JP2017061107A - オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法 - Google Patents

オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017061107A
JP2017061107A JP2015188380A JP2015188380A JP2017061107A JP 2017061107 A JP2017061107 A JP 2017061107A JP 2015188380 A JP2015188380 A JP 2015188380A JP 2015188380 A JP2015188380 A JP 2015188380A JP 2017061107 A JP2017061107 A JP 2017061107A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blanket
pattern
ink
pattern density
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015188380A
Other languages
English (en)
Inventor
芳邦 竹市
Yoshikuni Takeichi
芳邦 竹市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2015188380A priority Critical patent/JP2017061107A/ja
Publication of JP2017061107A publication Critical patent/JP2017061107A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)

Abstract

【課題】印刷するパターンのパターン密度がどのようなものであっても、ブランケットを用いたオフセット印刷における連続印刷中の印刷品質を維持することのできる技術を提供する。
【解決手段】版ステージユニット4に設置された版に形成されたパターンを被印刷体であるワーク17に印刷するオフセット印刷装置であって、インクからブランケット12に吸収された溶媒を、乾燥させるための光源を有する分割型乾燥ユニット15と、パターンの連続印刷中に、パターン密度に応じて、パターン密度がより高い場合には、パターン密度がより低い場合と比較して、ブランケット12に吸収された溶媒の濃度が低くなるように、分割型乾燥ユニット15の光源による光の照射量を制御する制御部19と、さらに備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子デバイスのパターンを印刷により形成するためのオフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法に関する。
現在、電子デバイスの製造において、簡単な工程で回路パターンを形成でき、感光性樹脂を除去する必要もないことから、インクジェット印刷や、スクリーン印刷の技術を用いて回路パターンを形成する方法が用いられる場合がある。しかしながら、これらの印刷技術では印刷線幅の細線化に限界があるのが実情であった。また、回路パターン形成のために、フォトリソグラフィと呼ばれる技術が用いられる場合がある。このフォトリソグラフィにおいては、基板へのレジスト塗布、レジストの乾燥、露光、現像を行なうことで、レジストが所望の形状にパターニングされ、さらに、このレジスト膜をマスクとしてエッチング処理が行われる。従って、フォトリソグラフィにおいては、工程数が増加し、製造コストが高くなるという課題があった。
これに対し、数μm〜30μmの細線領域にも対応でき、工程が少なく低コストなパターン形成方法として、表面がシリコーンゴムからなる印刷用ブランケット(以下、単に「ブランケット」ともいう。)を用いたグラビアオフセット印刷技術が注目されている。このグラビアオフセット印刷においては、商用グラビアオフセット印刷とは異なり、ブランケット上に受理されたインクペーストを被印刷物であるワークに安定的に完全に転写する必要がある。そして、グラビアオフセット印刷においては、インクペースト中の特定の成分(例えば、溶媒など)がブランケットに吸収され、インクペーストのワークへの密着力>インクペーストの凝集力>インクペーストのブランケットへの密着力という関係が成り立つことにより、ブランケット上に受理されたインクペーストをワークに完全に転写することが可能となる。
しかしながら、ブランケットを用いたグラビアオフセット印刷技術には、印刷開始初期における印刷性が不安定になるという課題がある。これは、印刷を開始する前のブランケットにはインクペーストの溶媒が全く含まれていないことから、ブランケットが版からインクペーストを受理すると溶媒がブランケットの内部に素早く吸収され、ブランケット上のインクペーストが早い段階で乾燥し、ブランケットから被印刷体への転写性が低下することが原因と考えられる。
これに対し、印刷開始前にブランケットを溶媒に所定時間浸漬させるなどして、ブランケットに予め適量の溶媒を吸収させておく対策が考えられる。これにより、初回の印刷から印刷性を安定させることが可能となる。
一方、印刷開始後にある程度印刷が繰り返されることでインクペーストの溶媒がブランケットに吸収され、溶媒の吸収速度が低下することにより、完全転写可能になるブランケット上でのインクペーストの保持時間が長くなり、最終的には、完全転写が困難となる場合がある。これに対し、ブランケットを乾燥させる方法(熱風に晒す、真空吸引など)や溶剤吸収シートを密着させる方法などにより、溶剤をブランケットから除去することでブランケットの膨潤状態を回復させることが行われている。これにより、連続印刷中の印刷品質を安定させることが可能である。
これに関しては、ブランケットの乾燥処理領域に、空気噴射ノズルより空気を吹き付け、この吹き付ける空気によりブランケットを局所的に押し潰すように変形させて、ブラン
ケットに吸収されていた印刷インクの溶媒を搾り出し、搾り出された溶媒を空気の流れによって直ちに吹き飛ばすと共に、排気装置へ吸引させて回収させる技術(たとえば、特許文献1を参照)等が公知である。
上記の対策に関し、さらに、連続印刷中の印刷品質を安定させるためにブランケットに残存しているべき溶媒の濃度が、印刷するパターンのパターン密度によって異なることが分かってきた。すなわち、パターン密度が高い場合にはインクペーストからブランケットに吸収される溶媒の量が比較的多いため、印刷前に残存させておくべき溶媒の濃度は比較的低くなる。一方、パターン密度が低い場合にはインクペーストからブランケットに吸収される溶媒の量が比較的少ないため、印刷前に残存させておくべき溶媒の濃度は比較的高くなる。このことから、印刷するパターンのパターン密度をも考慮して、連続印刷中のブランケットにおける溶媒の濃度を制御することが要求されている。
特開2012−143988号公報 特開2015−85538号公報
鳥井純一ら、「超ファインメンブレン配線板」、フジクラ技報、Vol.1第124号、pp. 30−33、2013.
