JP2017060270A - 保護リレー及び保護リレー用プログラム - Google Patents

保護リレー及び保護リレー用プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2017060270A
JP2017060270A JP2015182257A JP2015182257A JP2017060270A JP 2017060270 A JP2017060270 A JP 2017060270A JP 2015182257 A JP2015182257 A JP 2015182257A JP 2015182257 A JP2015182257 A JP 2015182257A JP 2017060270 A JP2017060270 A JP 2017060270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protection relay
unit
information
data
route
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015182257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6563286B2 (ja
Inventor
貴弘 森
Takahiro Mori
貴弘 森
杉浦 秀昌
Hidemasa Sugiura
秀昌 杉浦
明 河原田
Akira Kawarada
明 河原田
西田 知敬
Tomotaka Nishida
知敬 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2015182257A priority Critical patent/JP6563286B2/ja
Publication of JP2017060270A publication Critical patent/JP2017060270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6563286B2 publication Critical patent/JP6563286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

【課題】保護リレーの送受信の経路の相違を検知することにより、同期ずれを防ぐための対応を可能とする。【解決手段】保護リレー4が、複数のL3スイッチ15を含む通信の経路Rに接続され、データが経由したL3スイッチ15の数であるネットワーク距離を取得する取得部112と、取得部112が取得したネットワーク距離と、所定の情報を比較することにより、相手端の保護リレー4からのデータを受信する経路Rと当該相手端の保護リレー4へ送信するデータの経路との相違を判定する判定部114とを有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力システムに適用される保護リレー及び保護リレー用プログラムに関する。
保護リレーを用いて電力システムを保護する保護システムは、送電線保護システムや系統安定化制御システムなど、多岐に亘る用途に適用されている。送電線保護システムにおける保護リレーは、送電線や母線の事故を検出して、遮断器に事故区間を切り離す指令を出力する。系統安定化制御システムにおける保護リレーは、発電所、変電所の系統事故を検出して、周波数脱調等の系統不安定事象を予測し、遮断器に発電機等を系統から切り離す信号を出力する。このような保護システムにより、電力システムにおける事故波及の防止、電力系統の安定を図ることができる。
保護リレーには、自らが監視する区間の電流値や電圧値、接点情報等、種々の検出手段が計測した電気量データが入力される。また、保護リレーは、通信経路を介して、相手端の保護リレー装置や計算機等と電気量データを授受し合い、内部の演算装置によって、電流差動演算や安定度演算等のリレー演算を実行している。
このような保護リレーは、保護区間である送電線や発変電所の各端子に設置される。以下の説明では、一方の保護リレーを自端、自端がデータを送受信する相手の保護リレーを相手端と呼ぶ場合がある。
従来から用いられている典型的な保護リレーは、PCM(Pulse Code Modulation)電流差動リレーである。PCM電流差動リレーは、自端及び相手端のそれぞれにおいて、所定の周期で電流データをサンプリングする。そして、自端と相手端とがサンプリングした電流データを、通信用の伝送路である経路を介して相互に通信し合うことで、自端と相手端の差動演算を行い、送電線の事故の有無を判定する。
差動演算は、以下のように行われる。まず、自端と相手端とでサンプリングした電流データのベクトル和から、差電流を求める。次に、差電流の大きさである振幅値を算出する。さらに、振幅値を、あらかじめ設定された判定値と比較して、動作判定する。
特許第5127482号公報
上記のように、複数の保護リレーを経路で接続した保護システムにおいては、各保護リレーが、同一時刻に計測したデータを用いて、差動演算等を行う必要がある。つまり、保護リレーは、端子同士のサンプリングタイムが同期されていなければならない。このため、保護リレーは、自端と相手端との間で通信を行い、同期の合わせ込みを行っている。このときに、同期の基準となる端子を主端、同期の合わせ込み処理を行う端子を従端と呼ぶ。また、従端から主端への経路を上り、主端から従端への経路を下りと呼ぶ。
このような同期処理は、主端と従端との間の経路の上りと下りで、伝送時間が等しいことを前提に行われている。ここで、電流差動リレーの経路としては、従来から、専用の通信回線が用いられていた。専用の通信回線の場合、経路が固定化しているので、上りと下りの伝送時間の一致が確保されていた。
しかし、近年では、通信のためのプロトコルとして、IPやイーサネット(登録商標)を適用した保護システムが実用化されている。IPによる通信では、ルータ等の通信装置が、自律的に最適な経路を選択して経路制御を行う。このため、ネットワークの状況の変化により、保護リレー間での上りと下りの通信経路が変動するため、伝送時間も変動する。このように上りと下りの伝送時間が変動すると、同期処理に支障が生じる。
これに対処するため、IPを適用する場合には、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)などのプロトコルを用いることによって、経路を固定化できる。しかし、この場合も、伝送不良発生時の通信経路の切替と切戻しが発生すると、一時的に、数分間程度、上りと下りで経路が異なる期間が発生する場合がある。
この期間は、経路の上下で遅延時間差が発生してしまうため、この遅延時間に基づいて同期制御を実行した場合は、サンプリングタイミングのずれが生じて、保護リレーの演算精度が低下する。この同期ずれがリレー演算に許容できる値を超えた場合は、保護に必要な精度を確保できず、保護機能を継続できなくなる。
