JP2017060981A - コンタクトチップ及びレーザ溶接装置 - Google Patents

コンタクトチップ及びレーザ溶接装置 Download PDF

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直樹 河田
Naoki Kawada
直樹 河田
翔太 遠藤
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Abstract

【課題】異なる溶接形態に対応できるコンタクトチップ及びこのようなコンタクトチップを用いたレーザ溶接装置を提供する。
【解決手段】コンタクトチップ7は、先端部12を有する円筒状の本体部11を備える。先端部12は、本体部11の径方向から見て、本体部11の中心軸Cの一方側に位置する第1先端面21及び第1露出面22を有すると共に、中心軸Cの他方側に位置する第2先端面23及び第2露出面24を有し、第1先端面21と中心軸Cとがなす第1角度θ1と、第2先端面23と中心軸Cとがなす第2角度θ2との和は鈍角であり、第1角度θ1及び第2角度θ2は互いに異なる直角以下の角度であり、第1露出面22は、本体部11の内部空間を一方側の周面11aに露出させ、第2露出面24は、上記内部空間を他方側の周面11bに露出させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、コンタクトチップ及びレーザ溶接装置に関する。
例えば鉄道車両構体の形成の際には、雨などが車両内に入り込まないように水密性が要求されている。水密性を確保するため、近年では、溶接部自体によってワークの水密性を確保可能なレーザ溶接が着目されている。例えば特許文献1に記載の鉄道車両用構体では、外板の端部の外面側に出入口枠の端部を重ね合わせ、出入口枠の端部と外板の主面とをレーザ溶接によって連続溶接している。
特開2007−112343号公報
レーザ溶接に用いられる溶接装置としては、例えばレーザ光を出射するトーチ部を備えたレーザ溶接装置がある。このようなレーザ溶接装置では、ワークに対するトーチ部の倣い性を確保するためのコンタクトチップがトーチ部の先端部分に取り付けられる。ワークに当接させたコンタクトチップをガイドとすることで、トーチ部を安定して走査することが可能となり、ワーク上の溶接領域に所望のラインでレーザ溶接部が形成される。
ところで、上述した鉄道車両構体などの形成では、溶接部位によって隅肉溶接や重ね合わせ溶接といった様々な溶接形態で溶接が行われる。溶接形態が変わると、これに応じてコンタクトチップとワークとの当接状態も変える必要があるため、従来では、溶接形態ごとに異なる先端形状のコンタクトチップを用意し、溶接形態が変わる度にコンタクトチップを取り換える煩雑さが生じていた。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、異なる溶接形態に対応できるコンタクトチップ及びこのようなコンタクトチップを用いたレーザ溶接装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るコンタクトチップは、先細りの先端部を有する円筒状の本体部を備え、先端部は、本体部の径方向から見て、本体部の中心軸の一方側に位置する第1先端面及び第1露出面を有すると共に、中心軸の他方側に位置する第2先端面及び第2露出面を有し、第1先端面と中心軸とがなす第1角度と、第2先端面と中心軸とがなす第2角度との和は鈍角であり、第1角度及び第2角度は互いに異なる直角以下の角度であり、第1露出面は、第1先端面に連続し、本体部の長手方向に沿って本体部の内部空間を一方側の周面に露出させ、第2露出面は、第2先端面に連続し、本体部の長手方向に沿って内部空間を他方側の周面に露出させる。
このコンタクトチップでは、中心軸の一方側に位置する第1先端面をワークへの倣い面とし、かつ中心軸の他方側に位置する第2先端面の一部を本体部の支持部位とする第1の当接状態と、中心軸の一方側に位置する第1先端面の一部をワークへの接触部位とし、かつ中心軸の他方側に位置する第2先端面の一部を本体部の支持部位とする第2の当接状態とを切り替えることができる。したがって、コンタクトチップを取り換えることなく、異なる溶接形態においてトーチ部をガイドすることが可能となる。また、第1先端面に連続する第1露出面と、第2先端面に連続する第2露出面とが形成されていることで、第1の当接状態及び第2の当接状態のそれぞれにおいて、溶接時に発生するスラグを本体部の内部空間から好適に排出できる。さらに、第1露出面と第2露出面とによって本体部の先端部が先細りとなり、狭隘な領域での溶接にも対応が可能となる。
