JP2017060982A - コンタクトチップ及びレーザ溶接装置 - Google Patents

コンタクトチップ及びレーザ溶接装置 Download PDF

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直樹 河田
Naoki Kawada
直樹 河田
翔太 遠藤
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【課題】コスト低減を実現しつつ異なる溶接形態に対応できるコンタクトチップ及びレーザ溶接装置を提供する。【解決手段】コンタクトチップ7は、本体部11と、本体部11の径方向から見て本体部11の中心軸Cを挟んだ一方側に位置する第1先端面21、及び径方向から見て中心軸Cを挟んだ他方側に位置する第2先端面23を有する先端部12と、先端部12に対して着脱自在に取り付けられる取付部13と、を備える。第1先端面21と中心軸Cとがなす第1角度θ1と、第2先端面23と中心軸Cとがなす第2角度θ2との和は直角であり、取付部13は、第2先端面23に当接する当接面31と、当接面31が第2先端面23に当接したときに第1先端面21を延長する延長面32と、当接面31が第2先端面23に当接したときに第2先端面23に対して略平行に延在する平行面33とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、コンタクトチップ及びレーザ溶接装置に関する。
例えば鉄道車両構体の形成の際には、雨などが車両内に入り込まないように水密性が要求されている。水密性を確保するため、近年では、溶接部自体によってワークの水密性を確保可能なレーザ溶接が着目されている。例えば特許文献1に記載の鉄道車両用構体では、外板の端部の外面側に出入口枠の端部を重ね合わせ、出入口枠の端部と外板の主面とをレーザ溶接によって連続溶接している。
特開2007−112343号公報
レーザ溶接に用いられる溶接装置としては、例えばレーザ光を出射するトーチ部を備えたレーザ溶接装置がある。このようなレーザ溶接装置では、ワークに対するトーチ部の倣い性を確保するためのコンタクトチップがトーチ部の先端部分に取り付けられる。ワークに当接させたコンタクトチップをガイドとすることで、トーチ部を安定して走査することが可能となり、ワーク上の溶接領域に所望のラインでレーザ溶接部が形成される。
ところで、上述した鉄道車両構体などの形成では、溶接部位によって隅肉溶接や重ね合わせ溶接といった様々な溶接形態で溶接が行われる。溶接形態が変わると、これに応じてコンタクトチップとワークとの当接状態も変える必要があるため、従来では、溶接形態ごとに異なる先端形状のコンタクトチップを用意し、溶接形態が変わる度にコンタクトチップを取り換えていた。また、コンタクトチップの先端は加熱されたワークに当接するので、熱変形等が発生しやすく、予備のコンタクトチップも多数準備しておく必要があった。したがって、コンタクトチップに要するコストも課題となっていた。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、コスト低減を実現しつつ異なる溶接形態に対応できるコンタクトチップ及びこのようなコンタクトチップを用いたレーザ溶接装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るコンタクトチップは、円筒状の本体部と、本体部に連続して設けられ、本体部の径方向から見て本体部の中心軸を挟んだ一方側に位置する第1先端面、及び径方向から見て本体部の中心軸を挟んだ他方側に位置する第2先端面を有する先端部と、先端部に対して着脱自在に取り付けられる取付部と、を備え、第1先端面と中心軸とがなす第1角度と、第2先端面と中心軸とがなす第2角度との和は直角であり、第1角度及び第2角度は鋭角であり、取付部は、第2先端面に当接する当接面と、当接面が第2先端面に当接したときに第1先端面を延長する延長面と、当接面が第2先端面に当接したときに延長面の先端側から第2先端面に対して略平行に延在する平行面とを有する。