本発明は、上記のような状況を鑑みて発明されたものであり、その目的は、印刷するパターンのパターン密度がどのようなものであっても、ブランケットを用いたオフセット印刷における連続印刷中の印刷品質を維持することのできる技術を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、印刷するパターンが形成された版が設置される版ステージユニットと、
円柱状の形状を有し、ブランケットが外周面に設けられるとともに、前記版上を回転しつつ相対移動することで前記ステージユニットに設置された版に充填されたインクを前記ブランケット上に受理するローラユニットと、
前記パターンが印刷される被印刷体が設置されるとともに、前記インクが前記ブランケット上に受理されたローラユニットが前記被印刷体上を回転しつつ相対移動することで前記被印刷体に前記インクを転写させるワークステージユニットと、を備え、
前記版に形成されたパターンを前記被印刷体に印刷するオフセット印刷装置であって、
前記インクから前記ブランケットに吸収された所定成分を、前記ブランケットから除去する除去手段と、
前記パターンの連続印刷中に、前記パターンにおけるパターン密度に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い場合には、パターン密度がより低い場合と比較して、前記ブランケットに吸収された所定成分の濃度が低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を制御する除去量制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
これによれば、印刷するパターンのパターン密度まで考慮した上で、パターンの連続印刷中にブランケット内の前記所定成分の濃度を最適に維持することが可能である。その結果、印刷するパターンのパターン密度に拘わらず、オフセット印刷における連続印刷中の印刷品質を安定させ維持させることが可能になる。
なお、上記において所定成分とは、インクが例えばシリコーンゴムからなるブランケットに受理された場合に、インクの成分のうちインクからブランケットに吸収される成分であり、例えば、インクとしての銀ペーストに含まれる溶媒である溶剤や、インクとしてのレジストに含まれる溶媒である溶剤、モノマー、オリゴマー、フィラー等がこれに相当する。
また、本発明においては、前記除去量制御手段は、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度が、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度と比較して、低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を制御するようにしてもよい。
そうすれば、印刷するパターンにおいて、パターン密度の分布がある場合には、連続印刷中に、ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度が、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度と比較して、低くなるようにできる。その結果、印刷するパターンのパターン密度の分布がある場合でも、パターン密度に拘わらず、パターン全面において、オフセット印刷における連続印刷中の印刷品質を安定させ維持させることが可能になる。
また、本発明においては、前記除去量制御手段は、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域においては、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域と比較して、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を多くするようにしてもよい。
そうすれば、印刷するパターンにおいて、パターン密度の分布がある場合には、連続印刷中に、ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域からは、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域と比較して、より多くの所定成分を除去するようにできる。その結果、印刷するパターンのパターン密度の分布がある場合でも、パターン密度に拘わらず、パターン全面において、より確実に、オフセット印刷における連続印刷中の印刷品質を安定させ維持させることが可能になる。
印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記除去量制御手段は、予め前記記憶手段に記憶された前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域においては、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域と比較して、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を多くしてもよい。
これによれば、予め印刷するパターンにおけるパターン密度の分布を、例えばパターン設計時のCADデータなどから取得し、これを記憶しておくことができる。そして、除去手段が所定成分をブランケットから除去する際には、当該記憶されたデータに基づいて除去量を制御することが可能である。その結果、版ステージユニットにおけるパターンのパターン密度や、ブランケットに受理されたインクのパターン密度を計測するというような手間をかけることなく、パターン密度を得ることが可能である。そして、パターン密度に拘わらず、パターン全面においてより簡単に、より精度よく、オフセット印刷における連続印刷中の印刷品質を安定させ維持させることが可能になる。
また、本発明においては、前記除去手段は、前記ローラユニットの外周面に対向して配置されるとともに少なくとも該ローラユニットの軸方向に並べられた複数の光源を有し、前記ブランケットにおける各領域に光を照射する光照射ユニットであり、
前記除去量制御手段は、前記パターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に対向する光源からの光の照射量を、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に対向する光源からの光の照射量と比較して、より多くしてもよい。
また、本発明においては、前記除去手段は、前記ローラユニットの外周面に対向して配置されるとともに少なくとも該ローラユニットの軸方向に並べられた複数の熱源を有する加熱ユニットであり、
前記除去量制御手段は、前記パターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に対向する熱源からの発熱量を、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に対向する熱源からの発熱量と比較して、より多くしてもよい。
また、本発明は、パターンが形成された版にインクを充填させるインク充填工程と、
前記版に充填された前記インクをブランケットに受理させる受理工程と、
