JP2017063091A - 熱電変換システム - Google Patents
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Abstract
【課題】接触熱抵抗低減のための加圧機構の削除、および熱電変換モジュールの酸化による劣化防止が可能な熱電変換システムを提供する。【解決手段】加熱ダクト10と冷却ダクト20との間に熱電変換モジュール30を設置してなる積層構造体40を、可撓性を有する気密ケース50内に収容して気密的に封止し、気密ケース50内を真空または減圧雰囲気とする。加熱ダクト10と冷却ダクト20は気密ケース50によって熱電変換モジュール30に対し加圧されて密着し、接触熱抵抗の低減が図られる。【選択図】図2
Description
本発明は、熱電変換モジュールに温度差を与えて熱エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する熱電変換システムに関する。
従来の熱電変換モジュールの強度および耐久性を改善し、いかなる雰囲気でも使用可能とするために、気密ケース入り熱電変換モジュール(特許文献1)および水冷パネルを内蔵した気密ケース入りモジュール(特許文献2)が発明されている。また、これらの特徴を引き継ぎ、複数の熱電変換モジュールを封入可能な大型の気密ケース入りモジュールがある(特許文献3)。しかし、これらの発明では、収容する熱電変換モジュールは1個ないし数個程度にとどまり、自動車用などさらに大型化に適した熱電変換システム用としてはふさわしくない現状である。
従来の自動車用熱電変換システムとしては、図9に示すように、排気ガスGを流す加熱ダクト110と冷却水Wを流す冷却ダクト120との間に熱電変換モジュール130を挟み、両ダクト110,120をバネ180などの加圧機構で押さえつけて、熱電変換モジュール130に温度差を与える方式(非特許文献1)が一般的である。本構造では加圧機構には頑丈な構造が要求され、そのための重量やスペースが大きいことが問題である。また、本構成では熱電変換モジュールは高温で大気に触れるのみならず、自動車の走行条件によっては冠水の可能性もあり、酸化による劣化や電気的短絡などの問題も伴う。
自動車用など大型化に適した熱電変換システムとしては上記の他に、気密ケース入り熱電変換モジュールの原理を基本とする構成(特許文献4)もある。しかし本構造では組み立ての際に、加熱ダクトと薄肉冷却ダクトの狭い隙間に多数の熱電変換モジュールを挿入する方法に工夫を要する点が課題である。
Eder and J. Liebl,"Thermoelectric Waste Heat Recovery ? a Technology Transfer from Aerospace to the Automotive Industry", 1 Internationale Thermoelektrik Konferenz, Berlin, 23 Oktober, 2008.
本発明の熱電変換システムは上記事情に鑑みてなされたものであり、以下を目的としている。
(1)接触熱抵抗低減のための加圧機構を削除する。
(2)熱電変換モジュールの酸化による劣化を防ぐ。
(3)多数のモジュールを一つの気密ケースに封入することにより、大幅なコスト低減を図る。
(4)気密ケース内への熱電変換モジュールの設置を容易にする。
(1)接触熱抵抗低減のための加圧機構を削除する。
(2)熱電変換モジュールの酸化による劣化を防ぐ。
(3)多数のモジュールを一つの気密ケースに封入することにより、大幅なコスト低減を図る。
(4)気密ケース内への熱電変換モジュールの設置を容易にする。
本発明は、加熱ダクトと、冷却ダクトと、これら加熱ダクトと冷却ダクトとの間に設置された熱電変換モジュールとを備えた積層構造体を有し、前記加熱ダクトと前記冷却ダクトとによって前記熱電変換モジュールに温度差が付与されて発電する熱電変換システムにおいて、可撓性を有する気密ケース内に前記積層構造体が収容されるとともに、本気密ケースを加熱ダクト接続配管、冷却ダクト接続配管および電極が貫通し、各貫通部をシールすることで気密を保持できる構造とし、該気密ケース内を真空または減圧雰囲気として該気密ケースの内外に圧力差を生じさせることにより、前記加熱ダクトと前記冷却ダクトとが該気密ケースによって前記熱電変換モジュールに対し加圧されることを特徴とする。