また、第1先端面と第2先端面とは、径方向から見て中心軸と重なる位置で連続していてもよい。この場合、コンタクトチップの先端位置と中心軸とが一致するので、目視での溶接位置の位置合わせが容易となる。
また、先端部がワークに当接したとき、本体部がワークに対して所定のピッチ角を持って傾斜してもよい。この場合、コンタクトチップを取り付けたトーチ部を走査する際、トーチ部を走査方向側に傾けた状態で先端部とワークとを当接させることができる。したがって、トーチ部を走査する際の安定性を向上できる。
本発明の一態様に係るレーザ溶接装置は、上記段落のいずれかに記載のコンタクトチップがトーチ部に着脱自在に取り付けられたレーザ溶接装置である。
このレーザ溶接装置によれば、トーチ部に取付けられたコンタクトチップにおいて、中心軸の一方側に位置する第1先端面をワークへの倣い面とし、かつ中心軸の他方側に位置する第2先端面の一部を本体部の支持部位とする第1の当接状態と、中心軸の一方側に位置する第1先端面の一部をワークへの接触部位とし、かつ中心軸の他方側に位置する第2先端面の一部を本体部の支持部位とする第2の当接状態とを切り替えることができる。したがって、コンタクトチップを取り換えることなく、異なる溶接形態においてトーチ部をガイドすることが可能となる。また、第1先端面に連続する第1露出面と、第2先端面に連続する第2露出面とが形成されていることで、第1の当接状態及び第2の当接状態のそれぞれにおいて、溶接時に発生するスラグを本体部の内部空間から好適に排出できる。さらに、第1露出面と第2露出面とによって本体部の先端部が先細りとなり、狭隘な領域での溶接にも対応が可能となる。
本発明によれば、異なる溶接形態に対応できるコンタクトチップ及びこのようなコンタクトチップを用いたレーザ溶接装置を提供できる。
本実施形態に係るレーザ溶接装置を示す概略正面図である。 本実施形態に係るコンタクトチップを示す斜視図である。 本実施形態に係るコンタクトチップを示す側面図である。 本実施形態に係るコンタクトチップを示す平面図である。 第1溶接工程を説明するための模式断面図である。 第1溶接工程を説明するための模式平面図である。 第2溶接工程を説明するための模式断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接装置を示す概略正面図である。同図に示すように、レーザ溶接装置1は、ワーク同士を所定の溶接予定線に沿ってレーザ溶接する装置として構成されている。レーザ溶接装置1は、いわゆるハンドトーチ型のレーザ溶接装置であり、例えばファイバレーザ発振器を内蔵する箱状の本体2と、本体2から延びる可撓性のケーブル3の先端に設けられたトーチ部4とを備えている。
本体2は、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ハードディスク等を備えたコンピュータシステムを内蔵し、レーザ発振条件等の制御を行う部分である。本体2の上面側には、ディスプレイ5が設置されている。ディスプレイ5には、レーザ光の出力値やパルス幅などの諸条件の設定値、レーザ発振器の実温度・実出力値などが表示されるようになっている。また、本体2の底面側には、キャスター6が設けられており、レーザ溶接装置1が移動自在となっている。
トーチ部4は、ファイバレーザ発振器からのレーザ光を外部に出射する部分である。トーチ部4は、レーザ溶接を行う作業者が把持しやすい外径の略円筒状をなしている。トーチ部4の周面には、滑り止めや保護ガラスなどが設けられている。トーチ部4の先端には、コンタクトチップ7が着脱自在に取り付けられる。コンタクトチップ7は、中空の筒状部材であり、トーチ部4を通ったレーザ光は、コンタクトチップ7の先端から外部に出射する。なお、コンタクトチップ7の詳細な説明は後述する。
レーザ溶接装置1には、保護メガネ(不図示)が付属している。保護メガネの左右のレンズには、トーチ部4から出射するレーザ光に対応する波長の光をカットする機能が付加されている。このような保護メガネを装着することにより、レーザ溶接の際にレーザ光(若しくはその反射光)が作業者の目に直接入射してしまうことを防止でき、レーザ溶接時における作業者の安全性の向上が図られる。また、レーザ溶接装置1には、インターロック機構のためのアースが設けられている。