前記ブランケットに受理された前記インクを被印刷体であるワークに転写する転写工程と、を備えたオフセット印刷方法において、
前記パターンの連続印刷中に、前記インクのうち前記ブランケットに吸収された所定成分を前記ブランケットから除去する除去工程をさらに有し、
前記除去工程においては、前記パターンにおけるパターン密度に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い場合には、パターン密度がより低い場合と比較して、前記ブランケットに吸収された所定成分の濃度が低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の除去量を制御することを特徴とするオフセット印刷方法であってもよい。
その場合、前記除去工程においては、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度が、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度と比較して、低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の除去量を制御するようにしてもよい。
また、前記除去工程においては、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域においては、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域と比較して、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の除去量を多くしてもよい。
なお、上述した、課題を解決するための手段は適宜組み合わせて使用することが可能である。
本発明によれば、印刷するパターンのパターン密度がどのようなものであっても、ブランケットを用いたオフセット印刷における連続印刷中の印刷品質を安定させ維持させることが可能となる。
従来のオフセット印刷装置を示す図である。 オフセット印刷装置の動作を説明するための図である。 オフセット印刷装置の動作を説明するための第2の図である。 グラビアオフセット印刷のインクの受理及び転写の機序を説明するための図である。 オフセット印刷で連続印刷した場合の、連続印刷回数と線幅、平均膜厚及びピーク膜厚の変化について示したグラフである。 パターン密度が高い場合とパターン密度が低い場合とについて、オフセット印刷で連続印刷した際の、線幅の変化について示したグラフである。 本発明の実施例1におけるオフセット印刷装置を示す図である。 本発明の実施例1におけるオフセット印刷装置を示すブロック図である。 本発明の実施例1におけるオフセット印刷装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例1における印刷するパターンの分割例を示す図である。 本発明の実施例1において印刷するパターンのパターン密度と光照射量との関係の例を示すグラフである。 本発明の実施例2におけるオフセット印刷装置を示す図である。
<実施例1>
以下、本願発明の実施例について図を参照しながら説明する。以下に示す実施例は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。図1には、先ず一般的なグラビアオフセット印刷装置1(以下、単に「オフセット印刷装置」または「印刷装置」ともいう。)の概略構成を示す。図1(a)は平面図、図1(b)は正面図である。なお、以下において図1(a)及び(b)における紙面左右方向を印刷装置1の左右方向、図1(b)における紙面上下方向を印刷装置1の上下方向と定義する。これは以下に示される他の印刷装置についても同様とする。
図1に示すように、印刷装置1は、ベースユニット2上に印刷のための版が設置される版ステージユニット4、版ステージユニット4に設置された版にインクペーストである銀ペーストを供給するインク供給ユニット6、版ステージユニット4上のインクペーストを、外周面に巻かれたブランケット12上に一旦受理する回転可能なローラユニット8、ローラユニット8のブランケット12上に受理されたインクペーストを転写する被印刷体であるワークが設置されるワークステージユニット9等が載置されることにより構成されている。また、ローラユニット8の上方には、ローラユニット8のブランケット12の表面に対向するように配置され、ブランケット12に赤外線を照射して乾燥させる乾燥ユニット7が備えられている。なお、版ステージユニット4、ワークステージユニット9はボールネジ、モータ等からなる図示を省略する駆動機構により左右方向に移動する。
次に、図2及び図3を用いて、印刷装置1の動作について説明する。まず、印刷のための準備として、版ステージユニット4に版14が設置される。版14はガラス、樹脂、金属などで作製されたグラビアオフセット印刷用の凹版である。そして、この凹版の凹部によって印刷するパターンが形成されている。ここで、電子デバイスのパターン印刷のように、印刷の目的が極めて微細なパターンを高い精度で形成することにある場合には凹版を用いるのが好ましい。凹版を用いることにより、凸版や平版を用いた場合よりも微細かつ高精度の印刷を実現することができる。また、凹部の深さを変えることでパターンの膜厚を容易に制御することが可能となる。
また、印刷開始前に、ワークステージユニット9に被印刷体であるワーク17がロードされる。このワーク17としては、印刷の用途等に応じて種々のものが使用可能である。例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガ
ラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート等の樹脂フィルムまたは樹脂板、金属薄板、セラミック等でもよい。
版ステージユニット4に版14が設置され、ワークステージユニット9に被印刷体であるワーク17がロードされた後に、インク供給ユニット6によりインクペーストが供給され、さらに、図2(a)に示すように、版14の凹部14a内に、ドクターブレード16によってインクペーストが充填される。実際には、版ステージユニット4が、図中右側に直線移動し、固定されたドクターブレード16が版ステージユニット4に対し相対的に左側に移動することにより、版14の上のインクを凹部14aに充填する。次に、図2(b)に示すように、凹部14a内にインクペーストが充填された版14が、図中左から右方向に直線移動する。そして、版ステージユニット4がローラユニット8の下側に進入すると、ローラユニット8は、ブランケット12の表面が版14の表面に接した状態で、版ステージユニット4の直線移動に同期して回転し、図2(c)に示すように、版14の凹部14a内のインクペーストがブランケット12上に受理される。
次に、図3(a)に示すように、ワーク17が載置されたワークステージユニット9が、図中右から左方向に直線移動する。そして、ワークステージユニット9がローラユニット8の下側に進入すると、ローラユニット8は、ブランケット12の表面がワーク17の表面に接した状態で、ワークステージユニット9の直線移動に同期して回転し、図3(b)に示すように、ブランケット12上のインクペーストがワークステージユニット9に載置されたワーク17上に転写される。その後、印刷が完了したワーク17が、ワークステージユニット9からアンロードされ、次に印刷すべきワーク17が、ワークステージユニット9にロードされる。