本発明によれば、気密ケースの内外に生じた圧力差により、加熱ダクトと冷却ダクトは気密ケースによって熱電変換モジュールに対し加圧され熱電変換モジュールに密着し、接触熱抵抗低減が図られる。その結果、加熱ダクトおよび冷却ダクトを熱電変換モジュールに密着させる加圧機構が不要となる。また、気密ケース内を真空または減圧雰囲気とするため、熱電変換モジュールの酸化による劣化を防ぐことができる。
本発明は、前記加熱ダクトが常温よりも高温の高温媒体を熱源とし、該加熱ダクトが前記積層構造体の少なくとも一方の最外層を構成し、該加熱ダクトと前記気密ケースとの間に断熱体が介在されている形態を含む。この形態では、加熱ダクトの高温の熱が断熱体で遮断されて気密ケースに直接伝達せず、熱損失が抑えられる。本発明での高温媒体は例えば50℃以上の流体であり、例えば自動車の排気ガス(200℃以上)等が挙げられる。
また、本発明は、前記冷却ダクトが極低温媒体を熱源とされ、該冷却ダクトが前記積層構造体の少なくとも一方の最外層を構成し、該冷却ダクトと前記気密ケースとの間に断熱体が介在されている形態を含む。この形態では、冷却ダクトの低温の熱が断熱体で遮断されて気密ケースに直接伝達せず、熱損失が抑えられる。なお、本発明で言う極低温媒体とは−10℃以下の流体であり、例えば液化天然ガス(−160℃)や液体水素(−253℃)等が挙げられる。
また、本発明は、前記冷却ダクトには前記気密ケースを貫通する冷媒配管が接続され、該気密ケースにおける該冷媒配管の貫通部が気密的にシールされている形態を含む。
また、本発明は、前記熱電変換モジュールの発電を前記気密ケース外に取り出す貫通電極が該気密ケースを貫通して設置され、該気密ケースにおける該冷媒配管の貫通部が気密的にシールされている形態を含む。
また、本発明は、前記加熱ダクトと前記熱電変換モジュールとの間、および前記冷却ダクトと前記熱電変換モジュールとの間に、緩衝材が介在されている形態を含む。
本発明によれば、接触熱抵抗低減のための加圧機構を削除することができるとともに、熱電変換モジュールの酸化による劣化を防ぐことができる熱電変換システムが提供されるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[1]熱電変換システムの構成(第1実施形態)
図1〜図3は本発明の第1実施形態の熱電変換システム1Aを示している。この熱電変換システム1Aは、中央の加熱ダクト10と、この加熱ダクト10の図1(b)および図2において上下に配された各冷却ダクト20との間に複数の熱電変換モジュール30がそれぞれ設置された積層構造体40を主体としている。積層構造体40は、気密ケース50内に収容されているとともにこの気密ケース50によって気密的に封止されている。この場合の積層構造体40の上下の最外層は冷却ダクト20で構成されている。
[1]熱電変換システムの構成(第1実施形態)
図1〜図3は本発明の第1実施形態の熱電変換システム1Aを示している。この熱電変換システム1Aは、中央の加熱ダクト10と、この加熱ダクト10の図1(b)および図2において上下に配された各冷却ダクト20との間に複数の熱電変換モジュール30がそれぞれ設置された積層構造体40を主体としている。積層構造体40は、気密ケース50内に収容されているとともにこの気密ケース50によって気密的に封止されている。この場合の積層構造体40の上下の最外層は冷却ダクト20で構成されている。
加熱ダクト10は、厚さ3mm程度の銅製の板材を扁平管状に形成したものである。図1(a)に示すように、加熱ダクト10の長手方向両端部には両側面が端部に向かって収束するテーパ部11が形成され、それらテーパ部11の先端に円筒状のガス管接続部12を有している。両端のガス管接続部12には、図示せぬガス管が接続される。矢印Gに示すように一方側(図1で左側)のガス管接続部12に接続された図示せぬガス管から自動車のエンジンの排気ガス(高温媒体)が加熱ダクト10内に導入され、加熱ダクト10内を流れた排気ガスは他方側のガス管接続部12からガス管を経て排出される。なお、自動車のエンジンの排気ガス温度は、全負荷運転時では700〜800℃程度である。
図2に示すように加熱ダクト10内には、厚さ0.2mm程度の銅製の多数のフィン13が排気ガスの流れ方向と平行に設置され、加熱ダクト10の上下の内面にロウ付けされている。フィン13間の隙間は1mm程度である。
