画像処理や演算処理が実行される。データ処理部13には、輝点像検出部131、像数判定部132、形状値算出部133、形状値判定部134、重心算出部135、注目画素特定部136、及び移動量算出部137が設けられている。これら各部の動作については後述する。
光学ユニット20には、被検眼Eの検査やその準備を行うための構成が格納されている。例えば、光学ユニット20には、被検眼Eの検査を行うための構成を備えた検査部30が設けられている。更に、光学ユニット20には、被検眼Eに対する光学ユニット20(それに格納された光学系)のアライメントを行うための構成を備えた観察系40及び投影系60が含まれている。なお、検査の準備を行うための構成は、アライメントを行うための構成には限定されない。例えば、光学系のフォーカシングを行うための構成や、OCT光学系(測定アーム及び/又は参照アーム)の光路長を変更するための構成などが設けられていてよい。
検査部30は、被検眼Eを検査するための構成を含む。検査部30は、眼科装置1が提供する機能(撮影機能、測定機能等)に応じた構成を備える。たとえば、検査部30には、光源、光学素子(光学部材、光学デバイス)、アクチュエータ、機構、回路、光スキャナ、表示デバイス、受光素子、イメージセンサなどが設けられる。
観察系40は、被検眼Eを観察するための画像を取得する。観察系40は、被検眼Eの動画撮影及び静止画撮影を実行可能であってよい。観察系40は、従来と同様に、被検眼Eに照明光を照射する照明系と、撮像素子50(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなど)と、照明光の戻り光を撮像素子50に導く受光系とを含む。照明系は、赤外光(近赤外光)を発する照明光源を含む。本実施形態では、観察系40は、赤外光を用いて前眼部を動画撮影する。
投影系60は、アライメントのための光束を被検眼Eに投影する。このアライメントは、被検眼Eの軸方向(Z方向、検査部30の光軸方向)におけるZアライメントと、Z方向に直交する2次元方向におけるXYアライメントとを含んでよい。投影系60は、XYアライメントを行うための構成(XYアライメント系)を少なくとも備え、Zアライメントを行うための構成(Zアライメント系)を含んでもよい。XYアライメント系及びZアライメント系は、例えば以下のように従来と同様の構成を備えていてよい。
移動機構70は、検査部30等が格納された光学ユニット20を移動する。移動機構70は、光学ユニット20を3次元的に移動可能である。移動機構70は、例えば、従来と同様に、光学ユニット20をX方向に移動させるための機構と、Y方向に移動させるための機構と、Z方向に移動させるための機構とを備えている。移動機構70は、プロセッサ10(制御部11)による制御を受けて動作する。
ユーザインターフェイス80は、情報の表示、情報の入力、操作指示の入力など、眼科装置1とそのユーザとの間で情報をやりとりするための機能を提供する。ユーザインターフェイス80は、出力機能と入力機能とを提供する。出力機能を提供するための構成の例として、フラットパネルディスプレイ等の表示装置や、音声出力装置や、印刷出力装置や、外部装置との通信インターフェイスや、記録媒体への書き込みを行うデータライタなどがある。入力機能を提供するための構成の例として、レバー、ボタン、キー、ポインティングデバイス、マイクロフォンなどがある。ユーザインターフェイス80は、たとえばタッチパネルディスプレイのような出力機能と入力機能とが一体化されたデバイスを含んでよい。また、ユーザインターフェイス80は、情報の入出力を行うためのグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を含んでよい。
データ処理部13に設けられた各部の詳細を説明する。前述のように、データ処理部13には、輝点像検出部131、像数判定部132、形状値算出部133、形状値判定部134、重心算出部135、注目画素特定部136、及び移動量算出部137が設けられている。
輝点像検出部131は、観察系40により取得された前眼部観察像を解析して輝点像を検出する。前眼部観察像は赤外動画像であり、画素値として輝度値が用いられる輝度画像である。輝点像検出部131は、前眼部観察像の各フレームにおける輝度値の分布に基づいて、輝点像に相当する画像領域(画素)を特定する。この処理は、例えば、既定閾値より高い輝度値を有する画素を選択する処理を含む。
像数判定部132は、輝点像検出部131により検出された輝点像の個数を求め、引き続き実行される処理を選択する。輝点像の個数を求める処理は、例えば、閾値THより高い輝度値を有する連結画像領域に対するラベリング処理を含む。図2に示す例では、輝点像の個数は2つであると判定される。
形状値算出部133は、検出された輝点像の個数が1つである場合、この輝点像を解析することにより、この輝点像の形状を表すパラメータの値(形状値)を算出する。形状値の算出は、例えば、輝点像の輪郭や、輪郭を近似する図形に基づいて行われる。