次に、上記したオフセット印刷においてインクペーストがブランケット12に受理される際と、ブランケット12上のインクペーストがワーク17に転写される際に生じている現象の詳細について図4を用いて説明する。まず図4(a)の受理工程において、インクペーストが版14の凹部14aの表面からブランケット12の表面に受理される。そして、図4(b)に示すように、インクペーストがブランケット12上に保持されている状態において、インクペースト中の所定成分としての溶媒がブランケット12に吸収されるとともに、空気中にも蒸発する。このことにより、インクペースト中の溶媒が減少しインクペーストの粘度が上昇する。
そして、図4(c)に示すように、ブランケット12上でインクペーストが凝集し、ブランケット12とインクペーストとの界面の剥離性が向上する。そして、インクペースト内部の結合力f2がインクペーストとブランケット12との密着力f3より大きく、さらにインクペーストとワーク16との密着力f4がインクペースト内部の結合力f2より大きい状態で、ワーク17に転写されることで、ブランケット12上のインクペーストがワーク17に全て(100%)転写される。
しかしながら、ワーク17への転写タイミングにおいて、インクペースト内の溶媒のブランケット12への吸収が過剰な場合には、インクペーストの表面が過剰に乾燥・固化してしまい、図4(d)に示すように、インクペーストとワーク17との密着力f4が小さくなり、インクペーストがワーク17に転写されずブランケット12に残ってしまう場合がある。また、ワーク17への転写タイミングにおいて、インクペースト内の溶媒のブランケット12への吸収が不十分な場合には、インクペースト内部の結合力f2が小さいため、インクペーストが分断し100%の転写が困難となる場合がある。このように、オフセット印刷による印刷品質は、インクペーストの溶媒のブランケット12への吸収量によって大きく左右される。
ここで、新品のブランケット12を使用してオフセット印刷を開始した場合には、ブランケット12中における溶媒の初期濃度が低いために溶媒の吸収速度が速く、インクペーストとワーク17との密着力f4が小さくなり、インクペーストがワーク17に転写されずにブランケット12に残り易くなる。また、逆にブランケット12中の溶媒濃度が高すぎる場合には、吸収速度が遅くなり、ブランケット12とインクペーストとの密着力f3が高くなるとともにインクペーストの内部結合力f2が低くなるために、インクペーストの分断が生じ易くなる。
このことに関し、図5には、新しいブランケット12を使用してオフセット印刷を行う場合の、印刷枚数と転写されたパターンの線幅、ピーク膜厚、平均膜厚との関係を示す。図5において横軸は連続印刷回数、縦軸は転写された線幅、平均膜厚及びピーク膜厚を示す。また、図5のベースとなるパターンのL/S(Line and Space)は30/30(線幅と線間隔が各30μm)である。図5に示すように、新しいブランケット12を使用した場合には、印刷開始当初は、ブランケット12中における溶媒の初期濃度が低いために線幅、ピーク膜厚、平均膜厚ともに印刷毎に不安定であるが、50枚程度の連続印刷を行うことで、ブランケット12内の溶媒の濃度が適度な値となり、印刷品質が安定する。
なお、その際、連続印刷枚数が増加すると、逆にブランケット12中の溶媒濃度が過剰に高くなる場合がある。このような場合は、インクペーストからブランケット12への溶媒の吸収速度が遅くなり、インクペーストの分断が生じ易くなる。これに対し、ブランケット12中の溶媒濃度が過剰とならないようにブランケット12に外部から熱を与えるなどの方法で、ブランケット12中の溶媒を蒸発させて除去している。これにより、連続印刷の枚数が増加した場合にも、ブランケット12内の溶媒の濃度が適度な値となり、印刷品質を安定させることができる。
次に、オフセット印刷における印刷品質に対するパターン密度の影響について説明する。ここで、印刷するパターンのパターン密度により、印刷品質に最適なブランケット12内の溶媒濃度が異なることが分かってきた。具体的には、太線部分、L/Sの密集部分、ベタ印刷部分など、パターン密度が高い部分に対しては、ブランケット12内の溶媒濃度は低い方が望ましく、細線、単独線部分など、パターン密度が低い部分に対しては、ブランケット12内の溶媒濃度が高い方が望ましい。これは、パターン密度が高い部分においては、パターン密度が低い部分と比較してインクペーストの受理の際に、より早い溶媒の吸収速度が求められることによる。
図6には、パターン密度が高い部分(A/B)と、パターン密度が低い部分(C/D)における連続印刷枚数と線幅の関係を示す。図6から分かるように、連続印刷枚数が50枚以下の状態においては、ブランケット12に吸収されている溶媒の濃度が低いので、パターン密度が高い部分(A/B)における線幅が、パターン密度が低い部分(C/D)における線幅より太く、印刷品質が高くなっていることが分かる。また、連続印刷枚数が増加するにつれて、ブランケット12に吸収されている溶媒の濃度が高くなり、パターン密度が高い部分(A/B)における線幅と、パターン密度が低い部分(C/D)における線幅との差が小さくなっていることが分かる。このように、パターン密度が高い部分(A/B)は、ブランケット12に吸収されている溶媒の濃度が低い場合に相対的に印刷品質が高く、パターン密度が低い部分(C/D)は、ブランケット12に吸収されている溶媒の濃度が高い場合に相対的に印刷品質が高くなる。
そこで、本発明においては、実際に印刷すべき電子デバイスのパターンを複数の部分に分割し、分割した各部分におけるパターン密度を取得し、取得された各部分のパターン密度に対して良好な印刷品質を得ることができる溶媒濃度の値または溶媒濃度に相当する値
を導出する。そして、パターンにおいて分割された各部分に相当するブランケット12の領域の溶媒濃度が、パターン密度に応じた良好な印刷品質を得ることができる値となるように、ブランケット12における連続印刷中の溶媒濃度を制御することとした。
図7には、本実施例に係る印刷装置10を示す。印刷装置10においては、前述した一般的な印刷装置1に対して、印刷開始前にブランケット12に溶媒を塗布する塗布ユニット18を備え、また、乾燥ユニットが、ローラユニット8の軸方向に並んだ複数のLED光源を備え、各光源からブランケット12への光の照射量を独立に変更可能な分割型乾燥ユニット15である点が異なる。その他の構成は同じであるので同じ符号を用いるとともに説明は省略する。なお、本実施例における分割型乾燥ユニット15は除去手段及び光照射ユニットに相当する。
図8には、本実施例に係る印刷装置10のブロック図を示す。印刷装置10は、版ステージユニット4、インク供給ユニット6、塗布ユニット18、ローラユニット8、ワークステージユニット9、分割型乾燥ユニット15とともに、これらを制御する除去量制御手段としての制御部19を備えている。この制御部はCPU(中央演算装置)を含んで形成されており、印刷装置10の内部に格納されていてもよいし、電気的に接続された外部のパソコン内のものを使用してもよい。また、この制御部19には、記憶手段としての記憶部21が接続されている。記憶部21は、ROM、RAM等からなり、後述するように、分割型乾燥ユニット15からの光の照射量を制御する際に使用するテーブルや、印刷するパターンの設計データが記憶されている。