本発明の実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、保護リレーの送受信の経路の相違を検知することにより、同期ずれを防ぐための対応を可能とする保護リレー及び保護リレー用プログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態の保護リレーは、複数の通信装置を含む通信の経路に接続され、データが経由した通信装置の数に関する情報又はデータが経由した通信装置を識別する情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した情報と、所定の情報とを比較することにより、相手端の保護リレーからのデータを受信する経路と当該相手端の保護リレーへ送信するデータの経路との相違を判定する判定部とを有する。
実施形態の保護リレーを適用した電力システムを示すブロック図 保護システムのネットワーク構成を示すブロック図 サンプリング同期制御の手順を示す説明図 保護リレーがデータ通信に使用するフレームフォーマット 第1の実施形態の処理手順を示すフローチャート 第1の実施形態による検知処理を示す説明図 経路の切替を検知できない場合を示す説明図 第2の実施形態の検知処理を示す説明図 第3の実施形態の検知処理を示す説明図 第5の実施形態の処理手順を示すフローチャート 第5の実施形態の検知処理を示す説明図 第6の実施形態の検知処理を示す説明図
[第1の実施形態]
[基本構成]
本実施形態の構成を、図面を参照して説明する。本実施形態の保護リレーは、図1に示すような保護システムS及びネットワークNWに適用される。保護システムSが有する保護リレー4a、4b、4cは、保護対象となる電力システムEに接続されている。電力システムEは、送電線1、変流器2、遮断器3を有する。
送電線1は、電力を伝達する電線路である。なお、本実施形態における送電線1は、三相交流であるが、簡略化して単相で図示している。変流器2は、電流を検出する検出器である。遮断器3は、事故時の電流を遮断する機器である。変流器2及び遮断器3は、送電線1の各端子に設置されている。
保護リレー4a、4b、4cは、事故を検出し、遮断器3に遮断指令を出力することにより、電力システムEを保護する装置である。例えば、PCM電流差動リレーを、保護リレー4a、4b、4cとして用いることができる。遮断器3は、保護リレー4a、4b、4cからの遮断指令に応じて、遮断動作を行う。
図1では、保護リレー4aの構成の詳細を示している。但し、他の保護リレー4b、4cも同様の構成である。以下の説明では、保護リレー4a、4b、4cを区別しない場合には、保護リレー4とする。
保護リレー4は、入力変換器6、アナログフィルタ7、A/D変換部8、演算部9、出力部10、通信部11、同期制御部12、記憶部13を有する。入力変換器6は、変流器2からのアナログ信号を、系統側と絶縁し、適切な大きさへ変換する。アナログフィルタ7は、サンプリングのための帯域制限を行う。A/D変換部8は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
演算部9は、入力信号に基いて差動演算等を行う。つまり、演算部9は、事故電流を判定して遮断指令を生成する。出力部10は、遮断指令を遮断器3に出力する。通信部11は、相手端の保護リレー4との通信を行う。この通信部11の構成の詳細は、後述する。
同期制御部12は、ネットワークNWを介して通信を行うことで、同期タイミングを合わせ込む同期制御を行う。この同期制御の詳細は、後述する。記憶部13は、本実施形態の処理に必要な各種の情報を記憶する。記憶する情報は、TTL値、ネットワーク距離、通信装置のアドレス情報、自走が継続可能な時間、各種設定用の値、受信したデータ等を含む。
ネットワークNWは、図2に示すように、各保護リレー4a、4b、4cを相互に接続して、データの送受信を行う。ネットワークNWは、通信のための経路Rを介して、L2スイッチ14及びL3スイッチ15を接続したL2・L3ネットワークである。このネットワークNWで送受信される情報を、データと総称する。データリンク層であるレイヤ2で中継されるデータをフレームと呼ぶ。ネットワーク層であるレイヤ3で中継されるデータをパケットと呼ぶ。パケットに含まれる電流データ等の実データを含む領域をデータ部と呼ぶ。
L2スイッチ14は、レイヤ2でフレームを中継する中継装置である。フレームの宛先は、MACアドレスに基づいて判別する。L3スイッチ15は、レイヤ3でパケットを中継する中継装置である。パケットの宛先は、IPアドレスに基づいて判別する。
各L3スイッチ15は、経路Rを介してリング状に接続されている。各保護リレー4a、4b、4cは、L2スイッチ14を介して、L3スイッチ15に接続されている。なお、L3スイッチ15の代わりにルータを用いることもできる。
また、図示はしないが、保護リレー4は、バックアップ用のネットワークに接続されている。バックアップ用のネットワークは、ネットワークNWとは独立した別個のネットワークであってもよいし、多重化されたネットワークNWのいずれかであってもよい。
[通信部]
通信部11は、図1に示すように、送受信部110、設定部111、取得部112、抽出部113、判定部114、自走部115、切替部116、復帰部117、通知部118を有する。
送受信部110は、相手端の保護リレー4との間で、フレームの送受信を行う。設定部111は、フレームの送信時に、保護リレー4間で経由する通信装置の数に関する値の設定を行う。通信装置の数に関する値は、例えば、TTL値、ネットワーク距離である。TTL値は、通信装置であるL3スイッチ15を経由する毎にデクリメントされる値である。ネットワーク距離は、TTL値に基づいて計測されるデータが経由したL3スイッチの15の数である。設定部111は、パケットのIPヘッダに対するTTL値の設定、パケットのデータ部に対するネットワーク距離の付加等を行う。
取得部112は、データが経由した通信装置の数に関する情報を取得する。つまり、取得部112は、送受信部110が受信したデータから、ネットワーク距離を取得する。ネットワーク距離の取得は、送受信部110が受信したパケットのIPヘッダに含まれるTTL値を、あらかじめ設定された固定のTTL値から減算することにより行う。
抽出部113は、相手端の保護リレー4から受信したデータに含まれ、自端の保護リレー4が送信したデータが通過した通信装置の数に関する情報を抽出する。ここで、データ部に含まれる通信装置の数に関する情報は、ネットワーク距離である。このネットワーク距離は、自端の保護リレー4から送信したデータを相手端の保護リレー4が受信した場合に、相手端の取得部112が取得したネットワーク距離である。
つまり、相手端の保護リレー4においては、受信したパケットのIPヘッダのTTL値に基いて、取得部112が求めたネットワーク距離を、設定部111が送信するパケットのデータ部に含める。相手端の保護リレー4は、このパケットを自端の保護リレー4に送信する。
判定部114は、取得部112が取得した情報と、所定の情報とを比較することにより、相手端の保護リレー4から受信するデータの経路Rと、当該相手端の保護リレー4へ送信するデータの経路Rとの相違を判定する。所定の情報は、上記のように、相手端の保護リレー4から受信したパケットのデータ部に含まれ、抽出部113により抽出されたネットワーク距離である。