上下の冷却ダクト20は扁平状のケースで構成される。冷却ダクト20には、冷却ダクト20内に連通する一対の水冷配管(冷媒配管)25が接続されている。冷却ダクト20内には、図2の矢印Wに示すように一方の水冷配管25から冷却水(低温媒体)が導入され、他方の冷却配管から冷却水が排出されることで、冷却水が流される。水冷配管25は、図1(a)に示すように冷却ダクト20における排気ガスの下流側の端部であって両側の角部付近にそれぞれ接続されている。
熱電変換モジュール30は、加熱ダクト10と冷却ダクト20とによって温度差が与えられることによって発電するものである。図4および図5に示すように、熱電変換モジュール30は、マトリクス状に配列され、温度差が与えられることで発電する複数の熱電変換素子31と、これら熱電変換素子31を直列に接続する高温側電極32および低温側電極33とからなるもので、全体として矩形状に形成されている。なお、図1および図2では熱電変換モジュール30を簡略化して示しており、また、その配置および数は任意とする。
熱電変換素子31は、例えば、シリコン−ゲルマニウム系、マグネシウム−シリサイド系、マンガン−シリサイド系、鉄−シリサイド系、ビスマス−テルル系等の、ゼーベック効果により温度差に応じた起電力を発生するものが適宜用いられる。
各電極32,33は銅板等からなるもので、熱電変換素子31はそれら電極32,33を介して交互に直列に接続されている。高温側電極32は、隣接する一対の熱電変換素子31の上面間に架け渡されて固定され、それら一対の熱電変換素子31を接続している。また、低温側電極33は、隣接する一対の熱電変換素子31の下面間に架け渡されて固定され、それら一対の熱電変換素子31を接続している。図4に示すように、1つの熱電変換モジュール30においては、+(プラス)側および−(マイナス)側の一対のリード線35A,35Bが低温側の電極33に接続されている。
加熱ダクト10の、上側の複数の熱電変換モジュール30を上側モジュール群、下側の複数の熱電変換モジュール30を下側モジュール群とすると、上側モジュール群および下側モジュール群は、リード線35A,35Bを介してそれぞれ直列に接続される。そして、上側モジュール群で発電された電気は、気密ケース50の上側に設置された2つ(+側および−側)の貫通電極60を介して外部に取り出され、下側モジュール群で発電された電気は、気密ケース50の下側に設置された2つ(+側および−側)の貫通電極60を介して外部に取り出される。
なお、上記実施形態の熱電変換モジュール30の構造は一例であり、熱電変換モジュールとしては、いかなる形態も適用可能である。通常の熱電変換モジュールは両面にセラミックなどの絶縁板を備えるが、絶縁板を片面のみに備え、他の面は電極が露出した片面スケルトン・モジュールも適用可能である。ただしこの場合には、電極が露出した面にはマイカシートやポリイミドなどの電気絶縁シートを介在させる。また、両面の電極が露出した両面スケルトン・モジュールも適用可能である。この場合には、電極が露出した両面にマイカシートやポリイミドなどの電気絶縁シートを介在させる。
気密ケース50は、加熱ダクト10の外形に沿った扁平状に形成されており、上下方向に分離する分割ケース51を溶接して構成される。分割ケース51は気密ケース50の半割体であって上下対称の形状を有している。分割ケース51は、厚さ0.1〜0.2mm程度のステンレス鋼製でプレス成型によって形成され、可撓性を有している。上下の分割ケース51は、内側となる凹所側を積層構造体40に向け、互いの縁部の合わせ面に形成された鍔部511どうしを溶接することで気密ケース50を構成し、気密ケース50内に積層構造体40が収容された状態となる。
積層構造体40を収容した気密ケース50の、冷却ダクト20に対向する平坦部分は、冷却ダクト20に接触するか、あるいは僅かな隙間を空けて近接する。図1に示すように、気密ケース50の長手方向両端部の上下および両側部分には端部に向かって収束するテーパ部52が形成され、それらテーパ部52の先端に円形状の開口521が形成されている。それら開口521からはガス管接続部12が突出しており、開口521の縁部はガス管接続部12の根元部分に気密的に溶接されている。
各分割ケース51には水冷配管25が貫通する貫通孔がそれぞれ形成され、これら貫通孔の縁部は冷却ダクト20に溶接されている。これにより水冷配管25の貫通部分は気密的にシールされている。