次に、本実施例における印刷装置10の動作について図9に示すフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、制御部19によって実施される。まず、ステップS101においては、ローラユニット8が回転を開始するとともに、ブランケット12上に、塗布ユニット18によって溶媒が塗布される。この際の塗布量は、印刷初期に安定した印刷品質が得られる塗布量として予め定められた量である。また、この場合は、ブランケット12のインクペーストが受理される領域の全面に一定量の溶媒が塗布される。ステップS101の処理が終了するとステップS102に進む。
ステップS102においては、印刷するパターンを複数の部分に分割し、別途取得され記憶部21に記憶されたパターンの設計データから、分割された各部分のパターン密度が導出される。より具体的には、パターン密度は例えば、パターン密度の導出の対象である部分の面積をS1、その部分の中のパターンの合計面積をS2とした場合に、

パターン密度D=S2/S1・・・・(1)

という計算式に基づいて導出してもよい。ステップS102の処理が終了するとステップS103に進む。
ステップS103においては、導出されたパターン密度と、当該パターン密度に最適な光の照射量との関係を格納し記憶部21に記憶されたテーブルより、ブランケット12において、パターンを分割した各部分に相当する領域への光の照射量が決定される。より詳細には、パターン密度がより高い部分に相当する領域においては、分割型乾燥ユニット15からの光の照射量をより多くし、パターン密度の低い部分に相当する領域においては、分割型乾燥ユニット15からの光の照射量をより少なくする。ステップS103の処理が終了するとステップS104に進む。
ステップS104においては、ステップS102において分割されたパターンの各部分のインクペーストが受理されるべきブランケット12上の領域に、ステップS103にお
いて決定された量の光が分割型乾燥ユニット15によって照射され始める。より具体的には、分割型乾燥ユニット15における複数のLED光源が、各々独立に、対向しているブランケット12上の領域におけるパターン密度に対して最適な照射量の光を照射する。この照射量を制御する際には、LEDによる照射強度を変更しても良いし、各LEDのON/OFFを制御して照射時間を変更しても構わない。ステップS104の処理が終了するとステップS105に進む。
ステップS105においては、版14の凹部14a内に、インクペーストが充填される。具体的には、版ステージユニット4が、図7における右側に移動し、インク供給ユニット6の下を通過する際に、インク供給ユニット6が有するノズルからインクペーストが供給されるとともにドクターブレード16によってインクペーストが版14の上に延ばされ、凹部14a内に充填される。ステップS105の処理が終了するとステップS106に進む。
ステップS106においては、分割型乾燥ユニット15によるブランケット12への光の照射が終了する。ステップS106の処理が終了するとステップS107に進む。ステップS107においては、凹部14a内にインクペーストが充填された版14を載置した版ステージユニット4が、ステップS105の状態からさらに、図7における右方向に移動する。そして、版ステージユニット4がローラユニット8の下側に進入すると、ローラユニット8は、ブランケット12の表面が版14の表面に接した状態で、版ステージユニット4の直線移動に同期して回転し、版14の凹部14a内のインクペーストがブランケット12上に受理される。なお、その後、版ステージユニット4は図中左側に移動し初期位置に戻るが、その時点ではローラユニット8は図中上側に移動し、インクペーストが受理された状態のブランケット12が版14に接触しないようになっている。ステップS107の処理が終了するとステップS108に進む。
ステップS108においては、ワーク17が載置されたワークステージユニット9が、図中右から左方向に直線移動する。そして、ワークステージユニット9がローラユニット8の下側に進入すると、ローラユニット8は、ブランケット12の表面がワーク17の表面に接した状態で、ワークステージユニット9の直線移動に同期して回転し、ブランケット12上のインクペーストがワークステージユニット9に載置されたワーク17上に転写される。そして、その後、ワークステージユニット9は図中右に移動し初期位置に戻るが、その時点ではローラユニット8は図中上側に移動し、ブランケット12がワーク17に接触しないようになっている。ステップS108の処理が終了するとステップS109に進む。
ステップS109においては印刷が終了したかどうかが判定される。ここでは、予め印刷枚数がセットされ、ステップS109の実行の度にセットされた変数を1ずつ減少させ、当該変数が零になったか否かを判定してもよい。ステップS109において印刷が終了していないと判定された場合には、ステップS104に戻る。一方、ステップS109において印刷が終了したと判定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。本実施例では、ステップS104で分割型乾燥ユニット15による光の照射が開始され、ステップS106で光の照射が終了するまで、分割型乾燥ユニット15による光の照射が継続することとなる。なお、本実施例において上記のステップS102〜ステップS104、S106の処理を行う制御部19は、除去量制御手段に相当する。また、本実施例においてステップS105は充填工程、ステップS107は受理工程、ステップS108は転写工程に相当する。
図10には、印刷すべき電子デバイスのパターンの分割例のイメージ図を示す。図10では、パターン内を所定の寸法で領域分割(1−1、1−2、・・・・n−m)し、各領
域毎にパターン密度を求めている。また、図11には、予めテーブルに記憶しておく、パターン密度と分割型乾燥ユニット15からの光照射量の関係の例を図示する。パターン密度と光照射量の関係は、図11のa.に示すような上に凸の曲線状の関係であってもよいし、b.に示すような直線関係であってもよいし、c.に示すような下に凸の曲線状の関係であってもよい。さらに、他の曲線で示される関係であってもよい。これにより、印刷するパターンのパターン密度に応じて連続印刷中の溶媒の濃度を最適にすることができ、パターン密度に拘わらず、連続印刷中において良好な印刷品質を得ることが可能となる。
上記の実施例においては、分割型乾燥ユニット15は、ローラユニット8の軸方向に並んだ複数のLED光源を備えたものであったが、分割型乾燥ユニット15の構成はこれに限られない、例えば、複数のLED光源でなく、複数の赤外線光源や複数の半導体レーザ光源を備えるものであってもよい。また、例えば、ローラユニット8の軸方向に並んだ複数の電熱コイルを備え、この複数の電熱コイルに独立に通電するとともに、パターンのパターン密度に応じて通電量または通電時間を変更するものであってもよい。この場合の分割型乾燥ユニット15は、加熱ユニットに相当する。