自走部115は、判定部114が経路Rの相違を判定した場合に、同期制御部12による同期を停止して、自走を行わせる。自走とは、自らの内部クロックの精度によって制御を行うことにより、相手端の保護リレーとのタイミングを揃えることである。
切替部116は、自走部115による自走が、あらかじめ設定された時間を経過した場合に、バックアップ用の経路に切り替える。あらかめ設定された時間は、自走の期間が所定の同期精度を維持できる時間である。復帰部117は、サンプリング同期が可能な状態となった場合に、同期制御部12による同期を復帰させる。通知部118は、経路Rの相違を通知する情報を、送受信部110が送信するフレームに含めて、他の保護リレー4に通知する。
[作用]
[同期制御]
上記のように、保護リレー4が差動演算を行うためには、サンプリングタイミングが同期されている必要がある。この同期は、同期制御部12が実施している。この同期制御処理を、図3を参照して説明する。この図3は、主端と従端を決めて送受信する2端子間での制御である。
まず、従端及び主端が、それぞれ自端のサンプリングタイミングである送信タイミングを含むデータTd1、Td2を送信し合う。両端子では、自端のサンプリングタイミングと相手端からのデータTd1、Td2の受信時刻との時間間隔tm、tsを測定する。そして、ts−tm=0となるように、サンプリングタイミングを補正することにより、同時性を確保する。
但し、このような同期制御を行うためには、従端及び主端の上り、下りの経路Rが同じであって、伝送遅延時間が等しいことが維持されている必要がある。つまり、Td1、Td2の伝送遅延時間は同じでなければならない。伝送遅延時間に差がある場合には、その差の1/2、つまり、Δt=(Td1−Td2)/2の同期誤差が発生する。この同期誤差の時間が、演算部9によるリレー演算に許容できる値を超えた場合、正しい演算を行うことができない。この許容値は、例えば、数十〜数百μs程度である。
上記のように、リング状に構成されたネットワークNWにおいては、接続された通信装置同士が通信する場合、一方のルートを使用するか、これと反対のルートを使用することができる。以下、便宜的に、一方のルートを右回りと呼び、これと反対のルートを左回りと呼ぶ。
右回り、左回りどちらのルートを使用するかは、通信装置が送信するパケットごとに異なる。但し、上記のサンプリング同期のために、保護リレー4同士の伝送遅延時間を同じにするには、ルートを固定化する必要がある。例えば、MPLSなどのプロトコルを使用することで、右回り又は左回りのいずれかにルートを固定化することはできる。しかし、上記のように、これらのプロトコルを使用した場合であっても、一時的にサンプリング同期を行うことができない期間が生じる場合がある。
[フレーム構成]
保護リレー4が送受信するデータのフレーム構成の一例を、図4に示す。
各項目の内容は、以下の通りである。
プリアンブル:フレームの区切りを示すビット列
宛先MAC:フレームの宛先MACアドレス
発信元MAC:フレームの発信元MACアドレス
タイプ:イーサネットフレーム種別
IPパケット:IPヘッダ、データ部
FCS:フレームチェックシーケンスコード
IPヘッダ:宛先IPアドレス、送信元IPアドレス、TTL値など
データ部:電気量データ、同期データなどの実データ
このフレームはパケットにイーサヘッダが付加されて構成されるイーサネットのフレームである。保護リレー4から送信されたフレームは、L2スイッチ14と経路Rで構成されるL2ネットワークを通過する。
そして、L3ネットワーク内では、IPパケットのみが伝送され、相手側のL3スイッチ15により、再びイーサヘッダが付加される。これにより、フレームは、相手側のL2スイッチ14を通過して、相手端の保護リレー4へ伝送される。
データ部に含まれる同期データは、同期制御に使用するデータである。同期データには、同期主従の端子番号、同期フレームの送受信タイミング(時刻)情報、同期指令/応答種別情報などが含まれる。また、データ部には、後述するように、TTL値から求めたネットワーク距離を付加してもよい。
IPヘッダに含まれるTTL値は、L3スイッチ15を経由するたびに値が1ずつデクリメントされる。TTL値が0となる場合には、パケットがL3スイッチ15で破棄される。これにより、経路R中にループが発生した場合にも、ネットワークNW中にパケットが流れ続けることが防止される。
[経路切替検出]
本実施形態による経路切替検出処理を、図5のフローチャート、図6の説明図を参照して説明する。本処理は、従端の保護リレー4bがネットワーク距離を検出し、主端の保護リレー4aに対して通知する態様である。なお、図6では、TTL値のデクリメントが発生しないL2スイッチ14については、図示を省略している。
従端の保護リレー4bの通信部11における設定部111は、送信するフレームのIPヘッダに、常に、固定のTTL値であるMを設定する。TTL値は、例えば、255とする。従端の送受信部110は、このようにTTL値が設定された同期フレームを、主端を宛先として送信する(ステップS01)。
TTL値は、L3スイッチ15を経由する毎に、値がデクリメントされる。つまり、M=M−1の演算が行われる。このため、例えば、経路R中に2台のL3スイッチ15がある場合、主端に届いたデータのTTL値は、M−2となる。固定のTTL値が255の場合、253になる。
主端の保護リレー4aの記憶部13は、あらかじめ従端が送信するTTL値であるMを記憶しておく。例えば、255を記憶している。主端の取得部112は、受信したIPヘッダに含まれるTTL値を、あらかじめ記憶していたTTL値から減算する。これにより、従端から主端にデータを送信する際に経由するL3スイッチ15の数であるネットワーク距離を取得する。上記の例では、255−253=2であるため、ネットワーク距離が2、つまり経由したL3スイッチが2台であることがわかる。
主端の設定部111は、従端に対して送信するパケットのデータ部に、取得したネットワーク距離の値を付け加える。送受信部110は、このパケットを含むフレームを、従端を宛先として送信することにより、従端に対して、従端から主端までのネットワーク距離を通知する。
このフレームを、従端の送受信部110が受信する(ステップS02)。従端の取得部112は、上記と同様に、主端から受信したパケットのTTL値と、あらかじめ設定されたTTL値とから、ネットワーク距離を求める(ステップS03)。このネットワーク距離は、主端から従端までに、実際にそのパケットが経由してきたL3スイッチ15の数である。
また、抽出部113は、当該パケットのデータ部に含まれるネットワーク距離を抽出する(ステップS04)。このネットワーク距離は、従端から主端までのネットワーク距離であり、主端がデータ部に含めたものである。
そして、判定部114は、実際にそのパケットが経由してきた経路Rのネットワーク距離と、データ部に含まれていたネットワーク距離とを比較して、経路Rの相違を判定する(ステップS05)。
判定部114は、比較の結果、上りと下りの経路Rで、ネットワーク距離が一致している場合には(ステップS06のYES)、経路Rの上下方向の経路不一致がないものとして、同期制御を継続する。ネットワーク距離が一致していない場合には(ステップS06のNO)、経路Rの上下方向の経路不一致があったと判定する。