また、各分割ケース51には、貫通電極60が貫通し、溶接されている。図1に示すように貫通電極60は冷却ダクト20よりも排気ガスの上流側(図1で左側)に配置されている。貫通電極60は、円筒状のスリーブ61内に電極62が貫通して固定されたもので、スリーブ61が分割ケース51に形成された貫通孔を貫通し、その貫通孔の縁部にスリーブ61が溶接されている。これにより貫通電極60の貫通部分は気密的にシールされている。上側および下側の熱電変換モジュール群は、それぞれ気密ケース50内の空間50Aを通る図示せぬ外部接続用リード線を介して貫通電極60の電極62に電気的に接続される。
[2]熱電変換システムの発電作用
上記構成からなる熱電変換システム1Aは、熱電変換モジュール30が収容された気密ケース50内の空間50Aが真空または減圧雰囲気に保持される。そして、加熱ダクト10内に自動車の排気ガスが流され、冷却ダクト20内に冷却水が流される。すると熱電変換モジュール30の熱電変換素子31は、片側が加熱ダクト10により加熱され、かつ、反対側が冷却ダクト20により冷却される。これにより熱電変換素子31に温度差が与えられて熱電変換素子31が発電し、熱電変換システム1Aが稼働状態となる。発電された電気は、直列に接続された各熱電変換モジュール30を経て貫通電極60から取り出される。
上記構成からなる熱電変換システム1Aは、熱電変換モジュール30が収容された気密ケース50内の空間50Aが真空または減圧雰囲気に保持される。そして、加熱ダクト10内に自動車の排気ガスが流され、冷却ダクト20内に冷却水が流される。すると熱電変換モジュール30の熱電変換素子31は、片側が加熱ダクト10により加熱され、かつ、反対側が冷却ダクト20により冷却される。これにより熱電変換素子31に温度差が与えられて熱電変換素子31が発電し、熱電変換システム1Aが稼働状態となる。発電された電気は、直列に接続された各熱電変換モジュール30を経て貫通電極60から取り出される。
[3]気密ケースによる作用効果
本実施形態の熱電変換システム1Aによれば、気密ケース50内の空間50Aを真空または減圧雰囲気とすることにより気密ケース50の内外に圧力差が生じ、これによって加熱ダクト10と冷却ダクト20は、気密ケース50によって熱電変換モジュール30に対し加圧され(最大で1気圧:0.1MPa=1kg/cm2)、熱電変換モジュール30に密着する。その結果、加熱ダクト10および冷却ダクト20を熱電変換モジュール30に密着させる加圧機構が不要となる。加熱ダクト10と冷却ダクト20が熱電変換モジュール30に密着することにより接触熱抵抗が低減し、熱電変換モジュール30に大きな温度差が与えられて出力の向上が図られる。また、気密ケース50内を真空または減圧雰囲気とするため、熱電変換モジュール30の酸化による劣化を防ぐことができる。
本実施形態の熱電変換システム1Aによれば、気密ケース50内の空間50Aを真空または減圧雰囲気とすることにより気密ケース50の内外に圧力差が生じ、これによって加熱ダクト10と冷却ダクト20は、気密ケース50によって熱電変換モジュール30に対し加圧され(最大で1気圧:0.1MPa=1kg/cm2)、熱電変換モジュール30に密着する。その結果、加熱ダクト10および冷却ダクト20を熱電変換モジュール30に密着させる加圧機構が不要となる。加熱ダクト10と冷却ダクト20が熱電変換モジュール30に密着することにより接触熱抵抗が低減し、熱電変換モジュール30に大きな温度差が与えられて出力の向上が図られる。また、気密ケース50内を真空または減圧雰囲気とするため、熱電変換モジュール30の酸化による劣化を防ぐことができる。
[4]緩衝材の装着
上記実施形態では、加熱ダクト10と熱電変換モジュール30との間、および冷却ダクト20と熱電変換モジュール30との間に、緩衝材をそれぞれ介在させることができる。すなわち緩衝材は、高温側の電極32と加熱ダクト10との間、および低温側の電極33と冷却ダクト20との間に挟まれる。緩衝材としては、各ダクト20,30と熱電変換モジュール30間の微細な隙間を埋めるクッション性を有するものが好適で、例えば厚さ0.2mm程度のカーボンシート等が好適に用いられる。
上記実施形態では、加熱ダクト10と熱電変換モジュール30との間、および冷却ダクト20と熱電変換モジュール30との間に、緩衝材をそれぞれ介在させることができる。すなわち緩衝材は、高温側の電極32と加熱ダクト10との間、および低温側の電極33と冷却ダクト20との間に挟まれる。緩衝材としては、各ダクト20,30と熱電変換モジュール30間の微細な隙間を埋めるクッション性を有するものが好適で、例えば厚さ0.2mm程度のカーボンシート等が好適に用いられる。