図2は、本実施形態に係るコンタクトチップを示す斜視図であり、図3は、本実施形態に係るコンタクトチップを示す側面図であり、図4は、本実施形態に係るコンタクトチップを示す平面図である。図2〜図4に示されるコンタクトチップ7は、例えば導電性材料によって形成され、中空の円筒状をなしている。コンタクトチップ7を形成する導電性材料は、ワークに傷を発生させない観点から、ワークの形成材料よりも硬度が低い材料であることが好適である。例えばワークがステンレス鋼板である場合、コンタクトチップ7を形成する導電性材料としては、例えば銅、銅合金、導電性カーボンなどが挙げられる。また、コンタクトチップ7は、トーチ部4の先端に取り付けられた状態において、コンタクトチップ7の中心軸Cとレーザ溶接装置1の本体2から導光されるレーザ光の光軸とが略一致するように設計されている。コンタクトチップ7の軸方向に沿った長さは例えば29mm以上31mm以下であり、コンタクトチップの直径は例えば6mm以上10mm以下である。
コンタクトチップ7は、先端部12を有する円筒状の本体部11を備える。本体部11は、レーザ溶接装置1のトーチ部4に取り付けられる部分である。以下では、本体部11の軸方向を本体部11の長手方向とし、トーチ部4への取り付け側を基端側、その反対側を先端側とする。
先端部12は、コンタクトチップ7においてワーク等に当接する部分であり、本体部11の先端側を切り欠いて設けられることにより本体部11に対して先細った形状を有する。先端部12は、本体部11の径方向から見て、中心軸Cの一方側に位置する第1先端面21及び第1露出面22と、中心軸Cの他方側に位置する第2先端面23及び第2露出面24とを有する。図3では、先端部12を軸方向から見た場合、第1先端面21及び第1露出面22は、先端部12の上側に設けられており、第2先端面23及び第2露出面24は先端部12の下側に設けられている。以下では、本体部11において中心軸Cの一方側に位置する周面を周面11aとし、中心軸Cの他方側に位置する周面を周面11bとする。
第1先端面21は、本体部11の周面11a側を切り欠くことによって形成された一対の面21a,21bから構成されており、第1露出面22よりも先端側に位置している。第1先端面21は、径方向から見て中心軸Cから周面11a側に向かって延在しており、第1先端面21と中心軸Cとがなす第1角度θ1は直角以下となっている。第1角度θ1は、例えば15°以上35°以下である。
第1先端面21を構成する面21a,21bは互いに平行に延在しており、面21aが面21bよりも先端側に位置している。図4に示されるように、面21aは先端部12の外周面から内周面に向かって基端側に延在し、面21bは先端部12の外周面から内周面に向かって先端側に延在している。このため、第1先端面21は、中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜しており、例えば第1先端面21の面21a,21bの両方が同一の平坦面に面接触した場合、本体部11が当該平坦面に対して所定のピッチ角を持って傾斜する。したがって、面21a,21bの両方が同一の平坦面に面接触した場合、中心軸Cと当該平坦面とは直交しないこととなり、本体部11は、面21b側に向かって傾斜する。なお、上記ピッチ角は、例えば30°以上75°以下に設定されている。
第1露出面22は、本体部11の内部空間を露出させるための面である。第1露出面22は、本体部11の周面11a側を切り欠くことによって形成された一対の面22a,22bから構成されている。径方向から見て、第1露出面22は、第1先端面21(具体的には、第1先端面21の本体部11側の端)から基端側に向かって軸方向に沿って連続して延在する。このとき、第1先端面21と第1露出面22とがなす角度が鈍角になるように、第1露出面22は第1先端面21に連続している。第1露出面22と周面11aとは、本体部11の周面11a側を切り欠くことによって形成された接続面27を介して連続している。接続面27は、第1先端面21と平行になるように中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜している。
第1露出面22を構成する面22a,22bは互いに平行に延在する略平行四辺形状を有し、面22aが面22bよりも先端側に位置している。第1露出面22の面22aは第1先端面21の面21aに連続して延在しており、同様に、面22bは面21bに連続して延在している。したがって、面22aと面21aとがなす角部25は、面22bと面21bとがなす角部26よりも先端側に位置する。面22a,22bの間には開口22cが設けられており、この開口22cによって本体部11の内部空間が長手方向に沿って周面11aに露出している。
第2先端面23は、本体部11の周面11b側を切り欠くことによって形成された一対の面23a,23bから構成されており、第2露出面24よりも先端側に位置している。径方向から見て、第2先端面23は、中心軸Cから周面11b側に向かって延在しているので、第2先端面23と第1先端面21とは中心軸Cと重なる位置で連続している。第2先端面23と中心軸Cとがなす第2角度θ2は直角以下となっている。第2角度θ2は、例えば75°以上90°以下であり、第1角度θ1とは異なる値である。また、第2角度θ2と第1角度θ1との和は鈍角となっている。本実施形態では、第2角度θ2は直角となっている。したがって、第2角度θ2は第1角度θ1よりも大きくなっている。