このコンタクトチップでは、取付部を先端部に装着しない状態においては、中心軸の一方側に位置する第1先端面をワークへの倣い面とし、かつ中心軸の他方側に位置すると共に第1先端面に直交する第2先端面を本体部の支持面とする第1の当接状態とすることができる。また、取付部が先端部に装着された状態においては、第1先端面及び延長面をワークへの倣い面とし、かつ第2先端面に略平行に延在する平行面を本体部の支持面とする第2の当接状態とすることができる。したがって、取付部を先端部から着脱することによって、本体部を取り換えることなく当接状態を容易に変更し、異なる溶接形態においてトーチ部をガイドすることが可能となる。さらにこのコンタクトチップでは、取付部に熱変形等が生じた場合には、取付部のみを交換すればよく、本体部自体を交換する必要がない。したがって、コンタクトチップを全て交換する場合に比べてコスト低減が実現できる。
また、当接面には、突起が設けられており、第2先端面には、突起が差し込まれる穴が設けられてもよい。この場合、突起及び穴によって先端部に対する取付部の取付位置が位置決めされるので、取付部を先端部に容易に着脱できる。
また、先端部には、径方向から見て第2先端面と略平行な方向に延在する溝が設けられており、取付部には、溝に入り込む爪部が設けられてもよい。この場合、溝及び爪部によって先端部に対する取付部の取付位置が位置決めされるので、取付部を先端部に容易に着脱できる。
また、取付部は、磁力によって先端部に対して着脱自在に取り付けられてもよい。この場合、先端部に対する取付部の取付位置を容易に調整できると共に、取付部を先端部に容易に着脱できる。
また、先端部は、第1先端面と連続して設けられ、本体部の内部空間を一方側に位置する周面側に向かって露出させる露出面を更に有してもよい。この場合、溶接時に発生するスラグを本体部の内部空間から好適に排出できる。
また、第1先端面と第2先端面とは、径方向から見て中心軸と重なる位置で連続して設けられてもよい。この場合、コンタクトチップの先端位置と中心軸とが一致するので、目視での溶接位置の位置合わせが容易となる。
また、先端部がワークに当接したとき、本体部がワークに対して所定のピッチ角を持って傾斜してもよい。この場合、コンタクトチップを取り付けたトーチ部を走査する際、トーチ部を走査方向側に傾けた状態で先端部(及び取付部)とワークとを当接させることができる。したがって、トーチ部を走査する際の安定性を向上できる。
本発明の一態様に係るレーザ溶接装置は、上記段落のいずれかに記載のコンタクトチップがトーチ部に着脱自在に取り付けられたレーザ溶接装置である。
このレーザ溶接装置が備えるコンタクトチップでは、取付部を先端部に装着しない状態においては、中心軸の一方側に位置する第1先端面をワークへの倣い面とし、かつ中心軸の他方側に位置すると共に第1先端面に直交する第2先端面を本体部の支持面とする第1の当接状態とすることができる。また、取付部が先端部に装着された状態においては、第1先端面及び延長面をワークへの倣い面とし、かつ第2先端面に略平行に延在する平行面を本体部の支持面とする第2の当接状態とすることができる。したがって、取付部を先端部から着脱することによって、本体部を取り換えることなく当接状態を容易に変更し、異なる溶接形態においてトーチ部をガイドすることが可能となる。さらにこのコンタクトチップでは、取付部に熱変形等が生じた場合には、取付部のみを交換すればよく、本体部自体を交換する必要がない。したがって、コンタクトチップを全て交換する場合に比べてコスト低減が実現できる。
本発明によれば、コスト低減を実現しつつ異なる溶接形態に対応できるコンタクトチップ及びこのようなコンタクトチップを用いたレーザ溶接装置を提供できる。
本実施形態に係るレーザ溶接装置を示す概略正面図である。 本実施形態に係るコンタクトチップを示す平面図である。 本実施形態に係るコンタクトチップを径方向から見た図である。 図3の分解図である。 取付部を示す図である。 第1溶接工程を説明するための模式断面図である。 第1溶接工程を説明するための模式平面図である。 第2溶接工程を説明するための模式断面図である。 変形例に係るコンタクトチップを示す図である。 図9の一部を拡大した平面図である。 別の変形例に係るコンタクトチップを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接装置を示す概略正面図である。同図に示すように、レーザ溶接装置1は、ワーク同士を所定の溶接予定線に沿ってレーザ溶接する装置として構成されている。レーザ溶接装置1は、いわゆるハンドトーチ型のレーザ溶接装置であり、例えばファイバレーザ発振器を内蔵する箱状の本体2と、本体2から延びる可撓性のケーブル3の先端に設けられたトーチ部4とを備えている。