判定部114が、経路Rの上下方向の経路不一致があったと判定した場合、自走部115は、サンプリング同期制御部12による同期引き込み処理を停止して、内部クロックによる自走を行わせる(ステップS07)。これにより、見かけ上の同期誤差による引き込みが行われないようにする。この自走は、あらかじめ設定された同期精度を維持できる時間まで継続する(ステップS08のNO)。
切替部116は、自走期間が同期精度を維持できる時間を超えたと判定した場合には(ステップS08のYES)、同期用に使用する経路Rをバックアップ用のネットワークに切り替える(ステップS09)。
なお、経路Rが復旧して、サンプリング同期が可能な状態となった場合には、復帰部117は、同期制御部12による同期を復帰させる。また、通知部118は、経路Rの切替を他の保護リレー4に通知してもよい。
[効果]
以上のような本実施形態は、複数のL3スイッチ15を含む通信の経路Rに接続され、データが経由したL3スイッチ15の数であるネットワーク距離を取得する取得部112と、取得部112が取得したネットワーク距離と、所定の情報を比較することにより、相手端の保護リレー4からのデータを受信する経路Rと当該相手端の保護リレー4へ送信するデータの経路Rとの相違を判定する判定部114とを有する。
このため、保護リレー4の送受信の経路Rの相違を検知して、同期ずれを防ぐための対応を可能とする。つまり、上りと下りの経路Rが異なる間は、同期制御を行わずに自走状態とする、又は同期に使用するネットワークを別のネットワークに切り替える等により、同期ずれの発生を防ぐことができる。
また、本実施形態は、相手端の保護リレー4から受信したデータに含まれ、自端の保護リレー4が送信したデータが通過した通信装置の数に関する情報を抽出する抽出部113を有し、判定部114が比較する所定の情報が、抽出部113が抽出したネットワーク距離である。
このため、受信したデータのみから、上りのデータが経由したネットワーク距離と、下りのデータが経由したネットワーク距離の相違を、簡易且つ正確に判断することができる。
また、本実施形態は、相手端の保護リレー4との間でのサンプリングタイミングを同期する同期制御部12と、判定部114が経路Rが相違すると判定した場合に、同期制御部12による同期を停止して、内部クロックによる制御を行わせる自走部115とを有する。このため、経路Rの切替を早期に検出して、速やかに自走状態とすることができる。
さらに、本実施形態は、バックアップ用の経路が接続され、自走部115による自走が、所定の時間を経過した場合に、バックアップ用の経路に切り替える切替部116を有する。このため、一定時間以上、自走状態が続く場合には、同期に使用するネットワークを、バックアップ側のネットワークに切り替えることで同期制御を継続できる。
[第2の実施形態]
[構成]
本実施形態は、基本的には、上記の第1の実施形態と同様の構成である。但し、本実施形態は、通知部118が、リング状のネットワークNWにおいて、一方の経路Rにおけるネットワーク距離と、これと反対方向の経路Rにおけるネットワーク距離とが異なる保護リレー4同士において、判定部114により、互いの経路Rの相違が判定された場合に、当該保護リレー4同士とは異なる保護リレー4に、経路Rの相違を通知する。
[作用効果]
以上のような本実施形態の作用効果を、図7及び図8の説明図を参照して説明する。まず、リング状のネットワークNWにおいては、一対の保護リレー4の経路Rは、右回りと左回りに2つ存在する。この場合、上記の第1の実施形態では、右回り経路Rと左回りの経路Rとでネットワーク距離が異なる場合に、経路Rの不一致を検出することができた。
しかし、一対の保護リレー4同士が、リング状のネットワークNWにおける右回りと左回りのネットワーク距離が等しい場合がある。この場合、右回りの経路Rと左回りの経路Rが切り替わっても、ネットワーク距離に変化がない。このため、経路Rの不一致を検出することができない。
このように、左回りと右回りのL3スイッチ15の数が等しい場合の一例を、図7に示す。この例では、端子数が4のネットワークNWにおいて、保護リレー4aと保護リレー4cは、お互いの経路Rが、右回りであっても左回りであっても、通過するL3スイッチ15の数は3台で同じである。このため、どちらの経路Rに切り替わっても、ネットワーク距離による上下方向の経路不一致の検知ができない。
但し、端子数が3端子以上であれば、これに対応するL3スイッチ15も3台以上となり、上下方向の経路不一致が発生した場合、端子同士のネットワーク距離が異なる関係が必ず存在する。このような端子同士であれば、経路Rの不一致を検知することができる。
この態様の一例を、図8に示す。つまり、L3スイッチ15が4台のネットワークNWにおいて、保護リレー4aと保護リレー4bは、右回りの場合、経由するL3スイッチ15は2台である。左回りの場合、経由するL3スイッチ15の数は4台である。保護リレー4aと保護リレー4cは、右回りと左回りで、L3スイッチ15の数は3台で等しい。
このため、保護リレー4bにおける判定部114は、上記の第1の実施形態と同様に、保護リレー4aとの間での経路Rの不一致を判定できる。そこで、保護リレー4bの判定部114が経路Rの不一致を判定した場合、通知部118は、保護リレー4cに対しても、経路Rの不一致を検知したことを通知する。
この通知を受けた保護リレー4cにおいては、自走部115が自走を行う。または、主端の保護リレー4aの同期制御部12が、同期処理を停止する。これにより、全従端の保護リレー4b、4cの自走部115が、自走状態とする。これにより、見かけ上の同期誤差による同期の引き込みが行われない。さらに、切替部116は、自走期間が一定の同期精度を維持できる時間を超えた場合に、同期用に使用する通信路をバックアップ用の別のネットワークに切り替える。
以上のような本実施形態によれば、リング状のネットワークNWにおける保護リレー4a、4c同士のネットワーク距離が、左回りと右回りで同じ場合が生じていても、他の保護リレー4bからの上下方向の経路不一致の通知により、上記の実施形態と同様に、同期ずれの発生を防止できる。
なお、上記のように、左回りと右回りでネットワーク距離が同じ場合には、異経路発生時に、これを検知できない。しかし、ネットワーク構成や通信路長などの条件によっては、ネットワーク距離が一致すれば、伝送遅延時間差が許容範囲内となることが、あらかじめわかっている場合がある。そこで、このような場合には、見かけ上の同期誤差は発生しないため、経路Rの上下方向の経路不一致を検出した場合に、同期処理を停止せずに継続して実行しても問題はない。
[第3の実施形態]
[構成]
本実施形態は、基本的には、上記の第1又は第2の実施形態と同様の構成である。但し、本実施形態においては、判定部114が比較するデータが経由した通信装置の数に関する情報と、所定の情報とが異なる。まず、データが経由した通信装置の数に関する情報は、相手端の保護リレー4と自端の保護リレー4との間のネットワーク距離に、所定の値を加算した値を初期値として、通信装置を経由する毎に減算された値である。また、所定の情報は、初期値において加算された値である。
[作用効果]