本実施例によれば、印刷開始前においては、溶媒の塗布ユニット18によって、パターン密度に応じた量の溶媒をブランケット12に吸収させることにより、パターンのパターン密度に依らず印刷初期の印刷品質を向上させることができるとともに、連続印刷の実施中には、分割型乾燥ユニット15によって、パターン密度に応じた量の溶媒をブランケット12から除去(蒸発)させることにより、パターンのパターン密度に依らず連続印刷中の印刷品質を向上させることが可能となる。なお、本実施例においては、ステップS104で分割型乾燥ユニット15による光の照射が開始され、ステップS106で光の照射が終了し、光の照射(溶媒の蒸発)が連続印刷中に間欠的に行われるようになっているが、本発明における分割型乾燥ユニット15の制御はこれに限られるものではない。連続印刷の開始直前に光の照射(溶媒の蒸発)を開始し連続印刷の終了まで光の照射を継続しても良く、また、光の照射(溶媒の蒸発)のON、OFFを制御部19によって適宜切り換えても良い。あるいは、印刷品質を検知しながら印刷品質の劣化の程度が閾値以上になった場合に光の照射(溶媒の蒸発)を行う等の制御方法を採用しても構わない。
<実施例2>
次に、本発明における実施例2について説明する。上記の実施例1においては、除去手段及び光照射ユニットとして分割型乾燥ユニット15を使用した例について説明した。本実施例では、除去手段及び光照射ユニットとして、ローラユニット8の外周面に設けられたブランケット12上に、ローラユニット8の軸方向に高速にレーザ光を走査させる走査作型乾燥ユニット23を備えた例について説明する。
図12には、本実施例における印刷装置20の概略図を示す。印刷装置20と実施例1において説明した印刷装置10との相違点は、印刷装置20においては、内部に走査光学系を有する走査型乾燥ユニット23を備えた点である。走査型乾燥ユニット23は、レーザ光源23aと、ポリゴンミラー23b、f−θレンズ23c、折り返しミラー23dを内部に有している。
走査型乾燥ユニット23においては、レーザ光源23aから出射されたレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー23bの側面で反射され、f−θレンズ23cを通過し、折り返しミラー23dで方向を変えられた後に、ブランケット12上に照射される。そして、レーザ光が、ローラユニット8の軸方向に沿ってブランケット12上を走査する。レーザ光が、図10に示したような、パターンを分割した各部分からのインクペーストを受理する領域の上を走査する際には、その領域におけるパターン密度に応じた照射光量となるようにレーザ光が制御される。
具体的には、レーザ光源23aをパルス発光させておき、領域毎のパターン密度が高いほど、当該領域に照射されるパルス数が多くなるように、レーザ光源23aの発光パターンを制御してもよい。あるいは、領域毎のパターン密度が高いほど、当該領域に照射されるレーザ光の強度が大きくなるように、レーザ光源23aの出力を制御してもよい。その際の、パターン密度と走査型乾燥ユニット23から当該領域への合計光照射量との関係は、図11に示す例と同様のものであってよい。
以上、本実施例で説明したような走査型乾燥ユニット23によっても、印刷するパターンのパターン密度に応じて連続印刷中のブランケット12中の溶媒濃度を最適にすることができ、パターン密度に拘わらず、連続印刷中において良好な印刷品質を維持することが可能となる。
なお、本実施例に係る印刷装置20のブロック図は、図8に示した印刷装置10についてのブロック図における分割型乾燥ユニット15を、走査型乾燥ユニット23に変更したものとなる。
<実施例3>
次に、本発明における実施例3について説明する。上記の実施例1及び2においては、印刷するパターンのパターン密度に応じて、除去手段としての分割型乾燥ユニット15または走査型乾燥ユニット23によるブランケット12からの溶媒の除去量(乾燥量)を、オープン制御によって制御する例について説明した。本実施例では、フランケット12の膨潤状態を検知しつつ、ブランケット12からの溶媒の除去量(乾燥量)をフィードバック制御する例について簡単に説明する。
本実施例に係る印刷装置と図7または図12に示した印刷装置10、20との相違点は、ブランケット12の膨潤状態を、その厚みを光学的に測定することで検出する膨潤状態検出装置(不図示)を備えていることである。それ以外は、本実施例に係る印刷装置のハード構成は、図7、図12に示したものと同等でよい。また、膨潤状態検出装置以外については、ブロック図も図8に示したものと同等でよい。そして、本実施例において記憶装置22に記憶されている、図11に示すテーブルの縦軸は、ブランケット12の膨潤状態すなわち、ブランケット12の厚みの目標値である。なお、膨潤状態検出装置(不図示)は、ローラユニット8の軸方向に並べられた複数のレーザプローブからレーザ光をフランケット12の表面に照射しその反射光を受光することで、レーザプローブからブランケット12の表面までの距離をブランケット12の領域毎に測定するものであってもよい。
本実施例においても、図9に示したフローチャートに沿った制御が行われてもよい。そして、ステップS104においてブランケット12に対する光照射が始まった後、ステップS108において印刷が終了したと判定されるまでは、上記の膨潤状態検出装置でブランケット12の各領域の厚みを測定し、測定された当該領域の厚みが、テーブルで指定された、パターン密度に応じた厚みとなるようにフィードバック制御を行う。これによれば、より確実に、ブランケット12内の領域毎の溶媒濃度を、パターン密度に応じて、パターン密度がより高い場合には、パターン密度がより低い場合と比較して低くするように制御することが可能となる。
上記のフィードバック制御は、制御部19で行われる。よって、本実施例において除去量制御手段は制御部19と膨潤状態検出装置(不図示)を含んで構成される。
なお、上記の実施例においては、印刷されるパターンが形成された版14も被印刷体であるワーク17もシート状であるシートtoシート印刷システムに本発明を適用した例に
ついて説明した。しかしながら、本発明が適用されるのは、上記の実施例のようなシートtoシート印刷システムに限られない。例えば、版14がローラ状、ワーク17がシート状であるロールtoシートタイプの印刷システム、版14もワーク17もローラ状であるロールtoロールタイプの印刷システム及び、版14がシート状、ワーク17がローラ状であるシートtoロールタイプの印刷システムに適用しても構わない。
また、上記の実施例においては、本発明がグラビアオフセット印刷の印刷装置に適用された例について説明したが、本発明は、グラビアオフセット印刷以外のオフセット印刷装置に適用されてもよい。具体的には、版上にインクペーストが供給される際に、凹部にインクペーストが充填される印刷装置のみならず、版上に形成された凸部や平板上にインクペーストが供給される印刷装置にも適用可能である。