第2先端面23を構成する面23a,23bは互いに平行に延在しており、面23aが面23bよりも先端側に位置している。面23aは、面21aと同様に先端部12の外周面から内周面に向かって基端側に延在し、面23bは、面21bと同様に先端部12の外周面から内周面に向かって先端側に延在している。したがって、第2先端面23は、第1先端面21と同様に中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜している。このため、例えば第2先端面23の面23a,23bの両方が同一の平坦面に面接触した場合、本体部11が当該平坦面に対して所定のピッチ角を持って傾斜することとなる。また、第2先端面23の面23aは第1先端面21の面21aに連続して延在しており、同様に、面23bは面21bに連続して延在している。したがって、面23aと面21aとがなす角部28は、面23bと面21bとがなす角部29よりも先端側に位置する。角部28,29は、コンタクトチップ7における先端に位置している。
第2露出面24は、本体部11の内部空間を露出させるための面である。第2露出面24は、本体部11の周面11b側を切り欠くことによって形成された一対の面24a,24bと、面24a,24bに連続する基端側の面24cとから構成された略U字形状を有する。径方向から見て、第2露出面24は、第2先端面23(具体的には、第2先端面23の本体部11側の端)から周面11bまで連続して延在する。このとき、第2先端面23と第2露出面24とがなす角度が鈍角になるように、第2露出面24は第2先端面23に連続している。
第2露出面24を構成する面24a〜24cは互いに平行に延在しており、面24aが面24bよりも先端側に突出している。第2露出面24の面24aは第2先端面23の面23aに連続して延在しており、同様に、面24bは面23bに連続して延在している。したがって、面24aと面23aとがなす角部30は、面24bと面23bとがなす角部31よりも先端側に位置する。面24a,24bの間には開口24dが設けられており、この開口24dによって本体部11の内部空間が長手方向に沿って周面11bに露出している。
次に、図5〜図7を用いながら本実施形態に係るレーザ溶接装置1を用いたワークの溶接工程の例について説明する。以下では、ワークである鉄道車両構体用のステンレス鋼板を作業者が手動にて溶接する第1溶接工程及び第2溶接工程について説明する。第1溶接工程においてはステンレス鋼板の重ね合わせ部分の端面溶接を説明し、第2溶接工程においては重ね合わせたステンレス鋼板の隅肉溶接を説明する。なお、ワークであるステンレス鋼板は、それぞれ1.2mm〜2mm程度の厚さを有する矩形状の合金板であり、互いの厚さは等しくてもよく、異なってもよい。
第1溶接工程では、準備工程、当接工程、及び溶接工程が順番に行われる。第1溶接工程では、図5に示されるように、準備工程として基台S上にワーク41であるステンレス鋼板42,43を順番に載置する。このとき、ステンレス鋼板42の端面42aと、ステンレス鋼板43の端面43aとが面一になるように、ステンレス鋼板42,43を重ね合わせる。また、準備工程では上述したコンタクトチップ7をトーチ部4に取り付ける。
次に、当接工程として、トーチ部4を把持した作業者がコンタクトチップ7をワーク41及び基台Sに当接させる。具体的には図5に示されるように、先端部12の第1先端面21を端面43aに面接触させてワーク41への倣い面とすると共に、第2先端面23の一部である角部30,31を基台S上に接触させて本体部11及び先端部12の支持部位とする状態(第1当接状態)になるように、コンタクトチップ7をワーク41及び基台Sに当接させる。
上述したように、第1先端面21と中心軸Cとがなす第1角度θ1は、90°未満となっていることから、径方向から見た中心軸Cと基台Sに平行な面とがなす角度θ3は鋭角となっている。したがって、本体部11は基台Sに平行な面と端面43aとに対してヨー角を持って傾斜している。また、第1角度θ1と第2角度θ2との和は鈍角となっているため、角部28,29が基台Sと離間し、端面42a,43aの交点Pに接触している。これにより、本体部11の中心軸Cが交点Pに交差する。加えて、第1先端面21及び第2先端面23のそれぞれが中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜しているので、図6に示されるように、本体部11が基台S及び端面43aに対してピッチ角を持って傾斜している。