本体2は、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ハードディスク等を備えたコンピュータシステムを内蔵し、レーザ発振条件等の制御を行う部分である。本体2の上面側には、ディスプレイ5が設置されている。ディスプレイ5には、レーザ光の出力値やパルス幅などの諸条件の設定値、レーザ発振器の実温度・実出力値などが表示されるようになっている。また、本体2の底面側には、キャスター6が設けられており、レーザ溶接装置1が移動自在となっている。
トーチ部4は、ファイバレーザ発振器からのレーザ光を外部に出射する部分である。トーチ部4は、レーザ溶接を行う作業者が把持しやすい外径の略円筒状をなしている。トーチ部4の周面には、滑り止めや保護ガラスなどが設けられている。トーチ部4の先端には、コンタクトチップ7が着脱自在に取り付けられる。コンタクトチップ7は、中空の筒状部材であり、トーチ部4を通ったレーザ光は、コンタクトチップ7の先端から外部に出射する。なお、コンタクトチップ7の詳細な説明は後述する。
レーザ溶接装置1には、保護メガネ(不図示)が付属している。保護メガネの左右のレンズには、トーチ部4から出射するレーザ光に対応する波長の光をカットする機能が付加されている。このような保護メガネを装着することにより、レーザ溶接の際にレーザ光(若しくはその反射光)が作業者の目に直接入射してしまうことを防止でき、レーザ溶接時における作業者の安全性の向上が図られる。また、レーザ溶接装置1には、インターロック機構のためのアースが設けられている。
図2は、本実施形態に係るコンタクトチップを示す平面図であり、図3は、本実施形態に係るコンタクトチップを径方向から見た図であり、図4は、図2の分解図である。図2〜図4に示されるコンタクトチップ7は、例えば導電性材料によって形成され、中空の円筒状をなしている。コンタクトチップ7を形成する導電性材料は、ワークに傷を発生させない観点から、ワークの形成材料よりも硬度が低い材料であることが好適である。例えばワークがステンレス鋼板である場合、コンタクトチップ7を形成する導電性材料としては、例えば銅、銅合金、導電性カーボンなどが挙げられる。また、コンタクトチップ7は、トーチ部4の先端に取り付けられた状態において、コンタクトチップ7の中心軸Cとレーザ溶接装置1の本体2から導光されるレーザ光の光軸とが略一致するように設計されている。コンタクトチップ7の軸方向に沿った長さは例えば29mm以上31mm以下であり、コンタクトチップの直径は例えば6mm以上10mm以下である。
コンタクトチップ7は、円筒状の本体部11と、本体部11に連続して設けられる先端部12と、先端部12に対して着脱可能に取り付けられる取付部13とを備える。本体部11は、レーザ溶接装置1のトーチ部4に取り付けられる部分である。以下では、本体部11の軸方向を本体部11の長手方向とし、トーチ部4への取り付け側を基端側、その反対側を先端側とする。
先端部12は、コンタクトチップ7においてワーク等に当接し得る部分であり、本体部11の先端側を切り欠いて設けられることにより本体部11に対して先細った形状を有する。先端部12は、本体部11の径方向から見て、中心軸Cの一方側に位置する第1先端面21及び露出面22と、中心軸Cの他方側に位置する第2先端面23とを有する。図3では、先端部12を軸方向から見た場合、第1先端面21及び露出面22は先端部12の上側に設けられており、第2先端面23は先端部12の下側に設けられている。以下では、本体部11において中心軸Cの一方側に位置する周面を周面11aとし、中心軸Cの他方側に位置する周面を周面11bとする。