以上のような本実施形態の作用効果を説明する。まず、上記の第1の実施形態と同様に、自端における取得部112は、相手端から受信したパケットのTTL値から、相手端とのネットワーク距離Nを求める。
そして、自端の設定部111は、ネットワーク距離Nに、所定の値xを加えた数をTTL値の初期値として設定する。xは、1以上の整数であり、TTLの値は255以下になるようにする。送受信部110は、このようにTTL値を設定したパケットを、相手端に送信する。
相手端においては、記憶部13が、あらかじめ所定の値xを記憶している。そして、相手端がパケットを受信すると、取得部112は、TTL値を取得する。ここで、相手端から自端までの経路Rと、自端から相手端までの経路Rが一致している場合には、TTL値がxとなっている。また、経路Rが一致していない場合には、相手端が受信したパケットのTTL値がxより大きな値となるか、xより小さな値となる。つまり、TTL値がx以外の値となる。
パケットのTTL値がxより大きな値となる場合は、相手端から自端へのネットワーク距離よりも、自端から相手端へのネットワーク距離が小さい場合である。xより小さな値となる場合は、相手端から自端へのネットワーク距離よりも、自端から相手端へのネットワーク距離が大きい場合である。
このため、判定部114は、あらかじめ記憶したxと、受信したパケットのTTL値とを比較して、値が一致しないと判定した場合は、経路Rが相違すると判定する。なお、経路Rの途中で、TTL値が0以下となった場合、パケットは破棄されるので、相手端へのデータは届かなくなる。所定時間経過してもパケットを受信できない場合は、同期処理は行われずに自走部115が自走状態とする。
本実施形態の具体的な一例を、図9の説明図を参照して説明する。まず、相手端の保護リレー4bが送信し、自端の保護リレー4aが受信したパケットのTTL値から、取得部112が、自端と相手端とのネットワーク距離Nである2を求める。
自端の設定部111は、TTL値として、ネットワーク距離Nの値2に、所定の値1を加えた数である3を設定する。送受信部110は、このようにTTL値を3に設定したデータを、相手端に送信する。
すると、上りと下りのネットワーク距離が等しい場合、相手端に届くデータのTTL値は、1となる。下りのネットワーク距離が小さい場合、相手端に届くデータのTTL値は、1よりも大きい値となる。相手端の判定部114は、所定の値である1と比較して、TTL値が1よりも大きい場合に、経路Rの相違を判定する。これに応じて、上記と同様に、自走部115による自走、切替部116によるバックアップへの切替等が行われる。
また、下りのネットワーク距離が大きい場合、相手端が受信するTTL値は、経路Rの途中で0以下となる。このため、パケットは破棄されて相手端にデータが届かなくなる。この場合は、同期ができないため、上記と同様に、自走部115による自走、切替部116によるバックアップへの切替が行われる。このため、誤った同期誤差に対する引き込み処理を防止できる。
以上のような本実施形態では、設定部111が、パケットのデータ部に、取得部112が取得したネットワーク距離の値を付加する必要がなくなる。また、データ部からネットワーク距離を抽出する抽出部113は不要となる。
[第4の実施形態]
[構成]
本実施形態の構成は、基本的には上記の第1の実施形態と同様である。但し、本実施形態では、記憶部13が、取得部112が取得した通信装置の数に関する情報を記憶する。この情報は、IPヘッダにおけるTTL値である。これは、判定部114が比較する所定の情報である。
また、通知部118は、自端と相手端の保護リレー4の双方で経路Rの切替があった場合、これを互いに通知する。さらに、復帰部117は、保護リレー4同士が自走部115による制御を行っている場合に、双方の保護リレー4の判定部114が経路Rの相違を検知した場合に、停止していた同期制御部12による制御を復帰させる。
[作用効果]
以上のような本実施形態では、主端および従端における記憶部13が、相手端子から届くデータのTTL値を記憶している。判定部114は、データを受信する毎に、受信したデータのTTL値と、記憶されたデータのTTL値とを比較して、変化がないかどうかを監視する。判定部114が、TTL値に変動があったと判定した場合には、経路切替が発生したとして、自走部115が、同期引き込みを停止して自走状態とする。
通知部118は、判定部114が経路切替を判定した場合は、データに経路切替を検出したという情報を付加して、送受信部110が相手端に送信する。リング状のネットワークNWを使用している場合には、1つの保護リレー4からの経路Rは2方向しか存在しない。このため、経路Rが一致している状態から、両端子で経路切替を検出した場合、切替後の経路Rも上下で一致していることとなる。
したがって、自走状態となっている保護リレー4における復帰部117は、相手端の通知部118から通知されるデータにより、相手端も経路切替が発生したという情報を確認した場合、同期制御部12による同期引き込みを再開する。
また、片側の端子で経路変更を検知しても、もう一方の端子で経路変更を検知しない場合は、上下方向の経路不一致が発生していると判断し、自走状態を継続する。バックアップ用のネットワークの切替は、上記と同様である。
以上のような本実施形態では、保護リレー4が受信するデータのTTL値を監視するだけで、経路Rの切替を検知できる。このため、TTL値として特別な設定が不要となる。また、双方の切替があった場合には、同期に問題はないため、速やかに同期を再開させることができる。
[第5の実施形態]
[構成]
本実施形態は、基本的な構成は、上記の第1の実施形態と同様である。但し、本実施形態の取得部112は、データが経由した通信装置を識別する情報を取得する。この情報は、例えば、L3スイッチ15のMACアドレス、IPアドレス、ネットワーク内で割り当てられた固有の識別情報等である。以下、この情報をアドレス情報と呼ぶ。
記憶部13は、取得部112が取得したL3スイッチ15のアドレス情報を記憶する。さらに、判定部114は、記憶部13に記憶されたL3スイッチ15のアドレス情報と、受信したデータのL3スイッチ15のアドレス情報とを比較することにより、経路Rの変化を判定する。
ここで、L3スイッチ15のアドレス情報は、データを破棄したL3スイッチ15のアドレス情報である。つまり、L3スイッチ15等の通信装置は、TTL値が0になるとデータを破棄して、ICMP(Internet Control Message Protocol)の時間超過応答を、パケットの送信元へ返す機能を有する。本実施形態は、この時間超過応答に含まれるL3スイッチ15のアドレス情報を用いる。
[作用効果]
以上のような本実施形態の経路切替検出処理を、図10のフローチャート、図11の説明図を参照して説明する。まず、自端の設定部111は、送信する監視用データにおけるパケットのTTL値として、相手端とのネットワーク距離よりも短い所定の値を設定する(ステップS11)。送受信部110は、このパケットを含むフレームを相手端に送信する(ステップS12)。自端は、時間超過応答を待つ(ステップS13のNO)。