形状値判定部134は、形状値算出部133により算出された形状値が既定範囲に含まれるか否か判定する。既定範囲は予め決定されてプロセッサ10に記憶される。
重心算出部135は、従来と同様の処理により、輝点像の重心位置を求める。本実施形態では、輝点像が2つ以上存在すると像数判定部132によって判定された場合に重心算出部135が動作する。或いは、輝点像が1つしか存在しないと像数判定部132によって判定された場合であって、更に、形状値が既定範囲に含まれると形状値判定部134によって判定された場合に、重心算出部135が動作する。
例えば図3Bに示すケースのように、輝点像が1つしか存在しないと像数判定部132によって判定され、かつ、形状値が既定範囲に含まれないと形状値判定部134によって判定された場合、注目画素特定部136は、この単一の輝点像において輝度が最大の画素(注目画素)を特定する。この処理は、輝点像を形成する複数の画素の輝度値のヒストグラムを作成する処理や、これら画素の輝度値を比較する処理を含んでよい。
移動量算出部137は、重心算出部135により算出された重心位置に基づいて、又は、注目画素特定部136により特定された注目画素の位置に基づいて、XYアライメントにおける移動機構70の移動量を求める。この移動量は、例えば、移動機構70によるX方向への移動量(移動方向及び移動距離)と、Y方向への移動量(移動方向及び移動距離)とを含む。或いは、移動量算出部137により算出される移動量は、X方向の制御パラメータ値と、Y方向の制御パラメータ値とを含む。制御パラメータ値は、例えば、移動機構70のアクチュエータ(例:パルスモータ)に送信される制御信号に関するパラメータ値(例:パルス数)を含む。
眼科装置1の使用形態について説明する。眼科装置1により実行されるアライメント(XYアライメント)の態様の一例を図4に示す。
観察系40による被検眼Eの前眼部観察像の取得と、投影系60によるXYアライメント光束及びZアライメント光束の被検眼Eへの投影とが開始される。これらアライメント光束が投影されている被検眼Eについて取得された前眼部観察像は、プロセッサ10に入力される。このとき、前眼部観察像は、そのフレームレートに同期したタイミングでプロセッサ10にリアルタイムで入力される。
輝点像検出部131は、前眼部観察像(フレーム)の参照領域H内における輝度値に基づき閾値THを設定し、参照領域H内の画素のうち輝度値が閾値THを超える画素を特定する。それにより、輝点像(反射像)を形成する画素群が検出される。
ステップS2において輝点像が検出されなかった場合(S3:No)、処理はステップS4に移行する。一方、輝点像が検出された場合(S3:Yes)、処理はステップS5に移行する。
ステップS3において「No」と判定された場合、被検眼Eの瞳孔中心(瞳孔重心)の位置に基づくアライメントが実行される。このアライメントの例として、プロセッサ10は、前眼部観察像を解析して瞳孔領域を特定し、この瞳孔領域の輪郭を近似する楕円を求め、この近似楕円の中心位置を求め、この中心位置とフレームの基準位置(フレーム中心、観察系40等の光軸位置)との変位を求め、この変位をキャンセルするように移動機構70を制御して光学ユニット20を移動させる。なお、このような瞳孔に基づくアライメントに代えて、他のオートアライメント又は手動アライメントを実行するようにしてもよい。ステップS4の完了後、処理はステップS2に戻る。
ステップS3において「Yes」と判定された場合、像数判定部132は、ステップS2で検出された輝点像の個数の判定を行う。輝点像の個数が1つである場合(S5:Yes)、処理はステップS7に移行する。一方、輝点像の個数が2つ以上である場合(S5:No)、処理はステップS6に移行する。
ステップS5において「No」と判定された場合、重心算出部135は、2つ以上の輝点像のうちサイズが最大の輝点像(注目像)を選択し、この注目像の重心位置を求める。そして、処理はステップS11に移行する。
ステップS5において「Yes」と判定された場合、形状値算出部133は、この単一の輝点像を解析することにより、この輝点像の形状値(アスペクト比等)を算出する。
形状値判定部134は、ステップS7で算出された形状値が既定範囲内であるか判定する。形状値が既定範囲内である場合(S8:Yes)、処理はステップS10に移行する。一方、形状値が既定範囲外である場合(S8:No)、処理はステップS9に移行する。
ステップS8において「No」と判定された場合、注目画素特定部136は、この単一の輝点像において輝度が最大の画素(注目画素)を特定する。そして、処理はステップS11に移行する。
ステップS8において「Yes」と判定された場合、重心算出部135は、単一の輝点像の重心位置を求める。
移動量算出部137は、ステップS6で算出された重心、ステップS9で特定された最大輝度画素、又はステップS10で算出された重心に基づいて、XYアライメントにおける移動機構70の移動量を求める。