各ダクト20,30と熱電変換モジュール30とは緩衝材を介して密着する状態となるが、緩衝材は、気密ケース50による加圧作用によって互いの接触面に密着するため、各ダクト20,30と熱電変換モジュール30との実質的な密着性を高めることができる。
表1に、銅ブロック界面にカーボンシートを介在させた場合の接触熱抵抗低減効果を示す。表1は、加圧力が0.4気圧(0.04MPa=0.4bar=0.4kg/cm2)でも、カーボンシートを介在させることにより、接触熱抵抗を1/10以下に低減できることを示している。
[5]第1実施形態の変形例
図6は、上記第1実施形態において水冷配管25および貫通電極60の貫通部分のシール構造を変更した例を示している。この場合、水冷配管25および貫通電極60は冷却ダクト20の上流側端部付近に配置されている。図6の二点鎖線は冷却ダクト20の周縁部の全周にわたる溶接線であり、気密ケース50がこの溶接線に沿って冷却ダクト20に電子ビーム溶接等の手段で溶接されている。
図6は、上記第1実施形態において水冷配管25および貫通電極60の貫通部分のシール構造を変更した例を示している。この場合、水冷配管25および貫通電極60は冷却ダクト20の上流側端部付近に配置されている。図6の二点鎖線は冷却ダクト20の周縁部の全周にわたる溶接線であり、気密ケース50がこの溶接線に沿って冷却ダクト20に電子ビーム溶接等の手段で溶接されている。
この気密シール構造では、水冷配管25および貫通電極60が貫通する貫通孔に対してシール構造を施さなくても水冷配管25および貫通電極60を囲む溶接線によってシール構造が得られる。なお、熱電変換モジュール群からの上記外部接続用リード線は、この場合冷却ダクト20内に通されて貫通電極60に接続され、冷却ダクト20に該リード線の貫通部分に対するシールが必要となる。
[6]他の実施形態の構造
次いで、本発明の他の実施形態として第2および第3実施形態を説明する。これら実施形態を説明する図面においては、上記第1実施形態と同一構成要素または同一機能を果たす構成要素に同一符合を付し、説明を省略または簡略化する。
次いで、本発明の他の実施形態として第2および第3実施形態を説明する。これら実施形態を説明する図面においては、上記第1実施形態と同一構成要素または同一機能を果たす構成要素に同一符合を付し、説明を省略または簡略化する。
[6−1]第2実施形態
図7は、本発明の第2実施形態の熱電変換システム1Bを示している。この熱電変換システム1Bにおいては、それぞれ1つずつの加熱ダクト10および冷却ダクト20の間に複数の熱電変換モジュール30が設置されて積層構造体40が構成されている。そして積層構造体40は、上下の分割ケース51を合わせて溶接されてなる気密ケース50内に収容され、気密的に封止されている。この場合の積層構造体40の上下の最外層は、一方側(上側)が冷却ダクト20で構成され、他方側(下側)が加熱ダクト10で構成されている。
図7は、本発明の第2実施形態の熱電変換システム1Bを示している。この熱電変換システム1Bにおいては、それぞれ1つずつの加熱ダクト10および冷却ダクト20の間に複数の熱電変換モジュール30が設置されて積層構造体40が構成されている。そして積層構造体40は、上下の分割ケース51を合わせて溶接されてなる気密ケース50内に収容され、気密的に封止されている。この場合の積層構造体40の上下の最外層は、一方側(上側)が冷却ダクト20で構成され、他方側(下側)が加熱ダクト10で構成されている。
貫通電極60は冷却ダクト20上に設置され、気密ケース50を貫通している。気密ケース50に形成された水冷配管25と貫通電極60の各貫通孔においては、それぞれの縁部が冷却ダクト20に溶接され、気密的にシールされている。この熱電変換システム1Bも自動車の排気ガス用であり、加熱ダクト10に排気ガスが流されて発電する。
この第2実施形態では、図7で下側の加熱ダクト10と気密ケース50との間に断熱体70が設置されている。断熱体70は、加熱ダクト10の下面全面を覆うサイズを有している。断熱体70は、例えばグラスウール等が好適に用いられる。加熱ダクト10は気密ケース50から断熱体70を介して熱電変換モジュール30に対し加圧される。このように気密ケース50内において加熱ダクト10と気密ケース50との間に断熱体70を挟んで設置することにより、加熱ダクト10の高温の熱が断熱体70で遮断されて気密ケース50に直接伝達せず、熱損失が抑えられるとともに安全性が向上する。