経路Rの途中のL3スイッチ15では、TTL値が0となるので、パケットを破棄する。このとき、パケットを破棄したL3スイッチ15は、パケットの送信元へICMPの時間超過応答を返す。自端の送受信部110が、時間超過応答を受信すると(ステップS13のYES)、取得部112は時間超過応答から、返信元のL3スイッチ15のアドレス情報を取得する(ステップS14)。
判定部114は、記憶部13が記憶しているアドレス情報と、受信した時間超過応答のアドレス情報を比較する(ステップS15)。記憶部13が記憶しているアドレス情報は、あらかじめ、上記のような手順によって、取得部112が取得し、記憶部13が記憶したアドレス情報である。アドレス情報が一致している場合には(ステップS16のYES)、経路Rの変化はないとして、同期制御を継続する。アドレス情報が一致していない場合には(ステップS16のNO)、判定部114は、経路Rの切替があったと判定する。
以上のように、保護リレー4の送受信部110は、経路Rの途中でパケットが破棄されるTTL値を設定した監視用データを、定期的に送信する。判定部114は、送受信部110が受信する時間超過応答により、パケットが破棄されるL3スイッチ15を監視する。
つまり、判定部114が、同じL3スイッチ15においてパケットが破棄されていると判定している場合、経路変化はない。判定部114が、異なるL3スイッチ15でパケットが破棄されたと判定した場合には、経路Rが変化している。このように判定部114が経路Rが変化したことを判定した後の処理は、上記の第1の実施形態と同様である(ステップS17〜S19)。
本実施形態の具体的な一例を、図11の説明図を参照して説明する。
(1) 自端の保護リレー4aの設定部111は、TTL値として、相手端の保護リレー4cとのネットワーク距離3よりも小さい2の値を監視データに設定する。送受信部110は、監視データを保護リレー4cに送信する。
(2) 経路Rの途中のL3スイッチ15において、TTL値=0となるので、このL3スイッチ15は、パケットを破棄して、ICMP時間超過応答を、送信元の保護リレー4aに返す。
(3) 自端の保護リレー4aの送受信部110は、ICMP時間超過応答を受信して、取得部112は、送信元のL3スイッチ15のアドレス情報を取得する。判定部114は、記憶部13に記憶されたアドレス情報と比較して、変化がない場合には、同期制御を継続する。
(1)’〜(3)’ 上記と同様に、監視データを送信した場合に、経路変更があると、異なるL3スイッチ15が、ICMP時間超過応答を返信する。このため、判定部114は、記憶部13に記憶されたアドレス情報と比較して、変化があったとして、経路切替と判定する。
(5) 通知部118は、経路変更があった場合には、相手端に通知する。
(6) 相手端の保護リレー4cにおいても、上記と同様に、監視データの送信とICMP時間超過応答の受信により、判定部114が、経路切替の有無を判定する。
(7) 相手端の通知部118は、経路変更があった場合には、自端に通知する。相手端と自端の双方で経路変更があった場合には、上記のように、同期制御を継続する。いずれか一方で経路変更があった場合には、自走、バックアップの切替を行う。
(8) 自端においても、相手端と自端の双方で経路変更があった場合には、上記のように、同期制御を継続する。いずれか一方で経路変更があった場合には、自走、バックアップの切替を行う。
以上のような本実施形態によれば、データが通過する通信装置であるL3スイッチ15が変化したか否かで経路Rの変化を検知する。このため、右回りの経路Rと左回りの経路Rのネットワーク距離が相違する場合であっても、一致する場合であっても、経路Rの変化を容易に検知できる。
[第6の実施形態]
本実施形態は、基本的には、上記の第5の実施形態と同様である。但し、本実施形態においては、判定部114が、相手端の保護リレー4の取得部112が、第5の実施形態と同様に取得したアドレス情報と、自端の保護リレー4が、第5の実施形態と同様に監視しているアドレス情報とを比較して、経路切替を判定する。つまり、本実施形態では、自端と相手端において、監視しているL3スイッチ15が同一か否かを、アドレス情報を交換して確認する。
[作用効果]
以上のような本実施形態では、上記のように、自端と相手端では、ICMP時間超過応答を利用して、取得部112が、監視対象となるL3スイッチ15のアドレス情報を取得して、記憶部13が記憶している。
そして、自端と相手端の保護リレー4の通知部118は、監視対象となるL3スイッチ15のアドレス情報を、データ伝送により通知し合う。これにより、判定部114は、自端と相手端が監視するL3スイッチ15が同一であるか否かを判定し、同一でない場合に、上下方向で異経路が発生していることを検知できる。
このような本実施形態の具体的な処理の一例を、図12の説明図を参照して説明する。まず、リング状のネットワークNWにおいて、自端と相手端のネットワーク距離をNとする。上下方向で同じ経路Rを使用している場合には、自端からi番目のネットワーク距離にあるL3スイッチ15と、相手端からN+1−i番目にあるL3スイッチ15は同一となる。しかし、上下方向で経路Rの切替が発生した場合、このL3スイッチ15は異なるL3スイッチ15となる。ただし、i=1とi=NのL3スイッチ15は除く。
ネットワーク距離Nの値は、上記の第1の実施形態のように取得部112が求めることができる。iの値は、あらかじめ決められた条件による値、例えば、2/N(切り上げ)とする。そして、それぞれがi番目とN+1−i番目のL3スイッチ15を、上記の第5の実施形態と同様に、ICMPの時間超過応答を使用して監視する(1)〜(3)。図12では、ネットワーク距離3で、i=2の場合である。
自端の保護リレー4aと相手端の保護リレー4bが監視しているL3スイッチ15のアドレス情報は、通知部118が互いに通知し合う(4)(5)。図12では、自端と相手端が監視しているL3スイッチ15が、異なるものとなったため、判定部114は経路変化が発生したと判定して、上記と同様の処理を行う。
以上のような本実施形態によれば、双方の保護リレー4が、監視中のL3スイッチ15のアドレス情報を交換し合って経路切替を判定する。このため、それぞれに経路変更があった場合にのみ互いに通知する場合に比べて、早期に情報を共通化して高速に対応できる。
[他の実施形態]
(1)上記の実施形態では、リレー装置が受信するデータが持つTTL値を用いてネットワークの経路の変化を監視することにより、上下方向の異経路を検知した。但し、通信に使用するプロトコルによっては、TTLと類似の機能がある。このため、TTLの代わりとして、もしくはTTLと併用してこれらの機能を用いてもよい。
代表的なTTL及びこれと類似する機能は下記となる。
IPv4: TTL
IPv6: Hop Limit
MPLS: TTL
MPLSのTTLは、IPのTTLと同名である。但し、このTTLは、MPLSヘッダ内に格納され、IPのTTLとは独立した値となる。L3スイッチが持つ機能であるMPLS PropagationによりMPLSとIPのTTL値は互いに値を引き継ぐことができる。