第1先端面21は、本体部11の周面11a側を切り欠くことによって形成された一対の面21a,21bから構成されており、露出面22よりも先端側に位置している。第1先端面21は、径方向から見て中心軸Cから周面11a側に向かって延在しており、第1先端面21と中心軸Cとがなす第1角度θ1は直角以下となっている。第1角度θ1は、例えば30°以上70°以下の鋭角であり、本実施形態では45°である。
第1先端面21を構成する面21a,21bは互いに平行に延在しており、面21aが面21bよりも先端側に位置している。図2に示されるように、面21aは先端部12の外周面から内周面に向かって基端側に延在し、面21bは先端部12の外周面から内周面に向かって先端側に延在している。このため、第1先端面21は、中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜しており、例えば第1先端面21の面21a,21bの両方が同一の平坦面に面接触した場合、本体部11が当該平坦面に対して所定のピッチ角を持って傾斜する。したがって、面21a,21bの両方が同一の平坦面に面接触した場合、中心軸Cと当該平坦面とは直交しないこととなり、本体部11は、面21b側に向かって傾斜する。なお、上記ピッチ角は、例えば30°以上75°以下に設定されている。
露出面22は、本体部11の内部空間を露出させるための面である。露出面22は、本体部11の周面11a側を切り欠くことによって形成された一対の面22a,22bから構成されている。径方向から見て、露出面22は、第1先端面21(具体的には、第1先端面21の本体部11側の端)から基端側に向かって軸方向に沿って連続して延在する。このとき、第1先端面21と露出面22とがなす角度が鈍角になるように、露出面22は第1先端面21に連続している。露出面22と周面11aとは、本体部11の周面11a側を切り欠くことによって形成された接続面24を介して連続している。接続面24は、第1先端面21と平行になるように中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜している。
露出面22を構成する面22a,22bは互いに平行に延在する略平行四辺形状を有し、面22aが面22bよりも先端側に位置している。露出面22の面22aは第1先端面21の面21aに連続して延在しており、同様に、面22bは面21bに連続して延在している。したがって、面22aと面21aとがなす角部25は、面22bと面21bとがなす角部26よりも先端側に位置する。面22a,22bの間には開口22cが設けられており、この開口22cによって本体部11の内部空間が長手方向に沿って周面11aに露出している。
第2先端面23は、本体部11の周面11b側を切り欠くことによって形成された略U字形状の面であり、後述する複数の突起31aを収容するための複数の穴23aが設けられている。径方向から見て、第2先端面23は、中心軸Cから周面11b側に向かって延在している。これにより、第2先端面23と第1先端面21とは、径方向から見て中心軸Cと重なる位置で連続しており、第2先端面23と面21aとによって角部28がなされると共に第2先端面23と面21bとによって角部29がなされる。上述したように面21aが面21bよりも先端側に位置しているので、角部28は角部29よりも先端側に位置する。なお、角部28,29は、コンタクトチップ7における先端に位置している。
第2先端面23と中心軸Cとがなす第2角度θ2は直角以下となっている。第2角度θ2は、例えば20°以上60°以下の鋭角であり、第2角度θ2と第1角度θ1との和は直角となっている。したがって、第2角度θ2は45°になっており、第2先端面23と第1先端面21とは互いに直交している。なお、第2角度θ2は、第1角度θ1と異なってもよい。
取付部13は、先端部12に取り付けられることにより、先端部12の代わりにワーク等に当接する部分である。したがって、取付部13は、コンタクトチップ7における延長部材とも言える。取付部13は、径方向から見て略台形状となっており、第2先端面23に当接する当接面31と、当接面31が第2先端面23に当接したときに第1先端面21を延長する延長面32と、当接面31が第2先端面23に当接したときに延長面32の先端側から第2先端面23に対して略平行に延在する平行面33とを有する。取付部13における当接面31、延長面32、及び平行面33を結ぶ外周面13aは、取付部13が先端部12に取り付けられたときに周面11bを延長する面になっている。