また、上記の実施例においては、印刷されるパターンを、その外径に平行な分割線によって格子状に分割したが、これは一例に過ぎず、分割の仕方は適宜変更が可能である。また、特に印刷されるパターンにパターン密度の分布がない場合には、分割する必要はなく、全体のパターン密度に応じて、ブランケット12への光の照射量を決定すればよい。その場合でも、図11に示すようなテーブルは利用可能である。
さらに、上記の実施例においては、印刷されるパターンの設計データを記憶しておき、この設計データに基づいて印刷されるパターンのパターン密度を導出することとした。しかしながら、パターン密度を導出する際のデータのソースはこれに限られず、実際の版14の写真を撮影し、撮影された画像データからパターン密度を導出する等の方法を採用してもよい。
加えて、上記の実施例においては、インクペーストが回路形成用の銀ペーストであり、ブランケット12に吸収される所定成分が、インクペーストの溶媒である場合について説明したが、インクペーストは例えばレジストであってもよく、その場合にブランケット12に吸収される所定成分は溶媒の他、モノマー、オリゴマー、フィラー等であってもよい。
なお、上記の実施例に係る印刷装置においては、塗布ユニット18を備え、連続印刷の開始前にブランケット12上に塗布ユニット18から溶媒を塗布し、連続印刷の開始初期から安定した印刷品質が得られるようにしたが、本発明が適用される印刷装置は、この制御が行われるものに限られない。本発明は、連続印刷の開始前に、ブランケット12に溶媒を塗布しない印刷装置にも適用可能である。このような印刷装置おいても、連続印刷を続けるうちに、ブランケット12に受理されるインクペーストから溶媒がブランケット12に吸収されるが、その場合でも、ブランケット12に残存しているべき溶媒の濃度は、印刷するパターンのパターン密度によって異なる。
よって、本発明を、連続印刷の開始前にブランケット12に溶媒を塗布しない印刷装置に適用した場合にも、印刷するパターンのパターン密度に拘わらず、連続印刷中の印刷品質を安定させ維持させる効果を得ることができる。
1、10、20・・・印刷装置
2・・・ベースユニット
4・・・版ステージユニット
6・・・インク供給ユニット
7・・・乾燥ユニット
8・・・ローラユニット
9・・・ワークステージユニット
12・・・ブランケット
14・・・版
15・・・分割型乾燥ユニット
16・・・ドクターブレード
17・・・ワーク
18・・・塗布ユニット
19・・・制御部
21・・・記憶部
23・・・走査型乾燥ユニット

Claims (9)

  1. 印刷するパターンが形成された版が設置される版ステージユニットと、
    円柱状の形状を有し、ブランケットが外周面に設けられるとともに、前記版上を回転しつつ相対移動することで前記ステージユニットに設置された版に充填されたインクを前記ブランケット上に受理するローラユニットと、
    前記パターンが印刷される被印刷体が設置されるとともに、前記インクが前記ブランケット上に受理されたローラユニットが前記被印刷体上を回転しつつ相対移動することで前記被印刷体に前記インクを転写させるワークステージユニットと、を備え、
    前記版に形成されたパターンを前記被印刷体に印刷するオフセット印刷装置であって、
    前記インクから前記ブランケットに吸収された所定成分を、前記ブランケットから除去する除去手段と、
    前記パターンの連続印刷中に、前記パターンにおけるパターン密度に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い場合には、パターン密度がより低い場合と比較して、前記ブランケットに吸収された所定成分の濃度が低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を制御する除去量制御手段と、をさらに備えることを特徴とするオフセット印刷装置。
  2. 前記除去量制御手段は、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度が、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度と比較して、低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を制御することを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷装置。
  3. 前記除去量制御手段は、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域においては、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域と比較して、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を多くすることを特徴とする請求項2に記載のオフセット印刷装置。
  4. 印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記除去量制御手段は、予め前記記憶手段に記憶された前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域においては、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域と比較して、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の前記除去手段による除去量を多くすることを特徴とする請求項3に記載のオフセット印刷装置。
  5. 前記除去手段は、前記ローラユニットの外周面に対向して配置されるとともに少なくとも該ローラユニットの軸方向に並べられた複数の光源を有し、前記ブランケットにおける各領域に光を照射する光照射ユニットであり、
    前記除去量制御手段は、前記パターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に対向する光源からの光の照射量を、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に対向する光源からの光の照射量と比較して、より多くすることを特徴とする請求項3または4に記載のオフセット印刷装置。
  6. 前記除去手段は、前記ローラユニットの外周面に対向して配置されるとともに少なくとも該ローラユニットの軸方向に並べられた複数の熱源を有する加熱ユニットであり、
    前記除去量制御手段は、前記パターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて
    、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に対向する熱源からの発熱量を、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に対向する熱源からの発熱量と比較して、より多くすることを特徴とする請求項3または4に記載のオフセット印刷装置。
  7. パターンが形成された版にインクを充填させるインク充填工程と、
    前記版に充填された前記インクをブランケットに受理させる受理工程と、
    前記ブランケットに受理された前記インクを被印刷体であるワークに転写する転写工程と、を備えたオフセット印刷方法において、