次に、溶接工程として、トーチ部4からコンタクトチップ7の内部空間にレーザ光を照射させる。このレーザ光の光軸は中心軸Cと略一致しているので、レーザ光は上記内部空間を通過して交点P又はその周辺に照射され、ワーク41にレーザ溶接部W1が形成される。そして図6に示されるように、ワーク41に当接させたコンタクトチップ7をガイドとし、作業者が走査方向D1に沿ってトーチ部4を手動にて走査させることによって、レーザ溶接部W1が線状に形成される。これにより、ステンレス鋼板42,43の端面42a,43a同士が水密性よく強固に溶接される。なお、走査方向D1は、本体部11が基台S及び端面43aに対して傾く側の方向とすることにより、作業者が把持したトーチ部4を走査させやすくなっている。
第1溶接工程においては、第1露出面22はワーク41及び基台Sに接していない。このため、コンタクトチップ7の内部空間は、第1露出面22の開口22cを介して周面11aに露出している。同様に、第2露出面24は、ワーク41及び基台Sに接していないので、コンタクトチップ7の内部空間は、第2露出面24の開口24dを介して周面11bに露出している。したがって、溶接工程においてワーク41から発生するスラグが開口22c,24dを介して外部に排出される。
次に第2溶接工程について説明する。第2溶接工程では、第1溶接工程と同様に、準備工程、当接工程、及び溶接工程が順番に行われる。まず、図7に示されるように、準備工程としてステンレス鋼板52の一方の主面52a上にステンレス鋼板53,54をそれぞれ載置する。このとき、主面52a上のステンレス鋼板53,54は、一定の間隔を持って載置されており、主面52aと、ステンレス鋼板53の端面53aと、ステンレス鋼板54の端面54aとによって、所定の方向に沿って延在する溝Gが設けられる。この溝Gの幅は、例えば5mmである。そして、ステンレス鋼板52,53と、ステンレス鋼板53,54とをそれぞれスポット溶接にて固定する。これにより、ステンレス鋼板52,53にはスポット溶接部W11が形成され、ステンレス鋼板52,54にはスポット溶接部W12が形成される。また、第1溶接工程と同様に、コンタクトチップ7をトーチ部4に取り付ける。このコンタクトチップ7は、第1溶接工程で用いられたものと同一形状を有している。したがって、第1溶接工程後に第2溶接工程を行う場合、トーチ部4に取り付けられたコンタクトチップ7は取り換えなくてよい。
次に、当接工程として、トーチ部4を把持した作業者がコンタクトチップ7の先細った先端部12を溝G内に挿入し、ワーク51に当接させる。具体的には図7に示されるように、第1先端面21の一部である角部25,26を端面53aに接触させてワーク51への接触部位とすると共に、角部30,31を主面52a上に接触させて本体部11及び先端部12の支持部位とする状態(第2当接状態)になるように、コンタクトチップ7をワーク51に当接させる。このとき、中心軸Cが主面52aと端面53aとの交点P1に交差するように第2当接状態を調整する。なお、第2当接状態の本体部11は、第1当接状態の場合と同様に、主面52a及び端面53aに対してヨー角及びピッチ角を持って傾斜している。
次に、溶接工程として、トーチ部4からコンタクトチップ7の内部空間にレーザ光を照射させる。レーザ光が交点P1又はその周辺に照射されることにより端面53aが主面52aに対して隅肉溶接され、ワーク51にレーザ溶接部W2が形成される。そして、第1溶接工程と同様に、ワーク41に当接させたコンタクトチップ7をガイドとし、作業者が溝Gの延在方向に沿ってトーチ部4を手動にて走査させることによって、レーザ溶接部W2が線状に形成される。また、主面52aと端面53aとを溶接した後、同様の手法にて主面52aと端面54aを隅肉溶接することによって、レーザ溶接部W3を形成する。これにより、溝G内の主面52a及び端面53aと、主面52a及び端面54aとの両方が水密性よく強固に溶接される。
第2溶接工程においても、第1溶接工程と同様に第1露出面22及び第2露出面24は、ワーク51に接していない。このため、コンタクトチップ7の内部空間は、第1露出面22の開口22cを介して周面11aに露出すると共に、第2露出面24の開口24dを介して周面11bに露出している。したがって、溶接工程においてワーク51から発生するスラグが開口22c,24dを介して外部に排出される。