当接面31は、第2先端面23と隙間なく当接する面であり、第2先端面23と略同一形状(すなわち、略U字形状)を有している。当接面31には、図5に示されるように略円柱状の複数の突起31aが設けられている。本実施形態では、当接面31に合計3つの突起31aが設けられており、具体的には、延長面32側に位置する両端部に一つの突起31aがそれぞれ設けられており、周面11b側に位置する中央部に一つの突起31aが設けられている。また図4に示されるように、これらの3つの突起31aは、第2先端面23に設けられる穴23aにそれぞれ差し込まれる。突起31aは、対応する穴23aの表面に密着して嵌合してもよいし、当該表面に密着しなくてもよい。
延長面32は、取付部13が先端部12に取り付けられたときにワーク等に当接する面であり、一対の面32a,32bから構成されている。面32aは、当接面31のうち角部28と接する端から連続して設けられており、面32bは、当接面31のうち角部29と接する端から連続して設けられている。また、面32a,32bは、当接面31に対して直交するように延在している。したがって、取付部13が先端部12に取り付けられたとき、延長面32は第1先端面21と平行に延在しており、面32aは第1先端面21の面21aに隙間なく連続し、面32bは面21bに隙間なく連続する。
平行面33は、取付部13が先端部12に取り付けられたときにワーク等に当接する面であり、当接面31と相似している。すなわち、平行面33は、当接面31を縮小した略U字形状を有している。平行面33は、延長面32における先端側の端から連続して設けられている。また、平行面33は、延長面32に対して直交するように延在している。このため、平行面33と当接面31とは、互いに平行して延在する面になっている。
次に、図6〜図8を用いながら本実施形態に係るレーザ溶接装置1を用いたワークの溶接工程の例について説明する。以下では、ワークである鉄道車両構体用のステンレス鋼板を作業者が手動にて溶接する第1溶接工程及び第2溶接工程について説明する。第1溶接工程においては重ね合わせたステンレス鋼板の隅肉溶接を説明し、第2溶接工程においてはステンレス鋼板の重ね合わせ部分の端面溶接を説明する。なお、ワークであるステンレス鋼板は、それぞれ1.2mm〜2mm程度の厚さを有する矩形状の合金板であり、互いの厚さは等しくてもよく、異なってもよい。
第1溶接工程では、準備工程、当接工程、及び溶接工程が順番に行われる。第1溶接工程では、図6に示されるように、準備工程としてワーク41であるステンレス鋼板42,43を順番に積層する。このとき、ステンレス鋼板43の端面43aがステンレス鋼板42の主面42a上に位置するように、ステンレス鋼板42,43を互いに重ね合わせる。また、準備工程では、上述したコンタクトチップ7の本体部11をトーチ部4に取り付ける。第1溶接工程においては、コンタクトチップ7の先端部12には取付部13を取り付けない。
次に、当接工程として、トーチ部4を把持した作業者がコンタクトチップ7をワーク41及び基台Sに当接させる。具体的には図6に示されるように、先端部12の第1先端面21を端面43aに面接触させてワーク41への倣い面とすると共に、第2先端面23を主面42aに面接触させて本体部11及び先端部12の支持面とする状態(第1当接状態)になるように、コンタクトチップ7をワーク41に突き当てる。このとき、主面42aと端面43aの交点P1に角部28,29が当接するので、中心軸Cが交点P1に交差する。
上述したように、第1角度θ1及び第2角度θ2は45°となっていることから、コンタクトチップ7は、主面42aと端面43aとに対してヨー角を持って傾斜している。加えて、第1先端面21が中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜しているので、図7に示されるように、本体部11が主面42a及び端面43aに対してピッチ角を持って傾斜している。