プロセッサ10(例えばデータ処理部13)は、ステップS11において算出された移動量が既定閾値以下であるか判定する。移動量が既定閾値以下である場合、XYアライメントは完了したと判定され(S12:Yes)、処理はステップS14に移行する。一方、移動量が既定閾値を超える場合、XYアライメントは未だ完了していないと判定され(S12:No)、処理はステップS13に移行する。
ステップS12において「No」と判定された場合、制御部11は、ステップS11で算出された移動量に基づき移動機構70を制御することにより光学ユニット20を移動させる。処理はステップS2に戻る。以上の一連の処理は、ステップS12で「Yes」と判定されるまで反復される。或いは、この一連の処理は、所定回数又は所定時間にわたり反復される。
ステップS12で「Yes」と判定されると、つまりXYアライメントが完了したと判定されると、処理はステップS14に移行する。Zアライメントは、前述したように、従来と同じ要領で実行される。なお、Zアライメントが行われている間、上記のXYアライメント(又は他の態様のXYアライメント)を並行して実行することが可能である。
上記の使用形態では、2つ以上の輝点像が検出された場合(S5:No)、これら輝点像のうちサイズが最大の像である注目像の重心を特定し(S6)、特定された重心の位置に基づいて光学ユニット20の移動制御を行っている(S11〜S13)。しかし、2つ以上の輝点像が検出された場合における処理はこれには限定されない。例えば、2つ以上の輝点像が検出された場合、データ処理部13は、これら輝点像のうちからサイズが最大の像である注目像を特定し、特定された注目像について形状値(アスペクト比等)を算出するよう構成されてよい。つまり、検出された輝点像の個数に関わらず、形状値を判定材料としてXYアライメントを実行するよう構成されてよい。
実施形態に係る眼科装置の作用及び効果について説明する。
10 プロセッサ
30 検査部
40 観察系
50 撮像素子
60 投影系
70 移動機構
Claims (9)
- 被検眼のデータを光学的に取得する検査部と、
前記検査部を移動する移動機構と、
前記被検眼に光束を投影する投影系と、
前記光束の前記被検眼からの反射光束を撮像素子に導く受光系と、
前記撮像素子により得られた前記反射光束の像を解析することによりこの像の形状を表す形状値を算出し、前記形状値に基づいて前記移動機構の制御を行うプロセッサと
を備える眼科装置。 - 前記形状値が既定範囲に含まれない場合、前記プロセッサは、当該像において輝度が最大の画素である注目画素を特定し、前記注目画素の位置に基づいて前記移動機構の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。 - 前記形状値は、当該像の短手方向の長さに対する長手方向の長さの比を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。 - 前記比が既定閾値を超える場合、前記プロセッサは、前記注目画素の特定を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。 - 前記比が既定閾値以下である場合、前記プロセッサは、当該像の重心を特定し、前記重心の位置に基づいて前記移動機構の制御を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の眼科装置。 - 前記撮像素子により得られた前記反射光束の像が1つのみ存在し、かつ、前記形状値が既定範囲に含まれない場合、前記プロセッサは、前記注目画素の特定を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。 - 前記撮像素子により得られた前記反射光束の像が1つのみ存在し、かつ、前記形状値が既定範囲に含まれる場合、前記プロセッサは、当該像の重心を特定し、前記重心の位置に基づいて前記移動機構の制御を行う
ことを特徴とする請求項2又は請求項6に記載の眼科装置。 - 前記撮像素子により得られた前記反射光束の像が2以上存在する場合、前記プロセッサは、2以上の像のうちサイズが最大の像である注目像の重心を特定し、この重心の位置に基づいて前記移動機構の制御を行う
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の眼科装置。 - 前記撮像素子により得られた前記反射光束の像が2以上存在する場合、前記プロセッサは、2以上の像のうちサイズが最大の像である注目像についての前記形状値を算出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の眼科装置。
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