    前記パターンの連続印刷中に、前記インクのうち前記ブランケットに吸収された所定成分を前記ブランケットから除去する除去工程をさらに有し、
    前記除去工程においては、前記パターンにおけるパターン密度に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い場合には、パターン密度がより低い場合と比較して、前記ブランケットに吸収された所定成分の濃度が低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の除去量を制御することを特徴とするオフセット印刷方法。
  8. 前記除去工程においては、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度が、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域に吸収された前記所定成分の濃度と比較して、低くなるように、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の除去量を制御することを特徴とする請求項7に記載のオフセット印刷方法。
  9. 前記除去工程においては、印刷する前記パターンにおけるパターン密度の分布に応じて、前記ブランケットにおいて、パターン密度がより高い部分のインクを受理する領域においては、パターン密度がより低い部分のインクを受理する領域と比較して、前記ブランケットに吸収された前記所定成分の除去量を多くすることを特徴とする請求項8に記載のオフセット印刷方法。
JP2015188380A 2015-09-25 2015-09-25 オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法 Pending JP2017061107A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015188380A JP2017061107A (ja) 2015-09-25 2015-09-25 オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015188380A JP2017061107A (ja) 2015-09-25 2015-09-25 オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017061107A true JP2017061107A (ja) 2017-03-30

Family

ID=58429821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015188380A Pending JP2017061107A (ja) 2015-09-25 2015-09-25 オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017061107A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11093095B2 (en) 2018-12-26 2021-08-17 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Wiring structure manufacturing method and wiring structure

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11093095B2 (en) 2018-12-26 2021-08-17 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Wiring structure manufacturing method and wiring structure
US11301104B2 (en) 2018-12-26 2022-04-12 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Wiring structure manufacturing method and wiring structure

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5741078B2 (ja) 印刷装置
US8409785B2 (en) Apparatus and method for treating imaging materials
JP2011129874A (ja) パターン形成方法及びパターン形成装置
JP6686090B2 (ja) インプリント装置及び物品の製造方法
JP2010199496A (ja) 微細構造転写装置及び微細構造転写方法
US10870225B2 (en) Imprint apparatus and article manufacturing method
JP2017061107A (ja) オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法
JP6676051B2 (ja) 造形装置および造形方法
WO2014112554A1 (ja) 薄膜形成方法及び薄膜形成装置
US8740340B2 (en) Printing device
JP2017061074A (ja) オフセット印刷装置及び、オフセット印刷方法
TW201923831A (zh) 壓印裝置及物品的製造方法
JP2010271603A (ja) 面位置検出装置、パターン形成装置、面位置検出方法、パターン形成方法及びデバイス製造方法
US20130251887A1 (en) Nano-patterning apparatus, system having the same, and control method thereof
TWI285564B (en) Identification code, formation method of identification code, liquid droplet ejection apparatus, and electro-optic apparatus
JP2007331219A (ja) 印刷機および印刷方法
JP2007329181A (ja) パタン作製方法及びパタン作製装置
JP2008028153A (ja) パタン作製装置及びパタン作製方法
KR102286380B1 (ko) 임프린트 장치, 임프린트 방법 및 물품의 제조 방법
JP6409518B2 (ja) パターン形成装置
JP2007027545A (ja) 半導体露光装置
US8071275B2 (en) Methods for planarizing unevenness on surface of wafer photoresist layer and wafers produced by the methods
JP6566102B2 (ja) パターン形成装置
CN108513445A (zh) 一种新型半加成法3d精细电路制作工艺
JP6406411B2 (ja) パターン形成方法、パターン形成装置、及び搬送装置