次に、溶接工程として、トーチ部4からコンタクトチップ7の内部空間にレーザ光を照射させる。このレーザ光の光軸は中心軸Cと略一致しているので、レーザ光は上記内部空間を通過して交点P1又はその周辺に照射され、ワーク41にレーザ溶接部W1が形成される。そして図7に示されるように、ワーク41に当接させたコンタクトチップ7をガイドとし、作業者が走査方向D1に沿ってトーチ部4を手動にて走査させることによって、レーザ溶接部W1が線状に形成される。これにより、ステンレス鋼板42の主面42aとステンレス鋼板43の端面43aとが水密性よく強固に溶接される。なお、走査方向D1は、本体部11が主面42a及び端面43aに対して傾く側の方向とすることにより、作業者が把持したトーチ部4を走査させやすくなっている。
第1溶接工程においては、露出面22はワーク41に接していない。このため、コンタクトチップ7の内部空間は、露出面22の開口22cを介して周面11aに露出している。したがって、溶接工程においてワーク41から発生するスラグが開口22cを介して外部に排出される。
次に第2溶接工程について説明する。第2溶接工程では、第1溶接工程と同様に、準備工程、当接工程、及び溶接工程が順番に行われる。第2溶接工程では、図7に示されるように、準備工程として基台S上にワーク51であるステンレス鋼板52,53を順番に載置する。このとき、ステンレス鋼板52の端面52aと、ステンレス鋼板53の端面53aとが面一になるように、ステンレス鋼板52,53を重ね合わせる。また、トーチ部4に取り付けられているコンタクトチップ7の先端部12に対して、取付部13を装着する。具体的には、取付部13の突起31aを先端部12に設けられた穴24d内に差し込むことにより、取付部13を先端部12に装着する。このとき、第1先端面21と延長面32とが互いに揃うように取付部13の取付位置を調整する。第2溶接工程にて先端部12に装着される取付部13として、延長面32と平行面33との距離がステンレス鋼板52の厚さと略一致するものを用いる。なお、コンタクトチップ7は、第1溶接工程で用いられたものと同一形状を有している。
次に、当接工程として、トーチ部4を把持した作業者がコンタクトチップ7をワーク51及び基台Sに当接させる。具体的には図8に示されるように、先端部12の第1先端面21及び取付部13の延長面32を端面53aに面接触させてワーク41への倣い面とすると共に、取付部13の平行面33を基台Sに面接触させて本体部11及び先端部12の支持面とする状態(第2当接状態)になるように、コンタクトチップ7をワーク51及び基台Sに当接させる。このとき、コンタクトチップ7に取付部13が取り付けられているので、端面52a,53aの交点P2に角部28,29が当接し、ワーク51の溶接部位が第1溶接工程よりも高い位置となる。なお、第2当接状態の本体部11は、第1当接状態の場合と同様に、基台S及びワーク51に対してヨー角及びピッチ角を持って傾斜している。
次に、溶接工程として、トーチ部4からコンタクトチップ7の内部空間にレーザ光を照射させる。レーザ光が交点P2又はその周辺に照射されることにより、ワーク51にレーザ溶接部W2が形成される。そして、第1溶接工程と同様にして、ワーク41に当接させたコンタクトチップ7をガイドとし、作業者がトーチ部4を手動にて走査させることによって、レーザ溶接部W2が線状に形成される。これにより、ステンレス鋼板52,53の端面52a,53aが水密性よく強固に溶接される。なお、第2溶接工程においても、第1溶接工程と同様に露出面22はワーク51及び基台Sに接していないので、コンタクトチップ7の内部空間は、露出面22の開口22cを介して周面11aに露出する。したがって、溶接工程においてワーク51から発生するスラグが開口22cを介して外部に排出される。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ溶接装置1に取り付けられるコンタクトチップ7によれば、取付部13を先端部12に装着しない状態においては、中心軸Cの一方側に位置する第1先端面21をワーク41への倣い面とし、かつ中心軸Cの他方側に位置すると共に第1先端面21に直交する第2先端面23を本体部11の支持面とする第1の当接状態とすることができる。