(2)保護リレー及び通信装置は、CPUを含むコンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、上記のような処理を実現するものである。このため、上記の処理を実行する方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。また、ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。たとえば、上記の各部のいずれかを、それぞれの処理を実現する回路として構成することも可能である。
(3)保護リレーの数、通信装置の数等は、上記の実施形態で例示した数には限定されない。通信装置は、L3スイッチであっても、ルーターであってもよい。
(4)以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 送電線
2 変流器
3 遮断器
4、4a、4b、4c 保護リレー
6 入力変換器
7 アナログフィルタ
8 A/D変換部
9 演算部
10 出力部
11 通信部
12 同期制御部
13 記憶部
110 送受信部
111 設定部
112 取得部
113 抽出部
114 判定部
115 自走部
116 切替部
117 復帰部
118 通知部
E 電力システム
NW ネットワーク
R 経路
S 保護システム

Claims (11)

  1. 複数の通信装置を含む通信の経路に接続され、
    データが経由した通信装置の数に関する情報又はデータが経由した通信装置を識別する情報を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した情報と、所定の情報とを比較することにより、相手端の保護リレーからのデータを受信する経路と当該相手端の保護リレーへ送信するデータの経路との相違を判定する判定部と、
    を有することを特徴とする保護リレー。
  2. 相手端の保護リレーから受信したデータに含まれ、自端の保護リレーが送信したデータが通過した通信装置の数に関する情報を抽出する抽出部を有し、
    前記所定の情報は、前記抽出部が抽出した通信装置の数に関する情報であることを特徴とする請求項1記載の保護リレー。
  3. 前記経路はリング状であり、
    一方の経路における通信装置の数と、これと反対方向の経路における通信装置の数とが異なる保護リレー同士の少なくとも一方において、前記判定部により経路の相違が判定された場合に、当該保護リレー同士とは異なる保護リレーに、経路の相違を通知する通知部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保護リレー。
  4. 前記データが経由した通信装置の数に関する情報は、相手端の保護リレーと自端の保護リレーとの間の経路における通信装置の数に、所定の値を加えた値を初期値として、通信装置を経由する毎に減算された値であり、
    前記所定の情報は、前記所定の値であることを特徴とする請求項1記載の保護リレー。
  5. 前記取得部が取得した通信装置の数に関する情報を記憶する記憶部を有し、
    前記所定の情報は、前記記憶部に記憶された通信装置の数に関する情報であることを特徴とする請求項1記載の保護リレー。
  6. 前記データが経由した通信装置を識別する情報は、所定の数の通信装置の経由によりデータを破棄した通信装置を識別する情報であり、
    前記取得部が取得した通信装置を識別する情報を記憶する記憶部を有し、
    前記所定の情報は、前記記憶部に記憶された通信装置を識別する情報であることを特徴とする請求項1記載の保護リレー。
  7. 前記データが経由した通信装置を識別する情報は、データを破棄した通信装置を識別する情報であり、
    前記所定の情報は、相手端の保護リレーの取得部が取得した通信装置を識別する情報であることを特徴とする請求項1記載の保護リレー。
  8. 相手端の保護リレーとの間でのサンプリングタイミングを同期する同期制御部と、
    前記判定部が、経路が相違すると判定した場合に、前記同期制御部による同期を停止して、内部クロックによる制御を行わせる自走部と、
    を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護リレー。
  9. 前記通信経路がリング状であり、
    保護リレー同士が自走部による制御を行っている場合に、双方の保護リレーの判定部が経路の相違を検知した場合に、停止していた前記同期制御部による制御を復帰させる復帰部を有することを特徴とする請求項8記載の保護リレー。
  10. バックアップ用の経路が接続され、
    前記自走部による自走が、所定の時間を経過した場合に、前記バックアップ用の経路に切り替える切替部を有することを特徴とする請求項8又は請求項9記載の保護リレー。
  11. 複数の通信装置を含む通信の経路に接続された保護リレーが有するコンピュータに、
    データが経由した通信装置の数に関する情報又はデータが経由した通信装置を識別する情報を取得する取得処理と、
    前記取得処理により取得した情報と、所定の情報とを比較することにより、相手端の保護リレーからのデータを受信する経路と当該相手端の保護リレーへ送信するデータの経路との相違を判定する判定処理と、
    を実行させることを特徴とする保護リレー用プログラム。

JP2015182257A 2015-09-15 2015-09-15 保護リレー及び保護リレー用プログラム Active JP6563286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015182257A JP6563286B2 (ja) 2015-09-15 2015-09-15 保護リレー及び保護リレー用プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015182257A JP6563286B2 (ja) 2015-09-15 2015-09-15 保護リレー及び保護リレー用プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017060270A true JP2017060270A (ja) 2017-03-23
JP6563286B2 JP6563286B2 (ja) 2019-08-21

Family

ID=58390940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015182257A Active JP6563286B2 (ja) 2015-09-15 2015-09-15 保護リレー及び保護リレー用プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6563286B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021166267A1 (ja) * 2020-02-21 2021-08-26 日本電信電話株式会社 通信遅延測定装置、通信遅延測定方法及びプログラム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002186166A (ja) * 2000-10-06 2002-06-28 Toshiba Corp ディジタル保護継電装置