[6−2]第3実施形態
図8は、本発明の第3実施形態の熱電変換システム1Cを示している。この熱電変換システム1Cにおいては、中央の冷却ダクト20と、冷却ダクト20の図中上下に配された各加熱ダクト10との間に複数の熱電変換モジュール30がそれぞれ設置され、さらに各加熱ダクト10の外側に冷却ダクト20がそれぞれ配置されるとともに、それら外側の冷却ダクト20と加熱ダクト10との間に、複数の熱電変換モジュール30がそれぞれ設置されて積層構造体40が構成されている。この場合の積層構造体40の上下の最外層は冷却ダクト20で構成されている。そして積層構造体40は、上下の分割ケース51を合わせて溶接されてなる気密ケース50内に収容され、気密的に封止されている。
図8は、本発明の第3実施形態の熱電変換システム1Cを示している。この熱電変換システム1Cにおいては、中央の冷却ダクト20と、冷却ダクト20の図中上下に配された各加熱ダクト10との間に複数の熱電変換モジュール30がそれぞれ設置され、さらに各加熱ダクト10の外側に冷却ダクト20がそれぞれ配置されるとともに、それら外側の冷却ダクト20と加熱ダクト10との間に、複数の熱電変換モジュール30がそれぞれ設置されて積層構造体40が構成されている。この場合の積層構造体40の上下の最外層は冷却ダクト20で構成されている。そして積層構造体40は、上下の分割ケース51を合わせて溶接されてなる気密ケース50内に収容され、気密的に封止されている。
貫通電極60は最外層の各冷却ダクト20に対して設置され、気密ケース50を貫通している。各熱電変換モジュール30はこれら貫通電極60のいずれかに接続されている。中央の冷却ダクト20には、例えば上下いずれかの冷却ダクト20を介して冷却水が導入・排出されるように配管がなされている。気密ケース50に形成された水冷配管25と貫通電極60の各貫通孔においては、それぞれの縁部が冷却ダクト20に溶接され、シールされている。この熱電変換システム1Cも自動車の排気ガス用であり、加熱ダクト10に排気ガスが流されて発電する。
[7]加熱ダクトに流す高温媒体について
上記各実施形態の熱電変換システム1A〜1Cは、加熱ダクト10にエンジンの排気ガスを流す自動車用として説明したが、加熱ダクト10に流す高温媒体は、例えば工場やゴミ焼却炉等で発生する排熱ガス等も利用することができる。
上記各実施形態の熱電変換システム1A〜1Cは、加熱ダクト10にエンジンの排気ガスを流す自動車用として説明したが、加熱ダクト10に流す高温媒体は、例えば工場やゴミ焼却炉等で発生する排熱ガス等も利用することができる。
[8]極低温用に適用する形態
上記実施形態の熱電変換システム1A〜1Cは、冷却ダクト20に−10℃以下の極低温媒体を流す極低温用に適用することができる。その場合、加熱ダクト10内には例えば室温程度の水や海水などを流し、冷却ダクト20内には例えば液化天然ガス(LNG:−162℃以下)や液体水素(−253℃以下)等を流すことで、熱電変換モジュール30に温度差が付与され発電が行われる。なお、極低温用とする場合、加熱ダクト10内のフィン13を省略する場合がある。
上記実施形態の熱電変換システム1A〜1Cは、冷却ダクト20に−10℃以下の極低温媒体を流す極低温用に適用することができる。その場合、加熱ダクト10内には例えば室温程度の水や海水などを流し、冷却ダクト20内には例えば液化天然ガス(LNG:−162℃以下)や液体水素(−253℃以下)等を流すことで、熱電変換モジュール30に温度差が付与され発電が行われる。なお、極低温用とする場合、加熱ダクト10内のフィン13を省略する場合がある。
極低温用の熱電変換システムにおいては、積層構造体40の最外層が室温程度の水が流される加熱ダクト10である場合には、そのままの使用で問題ない。しかし、最外層に冷却ダクト20がある場合には、その冷却ダクト20と気密ケース50との間に断熱体を介在させる。これにより冷却ダクト20による極低温の熱が断熱体で遮断されて気密ケース50に直接伝達せず、熱損失が抑えられるとともに安全性が向上する。
本発明は、産業排熱などの高温熱源からの排ガスで加熱する熱電変換システムに適する。また、自動車の排気ガスで加熱する熱電変換システムにも適する。一方、冷熱源への適用としてLNG気化器用熱電変換システムにも適する。
1A,1B,1C…熱電変換システム
10…加熱ダクト
20…冷却ダクト
25…水冷配管(冷媒配管)
30…熱電変換モジュール
40…積層構造体
50…気密ケース