また、取付部13が先端部12に装着された状態においては、第1先端面21及び延長面32をワーク51への倣い面とし、かつ第2先端面23に略平行に延在する平行面33を本体部11の支持面とする第2の当接状態とすることができる。したがって、取付部13を先端部12から着脱することによって、本体部11を取り換えることなく当接状態を容易に変更し、異なる溶接形態においてトーチ部4をガイドすることが可能となる。さらにこのコンタクトチップ7では、取付部13に熱変形等が生じた場合には、取付部13のみを交換すればよく、本体部11自体を交換する必要がない。したがって、コンタクトチップ7を全て交換する場合に比べてコスト低減が実現できる。
また、当接面31には、突起31aが設けられており、第2先端面23には、突起31aが差し込まれる穴23aが設けられてもよい。この場合、突起31a及び穴23aによって先端部12に対する取付部13の取付位置が位置決めされるので、取付部13を先端部12に容易に着脱できる。
また、先端部12は、第1先端面21と連続して設けられ、本体部11の内部空間を一方側に位置する周面11a側に向かって露出させる露出面22を更に有してもよい。この場合、溶接時に発生するスラグを本体部11の内部空間から好適に排出できる。
また、第1先端面21と第2先端面23とは、径方向から見て中心軸Cと重なる位置で連続して設けられてもよい。この場合、コンタクトチップ7の先端位置と中心軸Cとが一致するので、目視での溶接位置の位置合わせが容易となる。
また、先端部12がワークに当接したとき、本体部11がワークに対して所定のピッチ角を持って傾斜してもよい。この場合、コンタクトチップ7を取り付けたトーチ部4を走査する際、トーチ部4を走査方向D1側に傾けた状態で先端部12(及び取付部13)とワークとを当接させることができる。したがって、トーチ部4を走査する際の安定性を向上できる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
例えば上記実施形態では、第2先端面23に設けられる穴23aに当接面31に設けられる突起31aが差し込まれることによって、取付部13が先端部12に取り付けられているが、図9及び図10に示されるように、径方向から見て第2先端面23と略平行な方向に延在する一対の溝61が先端部12の外周面に設けられ、溝61に入り込む一対の爪部71が取付部13に設けられてもよい。図9及び図10に示す例では、先端部12における溝61は、その幅分だけ第2先端面23よりも基端側にそれぞれ設けられている。また、爪部71は、それぞれ当接面31の縁に設けられており、溝61の幅と同じ厚さを有する第1部分72と、第1部分72上にて溝61に嵌合するように内向きに突出する第2部分73とを有している。径方向から見た第2部分73は、第1部分72の両側より突出している。
本変形例では、第1先端面21側から周面11b側に向かって取付部13をスライド移動させ、第1先端面21と延長面32とが面一になるまで第2部分73を溝61に差し込むことで、取付部13が先端部12に装着される。また、先端部12に装着された取付部13を周面11b側から第1先端面21側に向かってスライド移動させることで、取付部13が先端部12から取り外される。本変形例であっても、先端部12に対する取付部13の取付位置が位置決めされるので、取付部13を先端部12に容易に着脱できる。なお、爪部71は必ずしも当接面31に設けられなくてもよく、例えば外周面13aに設けられてもよい。
また、別の変形例として、先端部12及び取付部13には突起、穴、溝、及び爪部が設けられておらず、取付部13は、磁力によって先端部12に対して着脱自在に取り付けられてもよい。図11に示す例では、取付部13における当接面31の表面全体に薄膜状の磁石81が設けられている。この場合、先端部12には磁石81に引き寄せられる材料(例えば、鉄又は鉄系遷移金属を含む強磁性体)、又は磁石が含まれる。