JP2005318378A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Nec Electronics Corp リアルタイム通信装置及び受信バッファの制御方法
JP2007221440A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Nec Corp 品質計測方法、品質計測端末及び品質計測プログラム
US20120147941A1 (en) * 2009-12-31 2012-06-14 Abb Research Ltd. Method and Apparatus for Detecting Communication Channel Delay Asymmetry
JP2014147019A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Nec Corp 通信装置、通信方法及び通信プログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002186166A (ja) * 2000-10-06 2002-06-28 Toshiba Corp ディジタル保護継電装置
JP2005318378A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Nec Electronics Corp リアルタイム通信装置及び受信バッファの制御方法
JP2007221440A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Nec Corp 品質計測方法、品質計測端末及び品質計測プログラム
US20120147941A1 (en) * 2009-12-31 2012-06-14 Abb Research Ltd. Method and Apparatus for Detecting Communication Channel Delay Asymmetry
JP2014147019A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Nec Corp 通信装置、通信方法及び通信プログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021166267A1 (ja) * 2020-02-21 2021-08-26 日本電信電話株式会社 通信遅延測定装置、通信遅延測定方法及びプログラム
JPWO2021166267A1 (ja) * 2020-02-21 2021-08-26
JP7355209B2 (ja) 2020-02-21 2023-10-03 日本電信電話株式会社 通信遅延測定装置、通信遅延測定方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6563286B2 (ja) 2019-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8953645B2 (en) Communication system, communication apparatus and time synchronization method
EP2387829B1 (en) Communication method and system
CA2641289C (en) Coordinated fault protection system
EP1303081A2 (en) Method for propagating the fault information in a RPR network and corresponding RPR packet
US20120307845A1 (en) Method for detecting a synchronization failure of a transparent clock and related protection schemes
JP2009065579A (ja) 時刻同期システム、時刻同期方法、ノード及びプログラム
Kasztenny et al. Communications and data synchronization for line current differential schemes
US10250492B2 (en) Segment recovery in connection-oriented network
CN113541845B (zh) 一种电力通信继电保护业务时延控制方法、系统及继电保护设备
Shrestha et al. Understanding the impacts of time synchronization and network issues on protection in digital secondary systems
JP6563286B2 (ja) 保護リレー及び保護リレー用プログラム
JP5457230B2 (ja) 保護継電装置、並びに電流差動保護継電装置
JP6386905B2 (ja) 保護リレーシステム
JP2015089182A (ja) プロセスバス適用保護システム
CN103125099A (zh) 传输设备、传输系统和故障通知方法
Aichhorn et al. Secure communication interface for line current differential protection over Ethernet-based networks
WO2013170745A1 (zh) 一种智能光网络中处理消息的方法及光线路设备
JP2015119233A (ja) 伝送システム、伝送装置、及び、伝送方法
Vo An implementation of packet-switched communication for pilot protection at Tennessee Valley Authority
Ward et al. Integrating current differential relaying communications into an IP based infrastructure
Serizawa et al. Examination on the applicability of IP-related communications to teleprotection systems
JP2016005128A (ja) 伝送システム、伝送装置および経路切替方法
Yun et al. Technique analysis of t-mpls oam and mpls-tp oam
JP2013085013A (ja) 通信装置および通信装置の障害検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190724

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6563286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150