なお、図5及び図7に示されるように、コンタクトチップ7が第2の当接状態となる場合、第1当接状態と異なり角部28,29が端面53aに接触していないので、径方向から見た中心軸Cと主面52aとがなす角度θ4は、上述した角度θ3よりも大きくなる(角度θ4>角度θ3)。すなわち、第2の当接状態では、第1の当接状態よりもヨー角度を大きくできる。したがって、第2の当接状態では、溝G内のような狭隘な領域に先端部12を挿入することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ溶接装置1に取り付けられるコンタクトチップ7によれば、トーチ部4に取付けられたコンタクトチップ7において、中心軸Cの一方側に位置する第1先端面21をワーク41への倣い面とし、かつ中心軸Cの他方側に位置する第2先端面23の一部を本体部11の支持部位とする第1の当接状態と、中心軸Cの一方側に位置する第1先端面21の一部(角部25,26)をワーク51への接触部位とし、かつ中心軸Cの他方側に位置する第2先端面23の一部を本体部11の支持部位とする第2の当接状態とを切り替えることができる。したがって、コンタクトチップ7を取り換えることなく、異なる溶接形態においてトーチ部4をガイドすることが可能となる。また、第1先端面21に連続する第1露出面22と、第2先端面23に連続する第2露出面24とが形成されていることで、第1の当接状態及び第2の当接状態のそれぞれにおいて、溶接時に発生するスラグを本体部11の内部空間から好適に排出できる。さらに、第1露出面22と第2露出面24とによって本体部11の先端部12が先細りとなり、狭隘な領域での溶接にも対応が可能となる。
また、第1先端面21と第2先端面23とは、径方向から見て中心軸Cと重なる位置で連続していてもよい。この場合、コンタクトチップ7の先端位置と中心軸Cとが一致するので、目視での溶接位置の位置合わせが容易となる。
また、先端部12がワークに当接したとき、本体部11がワークに対して所定のピッチ角を持って傾斜してもよい。この場合、コンタクトチップ7を取り付けたトーチ部4を走査する際、トーチ部4を走査方向D1側に傾けた状態で先端部12とワークとを当接させることができる。したがって、トーチ部4を走査する際の安定性を向上できる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では第1先端面21と第1露出面22とがなす角度は鈍角となっているが、これに限らず例えば直角でもよい。同様に、第2先端面23と第2露出面24とがなす角度は鈍角でなくてもよい。また、上記実施形態において接続面27は中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜しているが、傾斜していなくてもよい。
また、上記実施形態では第1先端面21と第2先端面23とは、径方向から見て中心軸Cと重なる位置で連続しているが、これに限定されない。例えば、径方向から見て中心軸Cは第1先端面21又は第2先端面23に交差してもよい。
また、上記実施形態では、第1溶接工程及び第2溶接工程において作業者がトーチ部4を把持してレーザ溶接を施しているが、機械がトーチ部4を把持してもよい。この場合、作業者の操作によってレーザ溶接を施してもよいし、機械が自動でレーザ溶接を施してもよい。
1…レーザ溶接装置、4…トーチ部、11…本体部、11a,11b…周面、12…先端部、21…第1先端面、22…第1露出面、23…第2先端面、24…第2露出面、25,26,28,29,30,31…角部、41,51…ワーク、C…中心軸、θ1…第1角度、θ2…第2角度。

Claims (4)

  1. 先細りの先端部を有する円筒状の本体部を備え、
    前記先端部は、前記本体部の径方向から見て、前記本体部の中心軸の一方側に位置する第1先端面及び第1露出面を有すると共に、前記中心軸の他方側に位置する第2先端面及び第2露出面を有し、
    前記第1先端面と前記中心軸とがなす第1角度と、前記第2先端面と前記中心軸とがなす第2角度との和は鈍角であり、前記第1角度及び前記第2角度は互いに異なる直角以下の角度であり、
    前記第1露出面は、前記第1先端面に連続し、前記本体部の長手方向に沿って前記本体部の内部空間を前記一方側の周面に露出させ、
    前記第2露出面は、前記第2先端面に連続し、前記本体部の長手方向に沿って前記内部空間を前記他方側の周面に露出させる、
    コンタクトチップ。
  2. 前記第1先端面と前記第2先端面とは、前記径方向から見て前記中心軸と重なる位置で連続している、請求項1記載のコンタクトチップ。
  3. 前記先端部がワークに当接したとき、前記本体部が前記ワークに対して所定のピッチ角を持って傾斜する、請求項1又は2記載のコンタクトチップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載のコンタクトチップがトーチ部に着脱自在に取り付けられた、レーザ溶接装置。
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