本変形例では、このような取付部13を先端部12に近づけることによって、取付部13を先端部12に装着する。このとき、例えば手動にて第1先端面21と延長面32とが面一になるまで取付部13の取付位置を調整する。また、取付部13を先端部12から遠ざけるように力を加えることによって、取付部13を取り外せる。本変形例の場合、取付部13を先端部12に容易に着脱できることに加えて、先端部12に対する取付部13の取付位置を容易に調整できる。
なお、当接面31の表面に磁石81は必ずしも設けられなくてもよく、例えば磁石となる材料が先端部12及び取付部13に含まれてもよい。もしくは、磁石となる材料が先端部12及び取付部13の一方に含まれ、磁石に引き寄せられる材料が先端部12及び取付部13の他方に含まれてもよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、第1先端面21と露出面22とがなす角度は直角となっているが、これに限らなくてもよい。また、上記実施形態において接続面27は中心軸Cに対して本体部11の基端側から先端側に傾斜しているが、傾斜していなくてもよい。
また、上記実施形態では第1先端面21と第2先端面23とは、径方向から見て中心軸Cと重なる位置で連続しているが、これに限定されない。例えば、径方向から見て中心軸Cは第1先端面21又は第2先端面23に交差してもよい。
また、上記実施形態では、第1溶接工程及び第2溶接工程において作業者がトーチ部4を把持してレーザ溶接を施しているが、機械がトーチ部4を把持してもよい。この場合、作業者の操作によってレーザ溶接を施してもよいし、機械が自動でレーザ溶接を施してもよい。
1…レーザ溶接装置、4…トーチ部、11…本体部、11a,11b…周面、12…先端部、13…取付部、21…第1先端面、22…露出面、23…第2先端面、23a…穴、25,26,28,29…角部、31…当接面、31a…突起、32…延長面、33…平行面、41,51…ワーク、61…溝、71…爪部、C…中心軸、θ1…第1角度、θ2…第2角度。

Claims (8)

  1. 円筒状の本体部と、
    前記本体部に連続して設けられ、前記本体部の径方向から見て前記本体部の中心軸を挟んだ一方側に位置する第1先端面、及び前記径方向から見て前記本体部の中心軸を挟んだ他方側に位置する第2先端面を有する先端部と、
    前記先端部に対して着脱自在に取り付けられる取付部と、を備え、
    前記第1先端面と前記中心軸とがなす第1角度と、前記第2先端面と前記中心軸とがなす第2角度との和は直角であり、前記第1角度及び前記第2角度は鋭角であり、
    前記取付部は、前記第2先端面に当接する当接面と、前記当接面が前記第2先端面に当接したときに前記第1先端面を延長する延長面と、前記当接面が前記第2先端面に当接したときに前記延長面の先端側から前記第2先端面に対して略平行に延在する平行面とを有する、
    コンタクトチップ。
  2. 前記当接面には、突起が設けられており、
    前記第2先端面には、前記突起が差し込まれる穴が設けられる、請求項1記載のコンタクトチップ。
  3. 前記先端部には、前記径方向から見て前記第2先端面と略平行な方向に延在する溝が設けられており、
    前記取付部には、前記溝に入り込む爪部が設けられる、請求項1記載のコンタクトチップ。
  4. 取付部は、磁力によって前記先端部に対して着脱自在に取り付けられる、請求項1〜3のいずれか一項記載のコンタクトチップ。
  5. 前記先端部は、前記第1先端面に連続して設けられ、前記本体部の内部空間を前記一方側に位置する周面側に向かって露出させる露出面を更に有する、請求項1〜4のいずれか一項記載のコンタクトチップ。
  6. 前記第1先端面と前記第2先端面とは、径方向から見て前記中心軸と重なる位置で連続して設けられる、請求項1〜5のいずれか一項記載のコンタクトチップ。
  7. 前記先端部がワークに当接したとき、前記本体部が前記ワークに対して所定のピッチ角を持って傾斜する、請求項1〜6のいずれか一項記載のコンタクトチップ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載のコンタクトチップがトーチ部に着脱自在に取り付けられた、レーザ溶接装置。
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