60…貫通電極
70…断熱体
G…排気ガス(高温媒体)
W…冷却水(低温媒体)
10…加熱ダクト
20…冷却ダクト
25…水冷配管(冷媒配管)
30…熱電変換モジュール
40…積層構造体
50…気密ケース
60…貫通電極
70…断熱体
G…排気ガス(高温媒体)
W…冷却水(低温媒体)
Claims (6)
- 加熱ダクトと、冷却ダクトと、これら加熱ダクトと冷却ダクトとの間に設置された熱電変換モジュールとを備えた積層構造体を有し、前記加熱ダクトと前記冷却ダクトとによって前記熱電変換モジュールに温度差が付与されて発電する熱電変換システムにおいて、
可撓性を有する気密ケース内に前記積層構造体が収容されるとともに気密的に封止され、該気密ケース内を真空または減圧雰囲気として該気密ケースの内外に圧力差を生じさせることにより、前記加熱ダクトと前記冷却ダクトとが該気密ケースによって前記熱電変換モジュールに対し加圧されることを特徴とする熱電変換システム。 - 前記加熱ダクトが常温よりも高温の高温媒体を熱源とし、該加熱ダクトが前記積層構造体の少なくとも一方の最外層を構成し、該加熱ダクトと前記気密ケースとの間に断熱体が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換システム。
- 前記冷却ダクトが極低温媒体を熱源とされ、該冷却ダクトが前記積層構造体の少なくとも一方の最外層を構成し、該冷却ダクトと前記気密ケースとの間に断熱体が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換システム。
- 前記冷却ダクトには前記気密ケースを貫通する冷媒配管が接続され、該気密ケースにおける該冷媒配管の貫通部が気密的にシールされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換システム。
- 前記熱電変換モジュールの発電を前記気密ケース外に取り出す貫通電極が該気密ケースを貫通して設置され、該気密ケースにおける該冷媒配管の貫通部が気密的にシールされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱電変換システム。
- 前記加熱ダクトと前記熱電変換モジュールとの間、および前記冷却ダクトと前記熱電変換モジュールとの間に、緩衝材が介在されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱電変換システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015186927A JP2017063091A (ja) | 2015-09-24 | 2015-09-24 | 熱電変換システム |
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JP2015186927A JP2017063091A (ja) | 2015-09-24 | 2015-09-24 | 熱電変換システム |
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Cited By (2)
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CN108023505A (zh) * | 2017-12-20 | 2018-05-11 | 华南理工大学 | 管-排式温差发电器 |
CN110720147A (zh) * | 2017-06-08 | 2020-01-21 | Lg伊诺特有限公司 | 热转换装置 |
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2015
- 2015-09-24 JP JP2015186927A patent/JP2017063091A/ja active Pending
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CN110720147A (zh) * | 2017-06-08 | 2020-01-21 | Lg伊诺特有限公司 | 热转换装置 |
CN110720147B (zh) * | 2017-06-08 | 2023-10-31 | Lg伊诺特有限公司 | 热转换装置 |
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